z伝達関数で表わされた 離散時間システムを実現する回路構...
TRANSCRIPT
離散時間システムの構成
(教科書4.5節 83ページ~91ページ)
Z伝達関数で表わされた
離散時間システムを実現する回路構成法
(目的:素子数の低減、演算時間の短縮
参考:論理回路の構成法)
システムの構成要素
)31.4(
)1(
)(
)29.4(][][][
1
0
10
伝達関数 :
入出力関係:
LTIシステム:
N
n
n
n
M
m
m
m
N
k
k
M
k
k
zb
za
zH
knybknxany
非再帰形システムの構成:直接形構成
)71.4(][][
)70.4(][][][
1
0
1
0
Z伝達関数:
入出力関係:
N
n
n
N
n
znhzH
knxnhny
乗算器:N個 加算器:N入力
乗算器:N個 加算器:2入力N-1個
)]))1[]2[(
(
]2[(]1[(]0[
][][
11
1
11
1
0
NhzNhz
z
hzhzh
znhzHN
n
n
Z伝達関数:
非再帰形システムの構成:直線位相フィルタ
の数を半減できる。の制約を使うと乗算器
直線位相フィルタ:
)73.4(]1[][ nNhnh
演習課題70
直線位相フィルタには、以下の4タイプがある。
場合1:Nが奇数、偶対称 h[n] = h[N – n – 1]
場合2:Nが偶数、偶対称 h[n] = h[N – n – 1]
場合3:Nが奇数、奇対称 h[n] = – h[N – n – 1]
場合4:Nが偶数、奇対称 h[n] = – h[N – n – 1]
各タイプのフィルタの回路構成を示しなさい。
非再帰形システムの構成:縦続形構成
)74.4())()(1())(1(
)71.4(][][
2
2
1
11
1
11
1
0
21
因数分解
Z伝達関数:
zkzkzkA
znhzH
N
k
N
k
N
n
n
演習課題71
式(4.74)のように因数分解された伝達関数が
図4.13のような縦続形構成で実現できることを示し
なさい。
また、縦続形構成では部分回路の接続の順序に任意
性がある。接続順序は何を基に決めればよいかを考
えなさい。
演習課題72
図4.11(a)(b)、図4.12、図4.13の回路において、
t=0で信号が入力されてから出力が得られるまでの
時間(システムのlatency:処理遅延時間)がどのよう
になるかを求めなさい。
)76.4(
)1(
)(
)75.4(][][][
1
0
10
伝達関数 :
入出力関係:
:再帰形LTIシステム
N
n
n
n
M
m
m
m
N
k
k
M
k
k
zb
za
zH
knybknxany
再帰形システムの構成:縦続形構成
乗算器:M+1+N個 加算器:M+1入力 N入力 Latency:???
y0を計算するには、y-1,y2,・・・,y-Nの 初期値が必要!
再帰形システムの構成:標準系
)82.4(][])[1(
1
][][)81.4(])[1(
1][
)76.4(
)1(
)(
10
1
0
関数 再帰形システムの伝達
zPzQ
zbzQzazPzQ
zP
zb
za
zH
N
n
n
n
M
m
m
m
N
n
n
n
M
m
m
m
演習課題73
式(4.81)の伝達関数が図4.15のような構成で
実現できることを示しなさい。
再帰形システムの構成:標準系
)82.4(][])[1(
1)(
関数 再帰形システムの伝達
zPzQ
zH
再帰形システムの構成:縦続形構成
)85.4()()(1
)()(1][)84.4(
)(1
)(1][
)83.4(][
)76.4(
)1(
)(
2
2
1
1
2
2
1
1
1
1
1
1
1
1
0
あるいは
ここで、
因数分解
関数 再帰形システムの伝達
zizi
zizizH
zi
zizH
zHA
zb
za
zH
ii
i
K
i
N
n
n
n
M
m
m
m
再帰形システムの構成:並列形構成
)88.4()()(1
)()(][
)87.4()(1
)(][
)89.4(][
)86.4(][][
)76.4(
)1(
)(
2
2
1
1
1
20
1
1
0
0
1
1
0
あるいは
とするとここで、
部分分数展開
関数 再帰形システムの伝達
zizi
ziizH
zi
izH
zrzR
NM
zHzR
zb
za
zH
i
i
NM
k
k
k
N
k
i
N
n
n
n
M
m
m
m
演習課題74
図4.17のような縦続構成と図4.18のような
並列構成の特徴の比較を行いなさい。
・回路素子数
・latency
・計算誤差
2次元離散時間システムの構成
線形推移(位置)不変フィルタ
↓
入力信号とシステムのインパルス応答の畳み込み
2次元離散システム
システムの並列・縦続接続
],[],[
],[**],[*],[],[
211
21
2121221121
zzHzzH
nnhnnhnnhnnh
i
N
i
N
2次元離散時間信号の因果性
は より前
と定義
2次元LSIシステムは、その出力y[m,n]が、 入力x[m,n]およびそれより前の入力によってのみ
決定されるとき、因果的であるという。 ↓
最も単純な移動平均フィルタは因果的でない!
1
1
1
1
],[9
1],[
i
i
j
j
jnimxnmy
因果的な2次元FIRフィルタ
0],[
00
21
21
nnh
nn に対して または
応答フィルタのインパルス因果的な2次元FIR
1
1
2
20 0
22112121 )71.5(],[],[],[N
k
N
k
knknukkhnny
因果的な2次元IIRフィルタ
1
1
2
2
21
1
1
2
2
21
0 0
002211
0 0
221121 )77.5(0],[],[],[N
p
N
p
pp
N
p
N
p
pp bpnpnuapnpnybnny
因果的な2次元IIRフィルタにおける計算順序
1
1
2
2
21
1
1
2
2
21
0 0
002211
0 0
221121 )77.5(0],[],[],[N
p
N
p
pp
N
p
N
p
pp bpnpnuapnpnybnny
y[n1,n2]を計算する前に、 「過去の」出力データy[n1-p1,n2-p2]が計算されていなければならない。
因果的な2次元IIRフィルタにおける計算順序
y[n1,n2]を計算する前に、 「過去の」出力データy[n1-p1,n2-p2]が計算されていなければならない。
初期値として事前に与える必要がある!
1
1
2
2
21
1
1
2
2
21)77.5(0],[],[],[ 002211221121
N
p
N
p
pp
N
p
N
p
pp bpnpnuapnpnybnny
2次元FIRフィルタの回路構成
1
1
2
2
21
0 0
212121 )34.6(],[],[N
k
N
k
kkzzkkhzzH
FIRフィルタの伝達関数
2次元IIRフィルタの回路構成
IIRフィルタ
の伝達関数 )36.6(0,
1
],[ 00
0 0
21
0 0
21
211
1
2
2
21
21
1
1
2
2
21
21
b
zzb
zza
zzHN
p
N
p
pp
pp
N
p
N
p
pp
pp
)46.6(,,2,1,0,)(
)45.6(,,2,1,0,)(
)44.6(
)(1
)(
],[
11
0
2
1
2
'
11
0
2
1
2
'
0
1
1
2
'
0
1
1
2
'
21
2
2
2
211
2
2
2
211
1
1
1
1
1
1
1
1
Npzbzb
Npzaza
zzb
zza
zzH
N
p
p
ppp
N
p
p
ppp
N
p
p
p
N
p
p
p
2次元IIRフィルタの回路構成
1次元IIRフィルタの回路構成
図4.16(b)参照
2次元IIRフィルタの回路構成
演習課題75
図6.5と図6.6の回路構成の特徴を比較しなさい。
・回路素子数
・latency
・計算誤差
講義のまとめ
フーリエ変換(大域的信号解析) アナログ信号 ・フーリエ変換とラプラス変換
・デルタ関数の導入によるフーリエ変換の拡張
・2次元フーリエ変換(2次元周波数)
・畳み込み演算、相関関数
・CTの原理(1次元フーリエ変換と2次元フーリエ変換の関係)
・逆フィルタ
標本化 ・デルタ関数の周期系列
・標本化定理(折り返し歪み・エイリアシング) ・2次元標本化定理
・補間関数
離散フーリエ変換 ・離散フーリエ変換の基本定理
・2次元離散フーリエ変換
・離散畳込みと循環畳込み
・FFTアルゴリズム(時間間引き、周波数間引き、2次元FFT)
・離散フーリエ変換の行列表現→直交変換
・離散コサイン変換
数学の世界 実世界
対象
実世界対象
人
自動車
犬
猫
不動産
情報の世界
情報世界対象
数値
文字
図形
グラフ
木構造
計測 信号
)(tx
ディジタル化
ディジタル信号
][nx
標本化信号
)(txs
標本化
量子化(符号化)
離散時間信号の
数学モデル
)(txc
コンピュータの内部世界
ビット列
離散フーリエ変換の基本定理I (教科書61ページ)
0
)(~
nTf
t NT0
)(~
kF
N
m
s
m
p
mFF
mTtftf
Ftf
)()(~
)()(~
)()(
のとき、周期関数化
を表すここで、
)式 (教科書
とすると、
、:任意の整数に対して:任意の正整数、
Nj
N
N
k
kn
N
ssp
eW
WkFN
nTfT
NTNTNTT
nN
2
1
0
(3.82) 61.p)(~1
)(~
/2/ ,/2 ,/
)( pTtf )(tf )( pTtf
信号の時間周波数解析(局所的処理) 窓関数
・有限波形の切り出しと両端での周期性の調整
・ハニング窓、ハミング窓
・ガウス関数とフーリエ変換
ウェーブレット変換
・局所的スペクトルの分析
・Gaborウェーブレット
・離散ウェーブレット変換
短時間フーリエ変換
・非定常信号のスペクトル(変化)分析
・サウンドスペクトログラム
・Gabor変換
・信号の最小単位
多重解像度解析
・大局的構造と局所的構造
・零交差とスケール・スペース
声紋(サウンドスペクトログラム)
音声信号
f(t)
スペクトログラム
F(t,ω)
時間
周波数
時間
信号強度
ウェーブレット変換への展開
ウェーブレット
Gabor変換
相関
dttfeebF tj
bt
)(2
1),(ˆ
2
2
4
)(
ガウス関数を窓関数として、部分波形を切り出して
フーリエ変換
dxxfa
bx
aabfW )(
||
1),)((
としてjt
t
eet
2
2
4
2
1
周波数 とは独立
相関関数を使った信号・画像処理 (パターン・マッチング)
・音声/画像認識・位置合わせ
・ステレオ視 ・オプティカルフロー
信号の持つ情報分析
照合(マッチング)
・相関関数の最大値探索
【応用】 ① パターン認識
② ステレオ視による3次元距離計測
③ 動画像からの運動計測
主成分分析
・信号の統計的分析
① 意味のある情報(特徴)抽出
② 高次元信号の低次元化
信号の符号化
【文字列照合】
① WEB検索
② DNA分析
③ パターン照合
④ ユニフィケーション
【情報抽出】
① 独立成分分析
② 判別分析
×
× ×
× ×
× ×
× ×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
×
× ×
1x
2x
1z
2z
特徴ベクトルデータの分布と主成分を表す軸
nnxaxaxaz 12121111
nnxaxaxaz 22221212
nmnmmm xaxaxaz 2211
*
212
*
111
* xaxa xa1
*
2
*
1*
x
xx
12
11
a
a1a
主成分分析法の幾何学的意味
次元ベクトルの
は軸を示す単位ベクトル
はスカラー値
【注意】
paaa
z
z
p
i
i
),,,,( 21
ディジタル信号の符号化
波形符号化
・スカラ量子化
PCM(パルス符号化) DPCM(差分符号化) LPC(線形予測符号化)
・ベクトル量子化
変換符号化
・直交変換:DCT
・主成分分析
メディア符号化
・音声・音楽・音響 :MP3
・2値画像(文書画像、図面) :FAX
・濃淡画像(写真) :JPEG
・動画像(ビデオ) :MPEG
離散時間システムによるディジタル信号処理
ディジタルフィルタの設計 1.直線位相FIRフィルタの設計 2.窓関数法によるFIRフィルタの設計 3.アナログフィルタを基にしたディジタルIIRフィルタの設計法(I) 4.アナログフィルタを基にしたディジタルIIRフィルタの設計法(II) 5.双2次フィルタ
定係数線形差分方程式 ・システム伝達関数(零点と極、安定性)
・振幅特性、位相特性、位相歪み
線形時不変システム ・FIRフィルタ
・IIRフィルタ
・因果的なシステム
・Z変換
ディジタルフィルタの構成 ・FIRフィルタの構成
・IIRフィルタの構成
・2次元FIR、IIRフィルタの構成
LTI離散時間システムの基礎式
LTIシステムの入出力信号の関係: 応答は
→入力信号 とシステムのインパルス応答
の離散たたみ込み(交換可能)
)8,7.4(][][][][][
kk
knxkhknhkxny
)13,12.4(][][][][][ nxnhnhnxny
][nx
LTI離散時間システムを記述する式
乗算と加算で演算可
安定で因果的なLTIシステムを規定する (不安定、非因果的なシステムも含む)→境界・安定条件が必要
定係数線形差分方程式
)18.4(][][][10
N
k
k
M
k
k knybknxany
)21.4(]1[][
)20.4(][][][
)19.4(]1[][][
②
に対する出力】 ① 【
(例)
nubny
nubnyn
nbynxny
n
n
フィードバック項
ディジタルフィルタの設計法
0.逆フィルター
1.直線位相FIRフィルタの設計
2.窓関数法によるFIRフィルタの設計
3.アナログフィルタを基にした ディジタルIIRフィルタの設計法(I)
4.アナログフィルタを基にした ディジタルIIRフィルタの設計法(II)
5.双2次フィルタ
6.カルマンフィルター