本田技研工業株式会社 i シティ・ブレーキ・アクティブ・シ...

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本田技研工業株式会社 I シティ・ブレーキ・アクティブ・システム 通称名 車両型式 DAA-RU3 VEZELHYBRID I DAA-RU4 1 概要(図 1-1) 出典資料 サービスマニュアル 60T7BDOO シティ ・ブ レーキ・ アクティブ(以降, CTBA と表記)シス テムは,フロント・ウインドウに設置した CTBA システム ・レー ダ/コントロール・ユニットにより前方障害物を検知して低速 (30km/h 以下)での追突事故 に対して警報(警告灯+ブザー)とブレーキ制御により事 A故被害軽減もしくは事故回避を支援する装置である 。 また CTBA システムには,低速域衝突被害軽減ブ レーキ機能及び誤発進抑制機能が設定されている 。 なお, CTBAシステムは,追突事故に対 して事故被害軽減も しくは事故回避を支援することを目的として 開発されたシステムであり,あらゆる状況で衝突を回避できるシステムではないため,正 しく運転しないと 衝突などの事故につながり,死亡または重大な障害に至るおそれがある 。 【低速織衝突被害軽減ブレ ーキ 作動イメージ】 ブレーキ制御 I 1 概要 171

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  • 本田技研工業株式会社

    I シティ・ブレーキ・アクティブ・システム

    通称名 車両型式

    DAA-RU3 VEZEL HYBRID I

    DAA-RU4

    1 概要(図 1-1)

    出典資料

    サービスマニュアル 60T7BDOO

    シティ ・ブレーキ・ アクティブ(以降, CTBAと表記)システムは,フロント・ウインドウに設置したCTBA

    システム ・レーダ/コントロール・ユニットにより前方障害物を検知して低速(30km/h以下)での追突事故

    に対して警報(警告灯+ブザー)とブレーキ制御により事A故被害軽減もしくは事故回避を支援する装置である。

    またCTBAシステムには,低速域衝突被害軽減ブレーキ機能及び誤発進抑制機能が設定されている。

    なお, CTBAシステムは,追突事故に対して事故被害軽減も しくは事故回避を支援することを目的として

    開発されたシステムであり,あらゆる状況で衝突を回避できるシステムではないため,正しく運転しないと

    衝突などの事故につながり,死亡または重大な障害に至るおそれがある。

    【低速織衝突被害軽減ブレーキ 作動イメージ】

    ブレーキ制御

    図 Iー 1 概要

    171

  • -E軍司哩~']・・

    2 構造・機能

    1 ) 全体配置(図 1-2)

    C丁目Aシステム警告灯

    VSAモジュレータ

    コンヒネーション ・メータ

    電動サーボ・

    ブレーキ・システム

    PGM-FI ECU

    図 1-2 全体配置

    2) システム・ブロック(図 1-3)

    シティ ・プレーキ・

    アクティブ ・システム・

    レーダ/コントロール ・

    ユニット

    -距離/相対速度に基づく

    衝突判断

    -ブレーキ減速度演算

    リアクティブ・フォース・

    ペダル・ドライバ

    アクセル・ペダル・

    センサ

    ストローク・センサ

    F-CANライン

    車両情報

    -プレーキ指示

    ・表示指示

    -車輪速

    -コーナリング・

    フォース

    ブレーキ指示

    シティ ・ブレーキ・E 舵角アクティプ・システム作動情報

    ブレーキ・ストロークスイッチ

    情報

    表示指示

    VSAモジュレータ・コントロル・

    ユニット

    ヨー ・レートIGセンサ

    自動ブレーキ発生

    図Iー3 システム・ブロック図

    -172 -

    ホイール -センサ

    マルチ ・インフォメー

    ション・ディスプレイ

    作動/非作動設定

    ・システム状態表示

  • 3) 構成部品の構造・機能

    (1) CTBAシステム・レータ/コントロール・ユニット(図 1-4, 5)

    CTBAシステム・レーダ/コントロール・ユニットは,フロント・ウインド・ガラス中央上部に設置され,レー

    ダ発信機・受光レンズ・遮蔽検知専用 LEDおよびECUなどから構成されている。

    CTBAシステム・レーダ/コントロール・ユニットは, レーダ発信機から車両前方に向けて3本のレーザ光

    を照射し,前方障害物などに反射したレーザ光が受光レンズ、に戻ってくるまでの時間を計測,演算すること

    で対象物までの距離を算出して,前方車両との車間距離と相対速度を検出して衝突の危険性の判断を行って

    いる。

    CTBAシステム・レーダ/コントロール・ユニットは, F-CANラインにより,関連スイッチおよびセンサ,

    ECUからの信号の受け取り,各制御信号を各ユニットに出力する。

    レーザ受光レンズ

    カバー

    C丁目Aシステム・レーダ/コントロール・ユニット

    中央レーザ 左レーザ

    図1-4 CT8Aシステム・レータ/コントロール・ユニット

    -173 -

  • -E団哩~:.

    〈検知範囲〉

    CTBAシステムのレーダ検知範囲は,車両先端から 6.2m.左右方向で2T. 上下方向で120 の範囲内にある

    車両を検知している。

    検知範囲

    図 1-5 検知範囲

    (2) VSAモジュレータ

    CTBAシステム・コントロール・ユニットからのブレーキ要求信号を受け,アクチュエータを作動させブレー

    キ圧を発生させ,ブレーキ制御を行う。また,ブレーキ・ライト・リレーを駆動してブレーキ・ライトを点

    灯させる。

    ホイール・センサ,ヨー・レート /Gセンサなどからの信号により,車輪速度,ヨー・レート,横Gなどを

    CTBAシステム・レーダ/コントロール・ユニットに出力する。

    (3) 電動サーボ・ブレーキ・コントロール・ユニット

    ブレーキ・ペダルのストローク量をCTBAシステム・レーダ/コントロール・ユニットに出力する。

    (4) PGM-FI ECU

    CTBAシステム・コントロール・ユニットからの制御信号を受け,エンジン出力抑制制御を行う。また,

    リアクティブ・フォース・ペダル・ ドライパに荷重(反力)指示を出力する。

    アクセル・ペダル開度を CTBAシステム・レーダ/コントロール・ユニットに出力する。

    - 174 -

  • -E団喧~=-

    (5) コンビネーション・メータ(図 1-6)

    CTBAシステム・コン トロ ール・ユニッ トか らの表示要求信号を受け,CTBA警告灯の点灯・ブザー吹鳴

    を行う 。また,システム異常H寺は CTBA警告灯とブレーキ警告灯(糧)の点灯とディスプレイに表示を行う 。

    CTBAシステム OFF情報を CTBAシステム ・レーダ/コン トロール・ユニッ トに出力する。

    C丁目Aシステム嘗告灯

    システム異常時

    【テ‘ィスプレイ表示例】

    ブレーキ警告灯

    図 1-6 コンビネーショ ン・ メータ

    (6) マルチ・インフォメーション・スイッチ(図 1-7)

    マルチ・インフォメーション・スイッチを操作すること

    で, CTBAシステムのON/OFFカ苛子える。

    システム作動時

    図 1-7 マルチ・インフォメーション・スイッチ

    -175 -

  • -E高司哩~]・・

    4) 制御/機能

    (1) 事故被害軽減・事故回避支援機能(図 1-8)

    事故被害軽減・事故回避支援機能は,自車速度5-30km/hで走行中に前車のほほ真後ろから追突事故に至

    りそうな場合. CTBAシステム ・レーダ/コントロール・ユニットより F-CANラインを経由してVSA(ブ

    レーキ・アシスト制御+ブレーキ・ライト点灯)とコンビネーション・メータ(警告灯+ブザー)を駆動させ,

    事故被害軽減もしくは事故回避支援を行う。また.CTBAシステム作動時には,同時にリアクテイブ ・フ ォー

    ス・ペダル出が作動する。なお,衝突を回避しようとしてブレーキやハンドルを操作したときは, システム

    は解除される。

    ※リアクテイブ ・フォース・ペダル装備車

    (作動条件〉

    -自車の車速が.30km/h以下

    ・シフ ト位置が. P. N. R以外

    ・CTBAシステムを OFFにしていない

    1・ーブレーキ保持約2秒 41マルチ・インフォメーション・

    ディスプレイ装備事

    tm- 点滅 -j圃圃 点灯 ‘! ー.岨・・圃 '.・Eヨ・ '. マルチ・インフォメーション・

    ディスプレイ非装備車国語……・よ、ti--一一-4SE--さ唯一。:・

    ブザー ~O) 断続音ピピピ・ー ' E3 ;自音 i

    反力なし ; '

    図 1-8 事故被害軽減 ・事故回避支援機能作動概要

    〈事故被害軽減・事故回避支援機能の注意事項〉

    . CTBAシステムは,あらゆる1犬況で衝突を回避できるシステムではない。

    -正しく運転しないと衝突などの事故につながか死亡または重大な傷害にいたるおそれがある。

    [システムを正しく作動させるための注意事項]

    システムを正しく作動させるため以下の点を守ること。

    ・ガラスを拭くときは. CTBAシステム・レーダ/コントロール・ユニ ットに衝撃を与えない0

    .フロント・ガラス上部に汚れ(氷や霜を含む)があるときは取り 除く 。

    ・タイヤは,四輪とも同一指定サイズ,同一種類,同一銘柄,及び摩耗差の無いタイヤを使用する。

    [システムが作動しないことがある場合について]

    以下のような場合, 車両を正しく検知できず作動しない場合がある。

    -前方の車両が斜め,横向 き,対 向の場合で, 車両を検知しにくいとき

    .前方の車両との車間距離が極端に短いとき

    -176一

  • -Eヨ置喧面温・・

    -自車と前方の車両との相対速度差が大きいとき

    -自車の前方に別の車両が割り込み 急な減速を行ったとき

    ・急加速を行い,前方の車両に接近しているとき

    -自車の前方に対向車が急に飛び出したとき

    -白車が対向車の前に急に飛び出 したとき

    -雨,霧,雪などの悪天候のとき

    ・カーブなど,道路状況によりレーザ、の検知がしにくいとき

    -前方車両が著しく汚れているなどで レーザの反射が弱く検知しにくいとき

    -キャリア・カーなど特殊な形状の車,自転車, 二輪車などや,物の材質,形状,大きさなどにより, レー

    ザカ斗食知しにくいとき

    [システムが自動的に停止することがある場合について]

    以下の場合,システムが自動的に停止する場合がある 0

    ・雨,霧,雪などの悪天候のとき

    ・フロン ト・ガラス上部が誇り,泥,雪,氷,霜などで覆われているとき

    .フロント・ガラスが結露しているとき

    ・センサが高温になったとき

    センサの温度が高くなったときや,汚れで車両が正しく検知できないときは,システムが自動的に停止し,

    I CTBA I 表示灯が点灯し,マルチ・インフォメーション・ディスプレイにメッセージが表示される。この場

    合は,安全な場所に車両を停止して,エアコンなどで車内の温度を下げたり,フロント・ガラスの汚れを拭

    き取る。また, システムが作動できる状態になると,システムは自動復帰する。

    [衝突の可能性がない場合の作動について]

    衝突の可能性が無くても,以下の場合,システムが作動する場合がある 0

    .追越しゃ交差点などで前方の車両や対向車に接近して走行するとき

    -低いゲートや狭いゲートなどを規制速度を超えるような速度で通過しようとするとき

    ・段差のある道路,線路,工事の鉄板などの上を走行するとき

    ・カーブ途中の道路脇に標識やガード・レールなどに接近して走行するとき

    ・駐車時等,停止している車両や壁に接近するとき

    ヴーヴ

    t句

    EA

  • -・置団哩E・-

    (2) 発進時・低速走行時における誤発進抑制機能(図 1-9)

    発進時・低速走行時における誤発進抑制機能は,発進時や低速走行時,前方車との車間距離,アクセル・ペ

    ダル開度,車輪速からの情報をもとにCTBAシステム ・レー ダ/コントロール・ ユニッ トが自車前方車両へ

    の誤発進だと判断した場合,警報及びリアクティブ ・フォース ・ペダル※を作動させることでブレーキ ・ペ

    ダルへの踏替えを促すとともに, ドライパのアクセル ・ペダル操作に対してエンジン及びモータ駆動出力を

    最大4秒間制限することによって,衝突までのペダル踏替え時間の確保と急加速抑制制御を行う 。

    ※リアクテイブ・フォース ・ペダ、ル装備車

    〈作動条件〉

    ・自車の車速が. lOkm/h以下

    ・シフト位置が. P. N. R以外

    ・CTBAシステムを OFFにしていない

    (機能解除条件〉

    -アクセル ・ペダルを放したとき

    -アクセル・ペダルを約4秒間踏み続けたとき

    .ブレーキ・ペダルを踏んだとき

    -ステアリングを操作して,衝突を避けようと したとき

    システム作動告知

    アクセル燥作

    ドライバのアクセル操作(システム制御なし時)

    ,--------_...ーーーーー・・・・・・・・・・・ーーーーー・・・ーーーー---i ・・・-,~ アクセル開度を制限 吋・・b

    a〆 エンジン及び 司F" モータ駆動出力抑制

    チLメ一長詩謡品孟長 _;ilI:tJ置圃E一…………….………….一…………….一………….………….一…….……………….……………-………….…………….一……….……….…….…,?iillt

    チ俗芸品_;ilI:tJ 圃一一一一一一一一・2一一一一………斗・

    フザー

    リアクティブフォース・ベダル

    司命断続音ピピピ

    反力あり

    反力なし

    図1-9 発進時・低速走行時における誤発進抑制機能作動概要

    〈誤発進抑制機能の注意事項〉

    -誤発進抑制機能は,あらゆる状況でアクセル ・ペダルの踏みすぎによる衝突を軽減したり防止できる物で

    はない。

    -正しく運転しないと衝突などの事故につながり,死亡または重大な傷害にいたるおそれがある。

    [システムがイ宇勤しないことがある場合について]

    以下の場合は,システムが作動 しない場合がある。

    -178 -

  • -E団喧~']・・

    -急カーブ,急、な坂道のとき

    .ステア リングをまわしたとき

    [踏切内閉じ込め時の操作について]

    -万が一,踏切内に閉じ込められたときは,遮断器を障害物として感知することがある。そのときは,慌て

    ずにアクセル・ ペダルを踏み続けるかCTBAシステムを OFFにして遮断器を押しのけて脱出する。

    (3) CTBAシステムのON/OFF(図 Iー10)

    CTBAシステムの ON/OFFは,マルチ・インフ ォメーション ・スイッチを操イ乍して,メータ内のマルチ ・

    インフォメーション ・ディスプレイに表示されるユーザ・カスタマイズ画面で行うことが出来る。また,

    CTBAシステム OFF時はCTBA表示灯が点灯する。

    C丁目Aシステム著書告灯

    l. マルチ・インフォメーション画面

    図 1-10 CTBAシステムのON/OFF

    (4) 経年変化に伴うフロント・ウインド・ガラスの汚れ補正機能

    'CTBAシステム・レーダ/コントロール・ユニ ットは フロント・ウインド ・ガラス越しにレーザを照射す

    るため,経年劣化によるフロント ・ウイ ンド・ガラスの汚れや,曇りに合わせて精度を補正する。

    -補正情報は. CTBAシステム ・レー ダ/コン トロール ・ユニッ トに記録される。

    (5) センサ遮蔽検知機能(図 Iー11)

    'CTBAシステム ・レーダ/コントロール・ユニットは,センサ前方の遮蔽物を検知しており ,遮蔽物を検知

    すると,一時的にCTBAシステム機能を停止させる。

    -システムが一時停止した場合は. CTBAシステム警告灯を点滅,ブレーキ警告灯(桂)を点灯させる。また,

    マルチ ・イ ンフォメーション ・ディスプレイに表示を行う 。

    -システム機能を一時停止した履歴は 自動キャンセル履歴として記録され HDSのCTBAシステム・メニュ

    のヒス トリ・ データから読出すことができる。

    CTBAシステム量産告灯

    シティーブレーキアクティブ I システムが作動できません I レーダーが汚れています I

    E3~

    ブ レーキ警告灯

    図 1-11 遮蔽物を検知時

    -179 -

  • ~週四~=--

    (6) センサ異常高温検知機能(図 1-12)

    'CTBAシステム・レーダ/コントロール・ユニットは,本体の異常な温度上昇を検知すると, 一時的に

    CTBAシステム機能を停止させる。

    ・システムが一時停止した場合は, CTBAシステム警告灯を点滅,ブレーキ警告灯(桂)を点灯させる。また,

    マルチ・インフォメーション ・ディスプレイに表示を行う。

    -システム機能を一時停止した履歴は,自動キャンセル履歴として記録され, HDSのCTBAシステム・メニュ

    のヒストリ ・データから読出すことができる。

    CTBAシステム警告灯

    ブレーキ警告灯

    図1-12 本体の異常高温時

    180 -

  • -E~=--

    3 点検・整備のポイン卜

    1) CTBAシステム装備車両取り扱いの注意事項

    CTBAシステムのレーザ・レーダが思わぬ物に反応してブレーキが作動する場合があるためシステムを

    OFFにすること。

    ・スピードメータ・テスタ及びフリー-ローラを使用する場合

    2) CTBAシステム・レーダ/コントロール・ユニットの学習値リセットについて(図 Iー13)

    フロント・ウインド・ガラスの交換やCTBAシステム・レーダ/コントロール・ユニットを新品と交換した

    場合は,初回POWERスイッチONモード時に自動的に補正の基準となるフロン ト・ウインド・ガラスの状

    態が学習される。そのため,予期せぬ環境下(ユニットが正しい場所に取付けられていない等)で学習がされ

    てしまっている可能性があり,下記に示す手順で確実なリセット作業を行う。また, リセット後は,機能点

    検を行う 。

    〈手順〉

    直E 至近距離から レーザ部を覗きこまないこと。①運転席にあるデータ・リンク・カブラにHDSを接続する。

    ②POWERスイッチを ONモードにする。

    ①HDSと車両およびCTBAシステム・レーダ/コントロール・ユニットと通信することを確認する。

    ※通信しない場合は,データ・リンク回路を点検する。

    ④HDSの運転支援システム, CTBAシステム・メニュから調整を選択しレーダ校正を実行する。

    上-前方50cm以内に

    遮蔽物なきこと

    図 1-13 学習値リセット

    -181一

  • ~i週四~:.

    3) CTBAシステム ・レーダ/コン トロール ・ユニ ットの機能点検(図 1-14)

    CTBAシステムの機能点検は以下の手順で行う 。

    〈手)1聞〉

    直~. サスペンションに改造が無いこと 。

    -適正サイズのタイヤが装着されていること。

    'CTBAレーダがターゲッ トを認識しにくい場合は, 以下の環境を変更する。

    前方の景色,照明の明るさ,太陽光の射す方向

    ①以下のものを準備する。

    . HDS. 巻尺, ターゲッ ト車両

    ※ターゲッ ト車両は,車体色が白またはシルバ一系で、ワゴンも しくはミニパン・タイプ。そしてリフレクタがテール・

    レンズに内蔵されている車両

    ②検査車両の前端から約2.0mの位置にタ ーゲッ トを設置する。

    直~ . 明るい場所で行う 。

    ・ターゲッ ト設置位置の背後に照明や照明の反射が無いか確認する 0

    .燃料は満タン状態にする。

    ・スペア ・タイヤと車載工具を|徐き トランク 内は空の状態にする 0

    .タイヤの空気圧を適正に調整する。

    続査預十一ーペ

    車両前端から約2.0m

    図 1-14 ターゲッ卜の設置

    ①ステア リングを直進位置で,シフ ト・レバーをパーキングにポジションに してパーキング・ブレーキをかけ,

    POWERスイッチを OFFモー ドにする。

    ④運転席にあるデータ・ リンク ・カブラにHDSを接続する。

    ⑤POWERスイッチを ONモードにする。

    ⑥HDSと車両およびCTBAシステム ・レーダ/コン トロール・ ユニッ トと通信することを確認する。

    ※通信しない場合は,データ・ リンク回路を点検する。

    ⑦HDSの運転支援システム. CTBAシステム・メニュからデータ ・リ ス トを選択し機能点検実行する。

    ※点検は運転性に 1名乗車で行う 。

    ③点検結果が以下の値であることを確認する。

    データ

    ターゲッ トsr-VJ!I:

    ノTラメータ

    2.0m :!: 50cm

    -ターゲッ ト距離が上記の値から外れる場合は,以下の状態を確認し適切な修理を行う 。

    ーフロン ト・ウ インド・ガラスのj寺れ

    一CTBAシステム・ レーダ/コン トロール ・ユニッ トの取付け状態

    ・フロン ト・ウイン ド・ガラスの汚れ.CTBAシステム ・レーダ/コン トロール・ユニッ トの取り 付け状態が

    -182 -

  • -E者団哩~']・・

    正常で、もターゲット距離が基準値を超える場合は,新品の CTBAシステム・レーダ/コントロール・ユニッ

    トに交換する。

    4) 故障診断の進め方

    故障診断を始める前に,フリーズ・データ及びオン・ボード・スナップ・ショット情報を HDSに保存し,

    以下の点に注意して診断を進める。

    -ユーザに故障が発生したときの状態や条件を問診し同じ状況を再現するようにする。

    -テスト走行を行ってもシステム異常が再現せず,警告灯が点灯しない場合 カブラの接触不良などによる

    一過性の故障が考えられるため,故障診断を行う前にカブラの接続状態を点検しておく 。

    -修理完了後は DTCクリアを行い,故障が発生した条件下でテスト走行を行う 。再びCTBAシステム警告

    灯及びブレーキ警告灯(桂)が点灯しないことを確認する。

    'CTBAシステムが正常でもシステムをとりまく環境(気象,路面状況や運転状況)などの原因により,

    CTBAシステムの作動を停止させる。これらの場合,故障と判定されて自動キャンセル履歴を記憶する

    場合がある。また,自動キャンセル履歴は, CTBAシステム・レーダ/コントロール・ユニットに記憶さ

    れ, HDSのCTBAシステム・メニュのヒストリ・データから読出すことができる。

    (DTCの確認/クリア)(図 Iー15)

    ①運転席左側にあるデータ・リンク・カブラ (A)にHonda

    Diagnostic System (HDS)を接続する。

    ②POWERスイッチを ONモードにする。

    ③HDSでDTCの確認またはクリアを行う 。

    ④DTCの確認およびクリア後POWERスイッチを OFF

    モードにして, HDSを取り外す。

    -183一

    ¥

    テ'ータ・リンク・力フ。ラ

    、、、¥

    ¥

    図 1-15 データ・リンク・カブラ

  • -Eヨ薗喧~']・・

    5) DTC一覧表

    DTC シティ・ブレーキ・アク

    ブレーキ警告灯(燈) 故障診断検知項目ティブ・システム警告灯

    B2AAO-92 。 。 シティ ・ブレーキ・アクテイブ・システムによるブレーキ要求頻度過多

    B2AAO-94 。 。 シティ・ブレーキ ・アクテイブ・システムによるブレーキ要求異常継続

    C0051-2A 。 。 舵角センサ出力闘着C0051-54 。 。 舵角センサ中点学習未完了C0051-62 。 。 舵角センサ中点値オフセット故障C0051-96 。 。 舵角センサ故障C1COO-FO 。 。 アクセル ・ペダル・ポジション ・センサ故障C1C01-FO 。 。 ブレーキ ・ペダル・ストローク・センサ故障U0029-00 。 。 F-CAN通信異常U0100-00 。 。 PGM-FI ECU通信奥常U0122-00 。 。 VSAモジュレータ・コントロール ・ユニット通信異常U0l26-00 。 。 舵角センサ通信異常U0129-00 。 。 電動サーボ・ブレーキ・コントロール・ユニット通信異常U0l51-00 。 。 SRSユニ ット通信異常U0l55-00 。 。 コンビネーション・メータ通信異常U040l-68 。 。 誤発進抑制機能故障U0416-68 。 。 VSAによる一時的なブレーキ加圧拒否U0416-F8 。 。 VSAシステム故障U3000-49 。 。 シティ・ブレーキ ・アクティブ ・システム・レーダ/コン

    トロール・ユニット内部故障

    U3000 -51 。 。 アッ プデート未完了U3006 -16 。キl 。 電源電圧低下U3006-17 。キl 。 電源電圧過大

    * 1 :問題が解消されるとシティ・ブレーキ ・アクテイ ブ ・システム警告灯は消灯するが,DTCの表示は残る。

    -184 -

  • -E団喧~=--

    E リアクティフ・フォース・ぺ夕、ル

    通称名 車両型式

    DAA-RU3 VEZEL HYBRID I

    DAA-RU4

    1 概要(図 II-1)

    出典資料

    サービスマニュアル 60T7BDOO

    リアクティブ ・フォース ・ペダルは,アクセル・ペダルの踏力に反発する力(反力)を発生させることにより,

    走行状況に応じた最適なアクセル・ペダル操作を導くように運転のサポー トを行う 。また,マルチ・インフオ

    メーション・ディスプレイの表示に より ,触覚と視覚により,燃費の良い運転領域を維持しやすくすること

    により,燃費と滑らかな加速の両立に役立てている。

    シティ ・ブレーキ・ アクテイブ ・システムとの協調制御で効果的な注意喚起を行っている。

    ペダルが力で教えてくれる!

    l ぺじ11111111

    燃費良

    メータ表示で教えてくれる。

    危ない状況が迫るのを,ペダルからお知らせ。

    ミF

    図1I-1 概要

    -185 -

  • -・5薗喧~']・・

    2 構造・機能

    1 ) 全体配置(図 II-2)

    コンビネーション・メータ

    アクセル・ペダル リアクティブ・フォース ペダル

    図 II-2 全体配置

    2) システム・ブロック図(図 Eー 3)

    アクセル ・ペダルの踏み込み量 I ァωω …ン…~

    4・ーカスタマイズコンビネーション・メータ

    表示 一ー ! PGM-FI ECU

    4・一作動情報 i VSAモ山一タ…ールートJ+故障情報 ~ ')7?'Tィブー ω … j 荷重(反力)指示一ー i

    図II-3 システム・ブロック図

    - 186一

  • 3) 構成部品の構造・機能

    (1) PGM-FI ECU

    ~週哩~:.

    PGM-FI ECUは,車両の状態とアクセル・ペダルの操作状態を検知するため,各センサと各コントロール・

    ユニットからの信号を受信して最適なアクセル・ペダル反力を決定し, リアクティブ・フォース・ペダル・

    ドライパへ信号を送信する。

    (2) リアクティブ・フォース・ペダル(図 11-4)

    リアクティブ・フォース・ペダルは アクチュエータ リアクテイブ・フォース・ペダル・ドライパとアク

    セル・ペダルで構成され アクチュエータで発生させる反力はPGM-FIECUが受信する情報に基づき決

    定する。

    リアクティブ・フォース・ペダル・ドライパは 最適な反力を発生させるように PGM-FIECUからの要

    求された信号に基づきアクチュエータを制御する。これにより,走行状況に対するアクセル・ペダルの過度

    な踏込みを防ぎ,燃費向上とより滑らかな加速を可能とする。また,リアクテイブ・フォース・ペダル・ド

    ライパは,故障検知機能とフェイルセーフ機能があり,異常が検出された場合には,故障検出信号を PGM

    FIECUへと送りリアクテイブ・フォース・ペダルの機能を禁止する。

    アクチュ工ータ・

    アーム

    アクセル・ペダル

    リアクティブ・フォース・ペダル・ドライパ

    アクチュエータ

    アクセル・ペダル

    図1I-4 リアクティブ・フォース・ペダル

    -187 -

  • -E週哩~]・・

    コンビネーション・メータ(図 Eー5)(3)

    アクマルチ・インフォメーション・ディスプレイの表示機能の lっとして,コンビネーション・メータは,

    セル・ペダルの踏み込み量の表示をおこなう 。

    リアクテイブ・フォース・ペダルの反力設定がおこなえるユーザ・カスタマイズ機能を持ち,コンビネーショ

    アクセル・ペダル踏み込み量

    反力設定情報を送信する。ン・メータは

    もっとも効率の良い状態を継続した場合は緑のパーを表示

    コンビネーション・メータ

    制御/機能

    反力弱制御(図 II-6)

    反力弱制御では,過度なアクセル・ペダルの踏込みを検知するとアクセル・ペダルに対して徐々に反力が発

    図II-5

    4)

    (1)

    反力が発生しても踏込むことができる。アクセル・ペダルは,定常反力にいたる。なお,生し,

    (以下のグラフはパワー・システムを起動し車両停止状態でブレーキ・ペダルを一杯まで踏込み,アクセル・

    走行時の反力発生ポイントは車両の状態によって変化すペダルを踏込んだ場合の動作を示している。また,

    る。)

    反力弱制御

    :弓;71・ ーペー---ー-- 定常反力 制御なし (OFF)

    (酬侮)初酬Qムヘ.もで・」「MVA叩

    Ah

    アクセル・ペダルのストローク量(踏み込み量)

    反力弱制御

    -188一

    図1-6

  • -E置哩Z沼・・

    反力強制御(図 II-7)

    過度なアクセル・ペダルの踏込みを検知するとアクセル・ペダルに対して弱制御を超える

    瞬時に発生させた反力は,その後,弱制御の定常反力と同じ反力になる。

    反力強制御では,

    反力が瞬時に発生する。また,

    (2)

    反力が発生しても踏込むことができる。お,

    反力強制御

    心 4制御なし (OFF)

    (側同体)抑制(宝ヘ、m

    y

    ・ム「Mfhmh

    アクセル・ペダルは,

    アクセル・ペダルのストローク量(踏み込み量)

    反力強制御図II-7

    ユーザ・カスタマイズ機能(3)

    メータ内のマルチ・インフオユーザ・カスタマイズは,マルチ・インフォメーション・スイッチを操作して,

    メーション・ディスプレイに表示されるユーザ・カスタマイズ画面でリアクテイブ・フォース・ペダルの反

    力を設定することができる。

    各設定時の制御内容は以下の通りである。

    ユーザ・カスタマイズ設定

    ey~ 標準 強

    ECONモード 耳目jljlJ街l 強制御 強制御

    NORMALモード ~~市IJ術l ~~jljリ街l 強制御

    SPORTモード OFF OFF OFF

    フェイルセーフ機能(機械的故障時)(図 II-8) (4)

    アクチュエータの固着故障が発生した場合でもアクセル・ペダルを踏リアクティブ・フォース・ペダルは,

    これにより,アクチュエータ・アームの同軸上にトルク・リミッタを装備している。込めるようにするため,

    アクパワー・システム起動/POWERスイッチ OFFモードにかかわらず,

    システムの故障を運転者に知らせることができる。

    アクチュエータの固着故障時は,

    セル・ペダル踏はじめから反力が重く感じるため,

    約28N.m(2.9kgf. m)

    f一一一一一一一一一て一一制御なし (OFF)

    (酬健)抑制Q」「'もで・ム「MVhmhh

    アクセル ・ペダルのストローク量(踏み込み量)

    機械的故障時

    -189 -

    図II-8

  • -E薗喧~']・・

    3 点検・整備のポイント

    リアクテイブ・フォース ・ペダルの異常時は,エンジン・システムでDTCを記憶するので, HDSのエンジン ・

    システム ・メニュから DTCを読み出すことが出来る。

    以下は,リアクテイ ブ・フォ ース・ ペダルのDTCとなる。

    SAE DTC (PGM-FI警告灯点滅回数)

    2連続検知手法 故障診断検知項目 PGM-FI警告灯点灯の有無

    P1A10 リアクティブ ・フォース・ペダル故障 ×

    -190 -