報告書 アルミスクラップからのアルミグレード別 高度選別技...

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2018 年 10 月 31 日 報告書 実施期間 2017 年 6 月 1 日~2018 年 3 月 31 日 アルミスクラップからのアルミグレード別 高度選別技術開発 株式会社マテック 苫小牧支店 丸山 貢 日産自動車株式会社 材料技術部 服部 直樹、 小金沢 泰一

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2018年 10月 31日

報告書

実施期間 2017年 6月 1日~2018年 3月 31日

アルミスクラップからのアルミグレード別

高度選別技術開発

株式会社マテック 苫小牧支店

丸山 貢

日産自動車株式会社 材料技術部

服部 直樹、 小金沢 泰一

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概要

名称

アルミスクラップからのアルミグレード別高度選別技術開発

実施期間

2017年 6月 1日~2018年 3月 31日

開発/調査 代表者

株式会社マテック 苫小牧支店 丸山 貢

実施者

株式会社マテック 苫小牧支店 丸山 貢

日産自動車株式会社 材料技術部 服部 直樹、小金沢 泰一

目的

使用済み自動車より回収されたアルミニウム展伸材を自動車用展伸材として

リサイクルをする為に必要な高度リサイクル技術の検証を行う

実施内容

自動車用展伸材として高度リサイクルする為に必要な、選別技術の評価及び、

その前処理について、実際の使用済み自動車部品を用いて評価・検証を行う

成果

使用済み自動車のアルミニウム部品を用いて、高度選別に優れる前処理(シュ

レッダー方法)と選別技術を明らかにした(詳細 技術報告書参照)

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自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

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1. 試験の目的

2. 試験の課題

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

 近年、厳しくなる燃費規制を背景に、軽量化を目的として自動車車体へアルミニウム展伸材が適用されるケースが増加してきている。それらのアルミニウム部品は解体・破砕工程を経て、磁力選別やX線選別を行いアルミニウム原料としてスクラップ回収され、主にエンジンブロックやトランスミッションケースといった鋳物部品へリサイクルされているのが一般的であり、一方でより付加価値の高い展伸材へのリサイクルはほとんどされていない。 本取組では、今後も環境規制の強化に伴い拡大が予測されるアルミニウム展伸材を、使用済み自動車からLCA的視点においても優位性の高いアルミニウムスクラップを用いて、水平リサイクルする為に必要な高度選別技術について評価・実証を行う。

現状、使用済み自動車から回収されたアルミニウムスクラップは、展伸材への水平リサイクルはほとんど出来ていない。その理由として、以下に挙げる課題があり、それらを解決する事が必要である。①アルミニウム 5000系合金、6000系合金の混在自動車構造部品に適用されている展伸材は、多数存在するアルミニウム合金種のうち、5000系合金(Al-Mg合金)及び6000系合金(Al-Mg-Si合金)が主に適用されている。展伸材の原料としてアルミニウムスクラップを再利用する為には、回収されたアルミニウムをこの合金種ごとに選別する必要がある。現実的にはアルミニウム部品は自動車メーカー、車種毎に異なり、どの部品がアルミニウム部品なのか、更にはその中で5000系、6000系合金を把握し、選別するのは非常に困難であり、展伸材への水平リサイクルを難しくしている。②表面の塗膜形成次に、自動車の構造体に適用されている部品には、表面に防錆や加飾を目的とした塗装がされており、高度に材料種を選別する場合に一般的に用いられる含有金属量測定の阻害要因となっている。実際に含有金属量を測定する場合、塗膜は事前に削り取り、金属部分を露出させる必要があり、選別高度化への一つの阻害要因となっている。③構造体の接合更に、自動車の構造体に適用されている以上、周辺の部品と接合され構造体を構成している。実際には鉄や5000系、6000系アルミニウムなど、複数の材料が組み合わさり、接合されているケースが想定される。選別の為には、これら接合部分を事前に除去し、単体材料まで分離・解体する必要が出てくる。

以上の事から本取組の課題として、使用済み自動車のリサイクル工程で発生したアルミニウム混合物から、展伸材への再利用を目的に、以下項目を実際の自動車部品を用いて検証するものとする。1.破砕処理方法と、その状態(接合部の分離状態、表面塗膜の剥離状況、破砕後の形状)の評価2.アルミニウム合金種類別の選別技術の選定及び選別精度の検証(5000系、6000系合金種毎の選別)

1

(本取組) 自動車のアルミ水平リサイクル

現状のアルミスクラップのリサイクル

原材料

(新隗)

自動車 廃自動車

自動車部品

鋳物

アルミ

スクラップ

自動車部品

展伸材

原材料

(スクラップ)

アルミ展伸材

スクラップ

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3. 検証の材料、破砕機および選別機の選定

3-1. 材料の選定

本取組の検証用材料として、アルミニウム製 フロントフードを使用することとし、事例として日産リーフのフードを用いた。

選定の理由として、前途で挙げた5000系合金、6000系合金の双方を使用している事。また、鉄の部品を部分的に使用している事や接合部

位を有している為、検証用材料として十分であると判断した。また、検証に必要な量の確保が見込める事も選定理由として挙げられる。

外装側から見た写真 6000系

内側から見た写真 5000系 鉄部品

端部圧着状態 鉄部品

フロントフードは、車両外側から見える板とフードを開けた際に見える内側の板の2枚で構成されており、外側の板が6000系合金、内側の板が5000系合金で構成されている。また、フードが開閉する為の機構取付部分には鉄製のプレートが接合されており、今回検証すべき課題が網羅されている。

2

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

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3-2. 破砕機の選定

アルミ製フロントフードを素材毎に分離する為の破砕機は以下の3種類を使用することとした。

フロントフードを構成している各素材を、それぞれ単一素材に分離する為に一番効率のよい方法を検証する。

また、破砕後の形状、サイズ、摩擦による塗膜の除去状況等も確認し、後工程での選別機との最適な組合せも検証する。

イメージ図 2000HPカーシュレッダー イメージ図 1軸破砕機

イメージ図 2軸破砕機

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

Eldan社製 HR152Tスクリーン 75mm

御池鉄工所製 MTC-4090切断幅 100mm

3

破砕機種類 適用事例 仕様

2000HPカーシュレッダー広く廃自動車の破砕に使用されている破砕機。ハンマー式で適用範囲が広い。ハンマーで「ちぎり取る」ように破砕するため、破砕後の形状は巻き込まれた形状が多い。

LYNKS社製 2000HPシュレッダースクリーン 上:210mm 下:165mm

1軸破砕機固定歯と回転歯で破砕する。下部のスクリーンサイズに粒度が揃えやすい。木、タイヤ、ケーブルなど比較的強度の低いものの破砕に使用されるケースが多い。対象物を切り取るように破砕するため、破砕後の形状は様々。

2軸破砕機シャフトに刃物が組み合わされた軸を二本向かい合わせで回転させる事により切断するように破砕する。 前処理としての粗破砕や減溶目的で使用されるケースが多い。破砕後の形状は短冊状になる。

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3-3. 選別機の選定

選別機は以下の2種類を使用する。

透過型X線選別機 選別の仕組みとイメージ図

LIBS選別機 選別の仕組みとイメージ図

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

破砕機種類

透過型X線選別機

仕様

STEINERT社製 XSS

特徴

対象物にX線を照射し透過量を計測することにより対象物の密度を計算する事で対象物の材料種の選別を行う。詳細な判定は不向きであり、また厚みによる影響が大きい。

4

レーザー誘起ブレークダウン

分光法選別機STEINERT社製 LSS

レーザー誘起ブレークダウン分光法、通称LIBSと呼ばれる選別技術。レーザー照射により、対象物表面にプラズマを発生させ、その光の波長から含まれる成分及び量を計測する。対象物の表面にレーザーを照射する為、表面の状態(塗装、汚れ)の影響を大きく受ける。また、レーザーの焦点を連続して合わせる為、表面の激しい凹凸もLIBS選別に適さない。

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4. 実証1 マテック保有設備での破砕および透過型X線選別

4-1. 破砕試験報告

アルミ製フロントフード8枚(6kg×8枚=48kg)ずつを、下記の3種類の破砕方法で破砕し、後続の透過型X線選別に

適した破砕方法を検証した。破砕の概要は下記の通り。

各破砕方法毎に、マテック苫小牧支店にて磁力選別+サイジング(20~120mm)+ECS選別を実施した。

実施後の20~120mmECS選別回収量は以下の通り。

※サイジング及びECS、磁力選別の各フローの排出重量はページ6を参照。

破砕試験のまとめ

2000HP、1軸破砕機は5000、6000、鉄がきれいに分かれたが破砕後の形状に凹凸ができ透過型X線選別に適さない。

破砕形状となった。2軸破砕機は破砕形状は平らだが、6000、5000の圧着部分がそのまま残り切断幅に工夫が必要と思われる。

※破砕物の写真はページ6を参照。

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

破砕方法 判別方法

2000HPシュレッダー(苫小牧)外装色(6000系):白

内装色(5000系):青

1軸破砕機(石狩)外装色(6000系):黒

内装色(5000系):黄色

2軸破砕機(石狩)外装色(6000系):赤、青

内装色(5000系):緑

破砕方法 回収量

2000HPシュレッダー(苫小牧) 27kg

1軸破砕機(石狩) 28.5kg

2軸破砕機(石狩) 29.5kg

5

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【破砕試験参考資料:㈱マテック苫小牧支店 選別ライン】

(単位kg)

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

合計① ② サイズ ① ② ③

アルミくず アルミくず オーバー 鉄くず 鉄くず

① ②

2軸破砕機(石狩)

破砕方法/品種

0.5

鉄くず ダスト ダスト

2000HP

シュレッダー(苫小牧)

27.0 1.5 5.5 13.5

29.5 1.5 5.0 12.0

49.0

1軸破砕機(石狩)

28.5 2.0 4.0 12.5 0.0 0.1 0.8

0.0 0.0 1.0

1.5 49.4

6

0.1 49.00.0 0.1 0.8

破砕

アルミパネル

磁気ドラム

(磁力選別)鉄くず ①

トロンメル

(サイジング)

磁着物

磁気ドラム

(磁力選別)鉄くず ③

ECS

(渦電流選別)アルミくず ②

ダスト ②

磁気ドラム

(磁力選別)鉄くず ②

ECS

(渦電流選別)アルミくず ①

透過型X線選別

ダスト ①

オーバーサイズ

非磁着物

120mm-

0-20mm20-120mm

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【破砕試験参考資料:破砕試験の破砕物写真】

2000HPシュレッダー(苫小牧)

1軸破砕機(石狩)

2軸破砕機(石狩)

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

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4-2. 透過型X線選別

破砕試験で得た下記の原料を透過型X線にて選別を行った。

2000HPシュレッダー破砕品

破砕形状によるX線透過量への影響が大きいため、選別精度が出ず透過型X線選別は適用不可。

1軸破砕機破砕品

破砕形状によるX線透過量への影響が大きいため、選別精度が出ず透過型X線選別は適用不可。

2軸破砕機破砕品

下記の工程1~3の要領で、透過X線選別に適した原料を作成した。

(ページ9につづく)

8

1 目視で外装、内装に選別(内外装が2重になっているものは内装としてカウント)内装(5000系):18.5kg

外装(6000系):10.9kg 合計29.4kg

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

破砕方法 回収量

2000HPシュレッダー(苫小牧) 27kg

1軸破砕機(石狩) 28.5kg

2軸破砕機(石狩) 29.5kg

工程 工程概要 取得データ

2 工程1の2ロットをそれぞれX線選別(設定:6000狙い MD1.0)内装(5000系):反応9kg、無反応9.5kg

外装(6000系):反応10.3kg、無反応0.6kg

3工程2から得た内装 無反応9.5kgと外装 反応10.3kgをミックスしX線選別用原料を作成

5000系9.5kg+6000系10.3kg=19.8kg

破砕品27kg

透過型X線選別

6000狙い

6000系アルミ26kg

5000系アルミ1kg

反応

無反応

破砕品28.5kg

透過型X線選別

6000狙い

6000系アルミ27kg

5000系アルミ1.5kg

反応

無反応

破砕品29.4kg

目視選別内装5000系

18.5kg

外装6000系10.9kg

透過型X線選別

6000狙い

【工程2】【工程1】

透過型X線選別

6000狙い

6000系9kg

5000系9.5kg

5000系0.6kg

6000系10.3kg

反応

無反応

反応

無反応

【工程3】

実験用原料19.8kg

内外装2重

が多い

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4-2. 透過型X線選別(つづき)

2軸破砕機破砕品(つづき)

下記の工程4~6の要領で、透過X線選別、目視選別を行った。

アルミ製フロントフード素材構成は下記の表の通りであり、6000系アルミは約65%回収できた。

工程5 反応側 工程5 無反応側

9

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

工程 工程概要 取得データ

4 工程3で得た実験用原料をX線選別(設定:6000狙い MD1.0) 反応16kg、無反応3.8kg

5 工程4で得た2種類の原料を目視選別反応 6000系:13.3kg、5000系:2.7kg

無反応 6000系:0.7kg、5000系:3.1kg

6 工程5で得た反応側6000系と無反応側5000系の2種類の原料を目視選別6000系:12.2kg、5000系:1.1kg

6000系:0.6kg、5000系:2.5kg

64.9%

品種 重量(kg) 割合 8枚あたり重量(kg) 回収量(kg) 回収率

6000系アルミ 2.35 39.2% 18.8 12.2

5000系アルミ 1.59 26.5% 12.72

鉄 1.83 30.5% 14.64

その他 0.23 3.8% 1.84

6.0 100.0% 48.0

実験用原料19.8kg

透過型X線選別

6000狙い

【工程5】【工程4】

6000系13.3kg

5000系2.7kg

5000系3.1kg

6000系0.7kg

反応

無反応

5000系3.8kg

6000系16kg

溶解・分析へ

目視

選別

目視

選別

【工程6】

6000系12.2kg(91.4%)

5000系1.1kg(8.5%)

5000系2.5kg(80%)

6000系0.6kg(20%)

目視

選別

目視

選別

今回の試験は

8枚/48kg使用

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4-3. 溶解

透過型X線選別で作成した6000系、5000系の試料を溶解し、発光分光測定用のインゴットを作成した。

均一化

溶解前に2軸破砕機で約3cm角に破砕し均一な試料とした。

6000系(外装) 5000系(内装)

溶解

高周波誘導炉で溶解。

加熱容器は黒鉛坩堝(日本ルツボ #10)を使用し、アルゴンガスを吹き付けながら溶解。

フラックスとして、フッ化ナトリウムと塩化ナトリウムを1%ずつ添加した。

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

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4-3. 溶解 続き

溶解結果

4-4. 発光分光測定

溶解で作成した6000系が8ロット、5000系が2ロット、及びアルミ製フロントフードの外装、内装を各1サンプル分析した。

分析方法は上記の合計12検体を各3ヶ所測定することとした。

主要な分析結果は以下の通り。詳細結果は次ページの表の通り。

主要元素の分析結果およびリーフフロントフード純正素材との比較

分析装置

外装(左)、内装(右)

4-5. 実証1 まとめ

①破砕方法の検討:2000HP、1軸破砕機の破砕品は形状因子による影響が大きく、透過型X線選別では選別精度が出ない。

②破砕方法の検討:2軸破砕品は部品外周の圧着部分が分離されず内装外装が重なったものが発生し破砕方法の検討が必要。

③2軸破砕品で透過型X線選別を実施した結果、一定の選別精度が出たが内外装の厚み差によるものと考えられる。

④透過型X線選別で得た選別後のアルミスクラップの展伸材への再利用要否の確認と再現性評価の実施。

5000系

A-1~A-8

2.99 2.42 0.54 80.9% 2 B-1~B-2

12.80 9.62 3.26 75.2% 8

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

品種 Si Cu Mg Zn Al

品種 溶解重量メタル

回収重量ドロス重量 回収率

インゴット個数

インゴット番号

2軸破砕機6000系

97.43%

6000系アルミ 1.39% 0.60% 0.66% 0.10% 96.39%

外装 1.10% 0.70% 0.48% 0.01%

95.33%

差 0.29% -0.10% 0.18% 0.09% -1.04%

5000系アルミ 0.49% 0.20% 3.05% 0.08%

0.50%

内装 0.09% 0.05% 4.36% 0.02% 94.83%

差 0.39% 0.16% -1.31% 0.07%

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分析結果

0.016

0.001

96.393

6000系

5000系

0.043

0.007

0.019

0.020

0.002

0.016

0.091

0.021

0.098

0.116

0.006

0.007

平均

1.388

0.418

0.595

0.081

0.663

0.001 0.001

96.933 94.867 96.567 96.767 97.033 96.467

0.016 0.018

0.015 0.021 0.014 0.015 0.008 0.016

0.001

0.015

0.017 0.024

0.002 0.002 0.002 0.002 0.002 0.002

0.003 0.003

0.018 0.036 0.011 0.015 0.016 0.019

0.004

0.003

0.003 0.006

0.041 0.048 0.048 0.048 0.025 0.048

0.086 0.182

0.006 0.013 0.007 0.006 0.002 0.004

0.006

0.096

0.005 0.006

0.065 0.218 0.055 0.058 0.051 0.118

0.533 0.411

0.083 0.252 0.055 0.060 0.034 0.042

0.002

0.770

0.594 0.627

0.069 0.056 0.077 0.085 0.095 0.091

1.657

0.359 0.653 0.301 0.250 0.221 0.284

0.567

1.227 1.260

V[%] 0.023

Sr[%] 0.003

Sn[%] 0.018

Al[%] 95.333

Sb[%] 0.001

Zr[%] 0.021

0.019

0.003

0.025

0.019

0.001

95.500

0.017

0.003

0.020

0.023

0.001

95.167

Bi[%] 0.011

B[%] 0.006

Ti[%] 0.124

Pb[%] 0.031

P[%] 0.005

Ca[%] 0.040

0.112

0.008

0.011

0.048

0.009

0.035

0.135

0.004

0.012

0.032

0.001

0.026

Mg[%] 3.053

Mn[%] 0.216

Cu[%] 0.205

Zn[%] 0.081

Ni[%] 0.003

Cr[%] 0.064

0.200

0.186

2.840

0.078

0.002

0.100

0.209

0.246

3.267

0.051

0.003

0.063

Fe[%] 0.283

Si[%] 0.482 0.488

B-1 B-2 平均

0.314

0.494

0.251

Al[%] 96.300 96.400

0.001 0.001Sb[%] 0.001 0.001 0.001

Zr[%] 0.017 0.018

0.014 0.015V[%] 0.018 0.015 0.012

Sr[%] 0.003 0.003

0.006 0.013Sn[%] 0.042 0.009 0.004

Pb[%] 0.020 0.018

0.012 0.008P[%] 0.009 0.008 0.007

Ca[%] 0.043 0.047

0.007 0.012Bi[%] 0.005 0.009 0.007

B[%] 0.004 0.007

0.098 0.085Ti[%] 0.138 0.111 0.092

0.445 0.896 0.764

Zn[%] 0.111 0.081

0.004 0.003Ni[%] 0.060 0.005 0.004

Si[%] 1.387 1.283

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

A-1 A-2 A-3 A-4 A-5 A-6 A-7 A-8

1.193 1.720 1.377

内装5000 外装6000

Si[%] 0.094 1.097

Fe[%] 0.588 0.347

Mn[%] 0.087 0.078

0.586 0.561Cu[%] 0.618 0.575 0.588

Cr[%] 0.097 0.095

0.508 1.410Mg[%]

Fe[%] 0.241 0.143

Cu[%] 0.049 0.700

Mn[%] 0.302 0.045

Mg[%] 4.363 0.483

Cr[%] 0.039 0.041

Ni[%] 0.005 0.007

Zn[%] 0.015 0.008

Ti[%] 0.029 0.019

B[%] 0.002 0.002

Bi[%] 0.000 0.001

Ca[%] 0.002 0.002

P[%] 0.000 0.000

12

Al[%] 94.833 97.433

フロンドフード

V[%] 0.013 0.013

Zr[%] 0.001 0.002

Sb[%] 0.002 0.001

Pb[%] 0.000 0.000

Sn[%] 0.000 0.001

Sr[%] 0.000 0.000

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5. 実証2 ドイツ STEINERT社でのLIBS選別

LIBS選別用に実証1で使用したものと同じもの準備した。(4-1参照)

5-1. 2000HPシュレッダー破砕品

工程1、工程2を通じた5000系、6000系の回収結果は以下の通り。

工程1、工程2で回収したものを目視選別で、5000系、6000系に選別した結果は以下の通り。

67.5%合計 17.40 5.65 32.5% 11.75

92.3%

無反応 1.10 0.25 22.7% 0.85 77.3%

6000系-2 1.30 0.10 7.7% 1.20

97.2%

5000系-2 1.10 1.00 90.9% 0.10 9.1%

6000系-1 8.85 0.25 2.8% 8.60

5000系-1 5.05 4.05 80.2% 1.00 19.8%

品種 重量(kg) 5000(kg) % 6000(kg)

無反応 1.10 6.3%

合計 17.40 100%

6000系-1 8.85 50.9%58.3%

6000系-2 1.30 7.5%

29.0%35.3%

5000系-2 1.10 6.3%

13

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

品種 重量(kg) % %

破砕方法 回収量

2000HPシュレッダー(苫小牧) 17.4kg

1軸破砕機(石狩) 22.85kg

2軸破砕機(石狩) 16.45kg

5000系-1 5.05

SS破砕品17.4kg

LIBS選別内装5000系-1

5.05kg 29.0%

外装6000系-1

8.85kg 50.9%

【工程2】【工程1】

5000系-2

1.10kg 31.4%

6000系-2

1.30kg 37.2%

無反応

1.10kg 31.4%

無反応

3.50kg 20.1%LIBS選別

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5-2. 1軸破砕品

工程1、工程2を通じた5000系、6000系の回収結果は以下の通り。

工程1、工程2で回収したものを目視選別で、5000系、6000系に選別した結果は以下の通り。

5000系-2 1.80 7.9%

55.8%

無反応 2.20 0.55 25.0% 1.60 72.7%

合計 22.85 10.00 43.8% 12.75

86.5%

11.1%

6000系-2 2.60 0.35 13.5% 2.25

5000系-2 1.80 1.55 86.1% 0.20

85.4%

5000系-1 7.00 6.20 88.6% 0.80 11.4%

6000系-1 9.25 1.35 14.6% 7.90

30.6%38.5%

無反応 2.20 9.6%

合計 22.85 100%

品種 重量(kg) 5000(kg) % 6000(kg)

14

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

6000系-1 9.25 40.5%51.9%

6000系-2 2.60 11.4%

品種 重量(kg) % %

5000系-1 7.00

1軸破砕品22.85kg

LIBS選別内装5000系-1

7.00kg 30.6%

外装6000系-1

9.25kg 40.5%

【工程2】【工程1】

5000系-2

1.80kg 27.3%

6000系-2

2.60kg 39.4%

無反応

2.2kg 33.3%

無反応

6.6kg 28.9%LIBS選別

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5-3. 2軸破砕品

工程1、工程2を通じた5000系、6000系の回収結果は以下の通り。

工程1、工程2で回収したものを目視選別で、5000系、6000系、2重のものに選別した結果は以下の通り。

品種 重量(kg) % %

5000系-1 6.20 37.7%44.1%

5000系-2 1.05 6.4%

48.6%

無反応 2.65 0.30 11.3% 1.50 56.6%

合計 16.45 3.85 23.4% 8.00

69.2%

5000系-2 1.05 0.35 33.3% 0.25 23.8%

6000系-2 1.95 0.05 2.6% 1.35

88.0%

5000系-1 6.20 3.00 48.4% 0.85 13.7%

6000系-1 4.60 0.15 3.3% 4.05

品種 重量(kg) 5000(kg) % 6000(kg)

合計 16.45 100%

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

2重 %

2.35 37.9%

6000系-1 4.60 28.0%39.8%

6000系-2 1.95 11.9%

無反応 2.65 16.1%

0.40 8.7%

0.45 42.9%

0.55 28.2%

15

0.85 32.1%

4.60 28.0%

2軸破砕品16.45kg

LIBS選別内装5000系-1

6.20kg 37.7%

外装6000系-1

4.60kg 28.0%

【工程2】【工程1】

5000系-2

1.05kg 18.6%

6000系-2

1.95kg 34.5%

無反応

2.65kg 46.9%

無反応

5.65kg 34.3%LIBS選別

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5-4. 素材別回収率および回収率

2000HPシュレッダー破砕品  

・2000HPシュレッダーで破砕した後の選別回収品が素材構成に最も近い。

・2軸破砕品は無反応物が一番多い。塗装膜が除去できていないと推測。

1軸破砕品

2軸破砕品

58.3%6000系-2 1.30 7.5%

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

品種 重量(kg) % %

5000系-1 5.05 29.0%35.3%

5000系-2 1.10 6.3%

6000系-1 8.85 50.9%

無反応 1.10 6.3%

合計 17.40 100%

品種 重量(kg) % %

5000系-1 7.00 30.6%38.5%

5000系-2 1.80 7.9%

6000系-1 9.25 40.5%51.9%

6000系-2 2.60 11.4%

無反応 2.20 9.6%

合計 22.85 100%

品種 重量(kg) % %

5000系-1 6.20 37.7%44.1%

5000系-2 1.05 6.4%

6000系-1 4.60 28.0%39.8%

6000系-2 1.95 11.9%

16

無反応 2.65 16.1%

合計 16.45 100%

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5-5. 回収物の選別精度

2000HPシュレッダー破砕品  

4ヶ所の平均

1軸破砕品

4ヶ所の平均

2軸破砕品

4ヶ所の平均

48.6% 4.60 28.0%

59.7%

合計 16.45 3.85 23.4% 8.00

69.2% 0.55 28.2%

無反応 2.65 0.30 11.3% 1.50 56.6% 0.85 32.1%

6000系-2 1.95 0.05 2.6% 1.35

88.0% 0.40 8.7%

5000系-2 1.05 0.35 33.3% 0.25 23.8% 0.45 42.9%

6000系-1 4.60 0.15 3.3% 4.05

0.10

% 2重 %

5000系-1 6.20 3.00 48.4% 0.85 13.7% 2.35 37.9%

品種 重量(kg) 5000(kg) % 6000(kg)

11.1%

0.80 11.4%

14.6%

44% 12.75 55.8%

品種 重量(kg) 5000(kg) %

0.20

1.20 92.3%

7.90 85.4%

32.5% 11.75 67.5%

% 6000(kg) %

19.8%

86.1%

88.6%

90.9%

0.85 77.3%

7.7%

0.10 9.1%

0.35 13.5% 2.25 86.5% 86.7%

0.55 25.0% 1.60 72.7%無反応 2.20

合計 22.85

6000系-1 8.85

6000系-2 2.60

1.55

5000系-1 7.00

6000系-1 9.25

6.20

5000系-2 1.10

無反応 1.10 0.25

1.00

10.00

1.35

6000系-2 1.30

17

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

5000系-2 1.80

0.25 2.8% 8.60 97.2%

6000(kg) %

5000系-1 5.05 4.05 80.2% 1.00

品種 重量(kg)

合計 17.40 5.65

5000(kg)

90.1%

22.7%

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5-6. 溶解試験

2000HP、1軸破砕機の試料からLIBS選別で作成した5000系-1、6000系-1の各々1/2を溶解し、

発行分光測定用のインゴットを作成した。

2000HP試料 5000系-1:2.45kg 6000系-1:4.19kg

1軸破砕機試料 5000系-1:3.44kg 6000系-1:4.62kg

均一化

溶解前に2軸破砕機で約3cm角に破砕し均一な試料とした。

溶解

高周波誘導炉で溶解。

加熱容器は黒鉛坩堝(日本ルツボ #10)を使用し、アルゴンガスを吹き付けながら溶解。

フラックスとして、フッ化ナトリウムと塩化ナトリウムを1%ずつ添加した。

溶解状態

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

18

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溶解試験 続き

溶解結果

切断、洗浄

インゴットを約2cmの厚さに切断した。測定面を#220の研磨紙で研磨洗浄し分析用試験片とした。

5-7. 発光分光測定

発光分光分析で、検体ごとに5箇所測定した。

主要な分析結果は以下の通り。詳細結果は次ページの表の通り。

主要元素の分析結果およびアルミ製フロントフード純正素材との比較

B-1-1,B-1-2

B-2-1,B-2-2,B-2-3

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

インゴット番号

A-1-1,A-1-2

A-2-1,A-2-2,A-2-3

1軸破砕機63%

81%

0.10

6000系-1 4.19 3.21 0.84

5000系-1 2.45

インゴット個数

2

3

2

3

品種 溶解重量メタル

回収重量ドロス重量 回収率

6000系-1 4.62 3.74 1.09

5000系-1 4.44 2.81

1.982000HP

77%

81%

0.66

19

品種 Si Cu Mg Zn Al

2000HP 5000系アルミ 0.42% 0.20% 4.64% 0.08% 93.60%

内装 0.09% 0.70% 4.36% 0.02% 94.83%

差 0.32% -0.50% 0.27% 0.06% -1.23%

96.53%

外装 1.10% 0.70% 0.48% 0.01% 94.83%

2000HP 6000系アルミ 1.69% 0.61% 0.54% 0.05%

1.70%

品種 Si Cu Mg Zn Al

差 0.59% -0.09% 0.06% 0.05%

93.48%

内装 0.09% 0.70% 4.36% 0.02% 94.83%

1軸破砕 5000系アルミ 0.41% 0.14% 4.61% 0.07%

-1.36%

1軸破砕 6000系アルミ 1.88% 0.60% 1.11% 0.05% 95.74%

差 0.31% -0.56% 0.24% 0.05%

94.83%

差 0.78% -0.10% 0.63% 0.04% 0.91%

外装 1.10% 0.70% 0.48% 0.01%

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分析結果

B-2-1 B-2-3 平均

0.019 0.013 0.022

0.002 0.001

0.031 0.036

>0.0480 ~0.0461

0.008 0.007

0.053 0.049

0.091 0.107

0.057 0.061

0.259 0.260

95.8 95.7Al[%] 97.8 95.7 96.5 95.396.1

0.017 0.018

Sb[%] <0.0010 <0.0010 <0.0010 <0.0010 <0.0010 <0.0010

0.017

<0.0010

0.019

<0.0010

Zr[%] 0.002

95.8

V[%] 0.013 0.021 0.018 0.022 0.024 0.023

0.001

0.021

0.001

0.022

Sr[%] 0.000 0.001 0.001 0.001

Sn[%] 0.005 0.019 0.011 0.008 0.012 0.010

0.031

0.010

0.038

0.008

Pb[%] 0.006 0.052 0.030 0.047

P[%] 0.0048 0.0096 ~0.0085 ~0.0119 >0.0120 ~0.0117

~0.0467

~0.0112

~0.0423

~0.0111

Ca[%] 0.0015 >0.0480 ~0.0321 >0.0480

Bi[%] 0.001 0.012 0.008 0.012 0.010 0.010

0.006

0.011

0.006

0.010

B[%] 0.000 0.009 0.005 0.009

Ti[%] 0.016 0.043 0.031 0.048 0.045 0.044

0.059

0.035

0.045

0.042

Zn[%] 0.030 0.074 0.054 0.047

Ni[%] 0.005 0.004 0.004 0.002 0.004 0.003

0.124

0.004

0.098

0.003

Cr[%] 0.036 0.174 0.111 0.210

Mg[%] 0.205 0.751 0.541 1.350 1.050 1.114

0.057

0.667

0.066

1.120

Mn[%] 0.062 0.053 0.057 0.057

Cu[%] 0.613 0.622 0.614 0.602 0.598 0.602

Fe[%] 0.127 0.318 0.225 0.3940.229

0.606

0.227

0.607

93.5Al[%]

1.120 2.030 1.690 1.830 1.910 1.879

A-2-1 A-2-2

93.4 93.8 93.6 94.3 93.2

Si[%]

A-2-3

1.920

2000HP 6000系 1軸破砕品 6000系

B-2-2

1.860

平均

0.019 0.021 0.020

<0.0010 <0.0010 <0.0010 <0.0010 <0.0010 <0.0010

Zr[%]

Sb[%]

0.025 0.025 0.025

0.030 0.030

2000HP 5000系 1軸破砕品 5000系

V[%] 0.028 0.031 0.030 0.029

0.002 0.002

A-1-1

Si[%]

Sr[%] 0.002 0.002 0.002 0.002

0.052 0.048

Sn[%] 0.039 0.061 0.050 0.029 0.025 0.027

Pb[%] 0.055 0.075 0.065 0.044

>0.0480 >0.048

P[%] ~0.0111 >0.0120 ~0.0116 ~0.0110 0.0096 ~0.0103

Ca[%] >0.0480 >0.0480 >0.048 >0.0480

0.009 0.009

Bi[%] 0.014 0.014 0.014 0.011 0.012 0.011

B[%] 0.011 0.010 0.010 0.008

0.069 0.069

Ti[%] 0.075 0.066 0.268 0.064 0.062 0.063

Zn[%] 0.079 0.078 0.079 0.069

0.154 0.137

Ni[%] 0.004 0.004 0.004 0.004 0.003 0.003

Cr[%] 0.112 0.151 0.132 0.12

0.546 0.399 0.473 0.296

0.476 0.322

Mg[%] 4.76 4.51 4.64 4.26 4.95 4.61

Mn[%] 0.0877 0.116 0.102 0.168

20

自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

平均

0.427 0.410 0.419 0.407 0.410 0.409

A-1-2 平均 B-1-1 B-1-2

0.362 0.329

Cu[%] 0.232 0.159 0.196 0.136 0.137 0.137

Fe[%]

Page 24: 報告書 アルミスクラップからのアルミグレード別 高度選別技 …...2018年10月31日 報告書 実施期間 2017年6月1日~2018年3月31日 アルミスクラップからのアルミグレード別

5-8. 実証2 まとめ

①LIBS選別では、形状因子の影響は想定していたよりも小さく、破砕方法による選別精度に大きな影響がなかった。

 2軸破砕品は外周の圧着部分が分離されず2重になっている。計測部分の材料種で選別するため選別精度に影響あり。

②破砕方式による塗装膜の除去状況が異なり、2000HPと1軸破砕品に比べ破砕工程での摩擦が少ない2軸破砕品は

 無反応物が多く発生した。

③LIBS選別で得た選別後のアルミスクラップの展伸材への再利用要否の確認と再現性評価の実施。

6. 自動車アルミパネル高度選別試験 まとめ

1.破砕処理方法と、その状態(接合部の分離状態、表面塗膜の剥離状況、破砕後の形状)の評価

・2000HP、1軸破砕機は内側のパネル、外側のパネル、鉄部品を分離する事が可能だが、破砕後の形状に凹凸ができる為、

形状因子に影響の大きい選別法は適さない。

・2軸破砕機は破砕形状は平らだが、6000、5000の圧着部分がそのまま残り切断幅に工夫が必要と思われる。

2.アルミニウム合金種類別の選別技術の選定及び選別精度の検証(5000系、6000系合金種毎の選別)

 

・LIBS選別: 破砕形状による影響は少なく、9割程度の選別精度を確認した。

破砕形状による影響は少なく、既存のカーシュレッダープラントから発生するアルミスクラップをそのまま処理できる可能性がある。

また、既存のカーシュレッダープラントから発生するアルミスクラップをそのまま処理できる可能性がある。

7. 今後の課題

① LIBS選別における塗装膜の除去状況と選別精度への影響評価

② 実現性の高い塗膜除去、剥離方法の検討。

③ アルミニウム展伸材高度選別の経済性検討。

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自動車アルミパネル高度選別試験実施報告

・透過型X線選別: 破砕形状を平らにすることができれば、選別する板の厚みの差により一定の選別効果を得ることができることが

分かったが、車輌、部位により厚みが一定ではない為、高度選別を目的とした実用化は難しい。

3割程度の判別不能が発生し、その原因として表面の塗装膜の状態が悪影響を及ぼしていると考えられる。