workshop 1 新しい自己紹介をデザインする - i.schooli.school...

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1 Workshop 1 新しい自己紹介をデザインするi.school KOMABA:イノベーション教育への招待 i.school KOMABA 開講 第一回ワークショップ , 2012年4月28日(土)13:00-18:00 , 東大駒場キャンパス理想の教育棟 2 i.school KOMABAとは? 世界的に漂う閉塞感を打ち破るために注目されている、新しい価値を生み出 すイノベーション。2009年度より本郷で、全学から選抜された大学院生を主な 対象に「イノベーション教育」に取り組んできた東京大学i.schoolでは、イノ ベーションを産み出すことのできる人材を育てるために、新しい製品、サービ ス、ビジネスモデル、社会システムを生み出す力を身に付けるためのワーク ショップを開催しています。2011年度からは、東京大学教養学部前期課程の全 科類の皆さんを対象に、駒場キャンパスでも活動を開始しました。 イノベーションを産み出す行為は、言うなれば知性のスポーツのようなも の。イノベーションやイノベーターを産み出す完璧な技法はないでしょう。しか し、例えばイチローは、「打率10割」が無理だからと言って、バッティングの 方法論を考え、実践することを止めるでしょうか?絶え間なきフォームの研究と 鍛錬が10割へ近づくことを実現し、結果として4割に到達するのです。これから i.school KOMABAのWSで素振りを繰り返して、知性の創造性をトレーニング していきましょう! 「●●な私です!」 2012年度i.school KOMABAのワークショップ第1回目は、「新しい自己 紹介をデザインする」です。学部1年生から大学院生まで20名強の受講者が集 まりました。4~5人のチームに分かれた受講者の皆さんに与えられた課題 は、「●●の新ですのように、自分を表すキーワードを入れて自己紹介をして ください!」です。まず、個人ワークで自分の特徴をポストイットに書き出 し、その後にチーム内で共有してもらいました。共有を楽しむためのルールと してさらに、1)他の人とかぶっちゃダメ、2)山手線ゲーム的に順番に、3) ノンストップで、4)必ず●●な新ですと言う、の制約条件の中で自己紹介を してもらいました。 初対面同士だったチームメンバーも「●●な私」を基に自分の様々な側面 を紹介していきました。「お金がなくて、じゃがいもだけで一週間生きのび た!」「彼女と別れた…」「明日名古屋に引越す」といった衝撃体験や恥ずか しい話なども共有されました。用意していた手持ちのポストイットがなくなる と、その場で「●●な私」を書き出す受講者もいて、普段の自己紹介では聞け ないような側面が紹介され、とても愉快な様子でした。このプロセスを経て、 1人の人間でも多角的に見ると様々な側面があることがわかりました。

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Page 1: Workshop 1 新しい自己紹介をデザインする - i.schooli.school KOMABAのWSで素振りを繰り返して、知性の創造性をトレーニング していきましょう!

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Workshop 1 “新しい自己紹介をデザインする”

i.school KOMABA:イノベーション教育への招待

i.school KOMABA 開講第一回ワークショップ , 2012年4月28日(土)13:00-18:00 , 東大駒場キャンパス理想の教育棟

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i.school KOMABAとは? 世界的に漂う閉塞感を打ち破るために注目されている、新しい価値を生み出すイノベーション。2009年度より本郷で、全学から選抜された大学院生を主な対象に「イノベーション教育」に取り組んできた東京大学i.schoolでは、イノベーションを産み出すことのできる人材を育てるために、新しい製品、サービス、ビジネスモデル、社会システムを生み出す力を身に付けるためのワークショップを開催しています。2011年度からは、東京大学教養学部前期課程の全科類の皆さんを対象に、駒場キャンパスでも活動を開始しました。 イノベーションを産み出す行為は、言うなれば知性のスポーツのようなもの。イノベーションやイノベーターを産み出す完璧な技法はないでしょう。しかし、例えばイチローは、「打率10割」が無理だからと言って、バッティングの方法論を考え、実践することを止めるでしょうか?絶え間なきフォームの研究と鍛錬が10割へ近づくことを実現し、結果として4割に到達するのです。これからi.school KOMABAのWSで素振りを繰り返して、知性の創造性をトレーニング

していきましょう!

「●●な私です!」 2012年度i.school KOMABAのワークショップ第1回目は、「新しい自己紹介をデザインする」です。学部1年生から大学院生まで20名強の受講者が集まりました。4~5人のチームに分かれた受講者の皆さんに与えられた課題は、「●●の新ですのように、自分を表すキーワードを入れて自己紹介をしてください!」です。まず、個人ワークで自分の特徴をポストイットに書き出し、その後にチーム内で共有してもらいました。共有を楽しむためのルールとしてさらに、1)他の人とかぶっちゃダメ、2)山手線ゲーム的に順番に、3)ノンストップで、4)必ず●●な新ですと言う、の制約条件の中で自己紹介をしてもらいました。 初対面同士だったチームメンバーも「●●な私」を基に自分の様々な側面を紹介していきました。「お金がなくて、じゃがいもだけで一週間生きのびた!」「彼女と別れた…」「明日名古屋に引越す」といった衝撃体験や恥ずかしい話なども共有されました。用意していた手持ちのポストイットがなくなると、その場で「●●な私」を書き出す受講者もいて、普段の自己紹介では聞けないような側面が紹介され、とても愉快な様子でした。このプロセスを経て、1人の人間でも多角的に見ると様々な側面があることがわかりました。

Page 2: Workshop 1 新しい自己紹介をデザインする - i.schooli.school KOMABAのWSで素振りを繰り返して、知性の創造性をトレーニング していきましょう!

Workshop Design of i.school

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i.schoolのワークショップは、以下の3つのステップによって構成されています。

①Understanding(=理解)②Creating(=創出)③Realizing(=実現)

TitleWorkshop 1: 新しい自己紹介をデザインする

Organizer 担当教官:堀井秀之教授 (i.school Executive Director)、横田幸信(i.school Assistant Director)ファシリテーター:新隼人( i.school KOMABA修了生)TA:沼田逸平(i.school学生)、金子遥洵( i.school修了生)、小川悠( i.school修了生)、志賀雄一( i.school

KOMABA修了生)、柴田偉斗子( i.school修了生)レポート執筆: 新隼人( i.school KOMABA修了生)

InformationWeb: http://ischool.t.u-tokyo.ac.jp/Blog: http://ischool.t.u-tokyo.ac.jp/innovation/?p=259Mail: [email protected]: @ischool_kmb #ischool_kmb

i.school KOMABA:イノベーション教育への招待

過去の自己紹介の経験を振り返る チームメンバーの普段紹介しないような以外な側面を見れて、程よく仲が良くなったチームに与えられた次なる課題は、自己紹介のシーンについて考えることです。特に、「相手を知ったシーン、もっと知りたいと思ったシーン」について考えてもらいました。まずは、個人ワークで過去の自分の経験を振り返り、ポストイットに書き出していきます。「一言で説明してもらったその人の職業が、自分が初めて聞くものだったとき」「パーティーで無口だったから」「転校生が入ってきたとき」など相手に興味を持ったときや、新しいことを知りたいと思ったときに相手を知ったり、知りたいと思ったことが多かったようです。次に、自己紹介のシーンを整理し、自己紹介が足りてないシーンを探すために、共有したシーンを2x2でマッピングしました。

成果物は、スキットで発表! 各グループで出た新しい自己紹介をスキットにて発表しました。「スキー場のリフトで隣り合った人とクイズ形式に知り合える自己紹介」「授業中の見えない連帯責任による自己紹介」など、どの班も新しい自己紹介でとても楽しかったです。堀井教授に一回目にして既にスキットのレベルは完璧だと言わせるほどの出来でした。

プレイフルな雰囲気  全体を通して、受講者と運営者の笑いの絶えない愉快なワークショップになったことが喜ばしいですね。当日ご参加頂いた皆様、施設や準備にご協力頂いた皆様、ありがとうございました。

6つの学び  今回のWSでファシリテーターが意図していた学びは、6つありました。ワークショップの最後には、ファシリテーターから受講者の皆さんへ、以下のような、本日の6つの意図の説明が行われました。

①主観的な思考を大事にする②創造を目的としたグループワーク体験③ビジュアルや口頭でのコミュニケーション④唯一の解はない!の気づき⑤他者意見を吸収し自己変化のメリット⑥スキットによる表現方法の有効性の確認

相手があなたを知りたくなる自己紹介 ワークショップもそろそろ大詰めです。先ほどマッピングした自己紹介のシーンから特に議論が多く生まれた気になるシーンを一つ選びました。何か足りないなと思う点、こうなるといいなと思う点についてそれぞれ赤色、青色のポストイットでそのシーンについてさらに深く議論をしていきました。その結果、特徴的なシーンにおける課題や目的が見えてきました。 さらに、各チームが選んだその特徴的なシーンでの「●●な私」、つまり自己紹介するための手段を考えてもらいました。そのシーンにいる主人公はどんな人なのか、各チームともに議論が白熱している様子でした。その後は、これまでに議論した課題、目的、手段を組み合わせて新しい自己紹介を表現するためにスキットの準備をしました。