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    Technology Insights 術中肺リクルートメント

    手術室での肺保護換気は、麻酔ワークステーションに大きな要求が課されます。 ドレーゲルは、手術室内の肺保護換気のニーズや要件を正確に理解するため、世界中の臨床医および看護職員と緊密に連携しています。

    効果的な肺保護換気戦略を実現する、当社の最新の麻酔ワークステーションに導入された最先端の換気技術について以下に説明します。

    術後呼吸器合併症 (PPC) の発症率に対する肺保護換気戦略の影響は、麻酔科医の間で数年にわたり活発に議論されているトピックです。 当社はこの議論のいくつかの側面を、臨床ホワイトペーパーでもご紹介しています。 (リンク) 術中肺リクルートメントは、この議論において重要な役割を担っています。 術中換気中の肺保護におけるこの特別な側面に関しては、臨床ホワイトペーパー (リンク)をご提供しています。 以下に、現在、術中換気に関する論文で頻繁に議論されている肺リクルートメントに対する2つのアプローチの概要とともに、リクルートメント手技の適用をサポートするドレーゲル麻酔器の技術的特徴について説明します。

    このテーマに関する文献でよく取り上げられている最初のアプローチがワンステップリクルートメント (ラックマン手技) で、これは吸気圧を増加させ、一定期間維持するものです。 これを行う場合、適用する呼吸圧は無気肺領域の開口圧力に対応していなければなりません。 標準体重の患者の開口圧力として文献でよく例示されるのが約40cmH2Oです。 リクルートメント手技は、肺胞がその圧力に達し、開通するのに十分な時間維持されなければなり

    ません。 その時間は通常約40秒とされています。 そのため、呼気終末陽圧 (PEEP) は、開通した肺領域が再び虚脱しないよう調整する必要があります。

    二番目のアプローチ、マルチステップリクルートメント手技も文献で頻繁に取り上げられており、これは「漸増リクルートメント (incremental recruitment)」、「漸増・減呼気終末陽圧トライアル (in/decremental PEEP trial)」等と呼ばれます。 この手順では、吸気圧とPEEPの両方を徐々に増加させ、上限レベルで一定期維持した後、再び徐々に減少させます。 患者はリクルートメント手順全体を通して常に換気されます。 そのため、手技の全期間にわたる酸素供給および換気が確実に維持されます。 PEEPと吸気圧の両方の圧力が徐々に増加するため、いわゆるドライブプレッシャー (PEEPと吸気圧間の圧力差) は、必要に応じて一定に保たれます。 上限圧力レベルに達し、望まれる期間持続されると、両圧力は同様に数段階にわたり減少します。 したがって、マルチステップリクルートメントは、漸増相と漸減相で構成されてる手技ということができます。 マルチステップリクルートメント手技ではまた、リクルートメントされた肺胞が開口した状態を保つよう、患者固有のPEEPを維持する必要があります。 漸減相においては、肺胞を開口した状態を保つためのPEEPレベルは患者のコンプライアンスや一回換気量をモニタリングすることにより決定することができます。 つまり、マルチステップリクルートメント手技では、無気肺領域を開口するだけでなく、最適なPEEPを決定することが可能です。 患者別にカスタマイズされた換気および血行力学的モニタリングはすべてのリクルートメント施術中に必ず行うべ作業です。 特に肺メカニクス、SpO2および血圧は、正確にモニタリングしなければなりません。

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    手動ワンステップリクルートメント – ラックマン手技

    https://www.draeger.com/Library/Content/intraoperative-rm-210x260-whitepaper-9105837-ja-jp.pdfhttps://www.draeger.com/Library/Content/intraoperative-rm-210x260-whitepaper-9105837-ja-jp.pdf

  • ドレーゲルのサポートテクノロジー02 |

    リクルートメント手技の技術的手順どちらのリクルートメント手技も、すべてのドレーゲル麻酔器で手動で行うことができます。 さらに、当社のPerseus®A500麻酔ワークステーションは、肺リクルートメントをサポートする具体的な手順を提供します。

    ワンステップ手技: ワンステップリクルートメントは通常、手動で行われます。 これを行うには、「Man/Spont (手動換気/自発呼吸) モード」にスイッチを切り替えます。 APL弁は予想される開口圧に設定され、また、手動換気バッグはその必要とされる時間中、押さえつけておく必要があります。 そのため、APL弁の役割は特に重要です。 圧力は、可能な限り確実に、開口圧を超えないよう適用されなくてはなりません。 ドレーゲルAPL弁は、適切な計測により正しい調節を行う一方、上限圧力を設定レベルに確実に制限します。 手動換気 バックは、高いピーク圧および付随するせん断を避けるため、強くまたは激しく押しすぎないよう注意しなければなりません。

    可能であれば、手技の後は十分なPEEPを継続します。 麻酔システム Perseus® A500に搭載されているブロワー換気テクノロジーは、「Man/Spont (手動換気 / 自発呼吸)」 モードでアクティブCPAP を設定することが可能です。 これにより、気道の圧力が手技完了後も肺胞が虚脱する圧力レベル以下に落ちるのを回避し、その結果、繰り返し無気肺が形成されるのを防ぎます。 2017年夏以降、Perseus® A500 にはワンステップリクルートメント手技を正常換気中に行うことができる追加機能が搭載され、前述のような手動労力を省くことが可能になりました。 これを行うには、所望するレベルと時間を設定後、ボタンを押して手技を開始します。 手技が完了すると、装置は自動で以前に設定された換気に切り替わります。 これにより、事前設定された圧力と時間が確実に維持され、手技完了後、望まれるPEEPが継続されます。

    マルチステップ手技 この手技の背景にある考え方は、効果的であるだけでなく、肺および血行動態を考慮し、できる限り緩やかに肺リクルートメント行うことです。 そのために、一定のドライビングプレッシャーを維持しながら、吸気圧と PEEPを段階的に増加させます。 上限吸気圧 (肺胞開口圧) は望まれる時間維持され、その後、吸気圧とPEEPは徐々に減圧します。 各段階はユーザー定義の時間および呼吸数に合わせて維持されます。 ドレーゲル麻酔器は、PEEPと吸気圧を関連づけることで、これらの手技の手動操作を容易にしています。

    2017年夏以降、Perseus® A500 にも5分以上かかるこの種の手技の手動設定労力を自動化する機能が搭載されています。 リクルートメント手技はわずかな設定で直感的に、患者に合わせて調節することができます。 以下の2つの設定が主要パラメータです:

    – 上限吸気圧 – 上限PEEP

    必要に応じて、ドライビングプレッシャー、圧力段階ごとの必須呼吸数、上限圧力段階での必須呼吸数など、さらなる設定を行うことができます。

    手技をモニタリングしながら、ユーザーが上限圧力段階に達する前にリクルートメントの目標が達成されたと判断した場合、Perseus®A500 には、事前の設定に関わらず漸減相へ移行し、減圧を徐々に開始する機能が搭載されています。つまり、事前に設定した最大圧力を達成するための努力を省くことができます。 漸減相では、患者固有のPEEPを決定するために、各圧力段階でコンプライアンスおよび一回換気量をモニタリングできます。

    Perseus® A500 – ワンステップリクルートメント (オプション)

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    Perseus® A500 – マルチステップリクルートメント (オプション)

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  • ドレーゲルのサポートテクノロジー 03 |

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    リクルートメント手技のモニタリングPerseus® A500 は両方のリクルーメント手技用の適切なモニタリングを提供しており、圧力レベル、コンプライアンス、一回換気量をそれぞれ表示可能です。 手技の前後だけでなく実行中の肺メカニクスの比較は、リクルートメントが成功しているかどうかの評価を促進します。 マルチステップ手技ではカーソル機能により、最適なPEEPを決定することができます。

    さらに、Dräger Perseus® A500 麻酔ワークステーション、および Primus®ファミリー製品は、患者コンプライアンスおよびP/V、F/Vループの動向をグラフで示すことができ、参照ループの設定も可能です。 これらの機能により肺メカニクス、特に一時的な変更をモニタリングすることができるため、リクルートメント手技の適用が簡略化されます。

    患者コンプライアンスと組み合わせたPEEP

    ドレーゲル麻酔器と組み合わせることにより、ドレーゲルInfinity® Acute Care System (IACS) 患者モニタリングは、血行動態および換気パラメーターを並行してモニターする専用解析表示システムとして用いることが可能です。 モニタリングパラメーターの組み合わせは、自由に構成できるため、すべての臨床関連値を一目で確認することができます。 矢印インジケータが評価を簡潔化し、カーソル機能が、リクルートメント手技の詳細な解析を可能にします。

    IACS 患者モニタリング – 解析表示

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    全製品、機能、またはサービスがすべての国で販売されているとは限りません。 記載された商標は、一部の国でのみ登録されており、この資料が公開される国で登録されているとは限りません。 現在の状況については、 www.draeger.com/trademarks でご覧ください。

    本社Drägerwerk AG & Co. KGaAMoislinger Allee 53–5523558 Lübeck, Germany

    www.draeger.com

    製造業者:Drägerwerk AG & Co. KGaAMoislinger Allee 53–5523542 Lübeck, Germany

    *写真と実物が一部異なる場合があります。 あらかじめご了承下さい。

    製造販売業者ドレーゲル・メディカル ジャパン株式会社お問い合わせ、ご用命はカスタマーサービスへ Tel 03-6447-7222 Fax 03-6447-7220

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    本件に関するお問合せ:www.draeger.com/renrakusaki

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