1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4...

92
1.1 1プラスチックのマテリアルフローの作成 1.1. プラスチック製品の用途及び素材毎の生産量・消費量等の把握 プラスチックのマテリアルフローについては、(社)プラスチック処理促進協会が毎年 「プラスチック製品・廃棄物・再資源フロー図」を推計・公表しており、本事業において も、同フローをベースとして、更なる詳細化・精緻化を図ることを目的として、出荷断面 におけるプラスチック製品の品目別の使用量の把握を行うとともに、耐用年数からみた品 目別の排出量の推計を行った。 さらに、プラスチックのリサイクル適性をいくつかの指標から評価し、材料リサイクル の可能性が高いと考えられる品目を抽出した。 (1) 出荷断面における品目別プラスチック使用量 統計調査、文献調査及び関係する企業・団体等へのヒアリング調査を元に、2008 年時 点の品目別のプラスチック使用量データを把握した。 ① 調査方法 プラスチック製品を、(社)プラスチック処理促進協会の生産量の推計区分であ る「容器包装」、「輸送」、「家庭用品」、「電気・機械」、「建材」、「農林水 産」、「その他」の7区分に分類し、さらに、それらを 217 の個別製品に区分し、 統計情報等の収集・整理を行った。 品目別のプラスチック使用量は、以下の式で推計を行った。 国内出荷量については、国の統計があるものはその数値を用い、統計がない場合 は業界団体等で公表している数値を用いた。また、業界団体公表値もない場合は、 個別製品の重量事例などを元に原単位を設定し、推計した。ただし、国および業界 等の統計数値が輸出分も含んだ量である場合は、貿易統計を用いて、217 の製品区 分に該当する輸出品目を特定し、出荷量から輸出量を差し引いた。 輸入量については、貿易統計を用いて、217 の製品区分に該当する輸入品目を特 定し、輸入量を整理した。 プラスチック使用量 =国内出荷量(プラスチック製品重量およびプラスチックを含む製品のプラス チック重量)+輸入量(プラスチック製品重量およびプラスチックを含む製 品のプラスチック重量) ※(社)プラスチック処理促進協会の国内樹脂製品消費量には、最終製品(組立製品)の 輸出入が加味されていないが、ここではこれらを加味した値を使用量とした。

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Page 1: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.1

1. プラスチックのマテリアルフローの作成

1.1. プラスチック製品の用途及び素材毎の生産量・消費量等の把握

プラスチックのマテリアルフローについては、(社)プラスチック処理促進協会が毎年

「プラスチック製品・廃棄物・再資源フロー図」を推計・公表しており、本事業において

も、同フローをベースとして、更なる詳細化・精緻化を図ることを目的として、出荷断面

におけるプラスチック製品の品目別の使用量の把握を行うとともに、耐用年数からみた品

目別の排出量の推計を行った。

さらに、プラスチックのリサイクル適性をいくつかの指標から評価し、材料リサイクル

の可能性が高いと考えられる品目を抽出した。

(1) 出荷断面における品目別プラスチック使用量

統計調査、文献調査及び関係する企業・団体等へのヒアリング調査を元に、2008 年時

点の品目別のプラスチック使用量データを把握した。

① 調査方法

プラスチック製品を、(社)プラスチック処理促進協会の生産量の推計区分であ

る「容器包装」、「輸送」、「家庭用品」、「電気・機械」、「建材」、「農林水

産」、「その他」の7区分に分類し、さらに、それらを 217 の個別製品に区分し、

統計情報等の収集・整理を行った。

品目別のプラスチック使用量は、以下の式で推計を行った。

国内出荷量については、国の統計があるものはその数値を用い、統計がない場合

は業界団体等で公表している数値を用いた。また、業界団体公表値もない場合は、

個別製品の重量事例などを元に原単位を設定し、推計した。ただし、国および業界

等の統計数値が輸出分も含んだ量である場合は、貿易統計を用いて、217 の製品区

分に該当する輸出品目を特定し、出荷量から輸出量を差し引いた。

輸入量については、貿易統計を用いて、217 の製品区分に該当する輸入品目を特

定し、輸入量を整理した。

プラスチック使用量

=国内出荷量(プラスチック製品重量およびプラスチックを含む製品のプラス

チック重量)+輸入量(プラスチック製品重量およびプラスチックを含む製

品のプラスチック重量)

※(社)プラスチック処理促進協会の国内樹脂製品消費量には、最終製品(組立製品)の

輸出入が加味されていないが、ここではこれらを加味した値を使用量とした。

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1.2

国内の出荷量情報として利用した主な統計情報及び業界情報源を以下に示す。

表 1.1-1 主な統計情報・業界情報源

大分類 統計情報・業界情報源

容器包装日本包装技術協会「日本の包装産業出荷統計」、PET ボトルリサイクル推進協議会統計、日本パレット協会統計 等

輸送経済産業省「機械統計年報」、国土交通省「鉄道車両等生産動態統計調査」、日本自動車工業会「販売統計」、自転車産業振興協「自転車生産動態・輸出入統計」 等

家庭用品

経済産業省「工業統計表」、経済産業省「生産動態統計」、経済産業省「繊維・生活用品統計」、経済産業省「プラスチック製品統計」、日本記録メディア工業会統計、日本洋傘振興協議会推計、日本ポリオレフィン工業組合統計 等

電気・機械

経済産業省「平成 20 年機械統計」厚生労働省「薬事工業生産動態統計年報」、財団法人家電製品協会「家電産業ハンドブック」、パーソナルコンピュータ国内出荷実績、地上デジタルテレビ放送受信機器国内出荷実績 等

建材 国土交通省「住宅着工統計」、塩化ビニル管・継手協会統計 等

農林水産 経済産業省「繊維・生活用品統計」、施設園芸協会統計 等

② 調査結果

出荷断面における国内使用量を積み上げると 809 万トンとなった。(社)プラス

チック処理促進協会の推計との差異をみると、下表のように、容器包装、輸送、家

庭用品、農林水産については同程度となっているが、電気・機械、建材、その他は

大きく下回っている。

表 1.1-2 出荷断面における品目別プラスチック使用量合計(2008 年)

(注)(社)プラスチック処理促進協会の国内樹脂製品消費量のうち、輸送および電機・

機械は、乗用車および家電4品目の輸出入を考慮した量としている(プラ処理協の

公表値では輸出入を考慮していない値を消費量としている)。

⇒個別品目毎の推計結果は巻末の参考資料を参考

①プラ使用量推計(万t)

②プラ処理協:2008年国内樹

脂製品消費量(万t)

①/②

1 容器包装 458.1 468 97.9%2 輸送 61.8 59 105.0%3 家庭用品 100.8 96 105.0%4 電気・機械 104.5 209 50.1%5 建材 64.9 125 51.9%6 農林水産 15.3 19 80.5%7 その他 3.8 57 6.7%合計 809 1,032 78%

分類

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1.3

推計したプラスチック使用量と(社)プラスチック処理促進協会の統計との比較

図を以下に示す。また、217 品目別の出荷量を含む、統計情報およびリサイクル適

性等のデータ一覧を別紙に示す。

図 1.1-1 出荷断面におけるプラスチック使用量と(社)プラスチック処理促進協会統計値

との比較(2008 年)

③ 2008 年のプラスチック使用量の推計

出荷断面におけるプラスチック使用量と(社)プラスチック処理促進協会統計値

について、電気・機械と建材で大きく下回っている要因として、前者は、カートリ

ッジ、家電附属品、設備用品、電話線、通信用ケーブル、後者は、畳表、PP管、

PE管、上下水道用管などの土木構造物用途の出荷量が不明であることが考えられ

容器包装, 468

パレット, 13.7

電気冷蔵庫, 30.4

その他(電気・機械), 28.9

建材, 125

塩ビ管, 36.0

輸送, 58.8

家庭用品, 96

その他, 57

フィルム・シート 192.7

プラスチック容器包装(輸入) 62.4

指定PETボトル 57.1

コンテナ 39.5ラミネート用樹脂 32.6

その他のボトル18.4

スチロール, 12.2

トレイ, 11.9

その他(容器包装), 17.6

電気・機械, 209

電線,20.9

洗濯機, 13.2

その他(建材), 21.8トラック, 12.7

乗用車 44.3

靴, 26.5その他の玩具, 21.9 衣装ケース, 12.2

その他(家庭用品), 40.4

農林水産, 19

ビニールハウス, 7.0

0

100

200

300

400

500

600

700

800

900

1000

1100

プラ処理協推計(万t) 製品積み上げデータ(万t)

1,032 万トン 809 万トン

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1.4

る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、

延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

ているものと考えられる。

同様に、農林水産分野については、育苗ポット、農業用パイプ、ブイ、ルアーな

ど、その他では、棚、ディスプレイ、レジかごなどの出荷量が不明であることが、

(社)プラスチック処理促進協会統計値との差になっていると考えられる。

したがって、使用量の不明な品目のある「電気・機械」、「建材」、「農林水産」、

「その他」については、各区分における差分を、出荷断面における国内使用量に加

算し、さらに、輸入製品に付されている容器包装利用量を加算し、国内プラスチッ

ク使用量とした。

以上より、国内プラスチック使用量の推計値は、以下のように 1,040 万tとした。

表 1.1-3 2008 年の国内プラスチック使用量推計値

出典:②使用量不明分の推計量は、(社)プラスチック処理促進協会統計値と、出荷断面における

国内使用量との差分である。③輸入製品に付された容器包装使用量は、2009 年度再商品化

義務量に係わる量・比率算定調査における容器包装の利用かつ製造事業者の国内利用量を用

いた。

①出荷断面における国内使

用量(万t)

②使用量不明分の推計量

(万t)

③輸入製品に付された容器包装使用量

(万t)

2008年の国内プラスチック使用量(万t)

1 容器包装 458.1 9.7 467.82 輸送 61.8 61.83 家庭用品 100.8 100.84 電気・機械 104.5 104.1 208.65 建材 64.9 60.1 125.06 農林水産 15.3 3.7 19.07 その他 3.8 53.2 57.0合計 809 221 9.7 1,040

分類

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1.5

(2) 製品寿命からみた 2008 年時点のプラスチック廃棄物量の推計

(1)の国内使用量および、各製品の寿命を元に、2008 年のプラスチック製品排出量

を推計した。

① 調査方法

(1)で整理した 217 の品目のうち、自動車、ブラウン管テレビ、洗濯機、冷蔵

庫、エアコンを除く 212 の品目について、文献情報や業界ヒアリング等により、製

品寿命を設定した。具体的には、2008 年に排出されるプラスチック製品は各品目の

製品寿命プラス1年前に購入された製品であると仮定し、217 の品目について、2008

年を基準に、製品寿命プラス1年前の出荷量、輸入量、輸出量の情報を入手し、そ

の時点でのプラスチック使用量を把握し、これを 2008 年のプラスチック排出量とし

た。ただし、製品寿命が1年未満と考えられるものについては、2008 年の使用量=

排出量とした。

また、製品寿命プラス1年前の統計値が入手できなかった場合には、入手できる

統計値のうち、最も製品寿命プラス1年前の直近まで遡れる数値を用いた。

なお、多くの製品でその寿命が不明であったが、その場合は、類似製品の寿命を

引用し、類似製品の寿命もない場合には、製品寿命を仮定し、推計を行った。

自動車、ブラウン管テレビ、洗濯機、冷蔵庫、エアコンについては、自動車リサ

イクル法および家電リサイクル法に基づく廃棄量実績を用いた。

② 調査結果

各製品の寿命を基にした 2008 年の品目別排出量の合計を以下に示す。

表 1.1-4 製品寿命を基にした 2008 年のプラスチック排出量推計値

①製品寿命を基にした2008年のプラスチック排出量(万t)

②プラ処理協統計:2008年プラスチック排出量(万t)

1 容器包装 451.8 4692 輸送 41.8 443 家庭用品 80.0 1104 電気・機械 40.1 1485 建材 80.5 726 農林水産 15.3 187 その他 3.6 51

合計 713 912

分類

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1.6

出荷断面における国内プラスチック使用量と同様に、製品寿命を基にしたプラス

チック排出量についても、(社)プラスチック処理促進協会のデータとの乖離が、

「家庭用品」、「電気・機械」、「農林水産」、「その他」の用途でみられる。

そこで、この4品目について、製品寿命でみた最も排出量が多いと考えられる製

造年を、個別の品目の製品寿命年の集約により設定し、同年次における(社)プラ

スチック処理促進協会の国内樹脂製品消費量と、製品寿命を基にしたプラスチック

排出量との差分を、排出量不明分とした。

2008 年の品目別排出量の合計①に、「⑤排出量不明分の推計量」および「⑥輸入

製品に付された容器包装使用量」を加算した、2008 年のプラスチック排出量は、以

下のように 921 万トンとなる。

表 1.1-5 2008 年のプラスチック廃棄物量

①製品寿命を基にした2008年のプラスチック排出量(万t)

②プラ処理協統計:2008年プラスチック排出量(万t)

③製品寿命でみた最も排出量が多いと考えられる製造年

④③年次におけるプラ処理協の国内樹脂製品消費量(万t)

⑤排出量不明分の推計量(④-①)(万t)

⑥輸入製品に付された容器包装使用量(万t)

⑦2008年の国内プラスチック排出量(①+⑤+⑥)(万t)

1 容器包装 451.8 469 9.7 4612 輸送 41.8 44 423 家庭用品 80.0 110 2006年 107.0 27.0 1074 電気・機械 40.1 148 1997年以前 173.8 133.7 1745 建材 80.5 72 806 農林水産 15.3 18 2000年 20.9 5.6 217 その他 3.6 51 1997年以前 35.2 31.6 35

合計 713 912 198 9.7 921

分類

さらに、容器包装について、家庭系と事業系・産業系への按分を行った。按分に

際しては、以下に示す容器包装利用・製造等実態調査結果に基づく、容リ法対象プ

ラスチックの排出見込量と容器包装利用量の比率(容器利用事業者の仕向け先割合)

を用いた。

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1.7

表 1.1-6 容器包装の家庭系と事業系・産業系への按分比率

家庭系比率 事業系・産業系比率

フィルム・シート 0.73 0.27 ※1プラスチック容器包装(輸入) 0.73 0.27 ※1指定PETボトル 0.82 0.18 ※1コンテナ 0.00 1.00 ※2ラミネート用樹脂 0.73 0.27 ※1その他のボトル 0.73 0.27 ※1パレット 0.00 1.00 ※2スチロール 0.73 0.27 ※1トレイ 0.73 0.27 ※1その他(容器包装) 0.73 0.27 ※1輸入製品に付された容器包装 0.73 0.27 ※1

※1 容器包装利用・製造等実態調査(H20 調査結果)における排出見込量

/利用量を家庭系比率として算定

※2 全量事業系・産業系と仮定

上記に基づく推計結果は以下のとおりである。

表 1.1-7 容器包装の家庭系と事業系・産業系の排出量(推計値:2008 年)

家庭系 事業系・産業系

フィルム・シート 141.1 51.6プラスチック容器包装(輸入) 45.7 16.7指定PETボトル 46.9 10.2コンテナ 0.0 39.5ラミネート用樹脂 23.9 8.7その他のボトル 13.5 4.9パレット 0.0 7.4スチロール 8.9 3.3トレイ 8.7 3.2その他(容器包装) 12.9 4.7輸入製品に付された容器包装 7.1 2.6合計 308.7 152.8

排出量(万t)

このうち、家庭系については、指定 PET ボトル量(46.9 万t)、ごみ袋(30 万

t)、クリーニング袋(2.3 万t)を控除した 230 万tが容リ法対象と考えられる。

⇒本数値の分析は 2.2 章(1)を参照

⇒事業系・産業系の分析については 2.3 章を参照

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1.8

(3) 優先調査対象分野の抽出

最終製品のうち、優先調査対象分野については、視点別に以下のように評点をつけ、点

数が多いもので、容器包装リサイクル法の対象外のものを抽出した。

①国内出荷量が1万トン以上=1点

単独で、回収するとした場合、出荷量=排出量として、200 日で回収・リサイクルす

るならば、1日の処理量は最大でも 50t/日である。事業として実施する場合、全国の

排出量の半分を回収するとしても最大 25t/日であることから、1万トン以上の使用量

が、単独リサイクルの限界として設定した。

②主要な材質が1種類=1点

容器包装リサイクル法で行われているような材料リサイクルを想定した場合、素材は

単一の方が望ましいことから、主要な材質が1種類と想定されるものを評価した。

③素材複合度が高くない(全体が単一素材、または、単一素材の大物部材あり)=1点

②と同様、材料リサイクルを想定した場合、異素材と分離しやすいものが望ましいこ

とから、素材複合度の高くないと想定されるものを評価した。

④添加剤無し=1点

水平リサイクルなど高度なリサイクルを想定した場合、添加剤のない樹脂が望ましい

ことから、添加剤のないものを評価した。ただし、プラスチック製品に詳しい専門家(樹

脂メーカーOB)へのヒアリングより、最終製品で添加剤の含まれていない商品はない

との指摘があり、本調査で取り上げた品目の中には、結果的に該当する品目はないとし

た。

⑤リサイクル容易性の項目にチェックなし=1点

対象物の運搬、前処理、リサイクルの各工程で、取り扱いに注意が必要となる項目(構

造的複雑性、重量・寸法、破砕困難、危険性・衛生性、汚れ・異物)を列挙した。

⑥リサイクルの仕組み無し=1点

新たに、リサイクルの仕組みを検討する製品を抽出するという観点から評価項目とし

た。

結果、以下の品目が5点以上の優先調査対象として抽出された。

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1.9

クリーニング袋

ハンガー

衣装ケース

風呂桶・洗面器

風呂用フタ・イス

バケツ

ごみ袋

ダイレクトメール等のフィルムシート、封筒

レジカゴ

⇒上記製品の詳細データについては、2.2 章(2)を参照

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1.10

1.2. 優先調査品目の詳細データ把握

1.1 で整理したデータに基づき選定した優先調査対象品目について、出荷・排出・処理

等の詳細なフローを把握した。

(1) 容器包装廃棄物排出量の精緻化

① 調査方法

国や業界団体の各種調査結果を基に、様々な断面のデータを用いて容器包装廃棄

物排出量を推計し、比較を行った。各データの対象範囲等を整理し、それぞれの推

計値のギャップ要因を考察した。

② 各推計の概要

各推計の考え方、用いたデータ、推計結果等を以下に整理した。

1) 使用済み製品排出断面における推計

1.1 で示したように、製品の出荷統計等から推計した 2008 年の国内容器包装プラ

スチック廃棄物量は 462 万トンである。経済産業省「平成 22 年度容器包装利用・

製造等実態調査」の結果を用いて家庭系と事業系・産業系に分けると、家庭系の廃

棄物量は 309 万トンとなる。この数値には、ペットボトル、容リ法対象外の容器包

装が含まれているため、それらの量を考慮する必要がある。1.1 の推計によると、家

庭系の廃棄物中のペットボトルは 47 万トン、ごみ袋は 30 万トン、クリーニング袋

は 2 万トンである。

したがって、使用済み製品排出断面から求めた容器包装廃棄物排出量の推計値は、

230 万トン(309 万トン-(47 万トン+30 万トン+2 万トン))となる。

2) プラ工連エキスパートジャッジによる推計

プラスチック工業連盟は、日本包装技術協会「プラスチック製容器包装の出荷統

計」から、当該分野に深い知識と経験を持つエキスパートによって材質、用途ごと

に容リ法対象と考えられるプラスチックの量の推計を行っている。それによると、

平成 20 年度の全出荷量 383 万トンからペットボトルの量を引いた、容リ法対象プ

ラスチックの量は、205 万トンとなる。

この数値には国内分しか含まれていないため、輸入分を考慮する必要がある。財

務省「貿易統計」によると、平成 20 年のエチレン重合体の袋、プラスチックの袋の

輸入量は、それぞれ 48 万トン、1 万トンであるので、プラ工連のエキスパートジャ

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1.11

ッジにより、容リ法対象プラスチックの輸入量は、33 万トンとなる。また、一般廃

棄物の家庭系と事業系・産業系の比率を 7:3 と仮定する。

したがって、プラ工連エキスパートジャッジから求めた容器包装廃棄物排出量の

推計値は、167 万トン((205 万トン+33 万トン)×0.7)となる。

3) 廃棄物排出量・組成調査による推計

環境省「平成 20 年度一般廃棄物処理実態調査」によると、生活系ごみ排出量(粗

大ごみは除く)は 2,932 万トンである。また、環境省「平成 20 年度容器包装廃棄物

の使用・排出実態調査報告書」より、一般廃棄物中の容器包装プラスチックの割合

は 7.8%(対象 6 都市の平均値)である。したがって、容器包装プラスチックの排出

量は、229 万トン(2,932 万トン×7.8%)となる。

ただし、この数値には水分量・異物量が含まれているため、それを考慮する必要

がある。環境省「平成 15 年度容器包装廃棄物の使用・排出実態調査報告書」による

と、一般廃棄物中の容器包装プラスチックにおける水分付着割合は 15.0~21.5%で

あるので、ここでは水分量・異物量を 18.0%と仮定する。

したがって、廃棄物排出量・組成調査から求めた容器包装廃棄物排出量の推計値

は、188 万トン(229 万トン×0.82)となる。

また、環境省「平成 21 年度一般廃棄物処理実態調査」によると、容器包装プラス

チックに使用されている樹脂別の内訳は、PE(43.7%)、PP(26.5%)、PS(17.9%)

が主であり、ABS(0.2%)、PVC(0.1%)はほとんど使用されていない。

PS, 17.9%

PP, 26.5%

PE, 43.7%

不明, 2.6%

AS, 0.1%

PVC, 0.1%

PET, 8.2%

PA, 0.2%

ABS, 0.2%

PC, 0.4%

図 1.2-1 容器包装プラスチックの樹脂別内訳

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1.12

4) 分別収集実績による推計

環境省「平成 20 年度容器包装リサイクル法に基づく市町村の分別収集及び再商品

化の実績」によると、分別収集実施市町村数は 66.6%(人口カバー率)であり、分

別収集実績値は 67 万トンである。

ただし、この数値には水分量・異物量が含まれているため、それを考慮する必要

がある。経済産業省「平成 15 年度プラスチックベールリサイクル可能量調査報告書」

によると、分別ごみ中の水分付着割合は 7.1%~15.7%であるので、ここでは平均を

とり水分量・異物量を 10.9%と仮定する。

また、容リ法対象プラスチックのすべてが分別収集されることはないので、分別

排出率(=資源ごみとして排出されたプラスチックの量/ごみ全体におけるプラス

チックの量)も考慮する必要がある。環境省「平成 20 年度容器包装廃棄物の使用・

排出実態調査報告書」より、4 都市平均(2 都市は、プラスチック製容器包装におい

ては日本容器包装リサイクル協会に登録せず)の分別排出率を計算すると、50.0%

となる。また、「平成 20 年度横浜市資源循環局報告」によると、横浜市の分別排出

率は 59%であり、「名古屋市ごみレポート’09 版」によると、名古屋市の分別排出

率は 62%である。これら 6 都市の平均をとり、ここでは分別排出率を 54.0%と仮定

する。

したがって、分別収集実績から求めた容器包装廃棄物排出量の推計値は、166 万

トン(67 万トン×0.891 / 0.666 / 0.54)となる。

また、各データの対象範囲、推計にあたって考慮すべき事項を表に整理した。表

には参考情報として、(社)プラスチック処理促進協会フロー図、経済産業省「容

器包装利用・製造等実態調査(製造事業者等・利用事業者)」のデータも掲載した。

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1.13

表 1.2-1 各データの対象範囲と考慮すべき事項

商品と共に

容器包装として

商品と共に

容器包装として

商品と共に

容器包装として

商品と共に

容器包装として

商品と共に

容器包装として

商品と共に

容器包装として

商品と共に

容器包装として

商品と共に

容器包装として

230万トン ● ● ● - □ □ □ □ - □ □ □ □ - □ □ □ □ - □

内訳 ①、③ ① ① ①、④ ② ② ② ② ② ② ② ②

167万トン ● - ● - - □ □ □ - - □ □ □ - - □ □ □ - -

内訳 ⑤、⑦ ⑥、⑦ ⑥、⑦ ⑤、⑦ ⑥、⑦ ⑥、⑦

188万トン ● ● ● - - □ □ □ - - - - - - - - - - - -

内訳 ⑧、⑨ ⑧、⑨ ⑧、⑨ ⑧ ⑧ ⑧

166万トン ● ● ● - - - - - - - - - - - - - - - - -

内訳 ⑩、⑪、⑫ ⑩、⑪、⑫ ⑩、⑪、⑫

197万トン ● -

△プラ製品の輸入分

考慮

△プラ製品の輸出分

考慮

●△

部品樹脂は考慮

△プラ製品の輸入分

考慮

△部品樹脂は考慮

△プラ製品の輸出分

考慮

● -

△プラ製品の輸入分

考慮

△プラ製品の輸出分

考慮

●△

部品樹脂は考慮

△プラ製品の輸入分

考慮

△部品樹脂は考慮

△プラ製品の輸出分

考慮

内訳

112万トン ● ● -

△含まれている可能

□ - - - - - □ □ - □ - - - - - -

内訳

95万トン ● ● ● □ - - - - - - □ □ □ - - - - - - -

内訳●:含まれている ①家庭系容器包装プラ排出量309万トン:本調査における推計□:含まれていたが考慮済み ②産業系容器包装プラ排出量153万トン:本調査における推計△:一部含まれている、含まれている可能性 ③ペットボトル47万トン:本調査における推計-:含まれていない ④ごみ袋、クリーニング袋32万トン:本調査における推計

⑤国内容リプラ205万トン:プラ工連推計※網掛けは、今回の対象範囲 ⑥輸入容リプラ33万トン:プラ工連推計

⑦一廃中の家庭系と事業系の比=7:3:プラ工連推計⑧一廃排出量2,932万トン(粗大ごみ以外):環境省「H20年度一般廃棄物処理実態調査」⑨一廃中の容リプラ割合7.8%:⑩分別収集実績値67万トン:環境省「平成20年度容器包装リサイクル法に基づく市町村の分別収集及び再商品化の実績」⑪分別収集実施市町村数66.6%:環境省「平成20年度容器包装リサイクル法に基づく市町村の分別収集及び再商品化の実績」⑫分別率54%:名古屋市ごみレポート’09版、平成20年度横浜市資源循環局報告、環境省「H20年度容器包装廃棄物の使用・排出実態調査報告書」

容リ法対象のみ含まれている

分別収集量100%、分別率は6都市平均

6都市の代表性

【参考】容器包装利用・製造等実態調査製造等事業者

分別収集実績

全て含まれている

樹脂生産100%

寿命曲線等の推算

廃棄物排出量・組成調査

●Wet(18%)

●量は不明

【参考】容器包装利用・製造等実態調査利用事業者

Dry

【参考】プラ処理協フロー図

容リ法対象のみ含まれている

出荷量100%、輸入量ほぼ100%

エキスパートジャッジ

容リ法対象のみ含まれている

店頭回収分を考慮すべき

拡大推計

排出量100%、プラ割合は6都市平均

6都市の代表性

店頭回収分・自主回

収分

その他

店頭回収分

店頭回収分を考慮すべき

拡大推計

各種統計の誤差

考慮すべき事項

輸入 輸出

容リ法対象事業系

容リ法対象外

輸入 輸出 カバー率誤差の可能性

出荷量100%では

ない

回収率50%小規模事業者含ま

回収率50%小規模事業者含ま

全て含まれている

容リ法対象のみ含まれている

容リ法対象のみ含まれている

Dry

Dry

Dry

Dry

●Wet

(10.1%)

国内で製造・利用

国内で製造・利用

複合材水分 異物輸出 輸入 輸出

容リ法対象外

プラ工連エキスパートジャッジ(出荷・輸入統計)

対象範囲

調査 推計値

製品出荷統計等

家庭系容リ法対象

国内で製造・利用

国内で製造・利用

輸入

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1.14

③ 各推計の課題整理

上記のように、各データの対象範囲、データ収集方法等が異なっていることが、

各推計値にギャップが生じている大きな原因である。以下、各推計における課題、

推計値変動の可能性等を考察した。

1) 使用済み製品排出断面における推計

使用済み製品排出断面では、容器包装利用・製造等実態調査結果をもとに、家庭

系と事業系・産業系の廃棄物量を推計しているが、多くの容器包装を一定の比率で

分配しており、現実との乖離が懸念される。

環境省「平成 20 年度一般廃棄物処理実態調査結果」によると、事業系ごみの排出

量は 1,400 万トンであり、東京二十三区清掃一部組合「ごみ排出原単位等実態報告

書(平成 20 年)」によると、事業系ごみ中の容器包装プラスチックの割合は、7.4%

である。したがって、事業系一般廃棄物の容器包装プラスチックは、104 万トンと

推計される。今回の推計で用いた容器包装利用・製造等実態調査に基づく比率は、

容器利用事業者における家庭用/業務用の仕向先比率に基づくものであり、家庭用に

区分されていても事業系一廃として排出されうるものが少なからずあることが想定

される。このため、家庭系の量がやや過大推計になっていることが示唆される。

また、店頭回収分、容リ法対象外となる複合材(プラスチックが主たる素材では

ないもの)のプラスチック量が考慮されていないことも、排出量の過大推計に寄与

していると考えられる。

2) プラ工連エキスパートジャッジによる推計

プラ工連のエキスパートジャッジによる推計では、出荷統計、輸入統計は実績値

であるものの、残りの数値はエキスパートジャッジによって推計されており、判断

の根拠を示しにくいという課題がある。また、輸入製品に付される容器包装が考慮

されていないことが排出量の過小推計に寄与していると考えられる。輸入製品に付

される容器包装の量は、1.1 では 10 万トン程度と推計されている。

3) 廃棄物排出量・組成調査による推計

廃棄物排出量・組成調査による推計では、排出量は実績値であるものの、一般廃

棄物中の容器包装プラスチックの割合において環境省 6 都市調査の結果を用いるこ

との代表性の問題や、水分量・異物量をどのように仮定するのかといった課題があ

る。

一廃中の容器包装プラスチック割合(7.8%)、水分量・異物量(18.0%)が数値

の変動要因となるが、平成 18 年~平成 21 年の環境省「容器包装廃棄物の使用・排

出実態調査」によると、一廃中の容器包装プラスチックの割合は、7.0%、7.7%、7.8%、

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1.15

7.3%と推移しており、平成 20 年の 7.8%は比較的高い数値であることがわかる。例

えば、4 年間の平均値である 7.45%を用いると、排出量の推計値は 179 万トン(10

万トン減少)となる。

4) 分別収集実績による推計

分別収集実績による推計では、分別収集実績値、分別収集実施市町村数は実績値

であるものの、分別排出率において、横浜市、名古屋市を含んだ 6 都市の調査結果

を用いることの代表性の問題や、水分量・異物量をどのように仮定するのかといっ

た課題がある。

④ 複合材の影響

使用済み製品排出断面において、容リ法対象外となる複合材のプラスチックの量

が考慮されていないことが、排出量の過大推計に寄与していると考えられる。排出

量の精緻化を行うには、複合材に使用されるプラスチックの量、複合材へのプラス

チックの使用方法をできるだけ正確に把握しておく必要があるため、個別企業や業

界団体等に複合材に関するヒアリングを実施した。定量的な数値は把握できなかっ

たが、推計値に与える影響は大きいことが示唆された。

1) 紙製容器包装や缶などに、プラスチックが使用されている割合について(複合度合)

紙製容器包装に分類されていても、中身が直接充填されている包装には必ずプラ

スチックがラミネートされている。外箱や中敷トレイ、紙カップでは約 10~15%程

度であるが、全体の約 40%がプラスチックの商品もある。

2) プラスチックに見えないものの、プラスチックが使用されている製品について

プラスチックが内面にラミネートされている場合、表面が紙であってもプラマー

クが付いている。また、直接食品に触れるものは、紙製容器包装であってもほぼプ

ラスチックやアルミが貼られている。

3) プラスチックと見分けが付きにくいものについて

不透明な密閉容器の内面に使用されている場合や、プラスチックに着色や蒸着を

行った場合は見分けがつきにくい(例えばアルミの蒸着をプラスチックに行うと、

金属のように、また、紙に光沢のある樹脂を紙容器に貼りあわせると、陶器のよう

に見える)。

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1.16

4) 複合度合いが高い用途について

食品用途では、紙製容器包装の性能を向上させる必要があり(耐水性、耐油性、

レンジ対応などを必要とするもの)、複合度合いが高くなる傾向にある。また、酸

素、水蒸気などのバリア性が必要なものや、包材に高級感が必要なものについても、

複合度合いが高くなる傾向にある。

⑤ まとめ

容器包装廃棄物排出量の各推計値とそれぞれの特徴、及び分別収集実績値を図に

整理した。分別収集実績が 60 万トンに対し、各推計値から求めた分別収集量は 60

~83 万トンであり、最大 23 万トンの差となっている。これは使用済み製品排出断

面における推計との差であり、前述したように、推計時の誤差、店頭回収分、複合

材といった要因が考えられる。

実績値の信頼性が高いことを考えると、仮定の少ない、一般廃棄物組成調査、分

別収集実績による推計値の妥当性が高いと考えられる。これらの推計値とそれぞれ

の課題を比較し、ここでは、実際の容器包装廃棄物排出量は 180 万トン前後の量で

あると推定した。ただし、推計値の計算過程では 1~6 都市のデータを拡大推計に用

いているため、代表性に課題があることには留意する必要がある。

仮に容器包装廃棄物排出量を 180 万トンとすると、分別収集量は 65 万トンとな

り、実績値と 5 万トンの差となる。これは主に複合材に由来する量であると考えら

れる。

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1.17

図 1.2-2 容器包装廃棄物排出量の各推計値と分別収集実績値

分別収集

容器包装プラ分別収集実績

60万トン

分別収集実施市町村数66.6%(人口カバー率)

分別排出率54.0%(6都市組成調査、

名古屋市・横浜市調査)

60~83万トン

排出量(166~230万トン)

×

×

排出量180万トンのとき、65万トン

PC, 0.4%ABS, 0.2%

PA, 0.2%

PET, 8.2%

PVC, 0.1%AS, 0.1%

不明, 2.6%

PE, 43.7%

PP, 26.5%

PS, 17.9%

【参考】容器包装プラの樹脂別内訳(一般廃棄物組成調査より)

0

50

100

150

200

250

使用済み製品排出断面

分別収集実績より作成

一般廃棄物組成調査より作成

プラ工連推計より作成

230万トン 167万トン 188万トン 166万トン

• 統計データ等からプラ製品の出荷量及び輸入量を整理し、容器包装のプラスチック使用量を推計(462万トン)。

• 容器包装利用・製造等実態調査の結果(利用事業者の仕向先比率)を用いて、家庭系(309万トン)と産業系(153万トン)の量を推計。

• 一廃の量から、ペットボトル分(47万トン)、容リ法対象外の容器包装分(32万トン)を引いて容リ法対象分を推計。

• 店頭回収分が引かれていないため、過大推計の可能性あり。• 容リ法対象外となる複合材のプラの量が引かれていないため、過大推計の可能性あり。

(万トン)

• 包装技術協会の出荷統計及び国の輸入統計から、プラ工連のエキスパートジャッジにより、容リ法対象分を推計。

• 一廃の家庭系と事業系の比を7:3と仮定。

• 輸入製品(菓子類等)に付される容器包装が考慮されていないため、過小推計の可能性あり(約10万トン)。

• 一般廃棄物排出量(2,932万トン)に、一廃中のプラスチック割合(7.8%:6都市平均)をかけて推計。

• 水分量・異物量は18.0%と仮定。

• 分別収集実績(67万トン)から、分別収集実施自治体の割合(66.6%)、分別排出率(54.0%:6都市組成調査、名古屋市、横浜市の調査による)を考慮して推計。

• 水分量・異物量は10.9%と仮定。

青字:排出量の過小推計に寄与しているもの赤字:排出量の過大推計に寄与しているもの緑字:過小推計か過大推計か不明のもの

容器包装廃棄物排出量は、180万トン前後と考えられる。

排出

※数値はすべてDryベース

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1.18

(2) その他個別品目の検討

① 検討対象とする個別品目の選定

ここでは、1.1 章で重点調査対象として抽出した 9 品目について、文献ベースで調

査を行い以下の項目ついて品目ごとに整理を行い、リサイクルの可能性についてよ

り詳細に検討を行うべき個別品目を選定した。

<確認事項>

・ 排出量について

一定量の排出があるか

どのようなところからどの程度排出されるか

・ リサイクル等の状況

現在あまりリサイクルが行われておらず、リサイクルの余地があるか

リユースは行われているか、どの程度行われているか

・ リサイクル適性

複合度が低い、単一素材のものが多い、材質的にもマテリアルリサイク

ルに向いているなど、リサイクル適性は高いか

表 1.2-2 個別品目選定のための確認事項

品目 廃棄量 リサイクル等の状況 リサイクル適性クリーニング袋

・ 事業者による回収やリサイクルバック等の利用により、使用量が減少しているが、家庭に持ち帰った袋はほぼ廃棄されているため、一定量廃棄されていると考えられる。

・ 自治体やクリーニング店、組合等による実証事業など、一部でリユース・リサイクルが行われているものの、本格実施には至っていない。

・ 主にポリエチレン製であり、単一素材であるため、マテリアルリサイクルに適している。

・ 容リプラとの混合回収を行い、合わせてリサイクルを行うことが可能である。

・ 汚れや異物の付着がほとんどない。

ハンガー ・ 業務用だけでもかなりの量が廃棄されており、家庭用も合わせると、一定量廃棄されていると考えられる。

・ クリーニング店、百貨店・流通系では一部リユース・リサイクルが行われている。

・ 家庭で使用されていたハンガーのリユース、リサイクルは行われていない。

・ 主にポリエチレン、ポリプロピレン製であり、単一素材であるため、マテリアルリサイクルに適している。

・ 容リプラとの混合回収を行い、合わせてリサイクルを行うことが可能である。

・ 汚れや異物の付着がほとんどない。

衣装ケース ・ 廃棄される個数はそれほど多くない物の、1個あたりのプラ使用量が多いと考えられる。

・リユース、リサイクルは行われていない。

・ 主にポリプロピレン製であり、単一素材であるため、マテリアルリサイクルに適している。

・ 小さな衣装ケースの場合、容リとの混合回収を行い、合わせてリサイクルを行うことが可能である。

・ 大きな衣装ケースの場合は、個別に

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1.19

品目 廃棄量 リサイクル等の状況 リサイクル適性集めてリサイクルを行う必要がある。

※車輪がついているものは金属が含まれる場合があるため、それらを分離する必要がある。

風呂桶、洗面器

・ 家庭、宿泊業、銭湯、病院・老人ホームなどから一定量廃棄されていると考えられる。

・リユース、リサイクルは行われていない。

・ 主にポリプロピレン製であるため、マテリアルリサイクルに適している。

・ 容リプラとの混合回収を行い、合わせてリサイクルを行うことが可能である。

※すべり止めとしてエラストマー樹脂(ゴム質)が使用されている製品があるため、それらを分離する必要がある。

風 呂 用 フタ・風呂用イス

・ 洗面器同様、家庭から一定量廃棄されていると考えられる。

・ リユース、リサイクルは行われていない。

・ 主にポリプロピレン、ABS樹脂製であるため、マテリアルリサイクルに適している。

※エラストマー樹脂(ゴム質)が使用されている製品があるため、それらを分離する必要がある。

※カビ等の付着が想定される。バケツ ・ 家庭や学校、事業所

などから一定量廃棄されていると考えられる。

・ リユース、リサイクルは行われていない。

・ 主にポリエチレン、ポリプロピレン製であり、単一素材であるため、マテリアルリサイクルに適している。

・ 容リプラとの混合回収を行い、合わせてリサイクルを行うことが可能である。

ごみ袋(容リ用)

・ プラスチック製容器包装を排出する際に使用しているごみ袋は、一定量になると考えられる。

・ リユース、リサイクルは行われていない。

・ 主にポリエチレン、ポリプロピレン製であり、単一素材であるため、マテリアルリサイクルに適している。

・ 容リプラを回収した際に、ごみ袋を取り除かずにリサイクルを行うことにより、リサイクルが容易になる。

ダイレクトメール等のフィルムシート・封筒

・ 1枚あたりのプラ使用量は非常に少ないが、廃棄量で考えるとある程度まとまった量になると考えられる。

・ リユース、リサイクルは行われていない。

・ 主に OPPであり、単一素材であるため、マテリアルリサイクルに適している。

・ 容リプラとの混合回収を行い、合わせてリサイクルを行うことが可能である。

レジカゴ ・ 事業者から一定量廃棄されていると考えられる。

・ リユース、リサイクルは行われていない。

・ 主にポリエチレン、ポリプロピレン製であり、単一素材であるため、マテリアルリサイクルに適している。

上記の整理結果から、いずれの品目も検討の余地があると考えられることから、

すべての品目について、さらに詳細に把握することとした。なお、検討にあたって

把握すべき項目及び情報収集源は以下のとおりである。

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1.20

<把握すべき項目>

・ 対象品目の定義

・ 単位製品当たりプラ使用量

・ 製品出荷量、流通量、消費量等

・ 製品寿命

・ 主な素材

・ 排出量

・ リユース・リサイクル

現状のリユース、リサイクルの流れ、事業者による自主的な取組、リサ

イクルにおける課題 など

・ 処理量(リユース・リサイクル量、廃棄量)、廃棄後の流れ

・ リサイクル適性

製品の特徴、リサイクルの可能性、考えられる回収方法 など

<情報収集源>

・ 刊行物、専門誌

・ 関係する企業・団体等(自治体、組合、協議会、主要メーカー、プラスチック

再生事業者等)の WEB 情報及びヒアリング調査

対象品目ごとの検討結果は以下のとおりである。

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1.21

品目名 クリーニング袋

品目の定義クリーニング後の衣類等を入れるためのビニール製の袋。または、持ち帰り用

のビニール製の外袋

原単位

●単位製品当たりプラ使用

・クリーニング袋(衣類包装用:内袋):5~15g 程度/袋(実測概算)

・クリーニング袋(持ち帰り用):30g 程度/袋(実測概算)

※内袋、持ち帰り用袋ともに、使用量は大きさにより異なる

投入

●製品出荷量データ

【クリーニング業界における年間消費量】

・近年、クリーニング需要の減少や技術革新による包装材の薄肉化により、クリーニング

袋は減少傾向にある。

・クリーニング袋(持ち帰り用袋)については、自治体との協定や、事業者自らの取り組

みにより、無料配布を中止しているクリーニング店が増加している。リサイクルバッグ

の配布も進んでいるため、使用量は減少傾向にある。

・環境省等の試算によると、68,000 トン/年となっているが、これはデータが古いもの

である。

・最新のデータとしては、日本ポリオレフィンフィルム工業組合調べによる 2000 年のデ

ータがあり、それによると、23,000 トン/年となっている。なお素材別の内訳は以下

のとおりである。

23,000 トン/年の素材別内訳

PP(内袋) 17,000 トン(74%)

LLDPE(内袋) 5,000 トン(22%)

HDPE(持ち帰り用袋) 1,000 トン(4%)

排出

●年間排出量

・23,000 トン/年

※使い捨てがほとんどのため、年間出荷量と年間排出量はほぼ同じであると考えられる

・クリーニング店にて店頭回収されたものは、リサイクルされている(実証実験やモデル

事業等)。

・家庭に持ち帰ったクリーニング袋は、家庭での再利用も限られており、結果的にごみと

して廃棄されており、一般廃棄物として焼却・埋め立て処理されている。

主な材質・PP(ポリプロピレン)、LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)(内袋)

・HDPE(高密度ポリエチレン)(持ち帰り用袋)

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1.22

製品寿命・クリーニング袋(内袋、持ち帰り用袋):1回(使い捨て)

⇒持ち帰り用袋は、家庭で数回使用後に廃棄される場合もある。

排出元 ・クリーニング店、家庭

リサイクル

実態

・クリーニング生活衛生同業組合や一部の自治体により、リサイクルの実証実

験やモデル事業が行われている。

【クリーニング生活衛生同業組合によるリサイクルの検討】

・H17 年に全国クリーニング生活衛生同業組合連合会でリサイクルシステムを

構築するため、リサイクル適性やリサイクル方法(燃料リサイクル)、回収

方法等の検討を行った。

●リサイクルの流れ

消費者がクリーニング店に使用済みのクリーニング袋を持ち込み、各店

舗にて素材ごと、色ごとに分類を行う。

再生不能なものは廃棄処分とする。

リサイクル可能なものは店舗にて圧縮梱包後工場に運ばれ、ハンガーや

クリーニング袋等にリサイクルされる。

【仙台市のモデル事業】

仙台市では、宮城県クリーニング生活衛生同業組合、NPO 及び本市との協働

により、平成 20 年 8月 22 日から全国に先駆け仙台発のモデル事業「リサイ

クルランドリー」として、クリーニングカバー等のリサイクルを実施してい

る(クリーニングカバー(ポリ包装)等店頭回収モデル事業)。対象は、ク

リーニング袋(クリーニング済商品を包む袋)、ハンガーである。

●クリーニングカバー(ポリ包装)等店頭回収モデル事業の概要

クリーニング店舗とリサイクル業者とが協力して事業を実施。

消費者は使用済みクリーニング袋(クリーニング済商品を包む袋)を店

舗に持参。店舗では持参した顧客に対してポイント等を付与。

集まったクリーニング袋は、クリーニング店舗にて一定量になるまで保

管し、透明、印刷・色付き、不織布付きなどそれぞれ種別ごとに分別を

行い、圧縮し密度を高くして回収効率をあげている。

回収した袋はリサイクル工場に運ばれ、農業用ビニールやマルチング材

にリサイクルされている。

リサイクル

適性

【製品の特徴】

・単一素材であり、汚れや異物の付着がほとんど無い。また、回収しやすい大

きさである(ごみ袋に入れて回収可能)。

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1.23

【マテリアルリサイクルの可能性】

・内袋は PP が主流であるが、PP のものと LLDPE のものがあるため、混在した

まま再生すると粒状が発生して品質が低下する。このため素材ごとに分別す

る必要がある

・透明なものと色つきのもので別途分別する必要がある(無地のものは透明ペ

レットに、色付きのものは色付きペレットとなるため)

・クリーニングのタグやジョイントの針、セロテープ等は取り除く必要がある

・素材の統一化を図れば、リサイクルの可能性は高い

・ほとんどの製品に添加剤が入っている

【考えられる回収方法】

・自治体による回収:コストや回収のしやすさを考えるとプラ製容器包装との

混合回収が妥当である。素材の統一化ができれば、リサイクルの質を高める

ために単独回収も検討することがかんがえられる。

・クリーニング店による自主回収(国、自治体からの援助が必要か)

リサイクル

の課題

・クリーニング店が自主回収する場合には、圧縮ができて保管に場所をとらな

いこと、搬送コストの低減が課題である。

・消費者に一度渡ったものは一般廃棄物となるため、クリーニング店が回収す

ることは廃棄物処理法上問題がある。

・リサイクル方法として、油化してボイラー燃料に再利用することが考えられ

るが、これも法律上の問題やコストの問題がある。

・再度クリーニング袋にリサイクルするリサイクルループを構築することは、

コストバランスや、納入先(リサイクル品の使用先)の点で非常に難しいと

考えられる。

出典

・クリーニング生活衛生同業組合、東京都クリーニング生活衛生同業組合、仙

台市リサイクル推進課、業務用クリーニング資材商、プラスチック再生事業

者へのヒアリング 等

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1.24

クリーニング業界の年間消費量・環境省等の試算(古いデータ)

68,000トン/年・日本ポリオレフィンフィルム工業組合調べ

23,000トン/年(2000年:最新データ)素材別内訳:PP17,000トン(74%)

LL5,000トン(22%)HD1,000トン(4%)

<排出>

クリーニング袋

<処理>

■製品寿命1回■主な素材衣類包装用:PP、LLDPEお渡し用:HDPE

年間排出量:23,000トン/年

店頭回収後、リサイクル

ほぼ1回限りの使用のため、家庭でごみとして排出される。自治体による回収後、焼却・埋め立て処理

<リサイクル適性>【クリーニング袋の特徴】・PPが主流である・汚れや異物の付着はほとんど無い・回収しやすい大きさ(ごみ袋に入れて回収可能)【マテリアルリサイクルの可能性】・単一素材であるが、PPのものとLLDPEのものがあるため、混在したまま再生すると粒状が発生して品質が低下する。より質の高いリサイクルを行う場合は、素材ごとに分別する必要がある・透明なものと色つきのもので別途分別する必要がある(無地のものは透明ペレットに、色付きのものは色付きペレットとなるため)・クリーニングのタグやジョイントの針、セロテープ等は取り除く必要がある・素材の統一化を図れば、リサイクルの可能性は高い・ほとんどの製品に添加剤が入っている【考えられる回収方法】・自治体による回収:コストや回収のしやすさを考えるとプラ製容器包装との混合回収が妥当である。素材の統一化ができれば、リサイクルの質を高めるために単独回収も検討。・クリーニング店による自主回収(国、自治体からの援助が必要か)

クリーニング需要の減少やマイバックの導入、技術革新による包装材の薄肉化等により減

少傾向にある

消費者 クリーニング店

<リサイクルの流れ(実証実験より)>

PP、LL

素材ごとに分類

【リサイクルの問題点】・クリーニング店が自主回収する場合には、圧縮ができて保管に場所をとらないこと、搬送コストの低減が課題である・消費者に一度渡ったものは一般廃棄物となるため、クリーニング店が回収することは廃棄物処理法上問題がある・リサイクル方法として、油化してボイラー燃料に再利用することが考えられるが、これも法律上の問題やコストの問題がある

<投入>

一般廃棄物として、焼却・埋め立て処理

(参考)単位製品当たりプラ使用量クリーニング袋(内袋):5~15g程度/袋クリーニング袋(持ち帰り用):30g程度/袋※大きさにより異なる

一部実験的に実施している店舗のみ

再生不能廃棄処分

透明、色付袋

色ごとに分類

工場

圧縮梱包リサイクル

・ハンガー

・クリーニング袋等

Page 25: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.25

品目名 ハンガー

品目の定義

衣類の肩の部分に入れてつるす、肩の形をした器具。ワイヤー(針金)製ハン

ガー、木製ハンガー、プラスチック製ハンガーなどの種類があるが、ここでは

プラスチック製ハンガーのみを扱うこととする。

原単位

●単位製品当たりプラ使用

・ハンガー(プラスチック製):約 55g/本(実測概算)

※業務用、家庭用で異なる

※用途・大きさにより異なる

投入

●製品出荷量データ

【業務用】

・全国の百貨店・量販店・専門店で流通しているハンガーは 5~8 億本と考えられる。

・クリーニング店での年間使用量は 5 億~7 億本と考えられる(2004 年の年間使用量は

約 12,000 トンとの試算結果もあり)。

・家庭で使用されている分については不明だが、1人あたり 20本程度所持していると仮

定した場合、

日本の総人口1億,739 万人(平成 22年 11 月1日現在概算値)×20 個

=20 億 5,478 万個 程度となる。

製品寿命を考慮すると、年間約 2 億 5000 万個程度出荷されている可能性がある。

排出

●年間排出量

【業務用】

10~15 億本/年

・全国の百貨店・量販店・専門店で流通しているハンガー5~8億本/年。

・クリーニング店で使用される 5 億~7 億本/年はのうち、家庭からクリーニング店に返

却されるのは 5~7 割程度である。

・単位製品当たりプラ使用量から、年間排出量は 55,000~82,500 トン(10~15 億本)程

度となる。

【家庭用】

・買い替えによる廃棄を考慮すると、年間約 2億 5000 万個程度と考えられる。

・このうち、クリーニング店で使用されたもので、返却せずに家庭で利用している分が

1.5~3.5 億本程度含まれる可能性がある。

・単位製品当たりプラ使用量から、年間排出量は 13,750 トン(約 2 億 5 千万本)程度と

なる。

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1.26

処理

・リユース、リサイクルされない業務用で使用したハンガーは、産業廃棄物として排出

される。

・家庭用ハンガーは、一般廃棄物として自治体の分別ルールに従い、可燃ごみ・不燃ご

みとして排出され、焼却・埋め立て処理されている。

主な材質 ・PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)

製品寿命・流通用ハンガー:1 回(使い捨て)~数年程

・家庭用ハンガー:10 年程度

排出元 ・百貨店、量販店、専門店、クリーニング店、家庭など

リサイクル

実態

・百貨店や量販店でリユース、リサイクルが行われている。

・クリーニング生活衛生同業組合や一部の自治体により、ハンガーのリサイク

ルの実証実験やモデル事業が行われている。

【百貨店、量販店、専門店におけるリユース・リサイクル】

・百貨店や量販店、専門店で流通しているハンガーは、使用済みの製品を回収・

洗浄し再利用することが可能であるため、店舗やメーカーで自主的に回収し

再利用されている。

・日本百貨店協会・日本アパレル産業協会・統一ハンガー協議会の三団体のも

と、メーカーと百貨店、日本コパックが一体となって「百貨店統一ハンガー

システム」に取り組んでおり、リユースできるよう、流通から店頭ディスプ

レーまで同じ一本のハンガーが使用できるよう規格が統一されている。

・商品販売後、店頭で不要になったハンガーは業者が回収し、リフォーム工場

にて洗浄・メンテナンスの後、再びメーカーに納品し、リユースされている。

また、日本で回収したハンガーを製品として海外に輸出するほか、破損した

ものは破砕後に輸送して、現地生産の原料として用いている。

・最近では、マテリアルリサイクルにも着手しており、リユースをしていく中

で破損したプラスチック製のハンガーなどを素材別に分別し、いったん粉砕

し原材料に戻す。その後、まったく別のハンガーや不織布カバーなどにリサ

イクルしている。

【クリーニング生活衛生同業組合によるリサイクルの検討】

●リサイクルの流れ

クリーニング店では、一度使用したものを回収し、状態の良いハンガー

のみを厳しく選別した後、洗浄し再利用することが可能であるため、ク

リーニング生活衛生同業組合加盟店でも多く店舗が自主的にリユース

を行なっている。

汚れや破損があるもの(リユースできないもの)については、広域再生

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1.27

利用産業廃棄物処理指定で認可を受けた運送業者及び、各販売店(機材

商)の協力のもと、消費者・クリーニング業者から出る使用済み自社プ

ラスチックハンガーのみを回収し破砕を行い、原料へ混入しリサイクル

ハンガーを製造している。

【仙台市のモデル事業】

仙台市では、宮城県クリーニング生活衛生同業組合、NPO 及び本市との協働

により、平成 20 年 8 月 22 日から全国に先駆け仙台発のモデル事業「リサイ

クルランドリー」として、クリーニングカバー等のリサイクルを実施してい

る(クリーニングカバー(ポリ包装)等店頭回収モデル事業)。対象は、ク

リーニング袋(クリーニング済商品を包む袋)、ハンガーである。

●クリーニングカバー(ポリ包装)等店頭回収モデル事業の概要

クリーニング店舗とリサイクル業者とが協力して事業を実施。

消費者は使用済みハンガー(クリーニング済みの衣類についていたも

の)を店舗に持参。店舗では持参した顧客に対してポイント等を付与。

集まったハンガーは、クリーニング店舗にて一定量になるまで保管。

回収したハンガーはハンガーやその他製品(不明)にリサイクルされて

いる。

リサイクル

適性

【製品の特徴】

・単一素材のものが多く、汚れや異物の付着がほとんど無い。また、回収しや

すい大きさである(ごみ袋に入れて回収可能)。

【マテリアルリサイクルの可能性】

・単一素材のものが多く、主な素材がPE、PPであるため、マテリアルリサ

イクルも可能である

・海外製品の場合は特に、同一素材といっても品質が異なるため、混ぜてしま

うと品質が低下する

・ほとんどの製品に添加剤が入っている

【考えられる回収方法】

・自治体による回収:コストや回収のしやすさ、素材の統一がなされていない

ことなどを考えると、プラ製容器包装との混合回収が妥当である。

リサイクル

の課題

・リサイクルまで回ってくる量が少ない。

・自社のハンガーしかリサイクルできないため、自社製品と他社製品の分別が

大変である。

・法律やコストの問題から実証実験、モデル事業等のレベルまでで本格実施に

至らない。

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1.28

出典

・日本百貨店協会、日本アパレル産業協会、統一ハンガー協議会、クリーニン

グ生活衛生同業組合、ハンガーメーカー、東京都クリーニング生活衛生同業

組合、仙台市リサイクル推進課、業務用クリーニング資材商、主要メーカー、

プラスチック再生事業者 等へのヒアリング

・総務省統計局人口推計平成 22 年 11月報

Page 29: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.29

(参考)単位製品当たりプラ使用量

約55g程度/本※業務用、家庭用で異なる※用途・大きさにより異なる

【業務用】百貨店・量販店・専門店:5~8億本/年クリーニング店:5~7億本/年※なお、クリーニング店での年間使用量は12,000トン(2004年)とのデータもあり

<排出>

ハンガー

一般廃棄物として、焼却・埋め立て処理

<処理>

■製品寿命業務用:1回~数年程度家庭用:10年程度■主な素材PE、PP

【業務用】年間排出量:

55,000~82,500トン/年(10~15億本/年)

【家庭用】年間排出量:

13,750トン/年(約2億5千万本/年)

自主回収後リユースリユース不可のものは、

リサイクル

自治体によるプラ製容器包装との混合回収↓プラ製容器包装:指定法人に引き渡しリサイクル製品プラ:独自処理等によるリサイクル

<リサイクル適性>【ハンガーの特徴】・単一素材のものが多い・汚れや異物の付着はほとんど無い・回収しやすい大きさ(ごみ袋に入れて回収可能)【マテリアルリサイクルの可能性】・単一素材のものが多く、主な素材がPE、PPである。マテリアルリサイクルも可能である・海外製品の場合は特に、同一素材といっても品質が異なるため、混ぜてしまうと品質が低下する・ほとんどの製品に添加剤が入っている【考えられる回収方法】・自治体による回収:コストや回収のしやすさ、素材の統一がなされていないことなどを考えると、プラ製容器包装との混合回収が妥当である

容器包装以外のプラスチックを分別収集している一部の自治体に限

られる

5~7割程度がクリーニング店に返却され、再利用されている。残りは家庭で

使用されている。

使えるもの

消費者 クリーニング店

<リユースの流れ(クリーニング店>

使えないもの

運送業者等

ハンガーメーカー

※産業廃棄物広域認定制度の適用

破砕後、原料に混入し新たな製品を製造

<リサイクルの流れ>

【リサイクルの問題点】・リサイクルまで回ってくる量が少ない・自社のハンガーしかリサイクルできない・自社製品と他社製品の分別が大変である・法律やコストの問題から実証実験、モデル事業等のレベルまでで本格実施に至らない

<投入>

【家庭用】約2億5千万本/年うち、クリーニング店のものが1.5~3.5億本/年である可能性あり

産業廃棄物として、焼却・埋め立て処理

自治体回収後リサイクル

<リユースの流れ(百貨店・量販店>

アパレルメーカー

店頭

リフォーム工場

洗浄・メンテナンス

使えるもの

納品

再利用使えないもの

使えないもの

ハンガーメーカー

・製品としてそのまま輸出・破砕後、材料として輸出

<リサイクルの流れ>

海外

Page 30: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.30

品目名 衣装ケース

品目の定義衣服等を収納するケース

原単位

●単位製品当たりプラ使用

・1.5~5kg程度/個(製品カタログ等より)

※使用量は大きさにより異なる

投入

●製品出荷量データ

・出荷量は不明だが、1 人あたり 2 個所有していると仮定した場合、

日本の総人口1億,739 万人(平成 22年 11 月1日現在概算値)×2 個

=2 億 5,478 万個 程度となる。

製品寿命を考慮すると、年間約2,500万~5,000万個程度出荷されている可能性がある。

排出

●年間排出量

・買い替えによる廃棄を考慮すると、年間約 2,500~5,000 万個程度排出されていると考

えられる。

・単位製品当たりプラ使用量から、年間排出量は約 37,500~250,000 トン程度となる。

処理

・リユースされているもの以外は、粗大ごみとして自治体の分別ルールに従い、焼却・埋

め立て処理されている。

主な材質 ・PP(ポリプロピレン)、ABS 樹脂

製品寿命 ・5 年~10年程度

排出元 ・家庭

リサイクル

実態

・一部はリサイクルショップ、フリーマーケット、自治体が運営している粗大

ごみのリサイクル展示等でリユースされているものの、量はわずかである。

リサイクル

適性

【製品の特徴】

・古い製品は単一素材のものもあるが、最近の製品は複合素材のものがほとん

どである。

・汚れや異物の付着があまりない場合もある。

・サイズが大きい物が多く、製品ひとつあたりのプラスチック使用量が多い。

【マテリアルリサイクルの可能性】

・昔は単一素材でかつプラスチックしか使用していなかったが、近年は、耐久

性や利便性を高めるため、部分的にエラストマーや金属、車輪、接合パーツ

Page 31: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.31

等がついているものも多く、単一素材のものは非常に少ない。

・エラストマーや金属が含まれる場合があるため、それらを分離する必要があ

る。

・海外製品の場合は特に、PP で同一素材であるといっても品質が悪いため、混

ぜてしまうと品質が低下してしまう。

・ほとんどの製品に添加剤が入っている。

【考えられる回収方法】

・自治体による回収:コストや回収のしやすさ、様々な素材がまざっているこ

となどを考えると、プラ製容器包装との混合回収が妥当である。

リサイクル

の課題

・破砕してマテリアルリサイクルを行っても、色付きのペレットしかできない

ため、用途が限られる。

・リサイクル品は暗い色が多いため、日用品にはあまり向かない可能性がある。

・リサイクル素材を使用する場合、それなりの量のバージン素材を入れなけれ

ば、耐久性が低くなってしまう。

・日用品は使う人の使い方により製品寿命が異なるため、廃棄時期を想定する

ことが難しい。このため量の確保が困難になる可能性がある。

出典

・総務省統計局人口推計平成 22年 11 月報、日本プラスチック工業連盟、日本

プラスチック日用品工業組合、主要メーカー、プラスチック再生事業者への

ヒアリング 等

Page 32: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.32

<排出>

衣装ケース

<処理>

■製品寿命5年~10年程度

年間排出量:約37,500~250,000トン/年※製品寿命から推計

リサイクルショップ、フリーマーケット等へ

粗大ごみとして排出される。自治体による回収後、焼却・埋め立て処理

<リサイクル適性>【衣装ケースの特徴】・古い製品は単一素材のものもあるが、最近の製品は複合素材のものがほとんどである・汚れや異物の付着があまりない場合もある・サイズが大きい物が多い・製品ひとつあたりのプラスチック使用量が多い【マテリアルリサイクルの可能性】・昔は単一素材でかつプラスチックしか使用していなかったが、近年は、耐久性や利便性を高めるため、部分的にエラストマーや金属、車輪、接合パーツ等がついているものも多く、単一素材のものは非常に少ない・エラストマーや金属が含まれる場合があるため、それらを分離する必要がある・海外製品の場合は特に、PPで同一素材であるといっても品質が悪いため、混ぜてしまうと品質が低下してしまう・ほとんどの製品に添加剤が入っている【考えられる回収方法】・自治体による回収:コストや回収のしやすさ、様々な素材がまざっていることなどを考えると、プラ製容器包装との混合回収が妥当である。

<リユースの流れ>

わずかな量ではあるが、リユースされている

<投入>

一般廃棄物として、焼却・埋め立て処理

単位製品当たりプラ使用量1.5~5kg程度/個※大きさにより異なる

製品出荷量2,500~5,000万個/年※廃棄による買い換えを想定

■主な素材PP、ABS樹脂

リサイクルショップ、フリーマーケット

消費者販売 購入

消費者

【リサイクルの問題点】・破砕してマテリアルリサイクルを行っても、色付きのペレットしかできないため、用途が限られる・リサイクル品は暗い色が多いため、日用品にはあまり向かない可能性がある・リサイクル素材を使用する場合、それなりの量のバージン素材を入れなければ、耐久性が低くなってしまう・日用品は使う人の使い方により製品寿命が異なるため、廃棄時期を想定することが難しい。このため量の確保が困難になる可能性がある

Page 33: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.33

品目名 風呂桶、洗面器

品目の定義人が顔や手を洗うために湯水を入れる器のこと

原単位

●単位製品当たりプラ使用

・250g~300g 程度/個(製品カタログ等より)

※使用量は大きさにより異なる

投入

●製品出荷量データ

・出荷量は不明だが、1 世帯あたり(1人世帯を除く)1 個所有していると仮定した場合、

日本の総世帯数(単独世帯以外)34,605,000 世帯×1 個

=約 3,460 万個 程度となる。

製品寿命を考慮すると、年間約 346 万~692 万個程度出荷されている可能性がある。

排出

●年間廃棄量

・買い替えによる廃棄を考慮すると、年間約 346~692 万個程度廃棄されていると考えら

れる。

・単位製品当たりプラ使用量から、年間排出量は約 865~2,076 トン程度となる。

処理

・容器包装以外のプラスチック製品を分別収集している一部の自治体以外では、一般廃棄

物として自治体の分別ルールに従い、可燃ごみ・不燃ごみとして排出され処理されてい

る。

主な材質 ・PP(ポリプロピレン)

製品寿命 ・5 年~10年程度

排出元

・家庭

・病院・老人ホーム

・ホテル・旅館,

・銭湯

リサイクル

実態

・容器包装以外のプラスチックを分別収集・リサイクルしている一部の自治体

を除き、リサイクルは行われていないと考えられる。

リサイクル

適性

【製品の特徴】

・ほぼ単一素材であり、回収しやすい大きさである(ごみ袋に入れて回収可能)。

【マテリアルリサイクルの可能性】

・汚れや異物の付着が激しく、カビ等の発生も考えられるため、衛生面で問題

がある可能性がある。

・近年は 100円ショップでの売上が大きくなっているが、海外製品の場合は特

に、PP で同一素材であっても品質が悪いことが多い、混ぜてしまうと品質が

Page 34: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.34

低下してしまう

・お湯を湯船(バス湯)から汲みあげるときにすべって落とさないために、す

べり止めとしてエラストマー樹脂(ゴム質)が使用されている製品があるた

め、それらを分離する必要がある。

・ほとんどの製品に添加剤が入っている。

【考えられる回収方法】

・自治体による回収:主な素材が一種類であるが、添加剤が入っており汚れが

あることなどを考えると、プラ製容器包装との混合回収が妥当である

リサイクル

の課題

・破砕してマテリアルリサイクルを行っても、色付きのペレットしかできない

ため、用途が限られる。

・リサイクル品は暗い色が多いため、日用品にはあまり向かない可能性がある。

・リサイクル素材を使用する場合、それなりの量のバージン素材を入れなけれ

ば、耐久性が低くなってしまう。

・日用品は使う人の使い方により製品寿命が異なるため、廃棄時期を想定する

ことが難しい。このため量の確保が困難になる可能性がある。

出典

・平成 17 年度国勢調査「日本の総世帯数(単独世帯以外)」、日本プラスチ

ック工業連盟、日本プラスチック日用品工業組合、ホテル・旅館、主要メー

カー、プラスチック再生事業者へのヒアリング 等

Page 35: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.35

<排出>

風呂桶、洗面器

<処理>

■製品寿命5年~10年程度

年間排出量:約865~2,076トン/年※製品寿命から推計

容器包装以外のプラスチックを分別収集している一部の自治体

自治体による回収後、焼却・埋め立て処理

<リサイクル適性>【風呂桶、洗面器の特徴】・ほぼ単一素材である・回収しやすい大きさ(ごみ袋に入れて回収可能)【マテリアルリサイクルの可能性】・汚れや異物の付着が激しく、カビ等の発生も考えられるため、衛生面で問題がある可能性がある・近年は100円ショップでの売上が大きくなっているが、海外製品の場合は特に、PPで同一素材であっても品質が悪いことが多い、混ぜてしまうと品質が低下してしまう・お湯を湯船(バス湯)から汲みあげるときにすべって落とさないために、すべり止めとしてエラストマー樹脂(ゴム質)が使用されている製品があるため、それらを分離する必要がある・ほとんどの製品に添加剤が入っている【考えられる回収方法】・自治体による回収:主な素材が一種類であるが、添加剤が入っており汚れがあることなどを考えると、プラ製容器包装との混合回収が妥当である

<投入>

一般廃棄物として、焼却・埋め立て処理

■主な素材PP

【リサイクルの問題点】・破砕してマテリアルリサイクルを行っても、色付きのペレットしかできないため、用途が限られる・リサイクル品は暗い色が多いため、日用品にはあまり向かない可能性がある。・リサイクル素材を使用する場合、それなりの量のバージン素材を入れなければ、耐久性が低くなってしまう・日用品は使う人の使い方により製品寿命が異なるため、廃棄時期を想定することが難しい。このため量の確保が困難になる可能性がある

単位製品当たりプラ使用量250~300g程度/個

※大きさにより異なる

製品出荷量346~692万個/年

※廃棄による買い換えを想定

家庭以外にも、病院や老人ホーム、銭湯、ホテル・旅館等から排出される可能性がある

Page 36: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.36

品目名 風呂用フタ・風呂用イス

品目の定義

風呂用フタ:浴槽内のお湯の保温や、浴室内の湿気対策、浴槽への転落防止等

のために浴槽にフタをするもの

風呂用イス:浴室で使用するイス(浴槽内で使用するものを除く)

原単位

●単位製品当たりプラ使用量

【風呂用フタ】

・1.5~3kg程度/個(製品カタログ等より)

※使用量は大きさにより異なる

【風呂用イス】

・500g~2kg程度/個(製品カタログ等より)

※使用量は大きさにより異なる

投入

●製品出荷量データ

・出荷量は不明だが、1 世帯あたり(1人世帯を除く)1 個所有していると仮定した場合、

日本の総世帯数(単独世帯以外)34,605,000 世帯×1 個

=約 3,460 万個 程度となる。

製品寿命を考慮すると、年間約 346 万~692 万個程度出荷されている可能性がある。

排出

●年間排出量

・買い替えによる廃棄を考慮すると、年間約 346万~692 万個程度廃棄されていると考え

られる。

・単位製品当たりプラ使用量から、年間排出量は風呂用フタが約 5,190~20,760 トン程度、

風呂用イスが約 1,730~13,840 トン程度となる。

処理

・容器包装以外のプラスチック製品を分別収集している一部の自治体以外では、一般廃棄

物として自治体の分別ルールに従い、可燃ごみ・不燃ごみとして排出され処理されてい

る。

・風呂用フタは、粗大ごみとして自治体の分別ルールに従い、焼却・埋め立て処理されて

いる。

主な材質 ・PP(ポリプロピレン)、ABS 樹脂

製品寿命 ・5 年~10年程度

排出元・家庭

・病院・老人ホーム

リサイクル

実態

・容器包装以外のプラスチックを分別収集・リサイクルしている一部の自治体

を除き、リサイクルは行われていないと考えられる。

リサイクル 【製品の特徴】

Page 37: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.37

適性 ・ほぼ単一素材である。

・風呂用イスは回収しやすい大きさである(ごみ袋に入れて回収可能)。

・風呂用フタは製品サイズが大きい。

【マテリアルリサイクルの可能性】

・汚れや異物の付着が激しく、カビ等の発生も考えられるため、衛生面で問題

がある可能性がある。

・近年は 100円ショップでの売上が大きくなっているが、海外製品の場合は特

に、PPや ABS といった同一素材であっても品質が悪いことが多い、混ぜてし

まうと品質が低下してしまう。

・すべり止め(エラストマー樹脂)、抗菌剤(銀イオン)、防カビ剤(バクテ

キラー)、撥水剤を使用している製品が多く、それらを分離する必要がある。

・ほとんどの製品に添加剤が入っている。

【考えられる回収方法】

・自治体による回収:コストや回収のしやすさ、様々な素材がまざっているこ

と、添加剤が入っており汚れがあることなどを考えると、プラ製容器包装と

の混合回収が妥当である。

リサイクル

の課題

・破砕してマテリアルリサイクルを行っても、色付きのペレットしかできない

ため、用途が限られる。

・リサイクル品は暗い色が多いため、日用品にはあまり向かない可能性がある。

・リサイクル素材を使用する場合、それなりの量のバージン素材を入れなけれ

ば、耐久性が低くなってしまう。

・日用品は使う人の使い方により製品寿命が異なるため、廃棄時期を想定する

ことが難しい。このため量の確保が困難になる可能性がある。

出典

・平成 17 年度国勢調査「日本の総世帯数(単独世帯以外)」、日本プラスチ

ック工業連盟、日本プラスチック日用品工業組合、主要メーカー、プラスチ

ック再生事業者へのヒアリング 等

Page 38: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.38

<排出>

風呂用フタ・風呂用イス

<処理>

■製品寿命5年~10年程度

年間排出量:風呂用フタ5,190~20,760トン/年

風呂用イス1,730~13,840トン/年

※製品寿命から推計

容器包装以外のプラスチックを分別収集している一部の自治体

風呂用フタは粗大ごみとして排出される風呂用イスは自治体による回収後、焼却・埋め立て処理

<リサイクル適性>【風呂用フタ・風呂用イスの特徴】・ほぼ単一素材である・風呂用イスは回収しやすい大きさ(ごみ袋に入れて回収可能)・風呂用フタは製品サイズが大きい【マテリアルリサイクルの可能性】・汚れや異物の付着が激しく、カビ等の発生も考えられるため、衛生面で問題がある可能性がある・近年は100円ショップでの売上が大きくなっているが、海外製品の場合は特に、PPやABSといった同一素材であっても品質が悪いことが多い、混ぜてしまうと品質が低下してしまう・すべり止め(エラストマー樹脂)、抗菌剤(銀イオン)、防カビ剤(バクテキラー)、撥水剤を使用している製品が多く、それらを分離する必要がある・ほとんどの製品に添加剤が入っている【考えられる回収方法】・自治体による回収:コストや回収のしやすさ、様々な素材がまざっていること、添加剤が入っており汚れがあることなどを考えると、プラ製容器包装との混合回収が妥当である

<投入>

一般廃棄物として、焼却・埋め立て処理

■主な素材PP、ABS

【リサイクルの問題点】・破砕してマテリアルリサイクルを行っても、色付きのペレットしかできないため、用途が限られる・リサイクル品は暗い色が多いため、日用品にはあまり向かない可能性がある。・リサイクル素材を使用する場合、それなりの量のバージン素材を入れなければ、耐久性が低くなってしまう・日用品は使う人の使い方により製品寿命が異なるため、廃棄時期を想定することが難しい。このため量の確保が困難になる可能性がある

家庭以外にも、病院や老人ホーム、銭湯、ホテル・旅館等から排出される可能性がある

単位製品当たりプラ使用量風呂用フタ:1.5~3kg程度/個風呂用イス500g~2kg程度/個

※大きさにより異なる

製品出荷量風呂用フタ:346~692万個/年風呂用イス:346~692万個/年

※廃棄による買い換えを想定

Page 39: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.39

品目名 バケツ

品目の定義液体などの運搬に使われる、取手の付いた容器

原単位

●単位製品当たりプラ使用量

・100g~200g 程度/個(製品カタログ等より)

※使用量は大きさにより異なる

投入

●製品出荷量データ

・出荷量は不明だが、1 世帯あたり(1人世帯を除く)1 個所有していると仮定した場合、

日本の総世帯数(単独世帯以外)34,605,000 世帯×1 個

=約 3,460 万個 程度となる。

製品寿命を考慮すると、年間約 346 万~692 万個程度出荷されている可能性がある。

排出

●年間廃棄量

・買い替えによる廃棄を考慮すると、年間約 346万~692 万個程度廃棄されていると考え

られる。

・単位製品当たりプラ使用量から、年間排出量は約 865~2,076 トン程となる。

処理

・容器包装以外のプラスチック製品を分別収集している一部の自治体以外では、一般廃棄

物として自治体の分別ルールに従い、可燃ごみ・不燃ごみとして排出され処理されてい

る。

主な材質 ・PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)

製品寿命 ・5 年~10年程度

排出元

・家庭

・学校

・事業所

リサイクル

実態

・容器包装以外のプラスチックを分別収集・リサイクルしている一部の自治体

を除き、リサイクルは行われていないと考えられる。

リサイクル

適性

【製品の特徴】

・ほぼ単一素材であり、回収しやすい大きさである(ごみ袋に入れて回収可能)。

【マテリアルリサイクルの可能性】

・汚れや異物の付着が激しく、カビ等の発生も考えられるため、衛生面で問題

がある可能性がある。

・近年は 100円ショップでの売上が大きくなっているが、海外製品の場合は特

に、PP や PE といった同一素材であっても品質が悪いことが多い、混ぜてし

まうと品質が低下してしまう。

Page 40: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.40

・つり手がステンレス製であったり、本体とつり手の結合部分に金属が使用さ

れている場合が多く、それらを分離する必要がある。

・再生材を用いている製品の場合、品質に偏りがある可能性がある。

・ほとんどの製品に添加剤が入っている。

【考えられる回収方法】

・自治体による回収:コストや回収のしやすさ、様々な素材がまざっているこ

と、添加剤が入っていることなどを考えると、プラ製容器包装との混合回収

が妥当である。

リサイクル

の課題

・破砕してマテリアルリサイクルを行っても、色付きのペレットしかできない

ため、用途が限られる。

・リサイクル品は暗い色が多いため、日用品にはあまり向かない可能性がある

・リサイクル素材を使用する場合、それなりの量のバージン素材を入れなけれ

ば、耐久性が低くなってしまう。

・日用品は使う人の使い方により製品寿命が異なるため、廃棄時期を想定する

ことが難しい。このため量の確保が困難になる可能性がある。

出典

・平成 17 年度国勢調査「日本の総世帯数(単独世帯以外)」、日本プラスチ

ック工業連盟、日本プラスチック日用品工業組合、主要メーカー、プラスチ

ック再生事業者へのヒアリング 等

Page 41: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.41

<排出>

バケツ

<処理>

■製品寿命5年~10年程度

年間排出量:約865~2,076トン/年※製品寿命から推計

容器包装以外のプラスチックを分別収集している一部の自治体

自治体による回収後、焼却・埋め立て処理

<リサイクル適性>【バケツの特徴】・ほぼ単一素材である・回収しやすい大きさ(ごみ袋に入れて回収可能)【マテリアルリサイクルの可能性】・汚れや異物の付着が激しく、カビ等の発生も考えられるため、衛生面で問題がある可能性がある・近年は100円ショップでの売上が大きくなっているが、海外製品の場合は特に、PPやPEといった同一素材であっても品質が悪いことが多い、混ぜてしまうと品質が低下してしまう・つり手がステンレス製であったり、本体とつり手の結合部分に金属が使用されている場合が多く、それらを分離する必要がある再生材を用いている製品の場合、品質に偏りがある可能性がある。・ほとんどの製品に添加剤が入っている【考えられる回収方法】・自治体による回収:コストや回収のしやすさ、様々な素材がまざっていること、添加剤が入っていることなどを考えると、プラ製容器包装との混合回収が妥当である

<投入>

一般廃棄物として、焼却・埋め立て処理

■主な素材PP、PE

【リサイクルの問題点】・破砕してマテリアルリサイクルを行っても、色付きのペレットしかできないため、用途が限られる・リサイクル品は暗い色が多いため、日用品にはあまり向かない可能性がある・リサイクル素材を使用する場合、それなりの量のバージン素材を入れなければ、耐久性が低くなってしまう。・日用品は使う人の使い方により製品寿命が異なるため、廃棄時期を想定することが難しい。このため量の確保が困難になる可能性がある。

単位製品当たりプラ使用量100~200g程度/個

※大きさにより異なる

製品出荷量346~692万個/年

※廃棄による買い換えを想定

家庭意外にも、学校や事業所等から排出される可

能性がある

Page 42: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.42

品目名 ごみ袋

品目の定義 ごみを排出する際に利用するポリエチレン製袋

原単位

●単位製品当たりプラ使用量

・16~34g/枚(製品カタログ等より)

※45L 用ごみ袋

投入

●製品出荷量データ

【ポリオレフィンフィルムの出荷量】単位:トン

※出荷量は業界団体加盟事業者統計(カバー率は不明だが、相当程度に高いと考えられる)

【ポリエチレン袋の輸入量】

(t)

※輸入量はレジ袋や無地のポリエチレン袋も含まれるため、ごみ袋は統計の一部である。

HSコード 品目 平成19年 平成20年 平成21年

392321 ポリエチレン製袋 471,525 481,021 460,233

Page 43: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.43

排出

●年間排出量

・出荷量から考えると、年間排出量は約 315,000 トンと程度となる。

※国内出荷量分:75,727

※輸入分:約 240,000 トン(輸入総量 481,021 トンのうち半分がごみ袋と仮定)

・このうち、汚れが少なくリサイクルできると考えられるのは、容リ排出用に使用された

ごみ袋である。

・容リ排出用ごみ袋の量は不明であるが、環境省「容器包装以外のプラスチックのリサイ

クルの在り方に関する懇談会」資料において平成 20 年度容器包装廃棄物の使用・排出

実態調査報告書をみると、6都市平均組成(容積)における「発泡スチロールトレイ」

及び「その他のプラスチック製容器包装」の合計比率が 37.5%と記載されている。こ

のため、この値を用い、ごみ袋中の容リプラ排出用のごみ袋比率』=『ごみ全体に占め

る容リプラごみの容積比率』=37.5%と仮定した場合、リサイクルの可能性がある容リ排

出用ごみ袋の年間排出量は約 120,000 トン程度となる。

・分別収集を行っている自治体は 66.6%(人口カバー率)であるため、容リ排出用ごみ

袋の年間排出量は約 120,000 トンの 66.6%である 79,000 が、リサイクルの対象となる

排出量である。

処理

・各種ごみの容器(袋)として排出され、回収後焼却・埋め立て処理される。

・プラスチック製容器包装の分別ごみの袋として排出されたごみ袋も、破袋され、異物と

して除去され、焼却される。

主な材質・PE(LDPE(低密度ポリエチレン)、LLDPE(LDPE 直鎖状低密度ポリエチレン)、

HDPE(高密度ポリエチレン))

製品寿命 ・1回

排出元

・家庭(一般廃棄物)

・事業所(事業系一般廃棄物)

・工場(産業廃棄物)

リサイクル

実態

・一部でサーマルリサイクル(焼却発電、セメント原料)が行われている。

・一般廃棄物として、焼却・埋め立て処理

リサイクル

適性

【製品の特徴】

・単一素材である。

・用途によっては、汚れや異物の付着がほとんどない。

・回収しやすい(現在でもごみと一緒に回収している)。

【マテリアルリサイクルの可能性】

・プラスチック製容器包装を回収した際のごみ袋は、破袋後に資源として一緒

にベール化できる可能性がある。

・添加剤が入っている。

Page 44: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.44

【考えられる回収方法】

・容リ排出用ごみ袋の場合、ごみを回収した際に自動的に回収される(混合回

収)

リサイクル

の課題

・破砕してマテリアルリサイクルを行っても、色付きのペレットしかできない

ため、用途が限られる。

・リサイクルできる製品が限られる。

・リサイクル素材を使用する場合、それなりの量のバージン素材を入れなけれ

ば、耐久性が低くなってしまう。

出典

・ポリオレフィンフィルム工業組合「平成 21 年度日本の包装産業出荷統計」、

財務省「貿易統計」、環境省「容器包装以外のプラスチックのリサイクルの

在り方に関する懇談会」平成 20 年度容器包装廃棄物の使用・排出実態調査

報告書、自治体、プラスチック再生事業者へのヒアリング 等

Page 45: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.45

<排出>

ごみ袋

<処理>

■製品寿命1回

年間排出量:約79,000トン/年

※『ごみ袋中の容リプラ排出用のごみ袋比率』=『ごみ全体に占める容リプラごみの容積比率』=37.5%※と仮定

サーマルリサイクル(発電、セメントキルン原燃料化等)

自治体による回収後、焼却・埋め立て処理

<リサイクル適性>【ごみ袋の特徴】・単一素材である・用途によっては、汚れや異物の付着がほとんどない・回収しやすい(現在でもごみと一緒に回収している)【マテリアルリサイクルの可能性】・プラスチック製容器包装を回収した際のごみ袋は、破袋後に資源として一緒にベール化できる可能性がある・添加剤が入っている【考えられる回収方法】・容リ排出用ごみ袋の場合、ごみを回収した際に自動的に回収される(混合回収)。

<投入>

一般廃棄物として、焼却・埋め立て処理

■主な素材LDPE、LLDPE、HDPE

【リサイクルの問題点】・破砕してマテリアルリサイクルを行っても、色付きのペレットしかできないため、用途が限られる。・リサイクルできる製品が限られる。・リサイクル素材を使用する場合、それなりの量のバージン素材を入れなければ、耐久性が低くなってしまう。

LDPE・LLDPEフィルム40,173t(2008年)

HDPEフィルム35,554t(2008年)

ポリエチレン製袋約240,000t(2008年)

※ポリエチレン製袋輸入量のうち、約半分がごみ袋と仮定

(レジ袋等も含まれているため)

ごみ袋

輸入量

ごみ袋

国内出荷量

プラスチック製容器包装の分別ごみの袋として排出されたごみ袋も、破袋後異物として除去さ

れ、焼却される。

年間排出量(ごみ袋全体)は約315,000トン/年(製品寿命から推計)であるが、このうちリサイクルできるのは容リ排出用に使用されたもののみであると考えられる。

・6都市平均組成(容積)における「発泡スチロールトレイ」及び「その他のプラスチック製容器包装」の合計比率:37.5を、ごみ袋中の容リプラ排

出用のごみ袋比率と改定・算出された値×66.6%(分別収集を行ってい

る自治体)で年間排出量を推計

出典:平成20年度容器包装廃棄物の使用・排出実態調査報告書

Page 46: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.46

品目名 ダイレクトメール等のフィルムシート・封筒

品目の定義ダイレクトメール等に透明の封筒やダイレクトメールの窓の部分に貼り付け

てある透明のフィルム

原単位

●単位製品当たりプラ使用量

・1g~10g 程度/個(製品カタログ等より)

※使用量は、種類大きさにより異なる

投入

●製品出荷量データ

・出荷量は不明である。

排出

●年間排出量

・製品出荷量が不明なため、年間排出量も不明である。

処理

・一般廃棄物として自治体の分別ルールに従い、可燃ごみ・不燃ごみとして排出され処理

されている。

主な材質 ・OPP(二軸延伸ポリプロピレン)

製品寿命 ・1回

排出元 ・家庭

リサイクル

実態

・リサイクルは行われていない。

リサイクル

適性

【製品の特徴】

・単一素材であり、汚れや異物の付着がほとんど無い。また、回収しやすい大

きさである(ごみ袋に入れて回収可能)。

【マテリアルリサイクルの可能性】

・単一素材で OPP 製のものがほとんどであるため、素材ごとに分別する必要が

ない。

・透明なものがほとんどであり、透明ペレットにできる。

・シール等が付着している場合は、それらを分離する必要がある

・ほとんどの製品に添加剤が入っている。

【考えられる回収方法】

・自治体による回収:家庭から排出される場合一度に少量しか出ないこと、コ

ストや回収のしやすさなどを考えると、プラ製容器包装との混合回収が妥当

である。

リサイクル ・総量で考えるとかなりの量になると考えられるが、個々の家庭から排出され

Page 47: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.47

の課題 る量はわずかであるため、プラスチック製容器包装との混合回収以外の回収

は難しいと考えられる。

・シールが付着している場合が多いため、分離するためにコストも手間もかか

る。

出典・プラスチック製品統計、日本プラスチック工業連盟、日本プラスチック日用

品工業組合、主要メーカー、プラスチック再生事業者へのヒアリング 等

Page 48: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.48

<排出>

ダイレクトメール等のフィルムシート・封筒

<処理>

■製品寿命1回

年間排出量:不明/年

<リサイクル適性>【ダイレクトメール等のフィルムシート、封筒の特徴】・単一素材である・汚れや異物の付着がほとんど無い・回収しやすい大きさ(ごみ袋に入れて回収可能)【マテリアルリサイクルの可能性】・単一素材でOPP製のものがほとんどであるため、素材ごとに分別する必要がない・透明なものがほとんどであり、透明ペレットにできる・シール等が付着している場合は、それらを分離する必要がある・ほとんどの製品に添加剤が入っている【考えられる回収方法】・自治体による回収:家庭から排出される場合一度に少量しか出ないこと、コストや回収のしやすさなどを考えると、プラ製容器包装との混合回収が妥当である。

<投入>

一般廃棄物として、焼却・埋め立て処理

■主な素材OPP

単位製品当たりプラ使用量1~10g程度/枚

※種類、大きさにより異なる

製品出荷量不明/年

自治体による回収後、焼却処理

Page 49: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.49

品目名 レジカゴ

品目の定義 各種小売店等で、商品代金を支払うまでの間、商品を入れておくカゴ。

原単位

●単位製品当たりプラ使用量

・400g~700g 程度/個(製品カタログ等より)、

※使用量は、種類大きさにより異なる

投入

●製品出荷量データ

・出荷量は不明である。

排出

●年間排出量

・製品出荷量が不明なため、年間排出量も不明である。

処理

・洗浄・メンテナンス後、店舗内にてリユースされている。使用できないものは、産業廃

棄物として適切に処理されている。

主な材質 ・PP(ポリプロピレン)

製品寿命 ・5~10年程度

排出元 ・各種小売業等(事業者)

リサイクル

実態

・リサイクルは行われていないが、汚れたものは洗浄後店舗やバックヤード等

でリユースされている。

リサイクル

適性

【製品の特徴】

・ほぼ単一素材である。

・業務用である。

【マテリアルリサイクルの可能性】

・本体とつり手の結合部分に金属が使用されている製品もある。この場合は分

離する必要がある。

・再生材を用いている製品の場合、品質に偏りがある可能性がある。

・添加剤が入っている製品もある。

【考えられる回収方法】

・業務用であるため、業者による回収となる。

リサイクル

の課題

・リサイクルする場合、コストが非常に高くなるため事業者が積極的に取り組

むことは難しい。

出典・日本社団法人日本有機資源協会、スーパー、主要メーカー、プラスチック再

生事業者へのヒアリング 等

Page 50: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.50

<排出>

レジカゴ

<処理>

■製品寿命5~10年程度

年間排出量:不明/年

<リサイクル適性>【レジカゴの特徴】・ほぼ単一素材である・業務用である【マテリアルリサイクルの可能性】・本体とつり手の結合部分に金属が使用されている製品もある。この場合は分離する必要がある・再生材を用いている製品の場合、品質に偏りがある可能性がある。・添加剤が入っている製品もある【考えられる回収方法】・業務用であるため、業者による単体回収となる

<投入>

産業廃棄物として処理

■主な素材PP

単位製品当たりプラ使用量400g~700g程度/個

※大きさにより異なる

製品出荷量総合スーパー 4,000~5,000個/年

※各種小売店等様々なところで使用されているが、使用量は不明である

Page 51: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.51

1.3. 産業系廃プラスチックのリサイクル実態の把握

廃プラスチックのリサイクル実態を把握するため、廃プラスチックの排出以降のフロー

において、既存の公的統計データ等にて把握できる範囲を整理した。既存の公的統計デー

タ等にて把握でいない範囲については、実態を把握するためのアンケート調査及びヒアリ

ング調査を実施した。

(1) 公的統計データ等の把握範囲の整理

① 公的統計データ等の整理

廃プラスチックの排出以降のフローについて把握している既存の公的統計データ及

びその把握範囲は下記の通りである。

1) 産業廃棄物排出・処理状況調査報告書【環境省】

47 都道府県の産業廃棄物の排出が想定される 16 業種を対象に調査を実施し、産業

廃棄物 19 種類の排出状況・処理状況を把握。4)の各都道府県別調査結果をベースに年

次補正して作成。

・ データ把握単位:排出量 都道府県別×業種別処理・リサイクル量 全国×全業種

・ 更新頻度:毎年

・ 有価物の取扱:含まない

2) 廃棄物の広域移動対策検討調査及び廃棄物等循環的利用量実態調査【環境省】

47 都道府県及び 57 市(政令市、中核市)に対してアンケート調査を実施した結果

を基に、排出された産業廃棄物(特別管理産業廃棄物を含む)のうち、排出都道府県

外の産業廃棄物処理業者に中間処理、最終処分を委託している量について把握。5)のデ

ータをベースに集計。

・ データ把握単位:都道府県間の廃プラスチック類の移動量を移動目的別(処分目的/中間処理目的)に把握

・ 更新頻度:毎年

・ 有価物の取扱:含まない

3) 都道府県への多量排出事業者による産業廃棄物処理業の実績報告【都道府県】

一定の量以上の産業廃棄物または特別管理産業廃棄物を排出する事業者(多量排

出事業者:廃棄物処理法で定める多量排出事業者とは、その事業活動に伴って多量の

産業廃棄物を生ずる事業場を設置している事業者であり、産業廃棄物の前年度の発生

量 が合計 1,000 トン以上、または、特別管理産業廃棄物の前年度の発生量が 50 トン

Page 52: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.52

以上の事業場を設置している事業者)が、廃棄物の減量や適正処理に関する処理計

画および実施状況報告を作成、都道府県知事へ提出。

・ データ把握単位:排出量 事業者別処理・リサイクル量 事業者別

・ 更新頻度:毎年

・ 有価物の取扱:含まない

4) 都道府県の産業廃棄物実態調査【都道府県】

都道府県内の事業者を対象に調査を実施し、産業廃棄物の排出状況・処理状況を把

握。廃棄物処理計画の改定時などおよそ 5 年おきに実施されるケースが多い。

例:神奈川県

・ データ把握単位:排出量 業種別×地区別処理・リサイクル量 業種別×地区別

・ 更新頻度:およそ 5 年毎

・ 有価物の取扱:自治体によっては含むケースあり?

5) 都道府県への産業廃棄物処理事業者の実績報告【各都道府県】

産業廃棄物及び特別産業廃棄物の収集運搬事業者・処理事業者からの実績報告を求

めている。 例:東京都

・ データ把握単位:都道府県別の廃プラスチック類受入量都道府県別×処理方法別×行き先別の廃プラスチック量

・ 更新頻度:毎年

・ 有価物の取扱:含まない

6) 産業系廃プラスチックの排出、処理処分に関する調査報告書【プラ処理協】

プラスチックを排出する事業者(化学工業、プラスチック製品製造業、ゴム製品製

造業、電気機械器具製造業、輸送用機械器具製造業、パルプ・紙・紙加工品製造業の 6

業種)を対象に調査を実施し、発生・処理した廃プラスチックについて把握。

・ データ把握単位:排出量 業種別×(形状別/樹脂別/発生工程別/分別状況別

/汚れ状況別)処理・リサイクル量 業種別×(処理主体別/処理方法別/最終用途別)

形状別×最終用途別

・ 更新頻度:およそ 5 年毎

・ 有価物の取扱:含む

Page 53: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.53

7) 副産物発生状況等に関する調査【経済産業省】

製造業・電気・ガス業の排出事業者を対象としたアンケート調査を実施し、有価物

と廃棄物を含む副産物の排出・処理状況を把握。

・ データ把握単位:排出量 業種別処理・リサイクル量 業種別

・ 更新頻度:毎年

・ 有価物の取扱:含む

<補足:一般廃棄物中の事業系ごみの把握>

8) ごみ排出原単位等実態報告書)【東京都二十三区清掃一部組合調査】

事業系ごみの組成調査を実施。

② 公的統計データ等の把握範囲及び課題

①において整理した公的統計データ等の把握範囲を整理し、既存データ等による把

握状況の課題、既存データ等では把握できていない範囲について、下記の通り整理し

た。

・排出事業者の排出と中間処理業者の受入をつなぐデータの欠如

既存調査・文献では、産業廃棄物として排出された廃プラスチックが事業者か

ら排出されてからのフローと、中間処理業者が排出事業者から廃プラスチック

を受け入れるまでのフローの間をつなぐデータがない

排出事業者は、どのような形状・性質の廃プラをどの程度排出しているのか

中間処理業者は、どの業種の排出事業者から、どのような形状・性質の廃プラ

を受け入れているのか

・プラ処理協フローの精度向上

熱利用/単純焼却・埋立の比率の精度向上

事業系のプラの行方

・廃プラの更なる有効利用(高度利用)余地の把握

熱利用等されているプラのうち材料リサイクルできるものはないか

単純焼却されているプラのうち熱利用等に回せるものはないか

Page 54: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.54

図 1.3-1 産業系廃プラスチックのフロー関連データの整理及びフロー把握の問題意識

排出事業者 自治体

廃プラ(産廃)

プラ(有価物)

廃プラ(一廃混入)

中間処理業者

発電・熱利用

①、③、④:全業種⑥:6業種のみ⑦:製造業、電気・ガス業のみ

②、⑤

⑥:6業種のみ⑦:製造業、電気・ガス業のみ

環境省一般廃棄物実態調査の内数

廃プラ由来原料

材料メーカー

材料リサイクル業者

ケミカルリサイクル業者

鉄鋼原料等

廃プラ由来原料

材料メーカー

材料リサイクル業者

容リ協会登録事業者については可能量調査で把握

産業廃棄物として排出された廃プラスチックが事業者から排出されてからのフローと、中間処理業者が排出事業者から廃プラスチックを受け入れるまでのフローの間をつなぐデータがない

排出事業者は、どのような形状・性質の廃プラをどの程度排出しているのか

中間処理業者は、どの業種の排出事業者から、どのような形状・性質の廃プラを受け入れているのか

熱利用等されているプラのうち材料リサイクルできるものはないか

事業系のプラの行方

単純焼却されているプラのうち熱利用等に回せるものはないか

プラ処理協としては、熱利用/単純焼却・埋立の比率の精度向上が課題と認識

Page 55: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.55

(2) 産業系廃プラスチックフロー把握のための調査実施

(1)では廃プラスチックの排出以降のフローについて公的統計データの把握範囲及び課題

を整理した。この整理結果を踏まえ、産業系廃プラスチックフローにおいて十分に把握が

できていない範囲について、実態を明らかにするための調査を実施した。

① 調査対象及び調査手法

公的統計データ等で把握できない廃プラスチックフローについて把握しているのは、

産業廃棄物排出事業者、産業廃棄物処理事業者及び事業系廃プラスチックを一般廃棄物

として排出している事業者であるため、これらの事業者を対象として調査を実施するこ

ととした。

産業廃棄物排出事業者及び産業廃棄物処理事業者に対しては、廃プラスチックの排出

や取扱等の状況について東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の1都 3 県の事業者を対象

として、アンケート調査を実施することとした。なお、東京都産業廃棄物経年変化実態

調査報告書(平成 19 年度実績)によれば、東京都の産業廃棄物の廃プラスチックは、1

都 3 県で 8 割以上が処理されている。

事業系廃プラスチックを一般廃棄物として排出している事業者に対しては、ヒアリン

グ調査を実施することとした。

② 産業廃棄物排出事業者へのアンケート調査

1) 調査対象

東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県、さいたま市、川崎市、横浜市、千葉市が報告を

受けている事業者産業廃棄物の多量排出事業者、1045 社を調査対象とした。なお、廃

プラスチックを排出していないことがあらかじめ判明している場合は対象外とした。

2) 調査時期及び方式

調査は、2011 年 1 月 24 日~2 月 4 日の期間で、郵送方式で実施した。

3) 調査項目

調査対象である事業者は、大きく製造業、建設業、その他(サービス、医療等)の

三つに分類されるため、業種別に調査票を作成した。調査項目は下記の通りである。

調査票は参考資料を参照されたい。

【排出実態】

廃プラスチック発生量

排出している廃プラスチックの品目(フィルム、ボトル、成型品等)

※品目の選択肢は業種によって異なる

品目別の発生量、性状(素材、形状、汚れ、混入物)、処理状況

Page 56: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.56

【廃プラスチックのリサイクル・処分状況別の動向等】

廃プラスチックを他者に委託(有償売却)してリサイクルする場合の最近の動

廃プラスチックを他者に委託(費用を払って引渡)してリサイクルする理由

廃プラをリサイクルルート以外にまわす理由

4) 調査結果

回答数は、製造業 185 件、建設業 147 件、その他の業種 29 件であった。一定数以

上の回答を回収した製造業、建設業について、調査結果を以下にとりまとめる。

a.製造業

<業種別回答事業者数及び廃プラスチックの総排出量>

製造業における業種別の回答事業者数を図 1.3-2 に示す。化学工業が最も多く 41

社、以下食料品製造業 31 社、輸送用機械器具製造業 20 社、窯業・土石製品製造業

18 社となっている。また繊維工業、衣服・その他の繊維製品製造業、木材・木製品

製造業、家具・装備品製造業、なめし皮・銅製品・毛皮製造業の各業種においては、

回答事業者は無かった。複数業種を回答した事業者も見られたため、業種別の回答数

の合計は全体の回答数に一致していない。

8

0 0 0 0 26 6 6

2 0

18

4 6 74

12

6 7

20

37

31

41

0

5

10

15

20

2530

3540

45

食料品

飲料

・たばこ

・飼料

繊維工業

衣服

・その他の繊維製品

木材

・木製品

家具

・装備品

パルプ

・紙

・紙加工品

印刷

・同関連業

化学工業

石油製品

・石炭製品

プラスチック製品

ゴム製品

なめし革

・同製品

・毛皮

窯業

・土石製品

鉄鋼業

非鉄金属

金属製品

一般機械器具

電気機械器具

情報通信機械器具

電子部品

・デバイス

輸送用機械器具

精密機械器具

その他製造業

回答数

図 1.3-2 業種別回答事業者数(製造業)

また、回答事業者の業種別排出量を図 1.3-3 に示す。なお、複数業種を回答した事

業者は、排出量を各業種に単純配分している。総排出量では化学工業が最も多く

Page 57: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.57

43,946 t/年、以下プラスチック製品製造業が 7,238 t/年、印刷・同関連業 5,188 t/年、

食料品製造業 3,183 t/年、パルプ・紙・紙加工業が 2,866 t/年などとなっている。回

答数の少ないプラスチック製品製造業、印刷・同関連業、パルプ・紙・紙加工業、の

排出量が多いことから、これらの事業所では、一事業者あたりの排出量が多いと考え

られる。一方、回答数に比べ排出量の少ない業種として食料品、窯業・土石製品、輸

送用機械器具などが挙げられる。

3,183

2,8665,188

43,946

7,238

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

70,000

80,000(t/年)

その他精密機械器具輸送用機械器具電子部品・デバイス情報通信機械器具電気機械器具一般機械器具金属製品非鉄金属鉄鋼業窯業・土石製品なめし革・同製品・毛皮ゴム製品プラスチック製品石油製品・石炭製品化学工業印刷・同関連業パルプ・紙・紙加工品家具・装備品木材・木製品衣服・その他の繊維製品繊維工業飲料・たばこ・飼料食料品

図 1.3-3 回答事業者における廃プラスチックの業種別排出量(製造業)

<業種別廃プラスチックの種類、リサイクル・処分状況、汚れの有無、処理委託形態>

前述の通り、製造業では業種によって回答状況にばらつきがあり、回答数や排出量

も少ない業種では、その回答の代表性が担保されないと考えられる。このため、回答

数上位5業種と排出量上位5業種に含まれる食料品製造業、パルプ・紙・紙加工業、印

刷・同関連業、化学工業、プラスチック製品製造業、窯業・土石製品製造業、電気機

械器具製造業、輸送用機械器具製造業を比較対象とする。

上記の各製造業における廃プラスチックの種類別割合を図 1.3-4 に示す。多くの業

種において工程くず及び容器包装で大半を占めていることがわかる。

また、図 1.3-5 には廃プラスチックのリサイクル・処分割合(排出量ベース)を業

種別に示す。再生プラスチック原料化、高炉・コークス炉原料化、ガス化、油化、固

形燃料化までを含めたリサイクル率は、概ね 50%以上である。再生プラスチック原料

化はパルプ・紙・紙加工品製造業、化学工業、プラスチック製品製造業において高い

割合となっている。

Page 58: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.58

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

食料品

パルプ・紙・紙加工品

印刷・同関連業

化学工業

プラスチック製品

窯業・土石製品

電気機械器具

輸送用機械器具

工程くず 不良品等容器包装:フィルム・シート類 容器包装:ボトル類容器包装:輸送容器 容器包装:テープ・バンド類その他の容器包装 使用済みの設備・機械等事務用品 その他

図 1.3-4 廃プラスチックの種類別割合(製造業業種別:排出量ベース)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

食料品

パルプ・紙・紙加工品

印刷・同関連業

化学工業

プラスチック製品

窯業・土石製品

電気機械器具

輸送用機械器具

再生プラスチック原料化 高炉・コークス炉原料化、ガス化、油化

固形燃料化(RPF等) 焼却(発電利用)

焼却(温水・蒸気利用) 焼却(エネルギー回収無し)

埋立(焼却後埋立を除く) その他

図 1.3-5 廃プラスチックのリサイクル・処分割合(製造業業種別:排出量ベース)

また、図 1.3-6 に示す廃プラスチックの汚れの状況では、ほとんどの業種で汚れ有

りの割合が高い。プラスチック製品製造業のみ、汚れ無しの割合が高いが、これはプ

ラスチック製品の製造工程における工程くずなど、比較的不純物の少ない廃プラスチ

ックが多いことに起因すると考えられる。

図 1.3-7 には廃プラスチックの処理委託形態の割合を示す。多くの業種では費用を

払って引渡しているものが多いが、パルプ・紙・紙加工品製造業、プラスチック製品

製造業、窯業・土石製品製造業では、比較的有償での売却割合が高い。

Page 59: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.59

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

食料品

パルプ・紙・紙加工品

印刷・同関連業

化学工業

プラスチック製品

窯業・土石製品

電気機械器具

輸送用機械器具

汚れ有り 汚れ無し 不明

図 1.3-6 廃プラスチックの汚れの状況(製造業業種別:排出量ベース)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

食料品

パルプ・紙・紙加工品

印刷・同関連業

化学工業

プラスチック製品

窯業・土石製品

電気機械器具

輸送用機械器具

有償で売却 費用を払って引渡 その他・不明

図 1.3-7 廃プラスチックの処理委託形態の割合(製造業業種別:排出量ベース)

<廃プラスチックの種類別の素材、リサイクル・処分状況、汚れの有無>

廃プラスチックの種類別の素材割合を図 1.3-8 に示す。PP~PET は、単一素材を表

している。不良品等やフィルム・シート類以外の容器包装において、比較的単一素材

が多くなっている。特にボトルでは PET、それ以外の容器包装では PP・PE の単一

素材の割合が高い。

また、廃プラスチックの種類別のリサイクル・処分割合を図 1.3-9 に示す。工程く

ず、不良品等は再生プラスチック原料化の割合が 50%~70%と高い。一方、容器包装

類はフィルム・シート類を除いて、再生プラスチック原料化の割合が 30%前後であり、

高炉・コークス炉原料化、ガス化、油化、固形燃料化の割合が比較的高い。また事務

用品やその他の廃プラスチックは焼却の割合が高くなっている。

Page 60: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.60

汚れの程度については、図 1.3-10 に示すとおり、廃プラスチックの種類による特別

な違いは見られない。

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

工程くず

不良品等

容器包装:フィルム・シート類

容器包装:ボトル類

容器包装:輸送容器

容器包装:テープ・バンド類

その他の容器包装

使用済みの設備・機械等

事務用品

その他

PP PE PS PET その他・混合

図 1.3-8 廃プラスチックの種類別の素材割合(製造業:排出量ベース)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

工程くず

不良品等

容器包装:フィルム・シート類

容器包装:ボトル類

容器包装:輸送容器

容器包装:テープ・バンド類

その他の容器包装

使用済みの設備・機械等

事務用品

その他

再生プラスチック原料化 高炉・コークス炉原料化、ガス化、油化固形燃料化(RPF等) 焼却(発電利用)焼却(温水・蒸気利用) 焼却(エネルギー回収無し)埋立(焼却後埋立を除く) その他

図 1.3-9 廃プラスチックの種類別のリサイクル・処分割合(製造業:排出量ベース)

Page 61: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.61

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

工程くず

不良品等

容器包装:フィルム・シート類

容器包装:ボトル類

容器包装:輸送容器

容器包装:テープ・バンド類

その他の容器包装

使用済みの設備・機械等

事務用品

その他

汚れ有り 汚れ無し 不明

図 1.3-10 廃プラスチックの種類別の汚れの有無(製造業:排出量ベース)

<廃プラスチックの素材別のリサイクル・処分状況、処理委託形態>

廃プラスチックの素材別のリサイクル・処分状況を図 1.3-11 に示す。単一素材では

再生プラスチック原料化の割合が高いが、その他・混合素材では、高炉・コークス炉、

ガス化、油化の割合が高くなっている。

素材別の処理委託形態(図 1.3-12)では、単一素材の有償売却の割合が高い結果と

なっている。

0% 20% 40% 60% 80% 100%

PP

PE

PS

PET

その他・混合

再生プラスチック原料化 高炉・コークス炉原料化、ガス化、油化固形燃料化(RPF等) 焼却(発電利用)

焼却(温水・蒸気利用) 焼却(エネルギー回収無し)埋立(焼却後埋立を除く) その他

図 1.3-11 廃プラスチックの素材別のリサイクル・処分状況(製造業:排出量ベース)

Page 62: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.62

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

PP

PE

PS

PET

その他・混合

有償で売却 費用を払って引渡 その他

図 1.3-12 廃プラスチックの素材別の処理委託形態(製造業:排出量ベース)

<廃プラスチックのリサイクル・処分状況別の汚れの有無、処理委託形態>

リサイクル・処分状況別の汚れの有無を図 1.3-13 に示す。リサイクル・処分の方法

について大きな差異は見られない。

一方、処理委託形態については、再生プラスチック原料化における有償売却の割合

が顕著に高い(図 1.3-14)。高炉・コークス炉、ガス化、油化や固形燃料化にはわず

かながら有償売却の形態が見られるが、焼却及び埋立の場合には全量が費用を払って

引渡しの形態である。

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

再生プラスチック原料化

高炉・コークス炉原料化、ガス化、油化

固形燃料化(RPF等)

焼却(発電利用)

焼却(温水・蒸気利用)

焼却(エネルギー回収無し)

埋立(焼却後埋立を除く)

その他

汚れ有り 汚れ無し 不明

図 1.3-13 廃プラスチックのリサイクル・処分方法別の汚れの有無

(製造業:排出量ベース)

Page 63: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.63

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

再生プラスチック原料化

高炉・コークス炉原料化、ガス化、油化

固形燃料化(RPF等)

焼却(発電利用)

焼却(温水・蒸気利用)

焼却(エネルギー回収無し)

埋立(焼却後埋立を除く)

その他

有償で売却 費用を払って引渡 その他・回答無し

図 1.3-14 廃プラスチックのリサイクル・処分方法別の処理委託形態

(製造業:排出量ベース)

<汚れの状況と処理委託形態>

廃プラスチックの汚れの有無による処理委託形態の割合を図 1.3-15 に示す。有償で

売却されるプラの割合は、汚れの有無に関わらず 40%前後である。このため、本結果

のみでは、汚れの有無が処理委託形態に与える影響は不明である。

0% 20% 40% 60% 80% 100%

汚れ有り

汚れ無し

不明

有償で売却 費用を払って引渡 その他

図 1.3-15 廃プラスチックの汚れの状況と処理委託形態(建設業:排出量ベース)

Page 64: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.64

<廃プラスチックのリサイクル・処分に関する動向・課題等>

廃プラスチックを有償で売却する場合の最近の動向について、リサイクル事業者の

確保は容易になっているが、事業者の受入基準が厳しくなっているとの結果となった。

また廃プラスチックの売却価格は、下落している傾向にあると考えられる。

0

5

10

15

20

25

30

35

40

リサイクル事業者の

確保の容易性

リサイクル事業者の

受入基準の変化

廃プラスチックの

売却価格

図 1.3-16 廃プラスチックを有償で売却してリサイクルする場合の最近の動向(製造業)

また、廃プラスチックを費用を払って引渡及び焼却・埋立等に供する理由として、

主に廃プラスチックの品質が低いことが挙げられている。

0

20

40

60

80

100

120

事業者が近隣にない

廃プラスチックの

品質が低い

廃プラスチックの

排出量が少ない

市況の悪化

その他

図 1.3-17 廃プラスチックを費用を払って引渡してリサイクルしている理由(製造業)

厳しくなった容易になった

難しくなった 緩和された 下落している

上昇している

Page 65: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.65

0

10

20

30

40

50

リサイクルの

委託費用が高

分別に手間がかかる

リサイクル事業者が

近隣にない

リサイクル事業者の

情報が不足

廃プラスチックの

品質が低

その他

図 1.3-18 廃プラを焼却・埋立等、リサイクルのルートに流していない理由(製造業)

b.建設業

<廃プラスチックの種類別排出量>

建設業における廃プラスチック種類別排出量を図 1.3-19、排出割合を図 1.3-20 に示

す。工事端材が5,433t/年(22%)と最も多く、以下フィルム・シート類3,788t/年(15%)、

工事副資材 2,612t/年(17%)となる(その他は除く)。梱包・輸送資材で、全体の 3

割以上を占める。

3,788

2,106

1,517

2,612

5,433

1,2721,434

2,989

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000(t/年)

その他

解体残材:成形品

解体残材:破砕物

工事端材

工事副資材

梱包・輸送資材:その他

梱包・輸送資材:テープ・バンド類

梱包・輸送資材:輸送用資材

梱包・輸送資材:ボトル類

梱包・輸送資材:フィルム・シート類

図 1.3-19 廃プラスチックの種類別排出量(建設業)

Page 66: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.66

工事端材25%

梱包・輸送資材:その他7%

工事副資材12%

解体残材:成形品7%

解体残材:破砕物6%

梱包・輸送資材:テープ・バンド類

10%

梱包・輸送資材:輸送用資材0%

梱包・輸送資材:フィルム・シート類

17%

梱包・輸送資材:ボトル類2%

その他14%

図 1.3-20 廃プラスチックの種類別排出割合(建設業)

<廃プラスチックのリサイクル・処分状況>

リサイクル・処分の状況としては、再生プラスチック原料化が 7,538t/年(30%)

で最も多く、高炉・コークス炉原料化、ガス化、油化、固形燃料化、とあわせて 6 割

以上がリサイクルに供されている。しかし、製造業と比較すると埋立が多く、4,182t/

年(17%)を占めている。

7,538

3,327

5,764

2,528

4,182

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

(t/年 )

その他

埋立(焼却後埋立を除く)

焼却(エネルギー回収無し)

焼却(温水・蒸気利用)

焼却(発電利用)

固形燃料化(RPF等)

高炉・コークス炉原料化、ガス化、油化

再生プラスチック原料化

図 1.3-21 廃プラスチックのリサイクル・処分の状況(建設業)

Page 67: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.67

回答無し1%

焼却(温水・蒸気利用)1%

焼却(発電利用)10% 固形燃料化(RPF等)

23%高炉・コークス炉原料化、ガ

ス化、油化13%

再生プラスチック原料化30%

その他2%

焼却(エネルギー回収無し)3%

埋立(焼却後埋立を除く)17%

図 1.3-22 廃プラ全体のリサイクル・処分の状況(建設業:割合)

<廃プラスチックの種類別の素材、リサイクル・処分状況、汚れの有無>

廃プラスチックの種類別の素材割合を図 1.3-23 に示す。梱包・輸送資材や工事副資

材において、比較的単一素材が多くなっている。また、単一素材の中では、PP・PE

の割合が高い。

また、廃プラスチック種類別のリサイクル・処分割合を図 1.3-24 に示す。比較的単

一素材の割合が高い梱包・輸送資材の再生プラスチック原料化の割合が高い。一方、

解体残材は埋立処理が多い。

汚れの有無割合については、梱包・輸送資材では比較的汚れが少ないが、解体残材

は汚れの割合が高い。

0% 20% 40% 60% 80% 100%

梱包・輸送資材:フィルム・シート類

梱包・輸送資材:ボトル類

梱包・輸送資材:輸送用資材

梱包・輸送資材:テープ・バンド類

梱包・輸送資材:その他

工事副資材

工事端材

解体残材:破砕物

解体残材:成形品

解体残材:その他

その他

PP PE PS PET その他・混合

図 1.3-23 廃プラスチックの種類別の素材割合(建設業:排出量ベース)

Page 68: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.68

0% 20% 40% 60% 80% 100%

梱包・輸送資材:フィルム・シート類

梱包・輸送資材:ボトル類

梱包・輸送資材:輸送用資材

梱包・輸送資材:テープ・バンド類

梱包・輸送資材:その他

工事副資材

工事端材

解体残材:破砕物

解体残材:成形品

解体残材:その他

その他

再生プラスチック原料化 高炉・コークス炉原料化、ガス化、油化固形燃料化(RPF等) 焼却(発電利用)焼却(温水・蒸気利用) 焼却(エネルギー回収無し)埋立(焼却後埋立を除く) その他梱包・輸送資材:フィルム・シート類

図 1.3-24 廃プラスチックの種類別のリサイクル・処分割合(建設業:排出量ベース)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

梱包・輸送資材:フィルム・シート類

梱包・輸送資材:ボトル類

梱包・輸送資材:輸送用資材

梱包・輸送資材:テープ・バンド類

梱包・輸送資材:その他

工事副資材

工事端材

解体残材:破砕物

解体残材:成形品

解体残材:その他

その他

汚れ有り 汚れ無し 不明

図 1.3-25 廃プラスチックの種類別の汚れの有無(建設業:排出量ベース)

<廃プラスチックの素材別のリサイクル・処分状況、処理委託形態>

廃プラスチックの素材別のリサイクル・処分状況を示す。単一素材の場合は、再生

プラスチック原料化~固形燃料化まで含めたリサイクルでは、混合物よりも高い割合

となっている。しかし、再生プラスチック原料化については、PET を除いて、単一素

材でも割合の変化は少ない。

Page 69: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.69

素材別の処理委託形態(図 1.3-27)では、PET を除く単一素材において有償で売却

する割合が高い結果となっている。

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

PP

PE

PS

PET

その他・混合

再生プラスチック原料化 高炉・コークス炉原料化、ガス化、油化

固形燃料化(RPF等) 焼却(発電利用)

焼却(温水・蒸気利用) 焼却(エネルギー回収無し)

埋立(焼却後埋立を除く) その他

図 1.3-26 廃プラスチックの素材別のリサイクル・処分状況(建設業:排出量ベース)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

PP

PE

PS

PET

その他・混合

有償で売却 費用を払って引渡 その他

図 1.3-27 廃プラスチックの素材別の処理委託形態(建設業:排出量ベース)

<廃プラスチックのリサイクル・処分状況別の汚れの有無、処理委託形態>

リサイクル・処分状況別の汚れの有無を図 1.3-28 に示す。比較的、リサイクル手法

よりも焼却・埋立の方が汚れが多い結果となっている。

処理委託形態については、有償での売却は、再生プラスチックと固形燃料化の一部

のみであり、ほとんどが費用を払って引渡しの形態となっている。

Page 70: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.70

0% 20% 40% 60% 80% 100%

再生プラスチック原料化

高炉・コークス炉原料化、ガス化、油化

固形燃料化(RPF等)

焼却(発電利用)

焼却(温水・蒸気利用)

焼却(エネルギー回収無し)

埋立(焼却後埋立を除く)

その他

汚れ有り 汚れ無し 不明

図 1.3-28 廃プラスチックのリサイクル・処分方法別の汚れの有無

(建設業:排出量ベース)

0% 20% 40% 60% 80% 100%

再生プラスチック原料化

高炉・コークス炉原料化、ガス化、油化

固形燃料化(RPF等)

焼却(発電利用)

焼却(温水・蒸気利用)

焼却(エネルギー回収無し)

埋立(焼却後埋立を除く)

その他

有償で売却 費用を払って引渡 その他

図 1.3-29 廃プラスチックのリサイクル・処分方法別処理委託形態

(建設業:排出量ベース)

<廃プラスチックのリサイクル・処分に関する動向・課題等>

廃プラスチックを有償で売却する場合の最近の動向については、回答数が少なかっ

たものの、製造業と同様の傾向となった。すなわち、事業者の確保は容易になってい

るが、受入基準が厳しくなったと回答している。また売却価格も下落傾向にあると考

えられる。

Page 71: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.71

0

1

2

3

4

5

6

7

リサイクル事業者の

確保の容易性

リサイクル事業者の

受入基準の変化

廃プラスチックの

売却価格

図 1.3-30 廃プラを委託(有償で売却)してリサイクルする場合の最近の動向(建設業)

また、廃プラを費用を払って引渡及び焼却・埋立等に供している理由についても、

廃プラスチックの品質に関する回答が最も多かったが、事業者が近隣にない、プラス

チックの排出量が少ないという回答も一定数見られた。

0

10

20

30

40

50

60

70

事業者が近隣にない

廃プラスチックの

品質が低い

廃プラスチックの

排出量が少ない

市況の悪化

その他

図 1.3-31 廃プラを委託(費用を払って引渡)してリサイクルする場合の最近の動向

(建設業)

容易になった

緩和された

厳しくなった

上昇している

下落している

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1.72

0

5

10

15

20

リサイクルの

委託費用が高い

分別に手間がかかる

リサイクル事業者が

近隣にない

リサイクル事業者の

情報が不足

廃プラスチックの

品質が低い

その他

図 1.3-32 廃プラを焼却・埋立等、リサイクルのルートに流していない理由(建設業)

③ 産業廃棄物処理事業者へのアンケート調査

1) 調査対象

全国産業廃棄物連合会に協力を得て、同協会に加盟している東京都、埼玉県、千葉

県、埼玉県の事業者、400 社程度を調査対象とした。

2) 調査時期及び方式

調査は、2011 年 1 月 26 日~2 月 8 日の期間で、郵送方式で実施した。

3) 調査項目

調査項目は下記の通りである。調査票は参考資料を参照されたい。

【処理実態】

廃プラスチック受入量、処理方法別の処理量

処理方法別&引渡時の形状別の処理量/排出した事業者(受入元の事業者)の

業種/受入量/処理前の性状(素材、形状、汚れ、混入物)

【処理方法別の動向等】

廃プラ売却の最近の動向

廃プラ引渡(費用を支払って)の最近の動向

リサイクル製品販売の最近の動向

リサイクルルート以外にまわす理由

Page 73: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.73

4) 調査結果

回答数は産廃処理事業者 76 件であった。以下に調査結果をとりまとめる。

<廃プラスチック全体のリサイクル・処分状況>

廃プラスチック類全体におけるリサイクル・処分状況の量を図 1.3-33 に、割合を図

1.3-34 に示す。処理量は回答数全体で約 230,000t/年であり、単純計算で 1 事業者あ

たり 3,000t/年である。処理の内訳としては、リサイクルの実施が最も多く、全体の

29%となっている。続いて、埋立が 27%、リサイクル向けに費用と払って引渡が 25%

となっている。

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

(t/年)

その他

埋立(引渡)

単純焼却(引渡)

リサイクルの実施

リサイクル向けに費用を払って引渡

リサイクル向け売却

図 1.3-33 廃プラ全体のリサイクル・処分状況(量)

Page 74: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.74

その他1%

リサイクル向け売却9%

埋立(引渡)27%

単純焼却(引渡)9%

リサイクルの実施29%

リサイクル向けに費用を払って引渡

25%

図 1.3-34 廃プラ全体のリサイクル・処分状況(割合)

<受入量、処理量別のリサイクル・処分状況>

受入量、処理量別のリサイクル・処分状況を図 1.3-35 に示す。受入量全体で約

265,000t/年であるのに対し、処理量全体では約 238,000t/年であり、約 27,000t/年の

ギャップがある。リサイクル向けに売却と単純焼却(単純焼却への引渡)で、受入量

と引渡量の差が比較的大きくなっていることから、受け入れた廃プラスチック中の混

入物がギャップの一因と考えられる。

30,675 20,586

65,87165,711

59,35359,295

25,35015,415

49,867

42,860

2,188

2,474

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

受入量(t/年) 処理量(t/年)

回答無し

その他

埋立(埋立への引渡)

単純焼却(単純焼却への引渡)

リサイクルの実施

リサイクル向けに費用を払って引渡

リサイクル向けに売却

図 1.3-35 受入量、処理量別のリサイクル・処分

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1.75

<リサイクル・処分別の引き渡した際の形状>

リサイクル・処分別の引き渡した際の形状を図 1.3-36 に示す。リサイクル向けに費

用を払って引渡、単純焼却(単純焼却への引渡)、埋立(埋立への引渡)では、破砕

したものという回答がいずれも 60%以上で最も大きな割合となっている。リサイクル

向けに売却、リサイクルの実施では、回答がばらける結果となっているが、リサイク

ル向けに売却ではフレーク、リサイクルの実施では粉状、ペレットという回答が一定

程度ある。

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

リサイクル向けに売却

リサイクル向けに費用を払って引渡

リサイクルの実施

単純焼却(単純焼却への引渡)

埋立(埋立への引渡)

その他

粉状 フレーク ペレット

成形品 破砕したもの その他

図 1.3-36 リサイクル・処分別の引き渡した際の形状(回答数ベース)

<リサイクル・処分別の受け入れた廃プラの排出事業者の業種>

リサイクル・処分別の受け入れた廃プラの排出事業者の業種を図 1.3-37 に示す。埋

立(埋立への引渡)では建設業という回答が 50%以上となっているが、他は複数業種

という回答が約 40~90%で最も大きな割合となっている。リサイクル向けに売却、

リサイクル向けに費用を払って引渡では、複数業種以外の回答も 40~50%となって

おり、単一業種の受け入れがあることがわかる。一方、リサイクルの実施、単純焼却

(単純焼却への引渡)では、90%以上が複数業者からの受け入れであることがわかる。

Page 76: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.76

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

リサイクル向けに売却

リサイクル向けに費用を払って引渡

リサイクルの実施

単純焼却(単純焼却への引渡)

埋立(埋立への引渡)

その他

製造業 建設業 農林水産業 その他 複数業種

図 1.3-37 リサイクル・処分別の受け入れた廃プラの排出事業者(回答数ベース)

<リサイクル・処分別の受け入れた廃プラの種類>

リサイクル・処分別の受け入れた廃プラの種類を図 1.3-38 に示す。リサイクル向け

に売却、リサイクル向けに費用を払って引渡、埋立(埋立への引渡)では、大半が工

程くず/不良品等という回答であるのに対し、リサイクルの実施、単純焼却(単純焼

却への引渡)では、その他という回答の割合が高くなっている。自社でリサイクルを

実施しているケースでは、工程くず/不良品等以外を処理していると考えられる。

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000

リサイクル向けに売却

リサイクル向けに費用を払って引渡

リサイクルの実施

単純焼却(単純焼却への引渡)

埋立(埋立への引渡)

その他

(t/年)

工程くず/不良品等 その他 回答無し

図 1.3-38 リサイクル・処分別の受け入れた廃プラの種類(受入量ベース)

Page 77: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.77

<リサイクル・処分別の受け入れた廃プラの主な素材>

リサイクル・処分別の受け入れた廃プラの主な素材を図 1.3-39 に示す。リサイクル

向けに売却、リサイクル向けに費用を払って引渡で一部単一素材が見られるものの、

ほとんどすべてが混合素材となっている。回答数ベースで、混合素材の内訳を確認し

たところ、リサイクル・処分別の傾向は特になく、概ねすべての素材が同程度の割合

となっている。

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000

リサイクル向けに売却

リサイクル向けに費用を払って引渡

リサイクルの実施

単純焼却(単純焼却への引渡)

埋立(埋立への引渡)

その他

(t/年)

PP PE PS PET その他・混合

図 1.3-39 リサイクル・処分別の受け入れた廃プラの主な素材(受入量ベース)

<リサイクル・処分別の受け入れた際の形状>

リサイクル・処分別の受け入れた際の形状を図 1.3-40 に示す。リサイクル向けに売

却、単純焼却(単純焼却への引渡)、埋立(埋立への引渡)では、成型品という回答

がいずれも 40%以上で最も大きな割合となっている。リサイクルの実施では、破砕し

たものが最も大きな割合となっている。粉状、フレーク、ペレットについては、リサ

イクル向けに費用を払って引渡、埋立(埋立への引渡)で一部見られるものの、小さ

な割合となっている。

Page 78: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.78

0% 20% 40% 60% 80% 100%

リサイクル向けに売却

リサイクル向けに費用を払って引渡

リサイクルの実施

単純焼却(単純焼却への引渡)

埋立(埋立への引渡)

その他

粉状 フレーク ペレット

成形品 破砕したもの その他

図 1.3-40 リサイクル・処分別の受け入れた際の形状(回答数ベース)

<リサイクル・処分別の受け入れた廃プラの汚れの有無>

リサイクル・処分別の受け入れた廃プラの汚れの有無を図 1.3-41 に示す。いずれも

60%以上が汚れ有りという回答となっており、特に、単純焼却(単純焼却への引渡)、

埋立(埋立への引渡)では、100%が汚れ有りである。また、リサイクル向けに売却

では、30%以上が汚れ無しという回答で、比較的大きな割合となっている。

0% 20% 40% 60% 80% 100%

リサイクル向けに売却

リサイクル向けに費用を払って引渡

リサイクルの実施

単純焼却(単純焼却への引渡)

埋立(埋立への引渡)

その他

有 無 不明

図 1.3-41 リサイクル・処分別の受け入れた廃プラの汚れの有無(回答数ベース)

<リサイクル・処分別の他廃棄物の混入状況>

リサイクル・処分別の他廃棄物の混入状況を図 1.3-42 に示す。全体的な傾向として、

割合の大きい方から、可燃物(紙・木)、金属類、ガラス・陶磁器類という順になっ

ている。リサイクル・処分別の傾向は確認できない。ただし、これはあくまで割合で

Page 79: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.79

あり、今回の調査では把握できなかったが、他廃棄物の混入量は、リサイクル・処分

別に大きく異なることも考えられる。

0% 20% 40% 60% 80% 100%

リサイクル向けに売却

リサイクル向けに費用を払って引渡

リサイクルの実施

単純焼却(単純焼却への引渡)

埋立(埋立への引渡)

その他

可燃物(紙・木) 生ごみ類(食品等) 金属類

ガラス・陶磁器類 その他 回答無し

図 1.3-42 リサイクル・処分別の他廃棄物の混入状況(回答数ベース)

<最終的なリサイクル・処分方法>

最終的なリサイクル・処分方法の処理量を図 1.3-43 に、割合を図 1.3-44 に示す。

高炉・コークス炉原料化、ガス化、油化が 43%で最も大きな割合となっている。続い

て、固形燃料化が 20%、焼却(発電利用)が 18%、再生プラスチック減量化が 15%

となっている。

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

160,000

(t/年)

その他

焼却(温水・蒸気利用)

焼却(発電利用)

固形燃料化

高炉・コークス炉原料化、ガス化、油化再生プラスチック原料化

z

図 1.3-43 最終的なリサイクル・処分方法(量)

Page 80: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.80

その他2%

再生プラスチック原料化15%

焼却(温水・蒸気利用)2%

焼却(発電利用)18%

固形燃料化20% 高炉・コークス炉原料化、ガス

化、油化43%

図 1.3-44 最終的なリサイクル・処分方法(割合)

<リサイクル・処分別の最終的なリサイクル・処分方法>

リサイクル・処分別の最終的なリサイクル・処分方法を図 1.3-45 に示す。大きな割

合を示すものがそれぞれ異なっており、リサイクル向けに売却では再生プラスチック

原料化、リサイクル向けに費用を払って引渡では固形燃料化、焼却(発電利用)、リ

サイクルの実施では高炉・コークス炉原料化、ガス化、油化となっている。

0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000 70,000

リサイクル向けに売却

リサイクル向けに費用を払って引渡

リサイクルの実施

(t/年)

再生プラスチック原料化 高炉・コークス炉原料化、ガス化、油化固形燃料化 焼却(発電利用)焼却(温水・蒸気利用) その他

図 1.3-45 リサイクル・処分別の最終的なリサイクル・処分方法(処理量ベース)

<廃プラを処理してリサイクル向けに売却することについての最近の動向>

廃プラを処理してリサイクル向けに売却することについての最近の動向を図 1.3-46

に示す。回答はばらけているが、「引き受ける廃プラスチックの分別状況が不十分に

なり、売却のための分別・処理が難しくなっている」という回答が最も多い。しかし、

Page 81: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.81

「引き受ける廃プラスチックの分別状況が良くなり、売却のための分別・処理が楽に

なっている」という回答も二番目に多く、一概に分別状況が悪くなっているというこ

とはできない。

0

2

4

6

8

10

12

14

16

引き受ける廃プラスチックの

品質が上がってきている

引き受ける廃プラスチックの

品質が落ちてきている

引受け廃プラの分別状況が良

くなり売却のための分別

・処

理が楽

引受け廃プラの分別状況が不

十分で売却のための分別

・処

理難しい

廃プラスチックの売却価格が

上昇している

廃プラスチックの売却価格が

下落している

その他

図 1.3-46 廃プラを処理してリサイクル向けに売却することについての最近の動向

<費用を払って、受け入れた廃プラの引渡をしている理由>

費用を払って、受け入れた廃プラの引渡をしている理由を図 1.3-47 に示す。「引き

渡せる廃プラスチックの品質が低いため、有価で買い取ってもらえない」という回答

が最も多い。廃プラ引渡の費用発生については、売却先の有無や市況の影響はほとん

どなく、廃プラの品質によるところが大きいと考えられる。

Page 82: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.82

0

5

10

15

20

25

30

35

40

売却先となるような事業者が

近隣にな

引き渡せる廃プラの品質が低

いため

、有価で買

い取

っても

らえない

市況が悪化し

、有価では買い

ってもらえない

その他

図 1.3-47 費用を払って、受け入れた廃プラの引渡をしている理由

<固形燃料、再生プラ原料等の製造についての最近の動向>

固形燃料、再生プラ原料等の製造についての最近の動向を図 1.3-48 に示す。「製品

は全て販売できている」、「販売製品へのニーズが高まっている」という回答が多く、

概ね良好な状況と考えられる。

Page 83: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.83

0

2

4

6

8

10

12

製品は全て販売できている

(在庫を抱えていない

販売できていない製品があ

、在庫として保管している

販売できていない製品があ

、焼却

・埋立等で処分して

いる

市況が改善し

、販売価格が上

昇している

市況が悪化し

、販売価格が下

落している

販売製品

への

ニーズが高ま

てきている

販売製品

への

ニーズが落ちて

きている

その他

図 1.3-48 固形燃料、再生プラ原料等の製造についての最近の動向

<単純焼却・埋立等、リサイクルのルートに流してない理由>

単純焼却・埋立等、リサイクルのルートに流してない理由を図 1.3-49 に示す。「そ

もそも取り扱っている廃プラスチックはリサイクルに不適である」という回答が最も

多く、価格、手間、売却・引渡先の有無は影響していないと考えられる。

Page 84: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.84

0

5

10

15

20

25

30

リサイクル向けに売却する際

の価格が低すぎる

リサイクル向けに費用を払

て引渡をする際の費用が高す

ぎる

リサイクル向けに売却

・引渡

をするための分別に手間がか

かる

売却先となるような事業者が

近隣にな

引渡先となるような事業者が

近隣にな

そもそも取り扱

っている廃プ

ラスチックはリサイクルに不

適である

その他

図 1.3-49 単純焼却・埋立等、リサイクルのルートに流してない理由

④ 事業系廃プラを一般廃棄物として排出している事業者へのヒアリング調査

1) 調査対象

首都圏(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)に事業所を置く、店舗、飲食店、事

務所、一般廃棄物処理事業者等、9 事業者を対象としてヒアリング調査を実施した。ヒ

アリング調査実施企業は下記の通りである。

事業形態 事業者数 備考

飲食店 3 社

事務所 2 社

店舗 2 社 産業廃棄物事業者と契約しており、事業系

一般廃棄物への排出はなかった。

一般廃棄物処理事業者 2 社

2) 調査項目

調査項目は下記の通りである。

・一般廃棄物の排出量(内訳)

・廃プラスチックの排出量

・廃プラスチックの事業系ごみへの混入割合

・事業系ごみとして排出している廃プラスチックの形状、種類

・事業系ごみに廃プラスチックを混入させて排出している理由

Page 85: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.85

なお、一般廃棄物処理事業者からは事業系一般廃棄物の取扱の状況を把握した。

3) 調査結果

a.飲食店

事業所面積 50m²前後、従業員数 3 人前後の規模の飲食店 3 社のヒアリング調査結

果は下記の通りである。

【一般廃棄物の排出量】

・ 45ℓ入りゴミ袋にして1~2 日に 1~2 袋程度出している。

【廃プラスチックの排出量】

・ 排出している廃棄物は生ごみが主体で、プラスチック類の排出は少ない。

・ 容積比にして、1 割もない程度である。

【廃プラスチックの事業系ごみへの混入割合】

・ 容積比で 1 割程度(多いときは数割程度)であるが、重量にするとごく小量で

ある。

【事業系ごみとして排出している廃プラスチックの形状、種類】

・ 発泡スチロール製トレイ、PET ボトル、牛乳パックは全て綺麗に洗浄して近所

のスーパーマーケットの回収ボックスに持ち込んで処理している。

・ 汚れのひどいマヨネーズ、ドレッシング、ソース、食用油、洗剤の容器類は、

可燃ごみに混入して排出している。玉子のプラスチックパックはスーパーマー

ケットで回収していないいため、可燃ごみとして排出している。

【事業系ごみに廃プラスチックを混入させて排出している理由】

・ 自治体のごみの出し方のルールで汚れの落ちないプラスチック製容器包装は可

可燃ごみに混入して排出してもよいことになっているため。

・ 人手がなくて、綺麗に洗浄してプラスチック資源として排出する時間的な余裕

がない。

b.事務所

事業所面積数百 m²前後、従業員数 10~20 人程の規模の事務所 2 社のヒアリング調

査結果は下記の通りである。

【一般廃棄物の排出量】

1 社目

・ 紙ごみが圧倒的に多い。およそであるが、1 日当り約 100 ㎏のコピー紙のごみ

が出ている。

・ ビル全体の管理人がごみを回収にきてくれるが、管理人が回収した後の処理状

況はつぶさには把握していない。オフィス内には「燃えるごみ」、「びん、缶」、

「PET ボトル」、「プラスチック」の4分類のごみ箱が用意されているので、

Page 86: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.86

それぞれをきちんと分別して処分していると思われる。

2 社目

・ 可燃ごみほぼ毎日1袋(20ℓか 40ℓ付)出しており、1 週間で 100~130ℓ程度に

なる。

【廃プラスチックの排出量】

・ プラスチックごみの排出量は 1 日当り 45ℓ入りゴミ袋に 2 袋程度ある。

・ 「可燃ごみ」の大半がコンビニ等で購入した弁当のトレイやポリ袋等の商品の

梱包材である。資源ごみとして分別して出しているPETボトルは週に45ℓ

ごみ袋で1袋程度である。

【廃プラスチックの事業系ごみへの混入割合】

1 社目

・ 紙ごみの排出量が非常に多いので、全体に対する廃プラスチックの割合は容積、

重量とも非常に少ないと言える。

2 社目

・ 容積では「可燃ごみ」の 7~8 割をプラスチック製容器包装が占めている。

【事業系ごみとして排出している廃プラスチックの形状、種類】

・ 大部分は、汚れの付着した弁当等の空き容器である、発泡スチロール製トレイ、

カップ類(野菜サラダ、惣菜等の容器)である。

・ PETボトルは資源ごみとして出している。

【事業系ごみに廃プラスチックを混入させて排出している理由】

・ 大部分のプラスチックごみには洗っても取り除きにくい汚れが付着しているた

め、リサイクル資源としてのプラスチック類としては排出できないため。

・ 洗浄するのと分別するのが面倒なため、そのまま「可燃ごみ」として出してし

まう。

・ 簡単に洗浄した程度では高品質のプラスチックリサイクルには回せないものと

考えている。

c.店舗(※産業廃棄物事業者と契約)

従業員数50~200人程の規模の店舗2社のヒアリング調査結果は下記の通りである。

【一般廃棄物の排出量】

1 社目

・ ごみの排出量は 45ℓ入りのゴミ袋で 1 日当り 10 袋程度。

・ 全ての廃棄物は自治体のごみ収集に出すことはなく、全て契約している産業廃

棄物収集業者に引き渡している。

2 社目

Page 87: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.87

・ 当ビルの管理、清掃業務はビル管理会社に一括委託しており、廃棄物の回収、

管理、産廃業者への引き渡し等一切の業務を同社が行なっている。

【廃プラスチックの排出量】

1 社目

・ 排出するごみの主体は事務部門から出る紙類で、プラスチック類は全体的に少

ない。商品の包装等からの廃プラスチック類の発生はあまりない。

・ 従業員の昼食等のコンビニ弁当の空き箱(プラスチック、PET、発泡スチロ

ールトレイ等)も、産業廃棄物業者との取り決めで全て不燃ごみとして出すこ

とになっており、プラスチック類は基本的に全て不燃ごみとして出している。

・ 飲料のPETボトルだけは別の袋にまとめて出している。

2 社目

・ ごみ集積場所にそれぞれのテナントが持ち込むことになっている。

・ 排出ルールは「可燃ごみ」と「不燃ごみ」の 2 種類に分けるだけで、紙ごみや

生ごみは可燃ごみ、プラスチック類は不燃ごみとして分類する。

・ 各テナントはきちんと分別を行なってごみ出しをしており、可燃ごみにプラス

チック類が混入したりすることはないようである。

・ 産業廃棄物業者から提出された数値では、平成 21 年度の廃プラスチック排出量

は 49.5 トンであった。

d.一般廃棄物処理事業者

一般廃棄物の処分の事業許可を有している事業者 2 社(うち1社は収集運搬の事業

許可も有している)ヒアリング調査結果は下記の通りである。

【事業系一般廃棄物の取扱の状況】

・ 持ち込みされる事業系一般廃棄物の内容は大部分が紙類と木屑類で、プラスチ

ック類が持ち込まれている実態はほとんどない。

・ 排出物の内容や状態等については全く把握できていない(していない)という

のが現状である。

・ 事業系一般廃棄物の場合、当社では契約先事業者に対して「可燃ごみ」と「不

燃ごみ」の 2 種類に分けて、それぞれ原則的に半透明のビニール袋に入れても

らったものを回収している。一般廃棄物の収集規則では、プラスチック類は「不

燃ごみ」に分類され、「可燃ごみ」として廃棄してはならないことになってい

るので、大部分のプラスチック類は「不燃ごみ」の袋に入れて排出されている

ものと考えている。

・ 但し、ファストフード店や飲食店等で、食品滓(かす)が付着した汚れのひど

いプラスチックごみが「可燃ごみ」の中に混入して廃棄されている可能性はあ

ると推測している。

Page 88: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.88

・ 実際の回収業務においては、排出ごみはビニール袋に入れられて上部を固く結

んだ状態で排出されているので、それを開けて中身の確認等を行うことは作業

効率から言って不可能である。

・ 「可燃ごみ」は焼却処理場に持ち込み焼却処理し、「不燃ごみ」は東京都の処

分場(東京湾中央防波堤の処分場)に持ち込み埋立処分している。

・ したがって、大部分の廃プラスチック類は埋立処分に回っており、一部、焼却

処理に回っているプラスチックごみもあると考えてよい。

(3) 産業系プラスチックの廃棄段階以降のフロー詳細化

上記の調査結果をもとに、産業系プラスチックの排出~処理断面でのフローを次頁に図

としてとりまとめた。

図では、環境省の産業廃棄物排出・処理状況調査報告書における廃プラスチックの排出量から

本事業の調査対象外としている廃タイヤの量を抜き、有価物を含まない廃プラスチック排出量とし

た。また、廃プラスチック排出量から水分(一般廃棄物の数値と同様と想定)を控除した数値に、今

回実施した排出事業者対象のアンケート調査結果を用いて、有価物/廃プラスチック、汚れの有

無、リサイクル・処分状況について内訳を推計した。さらに、参考値としてプラ処理協フローに基づ

く産廃プラスチックの処理量及び処理内訳を掲載した。

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1.89

図 1.3-50 産業系廃プラスチックの排出~処理断面でのフロー把握

建設業110 (17.1%)

プラスチック製品製造業74 (11.5%)

パルプ・紙・紙加工品製造業46 (7.1%)

電気機械器具製造業 36 (5.6%)

化学工業 35 (5.5%)

食料品製造業 27 (4.2%)

輸送用機械器具製造業 27 (4.1%)

ゴム製品製造業 24 (3.7%)

印刷・同関連業 19 (2.9%)窯業・土石製品製造業 17 (2.6%)

自動車小売業 16(2.5%)医療、福祉大分類 14 (2.1%)

一般機械器具製造業 13 (2.1%)

その他 103 (16.1%)

その他 製造系84 (13.0%)

建設業110 (17.1%)

プラスチック製品製造業74 (11.5%)

パルプ・紙・紙加工品製造業46 (7.1%)

電気機械器具製造業 36 (5.6%)

化学工業 35 (5.5%)

食料品製造業 27 (4.2%)

輸送用機械器具製造業 27 (4.1%)

ゴム製品製造業 24 (3.7%)

印刷・同関連業 19 (2.9%)窯業・土石製品製造業 17 (2.6%)

自動車小売業 16(2.5%)医療、福祉大分類 14 (2.1%)

一般機械器具製造業 13 (2.1%)

その他 103 (16.1%)

その他 製造系84 (13.0%)

プラ製品業6社、0.万t工程くず3割、フィルム・シート類4割/汚れ有3割/混入:可燃物2社、金属2社回答

印刷等業6社、0.2万t工程くず8割/汚れ有全量/混入:可燃物2社・金属3社・ガラス等2社回答

食料品業28社、0.2万tフィルム・シート類6割/汚れ有6割/混入:可燃物14社、生ごみ16社回答

パルプ等業2社、0.2万t工程くず8割/汚れ有全量/混入:可燃物2社回答

化学工業38社、3.2万t工程くず3割、フィルム・シート類5割/汚れ有9割/混入:可燃物23社、金属12社回答

建設業145社、2.8万t梱包輸送資材3割、工事歯剤3割、解体残材1割/汚れ有5割、不明3割/混入:可燃物176社回答

【有価物か廃棄物か】

合計643万トン

有価物含まず廃タイヤ含む

wetベース

合計620万トン

有価物含む廃タイヤ含まず

dryベース

廃プラ, 464

有価プラ, 156

あり, 451

なし, 169

その他, 51

焼却(発電利用), 56

固形燃料化(RPF等),116

高炉・コークス炉原料化、ガス化、油化, 51

再生プラスチック原料化, 235

埋立(焼却後埋立を除く), 50

焼却(エネ回収無), 20

焼却(温水・蒸気利用),40

【汚れの有無】 【リサイクル・処分状況】

環境省産廃実態調査に基づく排出量

推計方法廃タイヤ分(78.3万t:日本自動車タイヤ協会)、水分(18%:一廃と同様と想定)を控除。有価分(排出事業者アンケートに基づく有価/廃棄物の比率より推計)を加算して推計

環境省産廃実態調査と排出事業者アンケート調査に基づく排出量プラスチック処理協会データに基

づく処理量

合計496万トン

有価物含む廃タイヤ含まず

dryベース

環境省 産業廃棄物排出・処理状況調査報告書(H19年度実績)※wetベース

排出事業者対象アンケート調査結果

排出事業者対象アンケート調査結果に基づき排出量の内訳を推計

固形燃料 35

再生利用147

高炉・コークス炉原料ガス化 油化 5

埋立 42

廃棄物発電147

熱利用焼却82

単純焼却 37

固形燃料 35

再生利用147

高炉・コークス炉原料ガス化 油化 5

埋立 42

廃棄物発電147

熱利用焼却82

単純焼却 37

プラ製品:出荷統計等ロス:プラ処理協フロー2008年※dryベース

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1.90

1.4. プラスチックのマテリアルフローの作成

(1) プラスチックのマテリアルフローについて

プラスチックの用途先は、極めて多岐に亘っており、樹脂製造~製品出荷~廃棄までの

フローの全体像の把握は容易ではない。プラスチックのマテリアルフローについては、

(社)プラスチック処理促進協会が樹脂の出荷断面におけるデータを基に、「プラス

チック製品・廃棄物・再資源フロー図」を推計・公表している。樹脂の出荷断面につ

いては、公的な統計が整備されるなど、最も数値の信頼性が高いと推察されることか

ら、樹脂出荷断面に近い部分では精緻なフローが推計されていると考えられる。一方

で、樹脂の出荷断面から遠ざかるほど推計における誤差が大きくなる可能性がある。

容器包装プラスチックをはじめとするプラスチックのリサイクル制度の検討への活用

を想定すると、使用済み製品や工程くずとして排出される断面において、その用途別・排

出形態別にフロー量を把握することが有用であると考えられる。

以上を踏まえ、本調査では、使用済み製品や工程くずとして排出される断面に近い部分

において、フロー把握に関するいくつかの推計を試みた。

1.1 章では、出荷断面におけるプラスチック製品の品目別の使用量の把握を行うととも

に、耐用年数からみた品目別の排出量の推計を行った。出荷断面の数量については、樹脂

の出荷側からの推計値と最終製品の出荷側からの推計値を比較し、その差異について分析

を行った。用途分野別に見ると、電気・機械、建材以外の分野では、概ね両推計値がバラ

ンスしていることが確認できた。また、品目別のプラスチック使用量に加えて、プラスチ

ックのリサイクル適性をいくつかの指標から評価し、材料リサイクルの可能性が高いと考

えられる品目を抽出した。

1.2 章では、1.1 で選定した優先調査対象品目について、出荷・排出・処理等の詳細な

フロー把握を試みた。容器包装については、容器包装リサイクル法対象となるものの量に

ついて、樹脂出荷、容器製造、容器利用、排出の各断面での推計値を比較し、推計値間の

ギャップ要因を分析した。その他、プラスチックリサイクルの観点から着目すべき製品と

して、ハンガー、クリーニング袋、レジかご等のフローの概略を把握した。

1.3 章では、産業系廃プラスチックのリサイクル実態を把握するため、廃プラスチック

の排出以降のフローにおいて、既存の公的統計データ等にて把握できる範囲を整理した。

既存の公的統計データ等にて把握でいない範囲については、実態を把握するためのアンケ

ート調査及びヒアリング調査を実施した。

これらの検討結果について、次図にとりまとめる。

Page 91: 1.プラスチックのマテリアルフローの作成...1.4 る。特に、電話線、通信用ケーブル、PP管、PE管、上下水道用管については、 延長当たりのプラスチック使用量が不明であるが、大量にプラスチックが利用され

1.91

図 1.4-1 本調査の実施内容

N-2年

樹脂生産成形品生産

最終製品生産

最終製品国内出荷

輸出

輸入

輸出 輸出

加工ロス

家庭

事業所

工場

加工ロス生産ロス

有価物 産業廃棄物 一般廃棄物

市町村

材料リサイクル業者

ケミカルリサイクル業者

サーマルリサイクル業者

廃プラ由来原料

再生樹脂メーカー

鉄鋼原料等固形燃料

発電・熱利用

輸入 輸入

再生樹脂

1.1章■出荷断面におけるプラスチック製品の品目別に、プラスチック処理促進協会フローと製品積み上げフローについて、最終製品出荷断面と使用済み製品排出断面のフロー量を比較。

■ 両者のギャップに関する考察を踏まえ、2008年におけるプラスチックの国内投入量を1,040万トン、排出量を947万トンと推計。

焼却 埋立焼却 埋立

材料リサイクル業者

ケミカルリサイクル業者

サーマルリサイクル業者

廃プラ由来原料

鉄鋼原料等固形燃料

発電・熱利用

1.2章■ プラスチック製容器包装の排出量について、容器出荷側、容器排出側の双方から複数の推計を実施。

■ 推計結果間のギャップ要因の比較結果を踏まえ、プラスチック製容器包装(容器包装リサイクル法対象物)の排出量を180万トン前後と推計。

■ 製品出荷断面での調査を基に、優先調査対象として抽出した「クリーニング袋」「ハンガー 」「衣装ケース」「風呂桶・洗面器」「風呂用フタ・イス」「バケツ」「ごみ袋」について、出荷~排出~処理段階におけるフローに関するデータを収集・整理。

1.3章■産業系廃プラスチックのリサイクル実態を把握するため排出事業者等へのアンケート調査及びヒアリング調査を実施した。

■ 製造業では、いずれの業種も工程くずと容器包装が大半を占めていること、工程くず、不良品等はMRの割合が高いこと、容器包装類はMR以外にCR、RPF等に向かう量も多いことといった傾向が見られた。

■ 建設業では、工事端材、梱包・輸送資材類の割合が高いこと、解体残材は埋立処理の比率が高いことといった傾向が見られた。

製品寿命分の年数を経て、使用済みとなったものが排出

N年

N-1年

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1.92

(2) 今後の検討課題

本調査の成果を踏まえた今後の検討課題については、以下のとおり整理できる。

① 製品の出荷断面における数値把握の精緻化

・ 用途区分が不明な用途(電気・機械、建材用途等)の排出量データの精査

・ 製品寿命及び排出量推計の精緻化

② 優先調査対象品目について、出荷・排出・処理等の詳細なフロー把握

・ 家庭系一般廃棄物や事業系一般廃棄物に関する組成データの整備による排出断面

におけるフローの精緻化

・ 優先調査対象品目における実態調査の実施によるフローの定量化・精緻化

③ 産業系廃プラスチックのリサイクル実態の把握

・ 産業系廃プラスチックのフローについて、排出断面と処理断面をつなぐフローの実

態把握及びフローの精緻化(本事業調査で実態把握を試みたが、十分に実態を把握

できているとはいえない)

・ 最終処理・処分について、特に再生利用の実態に係るフローの精緻化