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弥富市火葬場整備計画策定業務 報告書 平成30年2月 弥富市

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  • 弥富市火葬場整備計画策定業務

    報告書

    平成30年2月

    弥富市

  • 目 次

    序 章 業務の概要 ················································· 1

    1.業務の目的 ·················································2

    2.業務の概要 ·················································2

    第1章 弥富市の概要及び気候 ·········································· 4

    1.弥富市の概要 ···············································5

    2.弥富市の人口推移 ···········································7

    3.弥富市の気候 ···············································9

    第2章 弥富市火葬場の概要と火葬の状況 ···························· 10

    1.弥富市火葬場の概要 ········································11

    2.火葬数の推移 ············································· 19

    3.弥富市火葬場での葬送行為の状況 ··························· 23

    4.現況施設の問題点 ········································· 30

    第3章 必要な基数及び機能の検討 ·································· 33

    1.火葬炉数算定と平面計画の考え方 ··························· 34

    2.死亡者数の推計 ··········································· 37

    3.必要基数について ········································· 40

    4.動物炉の設置について ····································· 44

    5.必要機能について ········································· 45

    第4章 基本条件の設定 ············································ 48

    1.基本理念の設定及びコンセプトの策定 ······················· 49

    2.公害防止等に係る数値の設定及び防止対策 ··················· 50

    3.火葬炉設備の形式及び構成 ································· 55

    4.土地利用計画 ············································· 58

    5.諸室計画 ················································· 59

    6.準拠する法令 ············································ 62

    第5章 基本計画 ·················································· 69

    1.全体配置図 ··············································· 70

    2.施設基本フローシート ····································· 71

    3.平面図 ··················································· 71

    4.断面図 ··················································· 72

  • 5.外観イメージ図 ··········································· 72

    第6章 概算事業費の算出及び工程計画の検討 ························ 73

    1.事業工程の検討 ··········································· 74

    2.概算事業費の算出 ········································· 75

    第7章 発注方式の検討 ············································ 76

    1.従来型発注方式について ··································· 77

    2.設計施工一括発注方式について ····························· 78

    第8章 運営管理方式の検討 ········································ 80

    1.完全直営について ········································· 81

    2.一部委託方式について ····································· 83

    3.長期包括運営管理委託について ····························· 85

    第9章 まとめ ···················································· 86

  • 1

    序 章 業務の概要

    1.業務の目的

    2.業務の概要

  • 2

    序 章 業務の概要

    1.業務の目的

    弥富市火葬場は昭和50年2月に竣工したものである。竣工後40年以上が経過しており、施設

    の老朽化や狭隘がみられるとともに、火葬炉設備の老朽化への対応など、長期的な展望に基

    づいた対策が求められている。

    本業務は、弥富市における火葬場を長期的かつ総合的視点にたって適正に推進するため

    に、「墓地、埋葬等に関する法律」(以下『墓埋法』という。)等の法令に基づき計画する火葬

    場建設にあたり、基本的方針を定めた基本構想の策定を行うものである。 2.業務の概要

    本業務は、本市の現状を把握したうえで、本市が計画する火葬場の施設計画(案)を検討

    し、火葬場建設の基本構想を策定する。

    第1節 現況把握

    火葬場の建設にあたり、本市及び周辺市町村の現況把握及び視察を行い、火葬場の必要

    炉数の算定及びゾーニング・動線計画に必要な資料の取りまとめを行う。

    *現状把握の内容:人口動態、火葬場の利用実態、既存施設の問題点及びライフライン等

    の現状把握を行う。

    第2節 施設規模の算定

    ①必要な施設規模の算出:将来人口予測、死亡者数予測を行い、必要炉数について算出を

    行う。

    ②その他、動物炉の設置についても、検討を行い施設整備を行う計画とする。

    第3節 基本条件の設定

    ①基本理念の設定及びコンセプトの策定

    ②公害防止等に係る数値の設定及び防止対策

    ③火葬炉設備の形式及び構成

    ④土地利用計画

    ⑤諸室計画

    ⑥準拠する法令

  • 3

    第4節 基本計画

    本市が計画している火葬場建設計画の概要を取りまとめ、類似の事例等から施設配置計

    画基本図案を複数提案し、協議の上作成する。

    ①全体配置図

    ②施設基本フローシート

    ③平面図

    ④断面図

    ⑤外観イメージ図

    第5節 概算事業費の算出及び工程計画の検討

    第2節で定めた施設規模に応じた建設費及び維持管理費並びに既存施設解体費に関す

    る概算事業費の算出を行う。なお、算出に当っては必要に応じ、複数のプラントメーカか

    らの見積徴収やヒアリング等を行うものとする。また、新施設建設期間中の課題(既存施

    設の利用計画や仮囲いの位置等の検討)等、新施設供用開始まで、さらに、既存施設解体

    までの詳細な事業工程を検討する。

    第6節 発注方式の検討

    火葬場建設工事において、競争性・透明性を高め、公正公平性を確保し、 長期的に品質・

    経済性の優れた施工を求めるため、これらを実現する入札・ 契約制度等の発注方式につい

    て検討を行うこと。

    ①従来型発注方式(分離発注方式)

    ②設計施工一括発注方式(性能発注方式)

    第7節 運営管理方式の検討

    運営管理方式の種類とその特徴について比較し、その内容をまとめること。

    ①完全直営

    ②一部委託(運営管理の一部を委託)

    ③長期包括運営管理委託

  • 4

    第1章 弥富市の概要及び気候

    1.弥富市の概要

    2.弥富市の人口推移

    3.弥富市の気候

  • 5

    第1章 弥富市の概要及び気候

    1.弥富市の概要

    □地勢状況

    弥富市は、名古屋市の西側20キロメートル圏内に位置し、南部は名古屋港西部臨海工業地

    帯をへて名古屋港の港湾海域に臨んでいる。また、西部は三重県に隣接している。

    面積は48.18k㎡で、東西が約9km、南北が約15kmと南北に長い地域となっている。海

    抜0m地帯が大きく広がる、極めて平坦な地形である。

    経緯度

    弥富市役所

    東経:136度43分39秒681

    北緯:35度06分24秒945

    面積と範囲

    面積:48.18k㎡ 東西 約9km 南北 約15km

    図1 弥富市の位置図

  • 6

    □沿革

    明治22年 弥富村、十四山村誕生。

    明治36年 町制施行により弥富町となる。

    昭和30年 弥富町と鍋田村、市江村の東南部が合併し弥富町となる。

    平成18年4月1日 弥富町と十四山村が合併し、市制施行により弥富市となる。

    弥富市の干拓の歴史は主に江戸時代に始まり、明治初期には弥富町の前ヶ須宿から十四山

    を経て名古屋の熱田に至る新東海道が開設された。その後、名古屋と関西方面を結ぶ関西鉄

    道(現 JR 関西本線)が開通し、昭和初期には関西急行電鉄(現近鉄名古屋線)や国道1号が

    開通した。

    昭和30年代以降には、名四国道(現国道23号)が通るとともに、近年では東名阪自動車道、

    伊勢湾岸自動車道というように東西を結ぶ動脈が築かれてきた。

    また、本市は干拓で作られた地域が多く、人々が水との闘いを繰り返してきた。特に、昭

    和34年の伊勢湾台風の折には、海岸や河川の堤防が決壊して、甚大な被害を受けた。

    昭和40年代には、名古屋市との行き来に便利な地域として、鉄道駅周辺を中心としてベッ

    ドタウンのように住宅開発が進み、人口が大きく伸びた。今日でもマンション開発などが見

    られ、人口が穏やかに伸びているが、本市の北部、南東部の区域には水田地帯が豊かに広が

    っており、都市部から農村部、海岸部までを持つ豊かな地域を形成している。

    □弥富市の木、花

    市の木 桜 市の花 金魚草

  • 7

    2.弥富市の人口推移

    1)人口推移

    国勢調査をもとにした、弥富市の人口推移について図2に示した。

    1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2015年

    総人口 36,457 37,614 38,971 41,309 42,179 42,575 43,272 43,269

    5年前比増減 1,157 1,357 2,338 870 396 697 -3

    資料:国勢調査

    図2 弥富市の人口推移

    本市は、平成18年(2006年)4月1日に弥富町と十四山村が合併し、市制施行により弥富

    市として誕生した。

    平成27年(2015年)10 月に行われた国勢調査によると、本市の人口は43,269 人であり、

    これは、昭和55年(1980年)から30 年間で約19%の増加である。総人口の推移をみると、昭

    和55年(1980年)以降増加を続けていたが、平成27年(2015年)には僅かであるが前回調査

    より3名の減少となった。

    旧弥富町でみると、平成22年(2010年)の37,694人から、平成27年(2015年)37,914人と

    220人の増加であったが、旧十四山村は5,578人から5,355人と223人の減少となり、旧弥富町

    の増加分を上回っていた。

    36,457

    37,614

    38,971

    41,30942,179 42,575

    43,272 43,269

    32,000

    34,000

    36,000

    38,000

    40,000

    42,000

    44,000

    1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2015年

    (人)

  • 8

    2)年齢3区分別人口と高齢化率の推移

    国勢調査をもとにした、弥富市の年齢3区分別人口と高齢化率の推移について図3に示した。

    資料:国勢調査

    図3 弥富市の年齢3区分別人口と高齢化率の推移

    年齢3区分別人口をみると、年少人口(0~14 歳)は減少し続け、昭和55年(1980年)には

    9,414人であったのが、平成17年(2015年)には5,792人と6,000人を割っている。

    生産年齢人口(15~64 歳)は、平成7年(1995年)までは増加し続け、29,662人となった

    のち、減少に転じ、平成27年(2015年)には25,457人になった。

    老年人口(65 歳以上)は、ペースを早めながら増加し続けている。平成17年(2005年)に

    は年少人口を上回り、平成27年(2015年)には1万人を超え10,636人となった。これは、昭和

    55年(1980年)と比べ4倍近くとなっている。

    また、高齢化率(老年人口の割合)も昭和55年(1980年)の7.8%から年々上昇し、平成27

    年(2015年)には25.4%となっており、4分の1が高齢者である。年少人口と生産年齢人口の

    減少、老年人口の増加という傾向がみられることから、今後も高齢化率が上昇していくこと

    が予想される。

    ※年齢不詳があるため、年齢3区分別人口の合計と総合計は必ずしも一致しない。

    1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 2015年老年人口 2,835 3,316 3,958 4,945 6,047 7,453 9,157 10,636

    生産年齢人口 24,198 25,674 27,810 29,662 29,605 28,538 27,479 25,457

    年少人口 9,414 8,616 7,199 6,702 6,521 6,569 6,400 5,792高齢化率 7.8% 8.8% 10.2% 12.0% 14.3% 17.5% 21.3% 25.4%

    9,414 8,616 7,199 6,702 6,521 6,569 6,400 5,792

    24,198 25,67427,810

    29,662

    29,605 28,538 27,479 25,457

    2,835 3,3163,958

    4,945 6,047 7,453 9,15710,636

    7.8%8.8%

    10.2%12.0%

    14.3%

    17.5%

    21.3%

    25.4%

    0.0%

    5.0%

    10.0%

    15.0%

    20.0%

    25.0%

    30.0%

    0

    10,000

    20,000

    30,000

    40,000

    50,000

    60,000(人)

  • 9

    3.弥富市の気候

    海部南部消防組合(弥富市、飛島村)平成29年年報より気象概況を表1に示した。

    本市の気候は温暖で夏季多雨、冬季乾燥型である。最高気温は8月の36.2℃、最低は1月の

    -4.5℃となっている。年間の降水量は1,485.5㎜で、月別の降水量をみると、最大は9月の252.5

    ㎜で、最少は1月の44.0㎜となっている。

    表1 気象概況

    1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月

    最高気温(℃) 15.7 21.0 20.2 27.5 29.2 30.8 33.8 36.2 32.0 28.4 21.2 17.1

    最低気温(℃) -4.5 -1.7 -0.4 4.1 11.9 14.0 20.6 20.1 16.7 9.2 3.9 -0.4

    平均気温(℃) 5.7 6.2 9.8 15.3 19.9 22.4 26.3 27.9 24.8 19.1 12.4 8.0

    気温差 20.2 22.7 20.6 23.4 9.0 16.8 13.2 16.1 15.3 21.2 17.3 17.5

    平均湿度(%) 76.0 72.8 71.8 76.5 77.7 84.8 85.4 82.7 89.8 80.7 78.5 79.3

    総雨量(mm) 44.0 55.5 75.5 208.0 110.0 236.5 163.5 100.5 252.5 106.0 58.0 75.5

    最大雨量(日)(mm) 27.0 21.5 29.5 53.0 15.0 47.0 76.0 26.0 96.5 42.5 19.5 30.5

    最大風速(m/s) 21.3 21.2 21.8 22.1 20.3 18.5 20.4 19.4 23.7 16.1 18.6 20.8

    平均風速(m/s) 3.1 3.3 3.5 3.6 3.4 3.0 2.6 2.9 2.6 2.9 3.0 3.1

    海部南部消防組合(弥富市、飛島村)平成29年年報より

  • 10

    第2章 弥富市火葬場の概要と火葬の状況

    1.弥富市火葬場の概要

    2.火葬数の推移

    3.弥富市火葬場での葬送行為の状況

    4.現況施設の問題点

  • 11

    第2章 弥富市火葬場の概要と火葬の状況

    1.弥富市火葬場の概要

    1)弥富市火葬場の概要

    「弥富市火葬場」は、昭和50年(1975年)2月に旧弥富町火葬場として竣工したものである。

    弥富市市域と弥富市火葬場の位置について図4に示した。

    図 4 弥富市市域と弥富市火葬場の位置図

    弥富市火葬場は農地が広がる市の南端にある。敷地は潮見台霊園に隣接しており、近くに

    富浜緑地や港があるなど、付近は工場や物流センターとなっている。

    竣工当時は、火葬棟と管理棟の2棟式で、火葬棟には炉前ホールに火葬炉3基、汚物炉1基が

    設置されていた。管理棟には管理人住宅とロビー形式の待合室と和室3室が設置されていた。

    汚物炉は現在動物炉として使用されている。

    弥富市火葬場

    弥富市役所十四山支所

    弥富市役所

  • 12

    平成18年(2006年)4月1日に弥富町と十四山村が合併、市制施行に伴い弥富市火葬場とな

    る。火葬炉設備改修工事を平成6・7年度(1994・1995年度)工事で行い、平成22年(2010年)

    には待合室(休憩室、畳コーナー)を増築している。

    略歴

    昭和50年(1975年) 竣工(火葬炉3基、汚物炉1基)

    平成18年(2006年) 弥富町と十四山村が合併、市制施行

    平成6・7年度(1994・1995年度) 火葬炉設備改修工事

    平成22年(2010年) 待合室(休憩室、畳コーナー)増築

    管理棟トイレ改修及びスロープ設置工事済

    図5 弥富市火葬場配置図

    火葬棟

    管理室

    待合室

    ポンプ小屋

    残灰庫

    油庫

    広場

    潮見台霊園

  • 13

    施設概要(現状)

    ① 敷地面積 6,276.74㎡ ② 区域区分 市街化調整区域 ③ 住 所 愛知県弥富市鍋田町八穂422-1 ④ 建築面積 597.40㎡ ⑤ 延床面積 542.70㎡ ⑥ 建築構造 鉄筋コンクリート造(増築待合室は鉄骨造) ⑦ 建物概要 火葬棟 炉前ホール、安置室、炉室、監視室

    管理棟 事務所、待合室、和室3室、管理人住宅、トイレ

    待合室 休憩室、畳コーナー

    油庫

    残灰庫

    ポンプ小屋

    駐車台数 10台

    ⑧ 火葬炉設備 火葬炉3基(普通炉2基、大型炉1基)、動物炉1基 1炉1排気系列・エゼクター排気方式 、燃料:灯油

    ⑨ インフラ 電気:北側電柱より引き込み 上水:北側給水管より引き込み

    下水:浄化槽(西側通路側溝から北側へ放流)

    ガス:プロパン(都市ガスなし)

  • 14

    図6 弥富市火葬場火葬棟竣工当時平面図

    図7 弥富市火葬場管理棟(管理人住宅及び待合室)竣工当時平面図

    炉前ホール

    炉室

    車寄

    煙突

    和室 和室 和室 待合室

    和室 和室

    居間

    事務所

    台所

    ホール

    安置室

    祭壇

  • 15

    図8 弥富市火葬場増築(待合室)部分

    既存建物

    休憩室

    畳コーナー

    廊下

  • 16

    写真 1 弥富市火葬場全景

    写真 2 弥富市火葬場入口部分

    写真 3 火葬棟外観

    写真 4 火葬棟炉前ホール

    写真 5 管理棟外観

    写真 6 管理棟待合室

    写真 7 管理棟和室

    写真 8 待合室(増築部分)内部

  • 17

    写真 9 火葬炉本体

    写真 10 動物炉本体

    写真 11 火葬炉内部

    写真 12 炉内台車と台車運搬車

    写真 13 火葬炉監視操作盤

    写真 14 エゼクター排気装置

    写真 15 油庫

    写真 16 残灰庫内部

  • 18

    2)火葬の予約方法

    火葬場の休日は正月と友引となっている。

    火葬は事前予約となっており、下記の火葬場到着時間より選択する。1日最大7件までの受

    入が可能である。

    (1)9時30分 (2)10時30分 (3)11時30分 (4)12時30分 (5)13時30分 (6)

    14時30分 (7)15時00分

    動物の受け入れ時間は、午前9時から午後3時まで(火葬場休場日以外)となっており、事

    前予約は不要であるが、弥富市役所市民課か支所にて火葬場利用許可証を取得する必要があ

    る。

    また、死亡動物の火葬は、他の動物と一緒にまとめて行うために収骨はできない。

  • 19

    2.火葬数の推移

    1)火葬数の推移

    平成24年度から平成28年度までの火葬数と死亡者数の推移を図9に示した。

    図 9 年間火葬数及び弥富市の死亡者数の推移(人)

    死亡者数は年度によって変動が大きく、年間350人から400人で推移しているが、増加傾向

    にある。最大は平成28年度の397人で、最小は平成24年度の348人であった。5年間の平均は

    375.6人であった。

    火葬数は死亡者数より15人程度少ない。5年間の平均では、市内の大人が359.4人、市内小

    人が1.8人、市外大人が17.0人、死産児が7.0人の計385.2人であった。

    平成24年

    平成25年

    平成26年

    平成27年

    平成28年

    度平均

    市内大人 330 370 352 365 380 359.4市内小人 1 2 1 5 0 1.8市外大人 16 22 24 13 10 17.0死産児 7 9 4 5 10 7.0火葬合計 354 403 381 388 400 385.2死亡者数 348 381 370 382 397 375.6

    330370 352 365

    380 359.4

    1 2 1 5 0 1.81622 24 13 10 17.07 9 4 5 10 7.0

    354403 381 388 400 385.2

    348381 370 382

    397375.6

    050

    100150200250300350400450(人)

  • 20

    2)月別の火葬数

    平成24年度から平成28年度までの月別5年間平均の平均火葬数を図10に示した。

    図 10 平成24年度から平成28年度までの月別5年平均の平均火葬数(人)

    1日当たりでみると、月別で最も多いのが1月、2月、3月で1.2人/日、最も少ないのが5月、

    7月、10月の0.9人/日で、年間では1.1人/日であった。

    冬場に火葬数が増える傾向にあり、最少月と最大月では1.33倍の差がみられた。

    4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 平均1日平均 1.1 0.9 1.1 0.9 1.0 1.0 0.9 1.1 1.1 1.2 1.2 1.2 1.1市内大人 30.4 25.8 30.2 25.6 28.0 29.8 27.4 30.8 30.8 34.4 31.6 34.6 30.0市内小人 0.2 0.0 0.2 0.0 0.2 0.0 0.2 0.0 0.6 0.2 0.2 0.0 0.2市外大人 1.4 1.8 1.0 1.8 1.2 0.6 1.2 1.2 1.0 3.6 1.6 0.6 1.4死産児 0.4 0.4 0.6 0.6 0.8 0.2 0.2 1.0 0.6 0.2 1.2 0.8 0.6合計 32.4 28.0 32.0 28.0 30.2 30.6 29.0 33.0 33.0 38.4 34.6 36.0 32.1

    1.10.9

    1.10.9 1.0 1.0 0.9

    1.1 1.11.2 1.2 1.2 1.1

    30.4

    25.8

    30.2

    25.628.0

    29.827.4

    30.8 30.834.4

    31.634.6

    30.0

    1.4 1.8 1.0 1.8 1.2 0.6 1.2 1.2 1.03.6

    1.6 0.6 1.4

    32.4

    28.0

    32.0

    28.030.2 30.6 29.0

    33.0 33.0

    38.434.6 36.0

    32.1

    0.0

    0.2

    0.4

    0.6

    0.8

    1.0

    1.2

    1.4

    1.6

    1.8

    0.0

    5.0

    10.0

    15.0

    20.0

    25.0

    30.0

    35.0

    40.0

    45.0(人)

  • 21

    3)1日の火葬件数の状況

    平成28年度の1日当たりの火葬件数の状況を表2に示した。

    表 2 平成28年度の1日当たりの火葬件数の状況(日)

    1日の火葬

    件数 0件 1件 2件 3件 4件 5件 6件 7件 合計 友引 月数

    4月 7 7 6 2 3 25 5 30

    5月 8 5 11 2 1 27 4 31

    6月 5 14 3 3 25 5 30

    7月 10 6 6 3 25 6 31

    8月 5 6 8 5 2 26 5 31

    9月 8 9 5 2 1 25 5 30

    10月 13 7 2 3 1 26 5 31

    11月 10 4 4 5 1 1 25 5 30

    12月 8 11 4 2 1 26 5 31

    1月 4 7 7 5 1 1 25 6 31

    2月 4 14 2 1 1 1 23 5 28

    3月 9 10 4 2 1 26 5 31

    合計 91 100 62 35 10 5 1 0 304 61 365

    1日最大7件の火葬受入れが可能であるが7件の火葬の日は無かった。6件の火葬が1月に1件

    で、5件の日が5日であった。

    最も多いのが1日当たり1件で100日であった。2件の日が62日、3件の日が35日、4件の日が

    10日で、休業日ではないが火葬が無かった日が91日あった。

    火葬がある日は1日当たり4件までで、97.2%を占めていた。

  • 22

    4)動物の火葬数

    平成24年度から平成28年度までの動物の火葬数の推移を図11に示した。

    図 11 平成24年度から平成28年度までの動物の火葬数の推移(体)

    種類別にみると、犬は減少傾向にあり、平成24年度の208体から平成27年度は166体、平成

    28年度は168体となっていた。猫とその他の動物も減少傾向にあったが、平成28年度は増加し、

    猫は131体、その他の動物は17体であった。平成28年度は合計で316体の火葬を行っている。

    5年間の平均をみると、犬は178.2体で、猫は119.8体、その他の動物は13.4体、合計は311.4

    体であった。

    平成24年度 平成25年度 平成26年度 平成27年度 平成28年度 平均犬 208 173 176 166 168 178.2猫 120 132 110 106 131 119.8その他 16 15 10 9 17 13.4小計 344 320 296 281 316 311.4

    208173 176 166 168 178.2

    120 132 110 106131 119.8

    16 15 10 9 17 13.4

    344320

    296 281316 311.4

    0

    50

    100

    150

    200

    250

    300

    350

    400

    (体)

  • 23

    3.弥富市火葬場での葬送行為の状況 1)調査目的 対象地域の葬送行為の特性を把握するとともに、既存施設の課題等を明らかにし、基本計

    画に必要な基礎資料を得ることを目的とし、弥富市火葬場の使われ方について現地調査を行

    った。 2)調査概要

    弥富市火葬場内での葬送行為の状況を把握するため、火葬の受付開始の9時から終了まで

    の間とし、会葬者の入場から退場までの動きを観察するとともに、葬送行為の内容や人数を

    把握するため、一集団ごとに下記の内容について観察・記録を行った。 (1) 会葬者集団の人数と構成

    (2) 葬送行為の状況

    (3) 火葬の状況

    (4) 葬送行為の経過時間

    (5) 駐車場の状況

    3)調査日

    調査は平成29年8月某日に実施した。

    4)調査結果

    調査当日の故人の性別、年齢と火葬受付け時間を表3に示した。

    調査当日は2件の火葬が行われ、11:30と12:30の受入で、故人は女性103歳と男性91歳で

    あった。それぞれ、別の会場で葬儀・告別式を行ってからの火葬であった。

    表 3 調査時の故人の性別、年齢と火葬受付時間

    葬家名 故人の性別、年齢 火葬受付時間

    A家 女性(103歳) 11:30

    B家 男性(91歳) 12:30

    (1)会葬者集団と葬列車両の構成

    各喪家の会葬者集団の構成と葬列車両の構成を表4に示した。

    表 4 会葬者集団と葬列車両の構成

    葬家名 会葬者集団の構成 葬列車両の構成

    A家 会葬者15名、僧侶2名、計17名

    葬祭業者1名

    洋型霊柩車1台、マイクロバス1台、乗用車

    2台(僧侶)

    葬祭業者1台、仕出し屋1台

    B家 会葬者16名、僧侶0名、計16名

    葬祭業者1名

    洋型霊柩車1台、マイクロバス1台

    葬祭業者1台

  • 24

    ①会葬者の数

    会葬者数は30名以下に制限している。以前は30名以上の来場が月に1~2件あり、待合室に

    収容できずあふれてしまうため、待合の人数を30名以下とし、超えた場合には葬者はお願

    いして帰ってもらうことがあった。そのため会葬者の人数に関しては、現在は葬祭業者へ

    の周知を徹底している。調査時の会葬者数は、A家が15名で、B家が16名であった。

    人数の統計はないが、会葬者の減少傾向がみられる。

    ②僧侶の帯同について

    僧侶を帯同しての到着は半数程度である。調査時の状況は、A家は僧侶を2名帯同してい

    たが、B家は無かった。

    僧侶は自家用車で到着し、お別れが終了すると帰宅していた。

    ③葬列車両の状況

    葬列車両の構成をみると、霊柩車を先頭にマイクロバス1台で到着するケースが多い。

    乗用車での到着もみられるが、今回はマイクロバスのみであった。A家の僧侶2名はそれ

    ぞれ乗用車で自ら運転し到着していた。

    待合室の準備、片付があるため葬祭業者も乗用車で火葬場に到着する。

    霊柩車は柩を降ろすと、直ぐに火葬場を後にし、マイクロバスは火葬場で火葬終了まで待

    機しているが、運転手はマイクロバスの中で待っていた。

    (2)葬送行為の状況

    火葬場内での葬送行為の流れと時間を表5に示した。

    表 5 各会葬者集団における葬送行為と時間

    葬送行為 A家 B家

    火葬予約時間 11:30 12:30

    1 霊柩車・マイクロバスが到着した時刻 11:28 12:20 2 柩を耐火台車上に載せ替えた時刻 11:30 12:21 3 最後の人が炉前ホールに入場した時刻 11:31 12:22 4 お別れ(読経等)を始めた時刻 11:31 12:22 5 お別れ(読経等)が終了した時刻 11:35 12:23 6 火葬炉に柩を納めた時刻 11:36 12:24 7 喪主が火葬炉の点火ボタンを押した時刻 11:37 12:25 8 最後の人が炉前ホールを退室した時刻 11:38 12:26 9 控室(待合室)に入った時刻 11:40 12:29

    10 火葬が終了した時刻 12:32 13:40 11 炉の扉が開き焼骨を引き出した時刻 12:39 13:44 12 収骨の案内をした時刻 12:43 13:47 13 会葬者が炉前ホールに入った時刻 12:45 13:51 14 職員が収骨の説明を開始した時刻 12:45 13:52 15 会葬者が収骨を始めた時刻 12:48 13:56 16 会葬者が収骨を終えた時刻 12:55 14:00 17 会葬者が炉前ホールを出た時刻 12:57 14:02 18 最後の人が車に乗り退場した時刻 12:59 14:04

  • 25

    会葬者の到着から告別・見送り、待合、収骨までの状況は次のようになっている。

    □到着から告別・見送り

    職員は炉前に台車運搬車を接続し予め耐火台車を炉前に引き出しておく。葬儀式場からの

    出棺の際に火葬場に連絡が入る。火葬予約時間までに到着するようお願いしている。

    霊柩車は車寄せの入口に停められる。リムジン型霊柩車の場合は、スロープを上れないた

    め、スロープ手前に停められる。霊柩車が到着すると、霊柩車の運転手と会葬者が6名程度で

    霊柩車から柩を運び、耐火台車上に載せる。

    遺影、位牌を祭壇に安置する。

    僧侶を帯同した場合、僧侶による読経が数分行われる。焼香台は無く、会葬者は柩の上に

    線香を置いていく。僧侶を帯同しない場合は、簡単なお別れが行われ、短時間で終了する。

    拝顔は行われない。お別れが終了すると、火葬炉の断熱扉を開け、柩を火葬炉内に納める。

    台車運搬車を車寄せまで移動させ、火葬炉の扉を閉め、更に化粧扉を閉める。全員が拝礼で

    お見送りをする。

    職員が喪主に点火ボタンの案内を行い、喪主が点火ボタンを押す。

    告別は5分程度で終了する。

    火葬開始とともに、会葬者は葬祭業者の案内で待合室へ移動する。遺影、位牌と骨壺は火

    葬棟に置かれたままで、次の火葬もあるため、火葬中は炉室に移動させる。

    写真 17 霊柩車とマイクロバスの到着

    写真 18 会葬者が柩を運ぶ

    写真 19 僧侶による読経

    写真 20 扉の開閉スイッチ上にある点火ボタン

  • 26

    □待合の状況

    待合室の大きさの問題もあり、待合室の利用は30名以下に制限している。増築した待合室

    と管理棟の和室を交互に利用する形式をとっている。

    火葬場職員は、ウォータージャグにお湯を入れて給湯室に用意しておく。葬祭業者は、ウ

    ォータージャグを待合室に運びお茶の用意を行う。

    柩の見送りが終了すると、葬祭業者の案内で待合室へ移動する。待合室は別棟となってお

    り、外部を歩いて移動する。雨天時の移動は大変で、場内の移動ではあるが、雨天の際はマ

    イクロバスを利用することもある。

    待合室で食事を行う場合は、火葬予約時間の30分程前に仕出し屋が訪れ、予め用意を行う。

    今回の調査では、食事を行ったのは1喪家のみであった。管理棟の和室では飲酒を禁止してい

    る。お茶の片付及び待合室の掃除は葬祭業者が行う。

    喫煙室は無く、管理棟入口と待合室の入口部分に灰皿が置いてあり、喫煙はそこで行う。

    公園風に整備された広場があるが、利用する会葬者はみられない。

    写真 21 給湯室に用意されたお茶

    写真 22 お見送りが終わると待合室へ移動する

    □収骨の状況

    収骨は炉前ホールで行う。収骨用トレイを炉前ホールの中心に移動させる。炉室から移動

    させた遺影位牌を祭壇に並べ、骨壺を祭壇横の台に置くが、壺自体はトレイ上に置かれる。

    火葬炉前室は無い。火葬が終了すると、炉内で10分程度冷却を行う。耐火台車が熱いこと

    もあり、耐火台車上からではなく、収骨用トレイ上から収骨を行う。

    炉内冷却後、炉前に耐火台車を引き出すが、喪主など会葬者の立会いは無く、焼骨の確認

    は行わない。燃え残りの状況を確認し、整骨を行う。パネルで目隠しを行い、外からは見え

    ない様に作業を行う。

    収骨の準備ができると、収骨の案内を行い、会葬者は外部を歩き待合室から火葬棟へ移動

    する。

    職員から収骨についての説明が行われた後、遺族から必要な焼骨を選別してもらい、職員

    は耐火台車から拾い、数回に分けトレイに載せる。

    会葬者は順番にトレイ上から焼骨を拾い、骨壺に納める。焼骨の一部だけ拾う部分収骨で、

    最後は喪主に焼骨を確認してもらい、残骨は火葬場で処理を行う。

  • 27

    収骨時間は10分程度である。

    運転手は収骨が始まるとマイクロバスを車寄せに予め移動させておく。収骨が終了すると、

    会葬者は順番にマイクロバスに乗り込み火葬場を後にする。

    職員の手が空いている場合は、敷地出口でお見送りを行う。

    写真 23 収骨準備に合わせて祭壇に遺影が置かれる

    写真 24 骨壷は祭壇横の台に置かれる

    写真 25 トレイ収骨でトレイが炉前ホールの中心

    に置かれる

    写真 26 出炉の際、遺族などの立会いは無い

    写真 27 収骨の際、トレイを中心に会葬者が集まる

    写真 28 マイクロバスはスロープ下に停められる

  • 28

    (4)葬送行為の経過時間

    調査日の各葬送行為の経過時間を表6に示した。

    表 6 各葬送行為の時間

    葬送行為等 A家 B家

    告別・見送り時間(分) 7 4

    炉前退室から収骨までの時間(分) 67 85

    火葬時間(分) 55 75

    収骨時間(分) 10 8

    到着から最後の退場時間(分) 91 104

    告別、見送りは、炉前ホールで行い、最後のお別れ(読経)終了後に柩を火葬炉に納める。

    柩が火葬炉に納まるのを会葬者全員で見送り、火葬炉の扉を閉めた後、喪主が点火ボタンを

    押し、火葬開始となる。告別、見送りの時間はA家が7分、B家が4分であった。B家は僧侶

    を帯同しておらず、読経が無い分時間が短かった。

    火葬中は待合室で待つが、収骨までの時間は火葬時間が影響する。A家は103歳の高齢の女

    性であったこともあり、火葬時間が55分と短く、炉前ホールを退場してから収骨までの時間

    は67分であった。B家は91歳の男性で、火葬時間が75分と長かったため、収骨までの時間は

    85分であった。

    収骨時間はA家が10分、B家が8分で、部分収骨であるが収骨時間は比較的長めである。

    火葬場に到着してから、収骨を終えて退場するまでの時間はA家が91分、B家が104分であ

    った。

    (5)駐車場の状況

    駐車台数は10台であるが、会葬者はマイクロバスで到着することもあり、同時2組の利用が

    あるが、スペースは充分である。駐車場が不足する場合は、隣接する霊園の駐車場を利用す

    る。

    マイクロバスは、火葬棟横に停められる。マイクロバスの運転手は、マイクロバスの中で

    待機していた。

    写真 29 マイクロバスは火葬棟横に停められる

    写真 30 万一駐車場が不足する場合は霊園を利用

  • 29

    (6)動物の火葬の状況

    動物は利用者か業者が持ち込む。冷蔵庫は無く、そのまま炉内に入れられる。

    お別れを希望する場合は、火葬棟内の安置室に祭壇が設けてあり、そこで行う。

    個別火葬ではなくまとめて火葬を行い、収骨は行わない。15時まで受付を行い、15時以降

    にまとめて火葬を行う。

    翌朝、骨は残灰庫へ移動し、まとめて業者に依頼し処分する。

    写真 31 火葬棟内安置室に設けられた動物用祭壇

    写真 32 動物は受入後炉内に入れまとめて火葬

  • 30

    4.現況施設の問題点

    1)弥富市火葬場における現況の問題点

    今回の調査による現況弥富市火葬場の問題点や課題を次に示した。

    ①車寄せ及び入口部分

    ○駐車場レベルと建物のフロアレベルの差が大きく、車寄せのスロープが急である。

    ・リムジン型霊柩車はホイールベースが長く車体を擦るため車寄せに入れない。

    ・降雪時はスリップして霊柩車がスロープを上れない事があった。

    ・霊柩車が車寄せに停められない場合、スロープの手前に霊柩車を留めることになり、柩を

    担いでスロープを上ることになる。

    ・庇部分が少なく、マイクロバスからの乗降の際に雨天時は濡れる。

    写真 33 マイクロバスは庇が無いところに停車

    写真 34 車寄せは庇が小さくスロープが急

    ②炉前ホール

    ○空調設備がないことによる夏の暑さ。

    ・火葬棟に空調設備が無いため、夏場は窓を開けている。火葬後の耐火台車が熱いため、収

    骨の際は会葬者が火葬棟内に入りたがらず入口付近に集まる。整骨確認中も火傷の危険を

    伴う。

    ・風が強い日は灰が舞うため、窓を開けることができない。

    ・雨天時や風が強い日は窓が開けられないため、火葬棟内は蒸し風呂のような状態となる。

    収骨の案内があっても待合室からはなかなか移動したがらない。

    ・海からの風を遮るものがないため、風雨が強い時は雨が入口の扉の下の隙間から火葬棟内

    に侵入する。

    ○柩の搬送の不便。

    ・会葬者が霊柩車から火葬炉前に置かれた耐火台車上まで柩を運ぶ方式である。会葬者が高

    齢の女性ばかりの場合や会葬者が少ない場合など、柩を運ぶのが大変で、安全性の問題も

    みられる。

    ・柩運搬車があれば労力が削減されるが、台車上に柩を載せ替える際は、どうしても人数が

  • 31

    必要となる。

    ○プライバシーの不十分

    ・3つの炉に対し、1つの炉前ホールという構成になっているため、プライバシーの確保が難

    しい。

    ○動物の受入との輻輳。

    ・火葬棟内の安置室内で動物のお別れを行うため、会葬者が火葬棟内にいる時は、中に入れ

    ないため外で待たされる。

    写真 35 夏場は暑く炉前ホールは窓を開けっ放しである

    写真 36 会葬者が柩を運ぶ

    ③待合室及びトイレ

    ○待合室までの移動が不便。

    ・火葬棟と待合棟が離れており、渡り廊下も無いため外部を移動するが、雨天時は移動が不

    便。場内でもマイクロバスで移動するケースもあるが、待合棟には車寄せが無い。

    ・会葬者は駐車場内を移動して待合に移動するため、安全性の問題もある。

    ・車椅子の利用がある場合も距離が長く移動が大変である。また一部バリアフリー化対策が

    なされているが、移動距離が長くなってしまう。管理棟と待合室の通路には段差がある。

    ・和室は廊下との段差も大きく、靴を履くのも大変である。

    ・増築した待合室からトイレが遠く、位置が分かりにくい。

    ・管理棟と待合室の入口が喫煙場所となっている。

    写真 37 雨天時の待合室までの移動は大変

    写真 38 バリアフリー化はされているが段差は多い

  • 32

    ④火葬炉設備

    ○公害対策が不十分。

    ・再燃焼炉は設置されているが、火葬初期は温度も低く滞留時間も短いため、再燃焼効果が

    低く、着火から5分程度、火葬初期に黒煙の発生がみられる。

    ・エゼクター排気で排気能力も不足しており、職員が空気量やオイル量を調整しながら火葬

    を行っている。

    ・エゼクター排気で集塵装置は設置されていない。再燃効果も低いことから環境上問題があ

    る。

    ○旧式の火葬炉による作業性の問題。

    ・排気能力が弱い上にレンガ炉となっており、更に冷却前室が無いこともあり、ほとんど冷

    却されないまま耐火台車が炉前に出される。そのため火葬棟内全体が暑くなる。

    ・自動化や電動化がなされていないところもあり、職員の作業性の問題など労力の負担が大

    きい。

    写真 39 火葬初期はかなりの発煙がみられる

    写真 40 職員の経験と勘に依存した火葬炉操作

    ⑤建物の状況

    ○コンクリートの落下など建物の劣化、損傷がみられる。

    ・火葬棟軒下のコンクリートの落下がみられるなど、躯体の耐久性だけでなく会葬者の安全

    性の問題が発生している。

    ・海が近いため塩害の影響を受けやすく、建物が錆びやすく劣化が早い。

    写真 41 軒下はコンクリートが落下し鉄筋が見える

    写真 42 落下したと思われるコンクリート片

  • 33

    第3章 必要な基数及び機能の検討

    1.火葬炉数算定と平面計画の考え方

    2.死亡者数の推計

    3.必要基数について

    4.動物炉の設置について

    5.必要機能について

  • 34

    第3章 必要な基数及び機能の検討

    1.火葬炉数算定と平面計画の考え方

    ①火葬炉数算定の考え方

    火葬場は生活に関わる重要な都市施設として都市計画決定の対象施設に位置付けられてい

    るにもかかわらず、その建設、運営は地方自治体に任されており、国からの施設整備に関す

    る直接の補助金はない。そのため、施設内容、建築、設備、火葬炉設備について、全く基準

    のない施設である。一般的に火葬場の規模は、火葬炉数で表現されている。

    都市計画決定の内容は敷地面積となり、根拠となる建物面積や必要火葬炉数の算出が合わ

    せて必要となっており、火葬能力が重要な決定内容となっている。

    各自治体は独自に人口予測を行い、将来の死亡者数を基に定めた運営方針から必要な火葬

    炉数を導き出すことになるが、基準となる正式な火葬炉数の算定式がないのが現状である。

    火葬炉数の算定方法は、一般的に次のように求められる。火葬炉数算出のフローを図12に

    示した。

    図 12 火葬炉数算出のフロー

    火葬能力は火葬炉数と火葬炉の回転数が基になる。火葬炉の回転数を増やせば、少ない火

    葬炉数でも火葬能力を増やすことが可能であるが、希望する火葬の時間帯は葬儀・告別式の

    時間と関係があるとともに、火葬炉の回転数は火葬場の平面構成が影響し、火葬場内での葬

    送行為がスムーズに行えなければ、火葬炉数を増やしても、実際の火葬能力は増えないこと

    になる。

    火葬場建設時にあらかじめ火葬炉の増設スペースが設置されていて、そこに火葬炉を増設

    したとしても、間取り上対応できなければ火葬受入件数は増えないこともある。

    将来人口の推計 人口問題研究所の推計を利用

    将来人口男女・5歳年齢階級別

    将来死亡者数の推計

    必要火葬炉数の算定 火葬件数及び運営体制を基に

    必要火葬炉数を算出する

    人口問題研究所の将来目標人口を基に算出 将来死亡者男女・5歳年齢階級別

    年間火葬件数の推計将来の死亡者数の推計を基に

    ピーク時の年間火葬件数を推計する

    運営方針の決定 既存施設の使われ方を基に

    受入れ体制や運営方針を確認する

  • 35

    ②希望の時間帯での受入火葬件数の決定

    希望の時間にどれくらい火葬を行うのかについては、特定の時間帯にどれだけ火葬が行わ

    れているかを把握し、想定した火葬件数をもとに運営方針を決める必要がある。希望する火

    葬時間は葬儀の流れが大きく影響するため、当該地域の葬儀の流れを把握する必要がある。

    既存施設がある場合は、現状の葬儀の流れを含めた火葬状況の分析が重要となる。火葬の

    状況を把握するために、次のデータ分析を行う。

    1)過去1年間の火葬記録を基に、日別及び受付時間別に整理を行う。

    2)整理したデータを基に、休日などを反映させ火葬の集中日や集中時間を把握する。

    3)火葬の分布を求めるとともに、分布する要素を整理する。

    希望する時間帯にどれだけ火葬を行うかについては、運営方針に基づく。希望する全ての

    火葬を受け入れようとすると、最終的に算出される火葬炉数は多くなる。受入数を少なくす

    れば、火葬炉数は少なくなるが、遺族の希望の時間に火葬ができなくなるか、待ち日数が増

    える可能性が高くなる。火葬受入数の決定は次のように行う。

    1)将来の人口予測を基に死亡者数を推計し、過去の運営状況を反映させ、1日当たり

    の火葬件数と火葬の集中状況を求める。

    2)算出された1日当たりの火葬件数に対して、1日で全て対応するのか、分散をさせる

    のかを基に、1日当たりどれだけの火葬を受入れるかを決める。

    ③火葬炉の運転間隔の決定

    火葬炉の運転間隔をどうするかは、火葬炉の回転数に大きな影響を与える。

    一般的な遺体の火葬時間は60分前後であるが、柩を炉に納めるまでに要する時間、火葬後

    の耐火台車の冷却時間、収骨までの時間が追加される。

    さらに告別方式や柩の見送り方式、収骨方式によっては、柩を炉に納めるまでの時間、火

    葬終了から次の火葬までの準備に要する時間が変動し、火葬炉の運転間隔が大きく変わるこ

    とになる。

    これらの時間を加味した上で、火葬炉が何回転できるかを決めなければならない。

    火葬炉の運転間隔は次のとおりになる。

    火葬炉運転間隔 = 告別時間+火葬時間+冷却時間+収骨時間+準備時間

    ④同時間帯での受入数と火葬炉数の算出

    同時間に遺体を何体受け入れるかは、火葬場の平面構成や火葬炉の回転数にも大きな影響

    を与える。

    想定した火葬受入数に対して、決定した受入時間帯と受入時間間隔を基に同時受入数を導

    き出し、それを基に火葬炉数の算出を行う。

    しかし、火葬炉の保守点検などによる火葬の休止、遺体や遺族の到着時間の遅れによる火

  • 36

    葬受入時間の変動が発生したり、また遺体の状況によっては火葬時間の延長による火葬炉の

    運転間隔への影響が懸念される。よって算出された炉数に余裕がなければ、想定した運営ス

    ケジュール上の運営ができなくなり、予定数の火葬を行うことができなくなる。

    したがって、保守点検時や受入時間の変動に対応する必要がある。保守点検時の対応では、

    火葬炉数を追加するかどうかの検討を行う。遺体の到着時間の遅れによる受入時間の変動に

    対しては、火葬炉の回転間隔に余裕を持たせるか、場合によっては同時受入数を減らす時間

    帯を設ける。

    運転計画から必要炉数を算出することになるが、火葬の受入れ方法や火葬炉の使い方など

    火葬場の運営方針と密接な関係がある。

    扱うことができる火葬件数は、建物の間取りにも大きく影響される。想定した火葬受入数

    に対して、受入れる時間帯と受入時間の間隔から同時間帯での受入数を導き出す。そして同

    時受入数に対応させるように、平面計画を行うことになる。

    *国立社会保障・人口問題研究所(以下:人口問題研究所) 人口問題研究所とは:

    人口・世帯数の将来推計や社会保障費に関する統計の作成・調査研究などを行う、厚生労働

    省の政策研究機関。昭和14年(1939年)に厚生省人口問題研究所として設立。平成8年(1996

    年)に特殊法人社会保障研究所と統合した。 人口研究・社会保障研究はもとより、人口・経済・社会保障の相互関連についての調査研究

    を通じて、福祉国家に関する研究と行政を橋渡しし、国民の福祉の向上に寄与することを目

    的としている。 人口問題研究所のデータを使用する理由:

    人口問題研究所から平成22年度(2010年度)の国勢調査をもとにした日本の将来推計人口の

    推計結果が公表されている。

    日本の地域別将来推計人口(平成25年(2013年)3月推計)をもとに、平成27年から5年ごと

    の推計結果が出されている。各市町村の男女別・5歳年齢階級別の5年後の生残率も公表され

    ているため、各市町村の死亡者数の推計を行うことも可能であり、死亡者数の推計について

    今回は人口問題研究所のデータを使用するものとした。

    算出方法は、人口推計で用いられた各市町村の男女別・5歳年齢階級別生残率を基に、死亡率

    =(1-生残率)とし、これを男女別・5歳年齢階級別人口に乗じて、死亡者数を算定し集計

    した。

    他の市町村でも死亡者数の推計に当たり、人口問題研究所のデータを使用している。

  • 37

    2.死亡者数の推計

    1)将来人口の推計値

    国勢調査によると、弥富市の平成22年(2010年)における合計の総人口は43,272人で、平

    成27年(2015年)は43,269人で、3人の減少であった。

    国勢調査をもとにした国立社会保障・人口問題研究所(以下:人口問題研究所)の構成市

    町の合計の人口推計の結果※1を表7と図13に示した。

    ※1日本の地域別将来推計人口(平成25年(2013年)3月推計)

    表 7 弥富市における階層別にみた人口と将来推計人口の合計(単位:人)

    (国立社会保障・人口問題研究所推計)

    ※年齢不詳があるため、年齢3区分別人口の合計と総合計は必ずしも一致しない。

    (国立社会保障・人口問題研究所推計)

    図 13 弥富市における階層別にみた人口と将来推計人口の合計

    推計値をみると、平成27年(2015年)が43,293人で、実績値と比べると24人少なかった。

    実績値との差はほとんどみられない。

    人口問題研究所による平成27年(2015年)国勢調査をもとにした将来人口の推計値が出さ

    れていないことと、平成27年(2015年)の推計値と実績値の差が少ないこともあり、平成22

    6,400 5,792 5,636 5,215 4,820 4,598 4,451

    27,47925,457 25,907 25,547 24,886 23,724 21,915

    9,15710,636 11,329 11,335 11,376

    11,582 12,281

    43,272 43,269 42,872 42,097 41,08239,904

    38,647

    21.3%

    25.4% 26.4% 26.9%27.7% 29.0%

    31.8%

    0.0%

    5.0%

    10.0%

    15.0%

    20.0%

    25.0%

    30.0%

    35.0%

    40.0%

    45.0%

    0

    5,000

    10,000

    15,000

    20,000

    25,000

    30,000

    35,000

    40,000

    45,000

    2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年

    ~14歳(年少人口) 15~64歳(生産年齢人口) 65歳~(老年人口) 総数 高齢化率

    (国勢調査実績値) 推計値(人口問題研究所)

    2010年 2015年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年

    総数 43,272 43,269 43,293 42,872 42,097 41,082 39,904 38,647

    ~14歳

    (年少人口) 6,400 5,792 6,050 5,636 5,215 4,820 4,598 4,451

    15~64歳

    (生産年齢人

    口)

    27,479 25,457 26,423 25,907 25,547 24,886 23,724 21,915

    65歳~

    (老年人口) 9,157 10,636 10,820 11,329 11,335 11,376 11,582 12,281

    高齢化率 21.3% 25.4% 25.0% 26.4% 26.9% 27.7% 29.0% 31.8%

    (人推計値

  • 38

    年(2010年)推計の将来人口をもとに、死亡者数の推計を行うものとする。

    2)死亡者数の推計

    人口問題研究所発表の人口推計データ及び5年間の生残率をもとにして求めた弥富市の死

    亡者数の推計値を図14及び表8に示した。

    国立社会保障・人口問題研究所の推計値及び生残率をもとに計算

    図 14 弥富市の死亡者数の推計値(5年間の平均値)

    表 8 弥富市の死亡者数の推計値(5年間の平均値)

    推計年 2012-2016年

    度平均 2016年度

    2016-

    2020年

    2021-

    2025年

    2026-

    2030年

    2031-

    2035年

    2036-

    2040年

    死亡者数推計値

    (人) 375.6 397 441 489 526 551 559

    増加率

    2012-2016年

    度平均を基準 1.17 1.30 1.40 1.47 1.49

    2016年度を基

    準 1.11 1.23 1.32 1.39 1.41

    2016-2020年の5年間の死亡者数の平均は441人、2021-2025年は489人、2026-2030年は

    526人、2031-2035年は551人、2036-2040年は559人となり、この頃には死亡者数の増加が

    鈍化しはじめ、2040年前後が死亡者数のピークと想定される。

    ※2040年から2045年の生存率を2035年から2040年の生存率と同じとして死亡者の試算

    してみると、死亡者数は550人となり、減少する。

    想定されるピーク期 2036-2040年

    2012-2016年度平均死亡者数に対して1.49倍に増加

    2016年度死亡者数に対して1.41倍(559体)に増加

    441

    489

    526 551 559

    0

    100

    200

    300

    400

    500

    600

    2016-2020年 2021-2025年 2026-2030年 2031-2035年 2036-2040年

    95歳以上

    90~95歳

    85~89歳

    80~84歳

    75~79歳

    70~74歳

    65~69歳

    60~64歳

    55~59歳

    50~54歳

    45~49歳

    40~44歳

    35~39歳

    30~34歳

    25~29歳

    20~24歳

    15~19歳

    10~14歳

    5~9歳

    0~4歳

    (人)

  • 39

    ピークと予想される2036-2040年における月別の火葬件数の推計値を表9に示した。

    表 9 弥富市のピーク時における月別の1日当たりの火葬件数の推計値(件)

    4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 平均 計

    2012-2016年度

    平均市内火葬数 30.6 25.8 30.4 25.6 28.2 29.8 27.6 30.8 31.4 34.6 31.8 34.6 30.0 359.4

    ピーク時火葬数

    (2036-2040年) 47.6 40.1 47.3 39.8 43.9 46.4 42.9 47.9 48.8 53.8 49.5 53.8 46.8 559.0

    死産児想定数 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 0.6 7.0

    ピーク時合計 48.2 40.7 47.9 40.4 44.5 47.0 43.5 48.5 49.4 54.4 50.1 54.4 47.4 566.0

    1日平均火葬数 1.6 1.3 1.6 1.3 1.4 1.6 1.4 1.6 1.6 1.8 1.8 1.8 1.6 -

    稼働日1日平均

    火葬数 1.9 1.6 1.9 1.6 1.7 1.9 1.7 1.9 1.9 2.2 2.1 2.1 1.9 -

    ※月の友引日を5日として稼働日1日平均火葬数を計算した

    1月正月を含め6日とし、2月は日数が少ないため4日として計算した

    2036-2040年の推計火葬数の全てを火葬するものとし、2012-2016年度平均市内火葬数

    に応じて月別に按分した。市内優先とすることから、市外大人の件数は想定せず、死産

    児は2012-2016年度平均と同じ数を想定した。

    死産児を含め年間566件の火葬を行うものとし、最大月で1日当たりの火葬数の平均は1.8

    件/日であった。最少は1.3件/日となり、年間平均は1.6件/日となった。

    稼働日1日平均火葬数をみると、1月が最大で2.2件/日となり、5月と7月が最小で1.6件/日

    となった。

  • 40

    3.必要基数について

    1)必要基数について

    2036-2040 年のピーク期において、死亡者数は 2016 年度(平成 28 年度)の 1.41 倍の 559

    体と推計されている。

    2036-2040 年のピーク期における年間死亡者数 559 人

    市外は考慮せず、ピーク期における火葬数は死産児 7 体を含めると 566 体となる。

    2036-2040 年のピーク期における年間火葬件数 566 体

    現在火葬炉 3 基で、1 日当たり最大 7 件の受入れを行っている。

    2016 年度(平成 28 年度)は 400 件の火葬を行っているが、1 日当たり 4 件以下の日が

    98.0%を占めていた。2016 年度(平成 28 年度)の死亡者数は 397 人で火葬数とほぼ同数で

    ある。

    2036-2040 年のピーク期において、死亡者数は 2016 年度(平成 28 年度)の 1.41 倍とな

    る。

    毎日平均的に人が亡くなる訳ではなく、日によって変動がみられる。火葬は友引前後に集

    中することが多いため、火葬の受入れは日によっても異なっている。火葬待ちの日数を少な

    くし、遺族の希望に応えられるには、件数の変動も考慮する必要がある。

    図 15 に 2016 年度(平成 28 年度)の日別の火葬件数の火葬実績をもとにピーク期の基準

    倍数を掛けたグラフを示した。

    図 15 日別の件数の 2016 年度実績をもとにした推計

    火葬数が 1.41 倍となっても、現状と同様の火葬希望の状況であれば、1 日当たり 7 件の

    火葬が行えれば、ピーク期でも火葬炉 3 基で対応できるものと思われ、火葬待ちの問題は発

    91

    100

    62

    35

    105

    1

    62

    35

    10

    510

    20

    40

    60

    80

    100

    120

    0件 1件 2件 3件 4件 5件 6件 7件 8件 9件

    2016年度 ピーク期推計

    (日)

    2016 年度の件数を 1.41 倍したもの

  • 41

    生しないと思われる。

    現状は 11:30 と 12:30 の火葬希望が多いことから、なるべくその時間帯の受入を増やす

    ものとする。

    以上の検討から、ピーク期においても火葬炉 3 基で対応は可能であると思われるので、必

    要火葬炉数は 3 基とするが、故障に伴う修理、補修、市外からの受入や火葬件数の変動等に

    も柔軟に対応できるよう、1 基の予備スペースを設けるものとする。

    必要火葬炉数 3 基 予備スペース 1 基

  • 42

    2)タイムスケジュールと平面構成の検討

    必要火葬炉数を 3 基と想定したが、平面構成の検討と合わせタイムスケジュールの検討を

    行うものとする。

    火葬炉 3 基で 1 つの炉前ホールを構成した場合と、炉前ホールを火葬炉 2 基と火葬炉 1 基

    で 2 分割した場合の 2 案について検討を行った。

    ①炉前ホールと収骨室で構成した場合

    1つの炉前ホールとし収骨室を設けた平面構成とし、現在と同じ受入時間とした場合のタ

    イムスケジュール案を図 16 に示した。

    火葬の時間等は以下の設定とした。

    火葬炉運転間隔 = 告別時間+火葬時間+冷却時間+収骨時間+準備時間

    = 10 分 + 60 分 + 20 分 + 20 分 + 60 分

    = 170 分 (約 3 時間)

    収骨室への火葬台車の移動や準備・片付けを考慮し、準備期間は 60 分と設定した。収骨は

    10 分程度で終了しているが、片付けを含め余裕をみて 20 分とした。

    図 16 1つの炉前ホールとし収骨室を設け、現在と同じ受入とした場合のタイムスケジュール案

    火葬炉の受入れ間隔は 3 時間で、9:30 から 1 時間毎に 1 件の受入とする。最後の 15:00

    の火葬受入のみ終了時間の問題もあるため、14:30 から 30 分後の受入とした。

    収骨室を設ける事により、火葬時間や到着が前後しても会葬者を待たせること無く対応が

    可能であるが、希望が多い 11:30、12:30 前後の時間帯の受入を増やすことはできない。

    受入れ間隔を短くすると、炉前ホールの輻輳がみられるようになり、会葬者の到着待ちが

    発生する確率が高くなる。

    ②炉前ホールを 2 分割した場合

    炉前ホールを火葬炉 2 基と火葬炉 1 基で 2 分割した場合のタイムスケジュール案を図 17

    に示した。

    現状は 11:30 と 12:30 の火葬希望が多いことから、なるべくその時間帯の受入を増やす

    ものとし、火葬の時間等は以下の設定とした。

    火葬炉運転間隔 = 告別時間+火葬時間+冷却時間+収骨時間+準備時間

    = 10 分 + 60 分 + 20 分 + 20 分 + 10 分

    = 120 分 (2 時間)

    告別 収骨 火葬炉

    告別 火葬 冷却準備 収骨 告別 火葬 冷却準備 収骨 告別 火葬 冷却準備 収骨

    10分 60分 20分 20分

    告別 火葬 冷却準備 収骨 告別 火葬 冷却準備 収骨

    告別 火葬 冷却準備 収骨 告別 火葬 冷却準備 収骨

    告別10分、火葬60分、冷却10分、収骨準備10分、収骨20分 火葬炉の受入れ間隔3時間

    1

    3

    1 2 2

    16:30 17:0011:30 12:00 12:30 13:00 13:30 14:00 14:30 15:00 15:30 16:009:00 9:30 10:00 10:30 11:00

  • 43

    炉前ホールで収骨を行うことから、火葬台車の移動を考慮する必要がないため、準備時間

    を 10 分とした。

    図 17 炉前ホールを火葬炉 2 基と火葬炉 1 基で 2 分割した場合のタイムスケジュール案

    火葬炉の受入間隔を 2 時間とした場合、11:00~12:00 の時間帯に 3 件、13:00 から 14:

    00 の時間帯に 3 件の受入が可能となる。

    職員数は多く必要となるが、希望の時間帯の受入枠を増やすことが可能となる。

    ピーク期においても冬場の繁忙期において 1 日平均 2.2 体であることから、平均的に火葬

    が行われれば、希望時間の要望に対する対応は十分可能と思われる。

    告別 収骨 火葬炉

    告別 火葬 冷却準備 収骨 告別 火葬 冷却準備 収骨

    10分 60分 20分 20分

    告別 火葬 冷却準備 収骨 告別 火葬 冷却準備 収骨 告別 火葬 冷却準備 収骨

    告別 火葬 冷却準備 収骨 告別 火葬 冷却準備 収骨

    告別10分、火葬60分、冷却10分、収骨準備10分、収骨20分 火葬炉の受入れ間隔2時間

    3

    1

    2

    16:00 16:30 17:00

    1

    2

    15:00 15:3014:00 14:3011:30 12:00 12:30 13:00 13:3011:009:00 9:30 10:00 10:30

  • 44

    4.動物炉の設置について

    現在の火葬場にも動物炉が設置されており、利用件数も多い。

    愛玩動物としてペットに愛着がある方が増えており、遺骨を引き取りたいと収骨を希望す

    るケースが増えている。近隣自治体の火葬場にも動物炉が設置されているところもみられる

    が、火葬は他の動物とまとめて行われ、立会いや収骨ができない形式となっているところが

    多数となっている。

    新火葬場でも動物炉 1 基の設置を予定するが、告別が行えるなど火葬の立会いができるも

    のとするが、収骨は行えないものとする。

    遺体の火葬で訪れている遺族に対して配慮が必要であるため、動物炉設置に当たっては専

    用の入口を設け、独立した休憩場所を設ける必要がある。

  • 45

    5.必要機能について

    1)火葬場の機能

    火葬場は、誰にでも避けることのできない、死に関わり、全ての人の生活に密着した施設

    である。

    遺体との最後のお別れとなる「告別行為」、火葬炉に入るのを見送る「見送り行為」、焼骨

    を確認し遺族らによる骨あげを行う「収骨行為」によって、故人の死を確認し死を受容する

    場となっている。

    葬送行為の流れと火葬場の機能図を図18に示した。

    図 18 葬送行為の流れと火葬場の機能図

    一般的に火葬場での葬送行為の流れは、次の通りとなる。

    ①霊枢車を先頭にした葬列車両が車寄せに到着する。

    ②告別室など告別スペースで最後のお別れを行う。

    ③炉前・見送りスペースで柩が火葬炉に納まることを確認し見送りを行う。

    ④火葬炉設備で火葬を行う。

    ⑤火葬が終わる時間までの時間をゆったりと待合室で過ごす。

    ⑥収骨室など収骨スペースで遺骨と対面し収骨を行う。

    ⑦焼骨とともに火葬場を後にする。

    退場:焼骨とともに火葬場を後にする(エントランス)

    収骨:遺骨と対面し収骨を執り行う(収骨)

    待合:火葬終了までの時間をゆったりと待つ(待合)

    火葬:遺体を火葬し焼骨に(火葬炉)

    見送り:柩が火葬炉に収まるのを確認(告別)

    告別:最後の別れを告げる(告別)

    到着:霊枢車と葬列車両を迎える(エントランス)

    遺体・遺骨 喪主・代表者

    会葬者 スタッフ 動物火葬利用者

    火葬炉

    機械設備

    告別

    収骨

    エントランスホール

    事務

    動物受付

    待合・待合ロビー

    告別

    収骨

    自宅・葬儀式場から

    管理諸室

  • 46

    2)必要な機能

    「弥富市墓地、埋葬等に関する法律施行細則」では、火葬場の構造設備の基準を次のとお

    り規定している。

    ア 境界には、塀、柵、樹木等により1.8メートル以上の障壁を設けること。

    イ 火葬室は、他の建物と2.7メートル以上隔てること。

    ウ 火葬室は不燃材料で構成し、床は厚さ10センチメートル以上の耐水材料で構成し、

    不浸透質材料で上塗りすること。

    エ 火葬室の天井の高さは、4メートル以上とすること。

    オ 火葬炉には、十分な防塵、防臭及び防音装置を設けること。

    カ 焼骨及び灰置場は適当な大きさとし、屋根は不燃質材料で構成し、周壁及び底は耐

    火材料で構成の上防水装置を施して、出入口には施錠装置を設けること。

    キ 煙突は、高さ18メートル以上、口径0.4メートル以上として、消煙装置を設けるこ

    と。

    ただし、市長が土地の状況その他特別の事由により公衆衛生、風致その他公益を害する

    おそれがないと認めるときは、この限りでない。

    新火葬場の機能については、現弥富市火葬場の設備内容に基づき、また、最近竣工した他

    の火葬場の機能も参考にしながら計画するものとする。

  • 47

    3)新火葬場の機能

    条件及び現状の使い方を含め検討を行い、現火葬場と想定する新火葬場の機能の比較に

    ついて表10に示した。

    表 10 現火葬場と想定する新火葬場の機能の比較

    名称 現火葬場 新火葬場

    車寄せ ○ ○

    エントランスホール × 炉前ホールと兼ねる ○ 1ヵ所

    告別室(告別ホー

    ル) ×

    ○ 告別・見送り・収骨を一体化

    火葬炉2基1室で構成 炉前ホール ○

    収骨室 ×

    事務室 × ○ 1室

    火葬炉監視室 × ○ 1室

    職員用WC 〇 〇 1室(事務・火葬職員兼用)

    台車置場 × ○ 1ヵ所

    残灰室 ○ ○ 1室

    霊安室 × ○ 1室

    動物受付室 × 〇 1室

    動物告別室 〇 〇

    1室

    (告別のみで個別収骨は行わな

    い)

    火葬炉設備

    火葬炉 ○ 3基 ○ 3基

    汚物炉 × ×

    動物炉 ○ 1基 ○ 1基

    集じん装置 × ○ バグフィルター

    待合室 ○ 和洋室1室、和室3室 ○ 和洋室3室(30人収容)

    (既存待合含む)

    待合ロビー ○ ○ 1ヵ所

    売店 × × 利用が少ないと思われ自販機対応

    自動販売機 〇 ○ 1ヵ所程度

    給湯室 ○ 1ヵ所 ○ 各待合室内計3ヵ所

    (既存待合含む)

    授乳室 × ○ 1ヵ所

    キッズコーナー × ○ 1ヵ所

    WC(多目的WC) ○ 1ヵ所 ○ 男女各1ヵ所、多目的WC1ヵ所

    喫煙所 ○ 2ヵ所 ○ 1ヵ所(屋外設置)

    控室 × ×

    なし

    (僧侶や葬祭業者の控室は設置し

    ない)

    乗用車 ○ 10台 ○

    33台

    (8台×同時4会葬=32台、

    動物火葬1台)

    身障者用 × ○ 2台

    マイクロバス × 空いているところに停車 ○ 4台

    職員用 〇 〇 5台

    ※告別室、炉前ホール、収骨室は計画によっては個別に設置できる

  • 48

    第4章 基本条件の設定

    1.基本理念の設定及びコンセプトの策定

    2.公害防止等に係る数値の設定及び防止対策

    3.火葬炉設備の形式及び構成

    4.土地利用計画

    5.諸室計画

    6.準拠する法令

  • 49

    第4章 基本条件の設定

    1.基本理念の設定及びコンセプトの策定

    新火葬場の整備にあたり、施設整備の基本方針を次のように定める。 ①将来の多様なニーズに対応できる施設づくり ⇒将来の火葬需要と葬送の多様化に対応します ・地域の葬送習慣を踏まえ、将来増加する火葬需要や多様化する葬送に関して、市民のニ

    ーズに将来にわたって的確に応えられる施設とする。 ②会葬者に配慮した人生の終焉の場に相応しい施設づくり ⇒落ち着きと安らぎの感じられる施設とします ・閉鎖的な空間ではなく、自然光の活用など、明るい雰囲気でありながらも、人生の終焉

    の場として落ち着きと安らぎの感じられる施設をイメージする。 ③安全・安心な人にやさしい施設づくり ⇒災害対策を図り、ユニバーサルデザインを採用した誰もが使いやすい施設とします ・災害対策を十分に考慮した安全な建物とし、ユニバーサルデザインの採用など利用する

    方に配慮した施設づくりを行う。 ④周辺環境に配慮した潤いある施設づくり ⇒周辺環境にやさしい施設を計画します ・従来のイメージを払拭し、地域性を感じられるデザインとするなど、地域と共存を図り、

    周辺環境に配慮した施設とする。 ⑤環境に配慮し、維持管理がしやすく効率的な施設づくり ⇒費用対効果を見込んだ整備手法の決定と効率的な施設を計画します ・効率的な運営が行えるコンパクトな施設とし、周辺環境への影響を少なくするためダイ

    オキシン類・ばい煙を除去する火葬炉設備を導入し、省エネルギー化や維持管理の低減

    など長期的な見地からコスト削減に取り組む。

  • 50

    2.公害防止等に係る数値の設定及び防止対策

    1)火葬炉設備に関するダイオキシン類対策

    物が燃焼によって発生する排ガス中のダイオキシン類は、火葬炉においても免れない。燃

    焼温度の高温化や滞留時間の確保、高性能な集じん装置の設置が図られるようになってきて

    いる。今後は、火葬炉の特殊な条件に対応し、より簡易で費用の節減が図られる技術対策が

    望まれる。

    「火葬場から排出されるダイオキシン類削減対策指針」については、火葬場から排出され

    るダイオキシン削減対策検討会から平成12年3月に示されている。

    同指針の中で「本指針は火葬場から排出されるダイオキシン類削減のために火葬炉がどう

    あるべきかを示したものであり、原則として、新設炉、既設炉を問わず日常的に使用されて

    いる火葬場すべてに適用されるべきものと考えられる。

    しかしながら、既設の火葬場において新たに再燃焼室の設置、集じん器の設置等が諸々の

    事情により困難な場合も考えられる。そのような場合には、適正な運転管理を実施すること

    により、できる限りダイオキシン類削減のための努力を行う必要がある。」と述べられ、この

    指針の適用対象は「日常的に使用されている火葬場」とし、具体的には年間50件以上の火葬

    場を対象としている。

    ダイオキシン類の削減対策がなされた火葬炉システムフローを図19に示した。

    参考:火葬場から排出されるダイオキシン類削減対策指針 (火葬場から排出されるダイオキシン削減対策検討会 平成12年3月)

    図 19 ダイオキシン類の削減対策がなされた火葬炉システムフロー

    前 室 燃料 (灯油・ガス等 )

    燃料 (灯油・ガス等 ) 空気

    空 気

    再燃焼バーナー

    主燃焼バーナー

    再燃焼室

    主燃焼室

    排ガス

    冷却装置

    集じん装置 誘引排風機

    排 気 筒

    冷却 空気

    ・各燃焼室で十分な容積の確保 ・再燃焼室における滞留時間の確保 ・再燃焼室の適切な 使用 ・燃焼中は各燃焼室を800℃以上に保つ

    ・排ガスの測定 ・高効率な集じん器の設置

    ・排ガス温度の低温化

    集じん灰

    残骨灰

    ・集じん灰を残骨灰と

    分別して適正に処理

    ・副葬品の制限

    ・温度計の設置

  • 51

    火葬炉におけるダイオキシン類の削減対策の概要は次のとおりである。

    ①施設運営について

    ・定期的に火葬炉、集じん器等を点検するとともに、集じん器等に堆積した灰を除去する

    こと。

    ・排ガス中のダイオキシン類濃度等を定期的に測定し、施設運営に反映させること。

    ・多量の副葬品等については、安定燃焼の妨げになることから制限を行うことが望ましい。

    ②燃焼設備

    ・炉の構造として、安定した燃焼を行うことができるよう各燃焼室の容積を確保するととも

    に、再燃焼室における滞留時間を最大燃焼ガス量に対して1秒以上確保すること。

    ・1つの主燃焼室に対して1つの再燃焼室を設置し、再燃焼室を適切に使用すること。

    ・燃焼方法については、再燃焼室を予熱し、燃焼中の温度を各燃焼室とも800℃以上に保つ

    こと。

    ③集じん器の設置

    ・バグフィルター等高効率な集じん器を設置すること。

    ④排ガス濃度の指針値

    ・新設炉の排ガス中のダイオキシン類濃度の指針値 1ng-TEQ/㎥N

    ・既設炉の排ガス中のダイオキシン類濃度の指針値 5ng-TEQ/㎥N

    ⑤残骨灰及び集じん灰の処理について

    ・残骨灰については、墓地・埋葬等に関する法律の趣旨※に鑑み適正に取り扱うこと。

    ・集じん灰については、残骨灰と分別し適正に処理すること。

    ※ 墓地・埋葬等に関する法律

    (法律の目的)

    第1条 この法律は、墓地、納骨堂又は火葬場の管理及び埋葬等が、国民の宗教的感

    情に適合し、且つ公衆衛生その他公共の福祉の見地から、支障なく行われることを

    目的とする。

  • 52

    2)火葬炉設備の基本方針

    火葬炉の仕様に関する事項は、法令等に定められていないが、火葬炉設備の設計・施工に

    当たっては、関連する法令等を参考にしている。

    火葬炉設備に関する基本方針は次のとおりとする。

    ①ばい煙、悪臭、騒音、振動及びダイオキシン類の除去対策等公害防止に十分配慮し、並

    びに周辺環境にも十分配慮した設備機器とすること。

    ②諸設備は高い安全性と信頼性及び十分な耐久性を有し、かつ維持管理が容易なものであ

    ること。

    ③火葬炉の運転・維持管理の省力化及び諸経費の軽減が図られた設備であること。

    ④遺体の尊厳に十分配慮した設備であること。

    ⑤施設の作業環境及び労働上の安全・衛生に十分配慮した設備であること。

    ⑥炉停止等の緊急時における体制・対応が整備されていること。

    ⑦災害時の対応を考慮した設備であること。

  • 53

    3)公害防止目標値(排出基準値)の例

    現在、火葬炉設備は大気汚染防止法の対象施設とはなっていないが、他市の火葬場では同

    法及びその他関連条例等に定めている規制基準値を目標値として、周辺の環境に合わせて独

    自に基準値を定めている例が多い。

    火葬場の建設に当たっては、施設整備の基本方針の一つである「周辺環境に配慮した彩り

    豊かな潤いある施設づくり」に基づき、「火葬場の建設・維持管理マニュアル―改訂版―」(平

    成24年12月20日 日本環境斎苑協会)に示されている目標値例や関係法令等を参考に、バグフ

    ィルターを設置した場合の火葬炉設備の公害防止目標値(排出基準値)の例を以下に示す。

    ①排ガス濃度(排気筒出口):

    ばいじん量 :0.01g/㎥ N

    硫黄酸化物 :30 ppm 以下

    窒素酸化物 :250 ppm 以下

    塩化水素 :50 ppm 以下

    一酸化炭素 :30 ppm 以下

    ダイオキシン類:1.0ng-TEQ/㎥ N(酸素濃度12%換算値とする)

    ②悪臭物質濃度(事業場の敷地境界線)

    アンモニア :1 ppm 以下

    メチルメルカプタン :0.002 〃

    硫化水素 :0.02 〃

    硫化メチル :0.01 〃

    二硫化メチル :0.009 〃

    トリメチルアミン :0.005 〃

    アセトアルデヒド :0.05 〃

    プロピオンアルデヒド :0.05 〃

    ノルマルブチアルデヒド :0.009 〃

    イソブチルアルデヒド :0.02 〃

    ノルマルバレルアルデヒド:0.009 〃

    イソバレルアルデヒド :0.003 〃

    イソブタノール :0.9 〃

    酢酸エチル :3 〃

    メチルイソブチルケトン :1 〃

    トルエン :10 〃

    スチレン :0.4 〃

    キシレン :1 〃

    プロピオン酸 :0.03 〃

    ノルマル酪酸 :0.001 〃

    ノルマル吉草酸 :0.0009 〃

    イソ吉草酸 :0.001 〃

  • 54

    ③臭気濃度