公益財団法人地球環境センター 三原 眞

～Team E-Kansaiの最新の取組情報～

「水分科会」第６回例会

インドネシア調査 Team E-Kansai事業 平成25年度事業計画

※第４回総会（平成25年5月29日）資料より抜粋

①取組の方向性：

Team E-Kansai会員企業のニーズを踏まえつつ、より具体的な成果を目指した事業内容の更なる深化・拡大と事業の継続性の確保を図る。

②インドネシアでの取組：

インドネシア内の特定地域を対象にした排水処理や廃棄物処理に係る課題解決に資するプロジェクトの促成のための現地調査等を実施する。

公益財団法人地球環境センター（GEC)

・GECは、UNEP-IETC（国際連合環境計画‐国際環境技術センター）が行うインドネシア・バンドン市におけるエコタウンプロジェクトを支援。

・エコタウンプロジェクトの支援を通じて、バンドン市で盛んな繊維産業の排水処理課題を認識。

調査対象の特定地域として選定

【目的】 ・繊維産業等の排水処理その他の 環境課題の把握。 ・今後のビジネスニーズの発掘と案 件形成に向けての情報交換。

調査の概要 １ 日程 2013年12月３日～12月５日 ２ 訪問先と調査事項 （１）インドネシア環境省（ジャカルタ） 繊維産業の排水規制など環境対策の取組 （２）インドネシア経営者協会（APINDO) 繊維産業等の環境ニーズ （３）バンドン市環境管理局（BPLH) 繊維産業の排水処理等の課題 （４）繊維工場 染色工程及び排水・廃棄物の排出状況を視察

バンドン市の概要

バンドン市（西ジャワ州）

・総人口：250万人 ・面積：167.67 Km2 ・主な産業： 繊維/衣料 薬品 食品 電気通信 自動車 など

調査結果 ～バンドン市の繊維産業の排水処理の課題等～ 排水規制・環境対策の取組

・排水基準はあり、今後、色に関する項目（基準）を追加する予定である。

・ただし、繊維産業の分類（工程）ごとの排水基準（個別基準）の設定はない。

・Proper制度（企業成果格付けプログラム）があり、排水基準の適合状況も本制度の対象（ランク付け）とし、公表していくことで企業のインセンティブになると考えられている。

環境課題 ・排水基準の遵守企業は50％以下である。

（繊維関連企業数：88企業）

・染色工程に有害物質（重金属等）を含む薬品使 用のため、排水や汚泥に有害物質が含有する。

・工程中に多量の水を使用するが、今後、水源の確保が困難となる。

環境ニーズ ・排水の適正処理や循環利用

・有害物質を含む汚泥の無害化等の廃棄物処理

・コンパクトでメンテナンスが容易な設備の導入

・省エネ効果も期待

業界団体

・インドネシア繊維業協会（API)

・インドネシア経営者協会（APINDO)

バンドン市

染色産業

染色工場 視察 産業分類等：機械染色整理業（藍色染色） 生産量 年間300,000,000ヤード 排水量：１,５００㎥/日（最大１,８００㎥/日） 排水基準の適合状況：適 課題：排水の循環利用、排水汚泥の無害化、ボイラーのメンテナンス

製品 （デニムジーンズ）

機械染色

染色工場 視察（続き）

染色排水の発生 排水処理施設へ

シックナー ニ次処理水

染色工場 視察（続き）

最終放流水 水質データ フィルタープレス（手動）

石炭ボイラー 脱水汚泥（有害）天日乾燥

染色工場の排水処理と廃棄物の発生（例）

中和 染色排水 凝集処理 第１沈澱池

汚 泥

エアレーション 第２沈澱池 放流

脱水・天日乾燥

排出（有害）

石炭ボイラー サイクロン 湿式スクラバ

洗浄水槽

外部委託

煙突

排出（有害） 外部委託 汚 泥

染色排水データ（放流水） Parameter Kadar Maksimum

Tgl / Bln / Thn

sampling pH TSS BOD COD Fenol Cr total NH3-N Sulfida Minyak/ Debit Debit Tembaga Seng Nikel Hari kerja

Jam Kerja Waktu

Pengambilan Sistem IPAL Metode

Pengambilan Sampel

Kondisi cuaca

Produksi/bln

Terakreditasi Lemak (Cu) (Zn) (Ni) per Hari

- mg/L mg/L mg/L mg/L mg/L mg/L mg/L mg/L m3 / bln L/detik Terakreditasi Terakreditasi Terakreditasi ton

8 januari 2013 6,8 46 53 138 0,017 <0,006 3,53 0,18 <0,1 23799 - - - - 26 24 11.45 Fisika,Kimia,Biologi SNI 6898-59-2008 cerah 354,69

9 februari 2013 7,9 40 48 145 <0,003 <0,006 1,23 0,20 <0,1 27299 - - - - 28 24 10.30 Fisika,Kimia,Biologi SNI 6898-59-2008 cerah 458,53

8 maret 2013 7.2 46 53 139 0.005 <0,006 1.85 0,20 <0,1 27718 - - - - 25 24 11.15 Fisika,Kimia,Biologi SNI 6898-59-2008 cerah 419,44

8 maret 2013 7.1 40 38 96 0.008 <0,006 1.44 0.14 <0,1 27718 - - - - 27 24 9.45 Fisika,Kimia,Biologi SNI 6898-59-2008 cerah 446,04

12 Juni 2013 8 46 51 138 <0,003 <0,006 4,12 0,10 0,4 36673 29 24 10.30 Fisika,Kimia,Biologi SNI 6898-59-2008 cerah 513.76

11 september 2013 7,2 46 39 99 <0,003 < 0,006 4,75 0,12 < 0,1 26080 14,37 21 24 10.15 Fisika,Kimia,Biologi SNI 6898-59-2008 cerah 393.49

Baku mutu 6-9 50 60 150 0.5 1.0 8.0 0.3 3.0 35866.0

企業 A

企業 B Parameter Kadar Maksimum

Tgl / Bln / Thn

sampling pH TSS BOD COD fenol Cr total NH3-N Sulfida Minyak/ Debit Hari kerja

Jam Kerja Sistem IPAL Metode Pengambilan

Sampel Kondisi cuaca

Produksi/bln Terakreditasi Lemak m3/bulan per Hari - mg/L mg/L mg/L mg/L mg/L mg/L mg/L mg/L ton

11 januari 2013 7.1 57 49 132 0.039 <0.006 3.46 0.05 <0.1 6480 25 24 fisika-kimia SNI 6989-59-2008 cerah 71

11 februari 2013 8.2 36 41 112 0.015 <0.006 2.46 <0.04 <0.1 2160 25 24 fisika-kimia SNI 6989-59-2008 cerah 24

11 maret 2013 8.2 34 47 125 0.023 <0.006 2.9 <0.04 <0.1 3240 25 24 fisika-kimia SNI 6989-59-2008 cerah 36

9 april 2013 7.9 35 50 134 0.036 <0.006 3.45 0.06 <0.1 8640 25 24 fisika-kimia SNI 6989-59-2008 cerah 95

13 Mei 2013 7.6 38 45 122 0.022 <0.006 2.19 <0.04 <0.1 4320 25 24 fisika-kimia SNI 6989-59-2008 cerah 48

11 September 2013 6,9 37 42 113 0,039 < 0,006 2,36 < 0,04 < 0,1 5400 25 24 Fisika-Kimia SNI 6989-59-2008 Cerah 60

Baku Mutu 6-9 50 60 150 0,5 1,0 8,0 0,3 3,0 14500

染色工場の廃棄物の発生

発生量 2013年1月～6月

廃棄物の種類 有害の有無 廃棄物の処理

企業A 53トン 飛灰、主灰、排水汚泥 繊維くず

有 委託

企業C 1,713トン 飛灰、主灰、排水汚泥 有 委託

※バンドン市内には、繊維産業以外にも有害な廃棄物あるいは液体廃棄物を排出 する企業がある。 ・プラスチック製造 ・化学薬品製造 ・金属加工 ・食品 ・ゴム・革 など

バンドン市等の環境課題

ジャカルタでは 環境保全に対するコンプライアンスの意識の低さ 大気対策（老朽化したバス等の黒煙や、渋滞の慢性化による沿道大気汚染（公共交通

整備、交通対策）など） 廃棄物問題（市民の意識向上（ごみはごみ箱に、そして分別を）、不法焼却防止、ジャカ

ルタ特別州（各市）における適切な収集体制の確保、焼却施設等の導入に向けた州政府清掃局の能力向上

生活排水の問題、小規模事業場の排水及び廃棄物対策、有害廃棄物の処理の適正化 など課題はたくさんある。

バンドン市の優先環境課題 産業界 廃棄物対策＞排水対策＞大気汚染対策＞土地利用＞その他 政府 廃棄物（有害・医療廃棄物を含む）対策＞排水・洪水対策＞大気汚染対策＞土地利用＞その他

今後の調査・取組の方向性（案） １ 繊維産業へのアプローチ バンドン市の繊維産業に関する環境データ等の入手・整理と環境ニーズのグループ分け バンドン市の現地企業の環境データ等の入手・整理し、例えば、排水規制の遵守、水の循 環利用、廃棄物の減量・無害化や省エネなど環境改善目標ごとに分類。

⇒ソリューション提案の目標の明確化

繊維業者協会（API）の協力・連携 APIの協力・連携の下、バンドン市でのTeam E-Kansaiの取組をバンドン市近郊の都市や 西ジャワ州内の繊維関連企業に展開。

⇒バンドン市の先行事例の展開 ２ 他の産業や都市へのアプローチ 繊維産業以外の業界団体等 例えば、食品飲料協会（GAPMMI）、紙パルプ協会（APKI）、ゴム製造業者協会（GAPKINDO）、 鉄鋼産業会（GAPBESI）、製薬業者協会（GP･FARMASI）など環境・省エネニーズ等の調査、 Group to Group によるビジネス交流を想定した業界団体及びその関連都市（ジャカルタ等） を選定。

⇒プロジェクト案件の拡大

ご清聴ありがとうございます