sxswedu 2016 報告会〜edtech japan 世界への挑戦セッション紹介（山邉分）

SXSWedu 2016 セッション紹介データ解析＆アダプティブラーニング編

株式会社リクルートマーケティングパートナーズリクルート次世代教育研究院

山邉哲生

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自己紹介

山邉哲生

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まなび事業本部

オンラインラーニング事業推進室

リクルート次世代教育研究院研究員（工学博士）

データエンジニア


『スタディサプリ』を運営する、リクルートマーケティングパートナーズまなび事業本部における調査研究機関

• 次世代の教育に関する各種調査の実施や情報発信 • ビッグデータを用いたアダプティブラーニング等のICT教育

に関する分析・研究 • 子どもの教育環境格差についての分析・研究

• より良い教育の創造に繋がる各種活動

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http://www.slideshare.net/Seigen/ss-61816140

東京大学松尾研究室とのアダプティブラーニングに関する共同研究


Adaptive Learning

Data Analytics X


セッション紹介


1. Adapting "Adaptive Learning" for Real Schools 2. From Analytics to Action 3. Helping Different Kinds of Minds Solve Problems 4. The Myth of the Learning Style Holds Students Back

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Data x Adaptation

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#1. Adaptive “Adaptive Learning” for Real SchoolsIlia Molina Miami-Dade County Public Schools - Exec Dir, Race to the Top District Grant

Sandy Bartle Finocchi Carnegie Learning - Chief Academic Officer

Steven Ritter Carnegie Learning - Chief Scientist

Thomas Arnett Clayton Christensen Institute - Research Fellow

http://schedule.sxswedu.com/events/event_PP52004

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iPrep Math Learning Center

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https://twitter.com/iprepmath/status/504995609338986496

• Miami-Date Country Public Schools が取り組む、生徒中心のパーソナライズドラーニング環境

• １クラスあたり60人の生徒、3人の先生

• 2013 - 2014年度に49のミドルスクールに展開


アダプティブラーニング導入のポイント

• デバイス・ソフトウェアの選定は充分に ‒ iModules, Kahoot!, Carnegie Learning …

• 先生の習熟度・マインドセットが重要なファクター ‒ 夏休み３週間、生徒役でロールプレイング ‒ テキストも授業のプランニングも大きく変わる ‒ 喜怒哀楽いろいろあった後に Aha moment がやってくる

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アダプティブラーニングを導入してみて

• 先生と生徒、生徒と生徒のインタラクション ‒ 挙手・指名制では気づけない、寡黙な生徒の躓き ‒ 生徒同士で教えあうようになった

• 先生は『指導者』から『ファシリテーター』に ‒ 日次で生徒の進捗を確認、翌日のプランを考える ‒ 進める生徒は自学自習で前に行かせる

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アダプティブラーニングを導入してみて

• 『適応』するのは生徒だけではない ‒ 『先生』としてのパフォーマンスを意識するようになる ‒ クラスは『プロダクト』、自分は『ディレクター』

• 導入は大変だが、一度入れると元の授業に戻れない ‒ 先生は生徒の伸び方がわかるとやる気になる ‒ 生徒もテクノロジーを活用して学ぶのは好き

• 一斉授業特有の『待ち』が無くなるのは大変

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参考 : Carnegie Learning の学習効果

16https://www.carnegielearning.com/research-results/proven-results


#2. From Analytics to Action

David Lindrum Soomo Learning - Course Designer

Laura Malcolm Civitas Learning - VP Prod

Mike Sharkey Blackboard - VP Analytics

Phillip Long The University of Texas at Austin - Assoc Vice Provost for Learning Sciences


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データをもとに生徒にどう干渉するべきか？

• データがあってもそれは状況の可視化に過ぎない ‒ 外的要因が多すぎて問題特定は難しい

• 教師やスタッフの知識と合わせて対処する ‒ 干渉の結果どうなったのか？までデータで明示する

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データの更なる活用

• コースデザインのカイゼン ‒ コースそのものではなく大枠に問題がないか？ ‒ 目的は生徒が専門性の習得することで改善はその手段

• 予測によって事前に問題を回避する ‒ 問題の多い授業選択パターンの検知 ‒ 後々に過度な干渉をしなくても良いようにする

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Human x Adaptation

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#3. Helping Different Kinds of Minds Solve Problems

Temple Grandin Colorado State University Department of Animal Sciences - Professor of Livestock Behavior & Welfare


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Visual Thinker

• 視覚型思考者 ‒ 「Google 画像検索のようにキーワードに対して画像が瞬時に何

枚も浮かび上がってくる」 ‒ 物事の細部を捉えるのに秀でている ‒ 他には Pattern Thinker, Auditory Thinker …

23http://www.grandin.com/inc/visual.thinking.mind.autistic.person.html http://www.tlu.edu/media/default/Temple_Grandin_Lecture_Slides.pdf


脳の構造上の違い

24http://www.lrdc.pitt.edu/schneiderlab/content/60-minutes-20120716.asp


多様性を理解し、協調する

• 遺伝子の特性はサウンドミキサーのつまみの組み合わせ ‒ それぞれの特徴が混ぜ合わさって発現する ‒ それぞれの特性を活かしたチームワークを考える

• 代数学ができないからといって幾何学や生物学ができない、ということはない ‒ 博士は生物学でストレートAを取得 ‒ ラーニングパスは人によって大きく異なる

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#4. The Myth of the Learning Style Holds Students Back

James Stigler UCLA - Professor

Ulrik Christensen McGraw-Hill School Education - Sr Fellow, Digital Learning


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人間の安易なカテゴライズは危険

• 識字障害 (reading disabilities) 調査（1982年） ‒ 日本・台湾では識字障害が無い、とされてきたがアメリカ

との比較調査をした結果どの国にも同程度の比率で存在することがわかった ( http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/7140425 )

‒ アジア圏にはそもそも識字障害という概念が無かった ‒ 人間の能力・特徴に対する正しい理解が重要

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問題

解


認知プロセスレベルの差異を認識する

• 一つの問いの正答を導くだけでも数え切れないパスがある ‒ 思考を『パターン化』したくなる誘惑 ‒ 『グループ』の方が『個人』より扱いやすい

• 学習スタイルで区別できるほど人間の学習は単純ではない ‒ Visual / Auditory Thinker に絵・図 / 音をという信奉 ‒ レッテル貼りによって選択肢を奪ってしまう可能性

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その上で、多様性を許容する

• 学習は楽しく、気軽であるものという理解があるべき ‒ 個々人の特性を許容し、ペースに合わせて学習を進める ‒ 教育現場での議論は先生がどうしたいか？という話が多く、

生徒がどうなりたいか？という視点が欠けている

• ラーニングパスだけでなく認知プロセスを考慮したモデル ‒ ビッグデータできめ細やかなアダプテーションを

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所感＆まとめ


所感＆まとめ

• エンジニア目線で得られたものはそこまで多くなかった ‒ ビッグデータ解析、機械学習の最新事例 etc ‒ 『SXSWedu は EdTech の天下一武道会』ではない

• アメリカの教育関係者がみっちり議論する場 • 修行の場

• 研究者目線で視野・知識を広げるには非常に良い機会だった ‒ 事例紹介（e.g., iPrep の取り組み） ‒ 学習スタイル・認知プロセスの研究

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所感＆まとめ

• 日米の教育現場の類似性が目に付いた ‒ データ活用で先陣を切るのは数学 ‒ 論点（評価制度、インフラ整備、教師が多忙 etc） ‒ ひと回りした今、導入事例・ノウハウは日本でも活かせる

• 多様性を許容する・多様性に順応する教育へ ‒ 先生は管理者からファシリテーターへ ‒ 生徒のユーザエクスペリエンスデザイン

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ご静聴ありがとうございました

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