tulaneuniversitykoryu.m.u-tokyo.ac.jp/oiaa_archives/elective2014/tulane.pdftulaneuniversity...
TRANSCRIPT
Tulane University
February 3, 2014 〜 March 28, 2014
111068 服部 貴続
Tulane University にて二ヶ月間,臨床留学させていただきましたことを報告させていただ
きます。2月は Neurosurgery で,3月は Orthopaedics で実習させていただきました。
・ Nurosurgery
自分は,もともと脳外科に興味があり,東大の実習では希望しましたが回れなかったの
で,Neurosurgery を選びました。具体的な実習内容としては,月曜から金曜まで毎朝 5:20
ぐらいに NeuroICU に行き,入院患者さんの vital を集め,Resident と一緒に回診,7:00
から Attending の先生も交えての回診,その後は一日中オペか病棟業務でした。基本的
には resident の先生についていき 18:00 頃に解散といった形でした。オペは毎日あり,
ケースは brain と spine が半々ぐらいで,一日 2〜4 件ぐらいでした。brain の症例は本
当に多彩で,全く同じオペを見ることは,ほとんど無かったように思います。spine は
decompression が多かったです。また,金曜日の午後には,近くの Ochsner 病院と合同の
カンファがありました。Resident の教育の意味合いが強く,講義のような感じで,学生
の自分にも十分に理解できるような内容でした。また,一回だけカンファの代わりに
cadaver を使った手術練習の時がありました。内容は,vertebroplasty で,レジデント
がメインでしたが,自分も結構やらせて頂きました。
また,Neurosurgery の実習で知り合っ
た Tulane の学生に連れられて,PBL の
クラスにも参加させて頂きました。ケー
スを通じて,臨床的な知識を PBL で学ぶ
という,とても自主性を重んずる授業形
式でした。
Neurosurgery の先生方はとても親切で,
学生にも話しかけて下さいました。特に
Attending の Dr. Dumont 先生は,所謂
親日家で,日本にも何回かいらっしゃっ
ており,「うどん」が大好きだそうです。 Neurosurgery team
・ Orthopaedics
Tulane University の Orthopaedics には6チームあり,自分は Hip, Knee, Foot & Ankle,
Trauma の4チームで一週間ずつ実習させて頂きました。
Hip・・・症例はほとんどが THA でした。病棟業務はほんの少しだけで,実習のほとんど
がオペ見学でした。特にこのチームでは,オペ中に本当にたくさんの手技を体験させて
頂きました。ちなみに,一番アメリカらしいと思った症例は,性転換後の HIV 陽性の患
者さんの THA でした。
Foot & Ankle・・・月水木がオペ,火金は外来(clinic)見学で,自分の実習中の一日
あたりのオペの最高件数は 7 件でした。内容としては foot の骨折の fusion が多かった
ですが,TAA も2件見ることが出来ました。TAA は全米で年間 4000 例,TKA は 600000 例
だそうです。
Knee・・・TKA や,TKA の術後感染や再手術が
多かったです。Attending の Dr. Billings の
Clinic はとても教育的で,様々な症例を理解
することが出来ました。THA×2, TKA×2 後の
患者さんが印象的でした。
Trauma ・ ・ ・「 Trauma Department 」 と ,
「Orthopaedics の Trauma team」は別物で,
前者がファーストコンタクト,後者がコンサ
ルされる関係です。オペのケースとしては高
エネルギー外傷,特に tibia と fibula の open
fracture が多かったです。Attending の Dr.
Gladden は,元 SWAT の専属医で,チーム全体
として,オペの速さが印象的でした。
Trauma team
今回の実習を通じて,日本に比べてアメリカでは,外科医として圧倒的に症例数を積める
ということが最も印象に残りました。その理由としては,患者さんの入院日数が短く,回
転率が速いこと,外科医はオペだけに集中出来ること,等が挙げられると思います。また
逆に,一人ひとりの患者さんに十分な時間をかけ,全員で共通見解をもつという,日本の
仕組みの良さも感じることが出来ました。
Tulane University での臨床留学の実現にあたり,本当にたくさんの方々にお世話になりま
した。留学の相談に乗って下さった山形さんと岡嶋さん,VISA の相談に乗ってくれた,洪
と浅野,アメリカでの生活を助けてくれた坂口,梶原,同クラの東原,バイトで自分が抜
ける分の穴を埋めてくれた小嶌と八木など,挙げ始めるとキリがありません。国際交流室
の丸山先生とホルムズ先生を始め日米の先生方のご尽力,大坪修先生の鉄門フェローシッ
プを賜りましたことを感謝申し上げたいと思います。また,吉岡さん,ともき,向田を始
め,鉄門バスケ部に多大なるご迷惑をおかけしました。それでも自分を応援して下さった
ことが大きな励みになりました。
これから留学を考えている後輩の方々は,エレクティブクラークシップでの留学について,
Tulane University について,臨床留学について等,何か聞きたいことがあればいつでもご
連絡下さい。自分に出来る事は最大限させていただくつもりです。
お世話になった方々,応援してくれた方々,そして何より様々な方面で尽力して下さった
両親と兄に,この場をお借りして感謝申し上げます。本当に有難う御座いました。