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8回透析アクセスセミナー 2017514日(日) 10501140 広島工業大学広島校舎 501号室 VA管理を透析管理から考える 医療法人 心信会 池田バスキュラーアクセス・透析・内科 池田

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第8回透析アクセスセミナー2017年5月14日(日) 10:50~11:40

広島工業大学広島校舎 501号室

VA管理を透析管理から考える

医療法人 心信会池田バスキュラーアクセス・透析・内科

池田 潔

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医)心信会 池田バスキュラーアクセス・透析・内科

2010年9月1日 開院

2017年4月1日現在の状況

・腎臓内科

保存期外来;180人

外来維持透析導入;42人

・人工透析

通院維持透析;119人

在宅透析;8人(2名トレーニング中)

医師;2名看護師;21名工学技士;8名検査技師;3名メディカルクラーク;3名看護助手;6名事務;5名

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透析室1F:34台、2F:15台

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透析中の定期的超音波モニタリング

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管理栄養士 臨床工学技士 看護師

医師

メディカルクラーク

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手術室とCアーム

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(件数)

図1:OPE・PTA件数

73

267

315 323

399376 380

27

91

96 98

117118 126

2

14

12 17

1218 33

0

100

200

300

400

500

600

2010/9/1-12/31 2011/1/1-12/31 2012/1/1-12/31 2013/1/1-12/31 2014/1/1-12/31 2015/1/1-12/31 2016/1/1-12/31

PTA(2,133件) OPE(673件) カテーテル(108件)

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期間:2016年1月~12月

当院患者33人、平均1.9回

図2:PTA患者の紹介元医療機関

当院

63件17%

他院

317件83%

福岡市

246件78%

福岡市以外49件15%

他県

22件7%

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本日の話題

① BCMの有用性と使い方② 加圧式VAマッサージを透析室で行う。③ 在宅カテーテル透析によってアクセス

穿刺負担の低減④ まとめ

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維持透析患者の管理① VAの管理② DWの設定③ 検査データの管理(透析効率等)④ 副甲状腺のチェック(MBD)⑤ 心機能のチェック⑥ 足病のチェック⑦ 悪性疾患早期発見のための検査(消化管の定期検査、全身CT等)

⑧ 骨そしょう症の管理⑨ 頸動脈のチェック⑩ 認知症の管理⑪ 通院状況の管理

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心胸郭比(CTR)

血圧(BP)

透析後の下大静脈径の測定(IVC)

BCM検査(examination of BCM)

DWの指標

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BCM®は電気抵抗の原理を使った体組成分析装置である。

体内に微弱な電流を流し、その電気抵抗を利用して水分量や体脂肪、筋肉量を間接的に求める最新の方法が採用されている。家庭用体脂肪計を想像するとわかりやすい。

電気は水分に沿って流れ、水分の量によって伝導性が違う。・脂肪の多い人(筋肉の少ない人)⇒電気抵抗値が大きい・脂肪の少ない人(筋肉の多い人)⇒電気抵抗値が小さい

この電気抵抗値の違いを元に分析し、数値で示される。

BCM®体組成分析装置について・・・

計測方法

* BCM:Body Composition Monitor

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<基礎情報の入力>①身長②体重③年齢④性別

BCM(BodyCompostionMonitor:体組成計)

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3分の検査

BCM(BodyCompostionMonitor:体組成計)

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BCM結果

過剰水分量[L]

理想乾燥体重[kg]

DWと理想の差[kg]

肥満係数[kg/m2]

BCM(BodyCompostionMonitor:体組成計)

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70 60 54

13.418

30

0%

20%

40%

60%

80%

100%

新生児(3.5kg) 成人(70kg) 高齢者(65kg)

年齢による体水分の変化

水分 たんぱく 脂肪 無機塩類

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脂肪

細胞の中

細胞の外

脂肪以外

筋肉

細胞の中

細胞の外

皮膚・臓器・必須脂質骨・ミネラル

過剰水分

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BCM

血圧

心胸比 脂肪

細胞の中

細胞の外

脂肪以外

筋肉

細胞の中

細胞の外

皮膚・臓器・必須脂質骨・ミネラル

過剰水分

ドライウエイト

すべての結果を考慮し、DWを評価していく。

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狭窄と閉塞の原因

#1 過凝固状態#2 血圧低下による閉塞#3 有意狭窄部位の放置#4 強度の圧迫#5 穿刺ミスによる血腫形成#6 静脈圧上昇の放置

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*3点以上でDSA or PTAを検討

1) 異常なし

2) 狭窄音を聴取

3) 狭窄部位を触知

4) 静脈圧の上昇160mmHg以上

5) 止血時間の延長

6) 脱血不良(開始時に逆行性に穿刺)

7) 透析後半1時間での血流不全

8) シャント音の低下

9) ピロー部の圧の低下

10) 不整脈

(自家:1,グラフト:3)

(自家:2,グラフト:3)

Co-medical staff のために

表2:シャント トラブル スコアリング (S.T.S) 第Ⅰ版

臨床透析:「インターベンション治療ー適応範囲と新しい器材・技術の発展ー」2005;21

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(症例) H.Y 73才・Female

原疾患: 高血圧性腎硬化症

病 歴 : 2015年5月12日 HD導入

シャント作成 2015年3月6日

第1回PTA 2015年10月27日

C T R : 45.9%

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PTAの経過

PTA施行日 来院理由

2015年 10月27日 血流不足・狭窄

2016年 2月 3日 狭窄

5月17日 後半 血流不足

6月23日 狭窄

9月22日 狭窄

11月 1日 閉塞

12月10日 閉塞

12月30日 狭窄

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体組成分析

初診:2015年10月27日

DW-NH(乾燥体重-理想体重)

0.1kg

DW(乾燥体重)

46.8kg

NH-Weight(理想体重)

46.7kg

Weight(測定時体重)

47.0kg

Overhydration 0.3L

BMI(肥満係数)

22.0kg/㎡

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PTAの経過とBCM値

PTA施行日 来院理由 BCM検査日 BCM値

2015年 10月27日 血流不足・狭窄 10月27日 0.1kg

2016年 2月 3日 狭窄 3月 8日 -1.6kg

5月17日 後半 血流不足 5月 7日 -0.5kg

6月23日 狭窄 6月21日 -0.5kg

9月22日 狭窄 9月22日 -0.4kg

11月 1日 閉塞 11月 1日 -0.1kg

11月17日 0.6kg

12月10日 閉塞 12月10日 -0.6kg

12月30日 狭窄 12月30日 -0.6kg

2017年 1月12日 -0.6kg

3月14日 -0.6kg

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左透視下PTA(2016.11.1)

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同じ体重の人でも筋肉量や脂肪量は違うため、DWも違う。BCM®体組成分析装置では体液過剰・不足量(OH)が測定できるので、透析患者のDWを設定す

る上で必要な値が得られ、判断材料とすることができる。

過剰水分がない状態が理想のDWであるため、当院では、 DW=理想体重+OH と設定している。

DWの設定

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DWと理想体重の差

-4.0

-3.0

-2.0

-1.0

0.0

1.0

2.0

3.0

4.0

5.0

6.0

人数(人)

平均(kg)

プラス群 52 1.23

マイナス群 59 -1.15

差なし(0)群 5 0

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【背景】

※エコーでの管理は状態評価であり一次開存率の延長には寄与しない。※最もVAに関わる透析室での患者管理やVA管理が重要である。

当院では、透析室の患者管理として2015年より体組成分計(BCM)を活用し、患者の体重管理を行っている。そこからVA管理とつながる部分が見得てきた。

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【目的】頻回VAIVT症例におけるBCMによる体重管理について検証した。

【期間・対象】2014年1月~2015年12月PTAを施行した108症例の維持透析患者中頻回PTAを繰り返した95回(21症例)AVF:16名、AVG:5名

【方法】①頻回PTA患者へBCMを実施し、DWと理想体重の差を平均値にて算出(T検定)②BCM未活用の2014年と体重管理にBCMを活用した2015年のVA一次開存率を Kaplan-Meier法にて算出

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DWとの誤差平均-0.72㎏(T検定)#1 体液不足最大値;4.0㎏不足

#2 体液過剰最大値;0.8㎏過剰

頻回PTA患者には、1.0㎏以上の体液過剰はいなかった

【結果①】

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-3

-2

-1

0

1

2

3

A値 B値

平均値±標準偏差SD

PTA歴なし(n=261)+0.13Kg

①対象期間中PTAを実施していない患者は、適正なDWを維持していた。②対象期間中PTAを実施した患者は、平均1.0Kgの体液不足傾向があった。

-0.96KgPTA歴あり(n=139)

P=NS

BCM結果比較(DW-理想BW)PTA歴なし vs PTA歴あり

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2015年;74.2%

2014年;39.6%

P=NS

【Result ②】

<patency period>

Patency ratio

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PTA対象患者のBCMとIVC、拡張期血圧、CTR、Hbの関係を当院維持患者の値と比較し解析した。

目的

対象

解析方法

2016年3月から2017年2月までに行った他院紹介PTA施行患者:442人

①(当院)AVF:23人、AVG:7人、その他:2人②(狭窄)AVF:88人、AVG:25人③(閉塞)AVF: 18人、AVG:11人

相関係数、t検定

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表1 BCM値の比較

期間:2016.3.1-2017.2.28

<全患者>

n 平均 SD

外来PTA患者(狭窄) 329 0.07 1.49

外来PTA患者(閉塞) 81 -0.32 1.69

有意差 p<0.05

n 平均 SD

当院維持患者PTA(+) 32 0.35 1.23

外来PTA患者(狭窄) 329 0.07 1.49

有意差 n.s.

n 平均 SD

当院維持患者PTA(+) 32 0.35 1.23

外来PTA患者(閉塞) 81 -0.32 1.69

有意差 p<0.05

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BCMのまとめ

#1 BCMによる体液量の管理を導入することで過剰除水からの閉塞の回避に有用である可能性が示唆された。

#2 -0.5kg<BCM<+1.0kg 内で検討中

この範囲で、心胸比が50%以下であれば、血圧調整に降圧剤の使用を優先させる。心胸比50%以上ならこの範囲内でDWを調整する。

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本日の話題

① BCMの有用性と使い方② 加圧式VAマッサージを透析室で行う。③ 在宅カテーテル透析によってアクセス

穿刺負担の低減④ まとめ

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【加圧式VAマッサージ(PVM)とは】

~ポイント~当院の加圧式VAマッサージは、両手で狭窄部位を挟むようにして行う。①片方の手は狭窄の中枢でシャントの流れを一時的に遮断。②もう片方の手で末梢から血管を加圧する。

※これにより狭窄部位の血管を伸展させる方法である。

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週3回、穿刺前に狭窄部位へのPVMを30~60秒施行

上流から狭窄病変へ血液を送り込む

【加圧式VAマッサージ(PVM)とは】

動画

狭窄病変(加圧ポイント)

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<PVM効果による血管イメージ>

【加圧式VAマッサージ(PVM)とは】

狭窄病変を加圧動画

内側から加圧することで、血管を伸展させる

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【対象】

(1) PTA歴がある

(2) 自己血管内シャント(AVF)

(3) 吻合部以外の狭窄を認める

(4) 血栓形成のない内膜肥厚型の狭窄病変

上記の項目に該当する当院維持透析患者:14名

観察期間:2013年11月~2016年10月(36ヵ月間)

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【方法】①PVM介入前後1ヶ月におけるVA超音波検査

(以下、エコー)データの平均を改善率として算出※急性効果も併せて報告

②PVM介入前後での3ヵ月開存率を算出し比較

(Kaplan-Meier)

③PVM介入前後での開存期間が3ヵ月未満症例数

の割合を比較<当院でのVAIVT基準>3ヵ月ルールを50%以上がクリアできる基準として血管エコー検査『FV≦500、RI≧0.65、PI≧1.6、狭窄径≦1.6mm』を適用

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【結果①】VAエコー検査データ比較(PVM介入前後1ヵ月)

血流量(mL/min)

0

200

400

600

800

1000

1200

PVM開始前 PVM開始後

P<0.05

693.33±266.13

介入前 介入後

577.78±201.42

改善率:+20.0%

抵抗係数(RI)

0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

PVM開始前 PVM開始後

0.557±0.080

0.576±0.066

介入前 介入後

改善率:+3.3%

拍動係数(PI)

0

0.2

0.4

0.6

0.8

1

1.2

1.4

PVM開始前 PVM開始後

0.914±0.270

0.957±0.223

介入前 介入後

P=NS

改善率:+4.5%

※すべての項目でプラスの改善がみられた※

P=NS

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1.46

0.63

1.16

1.89

0.570.94

0

1

2

3

4

5

6

7

加圧式VAマッサージ直前

加圧式VAマッサージ直後

1.57

0.42 0.57

2.04

0.33 0.410

1

2

3

4

5

6

加圧式VAマッサージ直前

加圧式VAマッサージ直後490

610

420

480

※(改善率%) ※(改善率%)

急性効果においても改善の傾向がみられた

症例① 症例②

【結果+α】VAエコー検査データ比較急性効果(PVM直前直後)

(+29.5%)

(+24.5%)

(+9.5%)(+19.5%)

(+29.9%)

(+14.3%)

(+21.4%) (+28.1%)

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【結果②】 3ヵ月開存率比較

PVM介入前(n=38) vs PVM介入後(n=36)

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

100

0 100 200 300 400 500 600 700

開存率

開存期間(Day)

Kaplan-Meier 開存曲線

介入前:52.6%

介入後:83.5%

(P<0.01)

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【結果③】開存期間3ヵ月未満の割合

45%

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

介入前 介入後

(17/38症例)

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【結果③】開存期間3ヵ月未満の割合

45%

11%0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

介入前 介入後

(17/38症例)

(4/36症例)

約5割→1割へ削減

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【結果③】診療報酬未加算点数診療報酬加算(PTA1回)=18,080点

PVM介入前未加算=18,080点×17症例

=307,360点

PVM介入後未加算=18,080点×4症例

=72,320点

235,040点の損失を回避※単純計算

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【結果】#1 エコーデータすべての項目において

改善の傾向がみられた。

#2 一次開存率に有意な差がみられた。

#3 診療報酬未加算の症例をおよそ半数

から1割へ減少させることができた。

#4 患者側と病院側の双方にとって良好な

結果が得られた。

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本日の話題

① BCMの有用性と使い方② 加圧式VAマッサージを透析で行う。③ 在宅カテーテル透析によってアクセス

穿刺負担の低減④ まとめ

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背景・目的

当院では、シャント作製術の他に長期留置カテーテル挿入術やカテーテル診察も行っている。

長期留置カテーテル挿入術と管理における現状を報告する。

H22.9/1~H27.12/31カテーテル挿入歴のある患者・カテーテル診察外来受診患者70名

期間・対象

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結果・考察

図1

シャント閉塞

47%

シャント

機能不全16%

在宅11%

緊急導入11%

短期→

長期3%

心機能

不全2% その他

12%

挿入の理由

その他:過剰血流・静脈高血圧症・点滴目的

挿入の目的はシャント閉塞や機能不全などのアクセストラブルをはじめ、緊急導入やH26頃より心負荷の改善

を目的とした挿入などがある。最近では在宅透析を目的とした挿入も行っている。

図2

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受診総件数は年々増加しているが、トラブルでの受診割合は減少している。

図3

その他:短期→長

期・カテーテル交換・キンク・脱落

カテーテルのトラブルとして脱血不良が半数以上を占め、次に感染、閉塞と続く。

図4

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トラブル内容を年別にすると、閉塞がH26以降は0件となっている。静脈圧上昇や脱血不

良など見られた場合に早期に対処したことで、閉塞は防ぐことができた。また感染に対してはH26頃より管理マニュアルの確立・他院への情報提供を行っていることにより、H27には減少した。

図5

静脈圧上昇・脱血不良に対しては血栓除去術を施行している。H25頃まではトンネ

ル感染に対してもカテーテル交換を行っていたが、H26頃より経路変更術で対応するようになった。

図6

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カテーテルトラブル

図7 カテーテルトラブルの対処法

脱血不良・静脈圧上昇

感染兆候あり

出口部 トンネル カテーテル内

抗生剤の全身投与(多剤併用)・カテーテル内投与

カテーテル抜去

経路変更抗生剤の全身投与

消毒抗生剤内服局所の抗生剤軟膏

カテーテル交換(血培陰性を確認後)抗生剤を3週間投与

発赤、腫脹、熱感、発熱、排膿、疼痛、CRP↑など

抵抗(+)

ウロキナーゼ充填

抵抗(-)

無効

カテーテルのポンピングにて血栓の有無を確認し、血栓を除去する。

ポンピング

血栓除去

抵抗(±)

ヘパリン充填

ウロキナーゼ6万単位を生食5mlにて溶解したものを使用

ヘパリン5千単位を原液で使用

(入院処置)

(血流感染)

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①カテーテルに付着したテープ糊をクロルヘキシジングルコン酸塩液含浸綿で取り除く。

カテーテル処置手順

1a 1b

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②ドレッシング材にて保護する前に、テープ糊が付着しないように滅菌ガーゼで完全に覆う。グルコン酸クロルヘキシジン含有の保護パッチを使用しない場合も、出口部が完全に覆われるようにガーゼを巻く。

カテーテル処置手順

2b2a

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③ガーゼがはみ出さないように鑷子で押さえながらドレッシング材を貼る。グルコン酸クロルヘキシジン含有の保護パッチ使用時もカテーテルの見えている部分が完全に覆われるようにする。

カテーテル処置手順

3a 3b

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まとめ

●カテーテル診察を定期的に行うことでトラブル予防やトラブルに対し早期に対応できている。

●管理方法を確立し情報提供したことで、トラブルが予防できている。

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2010年9月開院

2015年2月よりHHD開始

2017年3月現在10名のHHDを管理中

HHDでのバスキュラーアクセス

長期留置カテーテル 5名

自己穿刺 5名

日機装社製 DBB-100NX(D-FAS機能有)

在宅血液透析支援システム(タブレット)

Webカメラでの画面監視(スマカメ)

池田バスキュラー 検索当院の詳細は

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0

100

200

300

400

500

6001

97

5

19

76

19

77

19

78

.6

19

79

.6

19

80

19

81

19

82

19

83

19

84

19

85

19

86

19

87

19

88

19

89

19

90

19

91

19

92

19

93

19

94

19

95

19

96

19

97

19

98

19

99

20

00

20

01

20

02

20

03

20

04

20

05

20

06

20

07

20

08

20

09

20

10

20

11

20

12

20

13

20

14

20

15

わが国のHHD患者の推移

1998年4月保険収載

2010年4月保険改定

※図説わが国の慢性透析療法現況(2014) 日本透析医学会統計調査委員会より編集

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海外のHHD患者数(比率)

1.8

4.3

9.3

18.4

4.2

0.10

2

4

6

8

10

12

14

16

18

20

分類 1

米国 カナダ オーストラリア ニュージーランド 英国 日本

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都道府県別HHD患者数

山形県 11

埼玉県 76

東京都 72

神奈川県 33

長野県 10

岐阜県 26

静岡県 16

愛知県 46

滋賀県 30

京都府 12

大阪府 30

兵庫県 66

和歌山県 19

広島県 28

2015年末のデータ10名以上の都道府県を抜粋神奈川県は4施設

※図説わが国の慢性透析療法現況(2015) 日本透析医学会統計調査委員会より編集

100名を超える都道府県はない0名の都道府県もある各地域とも提供施設が多いわけではなく、人数を多く抱える施設の存在がある透析施設の数に対して、HHD提供可能施設数が圧倒的に少ない

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避けては通れない自己穿刺の悩み…

鋭角な針を使わないことで、穿刺ミスのリスクを減らすことができる。また、患者の精神的不安も、軽くすることができる。

ボタンホール穿刺

穿刺を行わない。穿刺の難しい患者さんも対象に。シャントも閉じることができる。(心負荷軽減)トレーニングの手技が完全に統一できるため、スタッフ側の負担も少ない。

長期留置カテーテル

当院では、両方の選択肢のメリット・デメリットを説明し、患者さんの意思を尊重し、一緒に選択していく

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接続部をアルコールにて毎回清拭する.また,定期的に接続部キャップを交換することで清潔を保つ.

清潔操作,シリンジによるポンピング,血液回路との接続など,患者・スタッフともに統一した手技で訓練を進めることができる.

体外のカテーテル部にテープの糊が残ることも感染の一因となるため,丁寧に清拭する.

カテーテルのトレーニング手技

注意すべきは,清潔・丁寧・観察

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出口部感染防止のため,グルコン酸クロルヘキシジン含有の保護パッチを使用し,その上からドレッシング材で覆う.

非透析時のガーゼ保護.防水テープで覆うことで,シャワー浴も可能.

挿入部の発赤などに対してはゲンタマイシン硫酸塩の塗布にて対応.

特別な器具や手技は,使用しない

カテーテルのトレーニング手技

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カテーテルでの在宅血液透析は管理方法に注意すればトラブルなく継続できる

HHDに移行すると、皮膚の状態が改善され、綺麗になる。PDより管理しやすいと考える。

長期留置カテーテルはHHDでのVAの選択肢となりうる

HHDでの長期留置カテーテル

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2016年9月頃のカテーテル出口部写真

A氏50代男性約20か月経過

B氏50代男性約15か月経過

D氏50代女性約7か月経過

C氏60代男性約12か月経過

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患者 性別 年齢 透析歴 在宅透析歴 穿刺方法

M.M M 60 8年 5か月 1年2か月 カテーテル

B.H M 54 4年 8か月 1年9か月 カテーテル

W.S M 67 6年 5か月 1年6か月 カテーテル

A.C F 60 17年 7か月 1年2か月 カテーテル

O.A F 50 4年10か月 8か月 自己穿刺

U.A M 58 4年 9か月 4か月 自己穿刺

F.S M 52 6年 7か月 3か月 自己穿刺

I.E F 61 14年 5か月 0か月 自己穿刺

K.C F 39 6年 9か月 トレーニング中 カテーテル

U.S F 50 9年11か月 トレーニング中 自己穿刺

当院の在宅血液透析患者一覧 (2017.5.1現在)

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在宅透析開始前後の比較

40

45

50

55

60

開始前 開始後

心胸比

100

120

140

160

180

200

220

240

260

開始前 開始後

透析前収縮期血圧

6

8

10

12

14

16

開始前 開始後

Hb

2.00

4.00

6.00

8.00

10.00

12.00

14.00

16.00

18.00

開始前 開始後

Cr

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在宅透析開始前後の比較

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0

開始前 開始後

BUN

3

3.5

4

4.5

5

5.5

6

開始前 開始後

K

2

3

4

5

6

7

8

9

10

開始前 開始後

P

0

2000

4000

6000

8000

10000

12000

14000

16000

開始前 開始後

エポ

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在宅透析開始前後の比較

0

10

20

30

40

50

60

心胸比

開始前 開始後0

50

100

150

200

250

透析前収縮期血圧

開始前 開始後

0

2

4

6

8

10

12

14

Hb

開始前 開始後0

2

4

6

8

10

12

14

16

18

Cr

開始前 開始後

p<0.05n.s.

n.s.

p<0.001

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在宅透析開始前後の比較

0

10

20

30

40

50

60

70

80

90

BUN

開始前 開始後0

1

2

3

4

5

6

7

K

開始前 開始後

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

P

開始前 開始後

p<0.001

p<0.05

p<0.01

0

2000

4000

6000

8000

10000

12000

14000

エポ

p<0.01

開始前 開始後

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降圧剤投与量の変化

患者 性別 年齢 透析歴 在宅透析歴 降圧剤

M.M M 60 8年 5か月 1年2か月 アムロジン(7.5)⇒中止

B.H M 54 4年 8か月 1年9か月 服用なし

W.S M 67 6年 5か月 1年6か月 服用なし

A.C F 60 17年 7か月 1年2か月オルメテック(40)⇒中止アムロジン(10)⇒中止

O.A F 50 4年10か月 8か月 服用なし

U.A M 58 4年 9か月 4か月 アーチスト(20)⇒中止

F.S M 52 6年 7か月 3か月 服用なし

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透析方法の違いによるHb値の比較

0

2

4

6

8

10

12

14

16

HHD開始前

カテーテル 自己穿刺

n.s.

0

2

4

6

8

10

12

14

16

HHD開始後

カテーテル 自己穿刺

n.s.

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透析方法の違いによるエポ投与量の比較

0

2000

4000

6000

8000

10000

12000

14000

16000HHD開始前

カテーテル 自己穿刺

n.s.

0

1000

2000

3000

4000

5000

6000HHD開始後

カテーテル 自己穿刺

p<0.05

Page 76: VA管理を透析管理から考える...BCM結果比較(DW-理想BW) PTA歴なしvs PTA歴あり 2015年;74.2% 2014年;39.6% P=NS 【Result ②】 <patency period>

透析方法の違いによるHDPの比較

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

HHD開始後

カテーテル 自己穿刺

n.s.

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本日の話題

① BCMの有用性と使い方② 加圧式VAマッサージを透析で行う。③ 在宅カテーテル透析によってアクセス

穿刺負担の低減④ まとめ

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まとめ

#1 BCMによる厳密なDW管理が、VA閉塞を予防できる。

#2 穿刺前のマッサージが有用であった。

#3 在宅透析の穿刺負担を開放するカテーテル透析は管理方法によって出口部感染を回避し今後のHHD患者の増加に寄与すると考えられる。。

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97.68%

2.26% 0.06%

臨床工学技士 看護師 医師

『業種別穿刺割合』

【内容・方法】

①穿刺難易度を、A群(初級)・B群(中級)・C群(上級)3段階に分類

※難易度評価は、臨床工学技士7名の評価平均を基に分類。(難易度評価は年1回見直し・更新)

性別年齢透析経験年数

(技士年数)集計期間

総穿刺者数

難易度別穿刺率

A(初級)

B(中級)

C(上級)

技士① 男 50 22(22) 12ヶ月 2340 61% 31% 8%

技士② 男 35 12(12) 12ヶ月 2351 49% 32% 19%

技士③ 女 34 10(12) 7ヵ月 636 73% 25% 2%

技士④ 男 30 8(8) 12ヶ月 2695 41% 38% 21%

技士⑤ 男 28 7(7) 12ヶ月 2527 48% 35% 18%

技士⑥ 女 28 6(6) 12ヶ月 2495 60% 33% 7%

技士⑦ 男 35 3(13) 12ヶ月 2528 45% 37% 18%

表2 図22

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【穿刺実績 個人】

穿刺歴(年)

エコー下穿刺実施率(2014)

上級難易度穿刺率 再穿刺率(2014)2013年 2014年

技士④ 8 4.6% 25.6% 25.6% 0.23%

技士⑦ 3 9.5% 20.3% 24.1% 0.08%

技士① 22 0.3% 7.5% 8.6% 0.09%

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・年間再穿刺率=330

31474

×100 = 1.05%

※年間再穿刺率は1.05%

0 5 19

58

128120

A(初級) B(中級) C(上級)

『難易度別再穿刺回数』

:非エコー下:エコー下

年間再穿刺回数=330回

図23

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0.09% 0.05% 0.13% 0.17%0.04% 0.09% 0.08% 0.04% 0.08% 0.11% 0.12%

0.00%

2.71%

1.09%0.97%

0.59%0.77%

0.93%

1.55%

0.65%

1.45%

1.02%0.92% 0.88%

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12

・非エコー下での年間再穿刺率=1.07%

・エコー下での年間再穿刺率=0.08%

P<0.001 有意差あり

:非エコー下

:エコー下

・エコー下穿刺実施率=0.7%(203回):2013年

図24:エコーと非エコー下における再穿刺率の比較(月別)

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2.3%

4.6%

0.0%

0.5%

1.0%

1.5%

2.0%

2.5%

3.0%

3.5%

4.0%

4.5%

5.0%

2014年 2015年

675/回

1244/回

図25:エコー下穿刺実施率(2014、2015)

穿刺が容易な症例からエコー下穿刺をトレーニングすることで、全体の穿刺ミスの軽減に寄与している。

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まとめ

#1 穿刺ミスは、ゼロにはならない。

#2 穿刺ミス後の対処方法を知ること。

#3 穿刺部位で生じる合併症を理解しておく必要がある。

#4 超音波穿刺は有効である。