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- 11 - 巻頭言 岡山県立玉島高等学校長 髙槻信博 本年度のSSH情報交換会校長等分科会の協議テーマは,「全校体制をどうつくったか」と「社 会との共創,高大接続の取組など」の2本であった。グループ協議はとても活発で,モチベーシ ョンが高まっていくのを感じた。また,多くの高等学校の状況を知ることができ,参考事例も得 ることができた。協議題の「全校体制」は,一昨年から3年連続である。それだけ大きい課題な のだ。協議でも「苦慮している。」とか,「成功事例が欲しい。」という校長の切実な声も聞い た。しかし,現在の玉島高校において全校体制は大きな問題とはなっていない。もちろん,事業 を全校体制で進めていくこと自体は強く意識しているが,「できていない。」とか,「どうすれ ば全校体制が構築できるのだろうか。」といった議論はもはや必要としていない状況にある。S SH推進委員会は,主幹教諭(英語科)をトップとし,普通科を担当する教務課長(保健体育科) と理数科を担当する理数科長(理科)が脇を固めて事業を牽引する。そのもとで,各学年主任が 積極的に関わり担任団に指示する。全クラスが課題研究に取り組むため,必然的に全教員が指導 の実践者となる。何よりも,SSH事業の成果やメリットが玉島高校にとって欠くことができな いものだとの認識を全教員が共有しているのだ。 改めて,本校の全校体制をさらに進展させるための条件を考えてみたい。①学校のミッション に繋がる事業内容となっているか。SSH事業は教員負担は大きいが,それが学校の存在意義に 繋がるものであるならば教員はその力をフルに発揮して乗り越えてくれるものだ。②推進者は学 校を動かすことができる存在か。超強力なリーダーひとりよりも複数の者が各々の立場で協力で きる実働するチームになっていることが大切。③生徒の指導を全教員が実際に行う仕組みとなっ ているか。④他の活動との時間調整ができているか。見落としがちだが,生徒はSSH以外にも 色々な活動をしている。特に運動系部活動の入部率が高い本校において,放課後や週末,長期休 業中の時間調整がとても大切だ。⑤3年間の体系的な事業計画となっているか。⑥全教科が関わ る仕組みとなっているか。探究に全科目で取り組むことを想定している。TACTやテクノサイ エンスにおける探究活動とうまくマネージメントする形で実現したい。また,平素の授業におい て,「生徒に考えさせる授業,生徒に気付きのある授業,学び合う授業」をどの教科でも推進す ることが大切である。⑦学年間,科間において,生徒同士の関わり(縦と横の繋がり)があるか。 新入生に向けたプレゼンテーション研修では,先輩が後輩を指導するような場面がある。このよ うに,生徒間で学年を超えて相互に学び合う場面,理数科と普通科が相互に学び合う場面をより 多く設定する。縦と横の2つの軸で相互に学び合い,学ぶ側も全校体制となれば学習はより効果 的・効率的となるはずだ。 来年度は3年目を迎えて完成年度となる。3年生を対象とした指導の新規開発,今年度スター トを切った他の高校との合同研修,小中学生対象の研修など取り組みたいことはまだまだある。 働き方改革も意識しながら,取組の整理や効率面での改善も含め,アイデアを出しながら,全校 体制のもとで事業をさらに進めたい。 最後になりましたが, SSH 運営指導委員会の皆様をはじめ,関係諸機関の皆様には来年度も事 業実施に際し,今まで以上にご支援を賜りますようお願い申し上げ巻頭のご挨拶といたします。

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巻頭言

岡山県立玉島高等学校長 髙槻信博

本年度のSSH情報交換会校長等分科会の協議テーマは,「全校体制をどうつくったか」と「社

会との共創,高大接続の取組など」の2本であった。グループ協議はとても活発で,モチベーシ

ョンが高まっていくのを感じた。また,多くの高等学校の状況を知ることができ,参考事例も得

ることができた。協議題の「全校体制」は,一昨年から3年連続である。それだけ大きい課題な

のだ。協議でも「苦慮している。」とか,「成功事例が欲しい。」という校長の切実な声も聞い

た。しかし,現在の玉島高校において全校体制は大きな問題とはなっていない。もちろん,事業

を全校体制で進めていくこと自体は強く意識しているが,「できていない。」とか,「どうすれ

ば全校体制が構築できるのだろうか。」といった議論はもはや必要としていない状況にある。S

SH推進委員会は,主幹教諭(英語科)をトップとし,普通科を担当する教務課長(保健体育科)

と理数科を担当する理数科長(理科)が脇を固めて事業を牽引する。そのもとで,各学年主任が

積極的に関わり担任団に指示する。全クラスが課題研究に取り組むため,必然的に全教員が指導

の実践者となる。何よりも,SSH事業の成果やメリットが玉島高校にとって欠くことができな

いものだとの認識を全教員が共有しているのだ。

改めて,本校の全校体制をさらに進展させるための条件を考えてみたい。①学校のミッション

に繋がる事業内容となっているか。SSH事業は教員負担は大きいが,それが学校の存在意義に

繋がるものであるならば教員はその力をフルに発揮して乗り越えてくれるものだ。②推進者は学

校を動かすことができる存在か。超強力なリーダーひとりよりも複数の者が各々の立場で協力で

きる実働するチームになっていることが大切。③生徒の指導を全教員が実際に行う仕組みとなっ

ているか。④他の活動との時間調整ができているか。見落としがちだが,生徒はSSH以外にも

色々な活動をしている。特に運動系部活動の入部率が高い本校において,放課後や週末,長期休

業中の時間調整がとても大切だ。⑤3年間の体系的な事業計画となっているか。⑥全教科が関わ

る仕組みとなっているか。探究に全科目で取り組むことを想定している。TACTやテクノサイ

エンスにおける探究活動とうまくマネージメントする形で実現したい。また,平素の授業におい

て,「生徒に考えさせる授業,生徒に気付きのある授業,学び合う授業」をどの教科でも推進す

ることが大切である。⑦学年間,科間において,生徒同士の関わり(縦と横の繋がり)があるか。

新入生に向けたプレゼンテーション研修では,先輩が後輩を指導するような場面がある。このよ

うに,生徒間で学年を超えて相互に学び合う場面,理数科と普通科が相互に学び合う場面をより

多く設定する。縦と横の2つの軸で相互に学び合い,学ぶ側も全校体制となれば学習はより効果

的・効率的となるはずだ。

来年度は3年目を迎えて完成年度となる。3年生を対象とした指導の新規開発,今年度スター

トを切った他の高校との合同研修,小中学生対象の研修など取り組みたいことはまだまだある。

働き方改革も意識しながら,取組の整理や効率面での改善も含め,アイデアを出しながら,全校

体制のもとで事業をさらに進めたい。

最後になりましたが,SSH 運営指導委員会の皆様をはじめ,関係諸機関の皆様には来年度も事

業実施に際し,今まで以上にご支援を賜りますようお願い申し上げ巻頭のご挨拶といたします。

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目次

❶ SSH研究開発実施報告(要約):別紙様式1-1 ‥‥‥‥‥‥ 13

❷ SSH研究開発の成果と課題:別紙様式2-1 ‥‥‥‥‥‥ 17

❸ 実施報告書

1 研究開発の課題  ‥‥‥‥‥‥ 242 研究開発の経緯  ‥‥‥‥‥‥ 253 研究開発の内容

A.科学的探究活動カリキュラムの開発

A-1 理数科

 ①教科「理数」 学校設定科目「テクノサイエンスⅠ」  ‥‥‥‥‥‥ 26 ②教科「理数」 学校設定科目「テクノサイエンスⅡ」 ‥‥‥‥‥‥ 32 ③教科「理数」 学校設定科目「テクノサイエンスⅢ」(試行)‥‥‥‥‥‥ 37A-2 普通科

 ①学校設定教科「総合」 学校設定科目「TACTⅠ」 ‥‥‥‥‥‥ 38 ②学校設定教科「総合」 学校設定科目「TACTⅡ」 ‥‥‥‥‥‥ 43 ③学校設定教科「総合」 学校設定科目「TACTⅢ」(試行)‥‥‥‥‥‥ 45A-3 理数科・普通科

 ①教科「理数」 学校設定科目「発展研究」(試行) ‥‥‥‥‥‥ 46

B.発展的教育活動の体系化

B-1 地域連携・高大接続

 ①瀬戸内マリンアクティビティ ‥‥‥‥‥‥ 47 ②溜川プロジェクト ‥‥‥‥‥‥ 48 ③科学部メンターシップ ‥‥‥‥‥‥ 49 ④サイエンスボランティア ‥‥‥‥‥‥ 50 ⑤ハイパーサイエンスラボ ‥‥‥‥‥‥ 52 ⑥サイエンスキャンプ ‥‥‥‥‥‥ 55B-2 国際性の育成

 ①科学プレゼンテーション研修 ‥‥‥‥‥‥ 55 ②科学英語プレゼンテーション研修 ‥‥‥‥‥‥ 56 ③国際性育成講演会 ‥‥‥‥‥‥ 57 ④グローバルサイエンスキャリア研修 ‥‥‥‥‥‥ 57

C.全校体制の推進・成果の普及

C-1 OJTグループの活用による融合教科・科目の開発 ‥‥‥‥‥‥ 59C-2 主体的な学びを重視した授業改善 ‥‥‥‥‥‥ 60C-3 高大接続教育問題協議会 ‥‥‥‥‥‥ 60C-4 成果物の作成と発信 ‥‥‥‥‥‥ 61

4 実施の効果とその評価  ‥‥‥‥‥‥ 625 校内におけるSSHの組織的推進体制 ‥‥‥‥‥‥ 676 研究開発実施上の課題及び今後の研究開発の方向・成果の普及 ‥‥‥‥‥‥ 69

❹ 関係資料

1 SSH運営指導委員会の記録 ‥‥‥‥‥‥ 702 教育課程表 ‥‥‥‥‥‥ 723 2年生課題研究のテーマ ‥‥‥‥‥‥ 754 調査結果資料(アンケート結果) ‥‥‥‥‥‥ 775 新聞記事 ‥‥‥‥‥‥ 80

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別紙様式1-1

岡山県立玉島高等学校 指定第3期目 29~33

❶平成30年度スーパーサイエンスハイスクール研究開発実施報告(要約)

① 研究開発課題 ②

地域社会との共創による科学的探究活動カリキュラムの開発と発展的教育活動の体系化

③ 研究開発の概要

将来,地域のリーダーとして活躍する科学技術人材を育てるために,科学的探究活動カリキュラムの開発と発展的教育活動の体系化を行い,「科学的マネジメント力」を育成する。

本研究では「科学的マネジメント力」を次のように定義する。

科学的な知識・技能をベースに,科学的な発想によって「課題を発見する力」,他者と協

働しながら「課題を解決する力」,成果を発信する「コミュニケーション力」を総合した力

A.科学的探究活動カリキュラムの開発 理数科,普通科とも学校設定科目を設置し,3年間を通じた科学的探究活動カリキュラムを研究開発

する。理数科の「テクノサイエンス」では,科学的・工学的な体験を重視し,普通科の「TACT」では,地域の課題をテーマとする。

B.発展的教育活動の体系化 地域の企業や大学等との連携を強化し,これまでのSSHで研究開発してきた「講演・実験講座」「研

究施設研修」「野外実習」等を授業や探究活動と関連づけて体系化する。国際交流や海外研修を取り入れた国際的な活動も体系に組み込む。

C.全校体制の推進・成果の普及 全教員が教科横断的に協力して,カリキュラム開発等を行う体制を確立する。岡山SSH連絡協議会

を活用して成果の還元を行い,「高大接続教育問題協議会」を開催し,地域の理数教育の向上を図る。

④ 平成30年度実施規模

全校生徒829名を対象に実施する。(各学年普通科6クラス,理数科1クラスの計21クラス)

⑤ 研究開発内容

○研究計画

A.科学的探究活動カリキュラムの開発 理数科学校設定科目「テクノサイエンス」では,第2期目までの成果を踏まえて課題研究指導のモデル化を図る。また,普通科学校設定科目「TACT」では「総合的な探究の時間」の先行事例として研究開発を行う。他校へ成果を普及する。 (1)第1年次(平成29年度) ・「テクノサイエンスⅠ」(理数科1年生対象)を新設し,「オムニバス形式ユニット学習」を開発する。 ・「テクノサイエンスⅡ」(理数科2年生対象)の設置に向けて「研究俯瞰法」を開発・試行する。 ・「TACTⅠ」(普通科1年生対象)を新設し,地域連携によるユニット学習とフィールドワークを開発する。 (2)第2年次(平成30年度) ・「テクノサイエンスⅠ」では,各実習を検証し,改善点を修正する。 ・「テクノサイエンスⅡ」の中心である課題研究において「研究俯瞰法」を開発・実践する。「研究週報」等の

ワークシートを開発し,探究活動の「指導プログラム」をまとめる。 ・「TACTⅠ」では,ユニット学習とフィールドワークとの関連性を深め,探究活動の充実を図る。 ・「TACTⅡ」では,理数科のノウハウを生かして,ワークシートやルーブリック等を開発する。 ・「テクノサイエンスⅢ」(理数科3年生対象),「TACTⅢ」(普通科3年生対象),「発展研究」(理数科・普

通科3年生対象)を開発・試行し,年間指導計画を作成する。 (3)第3年次(平成31年度) ・開発した科学的探究活動カリキュラムを修正・実施し,中間評価を行う。 (4)第4年次(平成32年度) ・中間評価を受けて開発・実施状況を分析し,カリキュラムの改善を行う。 (5)第5年次(平成33年度) ・研究成果をまとめ,教育カリキュラムのモデル化と他校への普及を行う。 B.発展的教育活動の体系化 (1)第1年次(平成29年度) ・科学部を中心として「瀬戸内マリンアクティビティ」を研究・実施する。 ・地域NPO法人等と連携し,大学教員等の指導で地域の河川(溜川)の水質を定期的に調査したり,フィ

ールドワークで生態調査を行ったりする活動「溜川プロジェクト」(科学部対象)を研究・実施する。 ・岡山大学や岡山理科大学,地元企業の研究員やOB等の専門家の指導により「科学部メンター

シップ」(科学部対象),「ハイパーサイエンスラボ」(理数科1・2年生,普通科希望者対象),「サイエンスキャンプ」(理数科1年生対象)を充実させる。

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・生徒自身が主体的に企画・運営する「サイエンスボランティア」(希望者対象)を開発する。地域の小中学生を対象として,校内外の科学ボランティア講座や科学体験講 座等を実施する。

・「科学プレゼンテーション研修」・「科学英語プレゼンテーション研修」(理数科・普通科対象)を実施し,論理的思考力やプレゼンテーション力の育成を目指し,英語によるプレゼンテーションの素養を身に付けさせる。

・国際的な研究者等を招聘して「国際性育成講演会」(全校・希望者対象)を実施する。 ・「グローバルサイエンスキャリア研修」(希望者対象)を新設し,SSHベトナム研修を実施する。 (2)第2年次(平成30年度) ・「瀬戸内マリンアクティビティ」では,神戸大学の内海域環境教育研究センターのマリンサイトに実習先を

変更しマリンキャンプの充実を図る。 ・「溜川プロジェクト」では,溜川に関する研究成果をまとめて,地域に発信する。 ・「科学部メンターシップ」では,TV会議システムを活用し遠隔地からの研究支援を受ける体制を整える。 ・「サイエンスボランティア」では,ボランティアリーダーを育成する「たまっこラボ」を研究開発する。 ・「ハイパーサイエンスラボ」では,研究施設での研修機会の拡充等,研修内容の改善・充実を図る。 ・「サイエンスキャンプ」では,岡山大学と連携した教育システムを実践する。 ・「科学プレゼンテーション研修」(理数科1年生対象)では,上級生が下級生を指導するしくみをつくる。 ・「科学英語プレゼンテーション研修」では,英語スライド・ポスターの作成,研究発表等の指導法を

研究開発する。また,研修システムのパッケージ化を検討する。 ・「国際性育成講演会」では,「グローバルサイエンスキャリア研修」に関連付けて内容を深化する。 ・「グローバルサイエンスキャリア研修」では,ベトナム研修の事前・事後研修を充実させ,成果を全校で共

有するため,報告会を開催する。 (3)第3年次(平成31年度) ・開発した発展的教育活動プログラムを改善・実施し,中間評価を行う。研究成果を地域に発信する。 (4)第4年次(平成32年度) ・中間評価を受けて開発・実施状況を分析し,プログラムの改善を行う。 (5)第5年次(平成33年度) ・開発した発展的教育活動プログラムを深化し,研究成果をまとめて地域に還元する。 C.全校体制の推進・成果の普及 (1)第1年次(平成29年度) ・学校設定科目「テクノサイエンス」「TACT」の開発・実施にあたり,全教職員が教科横断的に協

力する体制を構築する。 ・高校・大学双方の関係者の意見交換の場として「高大接続教育問題協議会」を開催する。 (2)第2年次(平成30年度) ・全教職員が教科横断的に協力する体制のもと,第1年次に実施した事業を検証・評価し,改善

する。 ・学校設定科目「テクノサイエンスⅡ」「TACTⅡ」の開発・実施にあたり,全教職員が教科横断的

に協力する体制を構築する。 ・学校設定科目「テクノサイエンスⅢ」「TACTⅢ」の開発にあたり,全教職員が教科横断的に協

力する体制を研究・試行する。 ・第1年次に実施した「高大接続教育問題協議会」を検証・評価し,改善する。 (3)第3年次(平成31年度) ・中間評価を行い,成果と課題を明確にして改善を図る。 (4)第4年次(平成32年度) ・中間評価を受けて開発・実施状況を分析し,取組の改善を行う。 (5)第5年次(平成33年度) ・成果発表会や研究会,刊行物等により,第3期の研究成果を他に普及する。 ○教育課程上の特例等特記すべき事項

平成28年度入学理数科1年生において,教科「情報」科目「社会と情報」2単位を減じて,教科「理数」学校設定科目「科学と工学」2単位を実施した。平成29年度以降入学の理数科1年生において,教科「情報」科目「社会と情報」2単位及び「総合的な学習の時間」1単位を減じて,教科「理数」学校設定科目「テクノサイエンスⅠ」3単位を実施する。理数科2年生において,教科「理数」科目「課題研究」2単位及び「総合的な学習の時間」1単位を減じて,教科「理数」学校設定科目「テクノサイエンスⅡ」3単位を実施する。

平成29年度以降の入学の普通科1年生において,教科「情報」科目「社会と情報」2単位及び「総合的な学習の時間」1単位を減じて,学校設定教科「総合」学校設定科目「TACTⅠ」3単位を実施する。普通科2年生において,「総合的な学習の時間」1単位を減じて,学校設定教科「総合」学校設定科目「TACTⅡ」1単位を実施する。

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○平成30年度の教育課程の内容

理数科1年生において,教科「理数」学校設定科目「テクノサイエンスⅠ」3単位を実施した。理数科2年生において,教科「理数」科目「テクノサイエンスⅡ」3単位を実施した。

普通科1年生において,学校設定教科「総合」学校設定科目「TACTⅠ」3単位を実施した。普通科2年生において,学校設定教科「総合」学校設定科目「TACTⅡ」1単位を実施した。

理数科3年生において,「発展課題研究(校内呼称)」1単位,普通科3年生において,「理科課題研究」1単位と学校設定科目「数学課題研究」1単位を週時程外において選択履修で実施した。

○具体的な研究事項・活動内容

A.科学的探究活動カリキュラムの開発 (1)理数科 教科「理数」学校設定科目「テクノサイエンスⅠ・Ⅱ・Ⅲ」

~研究俯瞰法を用いて探究活動を深化させ,高大接続に資する課題研究に発展させる~ 対象 単位数 具体的な研究事項・活動内容

Ⅰ 理数科

1年生 3

実験デザイン力を育成するため,「オムニバス形式ユニット学習」の実習内容を工夫した。新たに「アイデア発想実習」を導入した。2・3年生が指導する体制をつくった。

Ⅱ 理数科

2年生 3

課題研究レベルの向上を目指して「研究週報」等のワークシートを開発し,「研究俯瞰法」を研究している。「課題研究指導ごよみ」を作成し,探究指導のプログラム化を図っている。地域の機関や大学との連携を強化し,外部指導の機会を拡充した。

Ⅲ 試行

理数科

3年生 1

探究活動のまとめの段階として,研究成果の発信,校外での発表を行うことを重視した年間指導計画を作成し,「テクノサイエンスⅠ・Ⅱ」を踏まえた系統性のある取組を研究している。

(2)普通科 学校設定教科「総合」学校設定科目「TACTⅠ・Ⅱ・Ⅲ」 ~理数科のノウハウを普通科に生かし,全校の探究活動を充実させる~

対象 単位数 具体的な研究事項・活動内容

Ⅰ 普通科

1年生 3

探究活動を充実させるために,年間指導計画を見直し,ユニット学習とフィールドワークの関連性を整えた。

Ⅱ 普通科

2年生 1

探究レベルの向上を目指して,専門家を招いて分野別研修会を開き,指導・助言を受ける機会を設定した。理数科のノウハウを生かし,「ラボノート」やルーブリックを研究開発し,口頭発表の機会を設定した。

Ⅲ 試行

普通科

3年生 1

進路実現に向け,探究活動の内容を論文にまとめることで,表現・発信できる力を育成する年間指導計画を作成し,「TACTⅠ・Ⅱ」を踏まえた系統性のある取組を研究している。

(3)理数科及び普通科 教科「理数」学校設定科目「発展研究(試行)」 ・理数科,普通科の3年生で選択者を対象に開設する学校設定科目「発展研究(1単位)」を試行した。「テ

クノサイエンスⅠ・Ⅱ」または「TACTⅠ・Ⅱ」の研究を発展させた探究活動に取り組み,各種学会や理数系コンテスト等での実績向上を目指すことをねらいとして,年間指導計画を作成している。

B.発展的教育活動の体系化 (1)地域連携・高大接続事業

~地域の企業や大学等と連携して,発展的教育活動と探究活動を体系化する~ 研究事項 対象 具体的な研究事項・活動内容

瀬戸内 マリンアクティビティ

科学部 瀬戸内海の環境保全をテーマとし,学臨海実験施設マリンサイトに場所を変更してマリンキャンプ」を実施した。企業と連携し,TV会議システムにより,遠隔地(東京,(株)リバネス)からの研究支援を受けた。

溜川プロジェクト 科学部 地域の河川(溜川)に関する調査研究成果を冊子「溜川プロジェクトの活動と成果(H29)」にまとめた。倉敷のSSH2校と連携し,公民館の市民講座で生徒が講師を務める等,地域貢献に繋げている。

科学部メンターシップ 科学部 大学連携や地域連携を深め,積極的に外部の研究支援を受けるようになった。岡山理科大学退官教員集団(P.R.P.)から研究支援を受ける体制を構築した。

サイエンスボランティア 科学部 希望者

ボランティアリーダーを育成する「たまっこラボ」を研究開発した。生徒自らが科学イベントを企画・運営するだけでなく,校内でボランティアスタッフを募集し事前・事後指導に取り組んだ。

ハイパーサイエンスラボ 理数科1・2年生

普通科希望者

岡山大学の研究室,理化学研究所神戸キャンパス等の最先端研究施設において,研究者との対話や様々な実習に取り組む研修を実施した。物理・化学・生物各分野の発展的な実験実習を校内で実施した。

サイエンスキャンプ 理数科 1 年生

岡山大学理学部化学科と連携し,研究手法を意識して実験,発表までの研究の流れを体得するプログラムを実施した。生徒と大学院生が,議論を深める時間を設定する等,工夫改善を図った。

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(2)国際性の育成事業 ~国際化の進む地域社会と連携して,国際交流や海外研修と探究活動を体系化する~

研究事項 対象 具体的な研究事項・活動内容

科学プレゼンテーション 研修

理数科1年生

普通科1・2 年生

希望者

川崎医科大学現代医学教育博物館で4月に行った研修では,講師の大学教授のアシスタントとして,理数科2年生が1年生を指導する機会を設定した。11月には普通科の希望者を対象として校内で実施した。

科学英語 プレゼンテーション研修

希望者 英語によるポスター発表に取り組む研究グループを対象に研修を実施した。英語によるポスターの作り方をまとめたテキスト作りに取り組んでいる。研修システムのパッケージ化を研究している。

国際性育成講演会 理数科1年生

希望者

理数科1年生に,ノーベル賞選考に関わる講演会を実施した。研究から学会発表,学術論文の投稿から受理について,国際的な視野と感覚の重要性を意識させる好機となった。グローバルサイエンスキャリア研修の事前研修を兼ねて,希望者を対象に講演会を実施した。

グローバル サイエンスキャリア研修

1,2年生 希望者

ベトナム研修を特有の植物等の観察に適した12月に変更し実施した。ノンラム大学では水質調査の研究を体験し,ヌエン・フン・カン高校と環境問題についてディスカッションを行った。全校集会で「ベトナム研修成果報告会」を実施した。

C.全校体制の推進・成果の普及 ~地域連携を強化して,研究開発成果の普及を推進する~ (1)OJT グループの活用による融合教科科目の開発:学校設定科目「テクノサイエンス」は理科・数学科・

情報科が,「TACT」は当該学年団の教員が教科横断的に教材開発と実践に取り組んでいる。 (2)主体的な学びを重視した授業改善:学校設定科目「テクノサイエンス」「TACT」の新設により,全校生

徒が探究活動型の授業に取り組むことができる体制を構築する。 (3)高大接続教育問題協議会:九州工業大学と高知大学の担当者を招聘し,協議会を開催した。高校にお

ける探究活動と大学の学びへの接続について,生徒が担当者から話を聴く機会を設定した。 (4)成果物の作成と発信:「研究開発実施報告書」「指導資料リーフレット」「本校SSH紹介ポスター」等を

地域団体や近隣中学校・高校に配布するとともに,ホームページで随時発信している。倉敷市役所や商業施設等での展示,地元ケーブルテレビでの定期的な放映など,情報発信に努めている。

⑥ 研究開発の成果と課題

○実施による成果とその評価

(1)「科学的マネジメント力」(「課題発見力」「課題解決力」「コミュニケーション力」)の向上 第3期目から学校自己評価アンケートの項目に3つの力の育成についての質問項目を加えて検証している。全校生徒の肯定的回答(伸びたと感じる)は,3つの力とも昨年度に比べて10%以上増えている。 「課題発見力」 H29:71.1% → H30:81.9% 「課題解決力」H29:70.8% → H30:82.7% 「コミュニケーション力」 H29:73.8% → H30:84.0%

(2)各種学会,コンテスト等の入賞実績の向上 各種学会,コンテスト等での入賞数が,H29:11本から H30:19本に増加した。英語論文コンテストでの入賞も果たすことができた。 【平成30年度の主な実績】 ・NICEST2018 英語による化学研究発表会 英語ポスター発表 日本生物工学会東日本支部長賞 ・中国四国九州地区理数科高等学校課題研究発表大会ポスター発表 最優秀賞(1 位),優秀賞(2 位) ・京都大学テクノアイデアコンテスト テクノ愛 2018 最終審査ステージ発表 奨励賞(全国ベスト9) ・東京家政大学 生活をテーマとする研究・作品コンクール 英語研究論文 努力賞 ・高知大学理工学部紀要 研究論文掲載(査読あり)

(3)新たな成果普及の取組 ・「ポスター発表合同研修会」を開催 【近隣5校より,生徒22名,教員8名が参加】 ・本校生徒が近隣の高等学校で,高校生を対象に出前プレゼンテーションを実施 ・サイエンスボランティアに取り組んだ生徒数の増加 【H29:165名→H30:222名】 ・本校教員が日本化学会中国四国支部大会愛媛大会で,「研究俯瞰法」の研究成果を発表

○実施上の課題と今後の取組

事業評価については,第2期で開発した事業ごとの達成状況をA~Cの3段階の基準で照らし合わせて検証する手法を引き続き実施している。すべての事業で年度当初に設定したB基準を満たすことができている。今後は事業を検証し,適切なB基準を設定していく必要である。

理数科・普通科ともに,探究活動が定着しつつあるが,全国レベルでの実績をあげるべく研究内容の高度化や論理的思考力の育成が今後の課題である。そのためにも,教職員の指導力の向上が急務であり,OJT によるノウハウの継承や教員研修の工夫が必要である。

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別紙様式2-1

岡山県立玉島高等学校 指定第3期目 29~33

❷平成30年度スーパーサイエンスハイスクール研究開発の成果と課題

① 研究開発の成果

第2期に引き続き理数科で開発した才能育成システムを普通科にも広げ,地域との連携を大切にした科

学的探究活動カリキュラムと発展的教育活動の充実により,「課題発見力」「課題解決力」「コミュニケーショ

ン力」の育成に力を注いでいる。第3期から学校自己評価アンケートの項目に3つの力の育成についての

質問項目を入れて検証している。アンケートは普通科を含む全校生徒が対象である。第2年次(平成30年

度)のアンケート結果は次のとおり,第1年次(平成29年度)と比べて肯定的回答が増えた。

<学校自己評価アンケート> ※生徒の肯定的回答の割合

◎「SSHの取組は課題を発見する力の向上につながっている。」 H29:71.1% → H30:81.9%

◎「SSHの取組は課題を解決する力の向上につながっている。」 H29:70.8% → H30:82.7%

◎「SSHの取組はコミュニケーション力の向上につながっている。」 H29:73.8% → H30:84.0%

第3期では理数科・普通科それぞれにおいて,教科・科目間連携により科学的探究活動カリキュラムを

研究開発している。平成30年度では理数科学校設定科目「テクノサイエンス」で地域の自然環境,産業,

人材等との関わりを重視した課題研究の内容の高度化を図った。普通科学校設定科目「TACT」では,地

域でのフィールドワークを充実させ,数値的なデータに基づいた分析等を用いた探究活動の充実を図っ

た。また,地域の企業,大学・研究機関,ボランティア(企業OB)と連携し,課外活動等を充実させ,「講演・

実験講座」「研究施設研修」「野外実習」等,様々な発展的教育活動を研究開発している。生徒の科学へ

の興味・関心や学習意欲が高まり,課題研究で成果を残したり,理数科が中心だった学会やコンテストへ

の応募が普通科にも広がり,入賞者数も増加している。

<2年間の主な実績> (理数科・普通科)

【H29】

・中国四国九州地区理数科高校課題研究発表大会 優良賞2本

・集まれ!科学への挑戦者 優秀賞 奨励賞2本

・京都大学 テクノアイデアコンテスト テクノ愛2017 健闘賞

・高校生・私の研究発表会(神戸) 兵庫県生物学会奨励賞

・NICEST2017英語による化学研究発表会 企業賞

・日本土壌動物学会 第40回記念大会 ポスター賞

【H30】

・中国四国九州地区理数科高校課題研究発表大会ポスター発表 (化学)最優秀賞,(地学)優秀賞

・京都大学 テクノアイデアコンテスト テクノ愛2018 奨励賞(全国ベスト9)

・筑波大学 朝永振一郎記念「科学の芽」賞 努力賞

・NICEST2018英語による化学研究発表会 日本生物工学会東日本支部長賞

・東京家政大学 生活をテーマとする研究・作品コンクール 英語研究論文 努力賞

・かはく科学プレゼンテーション大会 奨励賞2本

・高知大学理工学部紀要 研究論文掲載(査読あり)

・読売新聞社日本学生科学賞岡山県審査 奨励賞3本

・高校生・私の研究発表会(神戸) 兵庫県生物学会奨励賞

・集まれ!科学への挑戦者 奨励賞3本

平成30年度は平成29年度の取組の改善を図りながら,研究開発課題である「地域社会との共創による

科学的探究活動カリキュラムの開発と発展的教育活動の体系化」に取り組んだ。中でも,国際性の育成に

向けて,グローバルサイエンスキャリア研修の充実を図ることによって,校内のグローバル化に対する意識

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がより一層高まった。

<学校自己評価アンケート> ※肯定的回答の割合

◎「学校は生徒がグローバルな視野をもつための取組を行っている。」

H29:70.0% → H30:83.1%

学校経営目標に「科学技術人材・グローバル人材の育成」を掲げ,全校体制を構築して新規事業を企

画,実施している。研究開発の方向性を検証し,実践していくために,校内SSH推進委員会を組織してい

る。また,組織的な取組を推進するために,第2期に引き続き,ワーキンググループを校務分掌や教科・科

目を越えて構成し,各事業における企画運営と成果の検証をワーキンググループで担当し実施するという

形態を取っている。

また,研究開発課題として,「地域社会との共創」というキーワードのもと,運営指導委員のメンバーにも

本校の研究開発を分担し,年間を通して助言をいただいている。このような取組から全校体制が進み,SS

Hの取組を学校の魅力と考える生徒・保護者・教職員の割合が増加している。

<学校自己評価アンケート> ※肯定的回答の割合

◎「SSHの取組は玉島高校の魅力の1つになっている。」

生 徒の評価(H29:79.7% → H30:86.6%)

保護者の評価(H29:86.6% → H30:89.9%)

教職員の評価(H29:80.8% → H30:88.2%)

事業評価については,第2期で開発した,事業ごとの達成状況をA~Cの3段階の基準で照らし合わせ

て検証する手法を引き続き実施している。すべての事業で年度当初に設定したB基準を満たすことができ

ている。

各事業の成果は次のとおりである。

A.科学的探究活動カリキュラムの開発

(1)理数科

①学校設定科目「テクノサイエンスⅠ」

理数科1年生を対象として,教科「情報」科目「社会と情報」(2単位)及び「総合的な学習の時間」(1単

位)を減じて,教科「理数」学校設定科目「テクノサイエンスⅠ」(3単位)を実施している。体験を重視した「オ

ムニバス形式ユニット学習」や「クラス単位での協働学習」の2つのタイプの科学的な実習を開発し,2年生

での課題研究に繋がる取組として体系化を図った。

オムニバス形式ユニット学習「工学デザイン」「ロボティクスデザイン」「データサイエンス」「バイオサイエン

ス」「計測サイエンス」「分析サイエンス」の6分野の実習を開発した。

クラス単位での協働学習としては「情報サイエンス」「科学プレゼンテーション研修」「サイエンスキャンプ」

に加え「アイデア発想実習」「サイエンス探究実習」を実施した。「科学プレゼンテーション研修」では2年生

が1年生に指導する機会を設けた。また,理数科交流会等を利用して上級生が下級生を指導する機会を

設け,学年を超えた連携の強化にも取り組んだ。

事後アンケートでは,観察力,集中力,発想力等の向上がみられた。1年生ではあるが,探究活動の成

果をまとめ,科学コンテストでの受賞及び,論文の投稿を果たしている。

②学校設定科目「テクノサイエンスⅡ」

理数科2年生を対象として,教科「理数」科目「課題研究」(2単位)及び「総合的な学習の時間」(1単

位)を減じて,教科「理数」学校設定科目「テクノサイエンスⅡ」(3単位)を実施している。「テクノサイエンス

Ⅱ」の中心となる「課題研究」について「研究俯瞰法」という手法を開発した。「研究週報」を活用して,生徒

が自らの活動内容を客観的に理解・評価する「メタ認知」や他者の活動も客観的に理解・評価する「他者メ

タ認知」をしながら研究を進めるようになった。また,複数の教職員で「研究週報」を回覧することが,教職

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員の指導力の向上に繋がった。

課題研究発表会において物理・化学・生物・数学・情報の各分野の専門家:玉島サイエンスサポーター

の仕組みを構築し,大学教員退職者を招聘して指導助言を受けたり,日常的にメール等を通じて指導を

受けたりする仕組みを導入した。

③学校設定科目「テクノサイエンスⅢ」(試行)

「テクノサイエンスⅡ」の課題研究の成果を論文にまとめ,科学コンテスト等に応募した。また課題研究の

成果をわかりやすく伝えられるようにプレゼンテーション能力を高め,進路実現に活かせるようにした。

(2)普通科

①学校設定教科「総合」学校設定科目「TACTⅠ」

普通科1年生を対象として,教科「情報」科目「社会と情報」(2単位)及び「総合的な学習の時間」(1単

位)を減じて,学校設定教科「総合」学校設定科目「TACTⅠ」(3単位) を実施している。第1年次の研究

開発として,学年所属の教職員の共通理解のもと,「ユニット学習」「フィールドワーク」等の企画・運営を全

教員が担当を持ち,協力して実施することできた。地域の課題を発見するための「フィールドワーク」では,

事前ワークシートを活用し,生徒が前面に立って訪問する形式をとっている。

平成30年度は探究活動や年間指導計画の見直しを行った。またユニット学習については「ローカルから

グローバルへ」をテーマに,学習内容を「地域・経済」「ものづくり」「環境」「くらし」「グローバル」の5分野に

し,より一層地域との連携を図った。

理数科で開発してきた課題研究の手法を普通科に普及し,次期学習指導要領「総合的な探究の時間」

の先行研究として,地域の他校へ成果の普及を図っている。

②学校設定教科「総合」学校設定科目「TACTⅡ」

普通科2年生を対象として,「総合的な学習の時間」(1単位)を減じて,学校設定教科「総合」学校設定

科目「TACTⅡ」(1単位) を実施している。

平成30年度は分野別研修会を開催し,大学の先生(7分野9名)を招き,課題の設定から探究の仕方ま

で指導・助言を受けた。また,理数科のラボノートを「TACTⅡ」に導入し探究の記録を残す工夫をした。評

価基準を明確なものにするために,ルーブリックを作成して生徒の活動状況と照らし合わせながら評価を

行った。理数科で行っている課題研究の口頭発表に普通科でも取り組んだ。「TACTⅠ」と同様に学年団

の全教員で指導に取り組んだ。

探究的な活動に取り組むことで,課題解決に向けて主体的に考え,行動できるようになった。地域社会

における課題や疑問について各班で協力し,探究活動を行うことでコミュニケーション力を身につけること

ができた。全体を通して,個人差は見られるものの,情報収集能力や課題発見力,課題解決力,表現力な

どが確実に伸び,ポスター発表も実施することができた。また,各班で全班員が探究した内容について発

表したことで,プレゼンテーション力を高めることもできた。

③学校設定教科「総合」学校設定科目「TACTⅢ」(試行)

「TACTⅡ」の探究活動の成果を論文にまとめ,科学コンテスト等に応募する。また探究活動の成果をキ

ャリアに繋げる取組を行っていく。

(3)理数科及び普通科 教科「理数」学校設定科目「発展研究」(試行)

理数科及び普通科の3年生で選択者を対象に開設する学校設定科目「発展研究」(1単位)を実施して

いる。「テクノサイエンスⅠ・Ⅱ」または「TACTⅠ・Ⅱ」のより発展的な探究活動に取り組み,各種学会や科

学系コンテスト等での実績向上を目指す。

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B.発展的教育活動の体系化

(1)地域連携・高大接続事業

①瀬戸内マリンアクティビティ

平成29年度では岡山理科大学の臨海教育施設でコドラー法により前島の海浜動物相を調査した。実

習後,地域の環境調査結果をまとめ,「高校生・私の科学研究発表会」や「海の環境を考える高校生フォ

ーラム」でポスター発表をした。

平成30年度は調査範囲を広げるために,マリンサイト(神戸大学内海域環境教育研究センター)で「マリ

ンキャンプ in 淡路島」を実施し,科学部の生徒12名が参加した。ムラサキウニを使った発生実験・観察,海

産プランクトンの採集・観察,海藻・磯動物の採集・観察等を行った。また,マリンチャレンジでは,テレビ会

議システムを導入して遠隔地(東京)の専門家から指導を受けることができた。この観察・実習の成果をまと

めて,「マリンチャレンジ 2018 中国四国大会(株式会社リバネス主催)」で『瀬戸内海における海浜動物相

調査』の口頭発表とポスター発表を行った。

②溜川プロジェクト

平成29年度は地域のNPO法人と連携し,地域から愛されている溜川を活動の場として水質調査に

取り組んだ。「集まれ!理系女子 科学研 究発表 会中国大 会」「地 域地理 科学会」「 NICEST2017

(Nippon International Chemistry Expo for Students and Teachers)」等で発表した。平成30年度には,

水質改善をテーマに研究した成果を中国四国九州地区理数科課題研究発表大会等で発表し,メデ

ィアでも大きく取り上げられた。市役所や市内の大型商業施設での環境パネル展で研究の成果を展

示した。また,地域の公民館で環境学習の講師を生徒が務める等した。

③科学部メンターシップ

岡山大学,岡山理科大学,そして地元企業の研究員やOB等の専門家から指導を受けた。科学部支援

の一環として専門の研究者を招聘して指導してもらうシステムを課題研究だけでなく,その延長として日頃

の科学部の活動にも取り入れた。さらに理数科だけでなく普通科の生徒も指導を受けられる仕組みにする

ことにより,多くの研究発表大会に参加することができた。結果として,今年度は年間の指導回数は過去最

高となり,23の大会やコンテスト等に出場した。主な成果として「中国四国九州地区理数科高校課題研究

発表大会」のポスター発表部門で化学分野の最優秀賞と地学分野の優秀賞,「NICEST2018」では日本生

物工学会東日本支部長賞,「高校生・私の科学研究発表会」では兵庫県生物学会奨励賞を受賞した。

◎課題研究に係る外部指導年間延べ回数:H30年度:30回以上,H29:21回,H28:11回

◎学会・コンテスト等の参加:H30:延べ323人,H29:317名,H28:290名

④サイエンスボランティア

小中学生を対象とする校内外の科学イベントや科学講座等に,ボランティアリーダーやスタッフとして参

加することで,生徒が主体的に企画と運営に関わり,科学的マネジメント力や地域貢献力を身につけてい

る。平成30年度はボランティアリーダーを育成する「たまっこラボ育成プログラム」を試行した。生徒自らが

科学イベントを企画・運営するだけでなく,校内でボランティアスタッフを募集し事前指導に取り組んだ。

【H29】

・玉島サイエンスフェア(地元ライオンズクラブとの共催)

・青少年のための科学の祭典倉敷大会(実験ブースを出展等)

・玉島市民交流センター賞受賞(地域のイベントで多くの講座を出展した功績により,地域連携事業に

おけるボランティア活動に対する感謝状を受けた。)

【H30】

・玉島サイエンスフェア

・玉島サイエンスフェア(生物バージョン・電子顕微鏡)

・青少年のための科学の祭典倉敷大会(実験ブースを出展等)

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・くらしき市民講座(講師)

・玉島市民交流センター(実験講師) 等

◎H30年度合計ボランティア生徒数:213名,イベント来場者数:1967名

⑤ハイパーサイエンスラボ

物理・化学・生物分野において,高等学校から大学教養レベルまでの先進的・発展的な観察・実験・実

習を合計8回実施している。企業の支援を受けて,電子顕微鏡を使った実習ができた。また,大学で行うよ

うに実験後,レポート作成を課し,自ら調べて考察してまとめるという活動も行った。生徒のアンケートでは,

「普段の授業では経験できないことができて楽しかった」「最先端の技術について知る機会をもっと増やし

て欲しい」が約 85%に達し,「日頃の理科や数学の必要性を感じた」が約 90%に達している。

⑥サイエンスキャンプ

岡山大学理学部化学科と連携し,岡山大学理学部や図書館等の大学施設を会場に,理数科1年生が

2泊3日で,化学に関する探究活動を体験した。生徒8名の班ごとに2名の大学生・大学院生がティーチン

グアシスタントとして研究支援につき,生徒は事前に用意された探究テーマから1つを選び,実験と考察を

繰り返した。

生徒からのアンケートでは,「自然科学に対する興味・関心が高まった」「探究活動に取り組むことの面白

さを知った」などは 100%の肯定的な回答を得た。また,生徒自身が伸びたと感じる項目として「学習意欲

(理科)」「基礎的知識」に加え,「観察力」「集中力」「コミュニケーション力」「発想力」「レポート作成力」「自

主性」などがあげられる。

(2)国際性の育成事業

①科学プレゼンテーション研修

4月に理数科1年生を対象に,川崎医科大学現代医学教育博物館と連携して,科学プレゼンテーション

の研修を実施した。各生徒がiPadを使い,岩崎書店「未来を開く最先端科学技術(全6巻)」の中から興味

のある話題を選んで,スライドをつくり,プレゼンテーションを行う研修に取り組んだ。その後,博物館の展

示を題材に説明の要点や,発表態度などに気をつけながら,博物館展示の解説にも取り組んだ。事前の

生徒へのアンケート調査では「人前で話をすることに抵抗がある」という回答が70%あったが,事後には2%

になった。また,「プレゼンテーションのやり方がわかるようになった」と95%の生徒が回答し,人前で話すこ

とに自信がついたことがうかがえる。この研修は教職員研修も兼ねており,プレゼンテーションの定型や手

法を普通科生徒の探究活動にも生かすことができた。11月には研 修 会場 を校 内に移し,普通 科1・2

年生の希望者に対して同様の研修を行った。

②科学英語プレゼンテーション研修

英 語 によるポスター発 表 を行 う生 徒 に対 して,担 当 の理 科 教 員 に加 え,本 校 の英 語 教 員 と

ALT(英 語 指 導 助 手 )で英 語 でのポスター作 成 とポスター発 表 について指 導 を行 った。平 成 30

年度は3チームが英語での発表に取り組み,うち1チームは「NICEST2018」において日本生物工

学会東日本支 部長賞を受賞した。さらに東京家 政大学「生活をテーマとする研究・作品コンクー

ル」において努力賞を受賞した。

現 在 ,英 語 によるポスター作 成 とポスター発 表 の仕 方 についてのテキスト開 発 に取 り組 んでお

り,平成31年度 はこのテキストを用いて指導する予定である。

③国際性育成講演会

理数科1年生を対象として,大学教員より「基本的な研究の流れや国際的な視野と感覚の重要性」につ

いての講演会を実施した。

また,グローバルサイエンスキャリア研修(ベトナム海外研修)の参加者に一般生徒の希望者を加えてベ

トナム文化講座を実施した。ベトナム海外研修で訪問する企業の本社から講師を招き,日 本との経済 交

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流や科学技術交流を交えて,海外に視野を広げることの大切さなどについて話を伺った。

④グローバルサイエンスキャリア研修

グローバルマインドを持 ち,地 域 のリーダーとして活 躍 できる科 学 技 術 人 材の育 成 を目 的 に,

海外進 出している地元 企業や,海 外の大学や研究機 関と共同 研究を進めている地元大学 等と

連 携 し,ベトナム海 外 研 修 を実 施した。企 業 訪 問では海 外で活 躍する日 本 人リーダーから現 地

従 業 員 とのコミュニケーションの取 り方 や,リーダーシップを発 揮 するために必 要 な力 などを学 ぶ

ことができた。大 学 訪 問 では英 語 を通 しての化 学 実 習に取 り組 むことによって研 究のボーダーレ

ス化 を肌 で感 じることができた。高 校 訪 問 では海 外 の大 学 への進 学 を考 えている高 校 生 と環 境

問題についてディスカッションする中で,大学での学びに対して意識を高めることができた。

<参加生徒の研修後の活躍>

・NICEST2018英語による化学研究発表会 日本生物工学会東日本支部長賞 受賞

・東京家政大学「生活をテーマとする研究・作品コンクール」 努力賞 受賞

・日本土壌動物学会 ポスター発表

・朝永振一郎記念「科学の芽」賞 論文投稿

C.全校体制の推進・成果の普及

(1)OJTグループの活用による融合教科・科目の開発

学校設定科目「テクノサイエンスⅠ」「テクノサイエンスⅡ」では理科・数学・情報科の担当教職員が教科

横断的に協働して,教材開発・授業の実践に取り組んでいる。学校設定科目「TACTⅠ」「TACTⅡ」では

1年団と2年団の全教職員の協働により指導計画を作成し,「ユニット学習」「フィールドワーク」を開発・実

践した。

学年の TACT 係と直接指導を行う担任間で毎週 TACT 打合会を行い,平成29年度の反省

を生 かしながら探 究 活 動 を深 化 させるためのアイデアを出 し合 った。また,理 数 科 が課 題 研 究の

指 導 で培 った指 導 のノウハウを普 通 科 の探 究 活 動 に生 かすことにも取 り組 んだ。結 果 として,教

員間の共通理解が進み,本校が推進する全校体制の確立 がまた一歩前進した。

(2)主体的な学びを重視した授業改善

各 教 科 主 任 で構 成 される授 業 研 究 委 員 会 が中 心 となって次 のような取 り組 みを行 い,「主 体

的・対話的で深い学び」の授業実践を推進した。

・OJTチームを活用した互見授業・校内研修

・公開授業月間(6・11月)の設定

・「おかやま教育週間」における研究授業

<生徒の授業アンケート>

◎「授業の中に話し合ったり,発表したりする活動ある」H29:83% → H30:82%

(3)高大接続教育問題協議会

県内外の高校と大学関係者が双方向から,自ら学び,考え,判断・行動し,表現する力を養う

という新 しい学 力 観 に基 づいた高 大 接 続 について協 議 した。平 成 30年 度 は九 州 工 業 大 学 と高

知 大 学 の関 係 者 を招 き,AO・推 薦 入 試 で行 われているグループディスカッションや模 擬 授 業 ,

今 後 新 しく導 入 される活 動 報 告 書 について意 見 を交 換 した。さらに,今 年 度 は関 心 のある生 徒

が大 学 関 係 者 と直 接 話 をする機 会 を設 け,大 学 が求 めている人 物 像 や大 学 でできる研 究 内 容

等について話 をした。今 年 度もこの協 議 会 は教 員 研 修として教 員 全 員 に参 加 を義 務づけた。他

校からは11校11名の教員が参加した。

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(4)成果物の作成と発信

SSHの活動 紹 介リーフレットを作 成し,地 域のイベント等で配 布 し,ウェブページでも公開 して

いる。SSHの取 り組 みについて地 域 のイベント等 で生 徒 がポスターを使 って紹 介 している。理 数

科「テクノサイエンスⅠ」及び普通 科「TACTⅠ」の教材や指導資 料をまとめて,地域の学校へ配

布するとともにウェブページで公開している。また,成果発表 会や教職 員研 修会等も校内 外に案

内して実施した。岡山SSH連絡協議会で成果を報告したり,県外からの視察校にも情報提供 を

行ったりしている。地元のケーブルテレビで毎月1回本校SSHに係る番組を放映している。

平成30年度は本校の「平成29年度SSH研究開発実施報告書」を中学校にも広く配布した。「溜川プロ

ジェクト」については,平成29年度の活動と成果をまとめ,「くらしき市民講座」の受講生や倉敷市役所環

境政策課等に配布した。本校で開発した「研究俯瞰法」について,日本化学会中四国支部大会(愛媛大

学)で教員が発表した。今年度は初めて本校で近隣校の教員及び生徒を対象にポスター発表の研修会を

開催した。

② 研究開発の課題

○地域社会との共創

本校の研究開発課題として,「地域社会との共創」というキーワードがある。地域社会と交流をもち,学ぶ

ことで生徒を成長させ,さらに生徒が将来地域へ貢献することをねらいとしている。運営指導委員のメンバ

ーも地元の大学の教員や企業の研究者などに多く依頼し,各運営指導委員に本校の様々な研究事業を

分担していただき,年間を通して指導助言を受ける仕組みとした。ベトナム海外研修で訪問する2つの企

業は,地元企業であり,事前研修として生徒の訪問を受け入れていただいている。「TACTⅠ」のフィールド

ワークでは地域にある企業や官公庁17か所に受け入れていただいており,フィールドワークを通して地域

の強みや弱みを整理することによって,「TACTⅡ」での科学的探究活動に繋がるように工夫を進めてい

る。また,発展的教育活動においては各事業で岡山大学を始め岡山理科大学,倉敷芸術科学大学,中

国職業能力開発大学校等の地元の高等教育機関からも支援を受けている。このように,お世話になってい

る地元企業・大学をはじめ多くの地域の方に支援していただく仕組みができつつある。今後はこの支援を

継続的なものになるようさらに研究開発を進めていきたい。

○探究活動の深化と研修成果の共有

平成29年度普通科1年生の学校設定科目「TACTⅠ」では,第1年次の研究開発として,学年所属の

教職員の共通理解のもと,「ユニット学習」「フィールドワーク」「ポスター発表」等の企画・運営を全教職員が

分担し,協力して実施することできた。地域の大学や企業等からの支援もあり,探究活動の深化に取り組

む仕組みができつつある。そして平成30年度から新規に始まった普通科2年生の学校設定科目「TACT

Ⅱ」では,数値的なデータに基づいた探究活動となるよう,一年間を通した一連の流れを体系化した。地域

の大学からの支援によって,探究テーマの設定から探究活動の仕方までを深く学ぶ機会を設定できた。こ

のように理数科で培ってきたノウハウを普通科にも普及させることにより,理数科・普通科ともに,全国レベ

ルでの実績をあげるべく研究内容の高度化や論理的思考力の育成が今後の課題である。

教職員の指導力向上のために県内外への先進校視察等への参加を推進し,参加者が得た知見を共有

するシステムを構築できれば研修効果がさらに大きくなると考えられる。

○短いスパンのPDCAサイクル

毎年,生徒,保護者,教職員を対象に実施している学校自己評価の質問項目に,本校のSSHの取組

において,「課題発見力の向上」「課題解決力の向上」「コミュニケーション力の向上」の3つを追加した。今

年度は肯定的な回答がいずれも約 70%であったが,SSHの研究開発の成果の指標として今後も継続して

実施していき,最終年度には 85%になることを目標としている。そのためには,1年間ごとの入念なPDCA

サイクルではなく,短いスパンで視野に入れて適切な時期にこまめにチェックできる体制が必要である。

平成29年度に立ち上げた新規事業を改善・充実させることができた。次年度からはさらに新たな視点を

持って改善に挑戦していかなければならない。本校では第2期の後半から,SSH事業の研究開発に取り

組む教職員の人数が増加しており,全校体制は格段に広がっている。次年度も様々な研究開発が進むと

考えられる。今後も,SSH推進室がすべての事業の進捗状況についてこまめに把握し,評価することによ

って小さなステップアップを繰り返し,事業の改善・深化を目指す。

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❸実施報告書

1 研究開発の課題

(1)研究開発課題名

地域社会との共創による科学的探究活動カリキュラムの開発と発展的教育活動の体系化

(2)研究開発の目的・目標

①目的

将来,地域のリーダーとして活躍する科学技術人材を育てるために,科学的探究活動カリキュラ

ムの開発と発展的教育活動の体系化を行い,「科学的マネジメント力」を育成する。

※本研究では「科学的マネジメント力」を次のように定義する。

「科学的マネジメント力」

科学的な知識・技能をベースに,科学的な発想によって課題を発見する力,他者と協働しながら

課題を解決する力,成果を発信するコミュニケーション力を総合した力

②目標

A.科学的探究活動カリキュラムの開発

地域社会に関わる活動や観察・実験等の体験を重視した,系統性のある科学的探究活動カリキ

ュラムを理数科と普通科で開発する。

B.発展的教育活動の体系化

これまでSSHで研究開発してきた地域連携や高大接続による発展的教育活動を授業や探究

活動と関連づけて体系化する。地域社会との共創により,国際的な活動を充実させ,生徒が科学

的な探究を深めながら,キャリア意識を持って未来を志向するためのプログラムを構築する。

C.全校体制の推進・成果の普及

カリキュラムの開発や発展的教育活動の体系化に学校全体で組織的に取り組み,全教職員が教

科横断的に協力する体制を確立する。開発したカリキュラムや手法等を地域の学校に普及する。

小・中学校や他の高等学校,大学や企業等との連携を強化し,地域の理数教育拠点校としての役

割を果たす。

(3)研究開発の概略

A.科学的探究活動カリキュラムの開発

理数科,普通科とも学校設定科目を設置し,3年間を通じた科学的探究活動カリキュラムを研

究開発する。理数科の「テクノサイエンス」では,科学的・工学的な体験を重視し,普通科の

「TACT」では,地域の課題をテーマとする。

B.発展的教育活動の体系化

地域の企業や大学等との連携を強化し,これまでのSSHで研究開発してきた「講演・実験講

座」「研究施設研修」「野外実習」等を授業や探究活動と関連づけて体系化する。国際交流や海

外研修など国際的な活動も体系に組み込む。

C.全校体制の推進・成果の普及

全教員が教科横断的に協力して,カリキュラム開発等を行う体制を確立する。岡山SSH連絡

協議会を活用して成果の還元を行い,「高大接続教育問題協議会」を開催し,地域の理数教育の

向上を図る。

(4)研究開発の仮説

体験を重視した科学的探究活動と発展的教育活動により,「科学的マネジメント力」を育成する

ことができる。

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2 研究開発の経緯 A.科学的探究活動カリキュラムの開発 A-1-① A-1-② A-2-① A-2-② テクノサイエンスⅠ(3単位) テクノサイエンスⅡ(3単位) TACTⅠ(3単位) TACTⅡ(1単位)

通年 オムニバス形式ユニット学習

クラス協働学習 サイエンス探究(課題研究)

ユニット学習(5~9月)

地域探究 未来探究

4月 科学プレゼンテーション研修 自己紹介プレゼンテーション実習

5月 研究計画書,安全倫理審査 キャリア学習Ⅰ

6月 ハイパーサイエンスラボ(企業訪問研修)

7月 中間発表会(口頭) キャリア学習Ⅱ

8月

ハイパーサイエンスラボ(物理,化学,生物)

キャリア学習Ⅲ

9月 サイエンスキャンプ

研究施設訪問研修,講演会 企業訪問ポスター展示

10月 ハイパーサイエンスラボ(大学訪問研修) ユニット学習事後研修

フィールドワーク事前研修 ハイパーサイエンスラボ(大学訪問研修)

11月 ハイパーサイエンスラボ(研究施設訪問研

修,講演会) 地域探究,フィールドワーク

12月 ハイパーサイエンスラボ(物理,化学,生物)

校内発表会(口頭)

キャリア学習Ⅳ

地域探究のポスター作成

1月 理数科普通科合同校内発表会見学研修 理数科普通科合同校内発表会(口頭:代

表,ポスター:全員)

キャリア学習Ⅴ

理数科普通科合同校内発表会見学研修

理数科普通科合同校内発表会(口頭:代

表,ポスター:全員)

2月 理数科交流研修 理数科交流研修

3月 理数科普通科合同校内ポスター発表会 理数科普通科合同校内ポスター発表会

B.発展的教育活動の体系化 B-1-① B-1-② B-1-③ B-1-④ B-1-⑤ B-1-⑥ 瀬戸内マリンアクティビティ 溜川プロジェクト 科学部メンターシップ サイエンスボランティア ハイパーサイエンスラボ サイエンスキャンプ

通年 フィールドワーク フィールドワーク・水質調査

水質改善の研究活動

定期的な研究支援

研究相談カードによる支援 体験実験の開発と改善

4月

5月 海浜生物相調査,TV会議 研究計画書,安全倫理審査

TV会議による研究支援

地域施設端午の節句まつり・

実験講師

6月 海浜生物相調査,TV会議 くらしき市民講座 講師 TV会議による研究支援 くらしき市民講座 補助講師 ハイパーサイエンスラボ(企

業訪問研修) 講師,TA の依頼と調整

7月 マリンキャンプ(淡路島)

海浜生物相調査,TV会議

中間研究指導と助言

TV会議による研究支援

本校体験授業・補助講師

本校サイエンスフェア・実験講師

地域施設夏講座・実験講師 ハイパーサイエンスラボ(物

理,化学,生物)

8月 マリンチャレンジ(愛媛大学)

海浜生物相調査,TV会議

中国四国九州地区理数科高

等学校課題研究発表大会

SSH生徒研究発表会

TV会議による研究支援 地域施設・実験講師 探究内容等の TA と打合せ

9月 海浜生物相調査 科学の芽・論文応募

テクノ愛・アイデア応募

ハイパーサイエンスラボ(研

究施設訪問研修,講演会)

サイエンスキャンプ(岡山大学)

成果ステージ発表会(岡山大学)

10月 海浜生物相調査 日本学生科学賞・論文応募

全国学芸コンクール・論文応募

本校サイエンスフェア・実験

講師

ハイパーサイエンスラボ(大

学訪問研修)

11月 高校生・私の科学研究発表

会(神戸大学)

テクノ愛・全国大会進出・ステ

ージ発表(京都大学) 科学の祭典・実験講師

ハイパーサイエンスラボ(研

究施設訪問研修,講演会)

12月 研究評価と指導・助言

本校ポスター発表合同研修

会・補助講師

本校サイエンスフェア・実験講師

1月 地域施設・実験講師 ハイパーサイエンスラボ(生物)

2月 ハイパーサイエンスラボ(物理,化学) 事後研修,ポスター作成研修

3月 ハイパーサイエンスラボ(生物) 校内ポスター発表会 B-2-① B-2-② B-2-③ B-2-④ 科学プレゼンテーション研修 科学英語プレゼンテーション研修 国際性育成講演会 グローバルサイエンスキャリア研修 通年

4月 科学プレゼンテーション研修Ⅰ(川崎医科

大学附属現代医学教育博物館) 研修計画

5月 事前研修,前年度研修報告会

6月 研修選考会

7月 NICEST2018(東京,日本化学館)に向け

て事前研修,ネイティブによる指導 本校主催多文化共生ワークショップⅠ

8月 SSH生徒研究発表会(英語ポスター発表)

に向けて事前研修

9月

10月 本校主催研究者による国際性育成講演会

11月 科学プレゼンテーション研修Ⅱ(本校) ベルギー大使講演会(本校)

ベトナム文化講座(本校) ベトナム文化講座(本校)

12月 SSHベトナム研修

本校主催多文化共生ワークショップⅡ

1月 イングリッシュセミナー(本校) イングリッシュセミナー(本校)

2月 ベトナム研修報告会

3月 科学英語プレゼンテーション研修(本校)

C.全校体制の推進・成果の普及

◎C-1-① OJTグループの活用による融合教科・科目の開発・・・通年(詳細は後述参照)

◎C-1-② 主体的な学びを重視した授業改善・・・通年(詳細は後述参照)

◎C-1-③ 高大接続教育問題協議会・・・(教員対象)8月:近隣校も含む高大接続教育問題協議会

(生徒対象)8月:高校生-大学教員高大接続懇話会

◎C-1-④ 成果物の作成と普及・・・通年(詳細は後述参照)

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3 研究開発の内容

A.科学的探究活動カリキュラムの開発

地域社会に関わる活動や観察・実験等の体験を重視した,系統性のある科学的探究活動カリキュラ

ムを理数科と普通科で開発する。

仮説A.地域社会との共創により,科学的探究活動を充実させることができる。

科学的探究活動において,地域の企業,大学・研究機関等への訪問体験や,研究者・技術者との

対話,将来必要となる科学技術情報の習得など,社会と繋がる活動が,課題発見・課題解決には有用

である。

理数科,普通科とも学校設定科目を新設し,3年間を通した科学的探究活動カリキュラムを実施する。

理数科では,学校設定科目「テクノサイエンスⅠ・Ⅱ・Ⅲ(試行)」を新設し,系統立てた科学的探

究活動カリキュラムと学習評価を研究,開発している。普通科では,学校設定科目「TACTⅠ・Ⅱ

・Ⅲ(試行)」を新設し,地域の課題や社会の問題などをテーマにした科学的探究活動カリキュラム

と学習評価を研究,開発している。

理数科,普通科3年生の選択者を対象に学校設定科目「発展研究(1単位)(試行)」を実施する。

「テクノサイエンスⅠ・Ⅱ」または「TACTⅠ・Ⅱ」のより発展的な探究活動に取り組み,各種学会

や理数系コンテスト等へ等での実績向上を目指し研究,開発している。

【課題研究に係る取組】

3年間を通した科学的探究活動・課題研究のカリキュラムとして,理数科「テクノサイエンスⅠ・

Ⅱ・Ⅲ」,普通科「TACTⅠ・Ⅱ・Ⅲ」を学校設定科目として設定する。全校(理数科と普通科の

全学年)の授業を実施対象とし,学校の組織的な取組として推進する。また理数科,普通科の第3学

年で選択者を対象にした,学校設定科目「発展研究」(1単位)を新設し,より発展的な探究活動を

行い,科学技術・理数系コンテスト等での実績向上を目指す。

A-1 理数科

A-1-①教科「理数」学校設定科目「テクノサイエンスⅠ」(1年生) 体験を重視した工学実習

a.仮説

体験を重視した科学的な実習に取り組むことで,科学的探究活動における「発想力」の育成や知識

と技能の習得ができる。また,「オムニバス形式ユニット学習」や「クラス単位での協働学習」を開

発し組み合わせることで,主体的に考え行動できる実習環境と他者の考えを知り物事の捉え方の多様

性に気付かせる実習環境をつくることができる。

b.研究内容・方法・検証

1年生 2年生 3年生

科目名 単位数 科目名 単位数 科目名 単位数

理数科 テクノサイエンスⅠ 3 テクノサイエンスⅡ 3 テクノサイエンスⅢ 1

普通科 TACTⅠ 3 TACTⅡ 1 TACTⅢ 1

理数科・普通科

(選択者)

発展研究 1

[特例の内容と代替措置]

学科 開設する科目名 単位数 代替科目名 単位数 対象

理数科 テクノサイエンスⅠ 3 社会と情報 2

第1学年 総合的な学習の時間 1

[適用範囲]理数科第1学年を対象として実施

[特例が必要な理由]

「社会と情報」と「総合的な学習の時間」の目標を合わせた学校設定科目を新設することで,課

題研究基礎を身に付けさせるための取組を充実させることができる。

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体験を重視した,「オムニバス形式ユニット学習」と「クラス単位での協働学習」の2つの科学的

な実習を開発する。この2つの学習を組合せ,次年度に繋がる体系的な科学的探究活動に取り組む学

校設定科目「テクノサイエンスⅠ」を開発した。仮説を検証するため,事後アンケートを実施した。

また,実習により伸びたと感じる項目を複数選択させた。

表 学校設定科目「テクノサイエンスⅠ」年間指導計画

単位数

3

設定理由及び目標

内容及び指導方法

時数 指導形態

導入 2 一斉

情報 6 一斉

フィールドワーク 10 一斉

オムニバス

形式ユニット

学習

16 グループ

講演会 4 一斉

実習 8 一斉

オムニバス

形式

ユニット

学習

24 グループ

講演会 4 一斉

フィールドワーク 10 一斉

実習 33 グループ

117

備 考

理  数 テクノサイエンスⅠ 理 数 科

指  導  内  容 指導上の留意点,教材等

教 科 名 科 目 名 学科・コース・類型

「テクノサイエンス」の説明

「テクノサイエンス」の目的と概要を理解させる。 「テクノサイエンスⅠ・Ⅱ・Ⅲ」を系統立った科学的探究活動として扱う。

情報サイエンス

情報モラルや情報セキュリティ等の情報基礎と実習を行い,情報活用に関する基本的概念と技術を学ばせる。

「社会と情報」の内容及びより発展させた内容を扱う。情報関連の専門家を招聘して最新技術にも触れる。

理工学施設訪問研修

研究施設等を訪問し,研究者や技術者からの経験に基づいた研究開発や技術開発等の講義や実習を受け,発想力を伸長させる。

事前研修を通して,学習内容と科学技術の関連を理解させ,事後学習を通して,発想力の大切さを重視する。

体験を重視した実習

体験を重視した6つの実習を通して,「発想力」の育成に関わる研究手法と実験技術を習得させる。

オムニバス形式を導入して総合的な発想力を育成し,ユニット学習により主体的に考え,行動できる実習環境をつくる。

事前研修を通して,学習内容と科学技術の関連を理解させ,事後学習を通して,科学技術の大切さを理解させる。

研究者講演会

地域や大学等との連携による研究者講演会を通して,科学に対する興味・関心を高めたり,地域への理解を深めたりして,研究心を喚起する。

事前研修を通して,学習内容と科学技術の関連を理解させ,事後学習を通して,科学技術の大切さを理解させる。

アイデア発想実習

環境問題等の社会で必要とされるアイデアを考える発想実習を通して,発想力を伸長させる。

学習内容を活かして解決方法を考える発想演習。他者と学び合う中から向上心を高めることを目指す。

研究施設等を訪問し,研究者や技術者からの経験に基づいた研究開発や技術開発等の講義や実習を受け,理工学的発想力を伸長させる。

事前研修を通して,学習内容と科学技術の関連を理解させ,事後学習を通して,発想力の大切さを重視する。

サイエンス探究実習

発想力を発展させ,課題の発見・解決に取り組み,実験・観察・分析・考察を繰り返して研究計画を思考する実習を体験させ探究力を身に付けさせる。

主体的に考え,行動できる実習環境をつくる。

体験を重視した実習

体験を重視した6つの実習を通して,「発想力」の育成に関わる研究手法と実験技術を習得させる。

オムニバス形式を導入して総合的な発想力を育成し,ユニット学習により主体的に考え,行動できる実習環境をつくる。

研究者講演会

地域や大学等との連携による研究者講演会を通して,科学に対する興味・関心を高めたり,地域への理解を深めたりして,研究心を喚起する。

時数計

評価は,ルーブリックを活用し,アンケート・ポートフォリオ・パフォーマンステスト等で多面的に行う。

履修学年

第1学年

単元名

 「社会と情報」と「総合的な学習の時間」の目標を合わせた学校設定科目を新設することで,課題研究における基礎を身に付けさせるための取組を充実させることができる。科学的な知識と技能の習得,情報モラルとスキルの習得に一体的に取り組み,体験を重視した実習によって,科学的探究活動における「発想力」を育成する。

○少人数の班単位でのオムニバス形式ユニット学習とクラス単位での協働学習を実施して,実験・実習,講演,施設見学,フィールドワーク,プレゼンテーション研修,探究活動を一体的に行う。○導入・教科オリエンテーション(「テクノサイエンス」の目的と概要)○オムニバス形式ユニット学習による6実習・工学デザイン(クリップモーターカーを教材に設計を通した実習)       ・ロボティクスデザイン(レゴロボットの製作やプログラミングを通した実習)・データサイエンス(科学的現象等を数値化して分析する能力を養う実習)  ・バイオサイエンス(組織培養実習を教材とする実習)・計測サイエンス(物理計測を教材とする実習)                    ・分析サイエンス(高度な化学的分析のモデルを活用した実習)○クラス単位での協働学習・情報サイエンス(情報モラルや情報セキュリティ等の情報基礎と実習)    ・理工学施設訪問研修(研究施設等を訪問し,研究者等から講義・実習)・研究者講演会(地域や大学等との連携による研究者講演会)・アイデア発想実習(目標をもち,ものづくりを通した社会で必要とされるアイデアを考える発想実習)・サイエンス探究実習(発想力を発展させ,課題の発見し解決するために必要な研究計画の見通しをたてる実習)

理工学施設訪問研修

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[オムニバス形式ユニット学習]

【A:工学デザイン】

モーターの原理を理解した上で,自らクリップモーターを製作することで理論的にクリップモータ

ーを速く回すにはどうすれば良いかを考えることができる。この過程を踏まえた後,単純な構造の「ク

リップモーターカー」を教材に,設計→製作→改良のサイクルを実践し体験させる。このような工夫

を凝らす体験によって,発想力を育成する。

事後アンケートの結果より,100%の生徒が「この実習

に興味を持って取り組むことができた」と回答している。

また,実習によって伸びたと感じる項目では,学習意欲(理科)

(62.5%),集中力(60.0%),発想力(50.0%)であり,「発想力」育成に効果のある実習であった。

【B:ロボティクスデザイン】

昨年度まで使用していた LEGO MINDSTORMS NXT を今年度 LEGO MINDSTORMS EV3 に

更新した。実習内容も各回で課題や発展課題を準備し,回毎に生徒自身が理解を深めていけるように

工夫した。特に,3,4回目では,センサーの取り付け方や,課題をクリアするためのプログラミン

グなど,各グループでの発想が試される。

実習により伸びたと感じる項目(複数選択)では,

発想力(63.2%),集中力(63.2%),粘り強く取り組む態度(60.5%)をあげる生徒が多かった。昨

年度までと比べ,今年度は工作的部分を減らし,プログラミングに重点を置いた。ライントレースで

は,生徒の発想は豊かで各グループが悪戦苦闘しながらも,様々なプログラムで挑戦していた。

【C:データサイエンス】

表計算ソフトの扱い方を理解し,研究活動に必要な基本的スキルを習得させるとともに,情報を適

切に収集・処理・表現・発信する能力を養うことで,

2年生の課題研究へ繋げる。

実施回 実習内容

1 モーターの原理を理解しクリップモーターを製作する。

2 上・正面・横の 3 方向から見た設計図を描く。

3 設計図をもとにクリップモーターカーを製作する。

4 実際に走行させながら,改良を加える。

実施回 実習内容

1 ロボットを組み立て,基本的なプログラムの作り方を理解す

る。また,各種のセンサーの基本的な働きを理解する。

2 LEGO プログラミング用のソフトウエアを使い,複数のプログラ

ミング課題を 2 人で協力し合いながら取り組む。

3 タッチセンサーや超音波センサーを使い,課題をクリアする

ためのプログラムを作成し,ロボットの制御方法を理解する。

4 カラーセンサーを使い,ライントレースに挑戦する。

実施回 実習内容

1 表計算ソフトを使って,データをもとに関数を使って表を作

成し,グラフを活用して分かりやすくまとめることができる。

2 関心があるデータを取りまとめ,表計算ソフトを使って,分か

りやすく表現する方法・仕方について学ぶ。

3,4 パワーポイントを使って,グラフや写真を取り入れたポスタ

ーを作成する。

工夫してクリップモーターカー作成

自分で組み立てライントレースに挑戦

コンピュータ室での実習

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事後アンケートの結果より,パワーポイントによるポスター作成に,興味を持って取り組むことが

できた(94.6%),Excel による表・グラフ作成に興味を持って取り組むことができた(94.6%),情

報処理に対する興味関心が高まった(94.6%),パソコンの操作のスキルが上がった。(91.9%),こ

の実習で学んだ内容が,来年度の課題研究に役立つと思う(97.3%)。

実習により伸びたと感じる項目(複数選択)では,基礎的知識(67.5%),学習意欲(情報)(50.0

%,集中力(37.5%),レポート作成力(37.5%)の順に高かった。また,生徒は,次のように感想

を持っている。「ポスター作成では,アイデアや独創性がついたと思った。」「実習で学んだことを,

2年生での課題研究に活かしていきたい。」「人に分かりやすいグラフを挿入したり,文字のフォント

や色の使い方も大切だと分かった。」「Excel の関数の使い方が分かった。」「今までは簡単なことしか

できなかったが,今回の授業で細かい操作や表現方法について身に付けることができた。」という記

述が見られ,次年度の課題研究に繋がる取組ができたと考える。

【D:バイオサイエンス】

微生物の観察・培養を行うことで,生物に関する関心や探究の意欲を高めることができる。各生徒

が個別の作業を行うことで,技術が向上するとともに,それぞれの作業の意味について考え,各自の

工夫を加えることができるようになる。

最後の時間に,顕微鏡やマイクロピペットの使用に

関する実技テストを行ったが,ほとんどの生徒が正しく操作できるようになっていた。生徒への事後

アンケートでは,この実習を通して,観察力(81.6%)や基礎的知識(76.3%)が身についたとの回

答を得た。また,血球計算盤を用いて酵母菌数の計測を行う実習から,集中力(78.9%)や粘り強さ

(57.9%)の項目で伸びを実感したという回答も多く見られた。記述回答では,「生物や科学に対す

る興味が高まった」,「課題研究に活かしたい」,といった肯定的な意見が多く見られ,学習意欲・理

科(76.3%)の項目で高まったという結果が出ている。以上より,本講座が生物に対する関心や探究

意欲を高めることに,成果を上げていると評価できる。

【E:計測サイエンス】

次年度で取り組む「テクノサイエンスⅡ:課題研究」で必要とされる実験スキルと技能を習得させ,

グラフから読み取れる情報やグラフにまとめることの意義を学ぶ。4名1グループに対して全2回の

物理の計測分野の実習を行う。4名の生徒に対して教職員2名がつくことで,細やかな指導と評価を

実現する。

事後アンケートの結果より,「物理計測の方法について

理解することができた。(97.5 %)」「誤差,有効数字の考え

方が分かった。(95%)」「試行錯誤しながら何かを達成することの魅力を知ることができた。(97.5%)」

実施回 実習内容

1,2

光学顕微鏡と実体顕微鏡の仕組みを理解し,正しい使

い方を習得させる。光学顕微鏡で酵母をはっきりと観

察する微調節法を工夫させる。マイクロピペットや血

球計算盤の正しい使い方を習得させる。

3,4

オートクレーブによる殺菌を始めとする無菌操作を理

解し習得させる。培地を調整して酵母を植え付け培養

し,培養技術を習得させる。

実施回 実習内容

1 定規,ノギス,マイクロメーターの使用方法と有効数字につ

いて学ぶ。

与えられた v-t グラフと同じグラフになるように実験方法を考

える。また,v-x グラフを作成し曲線のグラフが得られたときの

処理の方法を考える。

クリーンベンチで無菌操作

実習風景

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などの結果が得られた。実習により伸びたと感じる項目(複数選択)では,学習意欲・理科(50%),

基礎的知識(55.0%)のほか,発想力,集中力,観察力,協調性などを挙げる生徒が多かった。基礎

的知識が身に付いたと感じる生徒も多く,何かを達成することの魅力を知ることができたと感じる生

徒もいたことから,2 年生の課題研究へのステップとなったといえる。

【F:分析サイエンス】

次年度で取り組む「テクノサイエンスⅡ:課題研究」で必要とされる実験スキルと知識を習得させ,

他者に伝えるプレゼンテーション能力も向上させる。3~4名の小グループに対して全2回の化学分

野の実習を行う。3~4名の生徒に対して教職員2名がつ

くことで,細やかな指導と評価を実現する。

事後アンケートの結果より,「基本的な化学実験器具を正しく扱う技能が身についた(100%)」

「口頭発表を上手に行うための技能が身についた(81.5%)」などの結果が得られた。実習により伸び

たと感じる項目(複数選択)では,学習意欲(理科)(67.5%),基礎的知識(60.0%)のほか,集中

力,分析力,レポート作成力,粘り強く取り組む力などを挙げる生徒が多かった。実験やプレゼンテ

ーションなどのスキルだけでなく,興味関心や意欲といった側面の向上も見られ,2年生での課題研

究に繋がったといえる。

[クラス単位での協働学習]

【G:情報サイエンス】

岡山理科大学と連携して,情報関係の専門家を講師として招聘し,情報モラルや情報セキュリティ

等の情報基礎と実践について体験を重視した実習と講義によって学ぶ。また,プログラミング実習を

通して情報活用スキルと発想力を育成する。画面上のキャラク

ターに指示された動きをさせるために,ブロック化されたプロ

グラムの組み合わせ方や順序を,論理的に考えながらプログラ

ミングする過程で,次年度から取り組む「テクノサイエンスⅡ」

の「課題研究」において見通しを持ち計画的に進めるスキルを

育成する。

簡単にプログラミングを体験できるコンピュータソフトを

活用することで,プログラミング経験がない生徒でも取り組み

やすい実習であった。プログラミングした結果がすぐに目の前

で確認できる利点があり,研修プログラムとしてパッケージ化して他校へ普及するのに適している。

【H:アイデア発想実習】

目的を明確にして,「工夫を凝らすこと」をねらいとした実

習を開発した。与えた目的を達成するためにアイデアを生み出

す過程を体験させることで,探究活動における発想力の育成に

繋げる。実習内容を可能な限り単純化しアイデアを生み出す過

程を明確にするため,次のような実習を考え実践した。

実施回 実習内容

基本的な分析器具について正しい使い方を習得させ,

精度を理解させる。模型を用いて,高度な分析機器の

原理と有用性を理解させる。

分析器具の使い方のパフォーマンステスト,分析器具

の原理等のプレゼンテーションによるテストとレポー

トの作成を行う。 パフォーマンステスト「溶液の希釈」

プログラミングの実習に取り組む様子

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「未来予想ポスター」の作成① ①興味のある分野順を考える。 ②選んだ分野を中心に,興味のあるキーワードを選ぶ。 ③選んだキーワードをもとに,マインドマップを作成する。 ④作成したマインドマップを参考に,「疑問に思うこと」

→「予想される答え」を考えることで,「仮説」を立てる。

⑤この仮説をもとに,「未来予想ポスター」を作成にする。

「未来予想ポスター」の作成② ①研究チーム毎に,自分たちの仮説をもとに,ワークシー

ト「未来予想ポスター」の各ブロックに該当する内容を付箋に箇条書きする。

②研究チーム毎に,1年後の課題研究の成果を予想させ,「未来予想ポスター」に付箋を貼り付け完成させる。

③「未来予想ポスター」に貼り付けた付箋を何度でも貼り替えながら完成を目指す。

④1度不要になった付箋は別の控え用紙に貼り付けておく。復活することも十分に考えられる。

単純な展開であるゆえに発想

力を育成するのに効果的であっ

た。しかし,この実習を行うに

あたって,「兎に角やってみ

る。」という取組だけにはさせな

いように十分に指導を行った。

そのため,設計図を描かせるワークシートを作成して活用した。生徒

の活動の様子を見ると,作り始める前にしっかりと考え,グループ

内でアイデアを出し合う様子が見られた。実習後,「京都大学テク

ノアイデアコンテスト”テクノ愛”」に,理数科1年生がアイデアを考え応募し,健闘賞を始め,毎

年数人が二次審査に進出した。その成果の積み重ねによって,今年度は最終審査に残り,京都大学で

行われた最終プレゼンテーション大会で発表し奨励賞(全国ベスト9)を獲得した。このことからも,

この実習によって発想力を育成することができたと考えられる。

【I:サイエンス探究実習】

2年生から取り組む「テクノサイエンスⅡ」の「課題研究」に直結する実習として,1年後の研究

成果を予想する「未来予想ポスター」の作成に取り組んだ。手順は次のとおりである。

この実習は,前年度の取組を検証し改善をした取組であ

る。先を見通して作成する「未来予想ポスター」は,生徒

にとって難しい取組であるが,課題設定,研究計画等の難

しさに気付くのに有効であると考える。指導者側としては,

生徒に課題研究において,どのような研究過程を見通して

いるかを事前に把握するためによい資料となる。

割り箸カーの作成 【目的】①速く走る車を作る。

②長い距離を走る車を作る。 【材料】割り箸100膳,

輪ゴム1箱(100g) 【道具】カッターナイフ,ハサミ

アイデアを凝らした割り箸カーの作成

研究過程を見通した未来予想ポスターづくり

岡山県立玉島高等学校 理数科 1年( )組( )番 氏名( )

1.研究の動機

4.結果

2.仮説

3.研究方法

5.結論

6.参考資料・ホームページ,先行研究資料

【アドバイス】 内容を適切に表し,魅力的な研究タイトルを書こう!

【アドバイス】 自分が取り組もうとしている研究と身近なものまたは学習事項との関連に触れながら,興味を持った科学的な研究内容を明らかにしながら書こう!

【アドバイス】 自分が「こうかな?」と思っていることについて,「○○○なので,■■■となる。」と仮説を設定する。「○○○」は,真実を取り上げる。

【アドバイス】①設定した仮説

「○○○なので,■■■となる。」が,「正」か「誤」か確認できる実験や観察など研究方法を考える。

②仮説の検証は,「正」だけでなく答えではなく,「誤」であるとわかることも大切な成果となります。

③箇条書きでわかりやすく書くこと。図とかを入れて,初めて見る人にもわかりやすくまとめましょう。

④教科書や図説,インターネットで調べてみよう。情報の入手先は,しっかりと記録すること。

【アドバイス】①今回は,実際には実験や観察ができないので,実験結果を予想してみましょう。

②予想した実験結果を表にしたり,グラフにしたり,自分が仮説を検証するのに,有効な形で実験結果を表現しよう。

【アドバイス】①「4.結果」で表した実験結果から,考察したことを,わかりやすく,初めて読んだ人に伝えやすいように書きましょう。

②仮説の検証結果も書きましょう。「正」か「誤」か。

【アドバイス】 ☆ホームページの場合は,図書書籍と異なって日々更新されるので閲覧した日を書きましょう。

①図書の場合 1)玉島太郎.錆の化学新研究.岡山,倉敷堂出版,2016,p.432.

②ウェブページの場合2)㈱たまっこ製作所. ”サビ発生の反応機構”. http://www.tamakko-s.co.jp/rust/mechanism.html,(参照2016-12-1)3)たまっこセンター.”参考文献の書き方”. http://www.hc.lib.tamakko.ac.jp/studyskills/pdf/8_example.pdf,(参照2016-10-3)

未来予想ポスターの記入例

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A-1-②教科「理数」学校設定科目「テクノサイエンスⅡ」(理数科2年生)

a.仮説

「研究俯瞰法」という手法を開発し導入することで,生徒が自らの活動内容を客観的に理

解・評価しながら探究活動を進めることができる。自らの探究活動を客観的に認知する「メタ認知

力」は勿論のこと,協働して取り組む他者(共同研究者等)の探究活動も客観的に認知する「他者

メタ認知力」も育成できる。これによって,客観的で広い視野を持った「探究力」を育成できる。

そして,「研究俯瞰法」を活用した自然科学分野での課題解決学習により「科学的マネジメント力」

の育成を図ることができる。

また,大学や研究機関で先端的な研究に触れることで,科学技術系のキャリアプランニング能力

を向上させることができる。

b.研究内容・方法・検証

地域社会との連携を強化し,身の回りの事象から課題を発見し,主体的に課題解決に取り組み深

く学び,成果を発信できる力を育成するため,新しく「研究俯瞰法」という手法を開発し導入する

ことで「課題研究」を充実させた。また,その「課題研究」の充実と活性化のために,「探究活動

指導プログラム」の開発と大学等の研究機関や地域の企業,NPO法人等と連携できる教育システ

ムを構築した。また,「ハイパーサイエンスラボ」や「理数科交流会」等によって,科学技術系の

キャリアプランニング能力を育成した。

[具体的な内容・方法]

Ⅰ.研究俯瞰法を用いたサイエンス探究(課題研究)

新しく「研究週報」等のワークシートを作成・活用することで,「研究俯瞰法」という新しい手

法を開発し導入した。

[特例の内容と代替措置]

学科 開設する科目名 単位数 代替科目名 単位数 対象

理数科 テクノサイエンスⅡ 3 総合的な学習の時間 1

第2学年 課題研究 2

[適用範囲]理数科2先生を対象として実施

[特例が必要な理由]

1年生での「テクノサイエンスⅠ」を生かした系統性のある科目を設置し,単位数を増加する

ことで,課題研究を充実させることができる。

【研究俯瞰法】

探究活動における課題の発見,解決,成果発信の取組を,第三者の視点から客観的に自分自身及び

共同研究者の活動を俯瞰しながら研究を進める手法である。研究過程の「課題の発見」「研究計画」

「実験・観察」等の繋がりを連続して捉え,過去の活動を振り返り,現在の活動を正確に把握し,未

来の活動を予測しながら,見通しを持って

探究活動に取り組む。

生徒が自らの活動内容を客観的に認知

(「メタ認知」)し,探究活動を進める。そ

れに加えて自分自身の活動だけでなく,共

同研究者との協働的な活動も客観的に認知

(「他者メタ認知」)して探究活動に取り組

むことになる。これによって,生徒は主体

的に探究活動に臨むことができ,他者の活

動をしっかりと認識した上で対話的に意見

を交わしながら深い学びと協働的な活動を

推進することができる。 図 研究俯瞰法のイメージ

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サイエンス探究を履修する各研究チームの研究レベルを維持するために,各種ワーク-シートと

指導プログラムを作成し指導者間での共有を図った。開発した各種ワークシートは,生徒が個人毎

に記入し指導者間で回覧しながら,各指導者が指導と助言を書き込む仕組みをつくった。各指導者

は,担当している研究チームだけでなく他の研究チームの活動状況も把握し指導できる環境を整え

ることで,直接担当している指導者からの支援(「ファースト・コーチング」)に加えて複数の指導

者からの支援(「セカンド・コーチング」)を受けることができる仕組みをつくり探究活動を充実さ

せている。

第2期まで,本校では丁寧な校内指導を得意としており,専門家や他校の教職員から,「発想が

面白い」と,課題の設定や実験器具の工夫等について高く評価されてきた。第3期からは,この得

意な部分を生かしつつ,専門家から高い知識や技術を取り入れるための仕組みとして,玉島サイエ

ンス・サポーター(「TSサポーター」)を構築し,研究実践している。

Ⅱ.ハイパーサイエンスラボ(詳細は,後述参照)

科学的教育活動カリキュラムである学校設定科目「テクノサイエンスⅡ」と連携して,「ハイパ

ーサイエンスラボ」を発展的教育活動の1つと位置づけて研究開発した。2つの面からの発展的な

取組を開発した。1つは,「テクノサイエンスⅡ」の「サイエンス探究(課題研究)」を科学的な知

識や技術の面から伸ばすことを目的に,高等学校から大学教養レベルまでの先進的・発展的な観察

・実験・実習を行い,自然科学に対する興味・関心を高め,理数系の才能を伸ばす取組を行った。

もう1つは,地域の企業や大学,研究機関等との連携を図り,研究者・技術者との対話,将来必

要となる科学技術の情報の習得等,教科書の内容にとどまらない,課題研究と大学での学びや実社

会との関連性を考慮した「講演・実験講座」,「研究施設訪問研修」を実施した。

Ⅲ.理数科交流会

理数科1年生から3年生の全学年が集まり,学年を越え異学年間の交流を通して,高校3年間取

り組んできた科学的な活動の意義と進路実現に繫げる取組について,上級生から下級生へと体験か

ら得られた本物の言葉で語り継いだ。特に体験を重視した科学的な実習,課題研究を中心とする探

ワークシート名 取組時期 ねらいとする具体的な内容

①研究計画書 課題設定期 4月 必要となる実験器具や試薬,実験対象物の検討,実験方法の計画,探究項目毎の活

動計画をタイムライン化し計画的に探究するため。

②研究安全倫理審査願 課題設定期 4月 使用する試薬,実験対象物や実験方法を研究倫理及び安全倫理的に,検証する資料とするため。この資料をもとに外部の専門家による審査を受けるため。

③研究週報 全期 2週間毎

ラボノート(研究ノート)に記録した内容を振り返り,サイエンス週報に達成事項と未達事項を明確にし,次の活動の計画に繫げるため。また,共同研究者等の活動に対する

評価・アドバイスを考察し書き込む。また,共同研究者等からの評価・アドバイスを受けるため。

④研究相談カード 探究期 随時 必要に応じて,外部の専門家に研究活動における疑問点を相談したり,研究を発展さ

せるための助言を求めるため。

取組名 実施時期 具体的な内容

①ベテラン研究者との対話

(本校TSサポーターとの懇話会) 7月17日(火)

4月から始めた課題研究における,課題の設定,計画,中間まとめ発表を終えて,中間期における振り返りと研究支援を兼ねた専門家との懇話会を開催した。

②研究施設訪問研修 10月23日(火)

理数科と普通科の合同で大学の研究施設等を訪問し,直接大学における研究について見聞を深めると同時に,研究者との直接対話によって,大学の研究・教育に意欲関心を高め科学技術系のキャリア意識を高めた。

③研究施設訪問研修 11月23日(金)

理化学研究所神戸キャンパスを訪問し,最先端の研究内容を,最先端で活躍する研究者たちと直接対話し見聞を深めた。各研究領域の詳細な内容を具体的に知り意欲関心を高め科学技術系のキャリア意識を高めた。

④研究者講演会 11月23日(金)

「生物の老化と寿命の仕組みを探る」を演題として,日本で最先端の研究施設である理化学研究所生命機能科学研究センター長の西田栄介氏による講演を聴いた。

表 新しく開発した探究活動に活用したワークシート

表 「ハイパーサイエンスラボ」における研修及び講演会

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究活動等について,そこからの学びを進路実現に繫げ,大学への学びへの接続に向けた意欲と取組

について講話を聞き学ぶ会を実施した。

表 学校設定科目「テクノサイエンスⅡ」年間指導計画

実施日:平成31年2月28日(木) 参加者:理数科全学年 場所:本校白華ホール ①2年生から1年生に向けて講話 ・「テクノサイエンスⅠ」と「テクノサイエンスⅡ」の接続と理

数科の特色ある活動の意義とその後に繫げる取組と姿勢について指導助言

・「課題研究」からの学びと次年度の取組に向けて指導助言

②3年生から1,2年生に向けて講話 ・「テクノサイエンスⅠ・Ⅱ」と「テクノサイエンスⅢ」「発展研 究」への接続,さらに科学系学部学科への進学について 指導助言 ・発展的教育活動の成果と科学的キャリアプランニングの 活用について指導助言

設定

理由

及び

目標

○「理科」と「数学」及び「社会と情報」,そして「総合的な学習の時間」の目標を合わせ融合した学校設定科目を新設することで,主体的に課題解決に取り組ませ,深い学びを通して探究力を身に付けさせ,探究活動において,情報機器や情報通信ネットワークなどを適切に活用して情報を収集,処理する技能を身に付けさせることができる。また,探究活動と大学での学びや科学技術と地域社会との関連を意識した活動させることができる。 ○身の回りの事象から課題を発見し,主体的に課題解決に取り組み,成果を発信できる力を育成する。また,自分自身の活動だけでなく,共同研究者等との協働的な活動にも取り組み,「探究力」を育成する。

内容

及び

指導

方法

○少人数のグループ,または個人単位での科学的探究活動を実施する。課題の発見・設定,研究計画の作成,安全倫理の検討,実験・観察,分析・考察,成果の発信・プレゼンテーションを一体的に行う。 ○導入 ・教科オリエンテーション(「テクノサイエンス」の目的と概要) ○1年次「テクノサイエンスⅠ」を基盤として,主体的に取り組み,協働的に活動する探究活動 ・「研究計画書」を活用して,課題の発見と設定に取り組む ・「安全倫理審査願」を活用して,研究における安全倫理を学ぶ ・「研究週報」を活用して,実験・観察,分析・考察を繰り返し研究活動に取り組む ○3年次「テクノサイエンスⅢ」への繋がりを意識して,探究活動の成果をまとめ,発信する活動 ・探究活動の成果をまとめ,ポスターやスライド等を作成し発表に取り組む ・研究発表を通して,質疑応答に取り組む ・探究活動の成果をまとめ,論文を作成し発表に取り組む ○「ハイパーサイエンスラボ」による高度な科学的体験活動を通して,探究活動と大学での学びや科学技術と地域社会との関連を意識した活動 ・研究施設等を訪問し,研究活動を体験した上で,研究者や技術者からの経験に基づいた研究開発や技術開発等の講義や実習 ・大学教養レベルの先進的・発展的な実験・観察・実習

単元名 時数 形態 指導内容 指導上の留意点,教材等

導入 「テクノサイエンス」

の説明 2 一斉

「テクノサイエンス」の目的と概要を理解させる。 「テクノサイエンスⅠ・Ⅱ・Ⅲ」を系統立った科学的探究活動として扱う。

研究 計画

研究計画書 2 グループ 1年次の「テクノサイエンスⅠ:サイエンス探究実習」の取組を基盤として,課題の設定と解決に向けた計画を立てさせる。

1年次で履修した「テクノサイエンスⅠ」で育成した「発想力」等を意識させ,先の見通しを持って計画を立てさせる。

安全倫理

安全倫理審査願 2 グループ 作成した「研究計画書」に基づき毒劇物を始めとする薬品の取扱や研究対象とする動物等の扱い方について,安全倫理上の配慮を理解させる。

研究活動における,国際的研究基準に基づく安全倫理上の問題を審査する。

講演会

研究者講演会 2 一斉 地域や大学等との連携による研究者講演会を通して,探究活動における課題解決に向けた科学的なアプローチに関わる研究手法を理解する。

事前学習で生徒に研究計画を考えさせ,事後学習を通して,研究技術を修得させ技術の伸長を理解させる。

研究活動

探究活動Ⅰ 20 グループ

「実験と観察」「分析と考察」を繰り返し,研究計画を見直しながら探究活動に主体的に取り組み,深い学びを行い課題解決に向けて研究活動に取り組む。

「研究週報」を活用して,自らの研究内容を客観的に理解し,他者との協働的な活動に取り組ませる。

研究発表

課題研究 中間発表会

9 一斉

探究活動の中間段階において,1度研究成果をまとめ,スライドを作成して他者の前で発表する。また,質疑応答を通して研究の深化に取り組む。

中間段階として,探究活動を全体を自ら見直すため,スライド作成を通して研究成果と課題を見直させる。また,研究者等の専門家との質疑応答を通して,指導と助言を得る。

研究活動

探究活動Ⅱ 52 グループ

専門家からの指導助言を考察し研究計画を見直し,「実験と観察」「分析と考察」を繰り返しながら探究活動に主体的に取り組み,深い学びを行い課題解決に向けて研究活動に取り組む。

「研究週報」を活用して,自らの研究内容を客観的に理解し,他者との協働的な活動に取り組ませる。

実習 ・

講演会

ハイパー サイエンス

ラボⅠ 4 一斉

研究施設等を訪問し,自らの研究活動を体験した上で,研究者や技術者からの経験に基づいた研究開発や技術開発等の講義や実習を受け,探究力をより高く伸長させる。

自らの研究経験を通して,探究活動における探究力を理解させた上で,現場で活躍する研究者や技術者からの講義や実習を通して,探究力を十分に理解させる。

実習 ・

講演会

ハイパー サイエンス

ラボⅡ 4 一斉

大学教養レベルの先進的・発展的な実験・観察・実習を行い,自然科学に対する興味・関心を高め,理数系の才能を伸ばす。

教科の内容にとどまらない,地域・実社会と繋がる活動とする。探究活動と大学での学びや実社会での技術との関連性を考慮してた指導を工夫する。

研究発表

課題研究 発表会

10 一斉

探究活動のおける,1年間の研究成果をまとめ,スライドを作成して他者の前で発表する。また,質疑応答を通して研究の深化に取り組む。

1年間取り組んだ探究活動の成果を,スライド作成を通してまとめさせ振り返らせる。また,研究者等の専門家との質疑応答を通して,指導と助言を得る。

論文作成

課題研究 研究論文作成

10 グループ 探究活動の研究成果を洗練し,社会への還元を意識して研究論文を執筆する。

「テクノサイエンスⅢ」への繋がりを意識して,科学コンテスト等への投稿に通用することを意識して,論文の執筆に挑戦する。

時数計 117

備考 評価は,ルーブリックを活用し,アンケート・ポートフォリオ・パフォーマンステスト等で多面的に行う。

教科名 科目名 単位数 学科・コース・類型 履修学年

理数 テクノサイエンスⅡ 3 理数科 2年生

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理数科2年生を対象に「テクノサイエンスⅡ」を新設し,「サイエンス探究(課題研究)」を中心

とし,「ハイパーサイエンスラボ」や「理数科交流会」に一体的に取り組ませることで,「科学的マ

ネジメント力」の育成を図る取り組みができ

た。また,大学や研究機関で先端的な研究に

触れることで,科学技術系のキャリアプラン

ニング能力を向上させる取組ができた。中心

となる「課題研究」の活動を充実させ深化さ

せるために,「研究俯瞰法」という手法を研究

・試行し開発した。また,この手法を支えるワ

ークシートと「探究活動指導プログラム」を

開発し他校へも配布し普及した。

「研究週報」等を活用して,生徒が自らの探究活動を客観的に認知する「メタ認知力」は勿論のこ

と,協働して取り組む他者(共同研究者等)の探究活動も客観的に認知する「他者メタ認知力」も

育成できた。これによって,客観的で広い視野を持った「探究力」を育成できた。また,複数の指

導者で「研究週報」等を回覧することで,直接担当している指導者からの支援(「ファースト・コ

ーチング」)に加えて他の指導者からの支援(「セカンド・コーチング」)を受けることができる仕

組みをつくり探究活動を充実させた。この指導の過程で,教職員の指導力の向上にも効果があった。

「ハイパーサイエンスラボ」において,課題研究と大学での学びの関連性を考慮した研究施設訪

問研修等を実施した。また,発展的教育活動である「瀬戸内マリンアクティビティ」「溜川プロジ

ェクト」「サイエンスボランティア」等の成果を課題研究に生かす体系化を研究・試行した。更に,

専門家による「玉島サイエンスサポーター(TS)」の仕組みを構築し,特に,大学退官教員集団

の先生方を招聘して指導助言を受

けたり,日常的にメール等を通じ

て指導を受ける仕組みを開発した。

大学退官教員集団の先生方は,研

究経験が豊富で,本来の専門分野

だけでなく幅広い分野の指導も可

能であり,高校生の探究活動の指

導において融合分野となる広領域

の研究支援も可能である。具体的

な実績としては,2年生での研究

発表会の入賞や研究論文

の応募数が増えたこと,

英語発表・論文に挑戦し

たことがあげられる。

図 「研究週報」の活用例(左側:自分自身の評価等,右側:共同研究者からの評価等)

図 成果のモデル生徒

図 本校の探究活動を支える玉島サイエンスサポーターのイメージ

【実績】・集まれ!科学への挑戦者 ポスター発表 奨励賞3本 (H30)・NICEST2018 英語による化学研究発表会 英語ポスター発表

・日本化学会中国四国支部大会 愛媛大会 ポスター発表4本 ・東京家政大学 生活をテーマとする研究・作品コンクール 論文投稿 ・岡山県科学部等の研究集録(第25集) 論文掲載2本

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図 本校の探究活動指導プログラム

I 研究論文作成探究過程で行った各実験内容について,計画→実験観察→結果→分析→考察を繰り返

し,仮説と検証に取り組んだ成果を論理的にまとめる。長期にわたる探究活動の成果を,客観的に考察し,結論を導き,論理的に自分たちの考えをまとめ,表現する。

H 発表会発表会毎に短期間の活動成果をまとめ,発表や質疑応答に対応できることを目指して仕

上げる。発表会毎に目標を設定して取り組む。 ●ポスター発表では,緊張を抑えて発表でき質疑応答を何度も行い,指導助言を十分に受けることができる。●ステージ発表では,緊張が高い中での貴重なプレゼンテーションの機会を体験できる。

(中間発表会) 質疑応答時間を十分に確保し,指導助言を重視。(校内発表会) 発表時間を十分に確保し,成果のプレゼンテーションと評価を重視。

G 研究計画書 兼 研究安全倫理審査願探究過程における研究計画において,研究内容毎

にタイムラインを明確にした「研究計画書」を作成する。更に,研究材料や実験方法等について,国際的な研究基準に適用される安全倫理上の審査を受ける。

F 未来予想ポスター研究テーマの決定後,課題を

解決し成果を発表する未来の姿を予想して発表ポスターを作成する。そこから逆算して,具体的な研究計画書を考え,探究活動の取組を明確に考える。

E 課題の発見と設定研究テーマを,3つの設定型を用いて段階的に指導する。

●「自由選択型」は,生徒自らが全範囲から課題を設定する。時間はかかるが,最も意欲を引き出すことができる。●「課題限定型」は,限定した範囲から課題を設定する。探究活動に早く取りかかれる。●「課題選択型」は,あらかじめ研究内容や方向性が明らかなため,高度なレベルの研究を進めることができる。先行研究の引継ぎは,これに含まれる。

校内指導体制

A 主,副研究領域主研究領域として,「物理」「化学」

「生物」「数学情報」等に分けて専門教員が主担当として指導する。研究内容によっては,これに加え,副研究領域として,「環境」「スポーツ」「防災」「食品」等の関連分野の教員の支援を受け,共に指導にあたる。

B 研究週報生徒は自ら記録した後,共同研究

者1人ひとりにも,自分の活動について評価や助言を記入してもらう。その後,同じ研究分野の指導者全員に指導と助言を書き込んでもらう。これによって、生徒に自らの活動を「メタ認知」させることに加え,共同研究者の活動も客観的に「他者メタ認知」させることで,他者との繋がりを明確に把握し協働的に探究活動に取り組むことを推進する。

指導者側も他の指導者の指導コメントを読み,指導力の向上に役立てる。

校外指導体制

C 玉島サイエンス(TS)サポーター

「テクノサイエンス」における探究活動の支援を頂ける校外指導者のこと。専門的な知識をもち研究経験豊富な大学関係者や地域の有識者から指導助言を受けるシステムを活用し支援する。●「研究計画書」に指導助言●「研究安全倫理審査願」の審査指導●校内の「各発表会」で指導助言●「質問相談カード」による助言等で研究支援を受ける。

D 質問相談カード生徒が主体的に探究活

動に取り組む過程で研究内容のレベルアップを図る。これと共に,生徒の探究力のスキルアップを支援するため,TSサポーターに対して,メールによる質問で指導を受けるための仕組み。

探究活動

探究活動

課題選択型設定

課題限定型設定

探究活動

自由選択型設定 探究活動

探究活動

課題選択型設定

課題限定型設定

探究活動

自由選択型設定

3.指導ユニットとワークシート

◎研究俯瞰法探究活動における課題の発見,解決,成果発信等の実践的な取組過程を,第三者の視点から客観的に俯瞰しながら研究を進める方法である。自分自身の活

動を客観的に捉える「メタ認知」に加え,共同研究者の活動も客観的に捉える「他者メタ認知」することで,他者との繋がりを明確に把握し協働的に探究活動に取り組むことを推進するための方法である。 更に,過去の活動を振り返り,現在の活動を正確に把握し,未来の活動を予測しながら時系列の繋がりも把握し探究活動に取り組むことである。

2.年間指導計画の流れ ※実験データの客観的な分析のため「実験統計学実習(仮名)」,発表会に向けた論理的理解のために「研究ストーリー図(仮名)」を開発する。

(1)課題の発見と設定●発想力が豊かで,面白いテーマ設定を特徴とする。●地域や社会の問題等から課題を発見し,研究テーマを設定する。●身の回りの事象や教科書等の内容から視点や捉え方を工夫して課題を発見し,研究テーマを設定する。

(2)探究計画と探究活動●発想力が豊かで,工夫された実験器具や方法等を特徴とする。●他者と協働で実験結果を予想して研究計画を立て,実験と観察を繰り返して仮説と検証に取り組む。●実験結果は,データ数と再現性の考慮と共に,統計学を活用して客観的に分析する。

(3)研究成果の発信●原稿に頼らず,全員で発表と質疑応答に取り組むことを特徴とする。●研究ストーリーをしっかりと認識し,論理的で順序よい発表展開を意識する。●科学プレゼンテーションの4つのポイント①ヴォイス②アイコンタクト③ジェスチャー④ポスチャーを意識して発表する。

1.探究活動の基本的な概要

課題研究の指導ごよみ平成30年度版 理数科岡山県立玉島高等学校玉島SSH推進室,理数科

□安全倫理審査願の提出

□指導担当者の決定

□研究計画書の提出

□研究テーマの仮提出

□研究週報(2週で1回)

□研究テーマの決定

□研究概要の提出

□研究週報(2週で1回)

□実験統計学実習

□中間発表会

□研究週報(2週で1回)

□研究週報(2週で1回)

△「科学の芽」の応募

□研究週報(2週で1回)

□研究週報(2週で1回)

△日本学生科学賞の応募

□研究ストーリー図の作成

□研究週報(2週で1回)

□校内発表会

□研究週報(2週で1回)

□研究テーマと概要の修正

△集まれ!科学への挑戦者

□SSH

校内発表会

□論文集原稿の提出

□岡山県理数科理数系

コース課題研究

合同発表会

□発展課題研究の履修申請

指導内容

4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月

指導時期

探究Ⅱ期課題設定期 探究Ⅰ期 発信Ⅰ期 発信Ⅱ期

お互いの意見をホワイトボードに書きながら意見交換 実験室や野外で実験や観察を行い,研究ノートに記録を取りながら仲間たちと話し合い,考察を深める 学会や研究発表会での発表を通して,プレゼンテーション力を鍛える

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A-1-③教科「理数」学校設定科目「テクノサイエンスⅢ」(試行)(理数科3年生)

a.仮説

「テクノサイエンスⅠ・Ⅱ」で取り組んできた探究活動のまとめの段階として,社会への還元を

意識した研究発表や論文発表等に取り組むことで,「発信力」を育成できる。そして,課題研究の

成果を大学での研究に繋げる取組を充実させることができる。

「テクノサイエンスⅠ・Ⅱ」を踏まえた系統性のある3年間を通じた探究活動によって「科学的

マネジメント力」を育成することができる。

b.研究内容・方法・検証

今年度は「総合的な学習の時間」の中で試行し,年間指導計画を作成した。学会や研究発表会等

での発表を目指す「学会チャレンジ」やコンテスト等への研究論文の投稿を目指す「論文チャレン

ジ」,国際大会に繋がるコンテスト等や英語での発表を目指す「国際チャレンジ」に取り組んだ。

これによって,「テクノサイエンスⅡ」の課題研究の成果を大学での研究に繋げることを目指した。

今年度は理数科3年生全員が研究論文コンテストに応募でき3チームが入賞している。

[特例の内容と代替措置]

学科 開設する科目名 単位数 代替科目名 単位数 対象

理数科 テクノサイエンスⅢ 1 総合的な学習の時間 1 3年生

[適用範囲]理数科第3学年を対象として実施

[特例が必要な理由]

1,2年生の「テクノサイエンスⅠ・Ⅱ」を生かした系統性のある科目を設置し,課題研究の

成果を大学での研究に繋げる取組を充実させることができる。

図 校外発表に取り組んだ生徒モデル

【実績】読売新聞社 第62回日本学生科学賞(化学,生物,広域分野) 岡山県審査 奨励賞3本

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A-2 普通科

地域と連携して科学的探究活動カリキュラムを研究,開発,実施し,地域社会の課題解決に向け

て取り組む力の育成を目指す。「ユニット学習」で身に付けた知識を活用し,「地域探究」「未来探究」によっ

て地域の課題を発見し,解決する方法を考察する。考察した内容を「進路探究」によって文章化して発信し,

具体化した将来のヴィジョンの実現に向けて準備を進める。探究活動を通して発見力,探究力,発信力を培

い,主体的に活動していくことで自己の在り方・生き方について考えていく。

※「TACT」とは「Tamashima Action Challenge Thinking」の頭文字を取った,第2期での総合

的な学習の時間の校内呼称である。第3期目では,科学的探究活動を中心としたキャリア教育プロ

グラムの学校設定科目名として引き続き使用する。本年度は,「TACTⅡ」を開発・実施し,「T

ACTⅢ」については「総合的な学習の時間」の中で開発・試行している。

A-2-①学校設定教科「総合」学校設定科目「TACTⅠ」(普通科1年生)

a.仮説

科学的探究活動において,地域の企業,大学・研究機関等への訪問体験や,研究者・技術者との

対話,将来,必要となる科学技術情報の習得など,社会と繋がる活動が,課題発見・課題解決には

有用である。「ユニット学習」で身に付けた知識・技能を活用し,「地域探究」「未来探究」によって地域の課

題を発見し,解決する方法を考察することができる。

b.研究内容・方法・検証

[教育課程上の位置づけ(特例の内容と代替措置)]

教科「情報」科目「社会と情報」(2単位)及び「総合的な学習の時間」(1単位)を減じて,学

校設定教科「総合」学校設定科目「TACTⅠ」(3単位) を実施する。

[科目の主なねらい]

ユニット学習によって周囲の事物や現象に興味・関心を持ち,それを地域に関係の深い科学技術

や社会科学と結びつけ,フィールドワークを行う。活動を通して情報の基礎知識やプレゼンテー

ションの基礎等,探究活動に必要なスキルを身につけ,活動の成果をポスター形式で発表するこ

とで,聴く・まとめる・考える・伝えるという「コミュニケーション力」の育成も図る。

[対象]普通科1年生

[特例が必要な理由]

「社会と情報」と「総合的な学習の時間」の目標を合わせた学校設定科目を新設することで,探

究活動の基礎を身に付けさせるための取組を充実させることができる。

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表 「TACTⅠ」年間指導計画

教 科 名 科 目 名 単位数 学科・コース・類型 学 年 講座数

総合 TACTⅠ 3 普通科 1 6

単元名

題材名

事項名

( 教材名 )

数 形態 指 導 内 容 指導上の留意点,教材等

導入

初年度学習 14 一斉

高校生活の意義,高校生活での様々な活

動について理解させ,高校生活をスムー

ズにスタートさせる。

体験的な活動を通して学習の

やり方や生徒会活動への取り

組み方,ルールやマナーを学

ぶ。

情報基礎講座 6 クラス

単位

情報の活用に関する基本的な概念と技

能を学ばせる。

社会と情報の内容および,よ

り発展させた内容を扱う。

進路学習 進路講演会 2 一斉

社会で活躍している企業人,研究者の講

演を聴き,将来のビジョンを具体的に考

えさせる。

外部より講師を招いて行う。

基礎的な

知識・技

能の習得

ユニット学習 19 クラス

単位

科学系5分野に関する内容の学習を行

い,基礎的な知識を養うとともに科学的

思考力も身に付けさせ,活用することの

意義を学ばせる。

授業3時間を1ユニットとし

て科学系5分野の内容を全て

学習する。

学問研究 科学講演会 2 一斉

大学の研究者の講演を聴き,最先端の科

学技術に触れることで,科学技術に対す

る興味・関心を高めさせる。

外部より講師を招いて行う。

進路研究 学問領域研究 4 クラス

単位

卒業後に進む学問領域について考えさ

せ,学部・学科について具体的に考えさ

せる。

2年時からのコース・科目選

択を意識しながら行う。

探究活動 地域探究 58 グループ

グループに分かれ,グループごとに地域

の課題について考察し,話し合わせる。

地域の企業や研究機関等でフィールド

ワークを行い,話し合った課題と地域の

現状とを比較させる。

探究活動で学習した内容をポスターに

まとめる。

研究テーマ決め,フィールド

ワーク先との交渉,活動計画

等,生徒が主体的に活動でき

るように支援する。

プレゼンテ

ーション

情報活用

発表会 4 一斉

「地域探究」での学習をまとめたポスタ

ーを使い,学習した内容についてプレゼ

ンテーションを行う。

事前にプレゼンテーション研

修を行い,プレゼンテーショ

ンの知識・技能をある程度身

に付けた上で行う。

進路学習 進路講演会 2 一斉

社会で活躍している企業人,研究者の講

演を聴き,将来のビジョンを具体的に考

えさせる。

外部より講師を招いて行う。

学問研究 科学講演会 2 一斉

大学の研究者の講演を聴き,最先端の科

学技術に触れることで,科学技術に対す

る興味・関心を高めさせる。

外部より講師を招いて行う。

まとめ

振り返り 4 クラス

単位

「TACTⅠ」で学習した内容を振り返

り,培った職業観や社会観によって将来

のビジョン,進路目標を具体的に意識さ

せる。学習内容のまとめを通じ,次年度

の「TACTⅡ」で取り組む研究のテー

マを意識させる。

卒業後に進む学問領域をより

具体化・明確化し,「TAC

TⅡ」で実施する企業・大学

の訪問先を決定する。

時数計 117

備 考 評価は,ポスターの内容・発表表現・レポート等で行う。

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「ユニット学習」

目的:地域の課題を発見する力を養うために,

様々な分野の学習を通じ,科学への興味・

関心を高めて知識・技能を習得し,科学的

観察力・思考力を育成する。

方法:3時間で一つのユニットとなり,これ

を右に示すカテゴリー別に5回行う。第1

時:講演・講義を聞く。第2時:聞いた内

容を一人一人がレポートにまとめる。第 3

時:互いに報告し合う。

講演・講義を聴く → 各自レポートにまとめる → 互いに報告しあう

ユニット学習を5回にわたり実施した。熱心に聴き,しっかりとメモをとることができ,講師の先

生方からもお褒めの言葉をいただいた。一方,メモをとることに終始し,講演のポイントをまとめき

れないこともあり,メモはポイントを絞って書くよう指導した。レポート作成はワードを使ってまと

めることとしたが,当初はパソコンのスキルが意外と低く,苦労する生徒も見られたが,指導を重ね

ることで,短時間でレポートをまとめられるようになってきた。プレゼンは当初クラス内での発表を

行った。クラスごと,制限時間を設けて,いかにわかりやすく発表できるかを競うなどして,プレゼ

ンテーション能力の向上を図った。後半ではクラスを越えて,これまであまり交流のない生徒たちの

前で発表することを行った。回を重ねるにつれて,講演の際のメモの取り方,レポート作成・発表の

スキルは上達した。

<生徒のアンケートより>

1.TACTⅠの取組はコミュニケーション力の向上につながっている。

2.TACTⅠの取組は課題を解決する力の向上につながっている。

3.TACTⅠの取組は課題を発見する力の向上につながっている。

4.TACTⅠの取組は科学技術への興味・関心の向上につながっている。

5.TACTⅠの取組は玉島高校の魅力の一つになっている。

5 つのカテゴリー

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講演・講義内容

「地域探究」

目的:地域の企業・施設等でフィールドワーク(11 月 2 日)を行い,地域社会に興味・関心を持つ

とともに,地域社会について新たな発見をめざして活動する。また,職業観や社会観を養う

とともに学習した内容をレポートの形でまとめて発表することでプレゼンテーション力を高

める。

方法:フィールドワークを通して,地域との関わり・企業の活動と社会との関わり・働くというこ

とを学ぶ。事前学習,フィールドワーク,各自でレポートを作成,グループでまとめ,発表

する。

① ローカル(5 月 26 日) 場所…白華ホール,LL 教室,視聴覚教室,大会議室

岡山商科大学経営学部商学科 准教授 大石 貴之 氏 「地域資源を生かした観光を考える」

倉敷市まちづくり推進課 課長 髙木 浩 氏 「倉敷市のまちづくり~玉島地域のまちづくり~」

水島港国際物流センター株式会社

代表取締役副社長 三村富士男 氏 「水島港の発展とその取組み」

玉島市民交流センター センター長 猪木 直樹 氏 「玉島のまちづくりと活動について」

② ものづくり(6 月 8 日) 場所…白華ホール,LL 教室,視聴覚教室,大会議室

岡山理科大学工学部バイオ・応用化学科 教授 安藤 秀哉 氏 「化粧品のサイエンス」

岡山理科大学工学部機械システム工学科 教授 丸山 祐一 氏 「飛行機はなぜ飛ぶのか」

中国職業能力開発大学校 生産電子情報システム技術科

講師 豊田 順治 氏 「ものづくりについて」

香川大学創造工学部創造工学科建築・都市環境コース

准教授 宮本 慎宏 氏 「歴史的建造物の保存と活用について」

③ 環境(6 月 22 日) 場所…白華ホール,LL 教室,視聴覚教室,大会議室

旭化成株式会社水島製造所水島総務部総務グループ

課長 阪井 克彦 氏

津﨑 敬子 氏 「旭化成水島製造所の環境への取組」

平林金属株式会社人事・広報部 人事・広報課

課長 原 順一郎 氏

株式会社ヒラキンリサイクルステージ玉島総務管理部

部長代理 陶山 竜治 氏

「身近なリサイクルについて~「捨てる」から「活かす」へ~」

倉敷市環境政策部環境政策課 自然保護係

主幹・係長 岡本 昭一 氏

倉敷市環境政策部環境政策課

技師 多田 英行 氏 「~繋げよう支えよう森・里・川・海~倉敷の自然」

倉敷市環境政策部環境政策課

課長主幹 塩津 賢一 氏 「地球温暖化のはなし」

④ くらし(9 月 14 日) 場所…白華ホール,LL 教室,視聴覚教室,大会議室

倉敷市保健福祉局子ども未来部子育て支援課 主幹 松浦 充宏 氏「子育て支援について」

医療法人社団新風会玉島中央病院 看護部長 岡本 和恵 氏「チーム医療における看護師の役割」

美作大学生活科学部社会福祉学科 講師 菅原 明美 氏「福祉問題と社会福祉士の仕事」

川崎医療福祉大学医療福祉学部保健看護学科 講師 細川 京子 氏「救急看護師とドクターヘリ」

⑤ グローバル(9 月 28 日) 場所…白華ホール,LL 教室,視聴覚教室,大会議室

ノートルダム清心女子大学文学部 現代社会学科

教授 二階堂裕子 氏 「多文化社会ニッポン」

両備トランスポートカンパニー

執行役員 カンパニー長 田邉 学 氏 「日本企業の海外進出」

矢掛町役場 産業観光課 田賀 朋子 氏 「青年海外協力隊をとおしてみつけた課題」

(NGO jum tun 代表)

株式会社ケセラセラ デザイナー

Maria Gabrieia Brewer 氏

「外国人からみる日本~留学・就職を通して発見する日本の魅力」

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訪問先(全 17 カ所)

生徒の希望キャリアに応じてユニット学習で利用した5つのカテゴリー別に選択をさせた。ま

た,訪問についてはユニット学習から続く班ごとに事前調査をさせた。訪問先を理解した上で,フ

ィールドワークを行ったため,当日の見学態度や質問内容もよかった。

フィールドワーク実施後は,訪問先の様子,訪問先で学んだことなどをレポート形式でまとめさ

せ,クラスごとに発表しあい,情報の共有をはかった。

株式会社のだ初 羽黒神社

「情報」

レポートやポスター作成に必要なアプリケーションプログラムの基本的使用方法,ハードウェア

・ソフトウェア,インターネットの活用,情報社会と情報モラルなどについて学習した。

入学時の生徒のスキルにかなりの差があり,当初は文字入力に時間のかかる生徒が多かった。学

習を進めるに応じて次第にコンピュータの使用にも慣れ,ポスター作成を自在に行うことができる

ようになった。

・ローカル(7 カ所)

西爽亭,羽黒神社,株式会社豊島屋,株式会社白神紙商店,菊池酒造株式会社,

玉島テレビ放送株式会社,玉島信用金庫

・ものづくり(3 カ所)

中国電力株式会社玉島発電所,株式会社錢屋アルミニウム製作所,株式会社のだ初

・環境(2 カ所)

三菱ケミカル株式会社水島事業所,株式会社ヒラキンリサイクルステージ玉島

・くらし(3 カ所)

玉島中央病院,介護付老人ホーム ドルフィン・エイド,玉島消防署

・グローバル(2 カ所)

ナカシマプロペラ株式会社,水島港国際物流センター株式会社

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A-2-②学校設定教科「総合」学校設定科目「TACTⅡ」(普通科2年生)

a.仮説

探究活動によって社会の課題を発見し,課題の解決について考察することで,探究力を高めること

ができる。

b.研究内容・方法・検証

[教育課程上の位置づけ(特例の内容と代替措置)]

「総合的な学習の時間」(1単位)を減じて,学校設定教科「総合」学校設定科目「TACTⅡ」

(1単位)を実施する。

[科目の主なねらい]

自ら課題を設定し,観察,実験,調査等を行い,研究成果をポスター等にまとめて発表する。こ

れらの活動を通して,論理的思考力やマネジメント力を養うとともに,将来の進路への意識を高

める。また,主体的,創造的,協働的な活動をとおして,人間関係形成能力・課題対応能力の育

成を図る。

[対象]普通科2年生

[特例が必要な理由]

1年生の「TACTⅠ」を生かした系統性のある科目を設置することで,「総合的な学習の時間」

のねらいを踏まえながら探究活動を充実させることができる。

前年度の先行研究(先行実施)をもとに,今年度の改良点は,次の通りである。

・課題決定に向けて,文系では分野別研修会を開き,大学の先生を招いて指導・助言を受けた。

・調査・実験等の研究時間を多く確保した。

・研究経過が一目で分かるよう,理数科に習い,「ラボノート」を作成し,活用した。

・ルーブリックを開発し,評価について共通認識を持って指導できるよう配慮した。

・自己評価シートを用いて生徒も自らの活動を評価した。

「TACTⅡ」年間指導計画

教 科 名 科 目 名 単位数 学科・コース・類型 学 年 講座数

総合 TACTⅡ 1 普通科 2 6

単元名

題材名

事項名

(教材名) 時数 形態 指 導 内 容 指導上の留意点,教材等

オリエ

ンテー

ション

初年度

学習 1

クラス

単位

これまでの学校生活を振り返り,各自の課題

を見つめ直し,1年間の目標設定をする。

体験的な活動を通して学習のやり

方や生徒会活動への取り組み方,ル

ールやマナーを学ぶ。

進路

学習

学部・学科

研究 1

クラス

単位

学部学科について研究し,将来のビジョンを

具体的に考える。

具体的な進路目標へと繋げさせる。

企業

見学

職業観の

育成 5 班

・修学旅行での班別自主研修で訪問する施設

について考える。

・訪問の目的を含めた計画を作成する。

・施設見学を通して進路選択に繋げる。

訪問の目的を明確にさせる。進路選

択に繋がる訪問を考えさせる

探究

活動 未来探究 19 グループ

・社会問題など諸問題について調べ,情報を

集める。

・新聞記事を要約し自分の意見をまとめる。

・社会問題など諸問題について意見交換をす

る。

・自分の意見を持ち,問題意識を持って課題

を発見し,課題の解決のために何をすべきか

を考える。

・自分の考えを文章にして相手に伝える。

研究テーマ決め,活動計画等,生徒

が主体的に活動できるように支援

する。

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進路

学習 大学訪問 3 一斉

・大学の研究内容や入試,施設等について調

べる。

・課題をもってオープンキャンパスに参加

し,学習成果をレポートにまとめる。

大学訪問の目的を明確にさせる。ま

た自分が取り組みたい探究的な課

題を発見させる。

プレゼ

ンテー

ション

練習・発表

・反省 5 グループ

・「未来探究」での学習をまとめたポスター

を使い,学習した内容についてプレゼンテー

ションを行う。

・プレゼンテーションについて振り返る。

事前にプレゼンテーション研修を

行い,プレゼンテーションの知識・

技能をある程度身に付けた上で行

う。

進路

学習 小論文 4 一斉

・大学入試について研究する。

・志望理由書の書き方を学んだり,小論文の

テーマなどを調べる。

・改めて進路について考えさせると

ともに,志望理由書について考えさ

せることによって,自分の内面を見

つめさせる。

・書くことによって自分の考えを深

め,整理させる。

まとめ 振り返り 1 クラス

単位

「TACTⅡ」で学習した内容を振り返り,

培った職業観や社会観によって将来のビジ

ョン,進路目標を具体的に意識する。学習内

容のまとめを通じ,次年度の「TACTⅢ」

で取り組む論文のテーマを意識する。

卒業後に進む学問領域をより具体

化・明確化し,「TACTⅢ」で実

施する論文を意識させる。

時数計 39

備 考 評価は,ポスターの内容・発表表現・レポート等で行う。

<分野別研修会>

第2年次ではテーマの分野別に研修会を実

施した。探究活動の深化を図るための取組の1

つで,探究活動のテーマ決めから,探究活動の

仕方までを大学の専門家から指導していただ

いた。

<TACT・テクノサイエンス合同発表会>

第2年次では理数科生徒による口頭発表を聴く機会を設けて,普通科生徒も口頭発表に挑戦した。

普通科「TACTⅡ」の探究活動を理数科「テクノサイエンスⅡ」の課題研究に近づけるための取組を

今後も継続する。

<生徒のアンケートより>

「TACTⅡを通して,自分にとって伸びたと感じる項目を全て選んでください。」

TACTⅡでは,TACTⅠでの活動をより深化させ,キャリアを意識したテーマで探究活動を行

った。全体を通して,コミュニケーション力,プレゼンテーション力に加え,表現力,分析力,協調

性が伸びたと感じている生徒が多かった。

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A-2-③学校設定教科「総合」学校設定科目「TACTⅢ」(試行)(普通科3年生)

a.仮説

探究した内容を論理的にまとめ,自分の発想を加えながら的確に表現することで,文章表現力とプ

レゼンテーション力を高めることができる。

b.研究内容・方法・検証

[教育課程上の位置づけ(特例の内容と代替措置)]

「総合的な学習の時間」(1単位)を減じて,学校設定教科「総合」学校設定科目「TACTⅢ」

(1単位)を実施する。

[科目の主なねらい]

「TACTⅠ・Ⅱ」の活動を深化させ,論文を作成する。研究に主体的に取り組むことで,自己

の将来設計をより明確にし,キャリアプランニング能力や社会形成能力の育成を図る。

[対象]普通科3年生

[特例が必要な理由]

2年生での「TACTⅡ」を生かした系統性のある科目を設置することで,探究活動の成果を大

学での研究に繋げる取組を充実させることができる。

「TACTⅡ」の探究活動の成果を論文にまとめ,科学コンテスト等に応募する。また探究活動の成果をキャリアに

繋げる取組を行っていく。

今年度は「総合的な学習の時間」の中で試行し,次年度の年間指導計画を作成した。

「TACTⅢ」年間指導計画

単位数 学 年 講座数

1 3 6

単元名題材名

時数 形態

オリエンテーション

1 クラス単位

探究活動 17 クラス単位

15 クラス単位

5 個人

39

備 考

教 科 名 科 目 名 学科・コース・類型

総合 TACTⅢ 普通科

事 項 名( 教 材 名 )

指  導  内  容 指導上の留意点、教材等

初年度学習

・「TACTⅡ」で学習した内容を基に、個人で取り組む論文のテーマを考える。・「TACTⅡ」で学習した内容を振り返り、培った職業観や社会観によって将来のビジョン、進路目標を具体的に意識する。

卒業後に進む学問領域をより具体化・明確化させると共に、TACTⅡの学習内容を基にした論文作成について指導助言する。

論文作成

・志望する進路について研究を深め、大学での研究に結びついていくように各自で論文の内容を考える。・自分が学習を深めたいと思っている分野の諸問題について、調べ、情報を集める。・調べた事柄を分析し、発表した内容を深化させ、論文を作成する。・論文作成に向けて論理的な文章を構成し、知識、技能と関連づけながら自分の考えを論理的に論述する。・論文を発表する。

論文テーマ決め、執筆計画等、生徒が主体的、計画的に活動できるように支援する。

キャリア学習

キャリア研究

・志望理由書の書き方を学んだり、小論文のテーマなどを調べる。・進路探究で作成した論文を基に志望理由書を作成する。

・改めて進路について考えさせるとともに、志望理由書について考えさせることによって、自分の内面を見つめさせる。

進路研究

大学の学部でどのような事柄を学習・研究できるのかについて調べたり研究する。

大学での研究分野と自分の興味関心のある分野について、マッチングを確認する。

評価は、論文作成の取り組みや論文の内容、発表表現等で行う。

まとめ振り返り 1

クラス単位

一年間を振り返る

時数計

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A-3-①教科「理数」学校設定科目「発展研究」(試行)(理数科,普通科3年生)

a.仮説

国際大会に繋がる学会やコンテストへの参加,発表を目指し,第2学年までの研究を深化し,論

文の精度を高めることで,「科学的マネジメント力」や「コミュニケーション力」の伸長を図るこ

とができる。

b.研究内容・方法・検証

第2期で研究開発してきた,理数科3年生選択者対象の「発展課題研究(課題研究)」で培って

きた指導のノウハウを生かし研究の深化と領域拡大を図りつつ,普通科理系3年生を中心に開講し

てきた「理科課題研究」と学校設定科目「数学課題研究」における研究レベルのアップを図るため,

第3期で新設する理数科,普通科3年生選択者を対象にした「発展研究」の年間指導計画を作成し

た。次年度に学校設定科目「発展研究」を新設する準備として,これまでの「発展課題研究」の指

導に,「テクノサイエンスⅡ」で開発している「研究週報を用いた研究俯瞰法」を導入した。「理

科課題研究」と「数学課題研

究」では文理にとらわれない

文理融合型分野や広域分野の

探究活動を研究試行した。

理数科では,ここ数年生徒

からの探究活動に対する期待

は大きく,理数科3年生全体の3割前後の生徒が選択し活発に課題研究に取り組んでいる。普通科

については,平成29年度は3名と前年度を下回っていたが充実した課題研究に取り組み,校外の

研究発表会で入賞したり,全員が国立大学にAO入試や推薦入試で合格するなど探究活動に取り組

んだ成果が表れた結果となった。この成果によって,選択者数が9倍と大幅に増加した。

今年度の実績は次のとおりで,平成29年度の上位入賞1本に比べ,着実に成果を上げてきてい

ることがわかる。また,ポスター発表を課す大学入試では探究活動の経験を生かして,平成29年

度 1 大学3名合格と平成30年度3大学3名合格という合格実績をあげている。「科学的マネジメ

ント力」や「コミュニケーション力」の伸長を図れたことが明確であった。

今年度の研究試行の成果を生かし,次年度からの学校設定科目「発展研究」の研究内容の深化と

文理融合型分野や広域分野の探究活動の充実を目指して研究していく。

[特例の内容と代替措置]教育課程上の特例を必要としない。

[適用範囲]理数科,普通科3年生の選択者を対象として実施

表 発展的な課題研究の履修者数の年度推移

平成28年度 平成29年度 平成30年度 (2期第5年次) (3期第1年次) (3期第2年次)

理数科(1クラス) 10 10 13

普通科(6クラス) 7 3 27

全校 17 13 40

【理数科 実績】

中国四国九州地区理数科高等学校課題研究発表大会 ポスター発表(化学分野)最優秀賞(1位)

(地学分野)優秀賞(2位)

かはく科学プレゼンテーション大会 ステージ発表 奨励賞

高知大学理工学部紀要 研究論文掲載(査読あり)

筑波大学 朝永振一郎記念「科学の芽」賞 研究論文 努力賞

読売新聞社 第62回日本学生科学賞(化学,生物,広域分野) 岡山県審査 奨励賞3本

【普通科 実績】

NICEST2018 英語による化学研究発表会 英語ポスター発表 日本生物工学会 東日本支部長賞

かはく科学プレゼンテーション大会 ポスター発表 奨励賞

東京家政大学 生活をテーマとする研究・作品コンクール 英語論文 努力賞

筑波大学 朝永振一郎記念「科学の芽」賞 研究論文 努力賞

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B.発展的教育活動の体系化

地域連携や高大接続による発展的教育活動を授業や探究活動と関連づけて体系化する。地域社会

との共創により,国際的な活動を充実させる。

仮説B.発展的教育活動の体系化により,活動成果を対外的な実績や進路実現に繋ぐことができる。

地域の特性を活かした発展的教育活動を体系的に実施することで,活動成果発表の機会拡大や,科

学技術・理数系コンテスト,科学の甲子園等での対外的な実績の向上に結びつけ,進路実現に繋ぐこ

ともできる。また国際化の進む地域社会と連携して,国際交流や海外研修を取り入れた国際的活動も

体系に組み込む。

B-1 地域連携・高大接続

B-1-①瀬戸内マリンアクティビティ

a.仮説

大学等の専門家と連携した野外実習を伴う宿泊研修を行い,集中的に研究活動を体験させること

で,野外における自然環境調査を通した研究活動スキルの育成を図ることができる。

身近な自然環境に興味・関心を持ち,生活と科学技術との関わりについて意識させることで,環境

問題についても考察を深めることができる。

b.研究内容・方法・検証

[対象者]科学部の希望生徒 12 名

[実施日] 平成 30 年 7 月 23 日(月)~24 日(火) :マリンキャンプ in 淡路島(1 泊 2 日)

場所:マリンサイト(神戸大学内海域環境教育研究センター)

平成 30 年 8 月 10 日(金):マリンチャレンジ 2018 中国四国大会

場所:愛媛大学城北キャンパス メディアセンター

平成 30 年 11 月 23 日(金):高校生・私の科学研究発表会 2018

場所:神戸大学鶴甲第一キャンパス

平成 30 年 7 月 23 日(月)~24 日(火),マリンサイト(神戸大学内海域環境教育研究センター)で

「マリンキャンプ in 淡路島」を実施し,科学部に所属する 1,2 年の生徒 12 名が参加した。1 日目

はムラサキウニを使った発生実験・観察,海産プランクトンの採集・観察を行った。2 日目はセンタ

ー長 川井浩史教授から「瀬戸内海の環境について」の講義を受け,その後,海藻・磯動物の採集・

観察を行った。また,磯では防波堤に見られる潮間帯生物相の垂直分布の説明を受けた。

実習後には,地域の環境調査を生かして「瀬戸内海における海浜動物相調査」としてまとめ,「マ

リンチャレンジ 2018 中国四国大会(株式会社リバネス主催)」で口頭発表とポスター発表を行っ

た。調査・研究にあたり,(株)リバネスの支援によりTV会議システムで助言をいただいた。また,

「マリンチャレンジ」での発表後,マリンキャンプに参加した1年生に研究を引き継ぎ,「高校生

・私の科学研究発表会 2018(兵庫県生物学会主催)」ではポスター発表を行った。このように,マ

リンアクティビティが,学年を超えた継続的な研究になってきている。

採集実習 TV会議の様子 ポスター発表

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B-1-②溜川プロジェクト(地域貢献プロジェクト)

a.仮説

科学部活動を対象に,地域連携と高大連携を図り,地域の河川である溜川を活動の場として環境教育に

関する探究活動に取り組むことで,地域の課題に対する意識や地域との連携を高めることができる。また,地

域社会と科学技術との関わりについて意識させ,各種学会や研究発表会等で積極的に発表する。

b.研究内容・方法・検証

[対象者]科学部生徒 [場所]溜川周辺,校内外

[実施日]通年(正課授業と課外活動の両方)

化学部を中心に特別活動と授業を関連づけて,地域で愛される溜川を活動の場として,環境教育

をテーマに生徒の「主体的・対話的で深い学び」に取り組む。今年度は,引き続き溜川の定期的な

水質調査,周辺地域の環境調査の研究を通して,現

状を科学的に分析する手法を身につけた。さらに,

高大連携による水質改善をテーマに研究活動の発

展・深化に取り組み,研究成果の実用化に向けて,

地域と連携して環境教育に関する市民講座の講師

を務めた。これらの取組を通して,地域の課題であ

る溜川の環境保全について実践的に活動すること

で,地域貢献力を育成した。

地域で愛される溜川を活動の場とする「溜川プ

ロジェクト」の取組を,化学部3年生から1年生

へ活動の主導権を移行し生徒間で伝承と指導を行った。また,校外で取り組んだ環境教育に関する

市民講座では,本校化学部2年生と協力して準備・運営に取り組んだ。更に,当日は他SSH校の

科学部活動の生徒たちと協働して講座を務めた。その講座内容等が評価され,岡山県内245の公

民館が応募した平成30年度実施講座の中からグランプリを受賞しました。このように,「溜川プ

ロジェクト」は,学年を超え,他SSH校と交流を深め,生徒が多様なステージで環境問題の解決

を考える活動とすることができた。今後は,地域と共に環境を守る方法の創出を目指す活動を実践

した。

生徒に対する質問紙法による調査の結果を分析すると,肯定的回答が「この活動に取り組むこと

によって地域の課題(環境問題,水質汚染等)に対する興味・関心が高まった。」91.7%,「この活

動に取り組むことで地域社会と科学技術との関わりについて意識が高まった。」91.6%ととても高

い値を示しました。更に,伸びたと感じる力として「学習意欲(理科)」と「コミュニケーション

力」が共に 66.7%,「基礎的知識」「観察力」「独創性」が共に 50.0%と高い値を示した。地域貢献

のみでなく,各種学会や研究発表会等に繋がる部分でも良い影響が見られた。

図 課題研究から課外活動(化学部)へのイメージ

【学会・研究発表会での発信】

( 8月)中国四国九州地区理数科高等学校課題研究発表大会 ポスター発表 (地学分野)優秀賞(2位)

( 8月)SSH生徒研究発表会 ポスター発表(日本語,英語)

(12月)京都大学 テクノアイデアコンテスト テクノ愛2018 最終審査ステージ発表 奨励賞(全国ベスト9)

【研究論文コンテストでの発信】

( 9月)筑波大学 朝永振一郎記念「科学の芽」賞 努力賞

(10月)読売新聞社 第62回日本学生科学賞 岡山県予選 (広域分野)奨励賞

(11月)旺文社 第62回全国学芸サイエンスコンクール 自然科学研究部門

【地域貢献・発信】

( 6月)水島公民館主催 くらしき市民講座講師(「第2回公民館職員が選ぶ!講座アワード」でグランプリ賞受賞)

( 6月)倉敷市環境学習パネル展

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B-1-③科学部メンターシップ

a.仮説

科学部支援の一環として,専門の研究者を科学部メンターとして招聘し,意欲・能力の高い生徒を

指導してもらうことで研究の深化を図ることができる。

b.研究内容・方法・検証

[対象者]科学部

[実施日] 随時 [場所]大学,本校

岡山大学や岡山理科大学,地元企業の研究員やOB等の専門家による指導を受ける。科学部の活動にお

ける研究成果を,課題研究の延長として,日頃の科学部の活動にもメンターによる指導を取り入れながら,

数多くの研究発表大会に参加する準備をしてきた。今年度は普通科の生徒も指導を得られる仕組みにし

て,普通科の生徒も外部での発表大会に参加することができた。今後の課題は,発表大会で活躍できる生

徒を増やし, 賞を獲得できるように指導することである。

【主な実績】

・中国四国九州地区理数科高校課題研究発表大会 (化学分野)最優秀賞,(地学分野)優秀賞

・京都大学 テクノアイデアコンテスト テクノ愛2018 全国ベスト9

・筑波大学 朝永振一郎記念「科学の芽」賞 努力賞

・NICEST2018英語による化学研究発表会 日本生物工学会東日本支部長賞

・東京家政大学 生活をテーマとする研究・作品コンクール 努力賞

・かはく科学プレゼンテーション大会 奨励賞

・高知大学理工学部紀要 査読あり研究論文掲載

・読売新聞社日本学生科学賞岡山県審査 奨励賞3本

マリンチャレンジプログラム 日本土壌動物学会

溜川で採水(フィールドワーク) くらしき市民講座 京都大学でアイデアコンテスト

中国四国九州地区理数科

高校課題研究発表大会

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B-1-④サイエンスボランティア

a.仮説

科学実験に関するボランティア活動を通じて,科学的マネジメント力,地域貢献力を育成し,知識

や技能を地域社会との共創に活かすという姿勢を身に付けさせることができる。

b.研究内容・方法・検証

[対象者](ボランティア・リーダー)科学部生徒 (ボランティア・スタッフ)全校生徒

[実施日]課外(放課後,学校休業日,祝日)

小中学生を対象とする校内外の科学イベントや科学講座等

に,生徒がボランティア・リーダーやスタッフとしてボランテ

ィア活動の企画や運営に,それぞれのレベルに応じて主体的に

取り組むことで,科学的マネジメント力及び地域貢献力を身に

つける事業を実施した。表中②③⑥⑧⑨⑪のサイエンスボラン

ティアにおいては,特にボランティア・リーダーの養成に注目

し企画運営を重視したプログラムを計画・実施した。

本校主催のサイエンスボランティア:117名/来場者数287名

サイエンスボランティア名 本校ボランティア

生徒数 来場者数

①夏のオープンスクール体験授業補助講師(H30.7.27,本校物理・化学・生物教室他) 45名 156名

②中学生対象サイエンスフェア実験講師(H30.7.27,本校物理・化学・生物教室) 21名 43名

③小学生対象サイエンスフェア実験講師(H30.10.20,本校白華ホール・生物教室) 32名 35名

④ポスター発表合同研修会補助講師(H30.12.22,本校LL教室) 10名 31名

⑤小中学・高校生対象サイエンスフェア実験講師(H30.12.22,本校生物教室) 9名 22名

本校以外が主催のサイエンスボランティア:105名/来場者数1747名

サイエンスボランティア名 本校ボランティア

生徒数 来場者数

⑥玉島交流センター主催 端午の節句まつりワークショップ 実験講師 (H30.5.5,玉島市民交流センター)

20名 541名

⑦倉敷市主催 くらしき市民講座春講座 講師等(H30.6.17,水島公民館) 11名 29名

⑧玉島市民交流センター主催 夏講座 実験講師(H30.7.27,玉島市民交流センター) 23名 40名 ⑨天満屋倉敷店主催 スーパーサイエンスコーナー 実験講師

(H30.8.1-2,天満屋倉敷店) 18名 228名

⑩青少年のための科学の祭典 2018 倉敷大会 実験講師 (H30.11.10-11,ライフパーク倉敷)

23名 787名

⑪天満屋倉敷店主催 スーパーサイエンスコーナー 実験講師 (H31.1.26,天満屋倉敷店)

8名 58名

⑫第16回高大連携理数科教育研究会 演示実験講師(H31.2.5,岡山理科大学) 2名 64名

[地域貢献力の育成 ~ボランティア・スタッフの養成を通して~]

全校生徒を対象に,校内外で行われる科学イベントや科学講座等のサイエンスボランティアを募

集し,ボランティア・スタッフとして日頃の学習活動で身につけた知

識や技能を活かす機会を提供し地域で科学実験の啓発・普及に貢献さ

せることで,地域貢献力を育成した。

[科学的マネジメント力の育成 ~ボランティア・リーダーの養成

を通して~]

本校化学部を中心に物理部,生物部や数学情報同好会の科学部活

動が連携して,校内外で行われる科学イベントや科学講座等の企画か

ら準備と運営を実践することで,科学的マネジメント力を育成した。

また,このようなボランティア・リーダーを養成するプログラムの

開発を目指した。

成果としては,科学部活動が連携したサイエンスチーム“たまっ

こラボ”を結成し,ボランティア・リーダーを養成する取組を通して,

図 ボランティア活動の位置づけ

図 “たまっこラボ”育成プログラム

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図 本校SSHにおけるサイエンスボランティアの位置づけ

図 生徒が作成した配布資料

科学的マネジメント力を育成するプロ

グラムの開発と実践を研究した。

また,科学的探究活動カリキュラム

から発展的教育活動への発展的接続,

そして,地域との共創に繋がる活動が

活発にできるようになった。更に,ボ

ランティア・リーダーを養成するプロ

グラムの開発ができた。来場者数が

2034 名に達したことから,地域からの

期待に応える活動が達成できたと考え

られる。また,本校の取組を評価した

地方公共団体や教育機関,企業等の地域組織から,科学イベントや科学講座等の開催を要請される回

数も増加した。

成果を検証する方法として,ボランティア生徒を対象に質問紙による定量的・質的評価を実施した。

また,本校主催の小学生対象のサイエンスフェアの参加小学生にもアンケートを実施した。サイエン

スボランティアに参加した生徒からは,次表のような結果が得られた。「自分自身にとっては,サイ

エンスボランティアに対する取組によって貴重な体験と科学的マネジメント力の育成に効果的であ

った」という回答が見られた。その反面,相手に対して十分な対応ができなかったと感じている生徒

が多かった。

本校主催の小学生対象のサイエンスフェアの参加小学生が

選ぶ,「心に残った実験」「ワクワクした実験」「なるほどと感

じた実験」を基に,ボランティア生徒を表彰することで小学生

からの評価を知ることができた。実験内容・方法の選択と決定,

当日の運営,プレゼンテーションの1つ1つが評価されること

になるので,総合的な科学的マネジメント力が問われることに

なる。参加した小学生からの評価にも大きな差が現れた。

また,生徒が作成した配布資料も評価対象とした。図は,たまっこラボのメンバーとして,数多く

のサイエンスボランティアに取り組んできた生徒が作成した配布資料である。実験方法だけでなく,

原理等も図を用いて小学生の知識で理解できるように説明している。経験を重ね学んでいくことで,

対象を考えて,科学の面白さを伝えること,より深く興味を持たせることができる配布資料を作成で

きるようになった生徒も現れてきた。以上のような結果から,通常のサイエンスボランティアに加え

て,ボランティア・リーダーを養成する“たまっこラボ”の取り組みを通して,科学的マネジメント

力を育成することができたと考える。

質問項目 肯定的回答

サイエンスボランティアの経験はとても充実していた。 100%

科学イベントや科学講座の等を企画し準備と運営ができた。 95.2%

科学的マネジメント力を育成するのに役に立った。 90.5%

サイエンスボランティアのリーダーとして科学イベントや科学講座等に挑戦したい。

90.0%

小学生等に理科の面白さを上手く伝えることができた。 66.7%

◎科学部連携サイエンスチーム“たまっこラボ”

本校化学部を中心に物理部,生物部や数学情報同好会の科学部活動が連携したサイエンスチームの

こと。校内外で行われる科学イベントや科学講座等の企画から準備と運営の中心として活躍していま

す。サイエンスボランティアの活動におけるサイエンス・リーダーの養成に貢献しています。

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B-1-⑤ハイパーサイエンスラボ

a.仮説

高等学校から大学教養レベルまでの先進的・発展的な観察・実験・実習を行うことで,自然科学に

対する興味・関心を高め,理数系の才能を伸ばすことができる。また,研究施設体験研修を実施する

ことで,最先端の研究内容や研究施設に触れ,各研究領域の内容を知り意欲・関心を高めるとともに

研究者を身近に感じ,科学技術系の進路意識を高めることができる。

b.研究内容・方法・検証

校内の教員が講師となって大学の教養レベルの実験・実習を行う【発展的な観察・実験・実習】を

物理,化学,生物の各分野で行っている。また,【研究施設体験研修】を今年度は4回実施した。

【発展的な観察・実験・実習】

〔物理〕

[対象者]理数科2年生

[内容・実施日]

○第 1 回「LED を用いたプランク定数の測定」 7月 30 日

量子力学における基本定数であるプランク定数についての実験を行った。LED における発光の原理を

学び,式を通してエネルギー原理と比較しながら実験を進めていった。実験装置については可変抵抗器や

テスターなど高校生でも簡単に扱えるものを用いて,プランク定数の測定実験を行うことができた。グラフの

傾きからプランク定数を求める操作は,様々な場面で使うことのできる操作であるため,今後使いこなせるよ

うに指導していきたい。

○第 2 回「シュテファン・ボルツマンの法則」 12 月 28 日

熱力学における放射エネルギーは絶対温度の4乗に比例することを実験によって確認を行った。光が放

射する際には,様々なエネルギー形態があり,その総量と温度の関係について実験を行うことから関係性を

見つけ出していった。実験結果を解析するに当たっては,通常のグラフと対数グラフの両方を用いて行った。

高校生が普段用いることのない対数グラフによって解析を行う意味を学ぶことができた。

どちらの内容も現在の科学技術を支えている内容である。実験操作自体は単純ではあるが,基本的な実

験操作の習得や得られたデータから考察する過程は,科学的な思考を形成する上で欠かすことのできない

基本的な思考力を育成するものである。また,今後の学習活動において主体的に学ぶ姿勢の形成に繋が

るものであると考える。

〔化学〕

[対象者]理数科2年生

[内容・実施日]

○第 1 回「キレート滴定を用いた天然水の硬度測定」 8月9日

キレート剤としてエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を用いたカルシウム硬度と全硬度を求めるキレート滴

定を行った。生徒は滴定の技能を中和滴定や酸化還元滴定で習得しているため,主に実験方法や硬度

の定義などについて事前に,一人一人がレポートにまとめる活動を行った。また,

レポートの書き方を予め学習して取り組んだ。

○第 2 回「デュマ法による分子量の決定」 2月 18 日

試料 A の分子量をデュマ法で求める実験を行った。試料 A にはシクロヘキ

サンを用いた。分子量を求める方法を考える活動を行った。事前に学習してい

る「気体の状態方程式」を用いて求めることで,理解を深めるとともに定着を図

った。また実験結果が理論値と合わない場合は要因を考え,班で話し合った。

実験方法から考察までのレポート作成にも取り組んだ。

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〔生物〕

[対象者]理数科2年生

[内容・実施日]

○第1回「バイオリアクターによるアルコール発酵」 7 月 13 日,17 日,20 日

バイオリアクターを各自に作らせ,キューネ発酵管の実験と比較した。バイオリアクターを用いて,アルコ

ール発酵させ,エタノールの生成を確認した。また,気体の発生量をアルコール発酵の反応速度と見なし,

グラフを作成し,温度の影響を確認した。

○第2回「プロトプラストの単離と細胞融合実験」 7 月 30 日

アロエと赤パプリカのプロトプラストを作り,細胞融合を観察させた。次に,

この 2 種類の植物のプロトプラストを接着・融合させ,異種融合細胞を作

製した。

○第3回「電子顕微鏡」1 月 25 日

「アミメアリとアリグモの比較,ヒイラギの気孔」など身の回り

の生物を株式会社日立ハイテクノロジーズから借り上げた卓上電

子顕微鏡で観察した。機器は,生徒が操作を行った。

○第4回「大腸菌の遺伝子組み換えによる形質転換実験」3 月

大腸菌に 3 種類の遺伝子【①オワンクラゲの蛍光遺伝子(GFP),②アンピ

シリン(抗生物質)分解酵素をつくらせる遺伝子,③アラビノース分解酵素

をつくらせる遺伝子】を導入し,形質発現を確認する。

いずれも高校の学習内容を踏まえつつ,応用的な内容を加え,探究的な

活動になるように工夫した。生徒達は,発展的な実験に意欲的に取り組み,

生物学に関する興味・関心を一層深めることができた。

【研究施設体験研修①】

[対象者]普通科2年生・理数科2年生全員

[場所]パナソニックセンター,Daiichi Sankyo くすりミュージアム,東芝未来科学館

[実施日] 6月21日(木)

午前は企業・施設訪問(全 18 コース)を実施した。全 54 班には GPS スマホを持たせ,教員はタブレット端末

を使って,生徒の動向を確認した。

・パナソニックセンター…「リス-ピア」見学

「ユビキタスネットワーク社会の実現」「地球環境との共存」「ユニバーサルデザインの創造」をテーマに,最

先端技術や地球環境との共存を目指す取り組みを体験した。

・Daiichi Sankyo くすりミュージアム…施設見学

「くすりの働きや仕組み」「くすりづくり」などについて見る,聞く,触れることで楽しく,分かりやすく,学ぶこと

ができた。

・東芝未来科学館…施設見学

超電導のサイエンスショー,アテンダントによるご案内,自由見学を行った。

・ANA 機体工場見学…施設訪問

ボーイング777,787,767など大型機,中型機がどのように整備されているのかを見学した。

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【研究施設体験研修②】

[対象者]理数科1年生39名

[場所]岡山大学 分析化学研究室,有機化学研究室,ICP・NMR

[実施日]9月23日(日)

岡山大学では分析化学研究室,有機化学研究室を巡り,施設・設備等

の説明を受けた。大学教員や大学院生との懇談を行った。

【研究施設体験研修③】大学訪問

[対象者]普通科2年生・理数科2年生

[場所]愛媛大学・徳島大学・島根大学

[実施日]10月23日(火)

愛媛大学教育学部・理学部,島根大学法文学部・生物資源科学部,徳

島大学理工学部・薬学部・医学部保健学科看護専攻の中から,自分の進

路に近いものを選択し,あらかじめ,大学について調べ学習をしたり,質問

を考えたりすることで,各々が目的を持って大学訪問をすることができた。

実際に,大学の教授の講義を受けたり,学部や学科についての説明を聞

いたりすることで,将来の進路についてのビジョンがより具体化した生徒も

いた。

【研究施設体験研修④】

[対象者]理数科2年生・普通科2年生希望者38名

[場所]理化学研究所神戸キャンパス

[実施日]11月23日(金)

理化学研究所神戸キャンパスでは理数科2年生と普通科2年生の希望

者38名が研究施設見学・体験を行った。理化学研究所は第1地区(西エ

リア,東エリア),第2地区に分かれて,かなり広い範囲に渡っており,多細

胞システム形成研究センターやライフサイエンス技術基盤研究センター,生命システム研究センター等に

様々なブースが多数設置され,わかりやすく展示されていた。

理科学研究所生命機能科学研究センターセンター長西田栄介先生による「生物の老化と寿命の仕組みを

探る」の講演では,最先端で研究されている方の生の声を聴講することができ,中にはかなり刺激を受けた生

徒もいたのではないかと思われる。

アンケートより,「科学に対する興味が高まった」や「最新の科学に触れることができて良かった」,「講演の

内容は難しかったが,生命の老化や寿命についてさらに興味を持てた」などという感想があった。質問紙の結

果で「科学者や技術者を身近に感じる。」が研修前の 67%から 85%へ,「研修後,訪問した研究所の研究分

野に対する興味関心が高くなった。」が 87%となり,研究施設体験で科学技術系の興味関心が高まったとい

える。

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B-1-⑥サイエンスキャンプ

a.仮説

岡山大学理学部化学科と連携し,探究活動や情報活用研修等を取り入れ,「ミニ課題研究」として

研究活動を行うことで,自然科学に対する興味・関心を高め,理数系の才能を伸ばすことができる。

b.研究内容・方法・検証

[対象者]理数科1年生39名 [場所]岡山大学理学部

[実施日]平成30年9月23~25日 [回数]年間1回

岡山大学理学部化学科と連携して,岡山大学理学部や図書館等の大学施設を会場に,理数科1年生

39名が平成30年9月23日(日)~25日(火) 2泊3日で,化学に関する探究活動を体験した。

生徒8名の班ごとに2名の大学生・大学院生(岡山大学大学院自然科学研究科)がティーチングアシ

スタント(T.A.)として研究支援につき,生徒は事前に用意された探究テーマから1つを選び,実

験と考察を繰り返した。日中の大学での実験だけでなく,夜の宿舎でのまとめや振り返りなど,3日

間すべての時間を探究活動と情報活用研修に費やした。得られた成果をスライドにまとめ,最終日に

は,大学教員等や大学院生の前で研究発表と質疑応答を実施した。生徒を対象に質問紙による定量的

・質的評価も実施し仮説を検証する。

岡山大学理学部化学科(大学院自然科学研究科)と連携し,探究活動や情報活用研修等を取り入れ,

「ミニ課題研究」として研究活動を行うことで,「自然科学に対する興味・関心が高まった。(100

%)」「探究活動に取り組むことの面白さを知った。(100%)」「実験・観察の結果をふまえて課

題を見つけられるようになった。(89.4%)」の肯定的な回答を得た。また,伸びたと感じる力とし

ても,「学習意欲(理科)」や「基礎的知識」は勿論のこと,「観察力」「集中力」「コミュニケー

ション力」「レポート作成力」「自主性」を多くの生徒があげている。生徒の感想では「目的の結果

に到達するだけでなく,そこからまた新たな疑問が見つかり,それについて考えることもいい経験に

なった」などの意見も多くあった。上記のとおり仮説の成果が十分に実証され,特に理数系の探究・

研究活動に必要な力を伸ばすことができた。

B-2 国際性の育成

B-2-①科学プレゼンテーション研修 a.仮説

効果的な英語研修をするための前段階として,専門家に世界標準である論理的に説明する力を示してもらうことで,科学コミュニケーション能力を育成することができる。 b.研究内容・方法・検証

【科学プレゼンテーション研修①】

[対象者]理数科1年生39名 [場所]川崎医科大学現代医学教育博物館

[実施日]平成30年4月14日(土)

T.A.の支援のもと研究活動 グループで研究のまとめと考察 研究活動の成果発表

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理数科1年生を対象に,4月14日(土)に,川崎医科大学現代医学教育博物館と連携し,科学プ

レゼンテーション研修を実施した。中部大学教授の井上徳之氏を講師とし,各生徒が iPad を使い,岩

崎書店「未来を開く最先端科学技術(全6巻)」の中の話題を選んでスライドをつくり,プレゼンテ

ーションを行う研修に取り組んだ。その後,博物館の展示を題材に,スライドによるプレゼンテーシ

ョンの方法を応用し,説明の要点や,発表態度などに気をつけながら,博物館展示の解説に取り組ん

だ。事前の生徒へのアンケート調査では「人前で話をすることに抵抗がある」と回答した生徒が 70

%いたが,事後には 2%になった。また,「プレゼンテーションのやり方がわかるようになった」と

95%の生徒が回答し,人前で話すことに自信が付いたことがうかがえる。

【科学プレゼンテーション研修②】

[対象者]普通科2年生希望者40名 [場所]本校

[実施日]平成30年11月17日(土)

普通科2年生の希望者を対象に,同講師をお迎えし,本校で研修を実施した。岩崎書店「未来を開

く最先端科学技術(全6巻)」を使用してプレゼンテーション資料を作成し,それを見せながらプレ

ゼンテーションすることで,参加生徒全員が根拠をあげてプレゼンテーションする手法が分かるよう

になった。また,繰り返しプレゼンテーションを経験させることで,人前でうまく説明できるように

なった。「人前で話をすることに抵抗がある」と回答した生徒は,93%いたが,「プレゼンテーシ

ョンのやり方がわかるようになった」と回答した生徒は95%になり,人前で説明することの苦手意

識が払拭できたと判断できるため,この手法は,非常に有効であると考えられる。さらに,この研修

は教職員の研修にもなり,プレゼンテーションの型や手法を普通科の「TACT」にも生かすことが

できた。

2年生(研修の助手)の紹介 ポスチャーを意識してミニプレゼン

B-2-②科学英語プレゼンテーション研修

a.仮説

科学分野での英語の必要性・有用性を理解させ,研修をすることで,国際的に通用する論理的思考

力とプレゼンテーション力を育成することができる。

b.研究内容・方法・検証

[対象者]英語によるポスター発表を行うグループ [場所]本校

[実施日]平成30年 7 月1日(日)~14日(土) [回数]5回

NICEST(英語による研究成果発表会)に向けて2組の研究チームが

英語でのポスター作成とポスター発表に取り組んだ。研修では昨年倉

敷芸術科学大学の協力により実施した科学英語プレゼンテーション研

修の内容を実践する形で進めた。また,本校ALT(外国語指導助手)

の協力も得て,高いレベルで仕上げることができた。結果として,1

組が日本生物工学会東日本支部長賞を受賞した。また,東京家政大学

NICEST2018 ポスター発表

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「生活をテーマとする研究・作品コンクール」の努力賞も受賞した。

B-2-③国際性育成講演会

a.仮説

海外での活動経験が豊富な研究者や企業人から体験に基づいた話を聴くことで,語学力だけでな

く,地球規模で物事を捉える国際的視野を育成することができる。

b.研究内容・方法・検証

[対象者]理数科1年生 [場所]岡山大学理学部

[実施日]平成30年9月23日(日) [回数]1回

大学教員より「基本的な研究の流れや国際的な視野と感覚の重要性」について講演を受けた。

[対象者]海外研修参加予定者,希望者計40名 [場所]本校

[実施日]平成30年11月12日(月) [回数]1回

ベトナムに進出している地元企業,両備ホールディングス,両備トランスポートカンパニー執行役員の田邉

学氏を迎えて,海外に視野を広げることの大切さについての講演会を開催した。

なぜ近年地元企業がベトナムへ進出しているのか,ベトナムの現在の姿や日本との経済交流,科学技術

交流等を交えて興味深い話を拝聴した。

この講演会の前と後では参加生徒のベトナムに対する印象が大きく変わった。ベトナムは平均年齢が日本

よりも若く,知識や技術に対して貪欲であること,また勤勉な国民性から仕事に対してつぎ込むエネルギーは

日本と変わらないこと等を知った。加えてアジアの若者と科学技術交流をする上で大切なことは相手に対する

尊敬の念を持つことと,相手に自分の持っている知識や技術が役に立つものであることをうまく伝えることだと

学んだ。

B-2-④グローバルサイエンスキャリア研修

a.仮説

国際的に事業展開する地元企業のベトナム支社を訪れ交流することによって,国際的視野を持ち

「地域のリーダーとして活躍する科学技術人材」となるために高校時代に取り組むべき活動について

研究することができる。

b.研究内容・方法・検証

[対象者]普通科1年生2名,理数科1年生4名,理数科2年生1名

[場 所]ベトナム ホーチミン市・ドンナイ省

[実施日]平成30年12月9日(日)~平成30年12月14日(金) (4泊6日)

[内 容] ・地元企業の現地子会社への訪問(施設見学,現地従業員による講演・指導等)

・現地の高校,大学での研修(施設見学,講義,実習等,文化交流)

・現地の文化施設への訪問・見学(現地大学生との協働学習)

国際的視野を持ち「地域のリーダーとして活躍する科学技術人材」を目指し,高校時代に取り組む

べき活動について考えるために,国際的に事業展開する地元企業が進出している「ベトナム」に注目

し,事前研修から生徒が自ら発見した課題をもって実際にベトナム支社を訪問し,地域の文化にも触

れることで,発展的な研究活動を効果的に展開する。

事前研修としては,訪問先企業の関係者による講演会(ベトナム文化講座)や,英語によるコミュ

ニケーション力を伸ばすためのイングリッシュセミナーを実施し,英語を含む現地でのコミュニケー

ションについて理解を深めた。

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(1)事前研修

・ベトナム文化講座

平成30年11月12日(月)リョービホールディングスの田邉学氏によるベトナムの産業

や文化についての講演会を実施。ベトナム海外研修参加者を含む約40名が参加。

・学校紹介英語プレゼンテーション研修

ベトナムの高校で玉島高校について紹介するためのプレゼンテーションを作成し,英語での

発表に向けて原稿の作成や発表練習などを放課後に行った。

(2)本研修

(主な研修先)

ⅰ) RYOBI International Logistics Vietnam JSC,

TAZMO VIETNAM CO., LTD

地元企業がベトナムに設立した事業所で,グローバルに活躍している日本人リーダーに接

し,異文化間コミュニケーションとリーダーに必要な素養について学んだ。

ⅱ) ノンラム大学(ホーチミン農林大学)

ベトナム南部の農業を科学技術人材の育成によって支えているホーチミン農林大学の役割

と日本の岡山大学が共同研究で果たしている役割について学んだ。また,ホーチミン農林大

学の教授による指導で化学実験の実習を行った。さらに大学生と共にベトナムの歴史的・文

化的施設を訪問し,国際的なコミュニケーションの研修を兼ねた,自主活動による学習を行

った。

ⅲ)バイオテクノロジー応用センター

センターが取り組んでいる研究の中から,植物のクローン作成にあたるマウロの研究など

について講義を受けた。実際の研究施設や,ランなどの植物の栽培施設で見学・実習をした

のち,現地研究者の方に疑問点を答えていただいた。

ⅳ) Nguyen Huu Canh 高校

ドンナイ省の高校で,現地高校生との交流や意見交換を行った。英語での学校紹介プレゼ

ンテーションや質疑応答,それぞれの身近な環境問題についてのディスカッションなど,高

校生同士で文化,科学技術,環境などの意見交換をすることができた。

バイオテクノロジー応用センター ノンラム大学 Nguyen Huu Canh 高校

RYOBI Vietnam ノンラム大生との交流活動

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(3)事後研修

・研修の整理と分析

・研修成果報告書の作成

・校内報告会での成果発表

・イングリッシュセミナー

平成31年1月12日(土)県内 ALT4名による異文化理解ワークショップを実施。英語研

究部主催で対象者は希望者。ベトナム海外研修参加者を含む27名が参加。

・多文化共生ワークショップ

海外研修参加者を各グループのファシリテーターとして,ワークショップを開催した。岡山

大学の留学生や地元住民など61名の参加があった。

地元企業が求める人材像を業種の異なる2社で比較・分析できた。また海外での事業展開に伴う困

難とその解決方法を学ぶことを通して,異文化間での共同研究・開発において,リーダーとして活躍

するために必要なこと等も学ぶことができた。現地の高校・大学・研究施設の訪問と,各所での現地

ベトナム人との交流によって,国際的な視野で改めて地域を見直すことや,科学技術研究がボーダー

レスであることを実感できた。生徒の感想でも「日本の中だけで生活していたら,なかなか考える機

会の無いことですが,実際に自分が感じることで,異文化・グローバルに対する考え方も変わってき

ました。」「今まで私は慣れていない環境で自分の力を発揮できる自信があまりなかった。しかし今

回実際にそのような環境で活躍している人を間近で見て,自分の中のものが動かされたような気がし

た。私も将来そんなことに挑戦する人になりたいと思うようになった。」など,全員から効果を実証

する内容の感想が得られた。

C.全校体制の推進・成果の普及

学校全体で組織的に取り組み,全教職員が教科横断的に協力する体制を確立する。開発したカリキ

ュラムや手法等を地域の学校に普及する。

仮説C.学校設定科目の設置で組織的な取組となり,開発した教育システムを地域に普及できる。

学校設定科目の設置により,理数系教科と人文系教科との融合が可能となり,学校全体での3年間

を通した科学的探究活動カリキュラムの研究開発体制を確立できる。また,このカリキュラムを地域

に啓発・普及することで,地域全体での科学技術人材の育成ができる。

第2期で構築した校内の推進体制をさらに拡充し,全教員が教科横断的に協力して,カリキュラム

開発を行う体制を確立し,普及する。

C-1 OJTグループの活用による融合教科・科目の開発

a.仮説

学校設定科目「テクノサイエンス」「TACT」の開発にあたり,OJTグループを活用しながら第2期で構築した

校内の推進体制をさらに拡充し,全教職員が教科横断的に協力することにより,カリキュラム開発を行う体制

を確立することができる。

b. 研究内容・方法・検証

学校設定科目「テクノサイエンスⅠ」「テクノサイエンスⅡ」では理科・数学・情報科の担当教職員が教科横

断的に協働して,教材開発・授業の実践に取り組んでいる。学校設定科目「TACTⅠ」「TACTⅡ」では1年

団と2年団の全教職員の協働により指導計画を作成し,「ユニット学習」「フィールドワーク」を開発・実践した。

学年の TACT 係と直接指導を行う担任間で毎週 TACT 打合会を行い,第1年次での反省を生

かしながら探 究 活 動 を深 化 させるためのアイデアを出 し合 った。また,理 数 科が課 題 研 究 の指 導 で

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培 った指 導 のノウハウを普 通 科 の探 究 活 動 に生 かすことにも取 り組 んだ。結 果 として,教 員 間 の共

通理解が進み,本校が推進する全校体制 がまた一歩前進した。

C-2 主体的な学びを重視した授業改善

a.仮説

アクティブ・ラーニング(AL)型授業を取り入れ,校内研修や研究授業を実施することで,主体

的・対話的で深い学びを重視した授業をより発展させ,教科指導力を高めることができる。

b.研究内容・方法・検証

本校では,平成29年度から「生徒が主体的に学ぶことができる授業作り」を目指している。平成

30年度では授業研究委員会が「生徒に考えさせる授業,生徒の気づきのある授業,生徒を学びに向

かわせる授業づくり」を目標に設定し,実現に向けて各教科で研究・実践に取り組んだ。具体的には

授業において,「なぜ」を大切にした発問の工夫,じっくりと考える場面の設定,文章での表現活動

などに取り組んだ。その結果,授業評価アンケートでは「授業中にじっくり考える場面がある」と回

答した生徒が第1年次の81%から85%へ,「授業中に話し合ったり,発表したりする機会がある」

と回答した生徒が82%から83%へと増えた。

6・11月を公開授業月間として,互見授業を推進している。各教科で一回以上の研究授業を行い,

授業後に各教科会議で研究協議を行うもので,教科主任は協議した内容をレポートにまとめて授業研

究委員会へ提出し,職員会議で報告している。

「おかやま教育週間」における研究授業として,11月に研究授業を含む,すべての授業を一日公

開している。平成29年度より保護者に加えて,県内他校へも案内している。

C-3 高大接続教育問題協議会

a.仮説

「高大接続教育問題協議会」を実施し,高校,大学の双方向から,自ら学び,考え,判断・行動し,

表現する力を養うという学力観に基づいた教育制度や授業改善,学習指導等について協議すること

で,高大接続・連携システムを研究することができる。

b.研究内容・方法・検証

[対象者]岡山県立玉島高等学校関係者・岡山県内高等学校進路指導関係者

[場所] 本校

[実施日]平成30年8月21日(火)

[回数] 1回

[内容] 本校における高大接続の取組について進路指導課長より報告した。続いて県内外の高

校と大学関係者が双方向から,自ら学び,考え,判断・行動し,表現する力を養うという

新 しい学 力 観 に基 づいた高 大 接 続 入 試 について協 議 した。平 成 30年 度 は九 州 工 業

大 学 と高 知 大 学 の関 係 者 を招 き,AO・推 薦 入 試 で行 われているグループディスカッシ

ョンや模 擬 授 業 ,今 後 新 しく導 入 される活 動 報 告 書について意 見 を交 換 した。さらに,

今 年 度 は関 心 のある生 徒 が大 学 関 係 者 と直 接 話 をする機 会 を設 け,大 学 が求 めてい

る人物像や大学でできる研究内容等について話をした。今年度もこの協議会は教員研

修として教員全員に参加を義務づけた。他校からは11校11名の教員が参加した。

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C-4 成果物の作成と発信

a.仮説

理数科「テクノサイエンス」及び普通科「TACT」の生徒の研究成果や教職員の指導の手引きを

冊子にまとめて,地域の学校に配布するとともにウェブページで公開したり,成果報告会や教職員研

修会等を校内外で実施したりすることで,本校のSSHの成果を地域に普及することができる。

b.研究内容・方法・検証

「SSH研究開発実施報告書」「指導資料冊子」「指導資料リーフレット」「本校SSH紹介ポスタ

ー」等を作成し地域団体や近隣の中学校・高等学校に配布すると共に,ホームページで随時発信した。

倉敷市役所や商業施設等で「本校SSH紹介ポスター」を展示,地元ケーブルテレビでの定期的な放

映等,情報発信に努めている。

特に,本校のSSH事業の取組内容をまとめ,

紹介するポスターを作成し,A0判ポスターとし

て学校内に常時展示した。また,校外の実験講座

等の活動や倉敷市役所や商業施設等でも積極的

に展示した。このような活動は,第3期に全校体

制と共に,本校SSH事業の認知に効果を表して

いると考えた。全校生徒対象の学校自己評価アン

ケートの「SSHの取組は科学技術への興味・関心の向上に繋がっている。」に対して,肯定的な回

答がH29:68.5%がH30:80.7%とかなり向上したことからわかる。

今年度から,新たな成果普及の取組を実施した。実施した新たな取組を次の表にまとめる。

これまでも,「発表ポスターの作り方」「科学プレゼンテーション研修」

等のノウハウについて個別の問い合わせに対応してきたが,本格的な普

及活動の研究試行に取り組んだ。

形態 内容

冊子

「SSH研究開発実施報告書」

「テクノサイエンスⅠ」指導資料

「テクノサイエンスⅡ」指導資料

リーフレット 「発表ポスターの作り方 第2版」

「ポスター発表の仕方」

形態 内容

ポスター

「SSH概略図」

「テクノサイエンスⅠ」の取組

「テクノサイエンスⅡ」の取組

「TACTⅠ」の取組

「TACTⅡ」の取組

「科学プレゼンテーション研修」

「グローバルサイエンスキャリア研修」

「瀬戸内マリンアクティビティ」

「科学部メンターシップ」

「溜川プロジェクト」

「サイエンスボランティア」

「サイエンスキャンプ」

「ハイパーサイエンスラボ」

時期 内容

5月 他校に出前プレゼンテーション研修(講師:本校生徒)

本校生徒による他校の高校生に対する模範プレゼンテーション

11月 日本化学会中国四国支部大会での研究発表(発表:本校教員)

本校教員による「課題研究の指導法(研究俯瞰法)」について研究発表

12月

ポスター発表合同研修会(講師:本校教員,補助講師:本校生徒)

近隣の高校生,教員を対象に,「発表ポスターの作り方」「ポスター発表

の仕方」のノウハウを伝承 【近隣5校より,生徒22名,教員8名が参加】

表 本校SSHで研究開発した成果をまとめた資料

図 近隣高校生と本校生徒の合同班で研修 図 研修で用いた「正誤探しポスター」

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4 実施の効果とその評価

第3期から学校自己評価アンケートの項目に「科学的マネジメント力」の3つの力 (「課題発見力」「課題解

決力」「コミュニケーション力」)の育成についての質問項目を加えて検証している。また,第2期で開発した,

事業ごとに達成基準を設定して検証する手法や生徒及び校内関係者の変容評価についても引き続き実施

している。

①学校自己評価アンケート

学校自己評価アンケートを毎年12月に生徒・保護者・教職員を対象に実施している。アンケート項目

については第2期まではSSH事業に対する理解度を測る質問をしていたが,第3期からは「科学技術へ

の興味・関心」と身に付けさせたい力「課題発見力」「課題解決力」「コミュニケーション力」を加え,

継続的に変容を測定していく仕組みを整えた。今年度の結果と分析を次に示す。

項目(1)で三者ともに評価数値が上昇しているのは,本校SSH事業に関連する活動の認知を高める

取組の積み重ねによると考える。また,平成30年度は,第3期の第2年次にあたり,第1年次の新しい

取組の反省を踏まえ,改善された活動が評価されたためと考えられる。さらに教員の全校体制によりSS

Hに対する理解度を高めたことによると考えられる。項目(2)は第2期から第3期に移行して,校外の

大学・企業等と連携して,専門家や研究者から直接講演や指導を受ける機会が多くなり,科学技術に触れ

る機会が多くなったことで,生徒の評価が急激に上昇したと考えられる。項目(3)は第3期から普通科

でも学校設定科目「TACT」が始まり,探究活動に本格的に取り組み始めたことで,生徒の意識が高ま

ってきたためと考えられる。一方で実際に探究活動の指導に係わることで,「課題を発見」することの難

しさを実感した教員もおり,教職員の評価はやや低迷していると考えられる。項目(4)は普通科の「T

ACT」でも,実験や観察などによって課題を解決する取組が本格化し始めたからと考えられる。項目(5)

については,さらに充実した第3期の様々な取組を通して生徒の意識が高まってきたためと考えられる。

特に校内外での研究発表会は生徒の意識を大きく変えている。

次年度は学校設定科目「テクノサイエンス」や「TACT」における発想力・発見力の育成プログラム

の強化が必要と考える。しかし,生徒の実感は高く評価されているので,現状のプログラムを基盤とする

ことが妥当と考えられる。

<学校自己評価アンケート> 肯定的意見の割合(%)

項目 質問文 回答者 平成 29 年度 平成 30 年度

(1) SSH の取組は玉島高校の魅力の一つになってい

る。

生徒 79.7 86.6

保護者 86.6 89.9

教職員 80.8 88.2

(2) SSH の取組は科学技術への興味・関心の向上に繋

がっている。

生徒 68.5 80.7

保護者 83.8 86.7

教職員 76.9 78.4

(3) SSH の取組は課題を発見する力の向上に繋がって

いる。

生徒 71.1 81.9

保護者 83.0 85.3

教職員 76.9 78.4

(4) SSH の取組は課題を解決する力の向上に繋がって

いる。

生徒 70.8 82.7

保護者 82.2 84.6

教職員 86.3 82.4

(5) SSH の取組はコミュニケーション力の向上に繋が

っている。

生徒 73.8 84.0

保護者 79.8 85.7

教職員 96.1 90.2

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②事業ごとの達成基準と達成状況等

第2期で開発した,事業ごとに達成状況をA~Cの3段階の基準で照らし合わせて検証する手法

を引き続き実施している。本年度のB基準は下表のとおりである。すべての事業で年度当初に設定

したB基準を満たすことができている。今年度の達成状況を次頁に示す。年度当初に本校SSH運

営指導委員に提案・承認を受け,年度末には,協議し事業評価を行った。次ページに示す表の通り

であり,これにより,外部組織であるSSH運営指導委員との連携と指導が円滑に実施できている。

表 平成30年度 SSH事業ごとの達成基準

事業名 達成基準

(各事業のB基準を示す。それ以上ならA,以下ならCと評価する。)

A.科学的探究活動カリキュラムの開発

①学校設定科目「テクノサイエンスⅠ」 ・「テクノサイエンスⅠ」を,年間を通して実践した。

②学校設定科目「テクノサイエンスⅡ」 ・「テクノサイエンスⅡ」を,年間を通して開発,研究した。

③学校設定科目「テクノサイエンスⅢ」 (試行)

・「テクノサイエンスⅢ」を,年間を通して開発,試行した。

④学校設定科目「TACTⅠ」 ・「TACTⅠ」を,年間を通して実践した。

⑤学校設定科目「TACTⅡ」 ・「TACTⅡ」を,年間を通して開発・研究した。

⑥学校設定科目「TACTⅢ」(試行) ・「TACTⅢ」を,年間を通して開発・試行した。

3全 ⑦学校設定科目「発展研究」(試行) ・「発展研究」を,年間を通して開発・試行した。

B.発展的教育活動の体系化

⑧瀬戸内マリンアクティビティ ・開発した探究プログラムを実践,改善した。

⑨溜川プロジェクト(地域貢献プロジェクト) ・開発した探究プログラムを実践,改善した。

⑩科学部メンターシップ ・開発した教育システムの実践と連携先の拡大を検討した。

⑪サイエンスボランティア ・大学と連携した研修を実施し,生徒が主体的に企画,運営した。

⑫ハイパーサイエンスラボ ・生徒の才能を伸ばす教育システムを開発,実施した

⑬サイエンスキャンプ ・「サイエンスキャンプ」を大学と連携して実施した。

⑭科学プレゼンテーション研修 ・科学プレゼンテーション研修を開発,実施した。

⑮科学英語プレゼンテーション研修 ・科学英語プレゼンテーション研修を開発,実施した。

⑯国際性育成講演会 ・グローバルサイエンスキャリア研修に関連する内容を深化させた。

⑰グローバルサイエンスキャリア研修 ・大学,企業等と連携した海外研修を実施した。

C.全校体制の推進・成果の普及

⑱OJTグループの活用による融合教科科目の開発 ・「テクノサイエンスⅠ」,「TACTⅠ」の教材開発を実践した。

・「テクノサイエンスⅡ,Ⅲ」,「TACTⅡ,Ⅲ」の教材を開発,試行した。

⑲主体的な学びを重視した授業改善 ・アクティブ・ラーニングに関する校内研修や研究授業を実施した。

⑳高大接続教育問題協議会 ・「高大接続教育問題協議会」の参加校を拡大して実施した。

㉑成果物の作成と発信 ・「テクノサイエンスⅠ」,「TACTⅠ」の指導資料やルーブリック

を作成,公開した。

㉒SSH運営指導委員会 ・運営指導委員会を2回開催し,委員から指導助言を受けた。

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表 平成30年度 SSH事業ごとの達成状況 (「担当委員」は本校SSH運営委員,敬称略)

事業名 担当委員 評価 達成状況

A.科学的探究活動カリキュラムの開発

①学校設定科目「テクノサイエンスⅠ」 金田

味野

西戸

藤本

稲田

実習時間を工夫して,「情報サイエンス」「アイデア発想実習」「サイエンス探究実習」の時間を確保した。併せてルーブリックを含めた内容の改善を行った。また,3学期に実施したサイエンス探究実習では次年度のテクノⅡ(課題研究)に効果的に繋げられるように工夫した。

②学校設定科目「テクノサイエンスⅡ」 A 課題研究指導プログラムを作成して,研究週報等のワークシートを活用した「研究俯瞰法」に取り組んだ。また,TSサポーター(研究者や大学退職教員など)に指導して頂く機会を増やし,課題研究を充実させた。

③学校設定科目「テクノサイエンスⅢ」(試行)

B 課題研究の成果を論文にまとめ,科学コンテスト等に応募した。また,課題研究の成果をわかりやすく伝えられるようにプレゼンテーション能力を高め,進路実現に活かせるようにした。

④学校設定科目「TACTⅠ」 稲田

井上

中島

探究活動の時間を確保するために年間指導計画を見直した。ユニット学習についてはテーマを見直した。「ローカルからグローバルへ」をテーマに体系的なものにした。ユニット学習がフィールドワークに繋がりやすくするために学習内容に関連した企業や施設の訪問を増やした。脱「ネット調べ学習」に取り組んだ。

⑤学校設定科目「TACTⅡ」 A 課題研究のテーマ設定に向けて分野別研修会を開き,大学から講師を招いて指導・助言を受けた。研究経過が一目でわかるように,ラボノートを開発して。ルーブリックや自己評価シートを作成し評価についての共通理解を進めた。

⑥学校設定科目「TACTⅢ」(試行) B 2年次に行った探究に関するスキルを活かして,自分の興味・関心のある分野をさらに深く掘り下げさせた。また,論文を書くことに挑戦させ,学会での発表やコンテスト等に取り組ませた。

3全 ⑦学校設定科目「発展研究」(試行)

金田

稲田 B

次年度に向けて,理数科及び普通科で実施されている発展的な課題研究において,履修方法を開発試行した。最終的には,研究成果を論文にまとめる段階まで進めた。それに加え,校外での発表会も数グループが挑戦し入賞も果たした。また,広範な分野での探究活動の指導も試行した。

B.発展的教育活動の体系化

⑧瀬戸内マリンアクティビティ

小山

西戸

井上

藤本

マリンキャンプの実施場所を,前島臨海教育施設(岡山県瀬戸市牛窓町)から神戸大学臨海実験施設(兵庫県淡路市)に変更して調査場所を拡大した。また,海の野外実習に向けて,事前指導に新しくテレビ会議システムを導入して遠隔地(東京)の専門家から指導を受けた。

⑨溜川プロジェクト(地域貢献プロジェクト) A

これまで地域と連携して取り組んできた研究成果を「溜川プロジェクトの活動と成果(平成29年度版)」にまとめた。また「研究成果をまとめ伝える発表」から「研究成果を地域のために活かす発表」へと向上を図るため,「くらしき市民講座」で生徒が講師を務めたり,「倉敷市役所の環境学習パネル展」でのパネル発表に取り組んだ。

⑩科学部メンターシップ B メンターシップの取組として,これまで以上にP.R.P.(岡山理科大学退官教員集団)との連携を深めた。加えて,大学連携や地域連携を深め,積極的に外部の指導を取り入れた。物理部では年間を通した継続的な指導を受ける研究支援を行った。

⑪サイエンスボランティア A

これまでの取組によって本校の活動が地域に知られるようになり,今年度は新規で地域から科学系イベントの開催要請(天満屋,水島公民館等)があった。さらには,地域に密着した活動を展開しながら,科学的マネジメント力の育成を目指して「サイエンスボランティア」プログラムの開発に取り組んだ。

⑫ハイパーサイエンスラボ 金田

小山

B 理化学研究所神戸キャンパスを訪問し,物理・化学・生物の各分野における発展的な実験観察実習に取り組んだ。生徒は最先端の研究内容や研究施設の体験を通して,各研究領域の内容への関心を高めた。

⑬サイエンスキャンプ B

岡山大学理学部化学科と連携し,テーマ設定から実験,発表までの研究活動の基礎を身につけることを目的にサイエンスキャンプを実施した。ティーチングアシスタントである大学生・大学院生との交流を図ることができ,大学(理系)への進路意識を高めることもできた。

⑭科学プレゼンテーション研修

井上

味野

中島

B 4月に中部大学の教授を講師に迎え,川崎医科大学現代医学教育博物館と連携して,理数科1年生を対象に科学プレゼンテーション研修を実施した。また,11月には普通科1・2年生の希望者30名を対象に校内で同様の研修を実施した。

⑮科学英語プレゼンテーション研修 B 英語によるポスター発表に取り組んでいた研究グループを対象にグループ別に研修を行った。また,英語によるポスターの作り方をまとめたテキスト作りに取り組んだ。

⑯国際性育成講演会 B 大学教授の指導のもと,「多文化共生」をテーマに,大学生・高校生・中学生に地域の社会人や留学生を加えてワークショップを2回行った。幅広い世代,立場の人々とのディスカッションを通して,国際性を身に付けていく内容にした。

⑰グローバルサイエンスキャリア研修 B 12月にベトナム海外研修を実施した。ノンラム大学では農業用水の水質についての研究を紹介してもらい,実際に水質検査の体験をした。また,ヌエン・フン・カン高校との交流では,身近な環境問題についてディスカッションを行った。

C.全校体制の推進・成果の普及

⑱OJTグループの活用による融合教科科目

の開発

後藤

井上

今年度はTACTⅡとテクノサイエンスⅡの開発に取り組んだ。TACTⅡでは2年団の全教員が,テクノサイエンスⅡについては理科・数学科・情報科の教員が教科横断的に協働して教材の開発と授業の実践に取り組んだ。TACTⅡでは分野ごとに専門家から研究過程についてのアドバイスを受け,研究の発展を図った。

⑲主体的な学びを重視した授業改善 B 生徒に考えさせる授業作り,生徒の気づきがある授業作り,生徒を学びに向かわせる授業作りを目標に授業での発問や活動の工夫に取り組んだ。生徒による授業評価アンケートでは多くの項目で肯定的評価の割合が昨年度を上回った。

⑳高大接続教育問題協議会 B 8月21日に九州工業大学と高知大学の入試担当者を招聘し,高大接続改革に係る教員研修会を実施した。他校から11校11名の参加があった。今年度は高校から大学へと繋がる学びをテーマに,生徒と大学関係者の懇談を行った。

㉑成果物の作成と発信 B

本校の「平成29年度SSH研究開発実施報告書」を中学校にも広く配布した。研究成果を冊子等にまとめ,紙媒体の配布とWebサイトによる電子版公開を目指した。「溜川プロジェクト」については,平成29年度の活動と成果をまとめ,「くらしき市民講座」の受講生や倉敷市役所環境政策課等に配布した。本校で開発した「研究俯瞰法」について,日本化学会中四国支部大会(愛媛大学)で教員が発表した。今年度は初めて本校で近隣校の教員及び生徒を対象にポスター発表の研修会を開催した。

㉒SSH運営指導委員会 A 年間2回開催し活発で実践的な協議を行った。各運営指導委員に本校SSH事業ごとに担当の中心を決め,年間を通して取組の相談や指導と助言をいただいた。

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①学習意欲(数学) ②学習意欲(理科) ③学習意欲(情報) ④基礎的知識

⑤原理・原則の理解 ⑥観察力 ⑦表現力 ⑧分析力 ⑨洞察力 ⑩集中力 ⑪応用力

⑫発想力 ⑬課題設定力 ⑭課題解決力 ⑮コミュニケーション力 ⑯レポート作成力

⑰独創性 ⑱創造性 ⑲自主性 ⑳協調性 ㉑国際性 ㉒安全・倫理観

③生徒及び校内関係者の変容評価等

総括アンケートおよび生徒の学習スタイルの傾向をアンケートによって,研究論文やレポート等による質的

評価および学習方略志向の変容の数的評価から生徒に関する変容評価・分析を行い,事業の成果を測って

いる。

【総括アンケート】

「原理・原則の理解」や「観察力」,「表現力」といった次の項目について興味,姿勢,能力について向上

があったか質問した。生徒には各事業後に,保護者及び教員には⑤~㉒までの 18 項目について,1 月に

アンケート調査を実施した。生徒の結果については,「3 研究開発の内容」のなかで事業ごとに顕著なも

のについて触れている。保護者及び教員の結果については,「関係資料」に掲載しているが,概要は次の

ような特徴がみられた。

<保護者>

保護者の結果では附表にある通り,一定の成果があった基準と考えている肯定的評価が60%以上

の項目は,18項目中10項目(観察力・表現力・分析力・集中力・課題解決力・コミュニケーショ

ン力・レポート作成力・自主性・協調性・安全倫理観)あった。普通科での探究活動が年を追うごと

に保護者の間に浸透してきていることや「たま高NOW」(広報資料)・HPの充実等が好評価に繋

がっていると考えられる。今後もより多くの情報を発信し,家庭との連携を継続しながら,学校内外

ともに才能育成に努めていきたい。

<教員>

教員のアンケートでは,11項目で昨年度を上回った。昨年度と事業面での大きな違いは,1年生

普通科の探究活動(TACTⅠ)が2年目となり,昨年度の反省をもとに改良を加えたことと,2年

生普通科の探究活動(TACTⅡ)が初事業ではあるが,現3年生普通科の2年時の「総合的な学習

の時間」で行った探究活動を参考に作り上げたことで,これがうまく機能したと評価をした教員が多

くいたと考える。

18項目すべてで肯定的評価が60%以上であり,80%を超えた項目は18項目中7項目に達す

る。特に「表現力」と「コミュニケーション力」は95%を上回った。普通科で探究活動を本格的に

取り組むようになり,全校生徒へと対象が拡大したことによって各項目の向上に繋がったと考えられ

る。

【学習スタイルの傾向アンケート】

質問紙法によって,失敗活用志向(柔軟性),思考過程重視志向(過程重視),方略活用志向,(方

略志向),意味理解志向(意味理解)の4領域について,学習動機の構造と学習観との関連(市川,

1995)に基づいて生徒の学習観を測定した。具体的には,質問に対して「とてもそう思う」から「全

くそう思わない」の4段階評価で回答させ,例えば(柔軟性)を得点化するには,「思ったようにい

かないときは,その原因を突き止めようとする」のような正の質問の場合はそのまま,「間違いをす

ると恥ずかしいような気になる」といった負の質問の場合は評価を逆転させて得点化して,6問の平

均をとってその領域の得点とした。普通科1・2年生でも探究的活動を実施しているため,理数科1

年生と普通科1年生の4月と1月の比較,今年度の理数科2年生と普通科2年生の比較および同一集

団の経年比較,普通科3年生と理数科3年生の比較および同一集団の経年比較をした。

4領域とその総和を個人毎に集計し,その平均値を比較することで認知型学習スタイルの度合いや

その変容を考察する。有意差の検定には,等分散を仮定しないt検定における5%有意水準を使用し

た。

まず,普通科1年生と理数科1年生の入学時の評価得点の比較を見ると,過程重視と意味理解の2

項目で理数科が普通科を上回る有意差が見られたが,年度末では4項目とも有意差は見られなくな

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り,しかも総和が普通科の方が理数科より 0.1 高くなった。普通科と理数科での実力テストの比較を

しみてもそれほど差はない点から,高校に入り,難易度の高い学習を続ける中で理数科の生徒の方が

よりシビアな評価をしたためと考える。

今年度の普通科2年生と理数科2年生

については,全ての項目で有意差が見られ

なかった。普通科2年生は1年前とほぼ変

わらなかった。理数科2年生は柔軟性と意

味理解の2項目に関して1年前よりも上

昇しており,理数科独自のSSH事業の成

果の現れと考えられる。

普通科3年生と理数科3年生について

は,普通科・理数科間では有意な差は見ら

れなかったものの,経年比較において普通

科3年生は意味理解が高くなっており,理

数科は柔軟性,過程重視,意味理解の3項

目が高くなっていた。理数科では特に様々

な実験・実習や研修,研究,発表等から得

られる体験が普通科に比べて多いのが要

因となっている可能性が高いと考える。反

面,普通科,理数科ともに方略志向は低下

しており,戦略や方法に対する意識が薄くなっている点が懸念され,もっと向上するためにはどうす

ればよいかを考えさせる振り返りを意識させたい。

【学習スタイルとテストとの相関調査】

1・2年生において,学習スタイルの4領域および6月に実施した実力テスト(第1回),1月に実

施した実力テスト(第3回・国語・数学・英語)との相関関係を調べた。

学習スタイル相互およびテスト相互で相関があるのは当然であるが,学習スタイルと実力テストに

関して学年・科において差が見られた。普通科・理数科1年生および普通科2年生では弱い正の相関

に留まっているのに対して,理数科2年生では多くの項目において正の相関が見られた。その傾向は

第1回実力テストよりも第3回実力テストの方が強かった。理数科2年生は他と比べて,SSH事業

に関わる様々な取組をより多く経験するので,それにより現れた差ではないかと考える。

*参考文献 市川伸一(1995)学習動機の構造と学習観の関連.日本教育心理学会総会発表論文集(37),p177

④卒業生への追跡調査

前年度に引き続き卒業生へのアンケートを実施した。アンケートはオンラインアンケートツール(無料版サーベイモンキー)を使用した。アンケートは平成22年度から平成24年度の本校理数科卒業生を対象に実施した。アンケート項目の「高校時代のカリキュラムや行事であなたの現在の職業や研究,学習に役立っていると思われるものは何ですか。」という問いに対して,回答者の約65%が「課題研究での研究」を,約53%が「学会やコンテストでの発表」をあげている。その他では「論文作成」,「科学プレゼンテーション研修」,「国内科学研修」などの回答が多かった。

相関強度表示(2年理数科)

柔軟性 過程重視 方略志向 意味理解 総和 第1回 第3回 国語 数学 英語柔軟性 ○ ○ ○過程重視 ○ ○ ○○ ○○ ○ ○ ○ ○ ○方略志向 ○ ○ ○ ○○ ○意味理解 ○○ ○ ○○ ○ ○ ○ ○ ○総和 ○ ○○ ○○ ○○ ○ ○ ○ ○第1回 ○ ○ ○ ○○ ○○ ○○ ○○第3回 ○ ○ ○ ○○ ○○ ○○ ○○国語 ○ ○ ○ ○○ ○○ ○○ ○数学 ○ ○ ○○ ○○ ○○ ○英語 ○ ○ ○ ○ ○○ ○○ ○ ○推移 △

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5 校内におけるSSHの組織的推進体制

(1)全校体制の構築

学校経営目標に「科学技術人材・グローバル人材の育成」を掲げ,全校体制を構築して新規事業を

企画,実施している。研究開発の方向性を検証し,実践していくために,校内SSH推進委員会を組

織している。また,組織的な取り組みを推進するために,第2期に引き続き,ワーキンググループを

校務分掌や教科・科目を越えて構成し,各事業における企画運営と成果の検証をワーキンググループ

で担当し実施するという形態を取っている。

科学的探究活動カリキュラムの開発にあたり,普通科の「TACTⅠ・Ⅱ」では,学年団の協働に

より特色あるユニット学習を実践することができ,理数科の「テクノサイエンスⅠ・Ⅱ」では理数系

の教科間連携により,新たな実習を構築している。

発展的教育活動,特にグローバル人材の育成や地域普及のために,平成29年度から校務分掌に総

務課を設置して取組を推進している。

※第 2 期より全校体制で,全教職員が担当を持ち,SSH 事業に取り組んでいる。第 3 期も引き続き

全校体制で SSH 事業に取り組む。

担当 職名 氏名 教科 担当 職名 氏名 教科

校長 高槻 信博 数学 教諭 金田 修一 数学

副校長 山﨑 淑加 理科 教諭 薬丸 好洋 地歴公民

教頭 藤井 省吾 地歴公民 教諭 藤本 幸博 地歴公民

事務長 小林 和代 事務室 教諭 赤木  充 数学

主幹教諭 野村 一道 英語 教諭 大津谷由紀子 英語

教諭 木村 健治 理科 教諭 島  康人 地歴公民

教諭 大下 英一 理科 教諭 尾﨑 寛子 国語

推進・事務 教諭 遠藤 真一 数学 教諭 岡本 吉史 国語

教諭 多賀 知子 体育 教諭 辻  泰子 国語

教諭 萱岡 輝久 数学 教諭 宮添栄美子 国語

教諭 山本 賢志 体育 教諭 濵中 和史 国語

教諭 仁科 雅博 数学 司書 井上 未絵 図書

教諭 楠本  剛 数学 教諭 石田 美恵 英語

常勤講師 中村 鴻志 数学 教諭 青山 祥子 英語

エキスパート 堀野紘一郎 理科 A LT K itty C H EN 英語

エキスパート 村田 好史 理科 教諭 矢本  卓 理科

教諭 坂井 昌子 国語 教諭 井手口修太 英語

教諭 外川 博幸 理科 教諭 妹尾 敬子 英語

教諭 浅野慎太郎 地歴公民 教諭 岡田 和則 英語

教諭 蔵富 基浩 体育 教諭 前川 奈穂 英語

教諭 大山 達美 英語 養護教諭 木村亜希子 保健室

教諭 狩谷紀久子 芸術 教諭 笠作真由美 国語

教諭 稲山留美子 芸術 教諭 松本 剛徳 地歴公民

教諭 児島みさき 国語 教諭 近間太景志 地歴公民

教諭 有本  伸 理科 教諭 香取 正光 体育

教諭 宗田晋太郎 理科 教諭 黒川 竜生 体育

教諭 妹尾 佑介 芸術 常勤講師 福本 亮太 地歴公民

常勤講師 木村 文香 理科 常勤講師 谷口ひかり 家庭科

常勤講師 宮地 結子 理科 総括主幹 原田 浩美 事務室

常勤講師 岡村悠太郎 理科 主任 小原 景子 事務室

教諭 橋本 紘樹 数学 主事 河嶋 文枝 事務室

教諭 三宅 裕介 数学 SSH事務員 山下眞智子 事務室

教諭 尾崎未登利 理科 主任 松本 秀樹 事務室

教諭 白神 憂樹 理科 教務助手 小山 瑞恵 事務室

養護教諭 原田 諒子 保健室

サイエンス

ボランティア

S S H 校内組織体制 平成30年度 「SS H ワーキンググループ」一覧

科学部

メンターシップ

ハイパー

サイエンスラボ

サイエンス

キャンプ

高大接続

教育問題協議会

科学

プレゼンテーション

研修

国際性育成講演会

グローバル

サイエンス

キャリア研修

人間力育成

庶務・会計

庶務

総括

統括・推進

企画・運営

課題研究

TA C T

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統括:校長

職員会議 運営委員会

SSH推進委員会

【ワーキンググループ】

各課・室・委員会

理数科 各学年団

各教科 事務室

文部科学省

県教育委員会

SSH運営指導

委員会

外部評価委員会

大学及び 研究機関

県内外の SSH校

地域の小学校 中・高等学校

岡山SSH 連絡協議会

SSH推進室

岡山県立玉島高校SSH研究開発組織

○SSH推進委員会:SSH事業の研究開発,推進にあたる。

・委員長 校長が任命(SSH主担当者)

・委 員 副校長,教頭,主幹教諭,総務課長,

教務課長,生徒課長,進路指導課長,理

数科長,各学年主任,各教科主任,経理

担当者,SSH事務担当職員,SSH推

進室長

○SSH推進室:ワーキンググループの総括と渉外

にあたる

・構 成 副校長,SSH推進委員長(主幹教諭),

SSH推進室長,理数科長,理科主任,

数学科主任,英語科主任

(2)運営指導委員の協力体制の構築

第3期より運営指導委員に本校の様々な研究事業を分担していただき,年間を通して指導助言を受

ける仕組みとした。運営指導委員会では担当事業について助言をいただくだけでなく,平素からメー

ル等でやりとりをしながら指導を受けている。また,「TACT」や「テクノサイエンス」での講演

会や発表会の講評等も依頼している。

氏 名 所  属 職名 分  野 担 当 事 業

稲田 佳彦 岡山大学大学院教育学研究科 教授 探究活動に関する指導助言TACTテクノサイエンス

井上 徳之中部大学超伝導・持続可能エネルギー研究センター

教授科学コミュニケーション・評価に関する指導助言

全般・全校体制の推進科学プレゼンテーション研修

金田 隆 岡山大学大学院 自然科学研究科教授

学科長高大接続に関する指導助言,課題研究に関する指導助言(化学)

テクノサイエンスサイエンスキャンプ

後藤 顕一 東洋大学 食環境科学部 教授 理科教育全般に関する指導助言融合教科・科目の開発授業改善・評価

小山 悦司倉敷芸術科学大学 大学院人間文化研究科

教授研究科長

高大連携・高大接続に関する指導助言

科学部メンターシップハイパーサイエンスラボ

中島 義雄 ナカシマホールディングス株式会社 常務取締役地域貢献・企業との連携に関する指導助言

TACTグローバルサイエンスキャリア研修

西戸 裕嗣岡山理科大学 生物地球学部生物地球学科

教授学部長

高大連携・高大接続に関する指導助言(生物・地学)

瀬戸内マリンアクティビティテクノサイエンス

藤本 周央中国職業能力開発大学校電気情報技術科

職業能力開発准教授

工学教育・ものづくりに関する指導助言

テクノサイエンスサイエンスボランティア

馬渕 直株式会社ベネッセコーポレーションベネッセ教育総合研究所VIEW21編集部

統括責任者高大接続・キャリア教育, 授業改善に関する指導助言

高大接続教育問題協議会主体的な学びを重視した授業改善

味野 道信岡山大学グローバル人材育成院グローバル・ディスカバリー・プログラム

教授国際性の育成に関する指導助言,課題研究(物理)

国際性の育成テクノサイエンス

平成30年度玉島高校SSH運営指導委員一覧

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6 研究開発実施上の課題及び今後の研究開発の方向・成果の普及

(1)研究開発実施上の課題及び今後の研究開発の方向

普通科1年生の学校設定科目「TACTⅠ」では,第 1 年次(平成29年度)の研究開発として,

学年所属の教職員の共通理解のもと,「ユニット学習」「フィールドワーク」「ポスター発表」等の

企画・運営を全教職員が分担し,協力して実施することできた。一年間を通した一連の流れを体系化

していくために,次年度1年生の担任団へ成果と課題の引継ぎができるように文書をまとめ,4月初

旬に担当学年に説明を行った。また,第2年次(平成30年度)より新規に始まった普通科2年生の

学校設定科目「TACTⅡ」についても,平成29年度に培った教職員のチームワークによって研究

目標の達成のため,企画段階から意欲的に取り組んだ。試行として,平成30年度の普通科3年生の

「TACT」(総合的な学習の時間)では,2年生での探究活動の内容を論文にまとめ,学会や科学

コンテスト等で発表するプログラムを導入した。また,教職員の指導力向上のために,県内外への先

進校視察等への参加を推進した。今後,参加者が得た知見を共有するシステムを構築できれば研修効

果がさらに大きくなると考えられる。

本校の研究開発課題として,「地域社会との共創」というキーワードがある。地域社会と交流をも

ち,地域で学ぶことで生徒を成長させ,さらに生徒が将来地域へ貢献できるようになることをねらい

としている。運営指導委員のメンバーも地元の大学,大学校の教員や企業の取締役などに多く依頼し,

各運営指導委員に本校の様々な研究事業を分担し,年間を通して指導助言を受ける仕組みとした。委

員の中には頻繁に来校,指導してくださる方もいて,研究の推進にとても助かっている。ベトナム海

外研修で訪問する2つの企業は,地元企業であり,実際にベトナムへ行く前に,生徒の訪問を受け入

れ,事前研修をしていただいている。第3期ではフィールドワークや発展的教育活動において地元企

業・大学をはじめ多くの地域の方にお世話になっている。今後も持続的に支援していただく機会をつ

くり,指導助言を仰ぎたいと考えている。

毎年,生徒,保護者,教職員を対象に実施している学校自己評価の質問項目に,第1年次より取組

の目標である「課題発見力の向上」,「課題解決力の向上」,「コミュニケーション力の向上」の3

つを検証するための質問を追加した。平成29年度は生徒の肯定的な回答が約 70%であったが,平成

30年度は約 80%以上に上昇している。SSHの研究開発の成果の指標として今後も継続して実施し

ていき,最終年度には 85%になることを目標としている。

平成30年度は指定第3期の第2年次として,新規の事業に多く取り組み,それぞれ貴重な結果を

得ることができた。次年度からはこれまでの経験をもとにしながら,さらに新たな視点で改善してい

く。本校では,SSH事業の研究開発に取り組む教職員の人数が年々増加しており,全校体制は格段

に広がっている。次年度も様々な研究開発が進むと考えられる。今後は,SSH推進室がすべての事

業の進捗状況についてこまめに把握し,評価することによって改善・深化に繋いでいく。

(2)成果の普及

研究開発の柱の1つとして,「C.全校体制の推進・成果の普及」を掲げて取り組んでいる。SS

Hの活動紹介リーフレットを作成し,地域のイベント等で配布し,ウェブページでも公開している。

SSHの取り組みについて地域のイベント等で生徒がポスターを使って紹介している。理数科「テク

ノサイエンスⅠ」及び普通科「TACTⅠ」の教材や指導資料をまとめて,地域の学校へ配布すると

ともにウェブページで公開している。また,成果発表会や教職員研修会等も校外に案内して実施した。

岡山SSH連絡協議会で成果を報告したり,県外からの視察校にも情報提供を行ったりしている。地

元のケーブルテレビで毎月1回本校SSHに係る番組を放映している。

平成30年度は本校の「SSH研究開発実施報告書」を中学校にも広く配布した。「溜川プロジェ

クト」については,平成29年度の活動と成果をまとめ,「くらしき市民講座」の受講生や倉敷市役

所環境政策課等に配布した。本校で開発した「研究俯瞰法」について,日本化学会中四国支部大会(愛

媛大学)で教員が発表した。今年度は初めて本校で近隣校の教員及び生徒を対象にポスター発表の研

修会を開催した。

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❹ 関係資料

1 SSH運営指導委員会の記録

《第1回運営指導委員会》

日 時:平成 30 年 7 月 20 日(金)

会 場:岡山県立玉島高等学校 大会議室 理科室

日 程:12:30~12:45 開会行事

12:45~13:30 報告 A.科学的探究活動カリキュラムの開発

B.発展的教育活動の体系化

13:40~14:25 授業見学及び指導「課題研究」中間発表 理数科2年

14:35~15:20 意見交換

15:30~16:30 研究協議及び指導

<委員からの指導・助言>

(1)研究レベルの向上

・テーマ設定が大事である。課題を考える思考過程,つまり課題を見つけ出すための試行錯誤を

重視してテーマを設定していくとよい。

・レベルは十分高い。学んだことを全員で共有するとよい。教科と関連性のあるものは教科にフ

ィードバックするのがよいだろう。

・同じテーマを各チームで違う角度から考えるのもよい。

・地域に役立つ研究を行い,研究成果を地域へ還元する。例えば,溜川の水をきれいにすると地

域に喜んでもらえる。それが研究意欲の向上に繋がると思う。

・上級生の指導補助や大学生SA(Students Assistant)をうまく利用するとよい。

・身に付けさせたい力はコミュニケーション力,調査分析力,課題解決力,マネージメント力な

ど様々あるが,地域のリーダー(海外を視野に入れて活躍する人材)の素養としてはどのよう

な力が必要か考える必要がある。併せて各取組でどのような力を育みたいのかも考えるとよ

い。

・たまっこラボはまさにSSHの成果の1つである。自発的な活動を尊重して取り組んでほしい。

(2)溜川プロジェクト

・データをとることは大事である。水質データを眺めるだけでも何かを発見することがある。

・プロジェクトとしてやっているところがよい。地域の人と繋がりながら,自律的に活動を進め

ていけるとよい。

・外部人材を有効に活用するとよい。外部の指導者がいてもよい。

・プロジェクトを4つのステップに分けているところがよい。また,次の学年がプロジェクトを

引き継いで研究をしていくのもよい。

《第2回運営指導委員会》

日 時:平成 31 年 1 月 22 日(火)

会 場:岡山県立玉島高等学校 大会議室 視聴覚室 体育館

日 程:10:30〜10:40 開会行事

10:40〜11:00 理数科活動報告

11:00〜12:10 理数科課題研究発表会(口頭発表)

13:10~14:00 普通科・理数科課題研究発表会(ポスター発表)

14:15~15:00 SSH成果報告・意見交換

15:10~16:30 研究協議及び指導

<委員からの指導・助言>

(1)科学的探究活動カリキュラムの開発

・課題研究論文集に課題研究の1年間の流れがわかるものを入れ,課題研究のイメージがしやす

くなるよう工夫する。

・TACTⅢとテクノサイエンスⅢで作成する「論文」は「学術論文」ではなく「高校卒業論文」

程度のものを目指せばよい。

・探究活動をまとめるときには根拠に基づいて,ゴールを明確に,ストーリーを組み立てていく

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とよい。

(2)発展的教育活動の体系化

・西日本豪雨災害の影響で溜川の自然環境が変化している可能性がある。環境復元の追跡を行う

等,新しい視点で調査していくとよい。

・第2学年全体の生徒が生き生きと発表できていることが驚異的だ。生徒の活動の様子,身に付

いた力などの実績を,数値などのエビデンスを用いて具体的に記述するとよい。

・地域のイベントに出て行くことも大事であるが,負担を考慮して,精選することも必要である。

・ベトナム海外研修は目標の「地域との共創」を意識して,玉島地域とベトナムとの関わりをア

ピールする。また,英語が苦手な生徒でも参加できること,また英語学習の意欲向上のきっか

けになっていることをアピールする。ベトナム海外研修は希望者が選考から漏れた場合,学習

意欲の低下に繋がる可能性があるので注意する。

(3)全校体制の推進・成果の普及

・自校開催の研修会に他校から参加しているのは大きなアピールポイントである。いつ,誰が何

をしたのかを人数を含めて具体的に記述するとよい。

・成果物の「ポスターの作り方」や「ポスター発表の仕方」の英語版を作成するとよい。

・成果物の普及は配布と HP への公開をセットで行う。

・校内の賞として SSH 賞を作り,生徒の活躍を表彰する制度を整えると生徒のモチベーションを

高めることができる。

<玉島高校 SSH の強みと弱みについて>

(強み)

・地域に研究の成果を還元できる場がある。

・学校全体で SSH 事業に取り組むことができている。

(弱み)

・目標に「地域社会との共創」を掲げているが,地域の産業界との繋がりがまだまだ弱い。

・科学的探究活動には実証性は欠かせない。特に普通科の TACT は意識して取り組んでほしい。

氏 名 所  属 職名

稲田 佳彦 岡山大学大学院教育学研究科 教授

井上 徳之 中部大学超伝導・持続可能エネルギー研究センター 教授

金田 隆 岡山大学大学院 自然科学研究科教授

学科長

後藤 顕一 東洋大学 食環境科学部 教授

小山 悦司倉敷芸術科学大学 大学院人間文化研究科

教授研究科長

中島 義雄 ナカシマホールディングス株式会社 常務取締役

西戸 裕嗣岡山理科大学 生物地球学部生物地球学科

教授学部長

藤本 周央中国職業能力開発大学校電気情報技術科

職業能力開発准教授

馬渕 直株式会社ベネッセコーポレーションベネッセ教育総合研究所VIEW21編集部

統括責任者

味野 道信岡山大学グローバル人材育成院グローバル・ディスカバリー・プログラム

教授

平成30年度玉島高校SSH運営指導委員一覧

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2 教育課程表

教育課程(平成28年度入学生) ◆はSSHの研究開発に係る科目である。

人文系 理系 人文Ⅰ 人文Ⅱ 人文Ⅲ 理系

国語総合 4 6 5

現代文B 4 2 2 2 2 2 2 2 2

古典B 4 4 3 4 4 4 3 3 3

世界史A 2 2 2

世界史B 4 3 ▼5 ▼5 ▼5

日本史B 4  ■3 □3 ▼5 ▼5 ▼5 ☆4 □3 □4

地理B 4  ■3 □3 ▼5 ▼5 ▼5 ☆4 □3 □4

現代社会 2 2 1 1

倫理 2 ○3 ☆3

現代社会探究 3 ○3 ☆3

数学Ⅰ 3 3

数学Ⅱ 4 1 4 3 3 2 3

数学Ⅲ 5 1 8

数学A 2 2

数学B 2 2 2 2 2 2

数学課題研究 1 1(外1) 1(外1) 1(外1)

物理基礎 2 2

物理 4 ○3 ▽4  

化学基礎 2 2 2 2 2 2

化学 4 3 5 4

生物基礎 2 2 1

生物 4 ○3 5 ▽4

理科課題研究 1 1(外1) 1(外1) 1(外1)

生物基礎探究 2 2 2 2

体育 7~8 3 2 2 2 2 2 2 3 2 2

保健 2 1 1 1 1 1

音楽Ⅰ 2 ▲2 Δ1 ▲2

音楽Ⅱ 2 *4

美術Ⅰ 2 ▲2 Δ1 ▲2

美術Ⅱ 2 *4

書道Ⅰ 2 ▲2 Δ1 ▲2

書道Ⅱ 2 *4

コミュニケーション英語Ⅰ 3 4 4

コミュニケーション英語Ⅱ 4 4 4 4

コミュニケーション英語Ⅲ 4 6 6 6 4 □4

英語表現Ⅰ 2 2 2

英語表現Ⅱ 4 2 2 2 2 2 2 2 2

家 庭 家庭基礎 2 2 2 2

情 報 社会と情報 2 2 ◎

34 33 33 33 29~33 33 33 20 20 17~20

理数数学Ⅰ 4~7 5

理数数学Ⅱ 9~13 1 6 5

理数数学特論 2~7 ☆3

理数物理 2~12 2 ▽3 ♯4

理数化学 2~12 2 3 4

理数生物 2~12 2 ▽3 ♯4

課題研究 2~6 3(外1) 1(外1)

◆科学と工学 2 2

体  育 スポーツⅠ 3~6 *4

家  庭 生活産業基礎 2~4 *4

0~4 14 15 13~16

1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

1(外1) 1 1 1 1 1 1 1(外1) 代替(1) 1

36 35 35 35 35 35 35 36 36 35

注) (1)科目選択は同一記号間で行う。

(2)第3学年の人文系Ⅱは,*5つより1科目(4単位)を選択する。

(3)第3学年の理数科における☆3単位は,「理数数学特論」か「倫理」または「現代社会探究」の選択とする。

(4)理数科第2学年の総合的な学習の時間は課題研究で1単位を代替する。

(5)数学課題研究,理科課題研究,理数科第3学年の課題研究における(外1)は,希望者による時程外の探究的活動を評価する。

(6)理数科第1学年の◆科学と工学は,科学・工学や情報を総合的に学習する,SSH研究に係る学校設定科目である。

  SSHの特例により「社会と情報」◎を2単位減じて実施する。

(7)普通科の生物基礎探究は教科の内容を総合的に学習する学校設定科目である。

(8)第1学年の総合的な学習のうち1単位は週時程外で履修する。

総 合 的 な 学 習 の 時 間 ( T A C T )

1 週 間 の 総 時 間 数

国 語

地理歴史

公 民

専 門 科 目 単 位 数 計

L H R

普 通 科 目 単 位 数 計

理  数

数 学

理 科

保健体育

芸 術

外 国 語

普 通 科 理 数 科

教  科 科  目標 準

単 位 1年2年 3年

1年 2年 3年

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教育課程(平成29年度入学生) ◆はSSHの研究開発に係る科目である。

人文系 理系 人文Ⅰ 人文Ⅱ 人文Ⅲ 理系

国語総合 4 6 5

現代文B 4 2 2 2 2 2 2 2 2

古典B 4 4 3 4 4 4 3 3 3

世界史A 2 2 2

世界史B 4 3 ▼5 ▼5 ▼5

日本史B 4  ■3 □3 ▼5 ▼5 ▼5 ☆4 □3 □4

地理B 4  ■3 □3 ▼5 ▼5 ▼5 ☆4 □3 □4

現代社会 2 2 1 1

倫理 2 ○3 ☆3

現代社会探究 3 ○3 ☆3

数学Ⅰ 3 3

数学Ⅱ 4 1 4 3 3 2 3

数学Ⅲ 5 1 8

数学A 2 2

数学B 2 2 2 2 2 2

物理基礎 2 2

物理 4 ○3 ▽4  

化学基礎 2 2 2 2 2 2

化学 4 3 5 4

生物基礎 2 2 1

生物 4 ○3 5 ▽4

生物基礎探究 2 2 2 2

体育 7~8 3 2 2 2 2 2 2 3 2 2

保健 2 1 1 1 1 1

音楽Ⅰ 2 ▲2 Δ1 ▲2

音楽Ⅱ 2 *4

美術Ⅰ 2 ▲2 Δ1 ▲2

美術Ⅱ 2 *4

書道Ⅰ 2 ▲2 Δ1 ▲2

書道Ⅱ 2 *4

コミュニケーション英語Ⅰ 3 4 4

コミュニケーション英語Ⅱ 4 4 4 4

コミュニケーション英語Ⅲ 4 6 6 6 4 4

英語表現Ⅰ 2 2 2

英語表現Ⅱ 4 2 2 2 2 2 2 2 2

家 庭 家庭基礎 2 2 2 2

情 報 社会と情報 2 ◎ ◎

◆ TACTⅠ 3 3(外1)

◆ TACTⅡ 1 1 1

◆ TACTⅢ 1 1 1 1 1

35 34 34 34 30~34 34 34 20 20 17~20

理数数学Ⅰ 4~7 5

理数数学Ⅱ 9~13 1 6 5

理数数学特論 2~7 ☆3

理数物理 2~12 2  ▽3 ♯4

理数化学 2~12 2 3 4

理数生物 2~12 2 ▽3 ♯4

課題研究 2~6 ◎

◆ テクノサイエンスⅠ 3 3(外1)

◆ テクノサイエンスⅡ 3 3(外1)

◆ テクノサイエンスⅢ 1 1

◆ 発展研究 1 ※1(外1) ※1(外1) ※1(外1) ※1(外1) ※1(外1)

体  育 スポーツⅠ 3~6 *4

家  庭 生活産業基礎 2~4 *4

0~4 15 15 14~18

1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

36 35 35 35~36 35~36 35~36 35~36 36 36 35~36

注) (1)第3学年の人文系Ⅱは、*5つより1科目(4単位)を選択する。

(2)第3学年の理数科における☆3単位は、「理数数学特論」か「倫理」または「現代社会探究」の選択とする。

(3)理数科第2学年の「課題研究」◎は「テクノサイエンスⅡ」で2単位を代替する。

(4)第3学年の「発展研究」は、選択希望者に時程外で実施する。

(5)理数科第1学年の「テクノサイエンスⅠ」は、科学や情報を総合的に学習する学校設定科目であり、SSHの特例により「社会と情報」◎を2単位減じて実施する。

(6)普通科の「TACTⅠ・Ⅱ・Ⅲ」及び「テクノサイエンスのⅠ・Ⅱ・Ⅲ」の各1単位は、SSHの特例により「総合的な学習の時間」各学年1単位を減じてこれらに当てる。

  第1学年の「TACTⅠ」及び「テクノサイエンスⅠ」の3単位中1単位は週時程外で実施する。

  さらに、第1学年の学校設定科目「TACT Ⅰ」2単位分は「社会と情報」2単位を減じてこれに当てる。

理 数 科

教  科 科  目標 準

単 位 1年2年 3年

1年 2年 3年

国 語

地理歴史

公 民

数 学

普 通 科

理 科

保健体育

芸 術

外 国 語

総合

普 通 科 目 単 位 数 計

理  数

専 門 科 目 単 位 数 計

L H R

1 週 間 の 総 時 間 数

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- 74 -

教育課程(平成30年度入学生) ◆はSSHの研究開発に係る科目である。

人文系 理系 人文Ⅰ 人文Ⅱ 人文Ⅲ 理系

国語総合 4 6 5

現代文B 4 2 2 2 2 2 2 2 2

古典B 4 4 3 4 4 4 3 3 3

世界史A 2 2 2

世界史B 4 3 ▼5 ▼5 ▼5

日本史B 4  ■3 □3 ▼5 ▼5 ▼5 ☆4 □3 □4

地理B 4  ■3 □3 ▼5 ▼5 ▼5 ☆4 □3 □4

現代社会 2 2 1 1

倫理 2 ○3 ☆3

現代社会探究 3 ○3 ☆3

数学Ⅰ 3 3

数学Ⅱ 4 1 4 3 3 2 3

数学Ⅲ 5 1 8

数学A 2 2

数学B 2 2 2 2 2 2

物理基礎 2 2

物理 4 ○3 ▽4  

化学基礎 2 2 2 2 2 2

化学 4 3 5 4

生物基礎 2 2 1

生物 4 ○3 5 ▽4

生物基礎探究 2 2 2 2

体育 7~8 3 2 2 2 2 2 2 3 2 2

保健 2 1 1 1 1 1

音楽Ⅰ 2 ▲2 Δ1 ▲2

音楽Ⅱ 2 *4

美術Ⅰ 2 ▲2 Δ1 ▲2

美術Ⅱ 2 *4

書道Ⅰ 2 ▲2 Δ1 ▲2

書道Ⅱ 2 *4

コミュニケーション英語Ⅰ 3 4 4

コミュニケーション英語Ⅱ 4 4 4 4

コミュニケーション英語Ⅲ 4 6 6 6 4 4

英語表現Ⅰ 2 2 2

英語表現Ⅱ 4 2 2 2 2 2 2 2 2

家 庭 家庭基礎 2 2 2 2

情 報 社会と情報 2 ◎ ◎

◆ TACTⅠ 3 3(外1)

◆ TACTⅡ 1 1 1

◆ TACTⅢ 1 1 1 1 1

35 34 34 34 30~34 34 34 20 20 17~20

理数数学Ⅰ 4~7 5

理数数学Ⅱ 9~13 1 6 5

理数数学特論 2~7 ☆3

理数物理 2~12 2  ▽3 ♯4

理数化学 2~12 2 3 4

理数生物 2~12 2 ▽3 ♯4

課題研究 2~6 ◎

◆ テクノサイエンスⅠ 3 3(外1)

◆ テクノサイエンスⅡ 3 3(外1)

◆ テクノサイエンスⅢ 1 1

◆ 発展研究 1 ※1(外1) ※1(外1) ※1(外1) ※1(外1) ※1(外1)

体  育 スポーツⅠ 3~6 *4

家  庭 生活産業基礎 2~4 *4

0~4 15 15 14~18

1 1 1 1 1 1 1 1 1 1

36 35 35 35~36 35~36 35~36 35~36 36 36 35~36

注) (1)第3学年の人文系Ⅱは、*5つより1科目(4単位)を選択する。

(2)第3学年の理数科における☆3単位は、「理数数学特論」か「倫理」または「現代社会探究」の選択とする。

(3)理数科第2学年の「課題研究」◎は「テクノサイエンスⅡ」で2単位を代替する。

(4)第3学年の発展研究は、選択希望者に時程外で実施する。

(5)理数科第1学年のテクノサイエンスⅠは、科学や情報を総合的に学習する学校設定科目であり、SSHの特例により「社会と情報」◎を2単位減じて実施する。

(6)普通科の「TACTⅠ・Ⅱ・Ⅲ」及び「テクノサイエンスⅠ・Ⅱ・Ⅲ」の各1単位は、SSHの特例により「総合的な学習の時間」各学年1単位を減じてこれらに当てる。

  第1学年のTACTⅠの3単位中1単位は週時程外で実施する。

  さらに、第1学年の学校設定科目「TACT Ⅰ」2単位分は「社会と情報」2単位を減じてこれに当てる。

専 門 科 目 単 位 数 計

L H R

1 週 間 の 総 時 間 数

数 学

理 科

保健体育

芸 術

外 国 語

総合

普 通 科 目 単 位 数 計

理  数

普 通 科 理 数 科

3年3年1年 1年 2年

2年

公 民

標 準

単 位科  目教  科

国 語

地理歴史

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3 2年生課題研究のテーマ

普通科 学校設定教科「総合」学校設定科目「TACTⅡ」

理数科 教科「理数」学校設定科目「テクノサイエンスⅡ」

分野 科 タイトル 分野 科 タイトル

歴史

普 一目でわかる身分社会変化~正解は 1 つ

ではない~

文化

食物

普 高校生の肌事情

普 明治時代の日本人の服装の変化 普 食を通して見るそれぞれの文化

普 日本刀を作り出した先人の知恵 普 透明飲料水の誕生と企業の戦略について

普 漢字いろいろ 普 ファッションの移り変わりとウエディングの関

国際

異文

普 ハングルと日本語は似ている(?)

教育

福祉

普 スマホと私のほどよい距離感

普 流行語はなぜ消える? 普 なぜ子どもの食べ物の好き嫌いは起こるの

普 たかが水 されど水 普 保育士の未来

普 日本を世界一交通事故の少ない国にす

るには 普 I want to be a nice teacher

普 ディズニーリゾートはなぜ夢の国と呼ばれ

ているのか 普 本当のいい子ってなに?~幼児編~

社会

心理

普 インスタ映え~隠れている人々の心理~ 普 なぜ教員の労働時間は長いのか

普 これからの防災意識 普 新しい英語教育

普 あなたはこんな嘘をついていませんか・・

・? 普 先生は本当にブラックなのか

普 年齢によって仕事への意識は違うのか? 普 今と昔で求められる教師像の違い

普 Twitter のフォロワーを増やしたい!!

保健

医療

普 介護リハビリにおける介護ロボットの需要は

経済

経営

普 リアル課金の経済効果 普 ナースを減らすな!

普 日本の一人あたりの GDP 値が低いのは

なぜか 普 年代別ダイエット意識

普 岡山県の魅力はなぜ低いのか? 普 女性特有のがんについて

普 税率補完計画 普 不妊に対する玉島高校2年生の男女の意

識の違い

普 2020 年の東京オリンピックでどのようなジ

ャンルの商品が売れるのか? 普 チーム医療と訪問看護

普 なぜ日本人は貯金するのか 普 Ⅱ型糖尿病の治療と予防

普 本当に岡山の魅力度は低いのか?~特

産品に基づいて考える~ 普 チーム医療の今後

普 どうしてそんなに大きくなっちゃったんです

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分野 科 タイトル 分野 科 タイトル

工学

防災

環境

普 南海トラフ巨大地震に備えて

物理

理 防音対策

普 これまでに起きた地震から学ぶ対処法 理 ロボットの安定性について

普 南海トラフの被害と対策 理 EML エネルギーの交換効率を上げるた

めには

普 コンピューター化に伴う仕事の効率と雇

用問題 理 カップ麺の容器の保温性と特徴

普 Building's engineering systems ~建物の

耐震性能を向上させるには~ 生物

理 水キムチ中の乳酸菌

普 水素自動車と電気自動車の燃料代の比

較と構造 理 ディビアの左右交替性転向反応

普 今後ガソリン車はなくなるのか

数学

理 高次多項式の因数分解

情報

数学

普 正n角形から求められる魅惑の数字 理 πの計算

ゲームの使用時間増加に伴う勉強時間

の減少 勉強時間を確保するための解決

方法

化学

理 電気分解と鉄の腐食に関する研究

普 「人工知能と教師の変革」について 理 セルロースナノファイバーを用いてデン

プン発泡体の補強と強度評価

「スマホのデータが消えるウイルス」や,

「お金を請求してくるウイルス」の対処法

について

理 パスタのゆで汁に含まれる乳化作用

メンドくさがりな中高生へ! 個人情報流

出を防ぐにはどうすれば良いか ~ソフト

ウェアアップデートの重要性~

理 イオン交換水中で鉄が腐食する要因

化学

生物

普 塩素系漂白剤

普 エチレンの魔法(果物の熟成とエチレンの

関係)

普 イシクラゲのバイオリアクター

※科の欄の普は普通科,理は理数科を表す。

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- 77 -

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0 (%)

4 調査結果資料(アンケート結果)

[平成30年度生徒アンケート(抜粋)](①:そう思う ②:ややそう思う ③:ややそう思わない ④:そう思わない)

☆普通科 学校設定科目「TACTⅠ」(平成30年度入学生)

☆普通科 学校設定科目「TACTⅡ」(平成29年度入学生)

☆理数科 学校設定科目「テクノサイエンスⅠ」(平成30年度入学生)・・・ 伸びたと感じる力

☆理数科 学校設定科目「テクノサイエンスⅡ」(平成29年度入学生)・・・ 伸びたと感じる力

☆理数科 サイエンスボランティア

0.0

20.0

40.0

60.0

80.0

100.0 (%)

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[平成30年度保護者アンケート]

設問 SSH によって,次のような理科・数学に対する興味,姿勢,能力に向上があったと感じます

か。

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  割合(%) 10.4 43.5 36.1 10

件数 64 269 223 62n= 618

2.観察力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 12.6 54 26.1 7.3件数 78 334 161 45

n= 618

3. 表現力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 13.7 50.8 27.6 7.9件数 85 315 171 49

n= 620

4.分析力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 14.2 48.5 30 7.4件数 88 301 186 46

n= 621

5.洞察力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 11.5 47.6 34 7件数 71 294 210 43

n= 618

6.集中力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 19 47.8 24.6 8.5件数 118 297 153 53

n= 621

7.応用力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 9.7 43 37.9 9.4件数 60 266 234 58

n= 618

8.発想力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 10.8 47.8 32.5 8.9件数 67 296 201 55

n= 619

9.課題設定力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 13.3 45 32.8 8.9件数 82 278 203 55

n= 618

10.課題解決力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 13.6 46.4 32.5 7.6件数 84 287 201 47

n= 619

11.コミュニケーション力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 22.9 49.1 20.8 7.1件数 142 304 129 44

n= 619

12.レポート作成力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 13.9 47.3 29.7 9件数 86 293 184 56

n= 619

13.独創性伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 9.4 41.6 40.1 8.9件数 58 256 247 55

n= 616

14.創造性伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 9.7 45.2 37.3 7.9件数 60 280 231 49

n= 620

15.自主性伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 16.2 52.8 24.2 6.8件数 100 327 150 42

n= 619

16.協調性伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 21.1 57.1 15.9 5.8件数 130 352 98 36

n= 616

17. 国際性伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

割合(%) 9.4 33.4 39.8 17.4件数 58 206 245 107

n= 616

18. 安全・倫理観伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 13.5 52.6 27.1 6.8件数 82 319 164 41

n= 606

1.原理・原則の理解

12 .6 54 26 .1 7 .3

0% 20% 40% 60% 80% 100%

2.観察力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

10 .4 43 .5 36 .1 10

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1.原理・原則の理解

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

13 .7 50 .8 27 .6 7 .9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

3.表現力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

14 .2 48 .5 30 7 .4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

4.分析力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

11 .5 47 .6 34 7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

5.洞察力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

19 47 .8 24 .6 8 .5

0% 20% 40% 60% 80% 100%

6.集中力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

9 .7 43 37 .9 9 .4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

7.応用力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

10 .8 47 .8 32 .5 8 .9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

8.発想力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

13 .3 45 32 .8 8 .9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

9.課題設定力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

13 .6 46 .4 32 .5 7 .6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

10.課題解決力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

22 .9 49 .1 20 .8 7 .1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

11.コミュニケーション力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

13 .9 47 .3 29 .7 9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

12.レポート作成力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

9 .4 41 .6 40 .1 8 .9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

13.独創性

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

9 .7 45 .2 37 .3 7 .9

0% 20% 40% 60% 80% 100%

14.創造性

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

16 .2 52 .8 24 .2 6 .8

0% 20% 40% 60% 80% 100%

15.自主性

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

21 .1 57 .1 15 .9 5 .8

0% 20% 40% 60% 80% 100%

16.協調性

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

9 .4 33 .4 39 .8 17 .4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

17.国際性

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

13 .5 52 .6 27 .1 6 .8

0% 20% 40% 60% 80% 100%

18.安全・倫理観

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

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- 79 -

[平成30年度教員アンケート]

設問 SSH によって,次のような理科・数学に対する興味,姿勢,能力に向上があったと感じます

か。

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  割合(%) 10.2 53.1 32.7 4.1

件数 5 26 16 2n= 49

2.観察力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 26.5 61.2 10.2 2件数 13 30 5 1

n= 49

3. 表現力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 38.8 57.1 4.1 0件数 19 28 2 0

n= 49

4.分析力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 22.4 59.2 14.3 4.1件数 11 29 7 2

n= 49

5.洞察力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 16.3 61.2 20.4 2件数 8 30 10 1

n= 49

6.集中力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 14.3 63.3 18.4 4.1件数 7 31 9 2

n= 49

7.応用力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 14.3 51 30.6 4.1件数 7 25 15 2

n= 49

8.発想力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 20.4 53.1 22.4 4.1件数 10 26 11 2

n= 49

9.課題設定力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 16.3 53.1 24.5 6.1件数 8 26 12 3

n= 49

10.課題解決力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 18.4 59.2 18.4 4.1件数 9 29 9 2

n= 49

11.コミュニケーション力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 42.9 53.1 4.1 0件数 21 26 2 0

n= 49

12.レポート作成力伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 30.6 59.2 8.2 2件数 15 29 4 1

n= 49

13.独創性伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 8.2 59.2 28.6 4.1件数 4 29 14 2

n= 49

14.創造性伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 6.1 65.3 26.5 2件数 3 32 13 1

n= 49

15.自主性伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 14.3 67.3 16.3 2件数 7 33 8 1

n= 49

16.協調性伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 22.4 67.3 10.2 0件数 11 33 5 0

n= 49

17. 国際性伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

割合(%) 14.6 60.4 20.8 4.2件数 7 29 10 2

n= 48

18. 安全・倫理観伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる  

割合(%) 6.4 66 25.5 2.1件数 3 31 12 1

n= 47

1.原理・原則の理解

26 .5 61 .2 10 .2 2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

2.観察力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

10 .2 53 .1 32 .7 4 .1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

1.原理・原則の理解

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

38 .8 57 .1 4 .10

0% 20% 40% 60% 80% 100%

3.表現力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

22 .4 59 .2 14 .3 4 .1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

4.分析力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

16 .3 61 .2 20 .4 2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

5.洞察力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

14 .3 63 .3 18 .4 4 .1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

6.集中力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

14 .3 51 30 .6 4 .1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

7.応用力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

20 .4 53 .1 22 .4 4 .1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

8.発想力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

16 .3 53 .1 24 .5 6 .1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

9.課題設定力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

18 .4 59 .2 18 .4 4 .1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

10.課題解決力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

42 .9 53 .1 4 .10

0% 20% 40% 60% 80% 100%

11.コミュニケーション力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

30 .6 59 .2 8 .2 2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

12.レポート作成力

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

8 .2 59 .2 28 .6 4 .1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

13.独創性

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

6 .1 65 .3 26 .5 2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

14.創造性

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

14 .3 67 .3 16 .3 2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

15.自主性

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

22 .4 67 .3 10 .2 0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

16.協調性

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

14 .6 60 .4 20 .8 4 .2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

17.国際性

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

6 .4 66 25 .5 2 .1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

18.安全・倫理観

伸びたと感じる やや伸びた やや伸びなかった 伸びなかったと感じる

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5.新聞記事

2017年11 月9日山陽新聞掲載

2017年8月27日山陽新聞掲載