不 昧 公 二 〇 年 祭 記 念 菓 fumaika 不昧公200年祭・記念 …月 光 で 眺 め...
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不昧公(1751~1818)は、江戸赤坂に生まれ、
元服の際に将軍家治から一字授かり治好
と称し、その後明和 4 年 17 歳で松江藩
松平家7代藩主となり出羽守治郷と称した。
不昧公は藩主として治世にあたるとともに、
文化を愛し、とりわけ茶の湯に執心し、
茶人として茶道界に大きな足跡を残しています。
松平不昧公
不 昧 公 2 0 0 年 祭
松平不昧は没後200年を迎えます。
松江藩の中興の祖として名高い七代目、
松平治郷は当時財政難であった松江藩
を後世「御立派の改革」と呼ばれる財政
再建策を進め、立て直しました。
一方、若年の頃から学んだ茶の湯や禅を
もとに石州流を基本としながらも、
自らの茶道観により一家をなしました。
後半には、大名家からの茶器の散逸を
危惧し名器名物等収集、更に調査記録し、
茶道具の保護と継承に努めました。
それらは「雲州蔵帳」に記載されて宝物、
大名物、中興名物などに分類され、現代で
も茶の湯や美術愛好家から高い評価を受
け続けています。また、藩内でも積極的に
美術振興を図り陶芸、漆工芸、木工芸の
分野でも多くの名工を育てました。
不昧公の確かな審美眼による「ワビ、
サビ」の基準は、近代の茶人にとっても
一つの指標とされ、没後二百年を経た現
在も日本茶道史上に輝き続けています。
松平不昧公肖像画(月照寺蔵)
茶杓 銘「うの花」松平不昧作(松江歴史館蔵)
12
茶の湯は稲葉に置ける朝露のごとく、
枯野に咲けるなでしこのやうにありたく候。
不昧公とお菓子
不 昧 公 2 0 0 年 祭
松平不昧は没後200年を迎えます。
不昧公が目指した茶道は、後に不昧流として伝えられ
茶会で使われたお菓子の数々は「不昧公お好み」の
名で現在にも受け継がれています。水の都・松江は
京都、金沢とともに菓子処としても有名です。
この茶の湯文化に育まれたお菓子は華美なものでは
なく、あくまでも茶菓子として、お茶席を補完させる
ためのものでした。公のお好みには和歌を添え、
ふさわしい菓銘を授けました。
今日、不昧公お好みとして復刻されている中で三大
銘菓として、春の茶席で用いられた萌え出ずる新緑の
風情を表現した求肥製の「若草」、秋には紅葉と谷川の
水を紅白の落雁で表した「山川」、舞い遊ぶ蝶の模様を
散らした「菜種の里」がつとに著名です。
そのほかにも不昧公お好み菓子銘の数々が松江の
和菓子処の店頭を賑わせています。
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不
昧
公
の
遊
び
ご
こ
ろ
不 昧 公 2 0 0 年 祭
松平不昧は没後200年を迎えます。
和
美
×
茶
美
不昧公没後二百年を迎え、公ゆかりの
茶花、和歌、歴史などを参考に
茶の湯に融合させる現代の創作菓子を
伝統の技と厳選した素材、そして新たな
視点から各店が提案します。不昧公の遺徳を偲びながら
茶の湯文化の継承と、さらなる進歩を願いつつ
「不昧菓」として発信してまいります。
今回の松江市内七社の和菓子処による「春夏・不昧菓」、
続編の「秋冬・不昧菓」の創作にもご期待ください。
FU
MA
IK
A
56
松江藩松平家二代綱隆によって別荘が設けられた楽山は、
廃藩後は行楽の場として「お山」の名で市民に親しまれた。
中ほどにある弁天池は御山池という名が残っているが、
池岬に弁財天が祀られていることからその名で呼ばれる
ようになった。春は桜、夏は「※
睡蓮」、秋は紅葉、冬は
雪景色と四季折々の美しさがある。古の御山池の水面に
揺れる水紋、緩やかに泳ぐ小魚の姿を写した創作菓である。
御山池
【一力堂】
練り切り
おやまいけ
※
睡蓮/池の約八割を占める睡蓮は夏から初秋、一面に白い花を咲かす。
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不昧公の茶会記録に「山椒餅」を用いた記録が残されて
いる。出雲地方で栽培された歴史は古く、出雲國風土記
(七三三年)にも記載があり、当時は薬草として珍重されて
いたという。そんな刺激のある、痺れを伴う※
山椒を餅に
練り込み、茶会で供されたとは、なんとも風流な趣向である。
そんな当時に思いを馳せ、今も奥出雲で栽培されている
山椒を取り寄せ、菓子としてここに再現した。
山椒餅
【桂月堂】
餅菓子
さんしょもち
※
山椒/ミカン科サンショウ属の落葉低木。別名はハジカミ。
島根県雲南市「出雲八山椒」で栽培された山椒を使用。
910
不昧公の正室・
姫が仙台・伊達藩から嫁がれた際、
持参して植えたとされる松。歴代藩主が郊外の別荘に
出掛けられる折、この松を目印に舟を繋いだことから
「※
舟つきの松」と呼ばれ、長く松江市民に愛された。
平成二十一年、惜しまれつつ伐採され、現在はその姿を
見ることはできない。不昧公二〇〇年祭にちなみ、
この松を和菓子として復刻した。
舟つきの松
【彩雲堂】
練り切り
ふなつきのまつ
※
舟つきの松/高さ六・七m、幹回り三・六m。樹齢約三〇〇年の老松。
傘状に優美な枝が広がる姿はまるで盆栽のような姿であった。
しずひめ
1112
「出雲なんきん」は不昧公が愛玩した金魚として語り
継がれています。清楚で美しく、上品で奥ゆかしい姿に
自らも天井に硝子を張り、月光で眺めたと伝えられています。
また、将軍家への「※時献上」として松江藩の「※
大庭梨子」が
献上されていたと記録されています。不昧公が愛でた
「出雲なんきん」に想を得て、淡雪に梨の風味を添えて
春夏らしい爽やかな和菓子を創作いたしました。
出雲なんきん
【三英堂】
淡雪
いずもなんきん
※
時献上/国元の特産品を献上する儀式。
※
大庭梨子/現在は途絶えている。
1314
松江城にほど近い月照寺は歴代松江藩松平家の菩提寺。
山門正面にある飾り葡萄の透かし彫りが見事な不昧公の
廟門は名工「※小林如泥」の作。境内に大きな亀の背に
のった石碑は六代藩主宗衍の寿蔵碑。この大亀は夜ごと
城下へ出かけたという伝説がある。また、境内には紫陽花が
ところ狭しと咲き誇り「※山陰の紫陽花寺」ともいわれる。
不昧公ゆかりの月照寺の大亀と紫陽花を創作菓とした。
大亀と紫陽花
【福田屋】
練り切り
おおがめとあじさい
※
小林如泥/江戸後期の不昧公につかえた木彫、木工家。
※
山陰の紫陽花寺/梅雨時期には境内に約三万本の紫陽花が咲き誇る。
1516
不昧公の隠退後の茶会記(安永四年〜文化十四年)の
中に当時、薄霞が「※
六種の不昧公好み」の一つと
称されている。「春なれや
名もなき山の
薄霞」芭蕉の
句にも表されている薄霞がうっすらと棚引き、春はもうすぐ
そこまで…
そんな春待ちの想いを一刷毛、霞を
水彩画のように練り切りの淡い五色で表現した。
薄霞
【風流堂】
練り切り
うすがすみ
※
六種の不昧公好み/松葉、薄霞、麦落雁、粒餡羊羹、松かさね、山吹かさね。
1718
城山公園には赤、ピンク、白など様々な色のヤブ椿がある。
不昧公など椿の好きな藩主が参勤交代時に江戸や京都から
苗を持ち帰り、「※
椿谷」に植えたことから多様な品種が
生まれたといわれている。茶人の間の侘び寂びの世界で
独特の進化を遂げてきた椿は、茶花の女王の異名を持つ
日本を代表する花であり、松江市の市花でもある。
不昧公と共に、親しまれているヤブ椿を創作菓とした。
ヤブ椿
【豊月堂】
練り切り
やぶつばき
※
椿谷/日本の三大椿群生地。樹齢四〇〇年を越す椿も見られる。
1920
伝統の技と、遊びごころで個性を競う不昧公200 年祭・記念菓子「不昧菓」。
不昧菓は下記の7店でお求めいただけます。
至安来
山陰
本線
JR松江駅
国道9号
●NHK
県立美術館●
嫁ヶ島
宍道湖
至平田
松江しんじ湖温泉駅
宍道湖大橋
くにびき大橋新大橋松江大橋
合同庁舎●
●市役所
●県警
卍月照寺
●県庁
舟つきの松跡∴
●県民会館
●松江歴史館
●松江城
❶ 一力堂 ❷ 桂月堂 ❸ 彩雲堂 ❹ 三英堂
❺ 福田屋 ❻ 風流堂 ❼ 豊月堂
❼
❻
❶
❷
❺
❹
❸
住所 島根県松江市末次本町53TEL 0852-28-5300営業時間 9:30~18:30定休日 元日のみhttp://www.ichirikido.jp/
姫小袖
松江藩のお留め菓子「姫小袖」をはじめ
松江伝統の味わいを今に伝えます。
「姫小袖」は松江藩主用命の
折にのみ製造を許された
伝統銘菓。和三盆を伝来の
製法で精製し、皮むき餡と
打ち上げた上品な口解けは
殊にお茶席で好まれ御愛顧
頂いております。
創業二七〇年、松平不昧公の御用達
菓子司
御山池
おやまいけ
〈練り切り〉
❶
FU
MA
IK
Aご案内マップ
2122
舟つきの松
ふなつきのまつ
〈練り切り〉
❸
住所 島根県松江市天神町124TEL 0852-21-2727営業時間 9:00~18:00定休日 元日のみhttp://www.saiundo.co.jp
和菓子職人の認定制度「選・和菓子職」で
優秀和菓子職に認定された職人が作っています。
松江代表銘菓、不昧公好み
「若草」をはじめ、不昧公
二〇〇年遠忌記念生菓子
「不昧公茶禅一味」を創作、
期間限定で販売いたして
おります。彩雲堂各店で
お求めいただけます。
創業明治七年、茶処松江の菓子老舗
伝統の技と、遊びごころで個性を競う不昧公200 年祭・記念菓子「不昧菓」。
山椒餅
さんしょもち
〈餅菓子〉
❷
住所 島根県松江市天神町97TEL 0852-21-2622営業時間 9:00~19:00(冬季は18:00)
定休日 元日のみhttp://www.keigetsudo.jp/
「薄小倉」、「出雲三昧」等の銘菓や、
季節を移ろう上生菓子を取り揃えています。
三度の蜜づけを三日間
重ねて漬け込んだ大納言
小豆を丁寧に炊き上げて、
錦玉(きんぎょく)を
流し込み、じっくりと窯で
乾燥させた和菓子の逸品
です。
創業文化六年(一八〇九年)の松江の老舗菓子舗
薄小倉若草
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大亀と紫陽花
おおがめとあじさい
〈練り切り〉
❺
住所 島根県松江市中原町159TEL 0852-27-4888営業時間 8:00~19:00定休日 年中無休http://www.matsue-fukudaya.com
看板商品「柚餅子」の柚子は地元産の柚子を
使用する等、原材料にこだわっています。
伝統銘菓「柚餅子」は島根県
益田市美都町産の芳香な
柚子を皮ごと使っています。
やわらかな求肥の食感に
ほのかに柚子の香りが
お口の中でやさしく広がる
こだわりの逸品です。
創業大正二年、松江銘菓柚餅子本舗
出雲なんきん
いずもなんきん
〈淡雪〉
❹
住所 島根県松江市寺町47TEL 0852-31-0122営業時間 9:00~18:00定休日 元日のみhttp://www.saneido.jp
創業以来の独自の技術を伝承し、
美麗で繊細な御菓子を作り続けています。
『菜種の里』
松江藩の名君、不昧公
命名の「菜種の里」は
不昧公三大銘菓の一つ。
春の菜の花畑に白い蝶が
飛びかう様を菓子に表現
した三英堂相伝の銘菓です。
昭和四年創業、不昧公三大銘菓が唯一揃う老舗菓子司
伝統の技と、遊びごころで個性を競う不昧公200 年祭・記念菓子「不昧菓」。
松江茶菓一会
菜種の里柚餅子
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伝統の技と、遊びごころで個性を競う不昧公200 年祭・記念菓子「不昧菓」。
ヤブ椿
やぶつばき
〈練り切り〉
❼
住所 島根県松江市寺町151TEL 0852-21-3241営業時間 9:00~19:00(日祝・1月、2月は18:00)
定休日 元日のみhttp://www.furyudo.jp/
地域と共に、人と共に、歩み続けて八十余年
愛され、親しまれる城下町の和菓子処です。
四百年にわたって松江市の
末次と白潟を結び城下町の
シンボルとして親しまれた
松江大橋。その擬宝珠を形
どった粒あんの大橋最中は
水郷の町の風情を醸し出す
商標登録の松江銘菓です。
昭和四年創業、城下町・松江の和菓子処です。
薄霞
うすがすみ
〈練り切り〉
❻
住所 島根県松江市横浜町66-1TEL 0852-21-3795営業時間 月~土 8:00~18:30 日曜日 8:30~12:00定休日 元日
明治二十三年創業。お茶人に、街の人に、
旅の人に、ご愛顧頂く百二十余年の老舗です。
不昧公随一のお好みお菓子
「山川」は二代目隆平が復刻
し、公の一〇〇年忌の茶会で
評判となり全国に広がりま
した。しっとりとした口ど
けの良い打ちもので日本三
大銘菓に数えられています。
松江の代表銘菓「山川」「朝汐」の本舗です。
豊月堂
山川大橋最中
2728
[東京展]
4月21日~6月17日
三井記念美術館
東京都中央区TEL:03-5777-8600
不昧公の蒐集名物を中心に茶道文化を通じて、洗練された美意識と芸術文化の一端を紹介する東京・松江の特別展。
[松江歴史館]
「松平不昧-茶のこころ」
7月13日~8月26日
松江市TEL:0852-32-1607
[田部美術館]
「没後200年 松平不昧公展」
10月6日~11月11日
松江市TEL:0852-26-2211
[八雲本陣]
「不昧公と八雲本陣」
10月5日~11月26日
松江市TEL:0852-66-0136
[絲原記念館]
「奥出雲・絲原家に伝わる茶道具の美」
9月13日~12月28日
奥出雲町TEL:0854-52-0151
[手錢記念館]
「出雲工芸-不昧公が育んだ形と心」
5月12日~7月30日
出雲市TEL:0853-53-2000
[可部屋集成館]
「不昧公が訪れた櫻井家・庭園“岩浪”」
3月20日~12月7日
奥出雲町TEL:0854-56-0800
[出雲文化伝承館]
「没後200年 不昧-茶とその人物-」(仮称)
10月13日~11月25日
出雲市TEL:0853-21-2460
[島根展]
9月21日~11月4日
島根県立美術館
島根県松江市TEL:0852-55-4700
出雲部に点在する不昧公ゆかりの7ミュージアムで記念の企画展を開催。
◎茶の湯堀川遊覧船
◎没後200年特別展 大名茶人・松平不昧
◎ミュージアム記念企画展
期間:4月1日~12月末(毎日運航)料金:大人1,730円(乗船料1,230円+抹茶和菓子代500円) 小人1,110円(乗船料 610円+抹茶和菓子代500円)発着場:堀川遊覧船ふれあい広場乗船場問合せ:堀川遊覧船管理事務所 0852-27-0417
茶室を感じる特別仕様の「茶の湯堀川遊覧船」を運航します。船内で自分で点てた抹茶と松江を代表する和菓子をいただきながら、城下町の風情と茶の湯文化を愉しんでいただきます。~堀川遊覧船で抹茶と和菓子を愉しむ~
※記載の開催期日はいずれも2018年のものです。
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