20...食卓に上る「角屋のアジフライが 大好きで、子供の頃から週 2 回は食...

原材料から製法までこだわり抜いた 最高のアジフライを食卓に 株式会社 かどやしょくひん 屋食品 20 LEADING COMPANY 『最高のアジフライ』を目指して いますから」と笑顔を見せる角谷 社長。フライの美味しさを引き立 てる専用のソースも開発した 40 2006使2調201550 使1調使15211121087 086

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Page 1: 20...食卓に上る「角屋のアジフライが 大好きで、子供の頃から週 2 回は食 大樹さん(料選別を担当する、境港出身の濱田べていた」と話すのは、製造場で原

原材料から製法までこだわり抜いた最高のアジフライを食卓に

株式会社 角か ど や し ょ く ひ ん

屋食品 20LEADINGCOMPANY

『最高のアジフライ』を目指していますから」と笑顔を見せる角谷社長。フライの美味しさを引き立てる専用のソースも開発した

 

サクッ。口に入れると粗目の衣の

サクサク感に驚かされる。次にジュ

ワーと広がる柔らかでしっとりし

た白身の味わい。今まで食べていた

アジフライとはまるで別物だ。

「ちょっと高いけれどやっぱり美味

しくて買ってしまう

―。アイスク

リームでいうハーゲンダッツのよう

な。そんなアジフライを目指してい

るんですよ」。角かど

谷たに

直樹社長(40)の

笑顔の隅に自信が垣間見えた。

 

水産加工業の経験が長い先代の悦

郎前社長が2006年、念願叶えて

起業したのが《株式会社角かど

屋や

食品》

だ。「自分が美味しいと思うものを

造りたい」という一心で、荒波に乗

り出した。主軸に据えたのが、境港

産のアジ、イワシ、トビウオを使っ

た《やわらかだんご》と、《いわし

の昔煮》の2種類。長年の経験や

培ったレシピを生かし、自信を持っ

て売り出したものの、ヒットには至

らなかった。「素材にこだわり過ぎ

て、食感や風味は今一つでした」と

角谷社長。

 

悦郎前社長が体調を崩したため、

味の素株式会社の研究者だった角谷

社長が2015年に帰郷、翌年代表

取締役に就任した。他の水産加工会

社との差別化のため、アジフライを

主軸の商品に『アジフライ・カンパ

ニー』としてのブランディングを開

始した。

 

原材料のアジは地元境港で水揚げ

されるマアジに限定。産地を限定す

れば不漁に陥ったときのリスクは高

まるが、“産地を謳える”という大

でごまかさずアジ本来の風味と食感

を味わってもらうため、衣は全体の

重量比50%以下に抑えている。その

ため角屋食品のアジフライを揚げる

と魚の肌が薄っすらと見える。パン

粉は、メーカーにオーダーメードし

た粗目の生パン粉を使用している。

アジの肉に最適なパン粉を見つける

ため複数のサイズを試し、1mm単位

で調整したという。原料を国内産小

麦に限定したバッター粉には、人工

食品添加物も一切不使用だ。素材の

風味と食感を生かした“最高のアジ

フライ”は、海外産と比べれば1・

5~2倍近くにもなり、価格だけ

で勝負すればひとたまりもない。し

かし一度食べたら虜になるほどの美

味しさと品質へのこだわりは評判を

呼び、地元はもちろん都会のスー

パーに並ぶほか、全国の生協や県内

外の学校給食にも採用されている。

 

手にない強みが生まれる。地元仲買

人と厚い信頼関係を築き、不漁で入

荷困難な時も安定して仕入れる体制

をとる。水揚げがあった時は、その

日のうちに工場へ運び刺身級の鮮度

で加工する。加工も手作業にこだわ

る。機械で背ビレを切断すると割れ

る可能性があるため、はさみでカッ

ト。硬くて口当たりの悪いゼイゴは

機械ヤスリで、開いた後に残った骨

はペティナイフで1匹1匹丁寧に取

り除く。アジフライの衣も手付け

だ。その数1日当たり約2万匹にも

なる。「産地を境港に限定し、一見

すると非効率的に見える手作業で丁

寧に製造するのが角屋の流儀」と角

谷社長。「安さや数だと、どうして

も大手に負けてしまいますからね。

彼らが出来ないことをしないと。ア

ジ1匹の付加価値を最大限まで高め

ていきたい」。

 「衣」にも徹底的にこだわる。衣

原料から加工まで徹底的に

こだわり抜いた境港の逸品

手作業による丁寧な仕事で

ワンランク上の品質を実現

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Page 2: 20...食卓に上る「角屋のアジフライが 大好きで、子供の頃から週 2 回は食 大樹さん(料選別を担当する、境港出身の濱田べていた」と話すのは、製造場で原

 

食卓に上る「角屋のアジフライが

大好きで、子供の頃から週2回は食

べていた」と話すのは、製造場で原

料選別を担当する、境港出身の濱田

大樹さん(20)。仕入れたアジはまず

工場で6種類のサイズに分別、続い

て背ビレカット、ゼイゴ取り、開き

工程に回す。「ゼイゴが残っている

と舌触りはもちろんケガにもつなが

るので細心の注意が必要」。今冬地

元であったイベントでは、揚げたて

フライの販売を経験。消費者と直接

触れ合えた貴重なひとときだった。

「自分たちが作っている商品を、目

の前で喜んで食べてもらえて本当に

感激でした」。今後は、工場で使わ

れる機械の知識を増やすなどスキル

アップを目指す。

 

出来上がった製品は一旦冷凍庫

へ。注文に応じて袋に詰め、段ボー

ルに梱包する。「商品温度が上がる

とふにゃふにゃになるのでスピード

が勝負」と話すのは、包装場の戸田

千絵さん(19)。時には衣の一部がは

がれ落ちたり、重量が足りないフラ

イもある。そこで重要なのが包装場

の仕事だ。「不良商品をチェックす

るのも大事。ここで私たちが見逃す

とお客様の元まで行ってしまいま

す」。戸田さんの表情が引き締まる。

「一番下っ端で、ベテランさんに教

えてもらうことばかり。でも私なり

に経営的意識を持ってより良い商品

づくりを考えたい」。入社1年未満

にも関わらず、戸田さんの意識が高

い理由の一つが、月に一度の若手向

け社内研修だ。原価計算からマーケ

ティングや戦略、食品会社としての

倫理意識も学ぶ。「難しい言葉がいっ

ぱい出てくるけれど、きちんと説明

してもらえるし勉強になります」。

 

人の口に入るものを扱う食品会社。

とりわけ気を遣うのが品質管理だ。

品質管理部の田本愛さん(25)は1日

1回、工場内を回って備品や設備の

異常の有無を確認。専用のキットを

使った商品の微生物検査も行う。

「たとえば冷蔵保存の時間が長いと

増えてしまう菌もある。大学で学ん

だ化学の知識も生かし、品質向上に

より力を入れていきたい」。2年前

のHハ

ACCP認証取得時には、新人

ながら主力となって製造工程を

チェック、商品や素材の温度管理な

ども改めて確認した。「社内で徹底

していくのは大変でしたが、先輩社

員や工場長に頑張って頂きまし

た」。商品の規格書作成やクレーム

対応も担当。「お客様の中にはメー

ルでわざわざ『おいしい』と連絡を

下さる方もいらっしゃいます。そう

いったお声を聞くととてもうれしい

なと感じます」。

 

商品と消費者をつなげる役割を担

うのが、営業事務の足立浩子さん

(41)。顧客の注文を製造、包装場に

伝達。在庫や商品の出来上がりを確

認しながら運送会社にも連絡する。

大雪や洪水などで運送手段が阻まれ

た時は、顧客にこまめに配送状況を

伝えるなどして尽力したことも。

「社内で一番お客様に接する場所で

す。商品の問い合わせやお褒めの言

葉を頂く時はうれしいです」。角谷

社長より社歴が長い足立さん。「先

代とは全く違うブランディングで、

時代を読む力を感じます」と評価。

「起業時は着実性が大事でしたが、

今は第二段階。“アジフライといえ

ば角屋”という声をもっと広めたい」。

 

大手製紙メーカーから転身した製

造場の柏木康彰さん(34)も、全国展

開を視野に入れた経営を提案する。

 「今後、設備投資や作業効率の見

直しも必要。でも食品業界で最も大

事なのは安全性。手作業の良さを大

切にしながら、新たな価値を付加し

ていきたい」。柏木さんは、創業者

と共に会社の土台を創り上げてきた

現工場長の長男。「苦労を知る工場

長の息子さんだからこそ持ち得る責

任感や使命がある。同じ志を持つ存

在が、会社をより盛り立ててくれれ

ば」と角谷社長は期待を寄せる。

 「小さくても境港で一番光る会社

になりたい」。角谷社長は目標を掲

げ、研修の充実や給与面での向上も

考えている。今年から全社員が毎年

昇給する。「モチベーションアップ

のためには、気持ちだけでなく金銭

面も大事。社員一丸となって最高の

アジフライをPRしていきたい」。

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鮮度が落ちないようにすばやく選別 中3男児の母でもある足立さん。「女

性が働きやすい職場」 「毎日2万匹触っていても飽きません」と笑う濱田さん

手作業による丁寧な仕事で、ワンランク上のアジフライが出来上がっていく 商品のクオリティを守るため、工場全体に目を配る柏木さん 信頼できる仲卸業者がいるからこそ、原料の安定入荷も可能に 衣が付けられたアジフライは、丁寧かつスピーディーに包装

社内のムードメーカーで愛社精神にあふれる戸田さん パッケージングされた角屋食品の商品 「食べることが好きなので食品業界に興味があった」と話す田本さん 衛生管理や品質管理は厳しくチェック 休憩時間には雑談で盛り上がることも

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資料請求・お問い合わせ先

求 め る 人 材 像

採用直通 TEL

採用直通 [email protected]

080-3483-9972

●誠実さを兼ね備えている方

● 事業を通じた郷土、山陰への貢献に意欲を持っている方

● 自分で考え、責任感を持って行動できる方

●効率や生産性を考えられる方

創 業 平成18(2006)年6月6日

代表者 代表取締役 角谷 直樹

社員数 39名(男8名 女31名)

〒684-0046鳥取県境港市竹内団地62TEL/0859-45-3283

https://kadoya-tottori.jp/

食品製造業

アジフライを中心とした水産加工食品の製造

株式会社 角屋食品

業種

事業内容

境港一光る会社を目指して

088089