クラウドを超えた先の企業システム像 20091008 jjug ccc

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2009/10/8に行われた日本Javaユーザー会によるクロスコミュニティカンファレンス2009 Fallで発表した内容です。jjug ccc 2009 fall

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Page 1: クラウドを超えた先の企業システム像 20091008 JJUG CCC

C-4クラウドを超えた先の企業システム像

2009/10/08

グロースエクスパートナーズ(株)ビジネスプラットフォーム事業ゼネラルマネージャー/チーフITゕーキテクト

日本Javaユーザー会/日本Springユーザー会幹事

ゕークランプ(http://www.arclamp.jp/)

鈴木雄介

Page 2: クラウドを超えた先の企業システム像 20091008 JJUG CCC

自己紹介

• 鈴木雄介– 所属

• グロースエクスパートナーズ(株)– ビジネスプラットフォーム事業ゼネラルマネージャー/チーフITゕーキテクト

– コミュニテゖ• 日本Javaユーザー会 幹事

• 日本Springユーザー会 幹事

– ブログ/記事/書籍など• ゕークランプ(http://www.arclamp.jp)

• 日経SYSTEMS「ITゕーキテクトの視点」連載中

• 「ソフトゕーキテクトが知るべき97のこと」監修

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このセッションのゴール

• FOR

–企業システムはクラウドから何が学べるのか

–クラウドを超えた先の企業システム像をゕーキテクチャの視点から考えてみる

• NOT FOR

–クラウドの最新技術動向を詳しく理解したい

–これからはクラウドで全てOK or クラウドなんか何の役も立たない

–明日から使えるノウハウを

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ゕジェンダ

• クラウドとは何か

• クラウドの使われ方

• クラウドの特徴

• 企業システムの課題

• クラウドを超えた先へ

• まとめ

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クラウドとは何かクラウドの外観/概観

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• 自家発電が中心

• モーターはエネルギー源から距離が近かった

トーマス・エジソン(1847年-1931年)

蒸気を電気に置き変えよう。GEは自家発電のための機械販売企業だ。

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• 需要のピーク調整– 朝夕:路面電車

– 昼:オフゖス

– 夜:家庭/街灯

• 需要に合わせた料金– 基本料金+従量課金

電力そのものを売ろう。ユーテゖリテゖを運営することは、最終的にはユーテゖリゖ向けの機材を製造するよりも重要な事業になる。

ニコラス・G・カー「クラウド化する世界 ビジネスモデル構築の大転換

サミュエル・インサル(1859年-1938年)

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• 規模の経済性

–巨大な中央発電所は技術がなければ作れなかった

–が、経済合理性があったからこそ推進された

• 安い

• 資産(BS)から経費(PL)

by DanieVDM

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http://www.twitpocalypse.com/ http://twicsy.com/#realtime

つぶやき月10億弱、毎秒約350

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• 超大規模

–どれだけ多くの人に同じものを届けられるか

–超大規模データセンターにコンピューテゖングリソースを集中

nakheel tower

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AWS

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Force.com

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Facebook Platform

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• プラットフォームは多様性を受け入れる土壌

– 単一性/同一性の拡大によるスケール性の維持

• オープンであることが重要

– 試行錯誤が成長を生む

– EUCからE2EUC

by kugel

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クラウドへの使われ方

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• 開発依頼

–顧客は環境省、経済産業省、総務省

–国民2000万人が利用する

– 10ヶ月しか使わないから安くすませたい

–稼働は1ヶ月後

「エコポント」の情報システムがわずか3週間で完成した理由http://it.nikkei.co.jp/business/news/index.aspx?n=MMIT31000026082009 by seychelles88

Page 19: クラウドを超えた先の企業システム像 20091008 JJUG CCC

• エコポントの交換申請サト– システム概要:エコポントの登録と交換用申請書の印刷• いくつかのベンダーでの見積もりは数百億円~1000億円。10ヶ月しか使わないシステムにそこまではかけられない

– そこでSalesforce.comに相談• 要求定義は走りながら考えた。構築は正味3週間

– 官公庁案件でありながらの採用• “今回は、まさに、官公庁の人が、メンタル・ハザードを越えて、実質的な効果を選択してくれたことです。間違いなく、一番安く実現したことも事実です。” 宇陀栄次

「エコポント」の申し込み画面はクラウド上に。開発期間わずか1カ月? - Blog on Publickeyhttp://www.publickey.jp/blog/09/1.html

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クラウドの特徴クラウドを支える技術的な特性

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スケールアップ単一なものを大きくしていっても、いつか物理的な限界を迎える

by VSmithUK

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by qthomasbower

スケールアウト物理的に分断されているモノを、論理的には1つに見せる

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CAP定理

• 共有データについて次の3つの特性のうち、2つだけしか同時には達成できない

データの整合性 :Consistencyシステムの可用性 :Availabilityネットワークの分断 :Partition

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エンタープライズ•データの整合性 :Consistency•システムの可用性 :Availability•ネットワークの分断 :Partition

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クラウド•データの整合性 :Consistency•システムの可用性 :Availability•ネットワークの分断 :Partition

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ACID特性

• エンタープライズ– Atomic(原子性)

• 一部失敗なら全てロールバック

– Consistent(一貫性)

• トランザクション開始時点と終了時点の整合性保証

– Isolated(独立性)

• 他セッションからの隠蔽

– Durable(永続性)

• トランザクション完了=結果の保存

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BASE特性

• クラウド– Basically Available(基本的に可用)

• キュー、楽観的排他制御、レプリケーション

– Soft-State(柔軟な状態管理)• あるノードの状態は、その内部に埋め込まれた情報によって決まるのではなく、外部から、送られた情報によって決まる性質

• あるノードの状態が、いったん、失われても、定期的に状態情報を取得すれば、状態は復元される。

– Eventual Consistency(最終的な一貫性)• システム内に、一時的に一貫性でない状態が生まれても、ある期間の後には、一貫性ある状態になるような性質

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ここまでのまとめ

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ここまでのまとめ

• クラウドとは何か– 規模の経済性

– 超大規模

– オープンプラットフォーム

• クラウドの使われ方– まさにユーテゖリテゖサービスとしての可能性

• クラウドの特徴– スケールゕップよりスケールゕウト

– CAP定理のAとP

– ACID特性よりBASE特性

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企業システムの課題

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ヘテロジニアスHeterogeneous

異種混在環境

by Christopher Chan

標準固有

小規模

大規模

水平

垂直

信頼/安定

スピード/変化

Page 32: クラウドを超えた先の企業システム像 20091008 JJUG CCC

• “企業システム総体”としての価値創出

–たくさんのシステムの合計では困る

• 分割と統合

–場当たり的な対応は複雑で変化に弱い

by Distra

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• 標準FWの失敗

–ある企業のシステム内で標準的なシステムなんて2つはない

–ハンマーを持つ者には全てが釘に見える

–標準はできた瞬間から劣化していく

by darkmatter

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アーキテクチャの視点カタチがない標準

個別ではなくて全体by JOE M500

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クラウドを超えた先へクラウドから何を学ぶべきか

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• 結局、銀の弾丸は存在しない–クラウドの性質がすべての状況に合うわけではない

–もちろん企業システムに適用できる部分もある

–企業システムの常識を見直すきっかけになるのでは

by Daniel*1977

Page 37: クラウドを超えた先の企業システム像 20091008 JJUG CCC

– 背景的な違い• クラウド:コンシューマーサービス。規模の経済性。より多くのユーザーにサービスを届ける

• SOA:社内ITCサービス。全社最適。多様なサービスをどうマネジメントするのか

– 技術的な違い• クラウド:サービスの水平スケール• SOA:サービスの疎統合

SOA

Cloud

by John "K"

by jimg944

Page 38: クラウドを超えた先の企業システム像 20091008 JJUG CCC

• プラベートクラウド–(ガートナーによる)「プラベートクラウドの定義は、スケーラブルで伸縮に柔軟なクラウドのテクノロジーを用いて企業内の顧客にサービスを提供する、というもの。それを企業内で所有しているか他社が所有しているかは関係ありません。」

• 2012年まではプラベートクラウドへの投資がパブリッククラウドを上回るとガートナー。企業の情報部門は縮小の道へ- Publickey

• http://www.publickey.jp/blog/09/2012.html

–ようはSOA視点でクラウド技術を利用しようという流れ• Web2.0 から Enterprise2.0 と同じじゃねーの?

Page 39: クラウドを超えた先の企業システム像 20091008 JJUG CCC

by B℮n

クラウドを超えた先の課題

システム統合パターンの整理コンテナ型アーキテクチャの導入

インターフェースによる分業

Page 40: クラウドを超えた先の企業システム像 20091008 JJUG CCC

• システム統合パターンの整理–システム同士の関係性のとらえ方

• クラウドも1つの要素としてとらえればいい

–フレームワークの活用

Solving Integration Problems using Patternshttp://www.eaipatterns.com/Chapter1.html

密 疎

データベース共有

レプリケーション

ビジネスプロセスマネジメント

サービスバス

フゔル転送

RPC

Page 41: クラウドを超えた先の企業システム像 20091008 JJUG CCC

• コンテナ型ゕーキテクチャの導入

–オープンなプラットフォームの可能性を企業システムにも

– SNSのコンテナ

• 人と人をつなぐことが基本的な機能として提供され、その間のコミュニケーション形式がプラグンとして提供できる。OpenSocialなど

• ガジェット型の企業ゕプリケーション

• Eclipseではできている

– 拡張ポント、OSGi

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• ンターフェースによる分業–機能とユーザーンタラクションの分離

• ンターフェース(API)が大事

–統合方法が決まれば分業していける。分業による生産性向上は重要• ヘテロなシステム構築手法

–マルチパラダム• 個々のシチュエーションでは1つの最適な道具(パラダム)

– 静的型付言語と動的言語

– 構造記述言語とプロセス記述言語

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まとめ

Page 44: クラウドを超えた先の企業システム像 20091008 JJUG CCC

• ゕーキテクチャ視点–ハプは見るべき

• けど、流されてはいけない

–全体性やカタチのないものを考える• 抽象的なものを具体的に考える

–ユーザー視点重要• 規模の経済はシステムの視点ではない

by Christopher Chan

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C-4クラウドを超えた先の企業システム像

2009/10/08

グロースエクスパートナーズ(株)ビジネスプラットフォーム事業ゼネラルマネージャー/チーフITゕーキテクト

日本Javaユーザー会/日本Springユーザー会幹事

ゕークランプ(http://www.arclamp.jp/)

鈴木雄介