三師会 医科から見た歯周病 医療連携 糖尿病を含めて
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三師会 医科から見た歯周病 医療連携 糖尿病を含めて. 2010.7.21 神奈川県医師会 羽鳥裕. 糖尿病があると歯周病が悪化する。 歯周病があると糖尿病が悪化する。 糖尿病診断の新しい基準と外国との比較 医科から歯科へ 歯科処置にアスピリン , ワーファリンの休薬は必要か?. 糖尿病 心臓・血管病変 肺炎・気管支炎 妊婦への影響 低体重児 ヘリコバクターピロリ感染症. 糖尿病治療ガイド 2008-2009 主な変更点. 2008-2009 へ. 糖尿病治療ガイドは 2006-2007 から. 日本糖尿病学会編. 2008-2009. - PowerPoint PPT PresentationTRANSCRIPT
三師会 医科から見た歯周病 医療連携 糖尿病を含め
て
2010.7.21 神奈川県医師会 羽鳥裕
• 糖尿病があると歯周病が悪化する。
• 歯周病があると糖尿病が悪化する。
• 糖尿病診断の新しい基準と外国との比較
• 医科から歯科へ• 歯科処置にアスピリン ,ワーファリンの休薬は必要か?
• 糖尿病• 心臓・血管病変• 肺炎・気管支炎• 妊婦への影響– 低体重児
• ヘリコバクターピロリ感染症
糖尿病治療ガイド 2008-2009 主な変更点
特定健診 特定保健指導のすすめ方が掲載された・ 経口血糖降下薬の主な作用がまとめられた 速効型インスリン分泌促進薬で透析患者に対する注意点
にグルファストの記載が加わった α- グルコシダーゼ阻害薬の項に動脈硬化の進展抑制に
関する記載が加わった 糖尿病合併症とその対策の項に歯周病が加わった 動脈硬化性疾患の項に治療に関する記載が加わった 動脈硬化性疾患の項に TZD の記載が加わった
日本糖尿病学会編:糖尿病治療ガイド 2008-2009. より
日本糖尿病学会編 2008-2009
糖尿病治療ガイド
糖尿病治療ガイドは 2006-2007 から
2008-2009 へ
の主な変更点
記載内容(抜粋)
● 歯周病は糖尿病の重大な合併症のひとつ。
● 糖尿病患者では歯周病が重症化する。
● 血糖コントロールが不良だと歯周病が増悪しやすい。
● 歯周病が重症であるほど血糖コントロールは不良となる。また、局所治療にて歯周組織の慢性炎症を改善すると、インスリン抵抗性が軽減し、血糖コントロール状態が改善することが報告されている。
旧ガイド p71
新ガイド p74
8 .糖尿病合併症とその対策 C .慢性合併症 5 .歯周病
2008-2009 の変更点
糖尿病合併症とその対策の項に歯周病が加わった
日本糖尿病学会編:糖尿病治療ガイド 2008-2009. より要約
● 記載なし。
9 .専門家に依頼すべきポイント E .合併症があるとき 4 .歯周病
● 初診時に必ず歯科に依頼する。以後も定期的に歯科を受診させ、必要に応じ治療を受けさせる。
旧ガイド p76● 記載なし。
参考)糖尿病患者では歯周病が高頻度でみられる
15 歳以上のピマインデイアン 2,273 例を糖尿病者群と非糖尿病者群に分け、 6 年間にわたり 2 年ごと歯周組織の状態の変化を観察した。方法は、「この 2 年間で歯周病が発症、もしくは進行したと思うか」という質問を参加者に投げかけ、それに対し「はい」と答えた例数をカウントした。
76
28
Nelson R.G. et al., : Diabetes Care,13,836,1990.
歯周病発症を自覚した患者数
( 1,000 例当たりの例数)
非糖尿病患者 糖尿病患者0
20
40
60
80
2.6( 95%信頼区間
1.0,6.6 )
日本における糖尿病の発症予防 治療への取組み・糖尿病予防対策研究のフローチャート
健診機関 空腹時血糖
<100mg/dL
100-125mg/dL
>125mg/dL
HbA1C
< 5.3% 5.3-6.0% > 6.0%
要 指 導
75gOGTT測定( 2 時間値)
<140mg/dL
140-199mg/dL
≧200mg/dL
30~ 64 歳
J-DOIT1経過観察
要医療
(
糖尿
病
)
J-DOIT2地域の医療機関
(かかりつけ医等)・患者指導コメディカル派遣・ IT診療支援群、対照群の割付による受診促進で、中断率の改善をめざす。
糖尿病専門医療機関
①HbA1C 7.0%≧
血圧・脂質検査②血圧収縮期≧ 140mmHg or 拡張期≧ 90mmHg③脂質代謝異常LDL 140mg/dL or TG 150mg/dL or≧ ≧HDL< 40mg/dL
① ② ③ とも満たす
40~ 69 歳
J-DOIT3
?
厚生労働省ホームページより作図( 2005 年度版)
プラーク
糖尿病合併症壊疽
心筋梗塞、脳梗塞
糖尿病網膜症正常眼底 動脈硬化
• 糖尿病があると歯周病が悪化する。
• 歯周病があると糖尿病が悪化する。
• 糖尿病診断の新しい基準と外国との比較
• 医科から歯科へ• 歯科処置にアスピリン , ワーファリンの休薬は必要か?
歯肉・歯周組織の炎症が全身疾患に影響を及ぼすと思われるメカニズム
歯肉・歯周組織の炎症
炎症性メディエーター
( IL-1,IL-6, TNF-α)
LIVER 肝臓
Target Organs
標的器官(心臓、血管、脳)
歯周病原性細菌
免疫反応
歯周病原性細菌
細菌産生物(LPS)菌血症
血小板凝集
血管内皮への侵入
C-Reactive Protein
抗体産生
交叉反応抗原
例
Heat-shock protein
感作 T細胞
COX :シクロオキシゲナーゼ, TXA2 :トロンボキサン A2, PLA2 :ホスホリパーゼ A2, AC :アデニル酸シクラーゼ, PDE :ホスホジエステラーゼ。*塩酸チクロピジンは不可逆的, a )添付文書記載, b )インタビューフォーム薬物動態データ, c )文献作用時間, d )文献半減期, e )適正使用情報
抗凝固薬 抗血小板薬 (冠)血管拡張薬
脳循環・代謝薬など おもな作用機序 休薬期間 休薬データ
アスピリン COX 阻害(不可逆的)
7 日 a ) 作用時間: 7~ 10 日(血小板の寿命),T1/2 : 0.4±0.13 時
トラピジル TXA2 合成阻害 2 日 b ) 作用時間: 12 ( 100mg )~24 ( 300mg )時,代謝物 TM1 は 24 ( 300mg )時間以上,T1/2 : 1.35~ 1.36 時
ニセリトロール
1 日 b ) T1/2 : 2.4±0.4 時
塩酸ジラゼプ PLA2活性阻害 1 日 b ) T1/2 :約 4 時
イコサペント酸エチル
アラキドン酸代謝阻害(不可逆的)
7~ 10 日 d ) 作用時間: 7~ 10 日(血小板の寿命),T1/2 : 6.60±1.85 時,MRT : 31.84±1.42時,約 24 時後に元に戻る
塩酸チクロピジン*
AC活性化 1 ) 10~ 14 日 a ) 作用時間: 8~ 10 日(血小板の寿命),T1/2 : 1.58±0.03~ 1.61±0.04 時
リマプロストアルファデクス 3 )
1 日 c ) 作用時間: 3 時間( 30~ 40µg/回), T1/2 : 7 時, 20µg/回以下では凝集抑制はほとんどない
ベラプロストナトリウム
1 日 b ) 作用時間: 6~ 8 時間, T1/2 : 1.11 時
ジピリダモール4 )
2 日 c ) 作用時間:約 48 時間(反復投与後)T1/2 : 2.3±0.6 時( Cap ), 2.2±0.8 時( Tab )
血小板 PDE活性阻害
シロスタゾール 2 日 b ) 作用時間: 48 時間, T1/2 ( β ): 18 時
イブジラスト 3 日 b ) T1/2 : 12 時
塩酸サルポグレラート
セロトニン( 5HT2 )受容体結合阻害
1 日 b ) 作用時間: 12 時間, T1/2 : 0.69 時
酒石酸イフェンプロジル
セロトニン( 5HT2 )摂取・放出抑制
1 日 b ) T1/2 : 1.3~ 1.4 時
ワルファリンカリウム
ビタミン K 依存血液凝固因子合成阻害
大手術: 5 日小手術: 4~ 5 日前より減量し凝固能を治療域下限に緩和e)
作用時間: 48~ 72 時間, T1/2 : 36.3 時
術前に休薬を考慮する医薬品
二宮佐好:治療学, 40 ( 3), 343-346, 20061) Wahl, M, J.: Arch. Intern. Med., 158, 1610-1616, 19983) Maeda, Y., et al.: Blood & Vessel., 13, 142-145, 19824) 飯塚邦夫ほか:医学と薬学, 25, 1085-1109, 1991
抗凝固薬・抗血小板薬の休薬期間
一般名
ワルファリンカリウム
アスピリン
塩酸チクロピジン
シロスタゾール
イコサペント酸エチル
ベラプロストナトリウム
塩酸サルポグレラート
ジピリダモール
オザグレルナトリウム
トラピジル
塩酸ジラセブ
薬剤名
ワーファリン
バイアスピリン
アスピリン 81
パナルジン
プレタール
エパデール
プロサイリン、ドルナー
アンプラーグ
ペルサンチン
カタクロット、キサンボン
ロコルナール
コメリアン
術前中止期間
3~4日程度
7~10日
7~10日
3~4日
7~10日
24 時間
24 時間
24 時間
24 時間
24 時間
24 時間
術後中止期間
3~4日
4~5日
4~5日
3~4日
2~3日
抗凝固薬
抗血小板薬
宮原良二ほか:臨床に直結する消化管疾患治療のエビデンス(編集 / 上村直実ほか), P329-331, 2005
各種抗血小板薬の特徴
薬品名 作用機序 可逆性 一般的な休薬期間
アスピリンチクロピジンクロピドグレルシロスタゾールEPAサルポグレラートベラプロスト
COX-1 阻害ADP 受容体阻害ADP 受容体阻害PDE3 阻害アラキドン酸代謝阻害5-HT2 受容体阻害
PGI2 受容体刺激
不可逆性不可逆性不可逆性可逆性不可逆性可逆性可逆性
7~10日7~10日7~10日48時間7~10日24 時間24 時間
長尾毅彦ほか: Progress in Medicine, 26 ( 6), 1255-1258, 2006
Ziffer AM, Scopp IW, Beck J, et al: Profound bleeding after dental extractions during dicmoral therapy. N Engl J Med 1957;256:351
15
抜歯時 Wahl MJ: Arch Inern Med 1998;158:1610
542回 ワルファリン中止 虚血 5 例 ( 約 1%) 、 5 例中 4 例死亡
(80%)
内視鏡検査時 Blacker DJ Neurology 2003;61:964
AF 症例に 1,137回 ワルファリン中止/減量脳梗塞 12回 (1.06%)
アスピリン休薬 脳梗塞発症のオッズ比 3.4 ( Arch
Neurol 2005;62:1217 )
抗血栓薬を中止すると、、
ワルファリン内服 100万人中断すると
脳梗塞など発症 1 万人死亡 8千人
ワルファリン
リバウンド現象
Palareti GThromb Haemost
1994;72:222
16
抗凝固療法中に発症した脳梗塞 23 例
中止例( 8 例) * 非中止例( 15
例)
INR 1.20 ( 0.94~ 2.50 ) 1.50 ( 1.09
~ 2.38 )
NIHSS 19 (1~ 22) 3.5 (0~ 22)
心原性脳塞栓症 100% 46.7%
mRS≧3 71.4% 21.4%
*中止 8 例中、抜歯時が 4 例( 50% )、他の理由 4 例
休薬期間 4.5 日、休薬から発症まで 7.5 日(中央値)
抗凝固薬を中止する
と、、、、、、( 2002 年、国立循環器病センター)
Yasaka M: Thromb Res 2006;118:290
休止 4-5 日 再開後 2-3 日
17
抗血栓療法継続下の抜歯 ランダム化比較試験
ワルファリン Evans IL: Br J Oral Maxillofac Surg 2002;40 : 248
Sacco R: J Thromb Haemost 2006;4 : 688
アスピリン Ardekian L: JADA131:331-335, 2000
観察研究 森本ら : 日歯医誌 2006;25:93-98 → INR 3.0 未満 継続下抜
歯可 牧浦ら : 脳卒中 2005;27:424-427 → 抗血小板薬 継続下抜歯可 矢郷ら : 呼と循 2006;54:993-1000
抗血栓療法継続下での抜歯の安全性
18
ワルファリン療法継続下での抜歯は、、
INR 症例数 術中 後出血
範囲 止血困難 重篤 軽症
< 2.0 57 0 0
2.0 - 2.5 44 0 0
2.5 - 3.0 17 0 0 0
Total 118 0 0 5 (4.2%)
観察研究 森本ら(国立循環器病センター歯科) : 日歯医誌 2006;25:93-98INR に依存しない
5 ( 歯肉炎、膿瘍 )
ランダム化比較試験 Evans IL: Br J Oral Maxillofac Surg 2002;40 : 248