2016 09-15 平成28年度 発達障がい就労研修会 プレゼン

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就労支援の実際 ~当事者の立場で~ 2016/09/15 平成28年度 発達障がい者就労研修会 荒井 崇介

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就労支援の実際

~当事者の立場で~

2016/09/15平成28年度 発達障がい者就労研修会

荒井 崇介

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はじめに

• 「障害、障がい、障碍、しょうがい」 表記について、あまり私は

こだわらないのでご了承ください。

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私について

• 18歳時に受験勉強のストレスから精神状態に破綻をきたす。診断名は統合失調症→内因性うつ病→現在は、双極性障害・高機能自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群に落ち着いている現在は薬物療法が奏功し、障がい者枠雇用にて食品製造工場で週5日、午後半日働いている。

• ここに至るまでの紆余曲折をお話しします。

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発達障害1年生

•高機能自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群と診断されたのは今年2月のこと。

•一方で双極性障害とはもう20年来の付き合い。→精神障がい者はベテラン。

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うつのどん底からのSOS~社会資源に自らつながってゆく能力~•家族

•主治医

•就労支援事業所スタッフ

•障がい者総合相談支援センタースタッフ

•障がい者就業・生活支援センタースタッフ

•行政機関の方々

•産業カウンセラーさん

•当事者会の人々

ありとあらゆる人にSOSを発信する→私のいいところ(特性)の1つ

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私が受けた支援

•就労移行支援事業所に通所。→軽作業等の実施、工賃が発生する。回復期の日常生活のリズムを作る。就労に必要な体力を作る。コミュニケーションの練習。悩みについての相談支援。

•就労支援ワーカー、ジョブコーチ、カウンセラーなどのチームによる就労支援。自分の強み、弱みの把握。強みを生かし、弱みを目立たなくさせる職業選択。

•障がい者短期トレーニング事業(長野県独自)、障がい者短時間トライアル雇用を利用した、試験的就労の実施。→実際の企業で学ぶよい機会になる。(自分の適性、問題点の把握)

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発達障がい者就労のキーポイント~私見~

•自分の発達特性(強みと弱み)を支援者と一緒に把握し、強みを生かし、弱みを目立たなくする(マスクする)ような職業選択をすること。

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道を開いたのは試験的就労からのご縁

•食品製造会社の物流部門で製品を店舗別に仕分ける仕事→障がい

者短期トレーニング促進事業→ハローワークに障がい者求人があっ

た→障がい者短時間トライアル雇用制度で1年間働く→現在の雇用

形態(週5日半日勤務)で契約更新。

•身体疾患での手術による休職はあったものの、精神状態が悪化しての欠勤は無く1年間働くことができた。→人生初めて。自分に合っている仕事だと思う。

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自分の強みと弱みを把握する

•私は自己肯定感というものがあまりよくわかりません。事あるごとに自分をいじめてきた結果だと思います。ですので、自分の弱みはいくつでも挙げられたのですが、強み(良さ)を見つけることがなかなかできずにいました。→客観的に自分を見てくれている人の必要性(家族(私の場合は妻)、支援者、友人など。)

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私の強み(特性)

•誠実である。

•真面目である。

•優しい。

• 1点への集中力がある。

•規律を守る。

•素直である。(支援者の方の指摘)

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私の弱み(特性)①

•コミュニケーションが苦手。対人緊張。(特性として諦めるよりも今は克服したい気持ちがある。)

•運転が苦手。

• ストレス耐性が低い。(ストレス対策が必要。)

• Noといえない。(コミュニケーション)

•自己主張が苦手。(コミュニケーション)

•手先が不器用etc…

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私の弱み(特性)(妻の指摘)②

•先を見通して、計画を立てて(推測して)物事を行うことが苦手。物事を一気に急に片づけようとする。

•突然の変化や臨機応変に対応することが苦手。⇔一点集中力が高い。

•同時並行して複数の物事を行うのが苦手。⇔一点集中力が高い。

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私に向いた職業は?(こういうことは中高生のときにやるべき教育)•強みを生かす。→強みが抽象的でなかなか具体的な職業が思いつかない。

•弱みをマスクする→①トラック運転手(運転苦手✕)

②警備員、交通整理員(整理整頓苦手✕一度に

複数のことを同時に行うのが苦手✕)

③何かしらの職人(手先不器用✕具体的に思い

つかない✕)

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コミュニケーションが苦手でも、マナーでカバー

• 「おはようございます。」と言って会社に入り、人に会ったら、「お疲れ様です。」と言い、会社から帰るとき、「お先に失礼します。」と言う。

•報告・連絡・相談を自分のできる範囲で行う。(マナーでなく仕事でやるべきこと。)

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必要な支援(適性教育、職業教育)

•職業教育を早期に始める。→中学、高校の段階で職業適性検査の実施、どのような職業があるのか、自分が何に向いてるのかを教育し、自己の職業適性を把握する。

•厚生労働省編 一般職業適性検査(GATB)を実施、職業に必要な能力の把握が可能。

•独立行政法人労働政策研究・研修機構 のHPが詳しい。http://www.jil.go.jp/institute/seika/index.html

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必要な支援(就労支援事業所)

•障害別に事業所を分ける(専門分化)→自分の病気のことはよくわかっても他の人の病気のことはよくわからない。発達障害専門の就労支援事業所があってもいいと思う。精神障がいも同じ。(うつ病専門、統合失調症専門)

• その例 株式会社kaien、Linkbe など「発達障害 就労支援事業所」で検索すれば出てきます。見学してノウハウを学ぶ。

•信州にも発達障害専門就労支援施設を!(ほかの障害も同じ)

•独自の企業開拓(発達障害がどんな障害なのか?翻訳して人事に伝え、障がい者雇用を広めてゆく。)

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最後にまとめ

•発達障がい者の就労には「強みを生かし弱みを目立たなくする。というポイントが大事である。

•実際に自分の適性を考える教育が中高時代に必要である。

•就労支援施設においては専門分化が適しているのではないか。

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