広報・ＰＲ論入門広報・ＰＲ論入門－岐阜大学をケーススタディに－－岐阜大学をケーススタディに－

第３回　ブランド論の基礎第３回　ブランド論の基礎（（ 2012.5.72012.5.7 ））

担当：野原仁（地域科学部）担当：野原仁（地域科学部）

前回のポイント前回のポイント 広報（ＰＲ）とは、広報（ＰＲ）とは、政府・自治体・企政府・自治体・企

業・諸団体・個人が、自らと利害関業・諸団体・個人が、自らと利害関係者（係者（ステークホルダーステークホルダー）や包括的）や包括的概念としての市民社会との間で、双概念としての市民社会との間で、双方向のコミュニケーションをはかり、方向のコミュニケーションをはかり、相互理解に努めることによって、良相互理解に努めることによって、良好な関係を構築する活動の総過程で好な関係を構築する活動の総過程であるある

本日の内容本日の内容

ブランド論の基礎をブランド論の基礎を学ぶ学ぶ

ブランドの定義ブランドの定義

ある売り手が提供する財・サービスある売り手が提供する財・サービスを、他の売り手のものと区別するたを、他の売り手のものと区別するための言葉・デザイン・シンボルおよめの言葉・デザイン・シンボルおよびその他の特徴のこと。また、結果びその他の特徴のこと。また、結果として消費者の中で形成される、として消費者の中で形成される、財・サービスについてのイメージの財・サービスについてのイメージの総体総体

広報（ＰＲ）とブランドとの関係広報（ＰＲ）とブランドとの関係

広報の最大の目的＝ステークホルダーと広報の最大の目的＝ステークホルダーとの間に良好な信頼関係を築くことの間に良好な信頼関係を築くこと

信頼関係が構築されるために必要な前提信頼関係が構築されるために必要な前提条件＝①ステークホルダーに対して、自条件＝①ステークホルダーに対して、自らに関する正確で詳細な情報を伝達するらに関する正確で詳細な情報を伝達すること、②こと、②ステークホルダーに自らのブラステークホルダーに自らのブランドについて正確なイメージを抱いてもンドについて正確なイメージを抱いてもらうとともに、ブランドに対してより高らうとともに、ブランドに対してより高い価値を認めてもらうことい価値を認めてもらうこと

ブランドの機能ブランドの機能

保証機能：ブランドを付与すること保証機能：ブランドを付与することで、高品質の財・サービスの提供をで、高品質の財・サービスの提供を保証する保証する

識別機能：他の財・サービスとの差識別機能：他の財・サービスとの差異化によって、自ブランドを識別さ異化によって、自ブランドを識別させるせる

想起機能：ブランドによって受け手想起機能：ブランドによって受け手に特定のイメージを想起させるに特定のイメージを想起させる

ブランドの構成要素①ブランドの構成要素①マクドナルドを例にするとマクドナルドを例にすると…… アメリカ的ファストフードアメリカ的ファストフード 赤地に黄色の文字の看板赤地に黄色の文字の看板 金色のＭのマーク金色のＭのマーク ドナルドドナルド 店員の元気なあいさつ店員の元気なあいさつ メニューメニュー 店内の様子店内の様子 クーポンクーポン テレビＣＭテレビＣＭ

マメ知識？マメ知識？

ブランドの構成要素②ブランドの構成要素② 理念・歴史＝理念・歴史＝ブランド・アイデンティブランド・アイデンティ

ティティ＝こういうブランドでありたい！＝こういうブランドでありたい！ コード・スタイル：ブランド・アイデンコード・スタイル：ブランド・アイデン

ティティを具現化するための基本的な方ティティを具現化するための基本的な方針針

キャッチフレーズなどキャッチフレーズなど 主体・財・サービスそのものや、それら主体・財・サービスそのものや、それら

のデザインと価格のデザインと価格 シンボル（キャラクター・ロゴ・マークシンボル（キャラクター・ロゴ・マーク

など）など）

ブランドの構成要素③ブランドの構成要素③

主体・財・サービス・価格・シンボル

コード・スタイル

理念・歴史

ブランド・イメージとブランド価値ブランド・イメージとブランド価値ブランド・イメージ：ステークホルブランド・イメージ：ステークホル

ダーが抱いている主体・財・サービダーが抱いている主体・財・サービスに対する印象スに対する印象

ブランド価値：ブランドに対する評ブランド価値：ブランドに対する評価価

広報は、ステークホルダーが抱くブ広報は、ステークホルダーが抱くブランド・イメージを正確に把握するランド・イメージを正確に把握するとともに、ブランド価値を高めるたとともに、ブランド価値を高めるための、一つの手段でもある。めの、一つの手段でもある。

ブランド・ピラミッドブランド・ピラミッド

ケビン・ケビン・ LL ・・ケラーが提唱ケラーが提唱した、ステーした、ステークホルダーのクホルダーの立場から見た立場から見たブランド価値ブランド価値形成と価値向形成と価値向上のモデル上のモデル

「判断」と「情緒」

「機能」と「イメージ」

「認識」と「想起」

共感

ブランド戦略ブランド戦略ステークホルダーのブランド価値をステークホルダーのブランド価値を

高めたり、維持するための基本的な高めたり、維持するための基本的な考え方・原則・一貫した手法などの考え方・原則・一貫した手法などの総体総体

①① ブランド・アイデンティティ創造ブランド・アイデンティティ創造戦略、②ブランド組織戦略、③ブラ戦略、②ブランド組織戦略、③ブランド・コミュニケーション実行戦略、ンド・コミュニケーション実行戦略、に大別できるに大別できる

ブランド・アイデンティティ創造ブランド・アイデンティティ創造戦略戦略

ブランドを構成する最重要要素であブランドを構成する最重要要素であるブランド・アイデンティティをどるブランド・アイデンティティをどのようなものにするのかに関する戦のようなものにするのかに関する戦略略

できるかぎり簡潔な言葉で表現するできるかぎり簡潔な言葉で表現するとともに、実行戦略を導き出せるもとともに、実行戦略を導き出せるものでなくてはならないのでなくてはならない

ブランド組織戦略ブランド組織戦略

決定されたブランド・アイデンティ決定されたブランド・アイデンティティを効果的に実行するために必要ティを効果的に実行するために必要な組織や意志決定の在り方についてな組織や意志決定の在り方についての戦略の戦略

重要なポイントは、①トップによる重要なポイントは、①トップによるリーダーシップ、②ブランド管理者リーダーシップ、②ブランド管理者の選定、③構成員の共通理解、④広報の選定、③構成員の共通理解、④広報部門の役割の明確化、などである。部門の役割の明確化、などである。

ブランド・コミュニケーション実ブランド・コミュニケーション実行戦略行戦略

実際にブランド価値を高めるために、実際にブランド価値を高めるために、どのような施策・活動を実施していどのような施策・活動を実施していくのかを決定し実行する戦略くのかを決定し実行する戦略

ブランドの構成要素である、コーブランドの構成要素である、コード・スタイル＆主体・財・サービド・スタイル＆主体・財・サービス・デザイン・価格・シンボル・使ス・デザイン・価格・シンボル・使用メディアの決定と実行用メディアの決定と実行

ブランド戦略の具体例ブランド戦略の具体例ルイ・ヴィトンのブランド戦略ルイ・ヴィトンのブランド戦略

18541854年に世界初となる旅行鞄の専門店年に世界初となる旅行鞄の専門店としてパリで開業としてパリで開業

その後は 一貫して高級旅行鞄製造・販売その後は 一貫して高級旅行鞄製造・販売業として地道に活動業として地道に活動

19871987年にベルナール・アルノーが買収年にベルナール・アルノーが買収→明確なブランド戦略のもと、ファッ→明確なブランド戦略のもと、ファッション分野にも進出するとともに、高級ション分野にも進出するとともに、高級ブランドとしての地位を確立するブランドとしての地位を確立する

「高級」というイメージの創出「高級」というイメージの創出130130年にもわたって旅行用鞄を製年にもわたって旅行用鞄を製造・販売してきた歴史→伝統にもと造・販売してきた歴史→伝統にもとづく信頼感づく信頼感

高価格と、それに妥当性を与える品高価格と、それに妥当性を与える品質（高級素材を利用し、熟練工によ質（高級素材を利用し、熟練工による丁寧な作り）＆すべて自社工場でる丁寧な作り）＆すべて自社工場で生産生産

値引き・セールをいっさい行わない値引き・セールをいっさい行わない斬新でありながら格調高い店舗斬新でありながら格調高い店舗

ブランド・アイデンティティの堅ブランド・アイデンティティの堅持と独自の解釈①持と独自の解釈①

ブランド・アイデンティティ＝ブランド・アイデンティティ＝「旅」「旅」

この「旅」は、明示的な意味としてこの「旅」は、明示的な意味としての旅だけではなく、暗示的な意味との旅だけではなく、暗示的な意味としての人生を示し、さらにはルイ・しての人生を示し、さらにはルイ・ヴィトン製品が「人生の伴侶」であヴィトン製品が「人生の伴侶」であることも含んでいるることも含んでいる

ブランド・アイデンティティのブランド・アイデンティティの堅持と独自の解釈②堅持と独自の解釈②人生→「常に変わらないもの」と人生→「常に変わらないもの」と「常に変わり続けるもの」の両者が「常に変わり続けるもの」の両者があるある

定番であるモノグラムだけでなく、定番であるモノグラムだけでなく、毎年新製品を発表→新製品のうち、毎年新製品を発表→新製品のうち、人気のある品物は定番化し、人気の人気のある品物は定番化し、人気のないものは販売を中止ないものは販売を中止

ブランド・アイデンティティのブランド・アイデンティティの堅持と独自の解釈③堅持と独自の解釈③ ルイ・ヴィトンは、ベルナール・アルルイ・ヴィトンは、ベルナール・アルノーがノーが CEOCEO を務める複合企業体を務める複合企業体 LVMHLVMH（モエヘネシー・ルイヴィトン）の中核（モエヘネシー・ルイヴィトン）の中核企業企業

LVMHLVMH の傘下には、クリスチャン・ディの傘下には、クリスチャン・ディオール、ブルガリ、ヘネシーなど世界的オール、ブルガリ、ヘネシーなど世界的に有名な大企業がいくつもあるが、アルに有名な大企業がいくつもあるが、アルノーの方針で合併はしない→個々の企業ノーの方針で合併はしない→個々の企業のブランド・アイデンティティを堅持すのブランド・アイデンティティを堅持するためるため

本日のポイント本日のポイント

広報は、ステークホルダーが抱くブ広報は、ステークホルダーが抱くブランド・イメージを正確に把握するランド・イメージを正確に把握するとともに、ブランド価値を高めるたとともに、ブランド価値を高めるための、一つの手段でもある。めの、一つの手段でもある。

その手段を効果的に実行するためにその手段を効果的に実行するためには、ブランド戦略が不可欠である。は、ブランド戦略が不可欠である。

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現代社会における広報の役割現代社会における広報の役割組織における広報担当者の役組織における広報担当者の役割と実際の諸活動割と実際の諸活動