「常陽」その30年の軌跡と 将来展望...「常陽」その30年の軌跡と 将来展望...

14
「常陽」その30年の軌跡と 将来展望 平成19年 6月 6日 日本原子力研究開発機構 大洗研究開発センター 高速実験炉部 部長 鈴木 惣十 主送風機 主冷却機建物外観 中央制御室 原子炉容器上部 「常陽」 「常陽」は、「常陸の国」の 古い呼び名に由来します。 「常陽」の設備概要

Upload: others

Post on 13-Aug-2020

2 views

Category:

Documents


0 download

TRANSCRIPT

Page 1: 「常陽」その30年の軌跡と 将来展望...「常陽」その30年の軌跡と 将来展望 平成19年6月6日 日本原子力研究開発機構 大洗研究開発センター

「常陽」その30年の軌跡と将来展望

平成19年 6月 6日

日本原子力研究開発機構大洗研究開発センター

高速実験炉部部長 鈴木 惣十

主送風機

主冷却機建物外観 中央制御室

原子炉容器上部

「常陽」

「常陽」は、「常陸の国」の古い呼び名に由来します。

「常陽」の設備概要

Page 2: 「常陽」その30年の軌跡と 将来展望...「常陽」その30年の軌跡と 将来展望 平成19年6月6日 日本原子力研究開発機構 大洗研究開発センター

1964 1970 1977 1982 1997 2003

設計 Mark-Ⅰ

Mark-Ⅱ

Mark-Ⅲ

着工改造工事

「常陽」初臨界

初臨界初臨界

皇太子殿下

(今上天皇)

ご視察

両陛下ご視察

昭和天皇・皇后

JOYO

「常陽」のマイルストーン

1970年 建設用地の掘削完了

Page 3: 「常陽」その30年の軌跡と 将来展望...「常陽」その30年の軌跡と 将来展望 平成19年6月6日 日本原子力研究開発機構 大洗研究開発センター

1971年 1次系ダンプタンク陸揚げ

1971年9月 原子炉格納容器建設

大洗町役場竣工

Page 4: 「常陽」その30年の軌跡と 将来展望...「常陽」その30年の軌跡と 将来展望 平成19年6月6日 日本原子力研究開発機構 大洗研究開発センター

61972年7月 皇太子殿下(今上天皇)ご視察

1973年3月 建屋の建設

Page 5: 「常陽」その30年の軌跡と 将来展望...「常陽」その30年の軌跡と 将来展望 平成19年6月6日 日本原子力研究開発機構 大洗研究開発センター

1973年8月 原子炉容器の搬入

大洗高校創立

1974年10月昭和天皇・皇后両陛下がご視察

Page 6: 「常陽」その30年の軌跡と 将来展望...「常陽」その30年の軌跡と 将来展望 平成19年6月6日 日本原子力研究開発機構 大洗研究開発センター

1975年5月 Mark-I 炉心構成 10

(映像)11

1977年4月24日 「常陽」 初臨界

Page 7: 「常陽」その30年の軌跡と 将来展望...「常陽」その30年の軌跡と 将来展望 平成19年6月6日 日本原子力研究開発機構 大洗研究開発センター

Mark-II初臨界12

1982年11月22日 Mark-II 初臨界

1984年11月 中曽根首相ご視察

13

Page 8: 「常陽」その30年の軌跡と 将来展望...「常陽」その30年の軌跡と 将来展望 平成19年6月6日 日本原子力研究開発機構 大洗研究開発センター

1985年3月 大洗港カーフェリー就航

1985年3月 大洗鹿島線開通

14

主冷却器の交換 主中間熱交換器の交換

2000年~2003年 「常陽」Mark-III改造15

Page 9: 「常陽」その30年の軌跡と 将来展望...「常陽」その30年の軌跡と 将来展望 平成19年6月6日 日本原子力研究開発機構 大洗研究開発センター

2003年10月 Mark-III炉心で140MW達成

16

2004年3月 日本原子力学会賞受賞17

Page 10: 「常陽」その30年の軌跡と 将来展望...「常陽」その30年の軌跡と 将来展望 平成19年6月6日 日本原子力研究開発機構 大洗研究開発センター

「常陽」初臨界から30年後の1日

燃料交換原子炉保護系点検

毎朝ミーティング 4月の運転会議

記念式典

照射燃料集合体の使用前検査

18

Mark-I炉心 Mark-II炉心 Mark-III炉心

炉心の高性能化のあゆみ

約80cm

炉心高さ:50cm

19

制御棒

炉心燃料集合体

照射用集合体

遮へい集合体

反射体

ブランケット燃料集合体

内側炉心燃料集合体

外側炉心燃料集合体

Page 11: 「常陽」その30年の軌跡と 将来展望...「常陽」その30年の軌跡と 将来展望 平成19年6月6日 日本原子力研究開発機構 大洗研究開発センター

溶融の痕跡被覆管

燃料ペレット

• FBR核燃料サイクルの輪を完成(1984年9月)

• 増殖性能の確認 増殖比 : 1.03±0.03

プルトニウム増殖と新燃料の開発

酸化物燃料

• 酸化物燃料の性能確認 • 新型燃料の開発

燃焼度:39.4GWd/t

線出力:750W/cm

燃焼度:35.4GWd/t

線出力:280W/cm

20

窒化物燃料

アメリシウム含有ペレット

環境負荷の低減21

1年 百年 1万年 百万年 1億年 百億年105

106

107

108

109

1010

1011

1012

放射

性毒

性(1

00万

kWe・

年基

準)

(Bq/年摂取限度)

軽水炉ワンススルー

軽水炉再処理

高速炉サイクル

天然ウランの放射性毒性レベル

天然ウラン並みの毒性レベルになる期間を短縮(数万年⇒ 数百年)

Page 12: 「常陽」その30年の軌跡と 将来展望...「常陽」その30年の軌跡と 将来展望 平成19年6月6日 日本原子力研究開発機構 大洗研究開発センター

高性能燃料の開発

0 1 2 3 4時間(h)

制御

+4℃

-4℃

ガス置換

690

キャ

プセ

ル温

度(℃

680

670

660

650

温 度 制 御 曲 線

22

温度制御型材料照射装置

回転プラグ

ナトリウム液面

炉心

ガス排気管

照射試料ガス

給気管

ガスギャップ

温度制御用熱電対

更なる安全性の向上

単体照射試験要素照射試験

試料Na

炉心

模擬制御棒

電磁石

温度感知合金Na

Na

23

温度によって磁性が変化する温度感知合金を使用した制御棒

Page 13: 「常陽」その30年の軌跡と 将来展望...「常陽」その30年の軌跡と 将来展望 平成19年6月6日 日本原子力研究開発機構 大洗研究開発センター

核融合炉開発・宇宙の謎の解明

KASKAプロトタイプ検出器

原子炉ニュートリノ研究

核融合炉材料等の材料照射

大学の利用実績 約40,000試料

24

年 度

運転工程

1. FBRサイクルの経済性向上

3. 安全性向上等に関する試験

4.外部利用(施設共用、照射機能拡大)

(3) 新技術実証試験(破損燃料検出技術の開発、 ISI&R等)

(2) 新型燃料(簡素化ペレット法燃料・金属燃料)

(3) 長寿命制御棒(Naボンド型制御棒等)

2. 環境負荷低減(マイナーアクチニド添加燃料、長寿命FP)

(1) 自己作動型炉停止機構

(2) 燃料過渡試験

201520102005

(1) 高燃焼度化(ODS被覆管等)

(燃料被覆管破損限界確認試験)

ODS被覆管燃料照射

ODS被覆管

これからの「常陽」の役割

Mark-Ⅲ

材料照射

25

Page 14: 「常陽」その30年の軌跡と 将来展望...「常陽」その30年の軌跡と 将来展望 平成19年6月6日 日本原子力研究開発機構 大洗研究開発センター

FBRの未来を象徴するセネカの言葉

「「かくも明白な事実を我々がかくも明白な事実を我々が今やっと体験した今やっと体験した」」 というこということに、子孫達が驚く時が来るとに、子孫達が驚く時が来るであろう。であろう。

26

27

27