事 業 報 告 書 -...
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平成 30 年度
事 業 報 告 書
一般財団法人 対日貿易投資交流促進協会
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Ⅰ.個 別 事 業 概 況
1.ミプロ「対日貿易・投資」相談・情報コーナー運営事業
ミプロ「対日貿易・投資」相談・情報コーナーにおいて、輸入・投資に関する手続き等の情
報提供、輸入製品の安全対策相談、模倣品対策相談、会社設立、在留資格等対日投資に係わ
る許認可、諸手続きに関する相談及び情報提供を実施した。
また、対日アクセスや対日投資に係る資料を作成した。作成資料はミプロでの配布、セミナ
ー、展示会等での配布の他、在日外国公館、日本貿易振興機構の本部(東京・大阪)及び貿
易情報センター(全国48ヶ所)、全国の中小企業支援センターや各地の税関等へ提供した。
作成資料はミプロのHPからダウンロードが可能であり、年間ダウンロード件数は
418,362 件であった。
また、電話・文書による相談及び直接カウンター窓口での相談など同コーナーの利用者数
は、年間 4,106 人にのぼり、また、カウンター窓口での直接相談及び電話・文書・FAX 等に
よる相談件数は 7,744 件であった。
平成 30 年度ミプロ相談・情報コーナー利用状況
相 談 内 容 相談件数(来所、電話、文書)(前年)
小口輸入 7,452 (7,335)
その他貿易一般 161 (89)
投資相談 131 (98)
合 計 7,744 (7,522)
2.対日投資支援事業
我が国の重要政策課題の一つである対内直接投資拡大を推進するため、下記の事業を実施
した。
① 地方自治体向け支援事業 ・地方自治体・外資系企業ヒアリング
地域の外国企業誘致活動に資することを目的に、地方自治体等との情報交換を密にし、
その活動を情報面で支援するための一環として、自治体・外資系企業等へのヒアリング
を行うとともにミプロ対日投資促進フォーラムを開催した。
期 間:2018 年 6 月 21 日(木)
出張地:新潟県南魚沼市
出張者:法政大学グローバル教養学部准教授・博士 福岡 賢昌氏
ミプロ対日投資アドバイザー 根橋 玲子
ミプロ対日ビジネス交流支援部 吉岡 映子
内 容:行政主導で外国人起業家を地域に呼び込む体制作りが整えられつつある新潟
県南魚沼市の事例を調査するため、同市職員及び同地に起業した外国人起業
家、同外国人起業家が在籍していた国際大学関係者を訪問。南魚沼市の取り
組みや起業の経緯などをヒアリングした。
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期 間:2018 年 8 月 31 日(金)
出張地:新潟県南魚沼市
出張者:法政大学グローバル教養学部 准教授 福岡 賢昌氏
ミプロ対日ビジネス交流支援部次長 小見山 揚子
ミプロ対日投資アドバイザー 根橋 玲子
内 容:新潟県南魚沼市に立地する国際大学を訪問。同大学で地域との連携プロジェ
クトを多数手掛けてきた大学院国際経営学研究科 伊藤准教授、学長戦略室
森山氏に対し、地域の行政や地元住民等との関係や現状などについてヒアリ
ングを実施。併せて、ミプロの外国企業誘致関連事業について説明し、ミプ
ロ対日投資促進フォーラムに対する協力要請を行った。
・フォーラム開催
「地域への展開を目指せ! ~産学官で担う外国人起業家の活躍~」
日 時:2018 年 12 月 3 日(月)14:00~16:00
会 場:都道府県会館 402 会議室
講演者:【基調講演】
南魚沼市役所産業振興部商工観光課 主事 小林 亮平氏
アダムイノベーションズ株式会社代表取締役 カウシャル・ワウラガラ氏
アダムイノベーションズ株式会社 シニアマネージャー 茂木 浩介氏
国際大学国際経営学研究科 准教授 伊藤 晴祥氏
【パネルディスカッション】
モデレーター 法政大学グローバル教養学部 准教授 福岡 賢昌氏
及び上記基調講演者
内 容:本フォーラムは、基調講演とパネルディスカッションで構成。基調講演では
各登壇者が産学官それぞれの立場から各取り組みについて講演した。パネル
ディスカッションでは、モデレーターとパネリストの間で、南魚沼市におけ
る外国人起業家支援の現状や課題、「グローバル IT パーク」構想をはじめと
した産学官連携について活発な討論が行われた。フォーラム終了後も登壇者
と参加者との間で名刺交換、意見交換などが熱心に行われた。
参加者:35 名
・報告書作成
上記対日投資フォーラムの第 1 部の基調講演並びに第 2 部のパネル討議の内容を下記の
通り報告書としてまとめた。
2018 年度地方自治体向けミプロ対日投資促進事業報告書
「地域への展開を目指せ!~産学官で担う外国人起業家の活躍~」(200 部)
② 外国人向け起業支援事業 日本の経済を活性化し雇用を創出するためには、創業を支援し起業を増加することが重
要であるが、日本人による起業だけではなく、留学やビジネスで日本に滞在する意欲ある
外国人の起業が欠かせない。これは外国人高度人材の受入れに有益であるとともに、我が国
の「内なる国際化」にも裨益する。かかる観点から、英語による「外国人向けビジネススタ
ートアップセミナー」を開催し、外国人の起業及び円滑なビジネス活動に必要なマーケット
事情、在留資格の取得や法人登記等手続面における日本の制度、労務の解説等の情報提供
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を行った。
・外国人起業家ヒアリング
期 間:2018 年 7 月 26 日(木)~27 日(金)
出張地:福岡市
出張者:ミプロ対日投資支援課 田中 麻貴
ミプロ対日ビジネス交流支援部 吉岡 映子
内 容:講師依頼のため、福岡市で起業した株式会社 ikkai の共同創業者であるトマ・ポプ
ラン氏及びジュディ・ヤスミン氏と面談。起業体験談、苦労した点などを聴取。ま
た、外国人向けスタートアップ施設として評価が高い Fukuoka Growth Next、Fukuoka
Startup Café を視察するとともに、福岡市創業・大学連携課 創業推進係長 菊池
義明氏、国家戦略特区スタートアップ担当 日浦大輔氏、コンシェルジュの穴山純
一氏より起業者のサポート体制や地域の取り組みなどについてヒアリングを実施し
た。
・セミナー開催
将来的な対日投資及び高度人材の誘致につながる可能性のある、外国人の日本での起業を
支援するため、英語で日本における起業関連情報を提供するセミナーを開催した。
「MIPRO Startup Seminar -Before you start your business-」 (1) The Role of JFC-Micro and the Creation of a Business Plan (2) The most suitable status of residence according to the structure of your business 日 時:2018 年 6 月 28 日(木)14:00~16:00
会 場:ミプロ会議室
講 師:(1)日本政策金融公庫 国民生活事業本部海外支援グループ 金子 信太郎氏
(2)ミプロ対日投資アドバイザー・行政書士 高橋 秀次
内 容:外国人事業者、在日大使館や貿易投資促進機関の担当者などを対象とし、金融機関
融資担当者の目から見た創業計画書作成のポイント及び事業形態と在留資格の関係
について情報提供を行った。融資審査における創業計画の実効性と重要性などを説
明した。
参加者:27 名
「MIPRO Startup Seminar “Fireside Chat--The Reality of Starting-up in Japan”」 日 時:2018 年 9 月 19 日(水)14:00~16:00
会 場:ミプロ会議室
講 師:Disrupting Japan 運営、起業コンサルタント ティム・ロメロ氏 Mission 500 代表取締役社長 ドナルド・スー氏
内 容:外国人留学生、在日大使館や貿易投資促進機関の担当者などを対象とし、打ち解け
た雰囲気の中、前半は起業について講師 2 名によるフリートーク、後半は講師と参
加者を交えた受講者参加型のイベントを開催。日本における外国人の起業の現実に
ついて様々な意見交換がなされた。
参加者:19 名
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「MIPRO Startup Seminar - Experience Sharing: Startup Visa—Is it a true advantage?」 (1) Creating a Startup in Japan as a Foreigner (2) Startup City Fukuoka 日 時:2019 年 2 月 21 日(木)14:00~16:00
会 場:ミプロ会議室
講 師:(1)ikkai 株式会社 代表取締役・共同設立者 ジュディ・ヤスミン氏
(2)福岡グローバル・スタートアップ・センター
コンシェルジュ 牧之瀬 英央氏
内 容:外国人留学生、在日大使館や貿易投資促進機関の担当者などを対象とし、スタート
アップビザ取得第一号のフランス人起業家と福岡市のスタートアップ支援第一人者
を講師として、体験談及び福岡市の取り組みを聞くセミナーを開催した。
参加者:20 名
③ 対日投資相談事業 ミプロ対日投資アドバイザー・行政書士による会社設立、在留資格、許認可等、日本で起
業するために必要な知識や役立つ情報を外国人及び外国支援機関等担当者向けに提供した。
④ 参考資料作成 在日外国人による起業や地方自治体の外国企業誘致活動に資する情報を整備し、参考資
料として下記資料を印刷物及びウェブサイト等で提供した。
「外国人のための起業ガイドブック(公的保険・雇用管理編)」(1,000 部)
「The Mipro Guide to Starting a Business in Japan – Public Insurance and Employment Management」 ※「外国人のための起業ガイドブック(公的保険・雇用管理編)」の英語版 (1,000 部)
⑤対日投資促進につながる対日アクセス支援事業
海外企業が我が国に対内直接投資を行う場合、その前提として、我が国市場における販路
開拓や信頼できるパートナー・取引先の発掘等を行うことが一般的であるが、将来的に対内
直接投資に結びつけていくことを目的として、海外企業のかかる対日アクセスを支援するた
め、以下の事業を実施した。
(イ) 在日大使館・商工会議所等、商務担当者会議及び対日貿易円滑化セミナー開催
在日の外国大使館・貿易振興機関・国際機関等との共同事業実施のためのネットワーク
構築とミプロ事業に対するニーズを把握するための商務担当者会議及び併催セミナーを実
施した。
・在日外国公館・商工会議所商務担当者会議およびセミナー開催
(1)「Sharing Economy in Japan-Current status & future business opportunities」 (2)「Why & how we entered the Japanese market- a Dutch company’s experience」 日 時:2018 年 11 月 20 日(水)14:00~16:00
会 場:池袋サンシャインシティ 5 階 コンファレンスルーム Room14
講 師:(1)一般社団法人シェアリングエコノミー協会事務局 二宮 秀彰氏
(2)VanMoof Japan ブランドコンテンツマネジャー デヴィット・ロバート氏
内 容:1 部では、国内外のシェアリングエコノミーの概況、日本におけるシェアリングエ
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コノミー市場の現状と展望、Sharing Economy Trust Mark、シェアリング・シティ
としての地方都市の認定、日本政府によるシェアリングエコノミー普及活動などに
ついて、幅広く説明した。2 部では、オランダ企業である VanMoof 及び VanMoof Japan
の活動概要、日本における電動自転車シェアリング事業普及の可能性について、同
社の電動自転車の優れた性能について紹介があった。
参加者:27 名(英国、カナダ、ドイツ、スイス、イタリア、カンボジア、スリランカ、
ルクセンブルグ、マケドニア、オランダ、サウジアラビア、ベトナム、ベルギー、
台湾等在京大使館、貿易振興機関、州政府事務所、商工会議所関係者など)
3. 個人事業者、中小企業等の貿易ビジネス支援事業
① 知的財産権保護等対策事業 近年、海外から流入する製品やソフトウエア等による、我が国企業の知的財産権に対す
る侵害が大きな問題となっている。そこで、単独では本格的に知財分野に対応することが
困難な中小企業・個人事業者を対象に、海外企業との取引における知的財産権侵害リスク
を低減するためのセミナーの実施や資料の作成・提供を行った。内容としては、ライセン
サーの知財権保護の観点のみならず、ライセンシーの立場から見た知的財産権におけるト
ラブルの未然防止の観点にも力点を置き、「知らなかったということで知的財産の権利を侵
害してしまうリスクを低減するために」をコンセプトにして、輸入事業者や流通業者を中
心に知財に対する意識を高めることを目的としたセミナーを実施したほか、資料作成によ
る情報提供を行った。
(イ) 知的財産権保護に関する広報事業 外国ブランドの模倣商品の輸入・製造及び流通を阻止するための資料として「外国ブラ
ンド権利者名簿 2018 年 12 月」(掲載総商標数 757、申込企業数 77 社)を 1,500 部作成し、
申込企業及び関係機関(警察、税関、関係省庁)へ配布した。
(ロ)セミナー開催
第 1 回「ファッション商品に関わる知財リスクに備える!」
日 時:2018 年 5 月 18 日(金)14:00~16:00
会 場:ミプロ会議室
講 師:GVA 法律事務所 弁護士 鈴木 景氏
GVA 法律事務所 弁護士 猿渡 馨氏
内 容:近年、各国で商標権や意匠権、不正競争防止法などの知的財産権を活用してその商
品価値を保護しようとする動きが強まっているため、海外からファッション商品を
輸入し、販売する際に留意すべき点について、2 名の弁護士が解説した。実際のト
ラブル事例や裁判例においてどのような知的財産権が関係したのか、そこから学ぶ
べき注意点は何かについて、並行輸入と商標の類似の問題や不正競争防止法、意匠
権、著作権などに係る判例を紹介し、知的財産権を学ぶ初心者にもわかりやすい内
容で実施した。
参加者:21 名
第 2 回「輸入ビジネスとはじめての知的財産権 一から学ぶ並行輸入とそのリスク
~商標権を侵害しないための留意点~」
日 時:2018 年 10 月 19 日(金)14:00~16:00
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会 場:ミプロ会議室
講 師:中山国際法律事務所 弁護士 得重 貴史氏
内 容:知的財産権の基本についての簡単な説明に続き、不正競争防止法と商標権の侵害と
なるケースの紹介、並行輸入ビジネスに存在するリスクとその対策について商標権
を中心に解説を行った。税関での輸入差止、ECサイトでの販売差し止め、損害賠
償責任を負う場合など、裁判例を多く交えて解説した。
参加者:26 名
第 3 回輸入ビジネスとはじめての知的財産権
「商標権の基礎と J-PlatPat を使った検索~輸入ビジネスに有益な商標調査の必要
性と J-PlatPat の基本操作を知る~」
日 時:2018 年 11 月 30 日(金)14:00~16:00
会 場:ミプロ会議室
講 師:LIL 国際特許商標事務所 所長 藤田 和子氏
内 容:輸入販売ビジネスを安全に進めるために商標権侵害に留意する必要がある。これを
踏まえ、商標法の目的、種類、商標権の効力範囲等の基礎について、トラブル事例
を交えて弁理士が解説した。さらに登録商標権検索ツールである J-PlatPat(特許
情報プラットフォーム)の検索実演では、事前に確認する方法を紹介した。自己判
断に陥らずに弁理士、弁護士へ相談する必要性など、実践に即したアドバイスも行
った。
参加者:24 名
第 4 回「家具・生活雑貨・事務用品…オリジナル品の輸入と知的財産権」
日 時:2019 年 1 月 30 日(水)14:00~16:00
会 場:ミプロ会議室
講 師:光和総合法律事務所 弁護士 竹岡 八重子氏
内 容:生活雑貨類は輸入自体には規制等は少ないが、商品寿命が長く、また個々の商品の
デザインが群としてブランドイメージに結びついていくことが多いため、知財訴訟
リスクが高くなることに注意が必要である。そのため、デザインの保護に関わる知
的財産権を中心に、意匠権、著作権、不正競争防止法、商標権(立体商標)につい
て、各役割や動向、活用法を講演した。
参加者:14 名
(ハ)広報資料作成
「輸入ビジネスと知的財産権 初心者のための並行輸入を学ぶ」(1,000 部)
「輸入ビジネスと知的財産権 初心者のための著作権を学ぶ」(1,000 部)
(ニ)専門家からのアドバイスに基づく相談対応、情報発信など
輸入ビジネス相談への対応として、知財分野に詳しい専門の弁護士(当協会と顧問契約を
締結)から輸入ビジネスにおける知的財産権の相談対応及び情報提供に関するアドバイス
を受け、相談への回答作成の参考とするとともに情報の蓄積を図った。
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② 製品安全等情報提供事業 身体・生命・社会生活の安全確保の観点から、輸入製品の品質、食品の安全に対する国
民の関心は高い。そこで、中小企業や個人事業者等を対象として、電波法の登録証明機関
による電波を発する製品に関する法令順守、食品衛生法の登録検査機関の専門家による海
外取引の際の食品・器具の安全確保、法令順守などをテーマとするセミナーを実施した。
(イ)セミナー開催
第 1 回「輸入事業者のための電波法講座~無線を使用する製品を輸入販売するためには」
日 時:2018 年 7 月 13 日(金)14:00~15:30
会 場:ミプロ会議室
講 師:一般財団法人テレコムエンジニアリングセンター(TELEC)
認証・試験事業本部ビジネス推進部 お客様相談室 室長 多田 隆一氏
内 容:近年の電波を発する製品の輸入販売について、問い合わせが急増している。総務省
は日本の電波法不適合品の輸入品の流通に対し、電波妨害の原因となる機器への対
応を強化している。本セミナーでは、解釈が難しい電波法の基礎情報を電波法の登
録証明機関である TELEC の講師が解説した。違反事例やドローン、ワイヤレス充電
器など新しい機器の情報も含め、輸入販売に直結した内容で開催した。
参加者:50 名
第 2 回「基礎から学ぶ 食品の輸入届出と検査」
日 時:2018 年 11 月 16 日(金)14:00~16:00
会 場:池袋サンシャインシティ・コンファレンスルーム Room4
講 師:一般財団法人 日本食品分析センター東京本部業務二課 課長 吉川 淳氏
内 容:食品の輸入通関をスムーズに行うため、登録検査機関より講師を招き、食品衛生法
の概要、輸入食品の安全確保と輸入者の責務、輸入届け出の流れを解説した。準備
すべき必要書類、各種検査の違いや留意点などの具体例、実務に基づいて詳しく説
明した。
参加者:67 名
第 3 回「知っておきたい“キッチングッズ”の輸入届出と検査」
日 時:2019 年 3 月 15 日(金)14:00~16:00
会 場:池袋サンシャインシティ・コンファレンスルーム Room9
講 師:一般財団法人 日本食品分析センター東京本部業務二課 課長 吉川 淳氏
内 容:食器などのキッチングッズの輸入通関時の検査についての相談は多く輸入者の関心
が高い。そこで食品衛生法に基づく検査と手続き上の留意点について厚生労働省登
録検査機関の専門家を講師として招き、現場の最新情報を提供した。前半で輸入品
の安全確保と輸入者の責務について説明し、輸入届け出のための自主検査では、保
税中の貨物で検査を行う場合と検査用の製品(先行サンプル)で検査を行う場合の
2つに分けて、手続きと具体的な検査手順、留意点を解説した。さらに器具・容器
包装の規格試験のポイント、食品衛生法改正によるポジティブリスト制度の導入と
今後の動向を説明した。
参加者:47 名
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(ロ)広報資料作成
製品安全に関する情報をより広く提供するため、以下の資料を作成した。
「健康食品の輸入~知っておきたい法規制~」(1,000 部)
「電池の輸入と販売」(1,000 部)
③小口輸入推進事業
輸入ビジネスの起業・創業並びに海外企業との取引きを進めることによるビジネスチャン
ス拡大および経営強化を支援するため、個別相談によるコンサルティングを主軸として、ネ
ット相談の利用拡大も図りつつ、以下の事業を実施した。
(イ)セミナー開催
輸入ビジネスの初心者・起業準備者を対象に、ミプロ貿易投資アドバイザーが海外の商
材発掘から国内販売までの流れや法規制、手続きの概要・専門用語等を解説するセミナー
を開催した。また、専門家、実務経験者による輸入手続き、販売・マーケティング方法に
伴うポイント、注意点、問題点等を紹介した。
第 1 回 第1部 始めよう!小口輸入ビジネス
第 2 部 独占販売店契約"Exclusive Distributorship Agreement"
を理解するために
日 時:2018 年 4 月 17 日(火) 13:30~16:00
会 場:ミプロ会議室
講 師:第 1 部 ミプロ貿易投資アドバイザー 芝田 政之
第 2 部 ミプロ事業推進部長 菱田 清隆
内 容:年度初め恒例の入門者対象のセミナー。小口輸入に必要な基礎知識、心構え、取り
引き先の探し方、輸入販売に関わる法規制、輸送方法と通関手続き、販売方法まで
一通りの流れを解説し、実務ではどのような点がポイントになるのか、講師の実体
験を交えながら説明した。第 2 部として、独占販売店契約について英文契約書雛型
を配布し、注意点について説明した。
参加者:41 名
第 2 回「輸入ビジネスを始めるときは-個人事業主の税務処理」
日 時:2018 年 6 月 6 日(水)13:30~16:00
会 場:ミプロ会議室
講 師:税理士 矢田 勝久氏
内 容:輸入ビジネスで起業を考えている個人事業主を主な対象者として、3年前に実施し
て好評だったテーマで、起業時の手続きやその後の税務会計処理に関して解説を行
った。開業から決算・申告までの流れ、個人事業にかかわる税金、開業の届け出、
青色申告の特典、複式簿記の流れ等についてわかりやすく説明した。加えて今回は、
ミプロ相談コーナーに多く寄せられる質問である、①個人事業を法人化するメリッ
トとその分岐点、②市販の会計ソフトの選び方、③給与所得者の副業の注意点につ
いても取り上げて解説した。
参加者:37 名
第 3 回「輸入ビジネス起業家体験談-イタリアワイン輸入のカリスマが伝授する食品輸入ビ
ジネス成功のメソッド」
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日 時:2018 年 6 月 29 日(金)13:30~15:30
会 場:ミプロ会議室
講 師:株式会社グラン・サム CEO 林 修氏
内 容:卸を通さず直接販売するビジネスで成功しているイタリアワインの輸入起業家を講
師として、輸入商材や取り引き先の探し方、先方との交渉術、輸入時の注意点、販
路の開拓、販売方法などについて、実務経験に基づくノウハウをわかりやすく解説
した。
参加者:47 名
第 4 回「食品輸入のプロが明かす 小口食品輸入の実務と販路開拓」
日 時:2018 年 9 月 14 日(金)13:30~15:30
会 場:ミプロ会議室
講 師:ミプロ貿易投資アドバイザー 中村 眞
内 容:複数の法規制、検査、許認可、品質管理などへの対応が必要となることが多い「食
品」は小口輸入者にはハードルが高い商材である反面、最も相談の多い品目でもあ
る。輸入販売時の法規制、それに係る手続き、契約、物流、流通など各段階での注
意点などを実務経験を交えながら初心者にもわかりやすく解説した。
参加者:47 名
第 5 回「輸入ビジネス事業者が話す~小口食品輸入と販路開拓」
(大阪商工会議所との共催)
日 時:2018 年 10 月 25 日(木)14:30~17:00
会 場:大阪商工会議所 4 階 401 会議室
講 師:ミプロ貿易・投資アドバイザー 中村 眞
内 容:大阪商工会議所からの要請を受け、複数の法規制、検査、許認可、品質管理などへ
の対応が必要となることが多い「食品」の輸入について、消費者の食のトレンドに
も触れながら、輸入販売時の法規制や手続き、食の品質管理、販路開拓、契約、物
流、流通など各段階での注意点などを実務経験を交えて初心者にもわかりやすく解
説した。過去のヒット商品と今後の有望商品などの実例も豊富に紹介した。
参加者:59 名
第 6 回「化粧品、医薬部外品輸入・販売手続き~医薬品医療機器等法から学ぶ~」
日 時:2018 年 10 月 26 日(金)13:30~15:30
会 場:ミプロ会議室
講 師:吉田法務事務所 行政書士・薬剤師 吉田 武史氏
吉田法務事務所 輸入実務責任者 桑田 かおり氏
内 容:化粧品や医薬部外品の輸入・販売を検討されている事業者に対し、医薬品医療機器
等法(旧薬事法)の正確な知識の啓蒙を図ることを目的として開催。商品が医薬品
医療機器等法(薬機法)上の「化粧品・医薬部外品」に該当する場合、許認可等の
手続きを要し、輸入時のハードルは格段に高くなる。そこで本セミナーでは、法の
解釈に加え関連品目の薬事該当性と化粧品・医薬部外品の輸入・販売時に必要とな
る複雑な諸手続きや許可取得要件等について、薬剤師・行政書士の講師及び輸入実
務責任者の講師より実例を交えて具体的に説明した。
参加者:41 名
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第7回「小口輸入での最適物流とは?早く、安く運ぶための実務講座」
日 時:2019 年 1 月 25 日(金)13:30~16:00
会 場:ミプロ会議室
講 師:株式会社 プロアイズ 代表取締役 吉冨 成一氏
内 容:前半では、初心者にはわかり難い国際物流の基本知識について、物流用語や荷物・
書類の流れなどを解説した。後半では、既に輸入ビジネスに取り組んでいる人にも
有益な、物流経費を抑えるポイントについて、国際商業会議所が策定した貿易取引
条件とその解釈に関する国際規則である通称「インコタームズ」の知識、経費の算
出方法、フォワーダーの探し方、選び方を貨物輸送のケーススタディを交え、詳し
く解説した。
参加者:46 名
第 8 回「通関士、フォワーダーの現場のはなし~小口輸入、混載貨物を中心に」
日 時:2019 年 2 月 22 日(金)13:30~16:00
会 場:ミプロ会議室
講 師:日本通関業連合会会員 株式会社共同フレイターズ
カスタマーサービス部営業課・通関士 橋本 紗代子氏
UPS ジャパン株式会社 マーケティング部 スーパーバイザー 山本 雅弘氏
内 容:第 1 部では、輸出入の現場に携わっている通関士より、貨物の輸入通関手続きの基
本と通関業者への依頼方法を解説した。貨物の輸入通関の流れ、輸入申告に必要な
書類、関税率決定までの作業、輸入法規制にかかる手続き等について、具体例を挙
げて説明し、さらに通関業者への依頼方法、通関業者の探し方等についても解説し
た。第 2 部では、国際宅配便の顧客に様々なサービスの提案を行っている担当者よ
り、国際宅配便の活用法、注意点などを解説した。貨物と国際宅配便の違い、国際
宅配便の基本的な利用条件などを説明した後、ケーススタディにより国際宅配便サ
ービスの活用法を紹介するなどした。
参加者:39 名
・参考資料の作成
「小口輸入ビジネス入門 Small-Lot Imports Business 2018」(1,000 部) 「初心者のためのマーケティング・買い付け Q&A-発掘から販売まで―2019」(1,000 部)
(ロ) 地域等での外部セミナーへのミプロ貿易・投資アドバイザーの派遣
外部機関の依頼に基づき、ミプロ貿易投資アドバイザーを派遣した。
① 「インテリア ライフスタイル展」 2018 年 5 月 30 日~6 月 1 日 東京ビッグサイトで開催された同展示会にミプロ貿
易・投資アドバイザーの芝田政之を講師として派遣し、「はじめての小口輸入~ビジネ
ス輸入の流れ」セミナーを開催した。併せて海外からの出展企業を巡る会場内レクチ
ャーツアー及び海外ビジネスサポートデスクで貿易相談に対応した。また、会場では
ミプロ作成資料を各種配布して広報活動を行った。
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② 「IFFT/インテリア ライフスタイル リビング展 2018」 2018 年 11 月 14 日(水)~16 日(金) 東京ビッグサイトで開催された同展示会にミ
プロ貿易投資アドバイザー2 名及び職員 2 名を派遣し、後援名義貸与及び会場内の海外
ビジネスサポートデスクにおいて出展者・来場者からの貿易相談に対応した。会場で
はミプロ作成資料を各種配布して広報を行い、来場者の商談サポートを行った。
③ ドイツ連邦食糧・農業省プロジェクトにおけるドイツ食品業界視察団向け日本食品市場に関するレクチャー
2018 年 11 月 14 日(水)在日ドイツ商工会議所商務部より依頼を受け、同商工会議所
主催のシンポジウム及び商談会に参加するために来日したドイツの食品企業経営者等視
察団 20 名に対し、六本木アカデミーヒルズタワーホールで、ミプロ貿易・投資アドバイ
ザーの中村眞が、日本の食品市場に関する英語によるレクチャー「The Export Strategy of Food Products for Japan」を行った。
(ハ)インポートビジネスサポート事業
ミプロへの相談者、セミナー聴講者、海外買い付けミッション参加者等の中で、実際に商品
の輸入・販売に取り組む個人事業者・中小企業による輸入ビジネスの支援を目的に以下の専門
見本市のミプロブースにおいて商品を展示し、日本のバイヤーに広く紹介することにより販路
開拓に協力し、中小企業の競争力の強化及び貿易の拡大に寄与した。
①「第 87 回東京インターナショナル・ギフトショー春 2019」
会 期:2019 年 2 月 12 日(火)~15 日(金)
会 場:東京ビッグサイト 東 6 ホール
出展内容:国内の小口輸入起業家 4 社(出展商品:ポルトガル製コルク雑貨、イタリア
製木工掛け時計等、スペイン製革バッグ等、米国製等アクセサリー)の共同
出展によりファッション雑貨製品等を展示し、販売促進活動を実施した。ま
た、ミプロブースでは、貿易相談に対応するとともに小口輸入関連資料の紹
介・配布による広報を行った。
ミプロブースへの来場者:361 名
②「国際食品・飲料展 FOODEX JAPAN 2019」
会 期:2019 年 3 月 5 日(火)~3 月 8 日(金)
会 場:幕張メッセ 6 号館
出展内容:飲料品輸入企業 3 社(取扱商品:コスタリカ産コーヒー豆、インドの紅茶、
台湾銘茶)がミプロブースにおいて商品を展示し、商談を行った。また、ミプ
ロが作成した食品輸入及び途上国商品輸入ビジネス支援セミナーに関連する
資料等を展示・配布し、広報活動を行った。
ミプロブースへの来場者:572 名
(ニ)貿易・投資ミッション派遣事業
海外の専門見本市や卸売りショールームで商品の買付け仕入れを希望しているが単独では
参加が難しい日本の小売・卸売・起業者等の商談を支援する「ミプロ海外見本市買付け・商談
ミッション」を実施した。
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期 間:2018 年 4 月 27 日~30 日
開催地:香港コンベンション&エキシビションセンター
展示会名:香港ギフト&プレミアムフェア
出張者:ミプロ事業推進部長 菱田 清隆
ミプロ貿易・投資アドバイザー 芝田 政之
内 容:昨年に続き、海外見本市買い付けミッションを香港ギフト&プレミアムフェアに派
遣した。現地会場ではミプロ貿易投資アドバイザーが参加者の商談に立ち会いアド
バイスを行った。参加者からの展示商品への評価は高く、バッグ、スマホケース、
ファッション系雑貨、介護用品、エレクトロニクス商品などについて積極的な商談
が行われた。
参加者:16 社 19 名
期 間:2019 年 1 月 24 日~29 日
開催地:イタリア・ミラノ市フィエラミラノ見本市会場
展示会名:ミラノ HOMI ライフスタイル・トレードショー
出張者:ミプロ事業推進部長 菱田 清隆
ミプロ貿易・投資アドバイザー 芝田 政之
内 容:今回、初のヨーロッパ・イタリアでの展示会に派遣した。現地会場ではミプロ貿易・
投資アドバイザーが参加者の商談に立ち会いアドバイスを行った。参加者からの展
示商品への評価は高く、インテリア小物、腕時計、キャリーバッグ、トートバッグ、
ベルト、除菌スプレー、コーヒー器具、照明器具、脱臭剤など多岐に渡り、ヨーロ
ッパ・イタリアならではのデザインの良さ、目新しさにあふれる商品について積極
的な商談が行われた。
参加者:11 社 12 名
・海外ミッション受け入れ協力
日 時:2018 年 8 月 21 日(火)14:00~16:00
場 所:在日スリランカ大使館 会議室
内 容:ミプロの事業説明及びミプロ貿易・投資アドバイザー中村眞から「食品の対日輸出
戦略」と題し、最近の食のトレンド、日本向けパッケージング、輸入・販売の際の
許認可、日本のインポーターへのアプローチ法などについて解説した。
出席者:15 名 スリランカ・スパイス/コンセントレート対日輸出ミッションメンバー、
在日スリランカ大使館商務参事官、在日スリランカ企業関係者等
日 時:2019 年 3 月 5 日(火)14:00~15:00
場 所:ミプロ会議室
内 容:Foodex Japan 2019 の開催に併せて来日したトルコ・ガジアンテップ商工会議所会
員企業・関係者に対して、ミプロ事業の紹介、飲食料品の日本への輸出に関連する
情報を提供した。
出席者:14 名
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4.開発途上国製品ビジネス支援事業
発展途上国への産業協力と貿易の拡大に資するため、途上国製品の輸入・販売事業者や
途上国製品に詳しい専門家によるセミナーを事業者や途上国支援に係る NPO 関係者、エン
ドユーザー等を対象に実施した。
・途上国商品輸入ビジネス支援セミナー
「ミャンマーのハンディクラフトを企画、輸入、販売 ~20 年の泣き笑い奮闘記~」
日 時:2018 年 9 月 28 日(金) 14:00~16:00
会 場:ミプロ会議室
講 師:MAAMs ミャンマークラフト 代表 荒木 義宏氏
MAAMs ミャンマークラフト 店主 荒木 かほる氏
内 容 :ミャンマーの伝統的な手工芸品を企画開発、輸入販売している夫婦を講師に迎え、
事業立ち上げから 20 年間の歩みを聞いた。実体験に基づいた話は悲喜こもごもで
説得力があり、これから輸入ビジネスを始めようとしている受講者に多くのヒン
トを与えた。
参加者:30 名
・広報資料作成
「途上国商品輸入ビジネス支援セミナー 2018」(200 部)
5.ミプロ・ウエッブサイト関連
ミプロのウェブサイトを増加傾向にあるスマートフォン経由のセミナー申込みに対応す
るため、スマートフォン向けに申込みフォームを最適化し、フォームの視認性、操作性向上
を図った。
また、メールマガジンは、件名や内容等を工夫し、読者に対しセミナーやイベントなどの
最新情報をタイムリーに発信した。
6.受託事業
一般社団法人輸入住宅産業協会の事務局の管理・運営業務を受託し、「ライフスタイルプ
ランナー」資格制度など輸入住宅関連情報の広報業務や総会、各種委員会等の開催業務への
協力など幅広く輸入住宅の普及及び業界の発展に貢献した。
7.国際経済調査交流等事業
欧米各国からの製品輸入の一層の促進を円滑かつ適切に実施するため、前年度に引き続き
ワシントン事務所を運営するとともに、各国政府及び政府関係機関、経済界等との接触・交
流・情報収集等の経済交流活動を以下のとおり実施した。
・ワシントン事務所において、政府関係機関及び業界等とのコンタクトを通じ、当協会事業
の普及・啓発に努めるとともに、各種問い合わせへの積極的な対応等ワシントン事務所の
機能を活用し、以下の諸事業を実施した。
(イ) 当協会作成パンフレット、The MIPRO’s Guide to Starting a Business in Japan-Statuses of Residence-, The Guide to Food Import, The Guide to Safety Assurance for Products Imported to Japan, The Import and Sale of Food
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Regulation Guide 等の資料を米国商務省ほか、米国政府関係機関、シンクタンク、大学、研究者、主要製造業者団体等に配布した。
(ロ)対日アクセスのために、米国商務省が推進しているアジア向け輸出振興プログラ
ムに対する協力の一環として、各種商品に対する我が国市場の動向、製品安全・知
的財産保護のための法規制、各種問合せに対応した。 対日投資事業については、
米国への諸外国企業による直接投資に関する代表的な事例を取り上げ、各州政府の
投資・企業誘致の施策等、投資環境を調査し、日本の地方自治体の投資・企業進出
誘致施策への参考となる情報提供を行った。