「アドバンスケアプランニング(acp)研究会」...

12
公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団 2017 年度在宅医療助成(後期)指定公募 「在宅医療推進のための学会等への共催」完了報告書 「アドバンスケアプランニング(ACP)研究会」 3 回年次大会 アドバンスケアプランニング(ACP 研究会)第 3 回年次大会 大会長 髙橋 浩 平成 30 11 21 日提出

Upload: others

Post on 22-Feb-2020

3 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 「アドバンスケアプランニング(ACP)研究会」 …...【アドバンス・ケア・プランニング(ACP)研究会とは】 本研究会は、平成26.27 年度

公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団

2017 年度在宅医療助成(後期)指定公募

「在宅医療推進のための学会等への共催」完了報告書

「アドバンスケアプランニング(ACP)研究会」

第 3 回年次大会

アドバンスケアプランニング(ACP 研究会)第 3 回年次大会

大会長 髙橋 浩

平成 30 年 11 月 21 日提出

Page 2: 「アドバンスケアプランニング(ACP)研究会」 …...【アドバンス・ケア・プランニング(ACP)研究会とは】 本研究会は、平成26.27 年度

【アドバンス・ケア・プランニング(ACP)研究会とは】

本研究会は、平成 26.27 年度 厚生労働省「人生の最終段階における医療体制整備事業」

(患者の意思を尊重した人生の最終段階における医療を実現するための適切な体制のあり

方を検証するためのモデル事業)の評価実施機関である国立長寿医療研究センターが事務

局となり、当事業の採択医療機関を主なメンバーとして、平成 28 年度に設立した研究会で

ある。全国における ACP の研究及び研修を推進し、地域住民、患者家族、そして、医療・

ケアに携わる多職種が、少しでも早い段階から、前もって、人生の最終段階に向けて、継

続的に対話を重ねる医療文化の普及発展に寄与することを目的とする。

平成 28 年 6 月 11 日(土)に第 1 回年次大会、平成 29 年 9 月 2 日(土)に第 2 回年次

大会を開催した。

ホームページ http://www.ncgg.go.jp/zaitaku1/acp_hp/index.html

【開催概要】

今年度の年次大会(第 3 回)として下記の内容で開催した。

平成 30 年 9 月 1 日(土)10 時~17 時

参加者 267 名(岩手県内 177 名 岩手県外 90 名)

アンケート(有効回答数 126 回答率 45.9%)より把握した参加者の職種は下記の通り。

医師 薬剤師 保健師 看護師 ケアマネ 社会福祉士 その他 合計

11 2 5 62 11 18 17 126

※ケアマネ:介護支援専門員

※その他:教員、学生、事務職、行政書士、コンサルタント、行政、市議会議員、がん

患者会 等

プログラムは下記の表のとおり(抄録集:別添)。

10:00~ 開会あいさつ

10:10 ~

11:00

【シンポジウム】

「Advance Care Planning からアドバンス・ケア・プランニングへ」

日本版 ACP のあるべき姿と実現への課題

座長:国立長寿医療研究センター地域医療連携室長 西川満則

西岡病院 副院長 五十嵐知文

<シンポジスト>

・「急性期から始まる ACP」

春日井市民病院がん相談支援部長 會津恵司

・「世間話で探る“生き方と逝きかた”」

Page 3: 「アドバンスケアプランニング(ACP)研究会」 …...【アドバンス・ケア・プランニング(ACP)研究会とは】 本研究会は、平成26.27 年度

公立富岡総合病院院長 佐藤尚文

・「私たち ACP 研究会が日本語版アドバンス・ケア・プランニングの手順

「あらかじめ気がかりをはなしあうこと」を策定することを提案します!」

医療法人財団老蘇会静明館診療所 大友宣

11:10 ~

12:10

【一般演題口頭発表】

座長:南魚沼市立ゆきぐに大和病院院長 松島一雄

春日井市民病院がん相談支援センター師長 森本優子

①松田 繁勝(二戸広域消防組合)

「介護保険施設におけるリビングウィルの状況調査から考える

ACP へのアプローチ」

②佐藤 まどか(社会医療法人恵和会西岡病院)

「療養病棟の看護職におけるアドバンス・ケア・プランニングに

関する記録調査」

③赤地 桂子(埼玉県済生会川口総合病院)

「がん治療を受けている患者が、最期の場の意思を示す時期の検討と課題」

④西川 満則(国立長寿医療研究センター)

「介護職のためのアドバンス・ケア・プランニング(ACP)ファシリテータ

教育プログラムの実現可能性研究」

⑤渡邉 和子(常滑市民病院訪問看護ステーションきずな)

「ACP の効果について~訪問看護ステーションで同時期に関わった2症例

より」

⑥菊池 麻衣子(一般財団法人 岩手済生医会 中津川病院)

「ケアでキュアでくらしの ACP」

12:15 ~

13:15

【ランチョンセミナー】

「ACP の普及に向けて ー医療者が心に留めるべきことは何か?ー」

岩手医科大学 緩和医療学科 木村祐輔 教授

13:15 ~

14:00

【特別講演】

「直近の治療選択から ACP まで

~意思決定支援としての医療ケア・プランニング~」

岩手保健医療大学学長 清水哲郎

座長:国立長寿医療研究センター在宅連携医療部長 三浦久幸

Page 4: 「アドバンスケアプランニング(ACP)研究会」 …...【アドバンス・ケア・プランニング(ACP)研究会とは】 本研究会は、平成26.27 年度

14:00 ~

15:00

【パネルディスカッション】

「どう活用する 事前指示書」

座長:亀田総合病院疼痛・緩和ケア科医長 蔵本浩一

公立富岡総合病院緩和ケア認定看護師 津金沢理恵子

<パネリスト>

・「書くこと」を目的としない宮崎市「わたしの想いをつなぐノート」

-看取りの「紙づくり」でなはく「町づくり」の現状と課題-

宮崎大学医学部 板井孝壱郎

・リビングウィルと ACP

日本尊厳死協会副理事 長尾和宏

・「群馬県吾妻地域におけるアドバンスケアプランニングへの取り組み(仮)」

NPO あがつま医療アカデミー 狩野道子

15:15 ~

16:40

【市民公開講座】

「おらおらでしとりえぐも:わたしの逝き方はわたしが決める」

社会学者 上野千鶴子 氏

座長:岩手県立二戸病院副院長 髙橋浩

・参加者に行ったアンケート結果は下記の通りである。

1.【シンポジウム】「Advance Care Planning からアドバンス・ケア・プランニングへ」

日本版 ACP のあるべき姿と実現への課題

とても

良かった 良かった

どちらとも

言えない

あまり良く

なかった

良く

なかった 無回答 合計

50% 41% 3% 0% 0% 6% 100%

<とても良かった>

・ACP の考え方について目的について再確認できた(看護師 50 歳代 女)

・世間話でさぐるということに共感した。肉体、臓器ではなく「人生がおわる」ことを話

し合うといったことに共感した。(看護師 40 歳代 女)

・各医療機関が行っている実践の中で患者の本意を聴くことに努力していることが良く分

かった。(がん患者会 70 歳代 男)

・実際に自分の働く現場につながるものだったのでよかったです。(看護師 20 歳代 女)

・角度の違う内容で、具体的かつ事例が聞けたので良かった。(薬剤師 60 歳代 男)

・ACP の言葉の一人歩きを実感していたところだったので参考になった。(社会福祉士 40

歳代 男)

・急性期からの取りくみが勉強になった。(医師 50 歳代 男)

・様々な角度からのプレゼンでわかりやすい企画(市議会議員 50 歳代 男)

Page 5: 「アドバンスケアプランニング(ACP)研究会」 …...【アドバンス・ケア・プランニング(ACP)研究会とは】 本研究会は、平成26.27 年度

・医療のワクだけでなくもっと広げて検討していく必要性を感じた。(看護師 40 歳代 女)

・医師、看護師、研究センター等様々な考え方を聞くことができた。(看護教員 30 歳代 女)

<良かった>

・ACP への理解を自分自身誤解していました。正しく理解できてよかったです。(看護師 40

歳代 女)

・患者、家族の最期を向かえる過程の中で思い、考えがかわって行く段階での意思決定支

援の参考となりました。(看護師 60 歳代 女)

・ACP の考え方について目的について再確認できた普及はまだまだ時間がかかりそうです

が、今后注目していきたいと思います。(看護師 60 歳代 女)

・世間話をすることが、人生観をうかがい知ることができることにつながる。無駄な話は

ひとつもないのだなと、ひと言ひと言―態度、表情をくみとったり―が大切で耳を傾け

たい。(ケアマネージャー 40 歳代 女)

・ACP をどう考え実践していくか領域別に悩ましい場面や誤解のことについて分かった。

(看護師 20 歳代 女)

・普段、行政機関からの視点が多い中、医療者側の考えが見えて良かった(コンサルタン

ト 30 歳代 男)

・自分のイメージしていた概念との違いを知ることができよかったです。(社会福祉士 50

歳代 女)

<どちらともいえない>

・理解できないところがあった。(看護師 40 歳代 女)

2.【一般演題口頭発表】

とても

良かった 良かった

どちらとも

言えない

あまり良く

なかった

良く

なかった 無回答 合計

65% 16% 1% 0% 0% 18% 100%

<とても良かった>

・ACP の考え方について目的について再確認できた。各地域の実践例が豊富に分かり参考

になった。(がん患者会 70 歳代 男)

・臨床で自分も悩んでいた。事例に近いものが発表にあり、考え方の共有や新しい見解が

できてよかったです。(看護師 40 歳代 女)

・実際の事例を通して繰り返す ACP の本質を考えることが出来た。(看護師 20 歳代 女)

・実例と実体験の話しが多いので判りやすかった。(薬剤師 60 歳代 男)

・実際に関わりを持った方々の悩みや気持ちを伺うことができてよかったと思う(ケアマ

Page 6: 「アドバンスケアプランニング(ACP)研究会」 …...【アドバンス・ケア・プランニング(ACP)研究会とは】 本研究会は、平成26.27 年度

ネージャー 50 歳代 女)

・それぞれの所属でできることや工夫を聴かせていただき、参考にしたいと心より思った

(社会福祉士 40 歳代 女)

・ACPの捉え方にまだまだ温度差の在る事を知れむしろ参考となった。(医師 50歳代 男)

・消防行政からの視点が大変印象的でした(市会議員 50 歳代 男)

・現状把握できた。(ACP 普及を目指してる現段階での現状)(看護教員 30 歳代 女)

<良かった>

・一緒にもやもやすることは、はっきりとした意思表示がない場合、できない場合でも有

効。まずは集まって話しをする、くり返すということが大切だと分かった。(ケアマネー

ジャー 40 歳代 女)

・各職種からの視点、場面における ACP の事例、考えについて知ることができた。(看護

師 20 歳代 女)

・各施設における取り組みがわかった。救急との連携は興味深い。(看護師 50 歳代 女)

・ACP 実践についてそれぞれの職種の思いや考え方など参考になりました。(ケアマネージ

ャー 40 歳代 女)

・まだ「ACP とは」という事に様々な考えでゆれているのが現場なのだと思った。(看護師

40 歳代 女)

3.【特別講演】「直近の治療選択から ACP まで

~意思決定支援としての医療ケア・プランニング~」

とても

良かった 良かった

どちらとも

言えない

あまり良く

なかった

良く

なかった 無回答 合計

44% 39% 7% 0% 0% 10% 100%

<とても良かった>

・意思決定や老活といった新しい言葉も聞け勉強になりました。(看護師 20 歳代 女)

・プロセスとケアの選択はよく判ったし理解出来た。(薬剤師 60 歳代 男)

・清水先生の話興味があり参加した。国際的な視点と AD、ACP とはどうあるか、どこで

考えていくか心づもりとしてどうしていくかということについて深く考えなければと思

った。(看護師 20 歳代 女)

・ACP と CP の違いが明確となり、今後の診療に生かせる。(医師 60 歳代 男)

・考え方の根本的な部分や発展を聞けた(医師 30 歳代 男)

・自らの取組なければならないところを再認識できた。なんとなく言語化できないモヤモ

ヤしたものをすこし、落しこめたと考えている。(社会福祉士 40 歳代 女)

・フレイルに関してはずっと注目している。ACP を考える上で健康寿命、フレイルの進行

Page 7: 「アドバンスケアプランニング(ACP)研究会」 …...【アドバンス・ケア・プランニング(ACP)研究会とは】 本研究会は、平成26.27 年度

をあわせて考えていくことの重要性をみいだせた。(看護師 50 歳代 女)

・ACP に対するお考え、どの時期からという事より人生全体として考えるという事に強く

共感し勉強になりました。(看護師 40 歳代 女)

・最期にどんな治療をするか、しないかを決めることではなく”思いを聞く、一緒に考え

る”それが大切と学びました。とても勉強となり、刺激となりました。本当にありがと

うございました。(看護教員 30 歳代 女)

<良かった>

・良かったが学術的で十分理解できなかった。(がん患者会 70 歳代 男)

・ACP はまだまだ開発途上であることがわかりました。自分も ACP 考えてみようと思いま

す。(看護師 60 歳代 女)

・意思決定支援について、自分の立ち位置から考えることができた。(看護師 50 歳代 女)

・意思決定についての細かく詳しい話しで良かったです。(ケアマネージャー 40 歳代 女)

・家族を含めた、お互いの将来を決めていくために意思決定は大切になっていくんだと感

じた。(ケアマネージャー 50 歳代 女)

・これは医療機関での具体的な中身だったと思います。大きな概念の中でも死に近い時期

のお話で、とても参考になりました。(社会福祉士 50 歳代 女)

・合意形成への援助について考えさせられた。(看護師 40 歳代 女)

<どちらともいえない>

・難しかった(その他 50 歳代 女)

4.【パネルディスカッション】「どう活用する 事前指示書」

とても

良かった 良かった

どちらとも

言えない

あまり良く

なかった

良く

なかった 無回答 合計

48% 28% 2% 0% 0% 22% 100%

<とても良かった>

・どこの病院も同じ気持ちでかかわり働いているだなと思った。板井先生のお話が楽しか

った。(看護師 40 歳代 女)

・実際にエンディングノートを活用し、市民に伝える事もあったので、今度また生かした

いです。(看護師 20 歳代 女)

・わかりやすかった(看護師 50 歳代 女)

・事前指示書に書いてあることが重要でない。その背景にあるモノを聞きつむいでいくき

っかけになるということがだいじであると改めて感じ、明日からの仕事に生かせると思

った。(社会福祉士 40 歳代 女)

Page 8: 「アドバンスケアプランニング(ACP)研究会」 …...【アドバンス・ケア・プランニング(ACP)研究会とは】 本研究会は、平成26.27 年度

・ACP、LW どちらにも理解があります。具体的なお話を聴けてよかったです。(大学院生

50 歳代 女)

・LW への取り組みが消極的になっている現状がわかり、ACP と平行し検討していく必要

性を感じた。(看護師 40 歳代 女)

・それぞれのお話しが、思いが伝わってきておもしろい。(医師 50 歳代 男)

・”思いをつなぐ”ということ。これからも考え続け、行動することが重要と改めて感じ

た。(看護教員 30 歳代 女)

<良かった>

・宮崎市のノートをとりよせてみたいと思った。独居の認知症の方への支援では必要と思

う。わかるうちにきいておきたい。老人クラブでの啓発は地道ではあるが普及すると思

う。(ケアマネージャー 40 歳代 女)

・その人の物語を大切に、患者さんと向きあっていきたいと思った。(看護師 50 歳代 女)

・地域での取り組みの様子を知り、地域包括ケアシステム、医療と介護の連携の参考にな

りました。(ケアマネージャー 40 歳代 女)

・楽しく学ぶことができた。自分もリビングウィルを考えてみたいと感じた。(ケアマネー

ジャー 50 歳代 女)

・考える機会にするには良い、事前指示書はそれでもある方が良いのか・・・(社会福祉士

30 歳代 女)

5.市民公開講座「おらおらでしとりえぐも:わたしの逝き方はわたしが決める」

参加者 382 名(学会参加者 238 名 一般市民 144 名)

アンケート回収数 211 有効回答率 55.2%

とても

良かった 良かった

どちらとも

言えない

あまり良く

なかった

良く

なかった 無回答 合計

70% 25% 2% 0% 0% 3% 100%

<とても良かった>

・まさに人は変わる、ゆらぐ、迷うそのとおりだと思います。それを見守り看送るのが私

達の出来ることでしょうか?その時々のみちびきを出す?支援する?ことかな?(医療

関係 60 歳代 女)

・家族の希望で施設に入所する人はとても多いです。家に居たいとの本人の言葉を聞くと

せつなくなるが、最後は家族の希望が通ってしまう。今日のような話や考えを広めてほ

しい。(介護福祉関係 50 歳代 女)

・とても心穏やかに講話をきくことができた。自身の受容の幅、わく?を大きく、広くす

Page 9: 「アドバンスケアプランニング(ACP)研究会」 …...【アドバンス・ケア・プランニング(ACP)研究会とは】 本研究会は、平成26.27 年度

ることが大切だと感じました。大変ありがとうございました。(介護福祉関係 50 歳代

女)

・死の受容として何でもありという言葉を聞いて、私も在宅で独りで死ぬのも悪くないと

思いました。先生の実践から得たものをわかりやすく教えていただきありがとうござい

ます。(介護福祉関係 70 歳代 女)

・今現在の大きな(?)課題をテーマにした講演で共感できることがたくさんありました。

私の住んでいる地域での医療や介護がどこまでどんな風になっているのか調べてみたい

と思いました。安あがりということならもっと行政的に動いてもいいのでは?(NPO 法

人理事 60 歳代 女)

・人には色々な考えがあり、人は迷い、人を振りまわす それでよくて、それを受け止め

る必要があると感じました(医療機関 40 歳代 女)

・自分の今迄の視点に無い部分を教えてもらいました。(医療関係 60 歳代 男)

・生きることに多数の選択肢があるのだなぁと思いました。話が聞けて良かった。(医療関

係 50 歳代 女)

・楽しく死のおはなしを聞けました。家に帰りたいと言いながら病院で最后を迎えた父親

のことを思い出しました。自分は思い通りの最后に近づけるようにしたいと思います。

(会社員 50 歳代 女)

・自分の地域でどの位出来ているか又出来るか考えながら聞いておりました。中央だけで

なく、地域へも介護の充実がなされれば良いと思う。自分で死に方の選択考える時代と

なれば良いです。(介護福祉関係 40 歳代 女)

<良かった>

・社会資源が整っていればおひとりさまでも可能かと思う。ただひとりにしておけない現

状もあったりすると難しいと思った。(医療関係 40 歳代 女)

・大変わかりやすい話で実例があって良かった(医療関係 40 歳代 男)

・とてもわかりやすく、おもしろく、確認すること(誰のためのケアか!!)が多くあり

ました。安心して生きることのできる文化を作っていきたい。(医療関係 50 歳代 女)

・共感できることも、そうでないこともたくさん感じることができ、楽しい時間でした。

生きている人を大切に。自分の死を考えるより、生き方を考えようと思いました。(医療

関係 50 歳代 女)

・一般の方も交えて「死に方」について語りを聞く機会がすばらしいと思いました。(医療

関係 40 歳代 女)

Page 10: 「アドバンスケアプランニング(ACP)研究会」 …...【アドバンス・ケア・プランニング(ACP)研究会とは】 本研究会は、平成26.27 年度

【成果・課題】

全国から 274 名のご参加をいただき盛況のうちにアドバンス・ケア・プランニング研究

会第 3 回年次大会を終えることができた。

今大会の講演やセッションを通じ、「アドバンス・ケア・プランニング」をどのように展

開していくかについて事例提供等を含め、様々な意見が交わされた。アンケートの内容か

らも「ACP をどう考え実践していくか領域別に悩ましい場面や誤解のことについて分かっ

た」「地域での取り組みの様子を知り、地域包括ケアシステム、医療と介護の連携の参考に

なりました」などの声が多く寄せられており、アドバンス・ケア・プランニングを今後展

開していく中で「どのように関わったらよいかわからない」「どのように取り組みを進めて

いったらよいかわからない」と悩む医療・介護職にとって、好事例や課題を抱えた事例の

発表等は今後の大会でも継続して行っていく必要があると感じた。

また、今大会では少しでも早い段階から前もって人生の最終段階に向けて、継続的に対

話を重ねることへの地域住民の理解促進目的とし、市民公開講座を開催した。アンケート

では「一般の方も交えて「死に方」について語りを聞く機会がすばらしいと思いました」

「楽しく死のおはなしを聞けました。家に帰りたいと言いながら病院で最后を迎えた父

親のことを思い出しました。自分は思い通りの最后に近づけるようにしたいと思います」

といった一般市民の声が聞かれ、「とても良かった、良かった」の割合が 9割を超える

盛況であった。今後は医療機関や介護現場のみならず、地域へ向けたアドバンス・ケア・

プランニングの発信も研究会の活動を通じ検討していかなければならない事項である

と思われる。

2018年 3月 14日に「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン」

が改訂され、「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」

と名称も変わり、そのガイドライン及び解説の中で、心身の状態の変化等に応じて、本人

の意思は変化しうるものであり、医療・ケアの方針やどのような生き方を望むか等を、日

頃から繰り返し話し合うこと(=ACPの取り組み)の重要性が謳われていたが、前大会

からの参加者数の増加やアンケートの内容からも分かる通り、アドバンス・ケア・プラン

ニング研究会への期待が高まっていること、その期待に応えるべく今後も研究会の活動を

継続しさらに活動内容を充実させていく必要があることを認識することができた研究会で

あった。

なお、今回の研究会の一部プログラムは公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の

助成によるものである。

以上

Page 11: 「アドバンスケアプランニング(ACP)研究会」 …...【アドバンス・ケア・プランニング(ACP)研究会とは】 本研究会は、平成26.27 年度

いわて県民情報交流センターて県民情報交流センターて県民情報交流センターて県民情報交流センター 「「「「「「「アイーナアイーナアイーナアイーナ」」」」 F 小田島組☆小田島組☆小田島組☆小田島組☆ほほほほほほほ~~~~~る

医療・介護・福祉にかかわるすべての方

年年 月月 日日(土) ︓︓ ~~~ ︓︓開催日

〒〒〒 岩手県盛岡市盛岡駅西通岩手県盛岡市盛岡駅西通岩手県盛岡市盛岡駅西通岩手県盛岡市盛岡駅西通岩手県盛岡市盛岡駅西通岩手県盛岡市盛岡駅西通岩手県盛岡市盛岡駅西通岩手県盛岡市盛岡駅西通 丁目丁目丁目 番番番番 号

岩手県立二戸病院 副院長副院長副院長副院長副院長副院長副院長 髙橋 浩

ACP研究会第 回年次大会事務局 岩手県立二戸病院地域医療福祉連携室 担当︓佐藤メール︓ ︓ ︓

「「「 からアドバンスケアプランニングへ」 日本語版日本語版日本語版 のあるべき姿と実現への課題

「直近の治療選択からら までで 意思決定支援としての医療ケア・プランニングニング 」ランニングニング 」

「「おらおららでしとりえぐも︓わたしの逝き方はわたしが決める」 社会学者社会学者 ・東京大学名誉教授 上野千鶴子

シンポジウム

パネルディスカッション

特別講演

市民公開講座

申込・問合せ先

アドバンス・ケア・プランニング

公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団共 催 ︓︓大会

大会長

対 象

場 所

【おもな大会プログラム】

「どう活用する事前指示書る事前指示書」岩手保健医療大学学長 清水哲郎

Page 12: 「アドバンスケアプランニング(ACP)研究会」 …...【アドバンス・ケア・プランニング(ACP)研究会とは】 本研究会は、平成26.27 年度

アドバンス・ケア・プランニング

いわて県民情報交流センター 「アイーナ」 7F 小田島組☆ほ~る

2018年9月1日(土) 15:15~16:40開催日

会 場

〒020-0045 岩手県盛岡市盛岡駅西通1丁目7番1号

対 象

ACP研究会第3回年次大会事務局 岩手県立二戸病院地域医療福祉連携室 担当:佐藤

Fax:0195-23-6638 TEL:0195-23-2191

申込・問合せ先

公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団http://zaitakurenkei.com/acp_meeting3/

メール:[email protected]

大会HP

一般の方、医療関係者、介護福祉関係者 400名 (事前申し込みが必要です)

共催

絵:菅原孝平(二戸市)

時 間

撮影:菅野勝男

大会HPQRコード

講師上野千鶴子先生

うえの ちづこ プロフィール1948年富山県生まれ。1994年、『近代家族の成立と終焉』でサントリー学芸賞受賞。2011年度朝日賞受賞。著書に『ナショナリズムとジェンダー』『生き延びるための思想』『おひとりさまの老後』『男おひとりさま道』『みんな「おひとりさま」』『ひとりの午後に』『おひとりさまの最期』『また身の下相談にお答えします』など多数。

社会学者・東京大学名誉教授認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)理事長

ACP(アドバンス・ケア・プランニング)とは?将来の医療及びケアについて、患者さんを主体に、その家族や近しい人、医療・ケアチームが繰り返し話し合いを行い、 患者さんの意思決定を支援する過程のことです。