pacemaker + postgresql レプリケーション構成(pg-rex)のフェイルオーバー高速化

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Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX) のフェイルオーバー高速化 201482OSC2014 Kansai@Kyoto Linux-HA Japan 東 一彦 Linux-HA Japan Project

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PostgreSQL + Pacemaker (PG-REX) new features introduction. Presented at OSC2014 Kansai@Kyoto.

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Page 1: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Pacemaker + PostgreSQL

レプリケーション構成(PG-REX)

のフェイルオーバー高速化

2014年8月2日 OSC2014 Kansai@Kyoto

Linux-HA Japan 東 一彦

Linux-HA Japan Project

Page 2: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 2

本日のメニュー [前菜]

① Pacemakerって何? ② PG-REXって何?

[メインディッシュ]

③ PG-REXのF.O短縮

③-1 分析編

③-2 改善編 (高速版PG-REXの誕生) ④ 高速版PG-REXの使用方法 [デザート]

⑤ Linux-HA Japan について

Page 3: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 3

Pacemakerって何?

Page 4: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 4

Pacemakerはオープンソースの

HAクラスタソフトです。

Page 5: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 5

High Availability = 高可用性 つまり

一台のコンピュータでは得られない高い信頼性を狙うために、

複数のコンピュータを結合し、

ひとまとまりとしたシステムのこと

サービス継続性

Page 6: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 6

現用系 待機系

サービス

HAクラスタを導入すると、

故障で現用系でサービスができなくなったときに、自動で待機系でサービスを起動させます

→このことを「フェイルオーバー」と言います

(以降、F.Oと表記)

サービス

故障

フェイルオーバー

Page 7: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 7

は このHAクラスタソフトとして 実績のある「Heartbeat」と 呼ばれていたソフトの後継です。

Page 8: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 8

サーバ#1 サーバ#2

アプリケーション監視・制御

仮想IP

自己監視

ノード監視

ディスク監視・制御

ネットワーク監視・制御

・プロセス監視 ・watchdog

・ファイルシステム監視 ・共有ディスク排他制御

・ハートビート通信 ・STONITH(強制電源断)

・ping疎通確認 ・仮想IP制御

・起動・停止・稼働監視

Pacemakerで監視できること

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PostgreSQL RA

Pacemakerが起動/停止/監視を制御する対象をリソースと呼ぶ 例)Apache, PostgreSQL, 共有ディスク, 仮想IPアドレス etc...

リソースの制御はリソースエージェント(RA)を介して行う RAが各リソースの操作方法の違いをラップし、Pacemakerで制御できるようにしている

多くはシェルスクリプト

Apache RA

共有ディスク RA

リソース

リソース エージェント

Linux-HA Japan Project

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Linux-HA Japan Project 10

PG-REXって何?

Page 11: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project

Master Slave

データ

ローカルディスク

データ

ローカルディスク

レプリケーション

監視

PG-REXコミュニティサイト : http://sourceforge.jp/projects/pg-rex/

仮想IP

PostgreSQLレプリケーション機能+Pacemakerでの構成を

PG-REXと呼ぶ

PostgreSQLのストリーミングレプリケーション機能を用いてデータを常に両系にコピー

• 共有ディスクは不要

• 更新はMaster側のみ可能。Slaveは参照のみ可能。

• "同期レプリケーション"により、更新データは即座にSlaveに送信される。

(送信後、トランザクション完了)

故障をPacemakerが監視・検知。SlaveをMasterに昇格させることで自動的にサービスを継続。

• Pacemakerは両系で動作。

• 故障時は、SlaveをMasterに昇格後、仮想IPを移動しサービス継続。

• Slave故障時はレプリケーション切り離しを実行。

(トランザクション中断を最小限に)

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Linux-HA Japan Project 12

PG-REXの構成例

Pacemaker Pacemaker

サービス提供用LAN

PostgreSQL (Master)

PostgreSQL (Slave)

レプリケーション用LAN

仮想IP1 (vip-master)

仮想IP2 (vip-rep)

仮想IP3 (vip-slave)

pgsql RA pgsql RA

制御 制御

サーバ#1 サーバ#2

Pacemaker用 LAN

Read/Write Read Only

STONITH 用LAN

参照負荷分散用

Slaveからの接続用

DB接続用(更新/参照)

Page 13: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

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PG-REXのF.O短縮

~分析編~

Page 14: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

「故障」と一口に言っても、様々な故障があります。

故障の内容によって、Pacemakerが行う対処も様々です。

大きく以下3つに分けられます。

Linux-HA Japan Project 14

対処 (A)リソース再起動 (B)通常F.O (C)STONITH後F.O

概要 同じサーバ上でリソースをもう一度起動または設定変更する。F.Oはしない。

サービス継続に直接関係ないリソース故障時の対処。

故障したサーバの関連リソースを停止後、Standby

サーバでリソースを起動する。いわゆる「フェイルオーバー」。

故障サーバの電源を強制的に断(STONITH)後、Standbyサーバでリソースを起動。

故障サーバの状態が確認できない場合に2重起動を防ぐ対処。

故障例 ・レプリケーション用VIP故障

・レプリケーション用NW断

・DBプロセス停止

・サービス用VIP故障

・サービス用NW断

・サーバ電源停止

・Pacemaker停止

・IC-LAN断

・リソース停止失敗

短 長 サービス中断時間

Page 15: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 15

故障発生からの経過時間[秒]

PG-REXでF.O時間を実測してみた。

F.Oに90秒近くかかる(DB負荷なし)

故障パターンとF.O時間[秒]

No. 故障 対処

1 レプリケーションVIP故障

(A)リソース再起動

2 レプリケーションNW断

3 Master側

サービス用NW断 (B)通常F.O

4 Master側

Pacemaker故障 (C)STONITH後

F.O 5

Master側

DB 停止失敗

hp DL360p Gen8

CPU Xeon E5-2640 2.5GHz (6core)×1

メモリ 16GB

HDD SAS,10krpm,300GB×6(RAID1+0)

RAIDコントローラ Smart Array P420i/1GB FBWC

種別 名称 バージョン

OS Red Hat Enterprise Linux 6.4 (x86_64)

DBMS PostgreSQL 9.2.4-1PGDG.rhel6.x86_64

クラスタ Pacemaker 1.0.13-1.1.el6.x86_64

ハード ソフト

目標値

Page 16: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 16

DBに負荷をかけてみた。

No. 故障 対処

5

Master側

DB 停止失敗

(DB負荷あり)

(C)STONITH後

F.O

負荷条件

・OSDL配布のDBT-2の負荷(ただし負荷ツールは少し改造)

http://sourceforge.net/apps/mediawiki/osdldbt/index.php?title=Main_Page#dbt2

・DB規模は200WH※(約24GB) ※WH(ウェアハウス)はDBT-2で定義されるDB規模の単位。

1WH あたり 約120MB のDBが生成される。

故障発生からの経過時間[秒]

目標値

DB負荷ありだとDBのpromote処理でさらに時間がかかる・・・orz

分析・改善を実施

Page 17: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

No. 故障 対処

5

Master側

DB 停止失敗

(DB負荷あり)

(C)STONITH後

F.O

故障発生からの経過時間[秒]

Linux-HA Japan Project 17

分析してみた。

それぞれ何の時間?

①故障を検知し、STONITHの実行が必要と判断するまでの時間。

→Pacemakerが一生懸命がんばっているのでまぁしかたないか・・・

②SlaveがSTONITH実行を待つ時間。

→? 短くできるかも・・・?

③STONITHを実行し、次に何をすべきかPacemakerが考える時間。

→Pacemakerが一生懸命がんばっているのでまぁしかたないか・・・

④SlaveがSTONITH実行を待つ時間。

→? 短くできるかも・・・?

(再掲)

① ② ③ ④ ⑤

⑤PostgreSQLがMasterに昇格(promote)する処理。

→? PostgreSQL専門家に聞いてみよう・・・

怪しい待ち時間を発見

さらに分析する

凡例

Page 18: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 18

②④「SlaveがSTONITH実行を待つ時間」ってどういうこと? [1/4]

→まずは、「スプリットブレイン」について復習

出典:OSC 2013 Kansai@Kyoto講演「HAクラスタをフェイルオーバ失敗から救おう!」

相手が 停止したな...

相手が 停止したな... Pacemaker通信用の

LANが切れ、互いに

相手の状態を確認できない。

HAクラスタにとって最もやばい状況!

PG-REXの場合共有ディスクは無いが、

両系でDB(Master)が

起動しデータに不整合が生じる!

Page 19: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 19

②④「SlaveがSTONITH実行を待つ時間」ってどういうこと? [2/4]

出典:OSC 2013 Kansai@Kyoto講演「HAクラスタをフェイルオーバ失敗から救おう!」

→次に「STONITH」について復習

「状態が確認できない」または「リソースの停止に失敗」したノードの電源を強制

的に切る機能。

スプリットブレイン対策のひとつ。

「Shoot-The-Other-

Node-In-The-Head」の略。

Page 20: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 20

②④「SlaveがSTONITH実行を待つ時間」ってどういうこと? [3/4]

→もしたまたま同時にSTONITHしたら・・・?

出典:OSC 2013 Kansai@Kyoto講演「HAクラスタをフェイルオーバ失敗から救おう!」

相手が 停止したな...

相手が 停止したな...

両系マウント・データ破壊は防げるが、

なるべくならサービス継続したい!!

Page 21: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 21

②④「SlaveがSTONITH実行を待つ時間」ってどういうこと? [4/4]

出典:OSC 2013 Kansai@Kyoto講演「HAクラスタをフェイルオーバ失敗から救おう!」

→で、登場するのが「stonith-helper」と「待ち時間」

PG-REXでも

この機能を使用。

自分がSlaveならSTONITH実行を待つ。

(デフォルト25秒)

Page 22: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 22

②と④の待ち時間について再考

→stonith-helperのロジックを、2回待たなくていいように改善!(改善1)

→よく考えたら、PG-REXではもう少し短くできる!(改善2)

それぞれ対処しました!!

No. 故障 対処

5

Master側

DB 停止失敗

(DB負荷あり)

(C)STONITH後

F.O

故障発生からの経過時間[秒]

(再掲)

② ④

こんな疑問が浮かびますよね・・・

• そもそも25秒も待つ必要あるの?

• なんで、②④の2回も待つの?

「DB停止失敗」なのでSTONITHするしかないはず・・・

→ 解析の結果、本来不要な待ち時間であるが stonith-helperのロジックの

都合上、2回実行していたことがわかった。

→25秒はstonith-helperのデフォルト待ち時間。パラメタで設定可能。

Page 23: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

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PG-REXのF.O短縮

~改善編~

(高速版PG-REX誕生)

Page 24: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 24

改善1: stonith-helperロジック改善

■改善前 ■改善後

パラメータが正しいかチェック

開始

相手サーバがすでに停止していないかチェック

自分がStandbyかどうかチェック

終了

STONITH実行へ↓

STONITH実行指示↓

Standbyでない

すでに停止

STONITH

成功

設定された時間

(25秒)sleep

Standbyである

稼働中

パラメータが正しいかチェック

開始

相手サーバがすでに停止していないかチェック

自分がStandbyかどうかチェック

終了

Standbyでない

すでに停止

STONITH

成功

設定された時間

(25秒)sleep

Standbyである

稼働中

相手サーバがonlineかどうかチェック

onlineでない

onlineである

online=Pacemak

er的に通信ができている状態。

相手の状態を把握できるので待つ

必要なし。

STONITH実行へ↓

STONITH実行指示↓

Page 25: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 25

https://github.com/linux-ha-japan/pm_extras-1.0/commit/e58880e98e7f6fd2376b91fee9b1c55780843a2a

改善1: 実際のstonith-helper修正箇所(github)

・わずか73行の修正!!

Page 26: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 26

改善2 :待ち時間の最適化(25秒→X秒) • そもそもなぜ待つか→相撃ちを防ぎ、Masterが生き残るようにするため

• ならば、「もしMasterが稼働していたら、自分を停止するであろう時間」待てば十分

• 停止するまでの時間はPacemakerの仕様上、DCノードの位置に依存

• 通常はDCノード位置がどこでもいいよう余裕を持った待ち時間(25秒)を設定

• PG-REXの場合「DCノード」が必ずMaster側になるように運用できる※ため

待ちを短縮可能

DC(node1)がいなくなったので

自分がDCになる

node2がいなくなったので

node2電源断(STONITH)を開始

時間

・自身がDCになる宣言

・他ノード投票待ち

自分はactiveであると判断し、

即STONITH実行(待たない)

STONITH開始 DC遷移処理

stonith-helper

stonith実行 電源断

node1

Master Slave

PostgreSQL

DC node2

スプリットブレイン

スプリットブレイン発生

自分はstandbyであると判断し、

STONITH実行を待つ(x秒)

stonith-helper

STONITH開始

この処理分、

Slave側が待つ

必要有り

=X秒

この処理分Masterの方が

STONITH実行が早い

PG-REXの場合Masterが必ずDC

になるよう運用可能

※PG-REX9.2のマニュアルに従えば 必ずDC=Masterになる

http://sourceforge.jp/projects/pg-rex/releases/?package_id=13527

Page 27: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 27

改善2: 補足: DCノードってなんなのさ?

• DCノードとは・・・ • Pacemakerによるクラスタ内の親玉的存在。

• 必ず1台のみ存在し、全サーバの動作を1元的に管理。

• 誰がDCノードになるか? • 誰がDCノードになるかはクラスタ内のPacemaker同士が決める。

• ユーザが決めることはできない。

• 現DCノードがPacemaker停止や故障 等でいなくなると、

残ったPacemakerから自動的に再選出される。

• 確認方法 • crm_mon コマンドの冒頭部分に表示

============

Last updated: Thu Oct 31 15:06:06 2013

Stack: Heartbeat

Current DC: node01 (ea45306e-d674-4be0-802c-a8fc602edab5) - partition with quorum

Version: 1.0.13-30bb726

2 Nodes configured, unknown expected votes

~略~

Page 28: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 28

改善2: X秒を何秒にすべきか?

• 「もしMasterが稼働していたら、自分を停止するであろう時間」=X秒

• 環境、負荷等により異なるので、実際に測定してみるしかない!

• DCノードの位置によって異なるので注意!

node2がいなくなったので

node2電源断(STONITH)を開始

時間

自分はactiveであると判断し、

即STONITH実行(待たない)

STONITH開始

stonith-helper

stonith実行 電源断

node1

Master Slave

PostgreSQL

DC node2

スプリットブレイン

この時間=X秒

DCノードがMasterにあればSTONITH実行

が早い

※PG-REX9.2のマニュアルに従えば 必ずDCノード=Masterになる

http://sourceforge.jp/projects/pg-rex/releases/?package_id=13527

私の環境では

5秒程度

→余裕を持って10秒と設定した

Page 29: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 29

⑤の短縮:PostgreSQLのpromoteについて

• 残るはpromoteの時間(⑤)を短縮できれば・・・

Slave側のpromote時、CHECKPOINTを完了させていた。

→CHECKPOINT完了までpromote

が完了しないため、F.Oが遅れる

promoteとCHECKPOINTを非同期的に実行するよう改善。

→CHECKPOINT完了を待つことなくpromoteが完了する

改善前(~9.2) 改善後(9.3~)

promote開始

promote完了

REDO DB反映前のWALを

共有バッファに反映

CHECKPOINT ダーティバッファを

ディスクに書き出し

PostgreSQL

(~9.2)

promote指示 promote開始

promote完了

REDO DB反映前のWALを

共有バッファに反映

CHECKPOINT ダーティバッファを

ディスクに書き出し

PostgreSQL

(9.3~)

promote指示

最新データが共有バッファに反映されればサービス開始可能

・・・PostgreSQL9.3ではpromote処理が改善されたらしい・・・

Page 30: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

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改善効果の確認

No. 故障 対処

5

Master側

DB 停止失敗

(DB負荷あり)

(C)STONITH後

F.O

目標値

(再掲) PostgreSQL9.2+改善前

PostgreSQL9.3+改善後 ② ④ ⑤

⑤ ② ④

• 待ち時間②→0秒に

• 待ち時間④→25秒からX秒に短縮 • 私の環境ではX=10秒とした。

• Xは環境によって異なるため注意。

• promote時間⑤→数秒程度に • PostgreSQLを改善してくれた人。ありがとう!!

F.O時間が1分以内に!

高速版PG-REX誕生!

やったこと

1) stonith-helperの改善

2) 待ち時間の最適化

3) PostgreSQL9.2→9.3へアップグレード(改善はPostgreSQLコミュニティの人)

Page 31: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 31

高速版PG-REXの使用方法

Page 32: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 32

で、高速版PG-REXっていつ使えるの?

7/8に PG-REX9.3 をリリースしました!! http://sourceforge.jp/projects/pg-rex/releases/p14274

・・・・・

F/O高速化のポイントは・・・ ・・・・・

Page 33: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 33

• 1) 最新Pacemakerへアップグレード(リポジトリパッケージ1.0.13-1.2以降)

• http://linux-ha.sourceforge.jp/wp/dl/packages で最新版をゲット!

• 2) PostgreSQL9.3へアップグレード(9.3.4以降がおすすめ)

• RHEL系rpmは以下で配布。

http://yum.postgresql.org/packages.php

• 3) 以下設定を変更 • stonith-helperの設定に「standby_wait_time=X」および

「run_online_check=yes」を追加する。(詳細後述)

• pgsql RAはPacemaker同梱版を使用する。

PG-REX9.3 F/O高速化のポイントは以下3点。 (PG-REX9.2をお使いの方でも、以下を実施すれば高速化できます)

Page 34: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 34

3) 設定変更の詳細(pm_crmgen使用の場合)

#表 5-5-1 クラスタ設定 … Primi ti veリソース ( id=prmStoni th2-1)

PRIMITIVE

P

#

A type

# パラメータ種別

params

O type

# オペレーション

start

monitor

stop

自身がSlaveのときにSTONITH実行を待つ時間[秒]

standby_check_command /usr/sbin/crm_resource -r master-group -W | grep -q `hostname` Masterノード判定コマンドstandby_wait_time 10

60s 0s

60s 10s

60s 0s

タイムアウト値 監視間隔 on_fail(障害時の動作) 起動前処理

run_online_check yes standby_wait待ちを、可能な場合にスキップするか。

timeout interval on-fail start-delay

備考

id class provider type

リソースID class provider type

prmStonith2-1 stonith external/stonith-helper

項目 設定内容 概要

hostlist

priority 1

name value

stonith-timeout 40s

dead_check_target 172.20.144.44 192.168.0.12 192.168.2.2 192.168.1.2 192.168.3.2

STONITH実行優先順位

stonith-helperプラグインのタイムアウト値

概要

stonith-helperプラグイン(STONITHプラグイン)

STONITH対象ノードの全てのIPアドレス(運用LAN、インター

pg-rex02 STONITH対象ノードのホスト名

stonith-helperの設定に「standby_wait_time=X」および「run_online_check=yes」を追加する

→赤枠部分を追加(X=10の場合の例)

external/stonith-helper

standby_wait_time 10

run_online_check yes

Page 35: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 35

3) 設定変更の詳細(crm設定ファイルの場合)

stonith-helperの設定に「standby_wait_time=X」および「run_online_check=yes」を追加する

→赤字部分を追加(X=10の場合の例)

primitive prmStonith2-1 stonith:external/stonith-helper ¥

params ¥

priority="1" ¥

stonith-timeout="40s" ¥

hostlist="pg-rex02" ¥

dead_check_target="172.20.144.44 192.168.0.12 192.168.2.2 192.168.1.2

192.168.3.2" ¥

standby_check_command="/usr/sbin/crm_resource -r master-group -W |

grep -q `hostname`" ¥

standby_wait_time="10" ¥

run_online_check="yes" ¥

op start interval="0s" timeout="60s" ¥

op monitor interval="10s" timeout="60s" ¥

op stop interval="0s" timeout="60s"

Page 36: Pacemaker + PostgreSQL レプリケーション構成(PG-REX)のフェイルオーバー高速化

Linux-HA Japan Project 36

まとめ

• ちょっとした改造でもコミュニティに貢献できる • 私がやったのはたった73行+設定変更

・・・でも効果はあったはず!(自画自賛)

みなさんも、ユーザ/投稿者どちらでもかまわないので、

ぜひコミュニティに参加してください!

Linux-HA Japan :http://linux-ha.sourceforge.jp/wp/

PG-REX :http://sourceforge.jp/projects/pg-rex/

• PostgreSQLレプリケーション+Pacemaker=PG-REX • フェールオーバー時間が1分以内となり、より使えるように!

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Linux-HA Japan Project 37

Linux-HA Japanについて

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Linux-HA Japan Project 38

Linux-HA Japan URL http://linux-ha.sourceforge.jp/

Pacemaker関連の最新情報を日本語で発信 Pacemakerのダウンロードもこちらからどうぞ。 (インストールが楽なリポジトリパッケージを公開しています。)

http://sourceforge.jp/projects/linux-ha/

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Linux-HA Japan Project 39

Linux-HA Japanメーリングリスト

• ML登録用URL http://linux-ha.sourceforge.jp/

の「メーリングリスト」をクリック

• MLアドレス [email protected]

日本におけるHAクラスタについての活発な意見交換の場として「Linux-HA Japan日本語メーリングリスト」 も開設しています。

Linux-HA-Japan MLでは、Pacemaker、Heartbeat3、Corosync DRBDなど、HAクラスタに関連する話題は歓迎!

※スパム防止のために、登録者以外の投稿は許可制です

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Linux-HA Japan Project 40

ご清聴ありがとうございました。

Linux-HA Japan 検索

http://linux-ha.sourceforge.jp/