国土交通省 土地・建設産業局建設業課 令和元年7月 ·...

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Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 国土交通省 土地・建設産業局 建設業課 令和元年7月 新・担い手三法について ~建設業法、入契法、品確法の一体的改正について~

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Page 1: 国土交通省 土地・建設産業局建設業課 令和元年7月 · ・情報通信技術の活⽤等による ⽣産性向上 ⽣産性向上 への取組 災害時の緊急対応強化

Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

国土交通省土地・建設産業局 建設業課

令和元年7月

新・担い手三法について~建設業法、入契法、品確法の一体的改正について~

Page 2: 国土交通省 土地・建設産業局建設業課 令和元年7月 · ・情報通信技術の活⽤等による ⽣産性向上 ⽣産性向上 への取組 災害時の緊急対応強化

雇用保険 健康保険 厚生年金 3保険

H23.10 94% 86% 86% 84%

H24.10 95% 89% 89% 87%

H25.10 96% 92% 91% 90%

H26.10 96% 94% 94% 93%

H27.10 98% 97% 96% 96%

H28.10 98% 97% 97% 96%

H29.10 98% 98% 97% 97%

H30.10 98% 98% 97% 97%

建設業を取り巻く現状と課題

年齢階層別の建設技能労働者数

60歳以上の高齢者(82.8万人、25.2%)は、10年後には大量離職が見込まれる。一方、それを補うべき若手入職者の数は不十分。

社会保険の加入は一定程度進んでいるが、下位の下請になるほど加入率は低く、さらに踏み込んだ対策が必要。

企業別・3保険別加⼊割合の推移

現在4週8休は1割以下

出典:日建協「2018時短アンケート」を基に作成

※日建協の組合員の技術者等を対象にアンケート調査。※建設工事全体には、建築工事、土木工事の他にリニューアル工事等が含まれる。

給与は建設業全体で上昇傾向にあるが、生産労働者(技能者)については、製造業と比べ低い水準。

建設業男性全労働者等の年間賃⾦総⽀給額

出典:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(10人以上の常用労働者を雇用する事業所)※ 年間賃金総支給額=きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額

建設業生産労働者(技能者)の賃金は、45~49歳でピークを迎える。体力のピークが賃金のピークとなっている側面があり、マネジメント力等が十分評価されていない。

出典:公共事業労務費調査

建設業における休⽇の状況(技術者)

建設業は全産業平均と比較して年間300時間以上長時間労働の状況。

出典: 厚生労働省「毎月勤労統計調査」年度報より国土交通省作成

出典:総務省「労働力調査」(H30年平均)を元に国土交通省にて推計

2.6 13.7

20.2 24.8

30.6 42.4 44.3

35.2 31.3 32.0

50.9

0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 60.0

15~19歳20~24歳25~29歳30~34歳35~39歳40~44歳45~49歳50~54歳55~59歳60~64歳65歳以上

(年齢階層)

9.5

6.5

10.9

1.7

1.7

1.7

28.7

24.6

31.2

17.1

16.3

19.4

32.1

39.5

26.9

10.9

11.2

10.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

全体

建築

工事

土木

工事

4週8休

(完2)4週7休 4週6休 4週5休 4週4休 4週3休以下

(4週当たり)

休暇日数

5.07日

(4週当たり)

休暇日数

5.21日

(4週当たり)

休暇日数

4.86日

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

5,500

6,000 製造業生産労働者

(男性)

建設業・職別工事業

生産労働者(男性)

出典:平成30年賃金構造基本統計調査

(単位:千円) 年齢階層別の賃⾦⽔準

他産業では当たり前となっている週休2日もとれていない。

2012年(単位:千円)

2018年(単位:千円)

上昇率

建設業男性生産労働者 3,915.7 4,624.5 18.1%

建設業男性全労働者 4,831.7 5,713.3 18.2%

製造業男性生産労働者 4,478.6 4,764.1 6.4%

製造業男性全労働者 5,391.1 5,601.6 3.9%

全産業男性労働者 5,296.8 5,584.5 5.4%

約3%の差

元請:98.4%1次下請:97.2%2次下請:94.6%3次下請:90.5%

82.8万人25.2%

36.5万人11.1%

1,600

1,700

1,800

1,900

2,000

2,100

2,200

年間実労働時間の推移

(時間)

建設業

製造業

調査産業計

2007年度:2065時間

2018年度:2036時間

▲29時間

2007年度:1993時間

2018年度:1954時間

▲41時間

2007年度:1807時間

2018年度:1697時間

▲110時間

82時間

339時間

万人

1

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新・担い⼿3法(品確法と建設業法・⼊契法の⼀体的改正)について

※担い⼿3法の改正(公共⼯事の品質確保の促進に関する法律、建設業法及び公共⼯事の⼊札及び契約の適正化の促進に関する法律)

相次ぐ災害を受け地域の「守り⼿」としての建設業への期待働き⽅改⾰促進による建設業の⻑時間労働の是正i-Constructionの推進等による⽣産性の向上

予定価格の適正な設定、歩切りの根絶価格のダンピング対策の強化建設業の就業者数の減少に⻭⽌め

新たな課題・引き続き取り組むべき課題 担い⼿3法施⾏(H26)後5年間の成果

平成26年に、公共⼯事品確法と建設業法・⼊契法を⼀体として改正※し、適正な利潤を確保できるよう予定価格を適正に設定することや、ダンピング対策を徹底することなど、建設業の担い⼿の中⻑期的な育成・確保のための基本理念や具体的措置を規定。

新たな課題に対応し、5年間の成果をさらに充実する

新・担い⼿3法改正を実施

建設業法・⼊契法の改正 〜建設⼯事や建設業に関する具体的なルール〜 <政府提出法案>

品確法の改正 〜公共⼯事の発注者・受注者の基本的な責務〜 <議員⽴法※>

cv

○発注者の責務・適正な⼯期設定 (休⽇、準備期間等を考慮)・施⼯時期の平準化 (債務負担⾏為や繰越明許費の活⽤等)・適切な設計変更(⼯期が翌年度にわたる場合に繰越明許費の活⽤)

働き⽅改⾰の推進

○受注者(下請含む)の責務・適正な請負代⾦・⼯期での下請契約締結

○発注者の責務・緊急性に応じた随意契約・指名競

争⼊札等の適切な選択・災害協定の締結、発注者間の連携・労災補償に必要な費⽤の予定価格

への反映や、⾒積り徴収の活⽤

○発注者・受注者の責務・情報通信技術の活⽤等による

⽣産性向上

⽣産性向上への取組

災害時の緊急対応強化持続可能な事業環境の確保

○調査・設計の品質確保・「公共⼯事に関する測量、

地質調査その他の調査及び設計」を、基本理念及び発注者・受注者の責務の各規定の対象に追加

○現場の処遇改善・社会保険の加⼊を許可要件化・下請代⾦のうち、労務費相当については現⾦払い

○⼯期の適正化・中央建設業審議会が、⼯期に関する基準を作成・勧告・著しく短い⼯期による請負契約の締結を禁⽌(違反者には国⼟交通⼤⾂等から勧告・公表)・公共⼯事の発注者が、必要な⼯期の確保と施⼯時期の平準化

のための措置を講ずることを努⼒義務化<⼊契法>

○技術者に関する規制の合理化・監理技術者:補佐する者(技⼠補)

を配置する場合、兼任を容認・主任技術者(下請):⼀定の要件を

満たす場合は配置不要

○災害時における建設業者団体の責務の追加

・建設業者と地⽅公共団体等との連携の努⼒義務化

○持続可能な事業環境の確保・経営管理責任者に関する規制を

合理化・建設業の許可に係る承継に関す

る規定を整備

※平成17年の制定時及び平成26年の改正時も議員⽴法2

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●公共工事の品質確保の促進に関する法律の一部を改正する法律 概要

背景・必要性

1. 災害への対応 2. 働き方改革関連法の成立〇「働き方改革関連法」の成立により、公共工事においても長時間

労働の是正や処遇改善といった働き方改革の促進が急務

3. 生産性向上の必要性〇建設業・公共工事の持続可能性を確保するため、働き方改革の促

進と併せ、生産性の向上が急務

4. 調査・設計の重要性〇公共工事に関する調査等の品質が公共工事の品質確保を図る上で重要な役割

〇全国的に災害が頻発する中、災害からの迅速かつ円滑な復旧・復興のため、災害時の緊急対応の充実強化が急務

法案の概要

【基本理念】災害対応の担い手の育成・確保、災害復旧工事等の迅速かつ円滑な実施のための体制整備

【発注者の責務】①緊急性に応じて随意契約・指名競争入札等適切な入札・契約方法を選択②建設業者団体等との災害協定の締結、災害時における発注者の連携③労災補償に必要な保険契約の保険料等の予定価格への反映、災害時の見積り徴収の活用

1. 災害時の緊急対応の充実強化

【基本理念】適正な請負代金・工期による請負契約の締結、公共工事に従事する者の賃金、労働時間その他の労働条件、安全衛生その他の労働環境の適正な整備への配慮【公共工事等を実施する者の責務】適正な額の請負代金・工期での下請契約の締結

2. 働き方改革への対応

【発注者の責務】①休日、準備期間、天候等を考慮した適正な工期の設定②公共工事の施工時期の平準化に向けた、

債務負担行為・繰越明許費の活用による翌年度にわたる工期設定、中長期的な発注見通しの作成・公表等

③設計図書の変更に伴い工期が翌年度にわたる場合の繰越明許費の活用等

【基本理念、発注者・受注者の責務】情報通信技術の活用等を通じた生産性の向上

3. 生産性向上への取組公共工事に関する調査等(測量、地質調査その他の調査(点検及び診断を含む。)及び設計)に

ついて広く本法律の対象として位置付け

4. 調査・設計の品質確保

(1)発注者の体制整備① 発注関係事務を行う職員の育成・確保等の体制整備【発注者の責務】② 国・都道府県による、発注関係事務に関し助言等を適切に行う能力を

有する者の活用促進等

5. その他

(2)工事に必要な情報(地盤状況)等の適切な把握・活用【基本理念】(3)公共工事の目的物の適切な維持管理

【国・特殊法人等・地方公共団体の責務】

法改正の理念を現場で実現するために、地方公共団体、業界団体等の意見を聴き、基本方針や発注者共通の運用指針を改正

(令和元年6月7日成立、6月14日公布・施行)

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○ 長時間労働が常態化する中、その是正等が急務。※ 働き方改革関連法(2018年6月29日成立)による改正労働基準法に基づき、

建設業では、2024年度から時間外労働の上限規制(罰則付き)が適用開始。

建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律(令和元年法律第三十号)

2.建設現場の生産性の向上 3.持続可能な事業環境の確保

背景・必要性

1.建設業の働き方改革の促進

<時間外労働の上限規制>

✓原則、月45時間 かつ 年360時間✓特別条項でも上回ることの出来ないもの:

・年720時間(月平均60時間)・2~6ヶ月の平均でいずれも80時間以内・単月100時間未満・月45時間を上回る月は年6回を上限

<年齢構成別の技能者数>

○ 地方部を中心に事業者が減少し、後継者難が重要な経営課題となる中、今後も「守り手」として活躍し続けやすい環境整備が必要。

(1)長時間労働の是正 (工期の適正化等)■ 中央建設業審議会が、工期に関する基準を作成・勧告。

また、著しく短い工期による請負契約の締結を禁止し、違反者には国土交通大臣等から勧告等を実施。

■ 公共工事の発注者に、必要な工期の確保と施工時期の平準化のための方策を講ずることを努力義務化。

(2)現場の処遇改善

■ 建設業許可の基準を見直し、社会保険への加入を要件化。

■ 下請代金のうち、労務費相当分については現金払い。

(1)限りある人材の有効活用と若者の入職促進■ 工事現場の技術者に関する規制を合理化。

(ⅰ)元請の監理技術者に関し、これを補佐する制度を創設し、技士補がいる場合は複数現場の兼任を容認。

(ⅱ)下請の主任技術者に関し、一定未満の工事金額等の要件を満たす場合は設置を不要化。

(2)建設工事の施工の効率化の促進のための環境整備■ 建設業者が工場製品等の資材の積極活用を通じて生産性を向上できるよう、

資材の欠陥に伴い施工不良が生じた場合、建設業者等への指示に併せて、国土交通大臣等は、建設資材製造業者に対して改善勧告・命令できる仕組みを構築。

<元請の監理技術者> <下請の主任技術者>

3.持続可能な事業環境の確保

■ 経営業務に関する多様な人材確保等に資するよう、経営業務管理責任者に関する規制を合理化(※)。

※ 建設業経営に関し過去5年以上の経験者が役員にいないと許可が得られないとする現行の規制を見直し、今後は、事業者全体として適切な経営管理責任体制を有することを求めることとする。

■ 合併・事業譲渡等に際し、事前認可の手続きにより円滑に事業承継できる仕組みを構築。

法案の概要

1.建設業の働き方改革の促進 2.建設現場の生産性の向上

○ 現場の急速な高齢化と若者離れが深刻化する中、限りある人材の有効活用と若者の入職促進による将来の担い手の確保が急務。

(令和元年6月5日成立、6月12日公布)

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新・担い手三法成立・公布までの経緯について

15⽇ 建設業法及び公共⼯事の⼊札及び契約の適正化の促進に関する法律の⼀部を改正する法律案を閣議決定、国会に提出

4⽇ 建設業法及び⼊契法の⼀部改正法案が参議院国⼟交通委員会において審議、附帯決議と併せ全会⼀致で賛成が決議

5⽇ 参議院本会議において建設業法及び⼊契法の⼀部改正法案が全会⼀致で可決、成⽴

6⽇ 品確法の⼀部改正法案が参議院国⼟交通委員会において委員⻑提案で提出され、審議。附帯決議と併せ全会⼀致で賛成が決議

7⽇ 参議院本会議において品確法の⼀部改正法案が全会⼀致で可決、成⽴12⽇ 建設業法及び⼊契法の⼀部改正法公布14⽇ 品確法の⼀部改正法公布・施⾏

・・・

3⽉

5⽉

6⽉

平成31年

令和元年

22⽇ 建設業法及び⼊契法の⼀部改正法案が衆議院国⼟交通委員会において審議24⽇ 建設業法及び⼊契法の⼀部改正法案が附帯決議と併せ全会⼀致で賛成が決議。品

確法の⼀部改正法案が衆議院国⼟交通委員会において委員⻑提案で提出され、審議、附帯決議と併せ全会⼀致で賛成が決議

28⽇ 両法案について衆議院本会議において全会⼀致で可決、参議院に送付

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1.建設業の働き方改革の促進

(1)⼯期の適正化・・・・・・p.7(2)平準化の促進・・・・・・p.14(3)下請代⾦の⽀払・・・・・p.18

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1.(1)工期の適正化(建設業法第19条、第19条の5・6、第20条、第20条の2、第21条、第34条、入契法第11条)

実施を勧告

◆中央建設業審議会が⼯期に関する基準を作成(中央建設業審議会の設置等)

第三⼗四条 (略)2 中央建設業審議会は、建設⼯事の標準請負契約約款、⼊札の参加者の資格に関する基準、予定価格を構成する材料費及び役務費以外の諸経費に関す

る基準並びに建設⼯事の⼯期に関する基準を作成し、並びにその実施を勧告することができる。

◆通常必要と認められる期間に⽐して著しく短い⼯期による請負契約の締結を禁⽌

(著しく短い⼯期の禁⽌)第⼗九条の五 注⽂者は、その注⽂した建設⼯事を施⼯するために通常必

要と認められる期間に⽐して著しく短い期間を⼯期とする請負契約を締結してはならない。

注⽂者

◆⼯程の細⽬を明らかにし、⼯程ごとの作業及びその準備に必要な⽇数を⾒積り

(建設⼯事の⾒積り等)第⼆⼗条 建設業者は、建設⼯事の請負契約を締結するに際して、⼯事内容

に応じ、⼯事の種別ごとの材料費、労務費その他の経費の内訳並びに⼯事の⼯程ごとの作業及びその準備に必要な⽇数を明らかにして、建設⼯事の⾒積りを⾏うよう努めなければならない。

2・3 (略)

建設業者

7

◆⼯事を施⼯しない⽇や時間帯の定めをするときには契約書⾯に明記(建設⼯事の請負契約の内容)

第⼗九条 建設⼯事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げる事項を書⾯に記載し、署名⼜は記名押印をして相互に交付しなければならない。

⼀〜三 (略)四 ⼯事を施⼯しない⽇⼜は時間帯の定めをするときは、その内容五〜⼗六 (略)

◆⼯期に影響を及ぼす事象で認識しているものについて契約締結までに通知

(⼯期等に影響を及ぼす事象に関する情報の提供)第⼆⼗条の⼆ 建設⼯事の注⽂者は、当該建設⼯事について、地盤の沈下そ

の他の⼯期⼜は請負代⾦の額に影響を及ぼすものとして国⼟交通省令で定める事象が発⽣するおそれがあると認めるときは、請負契約を締結するまでに、建設業者に対して、その旨及び当該事象の状況の把握のため必要な情報を提供しなければならない。

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「建設工事における適正な工期設定等のためのガイドライン」の改訂(平成30年7月2日 建設業の働き方改革に関する関係省庁連絡会議 申合せ)

○ 働き⽅改⾰関連法による改正労働基準法(H31.4.1施⾏)に基づき、5年の猶予期間後、建設業に時間外労働の罰則付き上限規制が適⽤。○ 本ガイドラインは、猶予期間中においても、受注者・発注者が相互の理解と協⼒の下に取り組むべき事項を、指針として策定したもの。

1.ガイドラインの趣旨等

○ 建設⼯事の発注の実態や⻑時間労働是正に向けた取組を踏まえ、本ガイドラインについてフォローアップを実施し、適宜、内容を改訂。4.その他(今後の取組)

ガイドラインの内容

○ 受注者は、違法な⻑時間労働に繋がる「⼯期のダンピング」を⾏わない。○ 予定⼯期内での完了が困難な場合は、受発注者協議の上、適切に⼯期を変更。

補助⾦⼯事では、迅速な交付決定と併せ、繰越制度等を適切に活⽤。○ 発注⾒通しの公表等により、施⼯時期を平準化。

(2)必要経費へのしわ寄せ防⽌の徹底○ 社会保険の法定福利費などの必要経費を、⾒積書や請負代⾦内訳書に明⽰。○ 公共⼯事設計労務単価の動きや⽣産性向上の努⼒等を勘案した適切な積算・

⾒積りに基づき、適正な請負代⾦による請負契約を締結。

(3)⽣産性向上○ 受発注者の連携により、建設⽣産プロセス全体における⽣産性を向上。

・3次元モデルにより設計情報等を蓄積・活⽤するBIM/CIMの積極活⽤・プロジェクトの初期段階から受発注者間で設計・施⼯等の集中検討を⾏う

フロントローディングの積極活⽤ 等

(4)下請契約における取組○ 下請契約においても、適正な⼯期および請負代⾦により契約を締結。○ 週休2⽇の確保に際して、⽇給制の技能労働者等の処遇⽔準に留意し、労務

費等の⾒直し効果が確実に⾏き渡るよう、適切な賃⾦⽔準を確保。○ ⼀⼈親⽅についても、⻑時間労働の是正や週休2⽇の確保等を図る。

(5)適正な⼯期設定等に向けた発注者⽀援の活⽤○ ⼯事の特性等を踏まえ、外部機関(コンストラクション・マネジメント企業等)を活⽤。

2.時間外労働の上限規制の適⽤に向けた基本的な考え⽅

(1)請負契約の締結に係る基本原則○ 受発注者は、法令を遵守し、双⽅対等な⽴場で、請負契約を締結。

(2)受注者の役割○ 受注者は、建設⼯事従事者の⻑時間労働を前提とした不当に短い⼯期とならないよう、適正な⼯期で請負契約を締結。

(3)発注者の役割○ 発注者は、施⼯条件の明確化等を図り、適正な⼯期で請負契約を締結。

(4)施⼯上のリスクに関する情報共有と役割分担の明確化○ 受発注者は、⼯事実施前に情報共有を図り、役割分担を明確化。

(1)適正な⼯期設定・施⼯時期の平準化○ ⼯期の設定に当たっては、下記の条件を適切に考慮。・建設⼯事従事者の休⽇(週休2⽇等)・労務・資機材調達やBIM/CIM活⽤等の準備期間、現場の後⽚付け期間・降⾬⽇、降雪・出⽔期等の作業不能⽇数 等

○ 業種に応じた⺠間⼯事の特性等を理解のうえ協議し、適正な⼯期を設定。○ 週休2⽇等を考慮した⼯期を設定した場合、必要な労務費や共通仮設費

等を請負代⾦へ適切に反映。特に公共⼯事は、週休2⽇⼯事の件数拡⼤。

3.時間外労働の上限規制の適⽤に向けた取組

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工期に関する基準(イメージ)

<各工期において考慮すべき事項>

準 備施 工

後片付け等基礎工事 躯体工事 内装仕上げ工事

・労働者や建設資材の投入量・採用している工法

と工期の関係を確認

・自然的要因(多雪、寒冷、多雨、強風等)・不稼働日(週休2日、祝日、年末年始、夏期休暇等)

<全工期に共通する事項>

<その他考慮すべき事項>

・過去の同種類似工事の実績・工事別の特性を考慮

(例)新築工事:地下水及び地下埋設物の存在改修工事:アスベスト除去工事再開発工事:保留床の処分時期

・用地買収や建築確認、道路管理者との調整

・工事場所の周辺環境、近隣状況及び規制等

・仮設工作物の設置、資材及び機器の製作期間、調査、測量等

・地下水及び地下埋設物の存在

・掘削土の搬出

・養生期間・受電の時期

・設備の総合試運転調整

・官公署の完了検査

・工事の完成検査

・仮設工作物の撤去、清掃等

※特に設計変更が行われる場合には、工期の変更が認められないケースが多いため、重点的に確認

・⼯期に関する基準は定量的なものではなく、例えば以下のような⼯期を設定する際に考慮すべき定性的な事項を盛り込むことを想定

・今後、中建審の下にWGを設置するなどして、基準の作成に向けた専⾨的な検討を⾏う予定

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工期の変更について

○公共⼯事標準請負契約約款(受注者の請求による⼯期の延⻑)

第⼆⼗⼀条 受注者は、天候の不良、第⼆条の規定に基づく関連⼯事の調整への協⼒その他受注者の責めに帰すことができない事由により⼯期内に⼯事を完成することができないときは、その理由を明⽰した書⾯により、発注者に⼯期の延⻑変更を請求することができる。

2 発注者は、前項の規定による請求があった場合において、必要があると認められるときは、⼯期を延⻑しなければならない。発注者は、その⼯期の延⻑が発注者の責めに帰すべき事由による場合においては、請負代⾦額について必要と認められる変更を⾏い、⼜は受注者に損害を及ぼしたときは必要な費⽤を負担しなければならない。

<公共⼯事標準請負契約約款>・受注者:天候の不良、関連⼯事の調整への協⼒その他受注者の責めに帰すことができない事由により⼯期内に⼯

事を完成することができないときは、その理由を明⽰した書⾯により、発注者に⼯期の延⻑変更を請求することができる。

・発注者:請求があった場合において、必要があると認められるときは、⼯期を延⻑しなければならない。⇒⼯事の途中で発⽣した要因であっても著しく短い⼯期とならないよう適切な変更契約がなされることが求め

られる。

<品確法>・受発注者の合意の下、適正な⼯期を定めた公正な契約を締結することを基本理念として規定。・設計図書に⽰された施⼯条件と実際の⼯事現場の状態が⼀致しない場合、設計図書に⽰されていない施⼯条件につい

て予期することができない特別な状態が⽣じた場合等において必要と認められるときは、適切に設計図書の変更及びこれに伴い必要となる請負代⾦の額⼜は⼯期の変更を⾏うことが発注者等の責務として定められている。

○公共⼯事の品質確保の促進に関する法律(基本理念)

第三条 (略)⼀〜七 (略)⼋ 公共⼯事の品質は、これを確保する上で公共⼯事等の受注者のみならず下請負⼈及びこれらの者に使⽤される技術者、技能労働者等がそれぞれ重要な役割を果たすことに鑑み、公

共⼯事等における請負契約(下請契約を含む。)の当事者が、各々の対等な⽴場における合意に基づいて、市場における労務の取引価格、健康保険法等の定めるところにより事業主が納付義務を負う保険料(第⼋条第⼆項において単に「保険料」という。)等を的確に反映した適正な額の請負代⾦及び適正な⼯期⼜は調査等の履⾏期(以下「⼯期等」という。)を定める公正な契約を締結し、その請負代⾦をできる限り速やかに⽀払う等信義に従って誠実にこれを履⾏するとともに、公共⼯事等に従事する者の賃⾦、労働時間その他の労働条件、安全衛⽣その他の労働環境の適正な整備について配慮がなされることにより、確保されなければならない。

九・⼗ (略)(発注者等の責務)

第七条 (略)⼀〜六 (略)七 設計図書(仕様書、設計書及び図⾯をいう。以下この号において同じ。)に適切に施⼯条件⼜は調査等の実施の条件を明⽰するとともに、設計図書に⽰された施⼯条件と実際の⼯

事現場の状態が⼀致しない場合、設計図書に⽰されていない施⼯条件⼜は調査等の実施の条件について予期することができない特別な状態が⽣じた場合その他の場合において必要があると認められるときは、適切に設計図書の変更及びこれに伴い必要となる請負代⾦の額⼜は⼯期等の変更を⾏うこと。この場合において、⼯期等が翌年度にわたることとなったときは、繰越明許費の活⽤その他の必要な措置を適切に講ずること。

⼋〜九 (略)2〜5 (略)

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11

著しく短い工期の判断基準について

○著しく短い⼯期をどのように判断するのか?

・著しく短い⼯期であるかどうかについては、⼯事の内容や⼯法、投⼊する⼈材や資材の量などに依るため⼀律に判断することは困難

・休⽇や⾬天による不稼働⽇など、中央建設業審議会において作成した⼯期に関する基準で⽰した事項が考慮されているかどうかの確認

・過去の同種類似⼯事の実績との⽐較・建設業者が提出した⼯期の⾒積りの内容の精査などを⾏い、許可⾏政庁が⼯事ごとに個別に判断

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著しく短い工期の禁止に違反した場合の措置

発注者

元請(建設業者)

著しく短い⼯期による契約

1次下請(建設業者)

※必要があるときは発注者に対し、報告⼜は資料の提出を求めることが可能

③ 建設⼯事の注⽂者が建設業者である場合、国⼟交通⼤⾂等は建設業法第41条を根拠とする勧告や第28条を根拠とする指⽰処分を⾏う。(通常と同様)

12

<建設業法>第⼗九条の六 (略)2 建設業者と請負契約(請負代⾦の額が政令で定める⾦額以上であるものに限る。)を締結した発注

者が前条の規定に違反した場合において、特に必要があると認めるときは、当該建設業者の許可をした国⼟交通⼤⾂⼜は都道府県知事は、当該発注者に対して必要な勧告をすることができる。

3 国⼟交通⼤⾂⼜は都道府県知事は、前項の勧告を受けた発注者がその勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。

4 国⼟交通⼤⾂⼜は都道府県知事は、第⼀項⼜は第⼆項の勧告を⾏うため必要があると認めるときは、当該発注者に対して、報告⼜は資料の提出を求めることができる。

<⼊契法>第⼗⼀条 各省各庁の⻑等は、それぞれ国等が発注する公共⼯事の⼊札及び契約に関し、当該公共⼯事

の受注者である建設業者(建設業法第⼆条第三項に規定する建設業者をいう。次条において同じ。)に次の各号のいずれかに該当すると疑うに⾜りる事実があるときは、当該建設業者が建設業の許可を受けた国⼟交通⼤⾂⼜は都道府県知事及び当該事実に係る営業が⾏われる区域を管轄する都道府県知事に対し、その事実を通知しなければならない。⼀ (略)⼆ 第⼗五条第⼆項若しくは第三項、同条第⼀項の規定により読み替えて適⽤される建設業法第⼆⼗

四条の⼋第⼀項、第⼆項若しくは第四項⼜は同法第⼗九条の五、第⼆⼗六条第⼀項から第三項まで、第⼆⼗六条の⼆若しくは第⼆⼗六条の三第六項の規定に違反したこと。

著しく短い⼯期による契約

② 国⼟交通⼤⾂等は著しく短い⼯期で契約を締結した発注者に対して、勧告を⾏うことができ、従わない場合はその旨を公表することができる。

①<公共⼯事の場合><⼊契法>建設⼯事の受注者(元請)が下請業者と著しく短い⼯期で下請契約を締

結していると疑われる場合は、当該⼯事の発注者は当該受注者の許可⾏政庁にその旨を通知しなければならない。

※建設業法第31条を根拠とする⽴⼊検査や報告徴収も可能

許可⾏政庁

違反の疑いを通報

駆け込みホットライン 等

勧告

指⽰

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工期に影響を及ぼす事項の例

13

地中の状況等に関する事項

・⽀持地盤深度・地下⽔位・地下埋設物・⼟壌汚染 等

設計に起因する調整に関する事項

周辺環境に関する事項 資材の調達に関する事項

・設計図書との調整・設計間の整合 等

・近隣対応・騒⾳振動・⽇照阻害 等

・⼟地取得の経緯や近傍の事象により、その可能性について注⽂者が承知している以下のような事項を想定 (※国⼟交通省令で規定予定)

→ 注⽂者があらかじめ知っている上記の情報を建設業者に提供することにより、施⼯における⼿戻りを防⽌し、働き⽅改⾰の取組を促進

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1.(2)施工時期の平準化の推進(入契法第17条、品確法第3条、第7条)

○公共⼯事の⼊札及び契約の適正化の促進に関する法律(適正化指針の策定等)

第⼗七条 (略)2 適正化指針には、第三条各号に掲げるところに従って、次に掲げる事項を定めるものとする。⼀〜四 (略)五 公共⼯事の施⼯に必要な⼯期の確保及び地域における公共⼯事の施⼯の時期の平準化を図るための⽅策に関すること。六・七 (略)

3〜7 (略)

0

200,000

400,000

600,000

800,000

4月

6月

8月

10

月1

2月

2月

4月

6月

8月

10

月1

2月

2月

4月

6月

8月

10

月1

2月

2月

4月

6月

8月

10

月1

2月

2月

4月

6月

8月

10

月1

2月

2月

4月

6月

8月

10

月1

2月

2月

平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度

国 都道府県 市区町村

○公共⼯事の品質確保の促進に関する法律(基本理念)

第三条 (略)⼀〜七 (略)⼋ 公共⼯事の品質は、これを確保する上で公共⼯事等の受注者のみならず下請負⼈及びこれらの者に使⽤される技術者、技能労働者等がそれぞれ重要な役割を果たすこと

に鑑み、公共⼯事等における請負契約(下請契約を含む。)の当事者が、各々の対等な⽴場における合意に基づいて、市場における労務の取引価格、健康保険法等の定めるところにより事業主が納付義務を負う保険料(第⼋条第⼆項において単に「保険料」という。)等を的確に反映した適正な額の請負代⾦及び適正な⼯期⼜は調査等の履⾏期(以下「⼯期等」という。)を定める公正な契約を締結し、その請負代⾦をできる限り速やかに⽀払う等信義に従って誠実にこれを履⾏するとともに、公共⼯事等に従事する者の賃⾦、労働時間その他の労働条件、安全衛⽣その他の労働環境の適正な整備について配慮がなされることにより、確保されなければならない。

九・⼗ (略)(発注者等の責務)

第七条 発注者は、基本理念にのっとり、現在及び将来の公共⼯事の品質が確保されるよう、公共⼯事の品質確保の担い⼿の中⻑期的な育成及び確保に配慮しつつ、仕様書及び設計書の作成、予定価格の作成、⼊札及び契約の⽅法の選択、契約の相⼿⽅の決定、⼯事の監督及び検査並びに⼯事中及び完成時の施⼯状況の確認及び評価その他の事務(以下「発注関係事務」という。)を、次に定めるところによる等適切に実施しなければならない。

⼀〜四 (略)五 地域における公共⼯事等の実施の時期の平準化を図るため、計画的に発注を⾏うとともに、⼯期等が⼀年に満たない公共⼯事等についての繰越明許費(財政法(昭和⼆

⼗⼆年法律第三⼗四号)第⼗四条の三第⼆項に規定する繰越明許費⼜は地⽅⾃治法(昭和⼆⼗⼆年法律第六⼗七号)第⼆百⼗三条第⼆項に規定する繰越明許費をいう。第七号において同じ。)⼜は財政法第⼗五条に規定する国庫債務負担⾏為若しくは地⽅⾃治法第⼆百⼗四条に規定する債務負担⾏為の活⽤による翌年度にわたる⼯期等の設定、他の発注者との連携による中⻑期的な公共⼯事等の発注の⾒通しの作成及び公表その他の必要な措置を講ずること。

六〜九 (略)2〜5 (略)

・公共⼯事の⼊札及び契約の適正化を図るための措置に関する指針の記載事項に平準化に関する事項を追加

・法律に基づき総務省と連名で⾃治体に対して要請→取り組み状況について報告を求め、公表

・発注者の責務として、繰越明許費・(国庫)債務負担⾏為の活⽤や発注⾒通しの作成・公表を明⽰

【指針】←⼊契法

【具体的な⼿段(発注者責務)】←品確法

(百万円)

出典:建設総合統計 出来高ベース(全国)

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施工時期等の平準化

①国庫債務負担行為の積極的活用

適正な工期を確保するための国庫債務負担行為(2か年国債(注1) 及び

ゼロ国債(注2))を上積みし、閑散期の工事稼働を改善

○適正な工期を確保するため、国庫債務負担行為(2か年国債やゼロ国債)を活用すること等により、公共工事の施工時期を平準化し、建設現場の生産性向上を図る。

○これにより、閑散期の工事稼働件数は下図の通り改善傾向にあり、国交省直轄工事での平準化率は約9割に達している。

○引き続き国庫債務負担行為の活用、発注見通しの統合・公表の参加団体を拡大。

〈2ヶ年国債+当初予算におけるゼロ国債〉

平成31年度:約3,200億円 (平成30年度:約3,100億円)

※平成29年度から当初予算におけるゼロ国債を設定(業務についても平成31年度から新たに設定)

※平成31年度の内訳は、2ヶ年国債 約2,000億円、ゼロ国債 約1,200億円(業務含む)

③地方公共団体等への取組要請各発注者における自らの工事発注状況の把握を促すとともに、平準化の取組の推進を改めて要請

注1:国庫債務負担行為とは、工事等の実施が複数年度に亘る場合、あらかじめ国会の議決を経て後年度に亘って債務を負担(契約)することが出来る制度であり、2か年度に亘るものを2か年 国債という。

注2:国庫債務負担行為のうち、初年度の国費の支出がゼロのもので、年度内に契約を行うが国費の支出は翌年度のもの。

②地域単位での発注見通しの統合・公表の更なる拡大全ブロックで実施している国、地方公共団体等の発注見通しを統合し、

とりまとめ版を公表する取組の参加団体を拡大※参加状況の推移:平成29年3月時点:約500団体(約25%)→平成31年3月時点:1783団体(約89%)

国、特殊法人等:198/209、都道府県:47/47、政令指定都市:20/20、市町村:1518/1722(平成31年3月時点)

発注見通しの統合・公表のページ(イメージ)

新規契約件数と稼働件数の推移

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【国・都道府県・市区町村における平準化の状況】

(単位:百万円)

出典:建設総合統計 出来⾼ベース(全国)

地方公共団体における平準化の取組

H27 .2 総務省と連名で、地⽅公共団体に対して平準化について要請※以降、■H28.2、 ■H28.10、 ■ H29.2、 ■ H30.2、

■ H30.11、 ■ H31.2に要請。※H29.2以降は、地⽅公共団体の契約担当課だけではなく、

新たに財政担当課に対しても平準化について要請。

H28 .2 総務省と連名で、地⽅公共団体に対して、社会資本総合整備計画に係る交付⾦事業に関し、ゼロ債務負担⾏為を設定して事業を実施することも可能であること等について通知

H28. 4 都道府県が取り組む先進的な事例を収集し、平準化の取組事例集をとりまとめ※H29.3に市区町村の事例を収集し、第2版を公表※H30.5に市区町村の事例を拡充し、第3版を公表

H31. 2 総務省と連名で、地⽅公共団体に対して、速やかな繰越⼿続の徹底による建設業の適正な労働環境の確保について通知

取組状況(地⽅公共団体における平準化に向けた取組の促進)

268

13 6

22

19

H28.2債務負担⾏為 H31.2債務負担⾏為 H28.2ゼロ債務負担⾏為 H31.2ゼロ債務負担⾏為

債務負担⾏為の活⽤状況(交付⾦事業/H28.2、H31.2⽐較)

本年度実施し、翌年度も実施予定 本年度は実施していないが、翌年度から実施予定または実施する方向で検討 実施していない

実施団体:20団体増

0

200,000

400,000

600,000

800,000

4月

6月

8月

10

月1

2月

2月

4月

6月

8月

10

月1

2月

2月

4月

6月

8月

10

月1

2月

2月

4月

6月

8月

10

月1

2月

2月

4月

6月

8月

10

月1

2月

2月

4月

6月

8月

10

月1

2月

2月

平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平成29年度

国 都道府県 市区町村

46

1

39

3 5

実施団体:33団体増

16

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⼯期設定や施⼯時期の選択を⼀層柔軟にすることで、計画的な発注による⼯事の平準化や受注者にとって効率的で円滑な施⼯時期の選択を可能とするため、発注者が指定する⼀定期間内で受注者が⼯事開始⽇を選択できる任意着⼿⽅式等を積極的に活⽤する。

※ 余裕期間については各発注者により定義等が異なる。

年度をまたぐような⼯事だけではなく、⼯期が12ヶ⽉未満の⼯事についても、⼯事の施⼯時期の平準化を⽬的として、債務負担⾏為を積極的に活⽤する。

また、出⽔期までに施⼯する必要がある場合などには、ゼロ債務負担⾏為も適切に活⽤する。

年末から年度末に⼯期末が集中することが無いよう事業量の平準化等に留意し、上半期(特に4〜6⽉)における⼯事の執⾏率(契約率)の⽬標を設定し、早期発注など計画的な発注を実施する。

発注前年度のうちに設計・積算までを完了させることにより、発注年度当初に速やかに発注⼿続を開始する。

⼯事⼜は業務を実施する中で、計画⼜は設計に関する諸条件、気象⼜は⽤地の関係、補償処理の困難、資材の⼊⼿難その他のやむを得ない事由により、基本計画の策定等において当初想定していた内容を⾒直す必要が⽣じ、その結果、年度内に⽀出が終わらない場合には、その段階で速やかに繰越⼿続を開始する。

(さ)債務負担⾏為の活⽤

(し)柔軟な⼯期の設定(余裕期間制度の活⽤)

(す)速やかな繰越⼿続

(せ)積算の前倒し

(そ)早期執⾏のための⽬標設定(執⾏率等の設定、発注⾒通しの公表)

平準化の促進に向けた取組(さしすせそ)

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1.(3)下請代金の支払(建設業法第24条の3、品確法第3条、第8条)

○建設業法(下請代⾦の⽀払)

第⼆⼗四条の三 元請負⼈は、請負代⾦の出来形部分に対する⽀払⼜は⼯事完成後における⽀払を受けたときは、当該⽀払の対象となつた建設⼯事を施⼯した下請負⼈に対して、当該元請負⼈が⽀払を受けた⾦額の出来形に対する割合及び当該下請負⼈が施⼯した出来形部分に相応する下請代⾦を、当該⽀払を受けた⽇から⼀⽉以内で、かつ、できる限り短い期間内に⽀払わなければならない。

2 前項の場合において、元請負⼈は、同項に規定する下請代⾦のうち労務費に相当する部分については、現⾦で⽀払うよう適切な配慮をしなければならない。3 (略)

<現⾦として扱われるものの例>・現⾦・銀⾏振り込み・銀⾏振出⼩切⼿

【建設業法】→元請負⼈

【品確法】→公共⼯事の当事者

・下請代⾦の⽀払いについて、労務費相当分については、現⾦で⽀払うよう適切な配慮をしなければならない。

○公共⼯事の品質確保の促進に関する法律(基本理念)

第三条 (略)2〜7 (略)8 公共⼯事の品質は、これを確保する上で公共⼯事等の受注者のみならず下請負⼈及びこれらの者に使⽤される技術者、技能労働者等がそれぞれ重要な役割を果たすことに

鑑み、公共⼯事等における請負契約(下請契約を含む。)の当事者が各々の対等な⽴場における合意に基づいて適正な額の請負代⾦及び適正な⼯期⼜は調査等の履⾏期(以下「⼯期等」という。)を定める公正な契約を締結し、その請負代⾦をできる限り速やかに⽀払う等信義に従って誠実にこれを履⾏するとともに、公共⼯事等に従事する者の賃⾦、労働時間その他の労働条件、安全衛⽣その他の労働環境の適正な整備について配慮がなされることにより、確保されなければならない。

9〜12 (略)(受注者等の責務)

第⼋条 (略)2 公共⼯事等を実施する者は、下請契約を締結するときは、下請負⼈に使⽤される技術者、技能労働者等の賃⾦、労働時間その他の労働条件、安全衛⽣その他の労働環境が

適正に整備されるよう、市場における労務の取引価格、保険料等を的確に反映した適正な額の請負代⾦及び適正な⼯期等を定める下請契約を締結しなければならない。3 (略)

・請負代⾦のできる限り速やかな⽀払い、公共⼯事に従事する者の賃⾦への配慮を基本理念として規定。

・公共⼯事を実施する者は、技術者・技能労働者等の賃⾦等、労働環境が適正に整備されるよう、市場における労務の取引価格を的確に反映した適正な額の請負代⾦を定める下請契約を締結しなければならない。

76.3%

15.0%

8.6%

支払手段に関する回答結果

全額現金で支払っている

少なくとも労務費相当分は現金で支払い、残りは手形で支払っている

その他

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2.建設現場の生産性の向上

(1)監理技術者の専任の緩和・・・・・p.20(2)技術検定制度の⾒直し・・・・・・p.24(3)主任技術者の配置義務の⾒直し・・p.27(4)建設資材製造業者等への勧告等・・p.30(5)知識及び技術⼜は技能の向上・・・p.33

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2.(1)監理技術者の専任の緩和(建設業法第26条)

【現 状】 【改正後】

元請A社

監理技術者A(専任)

下請B社

主任技術者

下請C社

主任技術者

元請A社

監理技術者B(専任)

下請D社

主任技術者

下請E社

主任技術者

注文者 注⽂者

・建設⼯事の請負代⾦の額が3500万円(建築⼀式⼯事にあっては7000万円)以上である場合については、監理技術者は現場に専任の者でなければならない。

下請B社

主任技術者

下請C社

主任技術者

元請A社

下請D社

主任技術者

下請E社

主任技術者

注文者 注⽂者

元請A社

監理技術者A

技士補X(専任)

技士補Y(専任)

⼯事1 ⼯事2 ⼯事1 ⼯事2

・監理技術者の職務を補佐する者として政令で定める者を専任で置いた場合には、監理技術者の兼務を認めることとする。(当⾯2現場とする予定。)

・政令で定める者は、今回創設する技⼠補制度のうち、1級の技⼠補であって主任技術者の資格を持つ者などとすることを検討中。

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兼務可

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<条文>建設業法第26条

○建設業法(主任技術者及び監理技術者の設置等)

第⼆⼗六条 (略)2 (略)3 公共性のある施設若しくは⼯作物⼜は多数の者が利⽤する施設若しくは⼯作物に関する重要な建設⼯事で政

令で定めるものについては、前⼆項の規定により置かなければならない主任技術者⼜は監理技術者は、⼯事現場ごとに、専任の者でなければならない。ただし、監理技術者にあつては、発注者から直接当該建設⼯事を請け負つた特定建設業者が、当該監理技術者の⾏うべき第⼆⼗六条の四第⼀項に規定する職務を補佐する者として、当該建設⼯事に関し第⼗五条第⼆号イ、ロ⼜はハに該当する者に準ずる者として政令で定める者を当該⼯事現場に専任で置くときは、この限りでない。

4 前項ただし書の規定は、同項ただし書の⼯事現場の数が、同⼀の特例監理技術者(同項ただし書の規定の適⽤を受ける監理技術者をいう。次項において同じ。)がその⾏うべき各⼯事現場に係る第⼆⼗六条の四第⼀項に規定する職務を⾏つたとしてもその適切な実施に⽀障を⽣ずるおそれがないものとして政令で定める数を超えるときは、適⽤しない。

5 第三項の規定により専任の者でなければならない監理技術者(特例監理技術者を含む。)は、第⼆⼗七条の⼗⼋第⼀項の規定による監理技術者資格者証の交付を受けている者であつて、第⼆⼗六条の五から第⼆⼗六条の七までの規定により国⼟交通⼤⾂の登録を受けた講習を受講したもののうちから、これを選任しなければならない。

6 (略)

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監理技術者の現場兼務について

○監理技術者は、2現場(予定)の兼務が可能となるが、監理技術者は建設⼯事を適正に実施するため、・当該建設⼯事の施⼯計画の作成・⼯程管理・品質管理その他の技術管理といった業務を引き続き担っている。

→監理技術者に求められる責務は従前と変わっておらず、これらの責務が適正に実施されるよう監理技術者を補佐する者を適切に指導することが求められる。

○建設業法(主任技術者及び監理技術者の職務等)

第⼆⼗六条の四 主任技術者及び監理技術者は、⼯事現場における建設⼯事を適正に実施するため、当該建設⼯事の施⼯計画の作成、⼯程管理、品質管理その他の技術上の管理及び当該建設⼯事の施⼯に従事する者の技術上の指導監督の職務を誠実に⾏わなければならない。

2 ⼯事現場における建設⼯事の施⼯に従事する者は、主任技術者⼜は監理技術者がその職務として⾏う指導に従わなければならない。

22

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主任技術者又は監理技術者の「専任」の明確化について

•監理技術者等は、建設工事を適正に実施するため、当該建設工事の施工計画の作成等及び当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督の職務を行う役割を担っていることから、当該工事現場にて業務を行うことが基本

•請負代金の額が3千5百万円(建築一式工事である場合にあっては、7千万円)以上の公共性のある施設等に関する重要な建設工事については、監理技術者等は、工事現場ごとに専任

•専任とは、他の工事現場に係る職務を兼務せず、常時継続的に当該工事現場に係る職務にのみ従事することを意味するものであり、必ずしも当該工事現場への常駐(現場施工の稼働中、特別の理由がある場合を除き、常時継続的に当該工事現場に滞在していること)を必要とするものではない

(平成29年8⽉9⽇建設業課⻑通達、平成30年12⽉3⽇改正)

【前提条件】

•適切な施工ができる体制(※)の確保

•その体制について、注文者の了解

(※)適切な施工ができる体制の例

• 必要な資格を有する代理の技術者の配置

• 工事の品質確保等に支障の無い範囲内において、連絡を取りうる体制及び必要に応じて現場に戻りうる体制の確保 等

専任について

【背景】技術者の継続的な技術研鑽の重要性 + 建設業の働き方改革の推進の観点を追加し、改正

技術研鑽のための研修、講習、試験等への参加、休暇の取得、その他の合理的な理由により、専任の監理技術者等が短期間工事現場を離れることは差し支えないことを明確化

【留意事項等】 ※新規追加

•監理技術者等が当該建設工事の施工の技術上の管理をつかさどる者であることに変わりはない

•監理技術者等が担う役割に支障が生じないようにする

•監理技術者等の研修等への参加や休暇の取得等を不用意に妨げることのないよう留意(現場に戻りうる体制の確保は必ずしも要しない等)

•建設業におけるワーク・ライフ・バランスの推進や女性の一層の活躍の観点に留意(監理技術者等が育児等のために短時間現場を離れること

が可能となるような体制の確保等) 23

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2.(2)技術検定制度の見直し(建設業法第27条)

24

1級

2級

学科試験

学科試験

実地試験

実地試験

合格

合格

合格

合格

1級技⼠

2級技⼠

1級

2級

第⼀次検定

第⼀次検定

第⼆次検定

第⼆次検定

合格

合格

合格

合格

1級技⼠補

2級技⼠補

1級技⼠

2級技⼠

称号付与

【現 状】

【改正後】

称号付与

称号付与

※称号は政令事項施⼯技術のうち基礎となる知識及び能⼒を有するかどうかを判定

施⼯技術のうち実務経験に基づいた技術管理及び指導監督に係る知識及び能⼒を有するかどうかを判定

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25

○学科試験○実地試験

技士補制度の創設

現行制度

技術検定

改定後(案)

○第1次検定

技術検定

技士補

○第2次検定※いずれも合格

技 士

合格 技 士

1級受験資格の見直し

※称号は政令改正事項

現行制度 1級受験には所定の実務経験が必要

改定後(案)

○法改正にあわせて、2級第2次検定合格者については、1級の第1次検定を受験するにあたり、1級相当の実務経験を不要とすることを検討 (政令改正事項)

合格

合格

2級実地試験

1級学科・実地試験

① ② ③ ④ ⑤

① ② ⑤③ ④

2級第2次検定

1級第1次検定

1級第2次検定

実務経験

実務経験

※所定の実務経験を積んだ場合5年⇒3年に短縮

2級第2次検定合格後に1級第1次検定を受験可能に

建設業法の一部改正に伴う技術検定制度の改定(案)

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<条文>建設業法第27条

○建設業法(技術検定)

第⼆⼗七条 (略)2 前項の検定は、これを分けて第⼀次検定及び第⼆次検定とする。3 第⼀次検定は、第⼀項に規定する者が施⼯技術の基礎となる知識及び能⼒を有するかどうかを判定するため

に⾏う。4 第⼆次検定は、第⼀項に規定する者が施⼯技術のうち第⼆⼗六条の四第⼀項に規定する技術上の管理及び指

導監督に係る知識及び能⼒を有するかどうかを判定するために⾏う。5 国⼟交通⼤⾂は、第⼀次検定⼜は第⼆次検定に合格した者に、それぞれ合格証明書を交付する。6 (略)7 第⼀次検定⼜は第⼆次検定に合格した者は、それぞれ政令で定める称号を称することができる。

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二次下請D社

主任技術者

2.(3)主任技術者の配置義務の見直し①(建設業法第26条の3)

一次下請A社

主任技術者

二次下請C社二次下請E社

主任技術者 主任技術者

一次下請A社

主任技術者

二次下請B社

主任技術者

三次下請D社

主任技術者

三次下請E社

主任技術者

【現 状】

一定の指導監督的な実務の経験を有し、かつ、当該工事現場に専任で置かれる者でなければならない。

【改正後】

本来であれば⼀次下請Aが置く主任技術者による技術上の施⼯管理のみで適正施⼯が確保される場合であっても、第26条の規定により全ての⼆次下請、三次下請(B〜E)がそれぞれ主任技術者を置くことが必要。

⼀次下請A社及び⼆次下請B、D、Eは、その合意により、Aが⾃ら⼯事現場に置く主任技術者が、その⾏うべき技術上の施⼯管理と併せて、本来であれば B、D、Eの主任技術者が⾏うべき技術上の施⼯管理を⾏うこととしたときは、 B、D、Eは、当該⼯事現場に主任技術者を置くことを要しないこととする。(新第26条の3)

(※)適⽤対象は、下請代⾦の額が⼀定の⾦額未満の建設⼯事(⼟⽊⼀式⼯事及び建築⼀式⼯事を除く。)のうち政令で定める特定専⾨⼯事に限定

元請負⼈: ⾃社施⼯分を超える業務量に対応しやすくなる下請負⼈: 受注の機会を確保しやすくなる

+建設業における重層下請構造の改善に寄与

効 果

注文者 注文者

二次下請C社

主任技術者

二次下請B社

主任技術者

(下請)

(再下請)

27

⼀次下請A社の直⽤の労働者が不⾜しており、その不⾜を補うため同様の建設⼯事の内容をB社に再下請。(B社でも⾜りない場合はさらにD社、E社にも再下請)

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2.(3)主任技術者の配置義務の見直し②(活用にあたっての要件)

28

⼯事を注⽂する者(⼀次下請A)と⼯事を請け負う者(⼆次下請B、D、E社)が以下の事項を記載した書⾯において合意をする必要がある。この際、⼀次下請Aは注⽂者の書⾯による承諾を得る必要がある。

・特定専⾨⼯事の内容・上位下請の置く主任技術者の⽒名・その他国⼟交通省令で定める事項

二次下請D社

主任技術者

一次下請A社

主任技術者

二次下請C社二次下請E社

主任技術者 主任技術者

注文者

二次下請B社

主任技術者

政令で定める特定専⾨⼯事は、⼟⽊⼀式⼯事⼜は建築⼀式⼯事以外の建設⼯事のうち、その施⼯技術が画⼀的であり、かつ、その施⼯の技術上の管理の効率化を図る必要があるものとして、以下の⼯事を想定。

・鉄筋⼯事・型枠⼯事

政令で定める額未満→主任技術者の専任義務が3500万円以上となっていることを踏まえ規定する予定

上位下請(⼀次下請A社)の主任技術者は、下記の要件を満たす必要がある。・当該特定専⾨⼯事と同⼀の種類の建

設⼯事に関し⼀年以上指導監督的な実務の経験を有すること。

・当該特定専⾨⼯事の⼯事現場に専任で置かれること。

主任技術者を置かないこととした下請負⼈(⼆次下請B、D、E社)は、その下請負に係る建設⼯事を他⼈に請け負わせてはならない。⇒違反した場合、監督処分の対象となる

下請B社

主任技術者

下請B社

主任技術者

下請B社

主任技術者

三次下請Y社

主任技術者

※ 主任技術者を置いている(制度を利⽤していない)下請は再下請可能

対象とする⼯事 (第2項)

下請契約の請負代⾦の額 (第2項) ⼿続き (第1.3.4.5項)

配置される主任技術者の要件(第6項)

再下請の禁⽌ (第8項)

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<条文>建設業法第26条の3

第⼆⼗六条の三 特定専⾨⼯事の元請負⼈及び下請負⼈(建設業者である下請負⼈に限る。以下この条において同じ。)は、その合意により、当該元請負⼈が当該特定専⾨⼯事につき第⼆⼗六条第⼀項の規定により置かなければならない主任技術者が、その⾏うべき次条第⼀項に規定する職務と併せて、当該下請負⼈がその下請負に係る建設⼯事につき第⼆⼗六条第⼀項の規定により置かなければならないこととされる主任技術者の⾏うべき次条第⼀項に規定する職務を⾏うこととすることができる。この場合において、当該下請負⼈は、第⼆⼗六条第⼀項の規定にかかわらず、その下請負に係る建設⼯事につき主任技術者を置くことを要しない。

2 前項の「特定専⾨⼯事」とは、⼟⽊⼀式⼯事⼜は建築⼀式⼯事以外の建設⼯事のうち、その施⼯技術が画⼀的であり、かつ、その施⼯の技術上の管理の効率化を図る必要があるものとして政令で定めるものであつて、当該建設⼯事の元請負⼈がこれを施⼯するために締結した下請契約の請負代⾦の額(当該下請契約が⼆以上あるときは、それらの請負代⾦の額の総額。以下この項において同じ。)が政令で定める⾦額未満となるものをいう。ただし、元請負⼈が発注者から直接請け負つた建設⼯事であつて、当該元請負⼈がこれを施⼯するために締結した下請契約の請負代⾦の額が第⼆⼗六条第⼆項に規定する⾦額以上となるものを除く。

3 第⼀項の合意は、書⾯により、当該特定専⾨⼯事(前項に規定する特定専⾨⼯事をいう。第六項において同じ。)の内容、当該元請負⼈が置く主任技術者の⽒名その他の国⼟交通省令で定める事項を明らかにしてするものとする。

4 第⼀項の元請負⼈は、同項の合意をしようとするときは、あらかじめ、注⽂者の書⾯による承諾を得なければならない。

5 注⽂者は、前項の規定による書⾯による承諾に代えて、政令で定めるところにより、同項の元請負⼈の承諾を得て、電⼦情報処理組織を使⽤する⽅法その他の情報通信の技術を利⽤する⽅法であつて国⼟交通省令で定めるものにより、同項の承諾をする旨の通知をすることができる。この場合において、当該注⽂者は、当該書⾯による承諾をしたものとみなす。

6 第⼀項の元請負⼈が置く主任技術者は、次に掲げる要件のいずれにも該当する者でなければならない。⼀ 当該特定専⾨⼯事と同⼀の種類の建設⼯事に関し⼀年以上指導監督的な実務の経験を有すること。⼆ 当該特定専⾨⼯事の⼯事現場に専任で置かれること。

7 第⼀項の元請負⼈が置く主任技術者については、第⼆⼗六条第三項の規定は、適⽤しない。8 第⼀項の下請負⼈は、その下請負に係る建設⼯事を他⼈に請け負わせてはならない。

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2.(4)建設資材製造業者等への勧告等①

落橋防⽌装置等の溶接不良

出典:落橋防止装置等の溶接不良に関する有識者委員会 中間報告書(H27.12.22)

落橋防止装置

【事案概要】

○ 耐震補強工事に使用された落橋防止装置等の部材(約150基のうち、調査を行った80基の約7割にあたる58基)に、溶接不良による亀裂を発見

○ 製作会社が意図的に工程を省いた疑いのある製品を納品したことに、加えて検査会社の職員も不正を働いた可能性があることが判明

<参考>平成30年6月22日 中央建設業審議会・社会資本整備審議会産業分科会建設部会 基本問題小委員会 中間とりまとめ

工場製品に起因して建設生産物に不具合が生じた場合において、工場製品の製造者に対し、原因の究明や取引の停止、再発防止策の策定等、適切な対応を求めるなどの制度を検討すべきである。

具体的には、例えば、建設企業が施工不良等により監督処分を受ける場合に、その原因が工場製品製造者である場合には、原因究明、再発防止等を求めるための勧告等ができる仕組みを構築すべきである。

完全溶け込み溶接部

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2.(4)建設資材製造業者等への勧告等②(建設業法第41条の2)

発注者

建設業者

建設⼯事の発注 引渡し

建設資材製造業者等※

売買 建設資材の引渡し

⽣産物に不具合

許可⾏政庁(国⼟交通⼤⾂・都道府県知事)

指⽰・建設業者が建設⼯事を適正に施⼯しなかったために公衆に危

害を及ぼしたとき、⼜は危害を及ぼすおそれが⼤であるとき。・建設業者⼜は政令で定める使⽤⼈がその業務に関し他の法令

に違反し、建設業者として不適当であると認められるとき。

勧告当該指⽰に係る違反⾏為が建設資材に起因するものであると認められ、かつ、当該建設業者⼜は建設業を営む者に対する指⽰のみによつては当該違反⾏為の再発を防⽌することが困難であると認められるとき

公表勧告を受けた建設資材製造業者等がその勧告に従わないとき

命令勧告を受けた建設資材製造業者等が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらない場合において、同項の建設資材と同⼀⼜は類似の建設資材が使⽤されることにより建設⼯事の適正な施⼯の確保が著しく阻害されるおそれがあると認めるとき

罰⾦

報告・⽴⼊検査・建設資材を引き渡した建設資材製造業者等に対して、その業

務に関し報告をさせ、⼜はその職員に、事務所、⼯場、倉庫その他の場所に⽴ち⼊り、帳簿書類その他の物件を検査させることができる

※建設資材製造業者等(建設資材(建設⼯事に使⽤された資材をいう)の製造、加⼯⼜は輸⼊を業として⾏う者をいう。)

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<条文>建設業法第41条の2

(建設資材製造業者等に対する勧告及び命令等)第四⼗⼀条の⼆ 国⼟交通⼤⾂⼜は都道府県知事は、その許可を受けた建設業者が第⼆⼗⼋条第⼀項第⼀号若しく

は第三号に該当することにより当該建設業者に対して同項の規定による指⽰をする場合⼜は当該都道府県知事の管轄する区域内で建設⼯事を施⼯している第三条第⼀項の許可を受けないで建設業を営む者が第⼆⼗⼋条第⼆項第⼀号に該当することにより当該建設業を営む者に対して同項の規定による指⽰をする場合において、当該指⽰に係る違反⾏為が建設資材(建設⼯事に使⽤された資材をいう。以下この条において同じ。)に起因するものであると認められ、かつ、当該建設業者⼜は建設業を営む者に対する指⽰のみによつては当該違反⾏為の再発を防⽌することが困難であると認められるときは、当該建設業者⼜は建設業を営む者に当該建設資材を引き渡した建設資材製造業者等(建設資材の製造、加⼯⼜は輸⼊を業として⾏う者をいう。以下この条において同じ。)に対しても、当該違反⾏為の再発の防⽌を図るため適当な措置をとるべきことを勧告することができる。

2 国⼟交通⼤⾂⼜は都道府県知事は、前項の規定による勧告を受けた建設資材製造業者等がその勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。

3 国⼟交通⼤⾂⼜は都道府県知事は、第⼀項の規定による勧告を受けた建設資材製造業者等が、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらない場合において、同項の建設資材と同⼀⼜は類似の建設資材が使⽤されることにより建設⼯事の適正な施⼯の確保が著しく阻害されるおそれがあると認めるときは、当該建設資材製造業者等に対して、相当の期限を定めて、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。

4 国⼟交通⼤⾂⼜は都道府県知事は、前三項の規定の施⾏に必要な限度において、その許可を受けた建設業者(都道府県知事にあつては、その許可を受けた建設業者⼜は当該都道府県の区域内で建設業を営む者)に建設資材を引き渡した建設資材製造業者等に対して、その業務に関し報告をさせ、⼜はその職員に、事務所、⼯場、倉庫その他の場所に⽴ち⼊り、帳簿書類その他の物件を検査させることができる。

5 第⼆⼗六条の⼆⼗⼀第⼆項及び第三項の規定は、前項の規定による⽴⼊検査について準⽤する。

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2.(5)知識及び技術又は技能の向上(建設業法第25条の27)

(施⼯技術の確保に関する建設業者等の責務)第⼆⼗五条の⼆⼗七 (略)2 建設⼯事に従事する者は、建設⼯事を適正に実施するために必要な知識及び技術⼜は技能の向上に努めなけ

ればならない。3 国⼟交通⼤⾂は、前⼆項の施⼯技術の確保並びに知識及び技術⼜は技能の向上に資するため、必要に応じ、

講習及び調査の実施、資料の提供その他の措置を講ずるものとする。

<必要な知識及び技術⼜は技能の向上の取り組みとして考えられるものの例>

・技能労働者、技術者に対する講習・研修への参加・Webで公開している建設職⼈の技能を映像で学べる研修プログラム

『建設技能トレーニングプログラム(略称:建トレ)』の活⽤(技能者)・登録基幹技能者資格の取得(技能者)・技術検定の受検(技術者)

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建設技能者の教育・訓練、多能工化の推進

○ 職人の技能を映像で学べる研修プログラム「建設技能トレー二ング

プログラム(建トレ)※」を作成。教育訓練施設等以外でも、スマホ等を用いて各地で手軽に効果的な研修を受けられる環境を整備。

利根沼田テクノアカデミー(群馬)・H28年4月開校(板金、瓦等)・H30年に左官コースを新設・愛知県の企業が加わる等、広域連携

の動き

職人育成塾(香川)

・H28年10月開校(内装系)

三田建設技能研修センター(兵庫)・S57年7月開校

(躯体系、車両資格取得)

三田建設技能研修センター(兵庫)・S57年7月開校

(躯体系、車両資格取得)富士教育訓練センター(静岡)・H9年4月開校

(土木、躯体等全般)

教育訓練施設をはじめとする関係者との連携・協力を強化することにより、研修内容の充実、研修効果の拡大を図る。

教育訓練施設の例

効率的な技能者の教育・訓練等

地域建設産業における多能工化の推進

○ 中小・中堅建設企業の生産

性を高めるためには、建設現場を担う技能者の専門技能の幅を広げることによる多能工化が有効な手段の一つ

○ 多能工化推進のため、中小・

中堅建設企業で構成するグループによる多能工育成・活用計画の策定と実施を支援

多能工の活用イメージ

壁面下地処理・防水・塗装工事を横断的に施工可能に

測量 土工事 鉄筋 型枠コンクリート打設

多能工(鉄筋→型枠→コンクリート打設)

工期短縮

○職種の入替がない

○手待ち・手戻りの時間が縮減できる

○作業が効率化できる

測量 土工事

(イメージ)

多能工による施工

専門工による施工

『建トレ』基礎編 塗装より(協力:株式会社竹延、(株)KMユナイテッド)

※基礎編(22職種)、職長編(6職種)、指導者編の3編で構成建トレWebサイトURL:http://kentore.jp/

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登録基幹技能者制度の概要

豊富な知識○登録基幹技能者は、熟達した作業能⼒、現場を効率的にまとめるマネジメント能⼒及び豊富な知識を備え、国⼟交通⼤⾂の登録を受けた講習(43の専⾨⼯事業団体において講習を実施)を修了した技能者。

○⼯事の品質・コスト等への貢献とともに、技能者の⽬標像としての活躍が期待されている。

制度概要制度概要

5年毎更新(自己研鑽)

見習い

一般技能工

職長登録基幹技能者

実務経験10年以上

職長経験3年以上

○根拠法令建設業法施行規則第18条の3

○要 件・実務経験10年以上・職長経験3年以上・ 上級の技能者資格の保有

○講習種類34職種(43団体)(令和元年6月末)

登録基幹技能者の役割登録基幹技能者の役割メリットメリット

○経営事項審査での加点評価○総合評価落札方式での評価○元請(日建連会員企業)の

「優良技能者認定制度」による手当の支給○主任技術者の要件への認定

有資格者数有資格者数 ※平成20年度より制度開始②技能者の適切な配置、作業方法、手順等の構成③施工に係る指示・指導

④前工程・後工程に配慮した連絡調整①施工方法等の提案・調整

32,612人(H24年度末)39,783人(H25年度末)41,951人(H26年度末)46,696人(H27年度末)51,660人(H28年度末)56,977人(H29年度末)62,267人(H30年度末)67,437人(H31年度末)

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〇「建設キャリアアップシステム」は、技能者の資格、社会保険加⼊状況、現場の就業履歴等を業界横断的に登録・蓄積する仕組み

〇システムの活⽤により技能者が能⼒や経験に応じた処遇を受けられる環境を整備し、将来にわたって建設業の担い⼿を確保

〇システムの構築に向け官⺠(参加団体:⽇建連、全建、建専連、全建総連 等)で検討を進め、平成31年1⽉以降システムを利⽤できる現場を限った「限定運⽤」を開始し、限定運⽤で蓄積した知⾒を踏まえ、平成31年4⽉より「本運⽤」を開始

〇運⽤開始初年度で100万⼈の技能者の登録、5年で全ての技能者(330万⼈)の登録を⽬標

【技能者情報】・本⼈情報・保有資格・社会保険加⼊状況等

ピッ!

現場⼊場の際に読み取り

技能者にカードを交付

建設キャリアアップシステムの構築

①技能者情報等の登録 ②カードの交付・現場での読取 ③技能者の能⼒評価

【事業者情報】・商号・所在地・建設業許可情報 等【現場情報】・現場名・⼯事の内容 等

<建設キャリアアップシステムの概要>

技能者の処遇改善が図られる環境を整備 ※システム運営主体(⼀財)建設業振興基⾦

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建設技能者の能力評価制度(概要)

○建設キャリアアップシステムに蓄積される就業履歴や保有資格を活⽤した技能者の能⼒評価基準を策定。○基準に基づき、技能者の技能について、4段階の客観的なレベル分けを⾏う。レベル4として登録基幹技能者、レベル3として職⻑クラスの技能者を位置づけ。

○技能レベル(評価結果)を活⽤して、技能者⼀⼈ひとりの技能⽔準を対外的にPRし、技能に⾒合った評価や処遇の実現等を図る。

レベル2

レベル3

レベル4

初級技能者(⾒習い)

:中堅技能者(⼀⼈前)

職⻑として現場に従事できる者

⾼度なマネジメント能⼒を有する者

(登録基幹技能者等)

※専⾨⼯事業団体等が職種毎の能⼒評価基準を策定

経験年数 □年

○技能の対外的PR

建設キャリアアップシステム

・資格を登録・カードをリーダーにかざし

就業履歴を蓄積

○経験(就業⽇数)

○知識・技能(保有資格)

○マネジメント能⼒(職⻑や班⻑としての

就業⽇数 など)

能⼒評価基準(※)を策定し、レベルを判定

キャリアアップシステムと連携したレベル判定システム(仮称)を構築・活⽤

レベル1

経験年数 ○年

○○技能講習

1級□□技能⼠

班⻑経験 □年

経験年数 ★年

登録基幹技能者

職⻑経験 ★年

業界横断的な経験・技能の蓄積 技能の客観的なレベル分け

技能レベル(評価結果)を活用した処遇改善等

○キャリアパスの明確化 ○専⾨⼯事企業の施⼯能⼒のPR

若年層の⼊職拡⼤・定着促進

レベルに応じてカードも⾊分け

取引先や顧客にPR(価格交渉⼒の強化)

キャリアアップに必要な経験や技能が明らかに

⾼いレベルの職⼈を育て、雇⽤する企業が選ばれていく

発注者(公共・⺠間)

元請企業

エンドユーザー⼈材育成に取り組み、

⾼い施⼯能⼒を有していることをPR

所属する技能者のレベルや⼈数に応じた評価を⾒える化

※第6回専⾨⼯事企業の施⼯能⼒の⾒える化等に関する検討会(平成31年3⽉6⽇)において了承、建設技能者の能⼒評価制度に関する告⽰及びガイドラインを平成31年4⽉1⽇に施⾏

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3.持続可能な事業環境の確保

(1)許可基準の⾒直し・・・・・p.39(2)事業承継の規定の整備・・・p.43(3)不利益取扱いの禁⽌・・・・p.51(4)災害時の対応・・・・・・・p.52(5)⼯事現場に掲げる標識・・・p.53

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3.(1)許可基準の見直しについて(建設業法第7条関係)

(許可の基準)第七条 国⼟交通⼤⾂⼜は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合している

と認めるときでなければ、許可をしてはならない。⼀ 建設業に係る経営業務の管理を適正に⾏うに⾜りる能⼒を有するものとして国⼟交通省令で定め

る基準に適合する者であること。⼆〜四 (略)

・ 現⾏の許可の基準は①経営能⼒、②財産的基礎、③技術⼒、④誠実性の4つ

・ 今般、建設業者の持続可能性の観点から、①経営能⼒(経営業務管理責任者)に関する基準を⾒直し、経営能⼒をこれまでと同様に担保できる体制が整っているような場合には、基準に適合しているものとし許可を認めることとした。

(許可の基準)第七条 国⼟交通⼤⾂⼜は都道府県知事は、許可を受けようとする者が次に掲げる基準に適合していると

認めるときでなければ、許可をしてはならない。⼀ 法⼈である場合においてはその役員(業務を執⾏する社員、取締役、執⾏役⼜はこれらに準ずる者

をいう。以下同じ。)のうち常勤であるものの⼀⼈が、個⼈である場合においてはその者⼜はその⽀配⼈のうち⼀⼈が次のいずれかに該当する者であること。イ 許可を受けようとする建設業に関し五年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者ロ 国⼟交通⼤⾂がイに掲げる者と同等以上の能⼒を有するものと認定した者

⼆〜四 (略)

(新)

(旧)

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建設業許可制度における経営業務管理責任者要件について

① 許可を受けようとする建設業に関し5年以上経営業務の管理責任者と しての経験(注1)

を有する者

② 許可を受けようとする建設業に関し経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって次のいずれかの経験を有する者

-経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験(注2)

-6年以上経営業務を補佐(注3)した経験

③ 許可を受けようとする建設業以外の建設業に関し6年以上次のいずれかの経験を有する者

-経営業務の管理責任者としての経験を有する者-経営業務の管理責任者に準ずる地位にあって経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締

役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として建設業の経営業務を総合的に管理した経験(注2)

○ 業務を執行する社員(持分会社の業務を執行する社員)

○ 取締役

○ 執行役

○ 上記に準ずる者(組合等の理事等)

(注1)業務を執行する社員、取締役、執行役若しくは法人格のある各種の組合等の理事等、個人の事業主又は支配人その他支店長、営業所長等営業取引上対外的に責任を有する地位にあって、経営業務の執行等建設業の経営業務について総合的に管理した経験をいう。

(注2)取締役会設置会社において、取締役会の決議により特定の事業部門に関して業務執行権限の委譲を受ける者として選任され、かつ、取締役会によって定められた業務執行方針に従って、代表取締役の指揮及び命令のもとに、具体的な業務執行に専念した経験をいう。

(注3)許可を受けようとする建設業に関する建設工事の施工に必要とされる資金の調達、技術者及び技能者の配置、下請業者との契約の締結等の経営業務全般について従事した経験をいう。

[趣旨] 事業者の経営陣に一定の人的要件の配置を求めることを通じ、一品ごとの受注生産、契約金額が多額、請負者が長期間瑕疵担保責任を負うという、他の産業と異なる特性を有する建設業における適正経営の確保を図る目的

○ 建設業法における建設業許可の要件の⼀つとして、『経営業務管理責任者要件』(建設業の経営に関する⼀定の経験を有する者が、⼀名以上常勤役員等であること)がある。

40

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経営業務管理責任者の配置規制の見直しに関する方向性について(案)

①建設業に係る経営業務の管理を担当する常勤の役員として、以下のいずれかの者を置くこと。(1) 建設業の経営に関する経験を5年以上有している者

(従来の「経営業務管理責任者」)<同⼀⼯種>・役員等5年 ・執⾏役員等5年 ・経営業務補佐経験6年

<他⼯種> ・役員等6年※ 上記の要件を緩和することについても今後検討

(2) 建設業の経営に関する経験⼜は管理職の経験を通算5年以上有している者

<経験の拡⼤>(3) 建設業以外の業種の経営に関する

経験を5年以上有している者<対象業種の拡⼤>

○役員を補助する者の配置・・・建設業の経営業務を補佐してきた経

験を有する者等を役員の補助者として相応の地位に配置する

個⼈の経験によって能⼒を担保していたこれまでの考え⽅を⾒直し、組織の中で経営業務の管理を適正に⾏うに⾜りる能⼒を有することを求めることとする。

国⼟交通省令で定める基準に適合する者として①、②の両⽅を満たす者であることを求める予定。

②適切な社会保険に加⼊していること・健康保険、厚⽣年⾦保険、雇⽤保険について、建設業者がその加⼊義務が課されている保険に加⼊しているも

のであること。※従業員が4⼈以下の事業者であり、厚⽣年⾦への加⼊義務がないなど、加⼊が義務となっていない保険につい

て加⼊している必要はない。 41

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「社会保険の加入に関する下請指導ガイドライン」における「適切な保険」について

所属する事業所

就労形態 雇用保険医療保険

(いずれか加入)年金保険事業所の

形態常用労働者

の数

法 人

1人~常用

労働者雇用保険※2

・協会けんぽ・健康保険組合・適用除外承認を受けた国民健康保

険組合(建設国保等)※1

厚生年金

- 役員等 -

・協会けんぽ・健康保険組合・適用除外承認を受けた国民健康保

険組合(建設国保等)※1

厚生年金

個 人事業主

5人~常用

労働者雇用保険※2

・協会けんぽ・健康保険組合・適用除外承認を受けた国民健康保

険組合(建設国保等)※1

厚生年金

1人~4人常用

労働者雇用保険※2

・国民健康保険・国民健康保険組合(建設国保等)

国民年金

-事業主、一人親方

-・国民健康保険・国民健康保険組合(建設国保等)

国民年金

:事業主に従業員を加入させる義務があるもの :個人の責任において加入するもの

※1 年金事務所において健康保険の適用除外の承認を受けることにより、国民健康保険組合に加入する。(この場合は、協会けんぽに加入し直す必要は無い。)適用除外承認による国民健康保険組合への加入手続については日本年金機構のホームページを参照。(http://www.nenkin.go.jp/service/seidozenpan/yakuwari/20150518.files/0703.pdf)

※2 週所定労働時間が20時間以上等の要件に該当する場合は常用であるか否かを問わない。

「下請指導ガイドライン」における

「適切な保険」の範囲

3保険

医療保険及び年金保険

3保険

雇用保険(医療保険と年金保険については個人で加入)

(医療保険と年金保険については個人で加入)※3

※3 但し、一人親方は請負としての働き方をしている場合に限る(詳しくは、一人親方「社会保険加入にあたっての判断事例集」参照)

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3.(2)建設業者の地位の承継について (建設業法第17条の2・3)

建設業者が事業の譲渡、会社の合併、分割を⾏った場合、譲渡、合併後⼜は分割後の会社は新たに建設業許可を取り直すことが必要。

新しい許可が下りるまでの間に建設業を営むことができない空⽩期間が⽣じ、不利益が⽣じていた。

今回の改正建設業法において、事業承継の規定を整備し、事前の認可を受けることで、建設業の許可を承継することが可能に。

【現 状】

【改正後】

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承継のスキームについて

例:建設業者Aの地位を建設業者Bが承継する場合

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建設業者A建築(特)

建設業者B⼟⽊(特)⼤⼯(般)

許可⾏政庁

事業譲渡等の⽇

①事前に事業譲渡等について認可を申請

※ 事業譲渡等(事業譲渡・合併・分割)

②許可⾏政庁において、申請の内容について審査

③認可について通知(不認可の場合はその旨を通知)※元々の許可に付されていた条件の変更や新たな条件の付与が可能

④事業譲渡等の⽇に建設業の許可についても承継

空⽩期間がなく、建設業者Bが建設業者Aの許可を受けていた建設業についても営業可能

建設業者B⼟⽊(特)建築(特)⼤⼯(般)

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(地位承継の前)

特定建設業の許可を受けている者が、その許可に係る建設業のいずれか同⼀種類の建設業に係る⼀般建設業の許可を受けている者の地位を受け継ぐようなケースは、この制度による承継の対象外→承継元が鉄筋業(⼀般)を事前に廃業することで承継可

承継規定の対象外とするケース (建設業法第17条の2各項共通)

承継元・⼟⽊業(特定)

・鉄筋業(⼀般)

・舗装業(⼀般)

・造園業(⼀般)

承継先・建築業(特定)

・鉄筋業(⼀般)

・⼤⼯業(⼀般)

・左官業(⼀般)

承継先・⼟⽊業(特定) ・建築業(特定)

・鉄筋業(⼀般)

・舗装業(⼀般) ・⼤⼯業(⼀般)

・造園業(⼀般) ・左官業(⼀般)

(地位承継の後)

承継元・⼟⽊業(特定)

・鉄筋業(⼀般)

・舗装業(⼀般)

・造園業(⼀般)

承継元・⼟⽊業(特定)

・鉄筋業(特定)

・舗装業(⼀般)

・造園業(⼀般)

承継先・建築業(特定)

・鉄筋業(特定)

・⼤⼯業(⼀般)

・左官業(⼀般)

承継先・建築業(特定)

・鉄筋業(⼀般)

・⼤⼯業(⼀般)

・左官業(⼀般)

異業種間の承継は可。

同⼀業種でも、⼀般・特定

区分が同じなら承継は可。

※⼀部のみの承継は不可。

⼀般建設業の許可を受けている者が、その許可に係る建設業のいずれか同⼀種類の建設業に係る特定建設業の許可を受けている者の地位を受け継ぐようなケースは、この制度による承継の対象外→承継先が鉄筋業(⼀般)を事前に廃業することで承継可

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許可期間について

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建設業者A建築(特)→残り3年

建設業者B

⼟⽊(特)→残り2年⼤⼯(般)→残り2年とび・⼟(般)→残り1年

→残り5年

事業譲渡等の⽇に承継する許可、元々持っている許可の両⽅の建設業の許可の有効期間が更新

建設業者B

⼟⽊(特)

建築(特)

⼤⼯(般)

とび・⼟(般)

事業譲渡等の⽇

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<条文>建設業法第17条の2①

(譲渡及び譲受け並びに合併及び分割)第⼗七条の⼆ 建設業者が許可に係る建設業の全部(以下単に「建設業の全部」という。)の譲渡を⾏う場合(当該建設業者(以下この条において「譲渡⼈」という。)が⼀般建設業の許可を受けている場合にあつては譲受⼈(建設業の全部を譲り受ける者をいう。以下この条において同じ。)が当該⼀般建設業の許可に係る建設業と同⼀の種類の建設業に係る特定建設業の許可を、譲渡⼈が特定建設業の許可を受けている場合にあつては譲受⼈が当該特定建設業の許可に係る建設業と同⼀の種類の建設業に係る⼀般建設業の許可を受けている場合を除く。)において、譲渡⼈及び譲受⼈が、あらかじめ当該譲渡及び譲受けについて、国⼟交通省令で定めるところにより次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める者の認可を受けたときは、譲受⼈は、当該譲渡及び譲受けの⽇に、譲渡⼈のこの法律の規定による建設業者としての地位を承継する。⼀ 譲渡⼈が国⼟交通⼤⾂の許可を受けているとき 国⼟交通⼤⾂⼆ 譲渡⼈が都道府県知事の許可を受けているとき 当該都道府県知事。ただし、次のいずれかに該当するときは、国⼟交通⼤⾂とする。

イ 譲受⼈が国⼟交通⼤⾂の許可を受けているとき。ロ 譲受⼈が当該都道府県知事以外の都道府県知事の許可を受けているとき。

2 建設業者である法⼈が合併により消滅することとなる場合(当該建設業者である法⼈(以下この条において「合併消滅法⼈」という。)(合併消滅法⼈が⼆以上あるときは、そのいずれか)が⼀般建設業の許可を受けている場合にあつては当該⼀般建設業の許可を受けている合併消滅法⼈以外の合併消滅法⼈⼜は合併存続法⼈(合併後存続する法⼈をいう。以下この条において同じ。)が当該⼀般建設業の許可に係る建設業と同⼀の種類の建設業に係る特定建設業の許可を、合併消滅法⼈(合併消滅法⼈が⼆以上あるときは、そのいずれか)が特定建設業の許可を受けている場合にあつては合併存続法⼈が当該特定建設業の許可に係る建設業と同⼀の種類の建設業に係る⼀般建設業の許可を受けている場合を除く。)において、合併消滅法⼈等(合併消滅法⼈、合併により消滅することとなる法⼈であつて合併消滅法⼈でないもの及び合併存続法⼈をいう。)が、あらかじめ当該合併について、国⼟交通省令で定めるところにより次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める者の認可を受けたときは、合併存続法⼈⼜は合併により設⽴される法⼈は、当該合併の⽇に、合併消滅法⼈のこの法律の規定による建設業者としての地位を承継する。⼀ 合併消滅法⼈(合併消滅法⼈が⼆以上あるときは、そのいずれか)が国⼟交通⼤⾂の許可を受けているとき 国⼟交通⼤⾂⼆ 合併消滅法⼈が⼆以上ある場合において、当該合併消滅法⼈の全てが都道府県知事の許可を受けており、かつ、当該許可をした都道府県知事が同⼀でな

いとき 国⼟交通⼤⾂三 合併消滅法⼈が⼆以上ある場合において当該合併消滅法⼈の全てが同⼀の都道府県知事の許可を受けているとき、⼜は合併消滅法⼈が⼀である場合にお

いて当該合併消滅法⼈が都道府県知事の許可を受けているとき 当該都道府県知事。ただし、次のいずれかに該当するときは、国⼟交通⼤⾂とする。イ 合併存続法⼈が国⼟交通⼤⾂の許可を受けているとき。ロ 合併存続法⼈が当該都道府県知事以外の都道府県知事の許可を受けているとき。

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<条文>建設業法第17条の2 ②

3 建設業者である法⼈が分割により建設業の全部を承継させる場合(当該建設業者である法⼈(以下この条において「分割被承継法⼈」という。)(分割被承継法⼈が⼆以上あるときは、そのいずれか)が⼀般建設業の許可を受けている場合にあつては当該⼀般建設業の許可を受けている分割被承継法⼈以外の分割被承継法⼈⼜は分割承継法⼈(分割により建設業の全部を承継する法⼈をいう。以下この条において同じ。)が当該⼀般建設業の許可に係る建設業と同⼀の種類の建設業に係る特定建設業の許可を、分割被承継法⼈(分割被承継法⼈が⼆以上あるときは、そのいずれか)が特定建設業の許可を受けている場合にあつては分割承継法⼈が当該特定建設業の許可に係る建設業と同⼀の種類の建設業に係る⼀般建設業の許可を受けている場合を除く。)において、分割被承継法⼈等(分割被承継法⼈、分割によりその事業に関して有する権利義務の全部⼜は⼀部を承継させる法⼈であつて分割被承継法⼈でないもの及び分割承継法⼈をいう。)が、あらかじめ当該分割について、国⼟交通省令で定めるところにより次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める者の認可を受けたときは、分割承継法⼈は、当該分割の⽇に、分割被承継法⼈のこの法律の規定による建設業者としての地位を承継する。⼀ 分割被承継法⼈(分割被承継法⼈が⼆以上あるときは、そのいずれか)が国⼟交通⼤⾂の許可を受けているとき 国⼟交通⼤⾂⼆ 分割被承継法⼈が⼆以上ある場合において、当該分割被承継法⼈の全てが都道府県知事の許可を受けており、かつ、当該許可をした都道府県知事が同⼀でない

とき 国⼟交通⼤⾂三 分割被承継法⼈が⼆以上ある場合において当該分割被承継法⼈の全てが同⼀の都道府県知事の許可を受けているとき、⼜は分割被承継法⼈が⼀である場合にお

いて当該分割被承継法⼈が都道府県知事の許可を受けているとき 当該都道府県知事。ただし、次のいずれかに該当するときは、国⼟交通⼤⾂とする。イ 分割承継法⼈が国⼟交通⼤⾂の許可を受けているとき。ロ 分割承継法⼈が当該都道府県知事以外の都道府県知事の許可を受けているとき。

4 第七条及び第⼋条の規定は⼀般建設業の許可を受けている譲渡⼈、合併消滅法⼈⼜は分割被承継法⼈(以下この条において「譲渡⼈等」という。)に係る前三項の認可について、第⼋条及び第⼗五条の規定は特定建設業の許可を受けている譲渡⼈等に係る前三項の認可について、それぞれ準⽤する。この場合において、第七条及び第⼋条中「許可を受けようとする者」とあり、並びに第⼗五条中「特定建設業の許可を受けようとする者」とあるのは、「第⼗七条の⼆第⼀項に規定する譲受⼈、同条第⼆項に規定する合併存続法⼈若しくは合併により設⽴される法⼈⼜は同条第三項に規定する分割承継法⼈」と読み替えるものとする。

5 国⼟交通⼤⾂⼜は都道府県知事は、第⼀項から第三項までの認可をするに際しては、当該認可をしようとする承継に係る建設業の許可⼜は譲受⼈、合併存続法⼈若しくは分割承継法⼈が受けている建設業の許可について第三条の⼆第⼀項の規定により付された条件(この項(次条第三項において準⽤する場合を含む。)の規定により変更され、⼜は新たに付された条件を含む。第⼆⼗九条第⼆項において同じ。)を取り消し、変更し、⼜は新たに条件を付することができる。この場合においては、第三条の⼆第⼆項の規定を準⽤する。

6 第⼀項から第三項までの規定により譲渡⼈等の建設業者としての地位を承継した譲受⼈等(建設業の全部を譲り受けた者、合併存続法⼈若しくは合併により設⽴された法⼈⼜は分割により建設業の全部を承継した法⼈をいう。以下この条において同じ。)が次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、当該承継の⽇に、譲受⼈等は、当該各号に定める建設業について国⼟交通⼤⾂の許可を受けたものとみなし、譲受⼈等に係る都道府県知事の許可は、その効⼒を失う。⼀ 国⼟交通⼤⾂の許可を受けている譲受⼈等が都道府県知事の許可を受けている譲渡⼈等の地位を承継したとき 当該都道府県知事の許可に係る建設業(当該国

⼟交通⼤⾂の許可に係る建設業と同⼀の種類のものを除く。)⼆ 都道府県知事の許可を受けている譲受⼈等が国⼟交通⼤⾂の許可を受けている譲渡⼈等の地位を承継したとき 当該都道府県知事の許可に係る建設業(当該国

⼟交通⼤⾂の許可に係る建設業と同⼀の種類のものを除く。)三 都道府県知事の許可を受けている譲受⼈等が他の都道府県知事の許可を受けている譲渡⼈等の地位を承継したとき 当該都道府県知事の許可に係る建設業及び

当該他の都道府県知事の許可に係る建設業四 建設業の許可を受けていない譲受⼈等が、同時に、国⼟交通⼤⾂の許可を受けている譲渡⼈等の地位及び都道府県知事の許可を受けている譲渡⼈等の地位を承

継したとき 当該都道府県知事の許可に係る建設業(当該国⼟交通⼤⾂の許可に係る建設業と同⼀の種類のものを除く。)五 建設業の許可を受けていない譲受⼈等が、同時に、都道府県知事の許可を受けている⼆以上の譲渡⼈等の地位を承継したとき(当該許可をした都道府県知事が

同⼀であるときを除く。) 当該都道府県知事の許可に係る建設業7 第⼀項から第三項までの規定により譲受⼈等が譲渡⼈等の建設業者としての地位を承継した場合における承継許可等(当該承継に係る建設業の許可及び当該譲受⼈等が受けている建設業の許可(当該承継前に⾃ら受けたものに限る。)をいう。以下この項において同じ。)に係る許可の有効期間については、当該承継の⽇における承継許可等に係る許可の有効期間の残存期間にかかわらず、当該承継の⽇の翌⽇から起算するものとする

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相続について

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<被相続⼈>建設業者A

(個⼈事業主X)死亡

30⽇以内

許可⾏政庁

①建設業者の死亡後30⽇以内に相続の認可を申請

※相続しない場合は廃業届等を提出

②許可⾏政庁において、申請の内容について審査

③認可について通知(不認可の場合はその旨を通知)※元々の許可に付されていた条件の変更や新たな条件の付与が可能

<相続⼈>建設業者A

(個⼈事業主Y)

※認可の申請をした場合、認可の申請に対する処分があるまでは、相続⼈は建設業の許可を受けたものとして扱う

※譲渡・合併・分割の許可の条件付与の規定、有効期間の規定は相続について準⽤される

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<条文>建設業法第17条の3

(相続)第⼗七条の三 建設業者が死亡した場合において、当該建設業者(以下この条において「被相続⼈」という。)

の相続⼈(相続⼈が⼆⼈以上ある場合において、その全員の同意により被相続⼈の営んでいた建設業の全部を承継すべき相続⼈を選定したときは、その者。以下この条において単に「相続⼈」という。)が被相続⼈の営んでいた建設業の全部を引き続き営もうとするとき(被相続⼈が⼀般建設業の許可を受けていた場合にあつては相続⼈が当該⼀般建設業の許可に係る建設業と同⼀の種類の建設業に係る特定建設業の許可を、被相続⼈が特定建設業の許可を受けていた場合にあつては相続⼈が当該特定建設業の許可に係る建設業と同⼀の種類の建設業に係る⼀般建設業の許可を受けている場合を除く。)は、その相続⼈は、国⼟交通省令で定めるところにより、被相続⼈の死亡後三⼗⽇以内に次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める者に申請して、その認可を受けなければならない。⼀ 被相続⼈が国⼟交通⼤⾂の許可を受けていたとき 国⼟交通⼤⾂⼆ 被相続⼈が都道府県知事の許可を受けていたとき 当該都道府県知事。ただし、次のいずれかに該当する

ときは、国⼟交通⼤⾂とする。イ 相続⼈が国⼟交通⼤⾂の許可を受けているとき。ロ 相続⼈が当該都道府県知事以外の都道府県知事の許可を受けているとき。

2 相続⼈が前項の認可の申請をしたときは、被相続⼈の死亡の⽇からその認可を受ける⽇⼜はその認可をしない旨の通知を受ける⽇までは、被相続⼈に対してした建設業の許可は、その相続⼈に対してしたものとみなす。

3 第七条及び第⼋条の規定⼜は同条及び第⼗五条の規定は⼀般建設業の許可を受けていた被相続⼈⼜は特定建設業の許可を受けていた被相続⼈に係る第⼀項の認可について、前条第五項の規定は第⼀項の認可をしようとする承継に係る建設業の許可⼜は相続⼈が受けている建設業の許可について、それぞれ準⽤する。

4 第⼀項の認可を受けた相続⼈は、被相続⼈のこの法律の規定による建設業者としての地位を承継する。5 前条第六項及び第七項の規定は、前項の規定により被相続⼈の建設業者としての地位を承継した相続⼈につ

いて準⽤する。

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3.(3)不利益な取扱いの禁止について(建設業法第24条の5)

(不利益取扱いの禁⽌)第⼆⼗四条の五 元請負⼈は、当該元請負⼈について第⼗九条の三、第⼗九条の四、第⼆⼗四条の三第⼀項、前

条⼜は次条第三項若しくは第四項の規定に違反する⾏為があるとして下請負⼈が国⼟交通⼤⾂等(当該元請負⼈が許可を受けた国⼟交通⼤⾂⼜は都道府県知事をいう。)、公正取引委員会⼜は中⼩企業庁⻑官にその事実を通報したことを理由として、当該下請負⼈に対して、取引の停⽌その他の不利益な取扱いをしてはならない。

・不当に低い請負代⾦の禁⽌(第19条の3)・不当な使⽤資材等の購⼊強制の禁⽌(第19条の4)・下請代⾦の期間内の⽀払い義務(第24条の3第1項)・期間内の検査及び引渡しを受ける義務(第24条の4)・特定建設業者の下請代⾦の⽀払い義務(第24条の6第

3項、第4項)

元請負⼈が下記のいずれかに違反する⾏為

元請負⼈ 下請負⼈

①元請負⼈の違反⾏為を許可⾏政庁(国⼟交通⼤⾂・都道府県知事)、公正取引委員会、中⼩企業庁⻑官に通報

⾏政庁

②元請負⼈が下請負⼈に対して、下請負⼈が許可⾏政庁等に通報を⾏ったことを理由に、当該下請負⼈に対して取引の停⽌などの不利益な取扱いをしてはならない。

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○建設業法第⼆⼗七条の四⼗ 建設業者団体は、災害が発⽣した場合において、当該災害を受けた地域における公共施設その他の施設の復旧⼯事の

円滑かつ迅速な実施が図られるよう、当該復旧⼯事を施⼯する建設業者と地⽅公共団体その他の関係機関との連絡調整、当該復旧⼯事に使⽤する資材及び建設機械の調達に関する調整その他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

・地⽅公共団体等との災害協定の締結・災害時における資材及び建設機械の調達

に関する調整の⽅法について定める等

公共発注者

建設業者

○公共⼯事の品質確保の促進に関する法律(発注者等の責務)

第七条 (略)⼀〜⼆ (略)三 災害時においては、⼿続の透明性及び公正性の確保に留意しつつ、災害応急対策⼜は緊急性が⾼い災害復旧に関する⼯事等にあって

は随意契約を、その他の災害復旧に関する⼯事等にあっては指名競争⼊札を活⽤する等緊急性に応じた適切な⼊札及び契約の⽅法を選択するよう努めること。

四〜九 (略)2・3 (略)4 発注者は、災害応急対策⼜は災害復旧に関する⼯事等が迅速かつ円滑に実施されるよう、あらかじめ、建設業法(昭和⼆⼗四年法律第

百号)第⼆⼗七条の三⼗七に規定する建設業者団体その他の者との災害応急対策⼜は災害復旧に関する⼯事等の実施に関する協定の締結その他必要な措置を講ずるよう努めるとともに、他の発注者と連携を図るよう努めなければならない。

5 (略)

・緊急性に応じた適切な⼊札及び契約の実施

▶災害応急対策⼜は緊急性が⾼い災害復旧に関する⼯事等→随意契約

▶その他の災害復旧に関する⼯事等→指名競争⼊札

・当該復旧⼯事を施⼯する建設業者と地⽅公共団体その他の関係機関との連絡調整

建設業者団体

<平時の対応>

<災害発⽣時の対応>

3.(4)災害時の対応について(建設業法第27条の40、品確法第7条)

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3.(5)標識の掲示義務の緩和について(建設業法第40条)

(標識の掲⽰)第四⼗条 建設業者は、その店舗及び建設⼯事(発注者から直接請け負つたものに限る。)の現場ごとに、公衆の⾒や

すい場所に、国⼟交通省令の定めるところにより、許可を受けた別表第⼀の下欄の区分による建設業の名称、⼀般建設業⼜は特定建設業の別その他国⼟交通省令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。

【現 状】 【改正後】

発注者

建設業者A

建設業者D

建設業者C建設業者B

建設業者E⼆次下請

⼀次下請

元請 建設業許可証

建設業許可証

建設業許可証

建設業許可証

建設業許可証

発注者

建設業者A

建設業者D

建設業者C建設業者B

建設業者E⼆次下請

⼀次下請

元請 建設業許可証

建設業許可証

建設業許可証

建設業許可証

建設業許可証

施⼯体系図

施⼯体系図

元請の掲げる許可証と施工体系図の記載事項の改正を検討中

○ 現場に掲げる建設業許可証の掲⽰義務を元請のみとする。○ ⼀⽅、下請にどのような会社が⼊っているかを引き続き明らかにする必要があることから、許可証

と施⼯体系図の記載事項の改正を検討。

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4.その他(改正建設業法等関係)

(1)施⾏時期について・・・p.55(2)附帯決議について・・・p.56

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4.(1)施行時期について

令和元年6⽉ 令和2年 令和3年 4⽉

6⽉12⽇公布

公布の⽇から起算して⼀年六⽉を超えない範囲内において政令で定める⽇から施⾏する

・許可基準の⾒直し・著しく短い⼯期の禁⽌

など技術検定制度の⾒直し以外の部分

公布の⽇から起算して⼆年を超えない範囲内において政令で定める⽇から施⾏する

・技術検定制度の⾒直し

⼀年六⽉

⼆年

※公共⼯事の品質確保の促進に関する法律は令和元年6⽉14⽇に施⾏済

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4.(2)附帯決議について

<衆議院>建設業法及び公共⼯事の⼊札及び契約の適正化の促進に関する法律の⼀部を改正する法律案に対する附帯決議

政府は、本法の施⾏に当たっては、次の諸点に留意し、その運⽤について遺漏なきを期すべきである。⼀ 令和六年度から適⽤される建設業における時間外労働の上限規制を視野に、⻑時間労働の是正や週休⼆⽇の確保が図られるような⼯期に関する基準

を策定するとともに、この基準を踏まえ、国及び地⽅公共団体において、適正な⼯期の実現が図られるよう努めること。⼆ 地⽅公共団体に対して、債務負担⾏為や繰越明許費の活⽤により、施⼯時期の平準化に取り組むべきことを要請するとともに、地⽅公共団体におけ

るこれらの円滑な実施のために必要な取組を進めること。三 元請負⼈と下請負⼈の間における請負代⾦の⽀払の適正化など建設⼯事の請負契約の適正化を図るとともに、重層下請構造の改善に向けた取組を進

めること。四 公共⼯事設計労務単価の引上げを⼀次下請以下の全ての建設労働者の賃⾦上昇につなげていくとともに、下請代⾦のうち労務費相当分が着実に現⾦

で⽀払われるようにすることで、建設労働者への賃⾦の着実な⽀払を確保すること。五 建設業の許可業者における社会保険加⼊を達成するとともに、下請負⼈への法定福利費の着実な⽀払及び⼀⼈親⽅をはじめとした⼩規模な個⼈事業

主やその労働者における適切な保険への加⼊を促進すること。また、建設技能者が加⼊する国⺠健康保険組合に対する⼗分な財政⽀援に努めること。六 技術者について、技術検定制度の再編を始めとして若年者の積極的な登⽤を促進することにより、担い⼿を確保するとともに、適正な施⼯の確保を

図ること。

<参議院>建設業法及び公共⼯事の⼊札及び契約の適正化の促進に関する法律の⼀部を改正する法律案に対する附帯決議

政府は、本法の施⾏に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運⽤に万全を期すべきである。⼀ 令和六年度から適⽤される建設業における時間外労働の上限規制を視野に、⻑時間労働の是正や週休⼆⽇の確保が図られるような⼯期に関する基準

を策定するとともに、この基準を踏まえ、国及び地⽅公共団体において、適正な⼯期の実現が図られるよう努めること。⼆ ⼯期の適正化等のための措置が講じられるに当たっては、公共⼯事のみならず、⺠間発注の⼯事についても、その実現のため⼗分な取組が進められ

るよう努めること。また、週休⼆⽇を実現するための⼤⼿建設業者による⼈材確保等に伴い、地域の中⼩建設業者・専⾨⼯事業者において⼈材不⾜や追加費⽤の過度な負担等が⽣じることのないよう留意するとともに、必要な対策を講ずること。

三 債務負担⾏為や繰越明許費の活⽤により施⼯時期の平準化に取り組むべきことを、地⽅公共団体に対して要請するとともに、これらの円滑な実施のために必要な取組を進めること。

四 元請負⼈と下請負⼈の間における請負代⾦の⽀払の適正化など建設⼯事の請負契約の適正化を図るとともに、重層下請構造の改善に向けた取組を進めること。

五 公共⼯事設計労務単価の引上げを⼀次下請以下の全ての建設労働者の賃⾦上昇につなげていくとともに、下請代⾦のうち労務費相当分が着実に現⾦で⽀払われるようにすることで、建設労働者への賃⾦の着実な⽀払を確保すること。

六 建設業の許可業者における社会保険加⼊を達成するとともに、下請負⼈への法定福利費の着実な⽀払及び⼀⼈親⽅を始めとした⼩規模な個⼈事業主やその労働者における適切な保険への加⼊を促進すること。また、建設技能者が加⼊する国⺠健康保険組合に対する⼗分な財政⽀援に努めること。

七 建設業は、労働災害による死亡者数が全産業中最も多いことを踏まえ、墜落・転落、交通事故、熱中症等に係る安全対策とともに、メンタルヘルスにも留意した健康管理が適切に⾏われるよう、事業者等に対する指導を徹底し、好事例の収集、周知等を通じ、その取組を⽀援すること。

⼋ 技術検定制度の再編を契機として若年者の積極的な登⽤の促進などを図り、担い⼿の確保や適正な施⼯の確保に努めること。

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5.その他(改正法建設業法等以外)

(1)建設業の許可申請等に係る都道府県経由事務の廃⽌・・・・・・・・・・・・・p.58

(2)建退共制度の⾒直しの状況について・・p.59

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5.(1)建設業の許可申請等に係る都道府県経由事務の廃止

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現状 廃止後

○ 国土交通大臣許可に係る許可申請書等については、都道府県を経由し地方整備局等へ提出されている(経由事務)ところ、第9次分権一括法により、これを廃止することとされた。

○ ただし、申請手続が電子化されるまでの間において、都道府県が希望する場合には、都道府県を経由して国土交通大臣に提出することも可能。

平成30年の地方からの提案等に関する対応方針(平成30年12月25日閣議決定)

二以上の都道府県の区域にわたる建設業の国土交通大臣に対する許可申請等に係る都道府県経由事務(44 条の4)については、廃止する。

その際、申請手続が電子化されるまでの間において、都道府県が希望する場合には、都道府県を経由して国土交通大臣に提出することも可能とする。

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建退共制度の見直しの状況について

・電⼦申請⽅式の導⼊にあたり、中⼩企業退職⾦共済法 (昭和34年法律第160号) の改正が必要であるところ、先の通常国会へデジタル・ファースト法案が提出され、成⽴(令和元年5⽉31⽇公布)。

・電⼦申請⽅式について、令和2年秋頃に試⾏的に実施し、令和3年度よりに全⾯的・本格的実施。

就労実績報告書作成ツールの提供平成31年(2019年)令和元年 ○ 電⼦申請システムの開発に先⾏して

就労実績報告書作成ツールを提供

全⾯的・本格的実施令和3年(2021年)3⽉31⽇まで

○ 希望する全ての共済契約者に電⼦申請⽅式の利⽤を可能とする

実証実験平成30年(2018年)

1⽉〜6⽉ ○ 実⽤可能性を検証するため、実証実験⽤のシステムを⽤いて19現場等で実施(元請19社、下請72社参加)

建退共の資料をもとに国土交通省にて作成

キャリアアップシステムで積み上げた就労実績とあわせて、就労実績報告書を建退共に電⼦メールにて送付可能とする

試⾏的実施令和2年(2020年)夏・秋頃〜半年間程度 ○ 全⾯的・本格的実施と同じシステムで

⼤量の情報処理

○ 随時システムを停⽌して必要な調整○キャリアアップカードと連携

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