special feature - isuzu motors limited annual report 2010 (低床4wdは未達成)...

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特集 : ポスト新長期排出ガス規制に適合させた 大型トラック「ギガ」と中型トラック「フォワード」を発売 Special Feature 今回発売する「ギガ 」と「フォワード 」の投 入にあたり、いすゞは、開発コンセプトである See Technology ( シー・テクノロジー ) に 基 づ き、安 全 技 術Safety )、経済技術 Economy )、環境技術Environment )の 3 つの基本性能を柱に、世界で最も厳しい水 準の平成 2122 年排出ガス規制に対応す ると同時に、特に燃費向上と軽量化を徹底し て追及した開発を進めました。燃費・積載性能、 環境性能の向上を高い次元で両立させ、商用 車に求められるニーズの実現を図りました。 価値ある進化を遂げた大型トラック「ギガ 」 中型トラック「フォワード」をご紹介します。 尿素SCR DPD 市街地走行 (or 低GVW) 市街地走行主体の、一般のガソリンスタンド使用が主なユーザー 市街地走行 or 低GVW中型~小型トラック DPD+尿素SCR エンジンポテンシャルアップ+DPD DPD 新4HK1系 6HK1系 6UZ1系 6WG1系 6UZ16WG1系 DPD 尿素SCR 6HK1系 新4HK1系 エンジン ポテンシャルアップ 大型~中型トラック 都市間幹線道路走行主体の、大型スタンドやインタンク使用が主なユーザー 都市間走行 (or高GVW) 代表取締役副社長 技術本部長 開発部門統括 只木 可弘 平成 27 年度重量車燃費基準達成車を大幅に拡大 ギガ、フォワード共に平成 27 年度重量車燃費基準達成車 を大幅に拡大しました。実販売車両での基準達成車比率は、 GIGA99%Forward 80%となっております。 ポスト新長期規制への対応 -中型トラック(4HK1 搭載車 )では排ガス後処理装置 に新たな触媒を追加することなく、従来の DPD のみでポス ト新長期規制に適合 ポスト新長期のような厳しい排出ガス規制に対応するにあた り、いすゞはお客様の運行形態を最優先に考えました。市街地 走行を中心とした運行が主体の 4HK1 系は、尿素水供給体制が 整っていないケースが多いため、エンジンのポテンシャルアップ +DPD で対応しました。都市間走行を中心とした運行が主体の 6WG1 系・ 6UZ1 系・ 6HK1 系は尿素水供給体制が整っているこ とから、 DPD+ 尿素 SCR で対応しました。

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Page 1: Special Feature - ISUZU Motors Limited Annual Report 2010 (低床4WDは未達成) (FRR・FTR・FTS・FVZは未達成) 4HK1系 6HK1系 全 車 FSR・FVR全車 6UZ1系 6WG1系

特集 : ポスト新長期排出ガス規制に適合させた 大型トラック「ギガ」と中型トラック「フォワード」を発売

Special Feature

今回発売する「ギガ」と「フォワード」の投入にあたり、いすゞは、開発コンセプトである「See Technology (シー・テクノロジー )」に基づき、安全技術 (Safety)、経済技術(Economy)、環境技術 (Environment)の3つの基本性能を柱に、世界で最も厳しい水準の平成 21 ・ 22年排出ガス規制に対応すると同時に、特に燃費向上と軽量化を徹底して追及した開発を進めました。燃費・積載性能、環境性能の向上を高い次元で両立させ、商用車に求められるニーズの実現を図りました。価値ある進化を遂げた大型トラック「ギガ」

中型トラック「フォワード」をご紹介します。

尿素SCR

DPD

市街地走行(or 低GVW)市街地走行主体の、一般のガソリンスタンド使用が主なユーザー

市街地走行(or 低GVW)中型~小型トラック

DPD+尿素SCR エンジンポテンシャルアップ+DPD

DPD

新4HK1系6HK1系6UZ1系6WG1系

6UZ1系6WG1系

DPD

尿素SCR

6HK1系 新4HK1系

エンジンポテンシャルアップ

大型~中型トラック

都市間/幹線道路走行主体の、大型スタンドやインタンク使用が主なユーザー

都市間走行(or高GVW)

代表取締役副社長技術本部長 開発部門統括只木 可弘

平成 27年度重量車燃費基準達成車を大幅に拡大ギガ、フォワード共に平成 27年度重量車燃費基準達成車

を大幅に拡大しました。実販売車両での基準達成車比率は、GIGAで 99%、Forwardで 80%となっております。

ポスト新長期規制への対応-中型トラック(4HK1搭載車)では排ガス後処理装置に新たな触媒を追加することなく、従来の DPDのみでポスト新長期規制に適合ポスト新長期のような厳しい排出ガス規制に対応するにあた

り、いすゞはお客様の運行形態を最優先に考えました。市街地走行を中心とした運行が主体の 4HK1系は、尿素水供給体制が整っていないケースが多いため、エンジンのポテンシャルアップ+DPDで対応しました。都市間走行を中心とした運行が主体の6WG1系・6UZ1系・6HK1系は尿素水供給体制が整っていることから、DPD+尿素 SCRで対応しました。

Page 2: Special Feature - ISUZU Motors Limited Annual Report 2010 (低床4WDは未達成) (FRR・FTR・FTS・FVZは未達成) 4HK1系 6HK1系 全 車 FSR・FVR全車 6UZ1系 6WG1系

Isuzu Motors Limited Annual Report 2010

(FRR・FTR・FTS・FVZは未達成)(低床4WDは未達成)

4HK1系 6HK1系

FSR・FVR全車全 車

6UZ1系 6WG1系4×2トラクタ・

6×4トラクタ(基準内)全車全 車

(単車消防車・6×4トラクタ(緩和)・フルトラクタは未達成)

〔09フォワード(展開継続)を含む〕

2) 空気の流れを制したキャブ燃費を追求するため、空気抵抗の低減と冷却性能の向上を

狙って、新しいキャブフェイスを採用しました。ラウンド形状の採用により、キャブサイドを流れる空気を整流化。更に、エンジンルーム内を抜ける空気の抵抗も低減しました。

3) 省燃費運転を実現する Smartな制御運転中の気づかないほどの細かい要因の積み重ねが低燃費

の妨げとなっています。いすゞ独自の制御テクノロジー ECON

モードには、これらの要因を自動的に制御する SmartシフトとSmartアクセル、エコクルーズ機能を搭載。ドライバーストレスや着時間への影響を最小限に抑えながら、省燃費運転を実現します。

大型トラック「ギガ」 -すべては燃費のために

現在、景気の低迷と燃料費の高騰を背景にした自動車における経済性の改善・向上は至上の命題となっています。新型ギガでは「燃費」に焦点を絞り、開発を進めました。

1) 内燃機関の限界を目指した燃費効率燃料の超高圧噴射、電子制御式無段階可変容量型ターボの

採用など最新技術を投入し進化を遂げたエンジンと、3D熱解析により誕生した理想的な冷却システムにより、エンジンの燃費効率を飛躍的に高めました。燃費の良い領域が広がるとともに、より低い回転数でのシフトアップを可能にしました。

4HK1エンジンは、主要構造部品を刷新。また、商用車としては国内で初めてとなる2ステージターボ、及び超高圧コモンレール等の採用により、燃焼効率を向上しつつエンジン本体の排出ガス性能を大幅に向上。排ガス後処理装置に新たな触媒を追加することなく、従来の DPD

のみでポスト新長期規制に適合しました。

中型トラック「フォワード」 -力と環境にダブルで効く2ステージターボ

コモンレール式燃料噴射システム 騒音を低減させるプレ噴射、DPDを制御する後噴射など、1行程で最大 5 回の燃料噴射を行う

電子制御可変容量ターボ 電子制御化に伴って従来の 8 段切り換えから無段階に進化し、トルクアップや排出ガスのクリーン化に大きく貢献

2ステージターボ

低速域からターボが効き、充分な動力性能を確保

力と環境にダブルで効く、2ステージターボ採用!

新型2ステージターボ

従来型 VGSターボ

応答性向上アクセル ONに対するトルク立上がりイメージ

アクセル ON後の経過時間

トルク

2ステージターボ効果

● 尿素 SCRを使わずに、DPDのみでポスト新長期排出ガス規制に適合させました!

4HK1-TCH177kW (240PS) / 2600rpm(ネット値※)706N•m(72kg•m) / 1600rpm(ネット値※)

● 2つのターボで、全回転域にわたって、強力なターボ効果をを発揮します!※ネット値とは車両搭載状態とほぼ同じ条件で測定した数値です。

低回転域で効く高圧段ターボ

高回転域で効く低圧段ターボ

全回転域でターボ効果