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プロジェクト立上げ
第3章
PMBOK②ステークホルダーを分類する ステークホルダーを洗い出したら、それがどのようにプロジェクトに関わるのかを判断します。判断の切り口としては、プロジェクトに対する影響度、関心度、プロジェクトに対する賛否などがあります。 下図はプロジェクトに対する影響度、関心度、賛否の関係を表した例です。丸の大きさが影響力を表します。
図 3.7 ●ステークホルダー分析
③ステークホルダーを評価する ここまでの結果を「ステークホルダー登録簿」にまとめます。以下は、ステークホルダー登録簿の例です。
ステークホルダー登録簿にまとめた情報をもとにして、各ステークホルダーに働きかける方法を計画します。上記の場合ならば、プロジェクト・
Dさん
Cさん
BさんAさん
Eさん
高
低
反対
賛成
関心度
賛否の関係
Cさん DさんBさんAさん Eさん
Dさん
Cさん
BさんAさん
Eさん
高
低
反対
賛成
関心度
賛否の関係
Cさん DさんBさんAさん Eさん
表 3.1 ●ステークホルダー登録簿の例氏名 部門 役職 影響度 関心度 賛否Aさん システム部 部長 中 高 賛成Bさん 経理部 主任 小 高 反対Cさん 販売部 担当 小 低 反対Dさん 経理部 課長 中 高 賛成Eさん 販売部 主任 大 中 賛成
表 3.1 ●ステークホルダー登録簿の例氏名 部門 役職 影響度 関心度 賛否Aさん システム部 部長 中 高 賛成Bさん 経理部 主任 小 高 反対Cさん 販売部 担当 小 低 反対Dさん 経理部 課長 中 高 賛成Eさん 販売部 主任 大 中 賛成
ステークホルダーを特定する手順
プロジェクトを進めていくためにステークホルダーを特定します。ステークホルダーはプロジェクトの成功または失敗によって、何らかの影響を受ける人のことです。
図 3.6 ●ステークホルダーを特定する手順
①ステークホルダーを洗い出す 今回のプロジェクトには、どのような人が関わっているかを洗い出します。例えば、次のような人たちです。
● プロジェクト・マネジャー● プロジェクト・マネジャーの上司● チーム・メンバー● チーム・メンバーの上司● 顧客、利用者● プロジェクトを支援するスタッフ● パートナー(外部に委託した場合) など
ステークホルダーを特定する3-03 ステークホルダーを特定する3-03
①ステークホルダーを洗い出す
②ステークホルダーを分類する
③ステークホルダーを評価する
①ステークホルダーを洗い出す
②ステークホルダーを分類する
③ステークホルダーを評価する
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プロジェクト立上げ
第3章
PMBOK
プロジェクトの立上げ
●プロジェクト・メンバーの選出 計画部のホームページを作成するプロジェクトを発足させるため、里見課長はプロジェクトの企画作業に取りかかりました。 プロジェクトの発足に先立ち、体制を確保するため、上司である田中部長に相談しました。その結果、プロジェクト・チーム・メンバーとして情報システム部の山田係長、佐藤さん、鈴木さんを割り当ててくれました。
●プロジェクトの目標 まずは、計画部のホームページに掲載すべき情報を明確にするために、再度ヒアリングを実施しました。その結果、計画部から次のような意見が出されました。
◦部員の席順がわからないため、計画部に来た人が目的の担当者を探すことができず、通路側に席がある部員が集中して質問を受けている。業務に支障が出ているので、誰でも最新の座席表を閲覧できる仕組みが欲しい。
◦計画部への間違い電話が多く、その取り次ぎで時間を浪費している。先日も、経理関係の質問が勤労管理グループに掛かってきた。
◦他の部門から「計画部がどんな活動をしているの見えない」という意見が出ている。計画部に仕事を依頼した人が進捗を把握できるように、計画部の業務を "見える化" する必要がある。
◦よく分析してみると、同じような内容の質問が多い。一度回答した質問はどこかに登録して閲覧できる、FAQ集のような仕組みが欲しい。
また、計画部長からは「ホームページの運用によって、質問の対応工数が現在の半分程度になることを期待している」という意見も出されました。
●条件交渉 続いて里見課長は、計画部のホームページを作成するにあたっての条件を明確にする必要があると考えました。そこで、計画部の高広課長と交渉をしました。
A 社の事例 (3-1)
プロジェクトの立上げ
●プロジェクト・メンバーの選出 計画部のホームページを作成するプロジェクトを発足させるため、里見課長はプロジェクトの企画作業に取りかかりました。 プロジェクトの発足に先立ち、体制を確保するため、上司である田中部長に相談しました。その結果、プロジェクト・チーム・メンバーとして情報システム部の山田係長、佐藤さん、鈴木さんを割り当ててくれました。
●プロジェクトの目標 まずは、計画部のホームページに掲載すべき情報を明確にするために、再度ヒアリングを実施しました。その結果、計画部から次のような意見が出されました。
◦部員の席順がわからないため、計画部に来た人が目的の担当者を探すことができず、通路側に席がある部員が集中して質問を受けている。業務に支障が出ているので、誰でも最新の座席表を閲覧できる仕組みが欲しい。
◦計画部への間違い電話が多く、その取り次ぎで時間を浪費している。先日も、経理関係の質問が勤労管理グループに掛かってきた。
◦他の部門から「計画部がどんな活動をしているの見えない」という意見が出ている。計画部に仕事を依頼した人が進捗を把握できるように、計画部の業務を "見える化" する必要がある。
◦よく分析してみると、同じような内容の質問が多い。一度回答した質問はどこかに登録して閲覧できる、FAQ集のような仕組みが欲しい。
また、計画部長からは「ホームページの運用によって、質問の対応工数が現在の半分程度になることを期待している」という意見も出されました。
●条件交渉 続いて里見課長は、計画部のホームページを作成するにあたっての条件を明確にする必要があると考えました。そこで、計画部の高広課長と交渉をしました。
A 社の事例 (3-1)マネジャーは次のような対応を計画します。
● 関心が高く賛成派であるAさん、Dさんが反対派にならないようにする● 関心はそれほどないが影響力が大きいEさんには定期的に報告をして、
現在より関心を持ってもらうよう働きかける● 反対派のBさんやCさんに対するフォローも行い、協力を得られるよう
にする など
プロジェクトマネジメント・オフィスとは
多数のプロジェクトが存在する組織では、複数のプロジェクトの支援や管理を行う「プロジェクトマネジメント・オフィス」(PMO:Project Management Office)という組織やグループを作る場合があります。プロジェクトマネジメント・オフィスでは、例えば以下のような業務を行います。
● 人員や機材など、プロジェクト共有の資源の管理● プロジェクトマネジメントの手順や帳票の標準化● プロジェクト・マネジャーへのアドバイスやトレーニングの提供● プロジェクト間の情報共有のための環境整備 など
図 3.8 ● PMO は複数のプロジェクトの支援や管理を行う
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このままでは、赤字になりますので、改善が必要ですこのままでは、赤字になりますので、改善が必要です