r-502 hcfc-22)代替,hfc系混合冷媒 r 404a · 2014-10-09 · 0.33 4,500 560 hfc125/143a/134a...
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R-502(HCFC-22)代替,HFC系混合冷媒
R-404A
K-25h
化 学 事 業 部
-1-
はじめにモントリオール議定書によるCFCの1995年末全廃に対して、当社では関連する産業分野の代替品開
発に、積極的に取り組んでまいりました。
また、オゾン層への影響をさらに軽減するため、HCFCもまた1996年から総量規制されることにな
り、早期全廃に向けた代替技術開発が活発に行われています。特に冷凍空調分野で幅広く使用されて
いる、HCFC-22、R-502の代替冷媒としてオゾン破壊係数がゼロ、地球温暖化係数が小さく、エネル
ギー効率の高い新しい冷媒の開発を重点的に行ってまいりました。
R-404Aは、HFC-125、HFC-143a、HFC-134aからなる3成分系疑似共沸混合物で、冷凍能力、エネル
ギー効率に優れ、トータルとして地球環境への影響が小さな、R-502(HCFC-22)代替冷媒です。
従来機器の大きな設計変更なしに代替可能な候補としてAREP/JAREP*でも評価され、現在冷媒切り
替えも本格化しております。
*註)AREP : 米国空調冷凍工業会の代替冷媒評価プログラム
JAREP:(社)日本冷凍空調工業会の代替冷媒評価プログラム
用途
ショーケース、冷凍倉庫、冷凍車、製氷機などの中低温用途
1.性質
1-1 一般的性質
1-2 乾燥剤
1-3 潤滑油
1-4 共沸性
1-5 機器
1-6 高分子材料への影響
2.安全性
3.取扱い上の注意
(付)-1 熱力学特性(飽和表)
(付)-2 圧力・エンタルピ線図
目次
2
3
3
3
3
4
5
5
6
表4
HCFC-22
100
86.47
-40.82
96.15
4.99
513
1191
0.178
0.0128
1.256
0.662
233.5
0.0869
0.0113
1000
不燃性
0.055
1,700
1300
HCFC22/CFC115
48.8/51.2
111.63
-45.6
82.2
4.08
559
1217
0.17
0.014
1.256
0.704
172.5
0.0651
0.0116
1000
不燃性
0.33
4,500
560
HFC125/143a/134a
44/52/4
97.60
-46.8
72.0
3.72
493
1043
0.128
0.0122
1.69
0.876
207.6
0.0683
0.0135
1000
不燃性
0
3,800
700
1-1 一般的性質
成 分
混合比率 mass%
分 子 量
沸 点 ℃
臨界温度 ℃
臨界圧力 MPa
臨界密度 ㎏/m3
飽和液体密度 ㎏/m3
粘 度 飽和液 mPa・s
常圧蒸気 mPa・s
比 熱 飽和液 kJ/㎏・K
常圧蒸気 kJ/㎏・K
蒸発潜熱 (沸点) kJ/㎏
熱伝導率 飽和液 W/m・K
常圧蒸気 W/m・K
作業環境曝露限界 ppm
燃焼性※1
オゾン破壊係数 CFC11=1
地球温暖化係数※2 CO2=1
水の飽和溶解度 ppm
HCFC-22 R-502R-404A
・データは特に記載のない限り25℃の値を示す。
1.性質
従来、食品冷凍を中心とした業務用低温機器分野にはR-502が広く用いられてきました。R-502はHCFC-22に比べ
吐出ガス温度の上昇が小さいのが特徴であり、上記分野で活用されてきたのはこの特徴を活かしたものです。
CFC規制によるR-502の全廃に対応するため多くの用途においてHCFC-22をコンプレッサーの冷却機構を付加する
など、ハード面の工夫により使いこなしてきました。しかしながら、R-404Aは吐出ガス温度がR-502と同等または
それよりさらに低く抑えたものでHCFC-22の場合のような工夫を必要とせず、R-502代替冷媒として優れた性能を
示します。
また、R-404Aはオゾン破壊係数ゼロでフロン規制非該当であり、不燃性、低毒性で化学的、熱的、さらに組成的
な安定性も兼ね備えた優れた冷媒であります。
R-404A HCFC-22 R-502
蒸発圧力 kPa
凝縮圧力 kPa
温度グライド* ℃
吐出温度 ℃
COP
冷凍能力 kJ/m3
204 164 197
2044 1730 1870
0.3 0 0
83 120 89
2.01 2.33 2.25
1009 1053 1086
蒸発温度/凝縮温度 = - 30℃/45℃過熱温度/過冷却温度 = 30℃/0℃
理論冷凍サイクル特性
-2-
*凝縮圧力における露点、沸点温度差
※1 高圧ガス保安法(一般則)ならびにASHRAE34規格に基づく。※2 IPCC,2001に基づく積分期間100年値に基づく値。
モレキュラー・シーブス*
細孔径( )
冷媒/分子径( )
×
×
×
◯
◯
△
◯
◯
◯
◯
◯
◯
◯
◯
◯
コンプレッサーをはじめR-404A用に設計された機器を使うことが
必要で、R-502、HCFC-22使用中の機器の補充用冷媒としての使用
はできません。
1-4 共沸性
1-5 機器
R-404Aは疑似共沸混合冷媒です
ので、気液が共存する場合の気
相と液相の組成差はほとんどあ
りません。また、温度グライド
は非常に小さく(1℃以下)、冷
凍システム中での組成の差もほ
とんどありません。しかし、組
成変化はゼロではありませんの
で、ボンベ等からの移充填の際
には、液側からの抜き出しをお
勧めします。
-3-
HFC系冷媒に適合する潤滑油と
しては、主にエステル系冷凍機油
(POE)およびエーテル系冷凍機
油(PVE)が推奨されています。
CFCおよびHCFC系冷媒との組
合せで使用されていたナフテン
系、パラフィン系等の鉱油系潤
滑油(MO)は、溶け合わないた
め基本的には適合しません。
1-3 潤滑油
冷凍システム中の水分を除去し
て、氷結によるキャピラリー詰
りを防止し、さらにエステル油
の加水分解を防止するため、乾
燥剤を使用する場合があります。
水分吸着に有効な乾燥剤として
合成ゼオライト(モレキュラ
ー・シーブス®など)がありま
すが、冷媒は吸着せず水分のみ
を選択吸着させるために冷媒の
分子径より小さい細孔径のモレ
キュラー・シーブスが適切です。
異なる混合冷媒成分の分子径と
モレキュラー・シーブスの適合
性を示します。
4A-NRG*
4
XH-9*
3
XH-10C*
3
HFC-32
HCFC-22
HFC-134a
HFC-125a
HFC-143a
3.3
3.8
4.2
4.2
4.2
1-2 乾燥剤
注)乾燥剤は冷媒を劣化させる一因子ともなりますので
その選択には十分注意ください。
*)ユニオン昭和(株)製
◯ 適切
△ 要注意
× 不適切
10 20 30 40 50
60
40
20
0
-20
-40
-60
臨海溶解温度 R-404A油;POE(VG56)
上限
下限
温度 ℃
油濃度 mass%
0
移充填時の組成変化 R-404A 25℃ 55
50
45
40
10 20 30 40 50 60 70 80 90移充填率 %
組成 mass% 143a液相
125液相 125気相
143a気相
0
-4-
試験結果はR-404A等を構成するHFC成分の高分子材料への影響を示したものです。
R-404Aを用いた実際の使用条件での信頼性については、個々に確認試験を行ってください。
1-6 高分子材料への影響
質量変化率[%]
2.安全性
HFC-125、143aおよび134aは、いずれも米国TSCA、欧州EINECSで登録済みです。また日本では、いずれも
化審法の審査が終了し、当社は製造許可を受けています。
毒性については、世界の主要フルオロカーボンメーカーが自主的に毒性を調べるべく、PAFTを結成して毒性試
験を実施しました。試験は既に終了しており、いずれの項目においても、実用上問題となるような所見は無く、
HCFC-2 2と同等あるいは、それ以上に安全であろうと思われます。
HFC-125
HFC-143a
HFC-134a
2-3713
2-3584
2-3585
206-557-8
206-996-5
212-377-0
1000ppm
1000ppm
1000ppm
(4)換気
R-404Aのガスは、空気より重いので低部に滞まる傾向
があります。ガス漏れにより室内に充満しますと酸素が
必要量より少なくなって酸素欠乏症状を起こすことがあ
ります。
また、R-404Aのガスが存在する中で火を使いますと、
刺激臭のある腐食性をもった有毒ガスが発生します。
(5)保健衛生上の注意
R-404Aは、一般の液化高圧ガスと同様直接皮膚に触れ
たり、目に入れたり、飲んだりしないよう
ご注意ください。
緊急処置法を下記に示します。
●目に入ったとき
・15分間以上水で洗眼し、こすったりまばたきをできる
だけ避けてください。
・痛みがひどい時は、薄い硼酸水などで洗眼してください。
・専門医にすぐ連絡して診察を受けてください。
このような事故を避けるために保護眼鏡をかけることが
必要です。
●直接皮膚への接触
R-404Aが液体の状態で皮膚などに触れると、蒸発により
急激な温度低下を起こし凍傷を起こすことがあります。
・多量が皮膚にかかった場合、凍傷を起こしますので、直
ちに専門医の診察を受けてください。
3.取扱い上の注意
(1)法規
R-404Aは、液化ガスとして、高圧ガス保安法の適用を
受けます。したがってご使用前に高圧ガス保安法をご参
照ください。
この法規には高圧ガスによる災害を防止する為に、必要
な基準を定めてあります。
(2)容器の取り扱い
R-404Aは、高圧ガスですので、高圧容器に充填されて
います。
容器自体は安全性の高いものですが、乱暴に取り扱いま
すと、容器に損傷を生じたりして思わぬ事故の原因とな
ります。落としたり、倒したり、あるいは強く打ったり、
転がしたりしないように、くれぐれも注意してください。
(3)貯蔵
R-404Aのガスは、可燃性ではありませんが、一般の高
圧ガス同様貯蔵に当たっては、通風の良い冷暗所を選ん
でください。
また、高圧容器には、安全装置が設置されていて、一定
温度(可溶栓)、圧力(バネ式安全弁)以上になるとガス
が噴出することがありますので、ご注意ください。
*8時間の時間加重平均値 米国産業衛生協会の推奨値などによる
-5-
当社は、フッ素化学製品を製造する国内工場で環境マネジメントシステムに関する国際規格ISO 14001*1の認証と、品質
保証に関するISO 9001*2の認証を取得しています。
*1. ISO 14001とは、ISO(国際標準化機構)が制定した、環境保全活動に適用される規格です。当事業部工場は、国際的に認定さ
れた認証機関によって、環境に配慮した活動、製品およびサービスの提供を行っていることが認められました。
*2. ISO 9001とは、ISOが制定している品質マネジメントシステムに適用される規格です。当事業部は国際的に認定され
た認証機関によって、顧客要求事項および適用される規格要求事項を満たした製品を一貫して提供する能力を持つ
ことを認証されました。
化審法 CAS EINECS 作業環境曝露限界*
354-33-6
420-46-2
811-97-2
-6-
(付)―1
●当技術資料に記載したデータは、実測値または信頼できる技術文献等に基づくものであり、保証値ではありません。
(付)-2R-404A
圧力・エンタルピ線図
化.Jul.2003 K-25h(001)DK
大阪市北区中崎西二丁目4-12 (梅田センタービル)電話 大 阪(06)6374-9311(直通)郵便番号 530-8323東京都港区港南二丁目18-1 (JR品川イーストビル)電話 東 京(03)6716-0436(直通)郵便番号 108-0075
名古屋市東区白壁一丁目17 (ダイキン工業名古屋ビル)電話 名古屋(052)955-0751(直通)郵便番号 461-0011化 学 事 業 部
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