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産業医学振興財団委託研究 「中小規模事業場におけるメンタルヘルス対策の進め方に関する研究」 職場復帰支援マニュアル

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Page 1: 職場復帰支援マニュアル - zsisz.or.jp · 職場復帰支援マニュアル 目次 中小規模事業場における職場復帰支援システム構築のための手引き

産業医学振興財団委託研究

「中小規模事業場におけるメンタルヘルス対策の進め方に関する研究」

職場復帰支援マニュアル

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職場復帰支援マニュアル 目次

中小規模事業場における職場復帰支援システム構築のための手引き

はじめに P 1 職場復帰支援システム構築のフローチャート P 1 支援システム構築の手順 P 2 支援システム:休職から復職までの流れ P 5 個人情報保護について P 5

中小規模事業場における職場復帰支援マニュアル

はじめに P 1 第 1 ステップ 病気休業開始と休業中の対応 P 2 第 2 ステップ 主治医による職場復帰可能の判断 P 4 第 3 ステップ 職場復帰の可否の判断、職場復帰支援プランの作成 P 5 第 4 ステップ 最終的な職場復帰の決定 P 8 第 5 ステップ 職場復帰後のフォローアップ P 9

職場復帰後の周囲の対応について P 9 個人情報保護について P11

復職支援実施要領(例) P12

産業医等がいない場合、いる場合 試し出勤実施要領(例) P14

産業医等がいない場合、いる場合 職場復帰支援制度フローチャート(例) P16

産業医等がいない場合、いる場合

様式 1 職場復帰支援に関する情報提供依頼書 P18 様式 2 職場復帰支援に関する情報提供書(復職診断書) P19 様式 3 職場復帰願 P20 様式 4 職場復帰支援に関する面談記録票 P21 様式 5 職場復帰及び就業措置に関する情報提供書 P22 様式 6 試し出勤実施申請書ならびに同意書 P23 様式 7 試し出勤実施決定通知書 P24 様式 8 試し出勤自己評価表兼結果報告書 P25 利用可能な相談窓口一覧 P26

産業医学振興財団委託研究 「中小規模事業場におけるメンタルヘルス対策の進め方に関する研究」

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中小規模事業場における職場復帰支援システムの構築のための手引き

はじめに

メンタルヘルス不調により休業していた社員が円滑に職場復帰をするためには、事業場内にその支援

体制(職場復帰支援の仕組み)が整っていることが重要となります。

それが不十分であると、上司や人事部などがばらばらの対応をして混乱を生じたり、社員の間に不公

平感が高まったり、職場の不適切な対応により本人の病状が再び悪化してしまうといった事態が起こりか

ねません。

職場復帰の失敗は、休業している社員本人、企業の双方にとって不利益をもたらします。現在休業中

の社員がいない(発生したことがない)事業場であっても、職場復帰支援体制を整備し、あらかじめ社員

に周知しておきたいものです。そうしたことに共通の理解を得るのには時間がかかるからです。

この手引きでは、職場復帰支援システムの構築の流れをフローチャートにまとめ、必要な手順と留意点

をチェック方式で示しています。支援システムを構築するにあたって、職場復帰支援全体の流れを理解

することがどうしても必要な場合があります。その際は、マニュアルの該当ページを参照してください。

◆職場復帰支援システム(以下、「支援システム」と省略)構築のフローチャート

合意の形成とワーキンググループ

事業主はシステム構築の意義を理解し、構築の方針を表明する

担当者(衛生管理者やメンタルヘルス推進担当者など)が

安全衛生委員会に提案し、合意を得る

ワーキンググループをつくり、責任者を決める

現状の確認

社内規定などを確認する

利用できる事業場外のサービスなどを確認する

システムの構築

支援システムの大まかな流れを決め、文章化する

支援システム全体のフローチャートを作成する

支援システム運用時のスタッフの役割を決める

文書・様式の作成する

システムの承認と周知

マニュアルの補足資料を参考

に作成してください。

・フローチャート(p16-17)

・実施要領(p12-13)

・各種書類の様式(p18-22)

試し出勤制度を検討する際は

マニュアルのコラム③(p8)

・実施要領(p14-15)

・各種様式(p23-26)

を参考にしてください。

安全衛生委員会等にて説明し、承認を得る

全従業員に公開・周知を図る

管理監督者に説明・周知を図る

システムの運用 運用上のポイントも記載してある職場復帰支援マニュアルを参照してください。

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◆支援システム構築の手順

□ 合意の形成とワーキンググループづくり

支援システムの構築は、事業場におけるメンタルヘルス対策として重要な取り組みの1つ

です。

支援システムの構築には、まず事業主がその意義を理解し、構築を進めていくという方針

を明らかにすることが重要です。

また、健康管理に関連する問題ですので、事業場内で行われる安全衛生委員会等で、事業

場の産業保健スタッフ、労使の代表者とともに審議し、合意を得ることが望まれます。

支援システムを構築するにあたり、休職・復職に関する取り決めを変更する場合には、就

業規則、労働協約、労使協定などの変更・改定が必要となることがあります。

職場復帰支援に関するシステム構築の意義(なぜシステムが必要か?)

職場復帰支援に関するシステムを構築する意義としては以下の点が挙げられます。

・ 休業時、休業中のフォローアップ、職場復帰の基準、職場復帰の方法などを明確にし、周知す

ることにより、本人が安心して治療に専念できる。

・ 休業者の職務、事業場の考える復職の基準(職務能力)、復帰後の支援体制を主治医へ伝達

することで、復帰のタイミングについて本人、主治医、職場での共通の理解を得ることができる。

・ 職場復帰の手順、それに関与する関係者(事業者、上司、人事労務管理スタッフ、産業保健ス

タッフ等)の役割分担を明確にし、周知することにより、不適切な対応が生じてしまうリスクを軽

減できる。

・ 関係者の実務面、心理面の負担を軽減できる。

休業中の診断書の提出方法、傷病手当金の申請方法などの諸手続、復職判定の方法、復職後

の支援方法と関係者の役割など、一貫したルールを作成し、明確にしておくことが重要です。

支援システムを構築するためのワーキンググループをつくり、責任者を決める

まず実務作業を行うワーキンググループをつくります。

メンバー ⅰ 人事労務スタッフ(休職・復職に関する手続きには関与が不可欠)

ⅱ 衛生管理者、衛生推進者

ⅲ 産業医,保健師,看護師(いれば役割を分担) など

次に、その中から、事業場外資源の専門家等にアドバイスを求める際の窓口となる担当者を

決めましょう。事業場内にメンタルヘルス推進担当者を選任している場合には、その方が適

任です。

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□ 現状の確認

休職・復職に関わる社内規定を確認する

現在の休職、復職に関する社内のルールを整理しましょう。

就業規則、労働協約、労使協定、労務管理マニュアル、労働安全衛生マネジメントシステム文

書などの社内文書から以下のような項目を拾い上げ、チェックします。

休職に関するルール:

□ 傷病休職制度に関すること

□ 休職時の手続き(休職願い etc.)

□ 休職の事由に関すること

□ 休職中の診断書の提出方法

□ 休職中の療養付加金の申請方法

□ 休職期間、休職期間満了時の取り扱いについて

□ 解雇、解雇制限

復職に関するルール:

□ 復職時の手続き(復職願い etc.)

□ 復職に関する主治医からの診断書の提出

□ 会社の指定する医師の診察の有無

□ 復職の審査に関すること

□ 復職を認める基準

□ 復職後の軽減勤務に関すること

□ 試し出勤制度(※マニュアル p8 のコラム③)

□ 復職後のフォローアップ方法、期間

協力が得られる社内外のサービスなどを確認する

支援システム構築にあたって助言、協力の得られる社内外のサービスなどを確認し、指

導助言を受けましょう。

利用可能な社内外のサービスなどのチェック

□ 嘱託産業医(を委託できる医師)がいるか

□ (分散事業場の場合)本社の産業医や保健師等の産業保健スタッフ、人事労務担当者の協力が得られるか

□ (親企業をもつ事業場の場合)親企業の、復職支援に関するルールを参考にできるか

□ 健康保険組合の保健職の協力が得られるか

□ 近隣の「企業のかかりつけ医」の協力が得られるか、精神科医に顧問医の契約が可能か

□ 近隣に相談できる外部機関があるか

地域産業保健センター、産業保健推進センター、労働衛生機関、労働衛生コンサルタント、EAP 機関

勤労者メンタルヘルスセンター、精神保健福祉センター、保健所(※)、精神科・心療内科医院など

※保健所・保健福祉センター等(以下、保健所とする。*)

地域保健法で規定されている「保健所」を指します。近年では、部門の統合等により、一般向けには保健所の

名称を廃止し、「保健福祉センター」や「福祉事務所」などの名称を用いているところもあります。

ただし、地域保健法により都道府県・政令指定都市などは「保健所」を設置することが義務づけられていますの

で、保健所自体や保健所業務を行う窓口が廃止されたわけではありません。

保健所業務を担当する窓口が分からない場合は、お近くの自治体に問い合わせてください。

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□ 支援システムの構築

職場復帰の可否やその後の対応を協議するために実施する面接の手順や試し出勤の導入など

を決定しましょう。この手引きp5を参照してください。

支援システムの中でのスタッフの役割を決める

支援システムの中で、人事労務担当者や衛生管理者(衛生推進者)、保健師、看護師、産業医等の

産業保健スタッフ、管理監督者などのスタッフが担う役割を明確にしましょう。(フローチャート:

p15-16)

(例) 社内の手続き → 人事労務スタッフ

休業している社員への連絡 → 管理監督者が担当

(休業者本人と管理監督者との人間関係に問題がある場合は別の担当を決める。)

支援システム全体のフローチャート、様式・文書を作成する

支援システムに関するマニュアル文書や、全体の流れを示したフローチャート、システム内で用いら

れる様式類を作成しましょう。

[支援マニュアルの補足資料のうち、復職支援実施要領(案)(P14-15)、職場復帰支援制度フロー

チャート(P16-17)、様式類(P18~P22)を参照してください。]

休業から復職までのおおまかな流れは、社内規定として従業員の誰もが見られるようにすべきです。

□ 支援システムの承認と周知

支援システムを構築したら、安全衛生委員会などで承認を得ます。それから全従業員、管理監督者

に周知します。ラインケア教育などで詳細な説明を行い、管理監督者の理解を得ておくことが、支援

システムを円滑に運用するためにも求められます。

※これらの支援システム構築については、衛生委員会や労使間の話合いで合意を得ながら作業を

進める必要があります。衛生委員会、労使の話合いの場などで関係者の承認を得たのちに、全従

業員に周知しましょう。

特に新たな規定を設ける際は、安全衛生委員会等における合意が必要となることがあります。

※ 就業規則の作成・変更に関して不明な点は、社会保険労務士に相談することができます。

※ 支援システムの構築については、下記に無料で相談することができます。

地域産業保健センター(従業員数 50 人未満の事業場)

都道府県産業保健推進センター

メンタルヘルス対策支援センター(上記、産業保健推進センター内に設置)

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◆支援システム:休職から復職までの流れ

平成 21 年 3月に厚生労働省から発表された「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰

支援のための手引き」(改訂版)に示されているとおり、職場復帰支援には次の 5 つのステッ

プがあります。

(この「手引き」は厚生労働省ホームページ 下記のアドレスから入手できます。)

http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei28/index.html

それぞれのステップについての解説、留意点については、各項目を参照してください。

失敗

マニュアル

P8 へ <第4ステップ>最終的な職場復帰の決定

マニュアル

P5 へ

<第3ステップ>職場復帰可否の判断、職場復帰支援プランの作成

・ 情報の収集と評価

・ 職場復帰の可否についての判断

・ 職場復帰支援プランの作成

・ 試し出勤の検討

成功

試し出勤 試し出勤なし

マニュアル

P4 へ <第 2 ステップ>主治医による職場復帰可能の判断

・ 社員からの職場復帰の意思表示、職場復帰可能の診断書の提出

マニュアル

P9 へ

<第 5 ステップ>職場復帰後のフォローアップ

・ 症状の再燃・再発の有無の確認

・ 職場復帰支援プランの評価と見直し

マニュアル

P2 へ

<第 1 ステップ>病気休業開始と休業中の対応

・ 社員からの診断書(病気休業診断書)の提出

・ 休職中の復帰に向けた訓練・目標

◆個人情報保護について

支援システムの中では、様々なスタッフが関与し、様式類を用いて、心の健康問題によって

休業した社員の健康情報を取り扱うため、個人情報保護の観点から情報の取り扱いについて

の規定を定め、徹底して管理することが求められます。

(⇒詳細はマニュアルの4.個人情報保護について(P9) を参照してください。)

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中小規模事業場における職場復帰支援マニュアル

はじめに

このマニュアルは、産業医や保健師などの医療職スタッフがいない中小規模の事業場にお

ける心の健康問題により休業した従業員の職場復帰支援に関するシステム運用の流れを解

説し、そのシステムに必要な様式と事例を例示するものです。システム構築また運用に、ご活

用ください。

これらの様式例を参考として、事業場の実態に即したシステムを整備してください。

◆職場復帰支援システム:休業から職場復帰までの流れと目次

休業から職場復帰にいたる復職支援システムの流れを 5 つのステップに分け、それぞれに

必要な対応や体制の整備、備えておくべき様式について解説を行います。

そな

<第 1 ステップ>病気休業開始と休業中の対応 P2

・ 社員からの診断書(病気休業診断書)の提出

・ 管理監督者、事業場内産業保健スタッフ等によるケア

・ 休職中の復帰に向けた訓練・目標

<第 5 ステップ>職場復帰後のフォローアップ P9

・ 症状の再燃・再発、新しい問題の発生等の有無の確認

・ 勤務状況、業務遂行能力の評価、職場復帰支援プランの評価と見直し

<第 2 ステップ>主治医による職場復帰可能の判断 P4

・ 社員からの職場復帰の意思表示、職場復帰可能の診断書の提出

<第 3 ステップ>職場復帰の可否の判断、職場復帰支援プランの作成 P5

・ 情報の収集と評価

・ 職場復帰の可否についての判断

・ 職場復帰支援プランの作成

・ 試し出勤の検討

(P8, P14-15, P23-26)

<第 4 ステップ>最終的な職場復帰の決定 P8

・ 社員の状態の最終確認、主治医の意見、本人の希望、職場環境を参考

に就業上の配慮を決定。職場復帰後の就業上の配慮を主治医へ連絡。

職場復帰の意思の確認、主治医からの意見

社員の状態、職場環境の評価

職場復帰日、主治医(産業医)意見、就業上の配慮、

人事労務管理上の対応、フォローアップ

「職場復帰および就業措置に関する情報

提供書」 (様式5)

会社→主治医 P22

「職場復帰支援に関する面談記録票」

(様式4)

3 者(4 者)面談後、会社側で作成

P21

「職場復帰支援に関する情報提供書」

(様式2)

主治医→会社 P19

「職場復帰願」(様式3)

本人→会社 P20

「職場復帰支援に関する情報提供依頼書」

(様式1)

会社→主治医 P18

備えておくべき様式

文書の経路

1

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<第 1 ステップ>病気休業開始と休業中の対応

職場復帰支援は、休業が開始された時点から開始します。休業に至った社員と主治医の了

解が得られたら、主治医との情報交換を開始します。主治医と連絡をとる会社側の窓口担当

者を決めておきましょう。情報交換には次のような方法があります。

・「職場復帰支援に関する情報提供書」(様式1)を記載し、本人の同意を得たうえで、本人を

通じて主治医に手渡す。

・人事労務担当者もしくはライン管理職が当該社員の受診時に帯同し、直接情報提供を行う。

※ 窓口担当者は、人事労務担当者やライン管理者、衛生管理者、衛生推進者の中から選

出します。もし、医療職がいるか、事業場内メンタルヘルス推進担当者が選任されている

場合には、それらのスタッフが適任です。

※ 事業場の考える職場復帰の可否の判断基準を伝え、主治医に理解を求めることも重要で

す。

事業場の考える職場復帰判定基準 例

・ 休業中の日常生活において、起床・就寝時間、食事の摂取、日中の活動などの生活リズ

ムが取り戻されており、それがある程度の期間維持されていること

・ 通勤時間帯に一人で安全に通勤ができること

・ 就業規則に定められている必要な勤務時間の間、会社にいられるだけの精神的・身体的

な力が回復していること

・ 読書、パソコン作業が数時間継続してできる。

主治医に伝える事業場の職場環境、支援準備状況に関する事項

1.休業前(現職)の業務内容について

(1)業務量( 作業時間、作業密度 )や質( 要求度、困難度 )

( 具体的には、納期があるか、自発的な目標設定が必要か、成果を上げる必要があるか

接客や客先対応があるか、多方面にわたる連携が必要かなど )

(2)時期的な変動や不測の事態に対する対応の状況

(3)危険・高負荷を伴う業務の有無

( 重筋作業、重量物取扱い作業、火気・有害物取扱い、高所作業、寒冷・暑熱曝露

車両運転、機械運転、交代勤務、長期出張、1 人作業、残業時間、休日出勤など )

2.職場側による支援準備状況について

(1)実施可能な業務上の配慮 ( 業務内容や業務量の変更、就業制限など )

(2)実施不可能な業務上の配慮 ( 配置転換・異動、勤務形態の変更など )

※ 休業中の社員にどれくらいの頻度で接触するべきかは、病状などによって異なります。判

断が難しい場合には、主治医に相談しましょう。あまり頻回に接触しようとする態度は慎む

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べきです。一応の目安として 1 ヶ月に 1 度くらい(復帰が近くなれば週に 1 度程度)、診断

書や傷病手当金請求書を本人が提出するときに会う、電話で連絡をとるのが無難でしょ

う。

※ 休業に至った社員が安心して治療に専念できるよう、休業中の身分や収入について、は

っきりと本人および家族に伝えることが必要です。通常、人事労務スタッフが伝えることに

なります。休業(休職)・職場復帰支援の仕組みや条件をわかりやすく文書化しておくとよ

いでしょう。

□ 健康保険組合からの傷病手当金はいくらか、いつまでもらえるのか など

□ クーリング期間に関すること

□ 休んでいる間の給与の扱いは

□ その後の病気欠勤扱いはいつまでか、どの時点を過ぎれば休職となるのか

□ 休職期間の限界はどれだけか

休業した社員および家族に伝えられるべき情報

□ 休業中の事務的な手続き

□ 有給休暇でどこまで休めるのか

※ 休業中の対応の仕方についても、事前にルールの中で取り決めておくとよいでしょう。

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<第2ステップ>主治医による職場復帰可能の判断

当該社員から連絡を受けた窓口担当者は、本人の職場復帰に関する明確な意思や就業意

欲を確認して、面談日を決定します。

本人や家族が不安や焦りから職場復帰を急ぎ、回復が不十分なまま、職場復帰の希望が

出されることがあるので、注意が必要です。その場合には、主治医と連携して、十分に回復し

た上で復帰する方が結果的にうまくいくことなどを説明する必要があります。

復職面談までの間に、自身の回復状況を確認する機会をもつよう勧めてみるのもよいでしょ

う。

以下の項目は、復職可否を判断する評価項目ともなりますので、職場復帰の目途がついて

きたら、主治医と相談しながら、社員自身がチェックをしてみるよう促しましょう。

□ 休業に至った本人側の原因は見直されているか

対人関係能力、ストレス対処能力の向上、家庭の支援など

休業期間中の指導目標(本人が確認する客観的な回復の指標)

□ 回復状況

休業前にあった症状の有無

□ 日常生活・勤務時と同じリズムに戻っているか

就寝時間と起床時間、昼間の眠気の有無

□ 職務能力(体力、集中力、持続力、判断力など)の評価

散歩、読書、パソコン操作などが持続できる時間

□ 職場要因(業務による負荷、適性、人間関係)の検討

業務の質的・量的負担、上司・同僚の支援、業務の指示系統、研修機会など

職場復帰の申請(「職場復帰願」(様式3)の提出)を受けた後、本人を通じて主治医へ職場

復帰に関する意見書(「職場復帰支援に関する情報提供書(復職診断書)」(様式 2))の記述

を求め、面談日以前に会社側に提出してもらうようにします。

※ 復職診断書は、あらかじめ事業場で準備した書面(一般的な書式に具体的な就業上の配

慮についての記載等を追加したもの)を用います。

※ このような診断書の書式を決める際には、記載を求める内容やプライバシーへの配慮に

ついて十分な議論を行なう必要があります。また、診療に関する情報提供書などにかかる文書

作成料を負担するのは、会社側か本人にするのかをあらかじめ決めておいたほうがよいでしょ

う。

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<第3ステップ>職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成

職場復帰の可否の判断および職場復帰支援プランの作成は、主治医や産業医の意見に

基づいて行います。

職場の諸事情も考慮して復職可能性を判断するために、産業医を選任することが望まれま

す。

ただし、これらの産業医等がいない場合でも、主治医に職場の情報を提供することによって、

より適切な判断をしてもらうことが可能となります。

ここでは「産業医等がいない場合」と「産業医等がいる場合」に分けて解説します。

《産業医等がいない事業場の場合》

復職診断書による主治医からの職場復帰可能との意見を受けて、職場復帰可否の判断、

復帰の時期、支援・配慮の内容などの詳細を検討します。

本人の同意を得た上で、本人、主治医、人事労務担当者あるいはライン管理者(もしくはそ

の両者)による 3 者(4 者)面談を主治医に申し入れましょう。

現在の回復状況での復帰の可否(再度確認)、就業上の配慮などについての意見を効率よ

く提供してもらうため、確認したい事項を準備して面談に望むとよいでしょう。

具体的には、以下のような項目があげられます。

(7) 同じ職場の者はどのような対応をすればいいか

業務に関しての対応(復職後の業務範囲や配慮の必要な期間の確認)、人間関係における対応、

特に差し控えるべきことがあるか(しばらく酒席に誘わない etc.)

3 者面談における確認事項

(1) 発症前後の状況と業務との関連性 … 本人の健康問題、家庭の問題など他の要因の有無

(2) 治療の経過(簡単に)

(3) 最近の日常生活 … 基本的な生活習慣の確立ができているか

(4) 現在の症状 … 復職後の作業内容、勤務形態の決定のため

(5) 現在の治療状況 … 通院の必要性、頻度、何を目安に本人の体調を見ればよいのか

(6) 復帰にあたっての主治医の注意事項

配置転換の必要性があるのか、当面してはいけない業務があるか(車両運転、高所作業など)

就業時間の制限の必要があるか(残業、出張、深夜・交代勤務など)

3 者面談が受け入れられない場合には、先に提供してもらった復職診断書の主治医意見に

できるだけ詳しい記述をしてもらい、それを参考に本人と人事労務担当者、ライン管理職によ

る検討の場を設けます。

※産業医がいなくても、職場の事情に精通している医師(企業の指定した医師)に相談できる

と心強いものです。こうした医師がいない場合は、下記の相談窓口も無料で利用することがで

きます。

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・ 地域産業保健センター(50 人未満の事業場)

・ 都道府県産業保健推進センター

・ メンタルヘルス対策支援センター

また、以下の機関からも、「産業医の視点」から職場復帰に関する助言を得ることができます。

ただし、費用はそれぞれの機関によって異なるため注意が必要です。

・ 労働衛生機関の医師や産業医資格を有する労働衛生コンサルタント

・ 企業にメンタルヘルスサービスを提供する EAP 機関

・ 労災病院に設置された勤労者メンタルヘルスセンター

◆地域産業保健センターの相談窓口について

地域産業保健センターは、厚生労働省から地域の医師会が委託を受けて、産業医の選任義務

のない規模の50人未満の事業場等を対象に、そこで働く労働者や事業主等に対して、健康相談・

保健指導等の産業保健サービスの提供・情報の提供等を無料で行っています。従業員の病後、復

職後の健康管理に関することやメンタルヘルスに関することについて相談できます。

○地域産業保健センターは、全国 347 箇所に設置されています。お近くの地域産業保健センター

については、最寄りの都道府県労働局の労働衛生課又は安全衛生課にお問合せください。

都道府県産業保健推進センターは、主に労働者数50人以上の事業場等を対象に、そこで働く

労働者や事業主等、衛生管理者や保健師、産業医などの産業保健スタッフに対して、産業保健活

動に関する情報の提供や仕組み・体制づくりなど企業での産業保健の取組みに関する指導・助言

を無料で行っています。従業員の病後、復職後の健康管理に関することやメンタルヘルスに関す

ることについてもメンタルヘルスの専門家に相談することができます。産業医等が判断や対応に困

った際にも相談のできる機関です。

○都道府県産業保健推進センターは、都道府県に1箇所設置されています。

http://www.rofuku.go.jp/sanpo/index.html (全国一覧)

◆都道府県産業保健推進センターの相談窓口について

メンタルヘルス対策支援センターは、各都道府県産業保健推進センター内に設置されていま

す。メンタルヘルス不調の予防から職場復帰支援まで、メンタルヘルス対策の総合相談窓口とし

て、無料のサービスを提供しています。対面、電話、FAX、メールによる相談対応から、専門家

による訪問・アドバイスも受けられます。必要に応じて、医療機関などの紹介も行っています。

http://www.rofuku.go.jp/sanpo/eap/index.html (HPアドレス)

◆メンタルヘルス対策支援センターの相談窓口について

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《産業医等がいる事業場の場合》

復職診断書に記載された主治医の意見を元に、産業医による本人との面談を実施した上

で、本人、産業医および人事労務担当者、ライン管理職による 3 者(4 者)面談を行います。

窓口担当者が、日程調整を行い面談のセッティングを行うとよいでしょう。

※ 地域産業保健センターの個別相談窓口を利用する場合には、上述の産業医の役割を地

域産業保健センターの医師に委託します。労働衛生機関、労働衛生コンサルタント、EAP、

勤労者メンタルヘルスセンターなどの医師に相談する場合にも同様に、この役割を委託し

ます。

◆職場復帰支援プランの作成

上述の 3 者(4 者)面談によって話し合われた内容をもとに、正式な復帰時期、復帰時の業

務内容、就業時間や就業制限、フォローアップの期間などのプランについて決定します。

通常、職場復帰支援プランは回復の経過に合わせて複数の段階を設定する必要があります。

例えば、一切の残業の禁止から通常勤務に戻すまでにも、通常 2~3 段階のレベル設定

を行い、フォローアップも、この節目毎に関係者間で検討できるように計画しておきます。

これらの計画についても、主治医の意見を参考にするとよいでしょう。

※この面談で話し合われた内容については、文書として記録を残しておくとよいでしょう。職場

復帰支援に関する面談記録票(様式4)を参考にしてください。

◆コラム①:主治医との面談 費用負担について

職場復帰支援を目的に休業中の社員の面談を主治医に申し入れた場合に、主治医が特

別な面談であると判断し、別途料金を請求されることがあります。機関によって差があります

が、30 分で 5000 円、1 時間で 10000 円程度です。面談を申し入れる際に、時間と費用につい

て確認をしておきましょう。時間の制約がありますので、事前に確認事項をメモし、準備してお

くと良いでしょう。

また、費用負担については、面談を企業の労務管理の一環と考えるなら、企業側とすべき

です。これについても職場復帰支援体制を整備する際に取決めておきましょう。

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<第4ステップ>最終的な職場復帰の決定

第 3 ステップを経て、最終的な職場復帰の可否判断を行い、復帰の可否、就業上の配慮、

フォローアップのプランについて本人に通知します。

産業医等が選任されている事業場では、第3ステップで話し合われた内容について、「職場

復帰に関する意見書」として作成してもらい、管理監督者、人事労務管理担当者がそれを確

認して、事業者が最終的な職場復帰の決定を行い、休業者本人に通知することになります。

また、その決定内容を、職場復帰及び就業措置に関する情報提供書(様式5)を用いて、

当該社員を通し主治医に伝えることも大切です。それによって、主治医は職場環境について

理解を深め、フォローアップ過程でも貴重な情報を提供してくれることが期待できます。

また、試し出勤制度を用意している企業もあります。これは支援システムに必須のものでは

ありませんが、オプションとしてコラム③や参考資料を用意してあります。

◆コラム②:「まずは現職へ復帰」の原則

復帰先に関しては、「まずは現職(元の職場)へ」を原則としましょう。新しい環境への適応に

は、ある程度の時間と心理的な負担がかかります。それが疾病の再発・再燃に結びつく可能

性があるからです。そのため、まずは元の慣れた職場で、ある程度のペースがつかめるまで業

務負担を軽減しながら経過を観察し、その上で配置転換や異動を考慮すべきです。もちろ

ん、元の職場の人間関係や仕事内容が今回のメンタルヘルス不調の明らかな誘因となってい

るケースなどでは、最初から配置転換をしたほうがよいこともあります。その判断は関係者間で

十分な情報交換を行った後に総合的に行う必要がありますが、配置転換や異動などの人事

労務上の配慮は、就業規則等から逸脱しない範囲に留めるべきです。

◆コラム③:試し出勤制度について

職場復帰にあたり、復職前に、一定期間通勤や職場に顔を出すことを試みる制度を導入し

ている企業があります。本人にとっては通勤や仕事を再開する練習になり、職場にとっては本

人の職務遂行能力を見極め、職場復帰支援を検討するための情報が得られるという利点が

あります。ただし、一律に行わせることはできません。本人の希望と主治医の許可が前提条件

となります。

このような試し出勤制度を実施するにあたっては、賃金支払い等についての就業規則や賃

金規定の変更等が絡むことがあり、またその間の労災事故や通勤災害の取扱いのルールが

不明確なまま実施されると民事の訴訟になることもあるため、その制度設計には十分な検討

が必要となります。制度の設計について、必要に応じて地域産業保健センター、都道府県産

業保健推進センター、メンタルヘルス対策支援センターや社会保険労務士に相談することが

できます。本マニュアルにも実施要領と様式の参考例を用意しています。(マニュアルp14~

15、23~26)

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<第5ステップ>職場復帰後のフォローアップ

職場復帰後のフォローアップは非常に重要な役目を持ちます。特に職場復帰後の最初の

フォローアップはできるだけ短い間隔で行うことが大切です。周到な準備をしても、復職後の

支援計画を予定通りに実行することは難しいからです。職場復帰後に予期せぬ出来事が起こ

ることもありますし、心の健康問題の中にはどうしても再発を防げないケースも少なくありません。

フォローアップの際には、以下の項目についてチェックを行ないましょう。

※産業医等がいる場合には、フォローアップについても指導・助言を求めましょう。

何らかの問題が生じた場合には、主治医や産業医等の関係者間で連携をとりながら、臨機

応変に職場復帰プランの変更を行う必要があります。

職場復帰後のフォローアップ事項

□ 症状の再燃・再発、新しい問題の発生等の有無

特に、疲労の回復具合や、睡眠の様子

□ 勤務状況及び業務遂行能力の評価

遅刻、早退がないか、ミスや事故がないか

本人の意見だけでなく、ライン管理職の意見も合わせて客観的な評価を行う

□ 職場復帰支援プランの実施状況の確認

就業上の配慮(就業制限や休日出勤の禁止、危険・有害業務の禁止など)の履行状況

□ 治療状況の確認

通院状況や治療の自己中断等のチェック、現在の病状や、今後の見通しについての

主治医の意見

□ 職場での上司・同僚の支援状況

職場でのコミュニケーション、同僚の受け入れや雰囲気について

□ 配置転換・異動があった場合、職場での適応状況の確認

業務に適応できているか、職場に慣れているか、困ったことについて質問ができているか

職場復帰後の周囲の対応について

1. 仕事の調整

復帰時の本人の健康状態は必ずしも完全な状態とはいえない場合があり、また、病気に

よっては注意力や集中力の低下が続いたり、疲れやすさが残る場合があります。仕事の内

容や量は、本人の希望や主治医の意見を聞きながら決めることが大切です。その一方で、

本人は休んで周囲に迷惑をかけた分を取り戻そうと焦り、つい無理をしてしまうこともありま

す。その場合は、本人の「はやる気持ち」にブレーキをかけることも必要になります。

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当面の間は、残業を制限し、就業時間内にゆとりをもって遂行できる量と、重大な判断や責

任を負うことのない比較的やさしい業務を担当してもらい、徐々に自信を回復していけるよう

にすることが重要です。また、復帰時には、他部署やお客との折衝など他の人のペースに

合わせなければいけない業務は、大きなストレスとなる場合が多く、避けるべきです。本人の

回復の程度を確認しながら、本人の希望を聞き、段階的に担当できる業務を増やしていくこ

とが必要になります。

2.医療機関での通院治療継続の必要性

心の病の場合、多くは復帰後も通院治療を継続することになるため、主治医の指示に従い

きちんと通院、服薬を行うことが再発・再燃を防止する上で非常に重要です。本人が職場へ

の遠慮や業務の都合で、通院のための時間を確保しにくいことがないよう、職場で配慮する

必要があります。

2.上長の注意点

復職する労働者の業務範囲や配慮の期間を明確にする。

業務の流れを上長経由として、コントロールする。

職場のメンバーにも復職後の業務や配慮の期間など復職後の計画を説明しておく。

期間を超えてもあまり改善しない場合は、復職を再度検討することを事前に確認しておく。

3.再発予防と再発時の対応

病気の再発は、本人の落胆はもとより職場への影響もあり、できるだけ避けたいところですが、

実際には決して少なくありません。再発の兆候(本人の職場における状態の変化、通院・服

薬の中断)に気がついたら、まずは本人に声をかけ現在の体調を確認した上で、主治医に

相談するよう勧めましょう。

◆不調者への対応

1. まず声をかけて、つらいと感じている症状やストレスの内容について聴く

「もう、仕事には慣れた?」

「仕事は順調にいっているの?」

「睡眠は充分にとれているの?」

2. 次に自分としてもできる範囲で援助を行う気持ちを持っていることを伝える

「私に何かできることがある?」

3. ストレスの原因が、仕事の負担や職場の人間関係など職場と関係している場合

① 上司と相談することを勧める

② 保健師や産業医、専門医に相談することを勧める

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個人情報保護について

メンタルヘルス不調に関する情報に限らず、社員個人の健康に関する情報は、個人情報の

中でも特に機微なものであるため、第三者への漏洩や、本来の目的と異なる不適切な使用、

情報の改ざん、誤解や偏見などが生じないよう、厳格に慎重に取扱われなければなりません。

以下の点に注意し、情報を取扱うスタッフの範囲や保管場所、保管方法についても検討し

て、取り決めを行うことが必要です。

・ 休業した社員の主治医に対して、本人の同意がなくては連絡をとることができないのが原

則です。主治医も、患者の個人情報について第三者に対する守秘義務を負っている立

場にあることを理解しましょう。

・ 主治医へ職場の情報を提供する場合にも、事前に本人の了解を得ておくか、本人立会

いのもとで主治医と面接して実施するようにしましょう。

・ 職場復帰についての個人情報の管理は適正に行い、セキュリティー管理されたパソコン

を使用し、関係書類も鍵のかかるところに保管して不要なものはシュレッダーで処分しま

しょう。

Q.社員が「就労可能」の診断書を提出すると休職事由が消滅するのか

A. 職場復帰可能という主治医の診断書が提出されて、かつ会社が就労可能と判断した

場合に復帰を認めるとしているのが一般的です。主治医の診断書は専門家の意見として

十分に尊重されるべきですが、業務内容や職場環境を熟知しているのは会社側であるた

め、就労可能との意見があっても社内ルールや業務の具体的内容などに照らして、復帰

は時期尚早とすることは可能です。これは、社員を排除する意味ではなく、十分な就労可

能状況にない者が安易に職場復帰しても職場再適応できず、再発・再燃を起こす可能性

が高いと予測されるからです。そのことを本人や主治医にしっかり認識してもらうことが大

切です。

※提出された診断書の内容と異なる判断を会社がした場合は、その合理的な理由を社員

に示すべきです。また、主治医の判断に納得のいかない場合、セカンドオピニオンとし

て、会社が指定する医師の診断を受けさせることもできます。ただし、あらかじめ就業規

則に明記しておくことが必要です。そのうえで会社の受診命令に、合理的な必要性があ

ることが前提となります。

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復職支援実施要領(例) 《産業医等がいない場合》 制定日:○年 ○月 ○日

担当者: 人事課長

1. 目的

休業していた社員の復帰にあたり、当該社員、主治医、人事課長、所属長を中心とした復職

に関する面談を行い、復職の可否および復職後の適切な業務上の配慮について審議を行う。こ

れらによって復職後の疾病の再発を予防し、社員の円滑な職場復帰の実現させることを目的と

する。

2. 対象

原則として同一種類の疾病、負傷によって長期に休業(1ヶ月以上、有給休暇による日数も

含む)した社員。ただし、病状および本人の状況により、工場長が特に必要と認めた場合には

日数に関係なく対象とする場合がある。

3. 実施方法

a. 病気休業開始及び休業中のケア

(1) 疾病により休業しようとする社員は、休暇願及び主治医の病気休業診断書を所属長に提出

する。

(2) 所属長は、休暇願及び病気休業診断書を人事課に提出する。

(3) 人事課長は、当該社員に、休業中の事務手続きや職場復帰支援の手順についての説明を行

い、当該社員が安心して療養に専念できるよう努める。

(4) 人事課長は、「職場復帰支援に関する情報提供依頼書」を作成し、「職場復帰支援に関す

る情報提供書」とともに、当該社員を通じて主治医へ提出する。

(5) 所属長は、当該社員が療養中、毎月、療養の状況及び復職の意思についての確認を行う。

(6) 所属長は、当該社員の職場復帰の意思を確認した場合、人事課長にその旨連絡をする。

b. 主治医による職場復帰可能の判断

(1) 当該社員は、「職場復帰願」と主治医による職場復帰可能の判断が記された「職場復帰支

援に関する情報提供書」を所属長に提出する。

(2) 所属長は、「職場復帰願」及び「職場復帰支援に関する情報提供書」を人事課に提出する。

c. 職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成

(1) 所属長は、当該社員に当職場復帰支援についての説明を行い、同意を得る。

(2) 人事課長、所属長は、主治医へ連絡し本人も含めた4者での職場復帰支援に関する面談を

依頼する。

(3) 当該社員、主治医、人事課長、所属長により職場復帰支援のための面談を行い、安全(健

康)配慮義務に基づき、職場復帰支援プランを作成する。

(4) 人事課長は、「職場復帰に関する面談記録票」を作成し保管する。

d. 最終的な職場復帰の決定

(1) 人事課長、所属長は、面談の結果を工場長に報告する。

(2) 人事課長(事業主、工場長の代行として)は、面談の中で検討された職場復帰支援プラン

を確認の上、当該社員の復職の可否を決定する。

(3) 人事課長は、決定した復職の可否および職場復帰支援プランを当該社員に通知する。

(4) 人事課長は、主治医に「職場復帰及び就業措置に関する情報提供書」を当該社員を通じて

提出する。

e. 職場復帰後のフォローアップ

(1) 所属長は、フォローアップのための面談を行い、逐次、人事課へ報告を行う。

(2) 就業配慮が解除された後、一定期間面談を行い、問題がなければ職場復帰支援を終了する。

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復職支援実施要領(例) 《産業医等がいる場合》 制定日:○年 ○月 ○日

担当者: 人事課長

1. 目的

休業していた社員の復帰にあたり、当該社員、主治医、人事課長、所属長を中心とした復職

に関する面談を行い、復職の可否および復職後の適切な業務上の配慮について審議を行う。こ

れらによって復職後の疾病の再発を予防し、社員の円滑な職場復帰の実現させることを目的と

する。

2. 対象

原則として同一種類の疾病、負傷によって長期に休業(1ヶ月以上、有給休暇による日数も

含む)した社員。ただし、病状および本人の状況により、工場長および産業医が特に必要と認

めた場合には日数に関係なく対象とする場合がある。

3. 実施方法

a. 病気休業開始及び休業中のケア

(1) 疾病により休業しようとする社員は、休暇願及び主治医の病気休業診断書を所属長に提出

する。

(2) 所属長は、休暇願及び病気休業診断書を人事課に提出する。

(3) 人事課長は、産業医に報告したのち、当該社員に、休業中の事務手続きや職場復帰支援の

手順についての説明を行い、当該社員が安心して療養に専念できるよう努める。

(4) 産業医は、「職場復帰支援に関する情報提供依頼書」を作成し、「職場復帰支援に関する

情報提供書」とともに、当該社員を通じて主治医へ依頼する。

(5) 所属長は、当該社員が療養中、毎月、療養の状況及び復職の意思についての確認を行う。

(6) 所属長は、当該社員の職場復帰の意思を確認した場合、人事課長にその旨連絡をする。

b. 主治医による職場復帰可能の判断

(1) 当該社員は、「職場復帰願」と主治医による職場復帰可能の判断が記された「職場復帰支

援に関する情報提供書」を所属長に提出する。

(2) 所属長は、「職場復帰願」及び「職場復帰支援に関する情報提供書」を人事課に提出する。

c. 職場復帰の可否の判断及び職場復帰支援プランの作成

(1) 所属長は、当該社員に当職場復帰支援についての説明を行い、同意を得る。

(2) 人事課長、所属長は、産業医へ連絡し、本人も含めた4者での職場復帰支援に関する面談

を依頼する。

(3) 当該社員、産業医、人事課長、所属長により職場復帰支援のための面談を行い、職場復帰

の可否診断および安全(健康)配慮義務に基づき、職場復帰支援プランを作成する。

(4) 人事課長は、「職場復帰に関する面談記録票」を作成し保管する。

d. 最終的な職場復帰の決定

(1) 人事課長、所属長は、面談の結果を工場長に報告する。

(2) 人事課長(事業主、工場長の代行として)は、面談の中で検討された職場復帰の可否診断、

職場復帰支援プランを確認の上、当該社員の復職の可否を決定する。

(3) 人事課長は、決定した復職の可否および職場復帰支援プランを当該社員に通知する。

(4) 産業医は、主治医に「職場復帰及び就業措置に関する情報提供書」を当該社員を通じて提

出する。

e. 職場復帰後のフォローアップ

(1) 所属長は、フォローアップのための面談を行い、逐次、人事課および産業医へ報告を行う。

(2) 就業配慮が解除された後、一定期間面談を行い、問題がなければ職場復帰支援を終了する。

※産業医の選任が困難な場合、産業医の役割を、企業の指定医や地域産業保健センター、労働

衛生機関、労働衛生コンサルタント等の医師に委託するとしてもよい

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試し出勤実施要領(例)《産業医がいない場合》

制定日:○年 ○月 ○日

担当者:人事課長

第 1条(本要領の目的)

この要領は、○○株式会社社員の職場復帰支援制度実施において、試し出勤の実施について

必要な事項を定めることを目的とする。

第 2条(試し出勤の実施手続き)

職場復帰を希望する者で、試し出勤の実施を主治医が認める者は、試し出勤実施申請書なら

びに同意書(様式 6)を所属長経由にて、人事課長に提出することができる。

2 人事課長は、所属長と試し出勤の実施プログラムについて協議し、試し出勤実施決定書(様

式 7)により、当該申請者に通知する。

第 3条(試し出勤の実施)

試し出勤の実施期間は、○ヶ月とする。

2 試し出勤は、当該試し出勤を実施する社員(以下「社員」という。)の所属職場で実施する

ものとする。ただし、当該社員の療養前の勤務状況などを考慮し、他の職場でも実施すること

ができるものとする。

3 当該社員は、試し出勤自己評価表兼報告書(以下「報告書」という。様式 8)を 1週間毎に

作成し、試し出勤を実施する所属の所属長(以下「所属長」という。)に提出する。

4 所属長は、報告書に試し出勤の実施状況に関する意見を付し、人事課長に提出する。

5 人事課長は、定期的に報告書をもって、試し出勤の評価する。

第 4条(試し出勤の中止)

所属長は、試し出勤の実施期間中において、次のいずれかに該当する場合は、試し出勤を中

止することができる。この場合において、所属長は、人事課長に報告し、当該人事課長は必要

に応じ主治医に連絡する。

a.実施社員の心身状態が、試し出勤に耐えられないと認められるとき。

b.実施社員の心身状態が、試し出勤を必要としないと認められるとき。

第 5条(試し出勤期間中の事故など)

実施社員は、就業規則に定めがあるものを除くほか、いかなる給与も支給されない。

2 実施社員は、試し出勤実施期間中において災害にあった場合においては、勤務とは認めら

れないために、労働災害補償法による補償を受けることができない。

※この要領は、○年 ○月 ○日から施行する。

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試し出勤実施要領(例)《産業医がいる場合》

制定日:○年 ○月 ○日

担当者:人事課長

第 1条(本要領の目的)

この要領は、○○株式会社社員の職場復帰支援制度実施において、試し出勤の実施について

必要な事項を定めることを目的とする。

第 2条(試し出勤の実施手続き)

職場復帰を希望する者で、試し出勤の実施を主治医が認める者は、試し出勤実施申請書なら

びに同意書(様式 6)を所属長経由にて、人事課長に提出することができる。

2 人事課長は、所属長および産業医と試し出勤の実施プログラムについて協議し、試し出勤

実施決定書(様式 7)により、当該申請者に通知する。

第 3条(試し出勤の実施)

試し出勤の実施期間は、○ヶ月とする。

2 試し出勤は、当該試し出勤を実施する社員(以下「社員」という。)の所属職場で実施する

ものとする。ただし、当該社員の療養前の勤務状況などを考慮し、他の職場でも実施すること

ができるものとする。

3 当該社員は、試し出勤自己評価表兼報告書(以下「報告書」という。様式 8)を 1週間毎に

作成し、試し出勤を実施する所属の所属長(以下「所属長」という。)に提出する。

4 所属長は、報告書に試し出勤の実施状況に関する意見を付し、人事課長に提出する。

5 人事課長は、定期的に報告書を産業医に送付し、試し出勤の評価を依頼する。

第 4条(試し出勤の中止)

所属長は、試し出勤の実施期間中において、次のいずれかに該当する場合は、試し出勤を中

止することができる。この場合において、所属長は、人事課長に報告し、当該人事課長は必要

に応じ主治医および産業医に連絡する。

a.実施社員の心身状態が、試し出勤に耐えられないと認められるとき。

b.実施社員の心身状態が、試し出勤を必要としないと認められるとき。

第 5条(試し出勤期間中の事故など)

実施社員は、就業規則に定めがあるものを除くほか、いかなる給与も支給されない。

2 実施社員は、試し出勤実施期間中において災害にあった場合においては、勤務とは認めら

れないために、労働災害補償法による補償を受けることができない。

※この要領は、○年 ○月 ○日から施行する。

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ステップ1 (  年  月  日)

産業保健スタッフ、或いは人事担当者が中心となり、本人と連絡を取る。

人事課長は、当該社員を経由して主治医に次の書類を提出する。

・「職場復帰支援に関する情報提供依頼書(様式第1号)」

・「職場復帰支援に関する情報提供書(復職診断書)(様式第2号)」

ステップ2 ※復職希望日の2週間前まで(復帰訓練を希望する者は早めに)

職場復帰を希望する社員は、所属長を経由し人事課に次の書類を提出する。

・「職場復帰願(様式第3号)」

・「職場復帰支援に関する情報提供書(復職診断書)(様式第2号)」

人事課長、所属長は、主治医へ連絡し本人も含めた4者での職場復帰支援に関する

面談を依頼する。

ステップ3 (  年  月  日)

本人、主治医、人事課長、所属長による4者面談(面談記録票:様式第4号に記載) 

・主治医との面談ができないときは、復職診断書に基づいて

  本人、人事課長、所属長による面談を行う

・必要に応じて地域産業保健センター(地産保)の相談窓口を利用し復職審査の依頼を行う

試し出勤あり

(  年  月  日)

・制度利用にあたっては、別記試し出勤実施要領に従う

ステップ4

※ ※主治医または地産保の意見に基づいて事業者が決定する

復職不可

人事課長は「職場復帰及び就業措置に関する情報提供書

休職継続 (様式第5号)」を当該社員を経由して主治医に提出

回 復

ステップ5 (復職日  年  月  日)

復職診断書、面談記録票を参考に実施

就業制限が取れてから、数ヶ月

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  職場復帰支援制度フローチャート(例)

病休開始

復職手続き開始

復職審査開始

復職可

復職後のフォローアップ

《産業医等がいない場合》

試し出勤なし

事業者による復職の可否の決定

(所属長、人事担当者の役割分担)

経過良好

中止

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第1ステップ (  年  月  日)

産業保健スタッフ、或いは人事担当者が中心となり、本人と連絡を取る。

人事課長は、産業医に報告し、次の書類を作成の上、当該社員を経由して主治医に提出する。

・「職場復帰支援に関する情報提供依頼書(様式第1号)」

・「職場復帰支援に関する情報提供書(復職診断書)(様式第2号)」

第2ステップ ※復職希望日の2週間前まで(復帰訓練を希望する者は早めに)

職場復帰を希望する社員は、所属長を経由し人事課に次の書類を提出する。

・「職場復帰願(様式第3号)」

・「職場復帰支援に関する情報提供書(復職診断書)(様式第2号)」

人事課長、所属長は、産業医へ連絡し本人も含めた4者での職場復帰支援に関する

面談を依頼する。

第3ステップ (  年  月  日)

本人、産業医、人事課長、所属長による4者面談(面談記録票:様式第4号に記載) 

・復職診断書と産業医による復職可否診断に基づいて、復職支援プランを作成する

 

試し出勤あり

(  年  月  日)

・制度利用にあたっては、別記試し出勤実施要領に従う

第4ステップ

※ ※産業医の意見に基づいて事業者が決定する

復職不可

産業医は「職場復帰及び就業措置に関する情報提供書

休職継続 (様式第5号)」を当該社員を経由して主治医に提出

回 復

第5ステップ (復職日  年  月  日)

復職診断書、面談記録票を参考に実施

就業制限が取れてから、数ヶ月

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復職後のフォローアップ

《産業医等がいる場合》

試し出勤なし

事業者による復職の可否の決定

(所属長、人事担当者、産業医の役割分担)

    職場復帰支援制度フローチャート(例)

病休開始

復職手続き開始

復職審査開始

復職可

経過良好

中止

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平成 年 月 日

職場復帰支援に関する情報提供依頼書

病院

クリニック 先生 御机下

株式会社 ○○○○

人事課 ○○○○

所在地:

TEL /FAX

日頃より弊社の健康管理活動にご理解ご協力頂き感謝申し上げます。

弊社では、健康問題により長期間の病気療養を経た従業員が円滑に職場に復帰し、業務が継続できるよ

う支援していくことを目的に社内規定に職場復帰支援に関する項目を設け、運用しております。上記の弊

社従業員が、職場復帰の際には所定の様式により情報提供をご依頼させていただくこととなりますので、

ご指導、ご協力のほど宜しくお願い申し上げます。

なお、弊社における従業員の業務、職場環境、職場復帰支援体制は下記の通りです。

弊社事業概要 事業内容:

業務特性:

従業員の業務

職位: 職種;

業務内容:※当該労働者の業務に特徴や有害業務があれば少し詳細に記入しましょう。

勤務時間:

職場環境

危険・高負荷を伴う業務:

※周囲の支援、キーパーソンの存在なども、可能であればここに記入するとよい

でしょう。

職場復帰支援体制・

職場復帰の基準

産業保健スタッフ( )

休職制度(休職期間 、休職中の給与 )

※休職期間のクーリングオフ期間について、短縮勤務への対応など、職場復帰の

基準(目安)や実施可能/不可能な就業上の配慮を具体的に記入しましょう。

弊社従業員の職場復帰支援に際し、病状が回復し、職場復帰時期をご検討いただける段になりましたら、

別紙「職場復帰支援に関する情報提供書」の内容についての情報提供及びご意見を頂ければと存じます。

なお、本情報提供書は本人の職場復帰を支援する目的にのみ使用され、いただいた情報については、プラ

イバシーの保護に十分配慮しながら責任を持って管理いたします。今後とも弊社の健康管理活動へのご協

力を宜しくお願い申し上げます。

18

(本人記入)

私は、本情報提供に関する説明を受け、本書の作成並びに会社への提出について同意します。

年 月 日 氏 名 印

様式1

生年月日 年 月 日

18

従業員氏名 (男・女)

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職場復帰支援に関する情報提供書(復職診断書)

下記の弊社従業員の職場復帰支援に際し、下記の内容についての情報提供及びご意見を

お願いします。

事業場 所属 従業員氏名

(主治医記入)

患者氏名 生年月日: 年 月 日(男・女)

診断書病名または状態:

現在の状態(業務に影響を与える可能性など)、回復の程度:

治療経過:

治療継続の必要性、今後の見通しなど:

就業の可否: (1)可 (2)条件付き可 (3)否

*上記において(2)条件付き可の場合、就業の条件:

(1)就業時間( )(2)業務内容( )

(3)業務上の車両運転・機械運転の可否 (4)その他( )

※短縮勤務などに対応できない場合は、その旨を注意書きしておくとよいでしょう。

*就業上の配慮に関するご意見(症状の再燃・再発防止のために必要な注意事項など):

上記の通り情報を提供致します。

年 月 日 医療機関所在地

医療機関名

主治医名 印

様式2

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職 場 復 帰 願

平成 年 月 日

事業者 殿

このたび、私は職場復帰を希望しますので、診断書を添えて復帰願を提出いたします。

その際、主治医立会いの上での職場復帰支援のための面談や職場復帰に必要な範囲での主

治医からの私の個人情報を提供することに同意いたします。

氏名

住所

生年月日

入社年月日

所属

休業前の

職務内容

本人の体調

現在の体調(良い・まあ良い・少し悪い・悪い)

復帰に関する希望

※職場や仕事内容について特記事項があれば

復帰時期の希望 いつ頃から( )

その他の意見( )

様式3

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職場復帰支援に関する面談記録票

記録作成日 年 月 日 記載者( )

従業員番号 氏 名 事業場

所属

男・女 年齢 歳

面談日時: 年 月 日 時

出席者:管理監督者( )人事労務担当者( )産業保健スタッフ( )

主治医( )その他( )

これまでの経緯の

まとめ

主治医による意見

現状の評価・

問 題 点

医療機関: 主治医: 連絡先:TEL

治療状況等:

業務上の配慮についての意見:

職場復帰支援プラ

ン作成のための

検討事項

(復職時及びそれ

以降の予定も含め

て)

職場復帰予定日: 年 月 日

管理監督者による業務上の配慮

人事労務管理上の対応事項

フォローアップ

その他

職場復帰の可否 可・不可(理由: )

次回面談予定 年 月 日 時(面会予定者 )

様式4

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様式5

職場復帰及び就業措置に関する情報提供書

病院

クリニック 先生 ご机下

TEL

日頃より弊社の健康管理活動にご理解ご協力頂き感謝申し上げます。

弊社の下記従業員の今回の職場復帰においては、下記の内容の就業上の措置を図りなが

ら支援していきたいと考えております。

今後ともご指導のほど、どうか宜しくお願い申し上げます。

性 別 氏名

(生年月日 年 月 日 年齢 歳) 男・女

復職(予定)日 年 月 日

就業上の配慮の

内容

・時 間外勤務(禁止・制限 H) ・交 代 勤 務(禁止・制限)

・休 日 勤 務(禁止・制限) ・就業時間短縮(遅刻・早退 H)

・出 張(禁止・制限) ・作業転換

・配置転換・異動

・その他:

連 絡 事 項

上記の措置期間 年 月 日 ~ 月 日

《注:この情報提供書は、労働者本人を経由して直接主治医に提出すること》

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様式6

試し出勤実施申請書ならびに同意書

平成 年 月 日

人事課長 様

このたび、私は試し出勤実施要領の規定に基づき、下記のとおり試し出勤の実施を希望しますの

で、家族の同意書と併せて申請書を提出いたします。

所属

氏名 印

家族氏名 印

(社員との続柄)

実施希望期間 年 月 日から 年 月 日まで

所属職場以外を希望する場合は、希望職場と理由

希望職場

理由:

以上

(留意事項)

試し出勤実施要領(第 5 条)

1 実施社員は、就業規則に定めがあるものを除くほか、いかなる給与も支給されない。

2 実施社員は、試し出勤実施期間中において災害にあった場合においては、勤務とは認め

られないために、労働災害補償法による補償を受けることができない。

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様式 7

試し出勤実施決定通知書

平成 年 月 日

所属

氏名 様

人事課長 印

このたび、試し出勤実施要領の規定に基づき、下記のとおり試し出勤の実施を決定したの

で、通知します。

実施期間 年 月 日から 年 月 日まで

※例えば、○○年◇◇月☆☆日から ○○年◇◇月△△日までは 4 時間勤務

○○年◇◇月△△日から ○○年◇◇月××日までは 6 時間勤務

など

実施職場

その他の条件

以上

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試し出勤自己評価表兼結果報告書

所属名

氏名 記録作成日 年 月 日

実施計画の内容

期日 時間 訓練内容 実施状況

※いつから

いつまで

※◇時間な

※「書類のコピー」「机の整

理」など、具体的に決めてお

いた内容を記入しましょう。

※「特に問題なく実施でき

た。」「徐々に早くこなせる

ようになった」などの評価

を記入してもらいましょう

特記事項(試し出勤の実施状況に関する所属長の意見)

平成 年 月 日

所属長氏名

※ 評価する日をあらかじめ決めておいて、試し出勤の状況 を評価しましょう。試し出勤の継続や正式な職場復帰 検討の際に参考にする資料として利用できます。 必要に応じて、ご使用ください。

様式8

産業医/医師

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・・・・・・・・・・・・・・・・利用可能な相談窓口・・・・・・・・・・・・・・・

労働者数50人未満の事業場の相談窓口

各労働基準監督署管内、地域医師会に、労働者数 50 人未満の事業場の労働者等を対象とした産業保健に

関するあらゆる分野の支援を行うことを目的として、地域産業保健センターが設置されています。メンタルヘルス

問題に関する個別相談や、組織的な取組みについての相談も無料で行うことができます。

労働局一覧http://www.mhlw.go.jp/general/sosiki/chihou/index.html/産業保健推進センターからもリンク可能

労働者数50人以上でも利用できる事業場の相談窓口

主として常用労働者数50人以上の事業場の事業場内産業保健スタッフ、労務管理スタッフに対する支援を目

的として都道府県に各 1 施設ずつ産業保健推進センターが設置されています。産業保健に関するあらゆる分野

の専門家を配置しており、窓口相談の中でメンタルヘルスの専門家により、産業医等の産業保健スタッフに対し、

個別相談事例やメンタルヘルス・システム構築に関する技術的援助など総合的な支援を無料で受けることがで

きます。センター内に設置されているメンタルヘルス対策支援センターでは、メンタルヘルス対策に関する相談

や訪問指導などのサービスを無料で受けることができます。

産業保健推進センターの一覧 http://www.rofuku.go.jp/sanpo/

メンタルヘルス対策支援センターの一覧 http://www.rofuku.go.jp/sanpo/eap/center_list.html

メンタルヘルス・システム構築、制度設計・導入について相談できる民間の機関

個別相談事例やメンタルヘルス・システム構築に関する技術的援助など総合的な支援を行っている民間の機

関として、

労働衛生機関(健康診断や作業環境測定など労働衛生サービスを提供する機関)

EAP 機関(主にメンタルヘルスサービスを提供する民間機関の総称)

労働衛生コンサルタント(国家資格をもち産業保健活動全般に関するコンサルタントを行っています)

企業の就業規則や制度設計についての困るときには社会保険労務士に相談することもできます。

労働者の職場復帰支援リワーク事業

高齢・障害者雇用支援機構が設置している地域障害者職業センター(全国 47 都道府県に設置)では、個別に

設定した支援計画に基づき、休職期間中に職場復帰のために必要なウォーミングアップなどの支援をセンター

への通所や、復帰事業所へのリハビリ出勤の形式で行っています。

障害者職業センターの一覧 http://www.jeed.or.jp/jeed/location/loc01.html

中小企業の事業主が利用できる助成金制度について

中小企業の事業主が利用できる様々な助成金制度があります。事業場の状況に応じ、これらの制度の利用を

検討して下さい。制度の詳細については、それぞれの窓口にお問合せください。

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産業医共同選任事業(都道府県産業保健推進センター)

嘱託産業医契約のために必要な費用の助成を受けることができます。

中小企業労働時間適正化促進助成金(都道府県労働局労働基準部監督課)

特別条項付き時間外労働協定を締結している中小事業主が、労働時間の適正化のための措置を行うこと

で、年間 100 万円を限度に助成金を受けることができます。