unit8 病因・病態Ⅰunit8 病因・病態Ⅰ 1.教 員 名( はユニット責任者) 教...

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Unit 8  病因 ・病態Ⅰ 1 .教 員 名(○はユニット責任者) 教 授  ○宮 澤 正 顯(免疫学) ・ 義 江   修(細菌学) 佐 藤 隆 夫(病理学) 准教授   八 木 秀 樹(薬学部) ・ 稗 島 州 雄(細菌学) 木 村 雅 友(病理学) 講 師   河 原 佐智代(免疫学) ・ 中 山 隆 志(細菌学) 前 西   修(病理学) 医学部講師 筑 後 孝 章(病理学) 非常勤講師 塩 沢 俊 一 ・ 松 岡 裕 之 ・ 久 保 允 人 泉 山 朋 政(免疫学) 助 教   梶 原 栄 二 ・ 博 多 義 之 ・ 高 村 史 記(免疫学) 白 川 愛 子 ・ 樋 口 智 紀 ・ 重 田 暁 子(細菌学) 竹 森 久美子 ・ 伊 藤 龍 生 ・ 井 上 敬 夫(病理学) 2 .ユニット教育目標 「病因 ・病態Ⅰ」の主題は,「侵襲と生体防御」です。ここでは,物理学的,化学的,そして特に生 物学的な侵襲の本態を理解し,それらに対して生体がどのように反応し,自己を防衛するかを学びま す。ヒト個体の恒常性や遺伝的同一性を脅かすような生物学的脅威,即ち体外からの異種遺伝子の侵 入(ウイルス感染),異種細胞あるいは同種異系細胞の侵入(細菌 ・寄生虫の感染や移植片の移入), そして自己体細胞の遺伝的変異(突然変異細胞やがん細胞の出現)に対して生体がどのように対応し, いかにして個体を維持するかを理解することは,特に重要です。 このユニットにおける学生教育は,細菌学と免疫学の二講座を中心とした総論的な講義と実習に, テュートリアル形式による自己学習を組み合わせて行われます。最初の 3 週間は,様々な微生物の性 状と病原微生物による感染症を,テュートリアル ・講義 ・実習を通して学びます。次いで後半の 3 週 間は,多細胞個体の恒常性と遺伝的同一性を維持する免疫のしくみと,炎症反応による組織修復や生 体防御のメカニズムを,テュートリアルと講義 ・実習を通じ分子レベルから学びます。 我々が普段健康に生きているということは,実際には,体内も含めた環境中に存在する様々な微生 物による不断の侵入を,何とか水際で防いでいる,ということに他なりません。そのため,我々の生 体防御機構にわずかな破綻が生じたり,生体防御機構に打ち勝つ病原体が現れたりすると,我々は瞬 く間に微生物の脅威,すなわち感染症の危険に曝されることになります。人類が進化の過程で「病原 体による選択」を経て抵抗性の形質を獲得してきたことは,遺伝子レベルでも示されています。諸君 が医学を学び,将来患者さんの治療や健康維持 ・増進を考える上で,このような微生物と我々の相対 的な力のバランスをよく理解することが非常に重要です。また,病気による組織傷害や症状の多く は,実は侵襲そのものによるよりも,むしろそれに対する生体反応によって生じるものです。このユ ニットで身につけた外因性および内因性の病態形成メカニズムへの理解は,従って,臨床の現場で病 気の症状の「よって来る所以」を把握し,これを制御する方策を考える上で,極めて大きな力を発揮 することになるでしょう。 110

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Page 1: Unit8 病因・病態ⅠUnit8 病因・病態Ⅰ 1.教 員 名( はユニット責任者) 教 授 宮 澤 正 顯(免疫学)・義 江 修(細菌学) 佐 藤 隆 夫(病理学)

Unit 8  病因・病態Ⅰ

1 .教 員 名(○はユニット責任者)  教 授  ○宮 澤 正 顯(免疫学)・ 義 江   修(細菌学)         佐 藤 隆 夫(病理学)   准教授   八 木 秀 樹(薬学部)・ 稗 島 州 雄(細菌学)         木 村 雅 友(病理学)   講 師   河 原 佐智代(免疫学)・ 中 山 隆 志(細菌学)         前 西   修(病理学)   医学部講師 筑 後 孝 章(病理学)

  非常勤講師 塩 沢 俊 一 ・ 松 岡 裕 之 ・ 久 保 允 人         泉 山 朋 政(免疫学)

  助 教   梶 原 栄 二 ・ 博 多 義 之 ・ 高 村 史 記(免疫学)         白 川 愛 子 ・ 樋 口 智 紀 ・ 重 田 暁 子(細菌学)         竹 森 久美子 ・ 伊 藤 龍 生 ・ 井 上 敬 夫(病理学)

2 .ユニット教育目標

   「病因・病態Ⅰ」の主題は,「侵襲と生体防御」です。ここでは,物理学的,化学的,そして特に生物学的な侵襲の本態を理解し,それらに対して生体がどのように反応し,自己を防衛するかを学びます。ヒト個体の恒常性や遺伝的同一性を脅かすような生物学的脅威,即ち体外からの異種遺伝子の侵入(ウイルス感染),異種細胞あるいは同種異系細胞の侵入(細菌・寄生虫の感染や移植片の移入),そして自己体細胞の遺伝的変異(突然変異細胞やがん細胞の出現)に対して生体がどのように対応し,いかにして個体を維持するかを理解することは,特に重要です。

   このユニットにおける学生教育は,細菌学と免疫学の二講座を中心とした総論的な講義と実習に,テュートリアル形式による自己学習を組み合わせて行われます。最初の 3 週間は,様々な微生物の性状と病原微生物による感染症を,テュートリアル・講義・実習を通して学びます。次いで後半の 3 週間は,多細胞個体の恒常性と遺伝的同一性を維持する免疫のしくみと,炎症反応による組織修復や生体防御のメカニズムを,テュートリアルと講義・実習を通じ分子レベルから学びます。

   我々が普段健康に生きているということは,実際には,体内も含めた環境中に存在する様々な微生物による不断の侵入を,何とか水際で防いでいる,ということに他なりません。そのため,我々の生体防御機構にわずかな破綻が生じたり,生体防御機構に打ち勝つ病原体が現れたりすると,我々は瞬く間に微生物の脅威,すなわち感染症の危険に曝されることになります。人類が進化の過程で「病原体による選択」を経て抵抗性の形質を獲得してきたことは,遺伝子レベルでも示されています。諸君が医学を学び,将来患者さんの治療や健康維持・増進を考える上で,このような微生物と我々の相対的な力のバランスをよく理解することが非常に重要です。また,病気による組織傷害や症状の多くは,実は侵襲そのものによるよりも,むしろそれに対する生体反応によって生じるものです。このユニットで身につけた外因性および内因性の病態形成メカニズムへの理解は,従って,臨床の現場で病気の症状の「よって来る所以」を把握し,これを制御する方策を考える上で,極めて大きな力を発揮することになるでしょう。

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Page 2: Unit8 病因・病態ⅠUnit8 病因・病態Ⅰ 1.教 員 名( はユニット責任者) 教 授 宮 澤 正 顯(免疫学)・義 江 修(細菌学) 佐 藤 隆 夫(病理学)

3 .ユニット時間割表

第 1 週 病原微生物学( 1 )           義 江   修 (11月15日から11月20日まで)

第 1 時限( 9 :00~10:00)

第 2 時限(10:15~11:15)

spare time(11:15~12:00)

第 3 時限(13:00~14:00)

第 4 時限(14:10~15:10)

第 5 時限(15:20~16:20)

月 テュートリアル 自 習講 義 1細 菌 学 総 論 ⑴細 菌 の 構 造( 義 江 )

講 義 2細 菌 学 総 論 ⑵細 菌 の 代 謝( 義 江 )

講 義 3細 菌 学 総 論 ⑶細 菌 の 遺 伝( 義 江 )

自 習

火講 義 4細 菌 学 総 論 ⑷感 染 と 発 症( 義 江 )

講 義 5細 菌 学 総 論 ⑸感 染 症 対 策( 義 江 )

講 義 6細 菌 学 総 論 ⑹滅 菌 と 消 毒( 義 江 )

講 義 7細 菌 学 総 論 ⑺化 学 療 法 1( 義 江 )

講 義 8細 菌 学 総 論 ⑻化 学 療 法 2( 義 江 )

自 習

水 テュートリアル 自 習講 義 9細 菌 学 各 論 ⑴ブドウ球菌など( 中 山 )

講 義 10細 菌 学 各 論 ⑵レンサ球菌など( 中 山 )

講 義 11細 菌 学 各 論 ⑶腸 内 細 菌( 中 山 )

自 習

木講 義 12細 菌 学 各 論 ⑷ビ ブ リ オ な ど( 中 山 )

講 義 13細 菌 学 各 論 ⑸緑 膿 菌 な ど( 中 山 )

医 学 英 語 ⑴( 白 川 )

講 義 14細 菌 学 各 論 ⑹バ チ ラ ス な ど( 稗 島 )

講 義 15細 菌 学 各 論 ⑺ジフテリアなど( 稗 島 )

自 習

金 テュートリアル 自 習講 義 16細 菌 学 各 論 ⑻結 核 菌 な ど( 稗 島 )

講 義 17細 菌 学 各 論 ⑼スピロヘーター( 稗 島 )

講 義 18細 菌 学 各 論 ⑽マイコプラズマ( 稗 島 )

自 習

土 自 習 自 習 自 習

第 2 週 病原微生物学( 2 )           義 江   修 (11月22日から11月27日まで)

第 1 時限( 9 :00~10:00)

第 2 時限(10:15~11:15)

spare time(11:15~12:00)

第 3 時限(13:00~14:00)

第 4 時限(14:10~15:10)

第 5 時限(15:20~16:20)

月講 義 19ウイルス学総論⑴構 造 と 遺 伝

( 義 江 )

講 義 20ウイルス学総論⑵宿 主 と 増 殖

( 義 江 )

医 学 英 語 ⑵( 白 川 )

テュートリアル事例発表・討論( 義 江 ) 自 習

火 祝  日(勤労感謝の日)

水講 義 21ウイルス学総論⑶感 染 と 発 症

( 義 江 )

講 義 22ウイルス学総論⑷ウ イ ル ス と 免 疫

( 義 江 )

実 習 解 説 ⑴( 稗 島 )

実 習 ⑴標 準 菌 の グ ラ ム 染 色 ・ 菌 の 分 離 培 養

( 稗 島 )

木講 義 23ウイルス学総論⑸ウ イ ル ス と 発 癌

( 義 江 )

講 義 24ウイルス学総論⑹予 防 と 治 療

( 義 江 )

実 習 解 説 ⑵( 稗 島 )

実 習 ⑵グ ラ ム 染 色 陽 性 菌

( 稗 島 )

金講 義 25真 菌 学 ⑴( 木 村 )

講 義 26真 菌 学 ⑵( 木 村 )

実 習 解 説 ⑶( 稗 島 )

実 習 ⑶グ ラ ム 陰 性 菌 ・ 抗 生 物 質 感 受 性 試 験

( 稗 島 )

土実 習 ⑷判 定 ・ ま と め( 稗 島 )

レ ポ ー ト 作 成

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Page 3: Unit8 病因・病態ⅠUnit8 病因・病態Ⅰ 1.教 員 名( はユニット責任者) 教 授 宮 澤 正 顯(免疫学)・義 江 修(細菌学) 佐 藤 隆 夫(病理学)

第 3 週 病原微生物学( 3 )           義 江   修 (11月29日から12月 4 日まで)

第 1 時限( 9 :00~10:00)

第 2 時限(10:15~11:15)

spare time(11:15~12:00)

第 3 時限(13:00~14:00)

第 4 時限(14:10~15:10)

第 5 時限(15:20~16:20)

月講 義 27ウイルス学各論⑴ポ ッ ク ス

( 中 山 )

講 義 28ウイルス学各論⑵ヘ ル ペ ス

( 中 山 )

医 学 英 語 ⑶( 白 川 )

講 義 29ウイルス学各論⑶パ ピ ロ ー マ

( 中 山 )

講 義 30ウイルス学各論⑷イ ン フ ル エ ン ザ

( 中 山 )自 習

火講 義 31ウイルス学各論⑸パラインフルエンザ

( 中 山 )

講 義 32ウイルス学各論⑹狂 犬 病 な ど

( 稗 島 )自 習

講 義 33原虫・寄生虫⑴( 松 岡 )

講 義 34原虫・寄生虫⑵( 松 岡 )

講 義 35原虫・寄生虫⑶( 松 岡 )

水講 義 36原虫・寄生虫⑷( 松 岡 )

講 義 37原虫・寄生虫⑸( 松 岡 )

自 習講 義 38ウイルス学各論⑺コロナウイルスなど

( 稗 島 )

講 義 39ウイルス学各論⑻ピコルナウイルス

( 稗 島 )自 習

木講 義 40ウイルス学各論⑼レ ト ロ ウ イ ル ス

( 稗 島 )

講 義 41ウイルス学各論⑽肝 炎 ・ プ リ オ ン

( 稗 島 )自 習

講 義 42微生物学まとめ⑴

( 義 江 )

講 義 43微生物学まとめ⑵

( 義 江 )自 習

金 自 習 自 習 自 習 自 習 自 習 自 習

土 自 習 ユ ニ ッ ト 試 験 1

第 4 週 抗体分子の構造と機能          宮 澤 正 顯 (12月 6 日から12月11日まで)

第 1 時限( 9 :00~10:00)

第 2 時限(10:15~11:15)

spare time(11:15~12:00)

第 3 時限(13:00~14:00)

第 4 時限(14:10~15:10)

第 5 時限(15:20~16:20)

月 テュートリアル自 習10:00~10:50( 宮 澤 )

講 義 1免 疫 学 入 門11:00~12:00( 宮 澤 )

講 義 2抗 血 清 と 抗 体の は た ら き( 宮 澤 )

講 義 3抗 体 分 子 の構 造 と 機 能 ⑴( 宮 澤 )

講 義 4抗 体 分 子 の構 造 と 機 能 ⑵( 宮 澤 )

火講 義 5補体と食細胞⑴( 宮 澤 )

講 義 6補体と食細胞⑵( 宮 澤 )

自 習( 宮 澤 )

講 義 7免 疫 系 の 細 胞 と 組 織( 宮 澤 )

講 義 8免 疫 系 の組 織 発 生( 宮 澤 )

講 義 9Bリンパ球抗原レ セ プ タ ー ⑴( 河 原 )

水 テュートリアル自 習10:00~10:50( 宮 澤 )

講 義 10Bリンパ球抗原レセプター⑵11:00~12:00( 河 原 )

実 習 1ヒ ト 末 梢 血 単 核 球 の 分 離 と 計 数

木講 義 11免疫グロブリン遺 伝 子 ⑴( 宮 澤 )

講 義 12免疫グロブリン遺 伝 子 ⑵( 宮 澤 )

自 習( 宮 澤 )

実 習 2蛍光セルソーターによる細胞表面抗原の検出と陽 性 細 胞 の 計 測抗 原 に よ る マ ウ ス の 免 疫

金 テュートリアル自 習10:00~10:50( 宮 澤 )

講 義 13クラススイッチの分子機構11:00~12:00( 宮 澤 )

講 義 14B リ ン パ 球 の分化と体内分布( 宮 澤 )

講 義 15F c レ セ プ タ ー( 宮 澤 )

講 義 16免 疫 学 的 自 己と は 何 か( 宮 澤 )

土 自 習( 宮 澤 )

自 習( 宮 澤 )

自 習( 宮 澤 )

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Page 4: Unit8 病因・病態ⅠUnit8 病因・病態Ⅰ 1.教 員 名( はユニット責任者) 教 授 宮 澤 正 顯(免疫学)・義 江 修(細菌学) 佐 藤 隆 夫(病理学)

第 5 週 抗原提示とTリンパ球による認識     宮 澤 正 顯 (12月13日から12月18日まで)

第 1 時限( 9 :00~10:00)

第 2 時限(10:15~11:15)

spare time(11:15~12:00)

第 3 時限(13:00~14:00)

第 4 時限(14:10~15:10)

第 5 時限(15:20~16:20)

月 テュートリアル自 習10:00~10:50( 宮 澤 )

医 学 英 語11:00~12:00(宮澤・博多)

講 義 17MHCとTリンパ球による抗原認識( 宮 澤 )

講 義 18Tリンパ球抗原レセプターとその遺伝子( 宮 澤 )

講 義 19胸腺とTリンパ 球 の 分 化( 宮 澤 )

火講 義 20サイトカインと 細胞増殖の調節⑴( 久 保 )

講 義 21サイトカインと 細胞増殖の調節⑵( 久 保 )

実 習 3マ ウ ス の 採 血11:00~12:00

自 習( 宮 澤 )

実 習 4血 清 の 分 離ゲ ル 内 沈 降 反 応

水 テュートリアル自 習10:00~10:50( 宮 澤 )

講 義 22抗原提示とTリンパ球活性化11:00~12:00( 宮 澤 )

実 習 5E L I S A 法 に よ る 抗 体 価 の 定 量ゲ ル 内 沈 降 反 応 ・ 判 定

木講 義 23エフェクターT細胞とメモリー( 宮 澤 )

講 義 24T − B 細 胞 間相 互 作 用( 河 原 )

自 習( 宮 澤 )

講 義 25M H C 遺 伝 子( 宮 澤 )

講 義 26M H C と 疾 患感 受 性( 宮 澤 )

講 義 27移 植 免 疫 と腫 瘍 免 疫( 宮 澤 )

金 テュートリアル自 習10:00~10:50( 宮 澤 )

講 義 28原発性免疫不全症候群⑴11:00~12:00( 宮 澤 )

講 義 29原 発 性 免 疫不 全 症 候 群 ⑵( 宮 澤 )

講 義 30自 然 免 疫 系 と そのレセプター( 河 原 )

講 義 31侵 襲 と組 織 修 復( 宮 澤 )

土 形 成 評 価 ( コ ン ピ ュ ー タ 試 験 )( 宮 澤 )

自 習( 宮 澤 )

第 6 週 アレルギーと炎症            宮 澤 正 顯 (12月20日から12月25日まで)

第 1 時限( 9 :00~10:00)

第 2 時限(10:15~11:15)

spare time(11:15~12:00)

第 3 時限(13:00~14:00)

第 4 時限(14:10~15:10)

第 5 時限(15:20~16:20)

月 テュートリアル自 習10:00~10:50( 宮 澤 )

講 義 32炎症のケミカルメディエーター11:00~12:00( 宮 澤 )

講 義 33抗 炎 症 薬 と 炎 症 の 制 御 ⑴( 稗 島 )

講 義 34抗 炎 症 薬 と 炎 症 の 制 御 ⑵( 稗 島 )

講 義 35移 植 医 療 と 免疫抑制薬開発( 八 木 )

火講 義 36ア レ ル ギ ー と自 己 免 疫 病 ⑴( 宮 澤 )

講 義 37ア レ ル ギ ー と自 己 免 疫 病 ⑵( 宮 澤 )

自 習( 宮 澤 )

講 義 38ア レ ル ギ ー と自 己 免 疫 病 ⑶( 宮 澤 )

講 義 39マ ス ト 細 胞 の分 化 と 機 能

( 病 理 学 )

講 義 40炎 症 の 形 態 学

( 病 理 学 )

水講 義 41抗 炎 症 薬 の臨 床 ⑴( 泉 山 )

講 義 42抗 炎 症 薬 の臨 床 ⑵( 泉 山 )

自 習( 宮 澤 )

実 習 5炎 症 の 形 態 学

( 組 織 実 習 室 )

木 祝  日(天皇誕生日)

金自 習

(事例発表準備)( 宮 澤 )

講 義 43H I V 感 染 と エ イ ズ1 0 : 1 5 ~ 1 1 : 4 5

( 宮 澤 )

講 義 44膠 原 病 ・ リウマチ入門⑴( 塩 沢 )

講 義 45膠 原 病 ・ リウマチ入門⑵( 塩 沢 )

事 例 発 表 ・討 論( 宮 澤 )

土 自 習( 宮 澤 ) ユ ニ ッ ト 試 験 2

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Page 5: Unit8 病因・病態ⅠUnit8 病因・病態Ⅰ 1.教 員 名( はユニット責任者) 教 授 宮 澤 正 顯(免疫学)・義 江 修(細菌学) 佐 藤 隆 夫(病理学)

4 .教 科 書(参考書)   このユニット第 1 ~ 3 週の病原微生物学( 1 )~( 3 )では,教科書を指定して講義の補助(特に

図表の参照)や試験の出題に使用しますので,各人必ず指定された教科書を購入して下さい。本年度の指定教科書は「東 匡伸,小熊恵二(編):シンプル微生物学 改訂第 4 版,南江堂」(2,900円+税)です。

   その他の週では教科書を指定しません。講義にあたっては,毎回詳細なプリントを配布し,テュートリアルの事例との密な連携が行えるよう配慮しているので,必ず講義に出席しその内容を理解するよう努めて下さい。

   参考書としては以下に挙げるものがありますが,この分野の進歩は早く,古い教科書には現在では既に間違いであることが明らかとなっている理論や実験結果が記載されていることもあるので,この点でも講義で最新の知識に触れることが重要です。

 微生物学   1 ) 東 匡伸,小熊恵二(編):シンプル微生物学 改訂第 4 版,南江堂    (内容は簡潔ながらも大変充実しており,最新の研究成果もコラムなどで紹介されている。内容,

記述のバランス,値段などの総合点から最もお勧めの教科書である。指定教科書としても使うのでぜひ各自で 1 冊購入してほしい)

   2 ) 天児和暢,南嶋洋一 編:戸田新細菌学 第31版,南山堂    (国内の微生物学の教科書としては最も歴史と権威のある大冊の教科書)   3 ) 吉川昌之介 編:医科細菌学 改訂第 2 版,南江堂    (細菌のゲノムの機能や発現に関する分子生物学的な記述が特に詳しい)   4 ) 加藤四郎,岸田綱太郎:病原ウイルス学,金芳堂    (ウイルス病について詳しい知識を得ることができる)   5 ) 平松啓一,山西弘一 編:標準微生物学 第 7 版,医学書院    (定評ある標準シリーズの 1 冊で内容は充実している)   6 ) 南嶋洋一,水口康雄,中山宏明:現代微生物学入門 改訂 4 版,南山堂    (戸田細菌学のダイジェスト版をねらったものだが,内容が没個性で魅力に欠ける)

 寄生虫学   1 ) 吉田幸雄,有薗直樹著:図説人体寄生虫学 第 7 版,南山堂   2 ) 多田 功編:現代寄生虫病事情,医歯薬出版

 免疫学   1 ) Kenneth Murphy, Paul Travers, and Mark Walport: Janeway’s Immunobiology, 7 th Edition.

Garland Science, New York.    (世界的に見て最も優れた免疫学教科書。図の豊富さとわかりやすさは群を抜く。この Unit の講

義でも,この教科書に沿った解説を多く行う。)   2 ) 青笹克之 編:明解病理学,医歯薬出版    (最新の病学教科書。宮澤が免疫の項を執筆した。本学での免疫学講義に沿った順序で,講義の

エッセンスに当たる内容を記載している。本学での講義にも使う図表を多数載せており,一部の図は上記 Janeway の教科書より分かり易いと自負している。)

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Page 6: Unit8 病因・病態ⅠUnit8 病因・病態Ⅰ 1.教 員 名( はユニット責任者) 教 授 宮 澤 正 顯(免疫学)・義 江 修(細菌学) 佐 藤 隆 夫(病理学)

   3 ) 木本雅夫,坂口薫雄,山下優毅 編:免疫学コア講義 改訂 2 版,南山堂    (細胞免疫学の専門家による教科書であり,免疫系を構成する細胞の機能と相互作用がコンパク

トに纏めて説明されている。日本語で通読して免疫学の全体像を知るには,Janeway の翻訳本(版が旧く,不適切な訳が多い)よりもこの教科書が良い。但し,講義では分子レベルの認識機構についてより詳しい解説を行うので,あくまでも「参考書」として読むこと。)

   4 ) 中島 泉,高橋利忠,吉開泰信 共著:シンプル免疫学 改訂第 3 版,南江堂    (要点を簡潔に記載した免疫学教科書。)   5 ) 宮澤正顯,大東 肇 編:栄養と生体応答−遺伝子と免疫の視点から,昭和堂    (最初の章に,免疫系の基本知識を簡潔にまとめてある。講義のイントロダクションとして読む

と分かり易くなるだろう。)   6 ) 山本一彦 編:自己免疫疾患(New メディカルサイエンスシリーズ),羊土社    (これ自体が,免疫学の教科書として使える内容を持つ。)   7 ) 平野俊夫 編:免疫の仕組みと疾患(イラスト医学&サイエンスシリーズ),羊土社    (最新の研究成果をヴィジュアルにまとめてあり,特に病気との関係が理解しやすい。)

 病理学・炎症学   1 ) Kumar, Abbas, and Fausto, editors: Robbins and Cotran’s Pathologic Basis of Disease, 7 th

Edition. Elsevier Saunders, 2004.    (世界中で使われている病理学教科書のスタンダード。内容も最新で,バランスも良い。一生の

座右の書になる。英文も平易。)   2 ) 森,桶田 監訳:ロビンス基礎病理学 第 7 版,廣川書店    (上記 Robbins and Cotran の教科書第 6 版の内容をコンパクトにまとめた,Basic Pathology,

7 th Edition(2003)の翻訳。内容や図は上記教科書と共通している部分が多い。版を重ねるごとに厚くなり,今では「基礎」とは名ばかりで,一部には誤訳も散見される。値段も高い。)

   3 ) 町並陸生 監修:標準病理学 第 2 版,医学書院    (日本病理学会から多数の執筆者が参加して作った教科書。 3 年前に初版が出版された際は,最

初のフルカラー病理学教科書として人気があった。内容の詳しさや記述の適切さに多少のバラツキがある。ロビンスの最新版に比べると内容が古いが, 2 )の訳本よりは読みやすい。)

   4 ) 菊池浩吉 監修:病態病理学 第17版,南山堂    (これは総論のみの教科書だが,病理学総論に関する記述は最も詳しく,読み物としても優れて

いる。このユニットの学習には必要十分。)   5 ) 小池,恒吉,深山,森永 編:組織病理アトラス 第 5 版,文光堂    (2005年に新版が出た。病理の図譜の定番で,若い病理医もこれを用いて各論のまとめの勉強を

している。内容が一新され,写真もきれいになった。)   6 ) 塩沢俊一 著:膠原病学 改訂第 3 版,丸善    (分子生物学・細胞生物学,及び免疫学の基礎から,膠原病の病因と病変発生機構,そして各種

膠原病の疫学や臨床像と診断・治療に至るまで,多数の分かり易い図と実例の写真を交えて詳細に記載されている。細部に亘る膨大な内容が一人の著者により統一した視点から記載されているので,全体像が把握しやすく,通読にも個々の項目の専門的立場からの参照にも耐える。)

   7 ) 塩沢俊一 編集:よくわかる病態生理  7  免疫・アレルギー疾患,日本医事新報社    (本学松尾教授の監修により,コアカリキュラムに沿って病態生理を簡潔に解説したシリーズの

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Page 7: Unit8 病因・病態ⅠUnit8 病因・病態Ⅰ 1.教 員 名( はユニット責任者) 教 授 宮 澤 正 顯(免疫学)・義 江 修(細菌学) 佐 藤 隆 夫(病理学)

一巻。きれいな模式図と,多数の症例写真があり,上記 7 )の要約版として,予習に使える。)

 その他の推薦図書   微生物関係の一般書も多数出版されている。面白いので機会があったらぜひ読むことを勧める。   1 ) 吉川昌之介 著:細菌の逆襲,1995年,中公新書   2 ) アーノ・カーレン 著:病原微生物の氾濫,1996年,青土社   3 ) 相川正道,永倉貢一 著:現代の感染症,1997年,岩波新書   4 ) 平松啓一 著:抗生物質が効かない,1999年,集英社   5 ) 岡田晴惠,田代眞人 著:感染症とたたかう インフルエンザと SARS ,2003年,岩波新書   6 ) ダニエル・T・マックス 著:眠れない一族:食人の痕跡と殺人タンパクの謎,2007年,紀伊国

屋書店   7 ) ニコラス・マネー著:ふしぎな生きものカビ・キノコ,2007年,築地書館   8 ) 堀本 研子,河岡義裕 著:インフルエンザ パンデミック,2009年,講談社ブルーバックス

5 .試験・その他

   テュートリアルは 2 / 3 以上出席しないとユニット試験を受験する資格が無くなります。 病欠の場合は,必ず診断書を添えた欠席届を提出して下さい。 また,テュートリアルの事例呈示や関連した情報サイトへのリンクを,ホームページ上で行いますので,テュートリアル室には必ずノートパソコンを持参して下さい。 講義中にもグラフィック素材の配付などを行います。

   短期間で多岐に渡るユニットの内容を十分理解するためには,講義に出席することが非常に重要です。講義では,教科書に無いグラフィック素材の提示や,独自の図表を用いた解説を行います。自分で教科書を読むよりも,講義に出席する方が遙かに効率の良い学習が出来るはずです。そのため,出席率は合否判定の上で重要な要素としますので,必ず全員出席してください。

   実習は,学習項目を「実感をもって理解する」ために必須です。実習の出席は講義の出席以上に重視され, 2 / 3 以上出席しないとユニット試験を受験する資格が無くなります。 また微生物学の実習では,白衣,上履き,赤と青の色鉛筆を,必ず持参して下さい。また実習レポートの評価は総合成績に加算されますので,自らの手で念入りに仕上げてください。

   このユニットでは,前半・後半それぞれ 3 週間のテュートリアル・講義・実習を単位として,合計2 回のユニット試験を実施します。それぞれのユニット試験で合格点に達しない者に対しては,再試験を行います。また,最終的な成績判定は,ユニット全体として行います。成績の判定は,ユニット試験の点数のみで行うものではありません。 テュータによるテュートリアルの評価,事例発表や事例レポートの成績,実習レポートの点数,講義出席状況と,ユニット試験の点数を総合して成績を算出します。従って,講義や実習を無断欠席してもユニット試験で良い点数さえ収めれば合格出来るということではありません。

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