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第Ⅰ部|第6章 三和音(完全和音)の連結 037 b)二重の経過音として扱われるⅠの第 2 転回形(重複された変化和音として)は、弱拍にも配置可 能である。 楽曲の最終小節では、第 5 音を省略することができる(「第 5 欠」とよぶ) 6 和音の経過和音やドッペルドミナント和音の経過和音として、あいだにⅠ が現れる場合も 多い。 Ⅴの和音 1)Ⅴの和音の第 3 音は重複できない。また、導音は通常は主音へ進行しなければならない。 共通音を保留する例 共通音を保留する例 共通音を保留しない例

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Page 1: 2 5 (「第 欠」とよぶ) - アルテスパブリッシング...036 第Ⅰ部|第6章 三和音(完全和音)の連結 037 b()二重の経過音として扱われるⅠの第2

036 第Ⅰ部|第6章 三和音(完全和音)の連結 037

 (b)二重の経過音として扱われるⅠの第 2転回形(重複された変化和音として)は、弱拍にも配置可能である。

可 可

 楽曲の最終小節では、第 5音を省略することができる(「第 5欠」とよぶ)。

 増 6和音の経過和音やドッペルドミナント和音の経過和音として、あいだにⅠ が現れる場合も多い。

◉─Ⅴの和音

(1)Ⅴの和音の第 3音は重複できない。また、導音は通常は主音へ進行しなければならない。

共通音を保留する例 共通音を保留する例共通音を保留しない例

Page 2: 2 5 (「第 欠」とよぶ) - アルテスパブリッシング...036 第Ⅰ部|第6章 三和音(完全和音)の連結 037 b()二重の経過音として扱われるⅠの第2

038 第Ⅰ部|第6章 三和音(完全和音)の連結 039

(2)第 1転回形どうしの連結例

短調の場合: 現段階では ただし下記の場合は

増5度進行が低音に生じる

減4度進行が低音に生じる

完全5度

避ける 避ける 可

(3)Ⅴ→Ⅵの連結……ひんぱんにおこなわれる。また、偽終止に使用される。

内声部で導音が下行する場合もある(導音は後続和音の他声部で解決する)

導音 主音 外声部(ソプラノ)で導音が下行する場合もある

(4)Ⅴ-Ⅳの連結……Ⅴ度で前の和声フレーズが完結し、次のフレーズがⅣ度和音から開始される場合によくみられる。

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2.Ⅴ度にはさまれたⅣ度 (刺繡和音として)