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Application of W Kei SUZUKI, K 二化炭素ハイドレ 二化炭素ハイドレ 二化炭素ハイドレ 二化炭素ハイドレ 1. 1. 1. 1. 緒言 緒言 緒言 緒言 ハイドレートは水分子が籠状状態に 分子を補足した構を有した氷状物質 スト分子をメタン,天然ガス,二化 物質とすることで,これらを保存する 温度条件が著しく緩和されることから た保存方法として有効と考えられてい ハイドレートは籠状構であることか あり,生成時に氷塊となりやすく,ガ 阻害して生成速度を低下させるととも しく困難となる場合が多い.これらの には,スラリ状態での安定した高効率 考えられる (2) 本研究は輸送性の良好な二化炭素 ラリを作成することを目途としたもの じめ油中に水を分散・乳化させた油中 ョン内でのハイドレート生成実験を行 特にエマルジョンのベース油としてジ オイル(以下シリコンオイル)を使用 る界面活性剤の影響,および含水率の 験的検討を行った. 2. 2. 2. 2. 実験装置および方法 実験装置および方法 実験装置および方法 実験装置および方法 1 実験装置の概略を示す.実験 ガス供給系,冷却系,測定系によって 力容器は密閉された内容積500 mlS あり,上には攪拌装置が取り付けら 装置は100 rpmもしくは500 rpmに定回 り,先端に2 3 枚羽根スクリュー型 けられている.ガス供給系はピストン 用しており,吸収されて減少した分の 供給補正することにより,一定圧力で 冷却系は恒温装置と冷却液により構成 定温度に制御されている.槽内の温度 内である.測定系はさらに圧力測定, 攪拌機回転数測定で構成している.圧 およびガス供給圧力について測定した K 型熱電対を用い,容器内液相と恒温 るとともに,ガス流量測定系では,圧 れる二化炭素の流量を測定した.ま は試料の状態によって変化するため, 数も同時に測定した.以上のすべての でサンプリングされ,データロガーに 本実験に使用したエマルジョン試料 ルと超純水,界面活性剤で構成した. 非イオン系のソルビタンモノオレエー SP-O10 V,花王(株),HLB=4.3)を 試料を所定の体積割合で混合し,ホモ W/O emulsion in carbon dioxide hydrate produ Kazuto NAKAGAWA and Hiroshi YAMASA Vessel Stirrer Coolant Constant pre Data logger K-type therm Flow meter Fig.1 Schematics of Experim レート生成における油中水滴型エマルジョ レート生成における油中水滴型エマルジョ レート生成における油中水滴型エマルジョ レート生成における油中水滴型エマルジョ 日大生産工() ○鈴木 日大生 日大生産工 山﨑 博司 に結合してゲスト 質である.このゲ 化炭素などの有用 るための圧力条件, ら,水を媒体とし いる (1) .一方で, から結合が容易で ガス物質の拡散を もに,輸送性が著 の問題回のため 率な生成が有効と 素ハイドレートス のであり,あらか 中水滴型エマルジ 行った.本報では, メチルシリコン 用した場合におけ の影響について実 験装置は圧力容器, て構成される.圧 SUS316 製容器で られている.攪拌 回転制御されてお 型攪拌子が取り付 ン,シリンダを利 の圧力を検出して でガスを供給する. 成されており,一 度変動は±0.1 K,ガス流量測定, 圧力は容器内圧力 た.温度測定には 温槽温度を測定す 圧力容器に供給さ また攪拌機回転数 ,攪拌装置の回転 のデータは0.5 Hz に記録される. 料はシリコンオイ .界面活性剤には ート(レオドーを用いた.上記の モジナイザを用い 10000 rpm 程度で2 min攪拌し エマルジョンを生成した.界面 0.05 で一定とし,水分は0.1 界面活性剤の影響を調べること ンオイルおよび界面活性剤を混 ル試料を用いた. 実験はエマルジョン試料 200 力容器を攪拌しながら温度一定 冷却しながら一定圧力で二化 レート生成を行い,上記を二 ロとなるまで行った.なお恒温 295 K で一定とし,ガス供給圧 3. 3. 3. 3. 実験結果及び考察 実験結果及び考察 実験結果及び考察 実験結果及び考察 2 に供試エマルジョンを用 実験の実験結果の一例を示す. らの経時間,左縦軸は二化 エマルジョン温度を示している および0.2 とした場合の結果が示 化炭素吸収量は大気圧下, 275 炭素体積であり,試料単位体積 二化炭素供給量はガス供給開 上がり,その傾きは徐々に減少 ルジョン温度は初期に減少した 近する.そののち含水率0.2 では のち再び恒温槽温度に漸近する 本実験での設定圧力3.0 MPaにお uction. AKI essure gas feeder mocouple mental apparatus. ョンの応用 ョンの応用 ョンの応用 ョンの応用 生産工 中川 一人 して調製し,油中水滴型 面活性剤の体積比率は および0.2 とした.また とを目的として,シリコ 混入させたシリコンオイ ml を密閉封入した圧 定の恒温槽内に浸漬し, 化炭素を供給してハイド 化炭素の流量がほぼゼ 温槽温度は 275 K もしく 圧力は 3.0 MPa とした. 用いたハイドレート生成 .横軸はガス供給開始か 化炭素供給量,右縦軸は る.図には含水率を0.1 示されている.なお二 5 Kの吸収される二化 積で規格化されている. 開始直後より急激に立ち 少している.一方でエマ たのち,恒温槽温度に漸 1.20 ×10 4 sで上昇した る変化が見受けられたおける二化炭素ハイ -日本大学生産工学部第42回学術講演会(2009-12-5)- 59 1-16

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Page 1: w p.docx) - 日本大学生産工学部Microsoft Word - w p.docx) Author K.Suzuki Created Date 10/29/2009 4:35:33 PM

Application of W/O emulsion in carbon dioxide hydrate production

Kei SUZUKI, Kazuto NAKAGAWA

二酸化炭素ハイドレート生成における油中水滴型エマルジョンの応用二酸化炭素ハイドレート生成における油中水滴型エマルジョンの応用二酸化炭素ハイドレート生成における油中水滴型エマルジョンの応用二酸化炭素ハイドレート生成における油中水滴型エマルジョンの応用

1.1.1.1. 緒言緒言緒言緒言

ハイドレートは水分子が籠状状態に結合してゲスト

分子を補足した構造を有した氷状物質である.このゲ

スト分子をメタン,天然ガス,二酸化炭素などの有用

物質とすることで,これらを保存するための圧力条件,

温度条件が著しく緩和されることから,水を媒体とし

た保存方法として有効と考えられている

ハイドレートは籠状構造であることから結合が容易で

あり,生成時に氷塊となりやすく,ガス物質の拡散を

阻害して生成速度を低下させるとともに,輸送性が著

しく困難となる場合が多い.これらの問題回避のため

には,スラリ状態での安定した高効率な生成が有効と

考えられる(2).

本研究は輸送性の良好な二酸化炭素ハイドレートス

ラリを作成することを目途としたものであり,あらか

じめ油中に水を分散・乳化させた油中水滴型エマルジ

ョン内でのハイドレート生成実験を行った.本報では,

特にエマルジョンのベース油としてジ

オイル(以下シリコンオイル)を使用した場合におけ

る界面活性剤の影響,および含水率の影響について実

験的検討を行った.

2.2.2.2. 実験装置および方法実験装置および方法実験装置および方法実験装置および方法

図1 に実験装置の概略を示す.実験装置は圧力容器,

ガス供給系,冷却系,測定系によって構成される.圧

力容器は密閉された内容積500 mlのSUS316

あり,上部には攪拌装置が取り付けられている.攪拌

装置は100 rpmもしくは500 rpmに定回転制御されてお

り,先端に2 段3 枚羽根スクリュー型攪拌子が取り付

けられている.ガス供給系はピストン,シリンダを利

用しており,吸収されて減少した分の圧力を検出して

供給補正することにより,一定圧力でガスを供給する.

冷却系は恒温装置と冷却液により構成されており,一

定温度に制御されている.槽内の温度変動は±

内である.測定系はさらに圧力測定,ガス流量測定,

攪拌機回転数測定で構成している.圧力は容器内圧力

およびガス供給圧力について測定した.温度測定には

K 型熱電対を用い,容器内液相と恒温槽温度を測定す

るとともに,ガス流量測定系では,圧力容器に供給さ

れる二酸化炭素の流量を測定した.また攪拌機回転数

は試料の状態によって変化するため,攪拌装置の回転

数も同時に測定した.以上のすべてのデータは

でサンプリングされ,データロガーに記録される.

本実験に使用したエマルジョン試料はシリコンオイ

ルと超純水,界面活性剤で構成した.界面活性剤には

非イオン系のソルビタンモノオレエート(レオドー

SP-O10 V,花王(株),HLB=4.3)を用いた.上記の

試料を所定の体積割合で混合し,ホモジナイザを用い

Application of W/O emulsion in carbon dioxide hydrate production

Kei SUZUKI, Kazuto NAKAGAWA and Hiroshi YAMASAKI

①Vessel ②Stirrer

③Coolant ④Constant pressure

⑤Data logger ⑥K-type thermocouple

⑦Flow meter

Fig.1 Schematics of Experimental

二酸化炭素ハイドレート生成における油中水滴型エマルジョンの応用二酸化炭素ハイドレート生成における油中水滴型エマルジョンの応用二酸化炭素ハイドレート生成における油中水滴型エマルジョンの応用二酸化炭素ハイドレート生成における油中水滴型エマルジョンの応用

日大生産工(院) ○鈴木 圭 日大生産工

日大生産工 山﨑 博司

ハイドレートは水分子が籠状状態に結合してゲスト

分子を補足した構造を有した氷状物質である.このゲ

スト分子をメタン,天然ガス,二酸化炭素などの有用

物質とすることで,これらを保存するための圧力条件,

温度条件が著しく緩和されることから,水を媒体とし

た保存方法として有効と考えられている(1).一方で,

ハイドレートは籠状構造であることから結合が容易で

あり,生成時に氷塊となりやすく,ガス物質の拡散を

阻害して生成速度を低下させるとともに,輸送性が著

しく困難となる場合が多い.これらの問題回避のため

には,スラリ状態での安定した高効率な生成が有効と

本研究は輸送性の良好な二酸化炭素ハイドレートス

ラリを作成することを目途としたものであり,あらか

じめ油中に水を分散・乳化させた油中水滴型エマルジ

ト生成実験を行った.本報では,

特にエマルジョンのベース油としてジメチルシリコン

オイル(以下シリコンオイル)を使用した場合におけ

る界面活性剤の影響,および含水率の影響について実

実験装置の概略を示す.実験装置は圧力容器,

ガス供給系,冷却系,測定系によって構成される.圧

SUS316 製容器で

あり,上部には攪拌装置が取り付けられている.攪拌

に定回転制御されてお

枚羽根スクリュー型攪拌子が取り付

けられている.ガス供給系はピストン,シリンダを利

おり,吸収されて減少した分の圧力を検出して

供給補正することにより,一定圧力でガスを供給する.

冷却系は恒温装置と冷却液により構成されており,一

定温度に制御されている.槽内の温度変動は±0.1 K以

内である.測定系はさらに圧力測定,ガス流量測定,

攪拌機回転数測定で構成している.圧力は容器内圧力

およびガス供給圧力について測定した.温度測定には

型熱電対を用い,容器内液相と恒温槽温度を測定す

るとともに,ガス流量測定系では,圧力容器に供給さ

れる二酸化炭素の流量を測定した.また攪拌機回転数

ため,攪拌装置の回転

数も同時に測定した.以上のすべてのデータは0.5 Hz

でサンプリングされ,データロガーに記録される.

本実験に使用したエマルジョン試料はシリコンオイ

ルと超純水,界面活性剤で構成した.界面活性剤には

非イオン系のソルビタンモノオレエート(レオドール

)を用いた.上記の

試料を所定の体積割合で混合し,ホモジナイザを用い

て10000 rpm 程度で2 min攪拌して調製し,油中水滴型

エマルジョンを生成した.界面活性剤の体積比率は

0.05 で一定とし,水分は0.1 および

界面活性剤の影響を調べることを目的として,シリコ

ンオイルおよび界面活性剤を混入させたシリコンオイ

ル試料を用いた.

実験はエマルジョン試料 200 ml

力容器を攪拌しながら温度一定の恒温槽内に浸漬し,

冷却しながら一定圧力で二酸化炭素を供給してハイド

レート生成を行い,上記を二酸化炭素の流量がほぼゼ

ロとなるまで行った.なお恒温槽温度は

は 295 Kで一定とし,ガス供給圧力は

3.3.3.3. 実験結果及び考察実験結果及び考察実験結果及び考察実験結果及び考察

図2 に供試エマルジョンを用いたハイドレート生成

実験の実験結果の一例を示す.横軸はガス供給開始か

らの経過時間,左縦軸は二酸化炭素供給量,右縦軸は

エマルジョン温度を示している.図には含水率を

および0.2 とした場合の結果が示されている.なお二

酸化炭素吸収量は大気圧下,275 K

炭素体積であり,試料単位体積で規格化されている.

二酸化炭素供給量はガス供給開始直後より急激に立ち

上がり,その傾きは徐々に減少している.一方でエマ

ルジョン温度は初期に減少したのち,恒温槽温度に漸

近する.そののち含水率0.2 では

のち再び恒温槽温度に漸近する変化が見受けられた

本実験での設定圧力3.0 MPaにおける二酸化炭素ハイ

Application of W/O emulsion in carbon dioxide hydrate production.

and Hiroshi YAMASAKI

ressure gas feeder

thermocouple

Fig.1 Schematics of Experimental apparatus.

二酸化炭素ハイドレート生成における油中水滴型エマルジョンの応用二酸化炭素ハイドレート生成における油中水滴型エマルジョンの応用二酸化炭素ハイドレート生成における油中水滴型エマルジョンの応用二酸化炭素ハイドレート生成における油中水滴型エマルジョンの応用

日大生産工 中川 一人

攪拌して調製し,油中水滴型

エマルジョンを生成した.界面活性剤の体積比率は

および0.2 とした.また

界面活性剤の影響を調べることを目的として,シリコ

ンオイルおよび界面活性剤を混入させたシリコンオイ

200 mlを密閉封入した圧

力容器を攪拌しながら温度一定の恒温槽内に浸漬し,

冷却しながら一定圧力で二酸化炭素を供給してハイド

レート生成を行い,上記を二酸化炭素の流量がほぼゼ

ロとなるまで行った.なお恒温槽温度は 275 Kもしく

で一定とし,ガス供給圧力は 3.0 MPaとした.

に供試エマルジョンを用いたハイドレート生成

実験の実験結果の一例を示す.横軸はガス供給開始か

らの経過時間,左縦軸は二酸化炭素供給量,右縦軸は

エマルジョン温度を示している.図には含水率を0.1

とした場合の結果が示されている.なお二

275 Kの吸収される二酸化

炭素体積であり,試料単位体積で規格化されている.

二酸化炭素供給量はガス供給開始直後より急激に立ち

上がり,その傾きは徐々に減少している.一方でエマ

ルジョン温度は初期に減少したのち,恒温槽温度に漸

では1.20 ×104 sで上昇した

のち再び恒温槽温度に漸近する変化が見受けられた.

における二酸化炭素ハイ

-日本大学生産工学部第42回学術講演会(2009-12-5)-

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Page 2: w p.docx) - 日本大学生産工学部Microsoft Word - w p.docx) Author K.Suzuki Created Date 10/29/2009 4:35:33 PM

Fig.3 Effect of surfactant on CO2 absorption and

temperature of silicone oil.

Fig.4 Effect of silicone oil temperature on CO2 absorption.

ドレートの生成温度は277 Kであり,同温度上昇が生成

温度と一定していることから,1.20 ×104 s以後の温度

変化において二酸化炭素ハイドレートの生成が行われ

たものと推測できる.また,1.45 ×104 sにおいて二酸

化炭素吸収量に若干の上昇が見られ,乳化水分中での

ハイドレート生成によりシリコンオイル中の二酸化炭

素量が減少したための吸収と考えられる.今後さらに

二酸化炭素吸収量の増加が見込まれるものの,ガス供

給系の容量により継続したデータの取得が困難であっ

た.一方でそのハイドレート化された二酸化炭素量は

吸収量よりも少なく,この系ではシリコンオイル中に

早期に二酸化炭素が吸収され,過冷却を経たのちハイ

ドレート生成されたものと考えられる.また含水率0.1

の試料においては上記の温度上昇は観測されておらず,

1.33 ×104 sで実験を終了した.以後に試料温度上昇お

よび二酸化炭素のさらなる吸収がある可能性がある.

含水率0.1 の場合において生成されたハイドレートを

275 Kのシリコンオイルで希釈し,顕微鏡で観察したと

ころ球状ハイドレート粒塊が確認でき,その直径は

10µm程度であった.一方,観察結果よりシリコンオイ

ル中には粒塊径5 mm程度の白色のハイドレート塊が

観察されたが,容易に分散する凝集物であった.

図3 はシリコンオイルおよびシリコンオイルに界面

活性剤を体積割合0.2 混入させた混合試料における二

酸化炭素吸収実験の結果である.試料温度変化は両者

に差異は見られず,ほぼ一致しているためシリコンオ

イルにおける結果のみを記している.二酸化炭素吸収

量は,シリコンオイルでは333 m3/ m3,シリコンオイル,

界面活性剤の混合試料では260 m3/ m3であった.後者に

おけるシリコンオイル換算での二酸化炭素吸収量は

325 m3で,前者とほぼ一致しており界面活性剤は二酸

化炭素吸収に関与していないことがわかる.一方,吸

収量の立ち上がりは界面活性剤混入シリコンオイルが

急峻であり,吸収量が飽和したと考えられるまでの経

過時間はシリコンオイル,界面活性剤混合試料の場合

の約40 %であった.これより界面活性剤の混入は油成

分の流動性に影響を与えている可能性が高く,流動性

が吸収速度に影響することを示唆するものと考えられ

る.また,図4 はシリコンオイルのみを275 Kおよび295

K,3.0 MPaで一定に保った場合の二酸化炭素吸収量変

化である.275 Kでは1.80 ×104 s後に333 m3/ m3の二酸化

炭素吸収量であったのに対し,295 Kでは吸収停止時間

が3.00 ×103 s後と早まり,吸収量も91.8 m3/ m3に減少し,

温度が大きく影響していることが明らかになった.

4. 結言結言結言結言

輸送性の良好なハイドレートスラリを生成すること

を目的とし,油中水滴型エマルジョン中での二酸化炭

素ハイドレート生成実験を行った結果,以下の結論を

得た.

(1) シリコンオイルをベースとした油中水滴型エマル

ジョンを用い,二酸化炭素ハイドレートを生成するこ

とで,ハイドレート粒子の凝集の少ないハイドレート

スラリの生成ができることを確認した.

(2) シリコンオイル中に早期に二酸化炭素が吸収され,

過冷却を経たのちハイドレートが生成された.

(3) 界面活性剤混入はシリコンオイルへの二酸化炭素

吸収量には影響を与えないが,吸収時間は短くなる.

参考文献参考文献参考文献参考文献

(1) Dabid Gre, Jonh Boxall, James Mulligan ら,Hydrate

formation from high water content-crude oil emulsions ,

Chemical Engineering Science 63 (2008), 4570 – 4579

(2) 中川一人,山崎博司,星野和義,エマルジョンを

利用したハイドレートスラリーの製作,第 18 回日本

エネルギー学会大会講演要旨集 (2009), 420 - 421

Fig.2 Carbon dioxide hydrate production in water in

silicone oil emulsion.

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