"「2026年の宇宙科学研究所」...
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2026年の 宇宙科学研究所
ひので
X-ray sun in 2007
宇宙科学研究所 常田 佐久
平成26年7月26日13時 JAXA相模原キャンパス特別公開2014
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小惑星からの帰還 HAYABUSA(MUSES-C)2003-2010
赤外線で冷たい宇宙を観る AKARI(ASTRO-F)2006-2011
月の科学の大進展 KAGUYA(SELENE)2007-2009
X線天文衛星 SUZAKU(ASTRO-E2)2005- M-V Rocket
金星気候学 AKATSUKI(PLANET-C)2010-
惑星大気と磁気圏 Hisaki (SPRINT-A)2013-
太陽の異変をキャッチ HINODE(SOLAR-B)2006-
超小型衛星 REIMEI(INDEX)2005-
ソーラーセイル IKAROS 2010-
最近の科学衛星・探査機
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打ち上げ準備進む衛星・探査機
• 2014年度 はやぶさ2 打ち上げ – 2018年 1999JU3到着(2019年離脱) – 2020年 地球帰還
• 2015年度 ASTRO-H(X線衛星)打上 • 2016年度 イプシロンでERG(ジオスペース探査 衛星)打上 • 2016年度 Bepi-Colombo打上(欧州宇宙機関)
– 2024年 水星到着・周回軌道投入
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太陽・惑星から銀河・宇宙の果てまで リモート観測と地球外物質の分析収集
時空を駆け巡る宇宙研の衛星群
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Bepi-Colombo (2016, ESA) Mercury Magnetospheric Orbiter 灼熱の水星へ
太陽観測衛星 SOLAR-C
バンアレン帯へ ERG (2015)
惑星大気と磁気圏 Hisaki (2013)
始原的小惑星へ Hayabusa2
(2014)
ソーラーセイル Jupiter Trojan
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ERG (ジオスペース探査衛星)
ASTRO-H(X線)
宇宙への多様な道 HII-Aとイプシロンを目的に応じて使分ける
中型計画(300億程度):世界第一級の成果創出を目指し日本がリーダとして実施。多様な形態の国際協力を前提。
公募型小型計画(100-150億
規模):高頻度な成果創出を目指し実施。地球周回/深宇宙ミッションを機動的に実施。
多様な小規模プロジェクト群(10億/年程度):海外ミッションへのジュニアパートナとしての参加、多様な機会を最大に活用し成果創出を最大化する。
SPICA(赤外線)
JUICE(木星の衛星探査)
3号機 選考中
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SLIM概要
小型月着陸実験構想 SLIM とは?
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ピンポイントに月に降り立つ それをイプシロンロケットで、実現する
• 新たな工夫・研究成果により、重力天体(月・火星等)への着陸を、従来型探査機に比べて、大幅な小型・軽量化で実現します
• イプシロンロケットでも、月着陸探査が十分に可能であることを実証します
「降りやすいところに降りる」から 「降りたいところに降りる」へ
中大型探査から 小型探査へ
SLIM概要
SLIMを実現するための技術
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全国の研究者が刺激しあいながら協力して、SLIM実現を目指しています (以下、一部の研究項目・機関を紹介)
電源系(JAXA)
航法誘導制御 (明大、電通大、横国大、愛知工科大、JAXA) 着陸ダイナミクス
(九大、香川大、首都大、熊本大、JAXA) 推進系 (JAXA)
熱・構造設計 (福井工大、東北大、JAXA)
表面移動(オプション実験) (電通大、首都大、九大、JAXA)
工学者がドライブし 宇宙科学のミッション
を先導する
理学者が要望する 新しい工学技術の開発
ISASの特徴:惑星探査では必須の 宇宙理学と宇宙工学のユニークな連携
宇宙理学部門 宇宙物理学研究系 太陽系科学研究系 学際科学研究系
宇宙工学部門 宇宙飛翔工学研究系
宇宙機応用工学研究系
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最近の成果(はやぶさ&イカロス)
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最近の成果(はやぶさ&イカロス)
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はやぶさミッションの目的: サンプルリターンの技術実証 イオンエンジンの低推力航行による惑星間飛行 天体近傍での自立制御による航法誘導 弾丸射出によるサンプル採集及び収納 高速度大気突入による地球再突入飛行及び回収の実証
[ミッション#1] 大型膜面の展開・展張
[ミッション#3] ソーラーセイルによる加速
[ミッション#4] ソーラーセイルによる 航行技術の獲得
打ち上げ (2010/5/21)
金星フライバイ
[ミッション#2] 薄膜太陽電池による発電
後期運用
(2010/6/10)
IKAROS:世界初のソーラーセイル&ソーラー電力セイルの実証
薄膜太陽電池
ソーラーセイル 20m
(2010/12/8)
(2011/1~現在)
(~2010/6/9) JAXA JSPEC
「より遠くへ」 深宇宙航行技術・ 月惑星表面到達・探査技術、 高エネルギー推進、太陽光・太陽風利用推進 「より自在に」 固体推進技術の洗練と発展、 再使用輸送システム、 再突入・大気圏内飛行技術、 超高温・極低温技術 「より高度に」 次世代小型衛星技術、 超小型化・超軽量化技術、高機能デバイス研究 宇宙空間でのエネルギ利用、衛星・探査機の自律化・知能化、
宇宙科学における宇宙工学の重要性
「より遠く」、「より自在に」、「より高度な」観測・探査や宇宙利用などの活動を可能と
し、宇宙開発利用全体の将来や人類的課題の解決に向けた先駆けとなる事を目指
す。様々な宇宙科学の飛翔機会を活用して実証的に行う。
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宇宙科学者が挑むBig Questions
1. 地球に生命はどうやって誕生したのか? 2. 第2の地球はあるのか? 3. 地球外に生命体は存在するか? 4. 宇宙全体の物質とエネルギーのうち、74%がダー
クエネルギー、22%がダークマター(見えない物質)。 一体これらは何?
5. 宇宙はどうやって始まったのか?
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太陽系の仲間たち : 私たちの「世界」
ガス巨大惑星 (木星型)
岩石惑星 (地球型)
水惑星なら ハビタブル 惑星(後述)
0.4au 1au 5au 30au ← 距離 中心星から
1天文単位 (1au) =太陽と地球の距離 =約1.5億 km =8.3 光分
岩石惑星 ガス惑星 氷惑星 地球型惑星 木星型惑星 海王星型惑星
「ひので」の明らかにした ダイナミックな彩層とコロナの加熱現象
光球(青色疑似カラー))
コロナ(見えない) 彩層(オレンジ色(疑似カラー))
恒星と宇宙はどうつながっているのか? 16
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「ひので」の明らかにした ダイナミックな彩層とコロナの加熱現象
SOLAR-C衛星で追及する母なる星太陽の謎
1.太陽コロナ(太陽大気)はなぜ100万度に加熱されているか? (太陽表面は6000度) 2.太陽フレア爆発はなぜ起きるのか? 3.黒点周期活動のメカニズムは何か?
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最近の太陽活動の異変 • 前回のサイクルから黒点数は低下し、高
緯度磁場も弱くなっている。太陽周期が10.6年から12.6年に2年伸びている。また、「ひので」の観測から太陽の極域の基本的対称性が崩れている。
• これらの現象はマウンダー極小期への移行期と共通性があり、またここ100年間にはなかった現象。
• 今後10年程度の観測で、太陽がマウンダー極小期に突入するか分かるだろう。太陽活動は、確信を持って予測できる段階にはなく、人工衛星等による観測の長期的継続が重要。
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2013年 「ひので」による
2008年 「ひので」による
ESA-JAXAベピ・コロンボ(BepiColombo) 水星探査計画
• 2機の衛星が水星を周回 – 日本は水星磁気圏探査機(MMO)を担当 – 欧州は表面探査機(MPO)を担当
• 初となる大規模な日欧共同ミッション • 打ち上げ: 2016年7月 • 水星到着: 2024年1月 • 地球の10倍にも及ぶ強烈な太陽光(昼側の地表温度:430℃) • 直射日光だけでなく照り返しも大変
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見た目は月にそっくり
http://www.nasa.gov/mission_pages/messenger/multimedia/messenger_orbit_image20120615_1.html
・地球と違い、分厚い大気に守られていないのでクレーターだらけ ・月では見られない水星特有の地形も ・惑星が生まれた当時の情報が残っているかもしれない
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NASA
立教大学 亀田慎吾博士提供
・水星にも非常に希薄ではあるが大気が存在することが確認された ・しかしどのようにして大気が生成されているのか未解明
水星には大気がないように見えるが…
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水星にも磁場がある
• 惑星が磁場をもつには内部に溶けて対流する金属のコアが必要 • 火星・金星には固有磁場がない • 水星のように小さい惑星は内部が完全に固まっていて磁場は生まれ
ないと考えられていた
N
S
なぜ磁場が存在するか、未だにわかっていない 23
もし地球に磁場がなかったら
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ひさき 2013年9月14日イプシロン試験機で打上 極短紫外線で惑星大気と太陽活動の関係を探る (金星, 火星, 木星, 水星, 土星)
?
居住可能 な火星
居住不可能 な火星
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隣り合っている彼らは、 どこで道を違えたのか
金星 460℃
地球 20℃
火星 −60℃
? ? ?
原始惑星系星雲
? ?
惑星の気候変動を知るには、大気が宇宙空間とどうつながって進化してきたかが重要
灼熱惑星 生命の星 凍結惑星
-50℃ -18℃ -57℃
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磁場の無い、重力の弱い火星では?
• 重力が弱いため、大気をつなぎ止めておく力が弱い。 • 火星は早い時期に磁場を失った。 • 昔は太陽風や太陽紫外線が現在よりはるかに強かった。 大量の大気が宇宙へ散逸させられたために現在はわずかな大気しか無 いのもしれない
ひさき-ハッブル 木星協調観測 観測域の全体像と視野の関係
ひさき観測結果 (12/20~1/15観測分) イオトーラスの明るさと明るい場所が変動
ハッブル観測 (1/1~1/16観測分) オーロラの明るさと場所が変動
ひさき観測領域 木星
イオトーラス ハッブル観測領域
木星のオーロラとイオトーラスを同時観測 イオトーラスは衛星イオ軌道に沿った領域のこと オーロラをハッブルでイオトーラスをひさきで観測
イオ 極域オーロラ
イオトーラス 火山ガス
プラズマ化
イオの スポットオーロラ
木星半径の 20倍以上離れた
プラズマ
©NASA, ESA, PI: Sarah. B.
太陽の磁場の影響範囲 を出るとそこはもう銀河系空間
末端衝撃波 100AU
ヘリオポーズ
ヘリオシース
星間空間風
ボイジャー1
ボイジャー2
銀河宇宙線
太陽風
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なぜ第2の地球を探す?
系外惑星発見前夜
太陽系は標準でない?
すばるにおける惑星探し
ハビタブル惑星とは?
宇宙における生命
講演内容 (予定)
太陽系を超えた宇宙・銀河系には 数多くの恒星がある。ならば、
太陽系外惑星に惑星と生命を探そう
他の星に惑星はあるか? 他の星に地球はあるか? 他の星の惑星に生命はいるか?
• 1つの銀河に1000億の星 • 宇宙に1000億の銀河 • 合計10000000000000000000000000
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1995年、ついに確実な系外惑星を発見 発見された系外惑星は、
太陽系のどの惑星とも似ていない! はたして太陽系は「標準」なのか?
ペガスス座51番星b
マイヨールとケロズ(スイス) Nature誌 1641回引用
木星
軌道半径5au 周期12年
低温の惑星 温度-150度C
ペガスス座51番星b
灼熱の木星 (ホットジュピター) 温度1000度C
軌道半径0.05au 周期4日
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どうやって惑星を見つけるのか? 光が暗くなるのが観察された
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ハビタブル領域にあるケプラー惑星
惑星の半径(地球を1とする) 惑星の平衡温度(大気効果を考慮すると摂氏0-100度)
木星
海王星 地球
約60個の ハビタブル惑星 (重いものも含む)
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恒星が惑星を持つ割合 (P<85日)
Small
17% 21% 20% 2% 2% Total=62% 少なくとも一個の惑星を持つ恒星の割合(%) 惑星のサイズ(地球を1としたとき)
地球 スーパーアース 小海王星 大海王星 木星
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太陽系
水星 金星 地球 火星
水のある領域
太陽系外惑星
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3 将来の展望
生命存在の指標となる惑星大気のスペクトルの特徴をとらえる! 水 オゾン(酸素) 二酸化炭素 、 メタ
ンも重要 これらが共存すれ
ばより良い指標 WFIRST・SPICA計画 日欧米で協力
金星、地球、火星のスペクトル
波長(ミクロン)
温度(ケルビン)
金星
ガリレオ探査機の データ(セーガン1993)
地球の特徴は遠くからどう見えるのか?
第二の(超)地球の探し方
水
オゾン
二酸化炭素
地球
火星
小惑星探査機「はやぶさ」(2003年打ち上げ- 2010年帰還; JAXA)
しかし、真の生命探査は 太陽系惑星探査から
falcon
hayabusa
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Itokawa falcon
hayabusa
Led by JAXA Lunar & Planetary Exploration Program Group 38
JAXA宇宙研のはやぶさキュレーション施設
イトカワ起源粒子の電子顕微鏡画像
0.1ミリメートル 40
falcon
hayabusa
20ミクロンの奇跡
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Hayabusa 2 mission
1/5
falcon
hayabusa
はやぶさ2 • 打上: 2014年, 小惑星到着:2018年, 小惑星出発: 2019年,
地球帰還: 2020年 • 目標小惑星: 1999 JU3, C-タイプ近地球小惑星
• 熱変性を受けておらず、太陽系形成時の情報を保持 • このため、有機物や水といった揮発物質を有している
• 主要な実験: 接近観測, サンプル取得, 衝突実験 • 科学目的
C型小惑星の特性と形成過程の理解 生命の原材料の探索 太陽系の起源と進化
JAXA Lunar & Planetary Exploration Program Group
http://ircamera.as.arizona.edu/NatSci102/lectures/lifeform.htm http://www.psi.edu/projects/moon/moon.html
45億年前 後期重爆撃期 38~40億年前
35億年前
生命の誕生
生命の誕生 に適さない時代
巨大衝突と月の形成、生命の誕生
in “some warm little pond”.
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35億年前の生命 と地表での水の存在
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35億年前のストロマトライト
• 地表に水があった • ストロマトライトの存在
ストロマトライトは藍藻類と堆積物が 何層にも積み重なったもの。藍藻類 は原始的な細菌で、過酷な環境でも 生息。
太陽系内での生命探査
• 水星:暑すぎ(平均170℃) • 金星:暑すぎ、硫酸の雲 • 可能性あり
• 火星 • エンセラダス(土星の衛星) • タイタン(土星の衛星)
地球型惑星 (岩石惑星)
木星型惑星 (ガス惑星)
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Opportunity (Mars Exploration Rover - B)
いざ火星へ!
NASA プレスリリース, 2009年5月: “NASAローバーが火星のクレーターに
数十億年前に水が再三にわたり存在した兆候を発見” 46
• 1976年バイキングの探査で有機物は検出限界以下であった。
• 2000年代バイキングの有機物の検出能力は極めて悪いことが分かった
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チリ、アタカマ砂漠
水の流れているらしい場所がいくつも見つかっている
火星には氷が見つかっている 左の氷の固まりが数日後にはなくなった。
火星には水と氷がある
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生物学者 山岸先生の提案 火星で微生物を見つける方法:顕微鏡
微生物が蛍光色素 で緑に光る
月着陸実証から火星着陸・生命探査へ
リレー衛星(海外の衛星利用: NASA のMRO, MAVEN など)
クルーズフェーズ
大気突入/ミッションフェーズ
光学航法技術 (はやぶさ)
推進・誘導・着陸技術(SLIM)
高精度軌道決定技術(はやぶさ,あかつき)
火星大気突入技術 空力誘導技術
(小型回収システムを用いて実証する)
超音速パラシュート技術(観測ロケット実験により実証する)
火星ローバ技術
遠い宇宙の姿を見ること =遠い宇宙の「昔の姿」を見ること
宇宙の変化は、どこでも似たり寄ったり →遠い宇宙の「昔の姿」は、 我々自身の「昔の姿」
138億年の宇宙の歴史の中で、 銀河が誕生する姿を「この眼で」 みることができる!!
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円盤渦巻き銀河 (M81) 楕円銀河 (M87)
(NGC4449)
不規則銀河 不規則銀河
(NGC4038/3039)
S0銀河
(NGC3115)
現在の宇宙(宇宙が誕生して138億年)
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138億年前 ビッグバン
40万年前 宇宙の晴れ上がり マイクロ波宇宙背景放射
現在の宇宙 135~130億年前 宇宙最初期の 銀河の誕生?
宇宙の歴史:模式図
時間の流れ 時間の流れ
二十億光年の孤独(谷川俊太郎)
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暗黒エネルギーによる加速 銀河、惑星の形成
宇宙の膨張 4億年頃に初代の星
Wayne Hu作
次元を一つ落とした例 (この方がわかりやすい) “北極点”から、 すべての矢印は 遠ざかっていく。 どの点も“北極点”にできる のでどの点も特別ではない (対称性) 遠くにある矢印ほど、 速いスピードで 遠ざかっていく。
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ハッブルの法則
地球から遠ければ遠い銀河ほど、その距離に比例して速いスピードで遠ざかっている
過去の宇宙が見える赤外線
56 宇宙は膨張 → 波長が伸びて可視光が赤外線へ
ビッグバン
138億年
宇宙の晴上り インフレーション
一番星と最初の銀河
赤外線で見る世界 -熱源が見える赤外線-
可視光線 赤外線
どちらの缶コーヒーが温かい? 57
銀河の進化
物質の輪廻
惑星系の形成
SPICA 仕様 •望遠鏡口径 3.2m •望遠鏡温度 -268℃(絶対温度6K以下) •総質量 約3.7t •軌道 太陽-地球系の第2ラグランジュ点ハロー軌道 •打上げ 2025年
圧倒的高感度の 宇宙赤外線天文台 極低温冷却望遠鏡 国際ミッション
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嶇膾貌エ嗾簸ぢァぜぱば蛭劬滓僊さ100 拌逗欖
JWST 低温望遠鏡
(6.5m)
SPICA 極低温望遠鏡(3.2m)
スペ
クト
ル線
検出
感度
(W/m
2 ) 10-16
10-18
10-17
10-19
100 1 ミリメートル 20ミクロン
ジャンボジェット機望遠鏡(口径2.5m)
200 350ミクロン
観測する赤外線・電波の波長
2020年代
2010年代
銀河の誕生と進化を直接観測 現在の宇宙は「衰退期」
銀河形成の最盛期 に何が起きていたのか
SPICA
赤方偏移
銀河(恒星)形成の活動度
現在から昔への年数(単位10億年)
? 60
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物質の輪廻を解明 星を作る物質は繰返し使われる
H、He 分子雲
原始星
主系列星 赤色巨星
惑星状星雲
超新星爆発
ブラック ホール
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天体のない宇宙空間を見ると?
COBE
160GHz(マイクロ波)
2.725–0.002 K (1999)
完全なる黒体放射! (プランク分布)
ビッグバン宇宙論 +素粒子の法則 の予想に一致
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宇宙マイクロ波背景放射 信じがたいほどの一様性
T=2.725–0.002 K
しかしムラムラ・しわがあった ムラムラ・しわ=宇宙の構造の起源!
The Known Universeの果てに見えているもの 世界最古の“光” 64
30マイクロケルビン程度 のゆらぎ(でこぼこ)あり
ビッグバン理論の限界:地平線問題
離れすぎていて、過去に情報を交換することができないように見える なぜ、温度は同じなのか?
T=2.725–0.002 K
地平線問題:なぜどこを見ても同じ温度なのか? 平坦性問題:なぜ宇宙は平らなのか? 初期密度揺らぎの存在:宇宙の構造(ひいては我々)の起源は?
宇宙背景放射(CMB)の偏光による 原始重力波検出
宇宙年齢 10-38秒? 40万年 1億年 137億年
インフレーション
再結合
ダークエイジ
宇宙の始まり
再電離
ビッグバン
銀河形成
偏光の観測がベストな原始重力波発見法
巨大なエネルギーと アインシュタイン方程式
→原始重力波 CMB
CMB偏光Bモード “渦”パターン 原始重力波の“刻印”
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素粒子物理学者sが提案
JAXA (2020年代)
Yes No
理論予想と一致
No Yes
インフレーション宇宙の証明 佐藤勝彦先生ノーベル賞
人類の世界観に革命 (例:誕生と終焉を繰り返す宇宙)
新しい学問分野(量子時空の宇宙物理学)の誕生 原始重力波の発見 代表的インフレーション宇宙モデルが棄却され、 観測による究極理論候補の選別が重要となる
ビッグバン以前の観測による成果
自然科学研究機構長 佐藤勝彦
2026年の宇宙科学研究所 (超楽観的予想)
• 2016:ASTRO-Hでダークマターの性質を解明 • 2018:SLIMで月着陸に成功 • 2020:はやぶさ2で水を発見 • 202X:LiteBIRDでインフレーション宇宙を証明 • 202X:SOLAR-Cで太陽フレアの予報に成功・太陽マウン ダー極小期に突入へ • 2024:Bepi-Colomboで水星磁場の謎を解明 • 202X:火星に着陸して生命探査 • 202X:SPICAで銀河誕生の瞬間を観測
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