昭和 36 年5 月20 日 詫間電波高等学校同窓会会報 第10 号昭和36 年5 月20 日...

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昭和 36 5 20 詫間電波高等学校同窓会会報 10 1 寿 寿 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) 西 寿 ( ) ( ) 西 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) 西 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) 西 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) 西 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) 西 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) 西 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) 西 ( ) ( ) 寿 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) 西 ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) ( ) 西 ( ) ( )

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昭和 36 年 5 月 20 日 詫間電波高等学校同窓会会報 第 10 号

1

前校長にステレオを贈る

本会の趣意により御協力御賛同を頂き、

記念品ステレオ装置を御贈りし感謝の微

意を表しましたので報告します。

(氏名掲載をもって領収書に代えます)

協賛者氏名

七宝会毎日放送

一五口

松山支部

三〇口

元特別会員

小原

五口

【本部会員】

田中

田村

前田

保典

石原

睦己

(以上一口)

【高松支部】

川口

和義

三浦

十四夫

徳井

正文

曽根

俊光

豊島

瑞夫

山本

員芳

高島

和泉

晋二

横田

寿夫

加地

暢也

氏家

正明

中川

勝来

青野

不二男

竹林

正員

繁美

松内

重敏

丸井

尉史

小岡

武則

池田

正文

阿部

栄一

長尾

憲人

佐藤

正彦

高階

俊和

清水

忠義

藤井

中川

寿夫

山地

俊英

山内

清富

岡根

国治

植松

隆郎

岩井

伊藤

三好

幸雄

宮崎

正行

岡田

河田

和夫

田槇

正篤

三島

一宮

一男

亀元

泰治

湯谷

憲智

泉川

純一

粂谷

筒井

義博

竹林

佳久三

三木

健続

蓮井

文昭

鈴木

敏政

東山

幸弘

和也

緒方

藤原

正男

(以上一口)

【大阪本科一期】

野藤

義則(

一口)

【大阪本科二期】

牧野

勇(

一口)

義明(

三口)

【専攻科五期】

袴田 長男(

一口)

【専攻科七期】

辻井

康弘(五口)

【専攻科九期】

岡田

邦男(

一口) 二神

吉三(

一口)

【第二別科】

藤田

鳩夫(

五口)

【本科一期】

熊井

鉄男(

二口)

【本科二期】

赤井

正太郎(

一口)

伊藤

隆夫(

一〇口)

勝山

博(

三口)

佐竹

勇夫(

三口)

日高

明(

一口)

【本科三期】

手柴

曽利

健次郎

和田

静雄

渡辺

和泉

正幸

河野

順一

高橋

(以上一口)

横山

勉(

一〇口)

松下

貞夫(

半口)

井上

弘之(

半口)

余村

正(

五口)

中村

哲男(

五口)

【本科四期】

田中

照夫(

二口)

忠一(

一口)

竹安

政照(

一口)

石井

静夫(

二口)

松野

文郎(

二口)

門奈

隆弥(

一口)

高瀬

勇(

三口)

滝田

鉄太郎(

三口)

忠一(

二口)

西村

寿喜(

半口)

阿部

譲(

半口)

大西

勝久(

半口)

一ノ宮

孝(

二口)

宇田

光男(

三口)

小宮田

国雄(

一口)

小野

実(

三口)

福岡

登(

一口)

【本科五期】

田岡

亨(

一口)

長谷川

義哲(

一口)

真部

豊広(

二口)

松田

清忠(

一口)

黒田

忠雄(

三口)

恭正(

五口)

黒木

実(

一口)

桝谷

一(

一口)

上原

茂之(

一口)

薮上

吉清(

二口)

小川

俊二(

半口)

大西

啓文(

一口)

中村

亨(

一〇口)

日置

進(

一口)

徳重

隆久(

五口)

牧野

倶巳(

一口)

【本科六期】

武田

憲一(

二口)

真鍋

三千雄(

二口)

山下

久仁夫(

一口)

島谷

啓也(

三口)

香川

一雄(

一口)

喜多

清(

三口)

田中

芳幸(

二口)

牧田

睦(

一口)

津野

松英(

半口)

三代木

薫(

半口)

大島

和典(

三口)

福田

正裄(

三口)

保(

一口)

【本科七期】

谷本

善彦(

一口)

中野

政良(

一口)

大森

繁樹(

一口)

潮見

清彦(

二口)

赤松

剛平(

一口)

木村

俶康(

一口)

有末

善雄(

五口)

西山

勲(

三口)

森本 邦彦(

一口)

土田

孝司(

一口)

高橋

義則(一口)

藤原

保(

一口)

米浜

鉦二(二口)

白川

富也(

一口)

山西

節夫(

一口)

真井

清秀(

一口)

谷田

敏一(

一口) 石井

定行(

一口)

渡辺

徳一(

一〇口) 船岡

藤雄(

一口)

藤原

克美(

一口)

原田 剛(

三口)

【本科八期】

末宏

一富(

二口)

山神

国夫(

二口)

高橋

英博(

一口)

角井

博三(

一口)

阿河

徹(

一口)

溝上

佳男(

一口)

大山

雅弘(

一口)

岡田

隆幸(

一口)

中村

進(

二口)

大森

幹朗(

一口)

正(

半口)

田中

勝夫(

半口)

河本

充(

一口)

大黒

勇(

一口)

【本科九期】

三浦

一郎(

二口)

中村

貞夫(

一口)

西山

勝俊(

一口)

松宮

武一(

一口)

金藤

光徳(

一口)

河井

雄治(

一口)

羽村

照(

一口)

西村

茂(

三口)

【本科十期】

大藪

正一郎(

一口)

内海

重行(

五口)

伊賀

勝彦(

二口)

寺山

喜久夫(

一口)

余村

敏彦(

二口)

蜂谷

嘉晤(

二口)

大元

弘文(

一口)

高橋

宏幸(

一口)

細川

久志(

一口)

山地

富士夫(

一口)

浅井

鎮男(

一口)

島野

昭男(

五口)

川渕

文男(

二口)

神原

俊明(

一口)

忠士(

一口)

高橋

佳弘(

一口)

岩崎

臣宏(

一口)

岩尾

将(

一口)

植田

泰信(

半口)

石川

幸夫(

半口)

佐藤

正秀(

三口)

藤田

和徳(

三口)

大西

敦実(

三口)

古川

孝(

二口)

【本科十一期】

陶山

寿夫(

一口)

子川

智康(

一口)

和田

彪(

一口)

安田

義己(

一口)

年楳

道義(

一口)

有木

良忠(

一口)

新田

和煕(

一口)

黒田

徹(

半口)

西本

恒明(

一口)

永井

道則(

一口)

渡辺

大六(

二口)

【第一別科一期】

波田

義隆(

五口)

【第一別科二期】

詮(

一口)

蓼本

弘(

一口)

中西

幸隆(

半口)

丸山

恒良(

二口)

Page 2: 昭和 36 年5 月20 日 詫間電波高等学校同窓会会報 第10 号昭和36 年5 月20 日 詫間電波高等学校同窓会会報 第10 号 2 【 第 一 別 科 三 期 】

昭和 36 年 5 月 20 日 詫間電波高等学校同窓会会報 第 10 号

2

【第一別科三期】

松下

忠次郎(

一口)

溝渕

恒雄(

二口)

野田

福美(

二口)

十亀

孝夫(

一口)

植田 政治(

一口)

松本

慶雄(

一口)

豊一(半口)

【第一別科四期】

斎藤

軍一郎(一口)

池上

博慧(

一口)

増野

耕一(

二口) 宮武

久(

三口)

宮崎

敏夫(

一口) 徳弘

俊一(

半口)

石井

篤志(

半口)

森 光行(

半口)

直井

猛(

半口)

中村 義幸(

半口)

上松

康繁(

一口)

岩村

晃(二口)

大川

幾雄(

一口)

家倉

芳幸(一口)

【第一別科五期】

岩井

秀人(

一口)

植田

茂美(

半口)

長谷部

稔(

一口)

谷本

亘(

三口)

松原

明(

一口)

【第一別科六期】

山野

正義(

一口)

浜田

吉宏(

一口)

坂口

一(

一口)

【第一別科七期】

針間

章郎(

一口)

石野

富久(

二口)

丹下

岩吉(

二口)

【第一別科八期】

山口

定雄(

一口)

大沢

旭(

五口)

二階堂

昭雄(

五口)

浅野

勉(

二口)

山本

久須亀(

半口)

津野

彦仁(

半口)

植田

耕一(

二口)

日高

和夫(

一口)

大友

朝夫(

一口)

笹川

輝雄(

二口)

【第一別科九期】

中島

信夫(

三口)

福井

一宏(

半口)

松浦

光治(

一口)

【第一別科十期】

吉田

幸夫(

一口)

【第一別科十一期】

梶田

嘉一(

三口)

長谷川

勝則(

五口)

田渕

徳明(

二口)

寺本

吾郎(

一口)

寺本

吾郎(

一口)

蕃(

一口)

生田

亨(

二口)

山下

正教(

一口)

井上

隆弘(

一口)

岩本

柳太郎(

一口)

久保田

洋司(

一口)

近藤

光視(

九口)

西

紀忠(

三口)

向井

修身(

一口)

募金の受付は引き続き致しますので御

協力下さい。

(〆切

七月末日)

徳島・尾道支部結成

「遅ればせ乍ら」

徳島支部

本当に遅くなりましたが、皆様の仲間

数人が四国徳島に支部結成と云う産声

を上げヨチヨチ歩きして居ります事を報

告しましょう。

母校の発展と共に同窓会も充実し各地

に次々と支部が生れている時、母校と同

じ四国にあり乍ら唯一つ徳島にだけ支部

が出来なかったのは、或は徳島が電波の僻

地だったのかも知れない。少なくとも地理

的には近くだが母校の圏外だったのだろ

う。 所

が三十一年二年頃から転勤に依るも

の或は新しく割り込む者と、ぼつぼつ徳島

にも詫間の風が吹き込んだ訳である。こう

した時、比較的新しいと云うか、世間の風

にさらされていない分子から、徳島は鳴門

や四国三郎だけでもっているんではない。

我々も一役買っているんだ。又各地にどん

どん支部が出来、四国でも徳島以外は詫

間分子の集いを持っているではないか。徳

島に一番乗りしたのは誰か、先輩は何をし

ている・・・

といった可成り激しい調子でエキ

サイされた。

ごもっともごもっともと云う事で改めて

同窓会名簿と電話帖を開いたのが昨る三

十四年盛夏、総勢十三名。

高松支部の芥氏から種々資料の提供を

賜わり同年初秋、膝を交えたのである。殆

んど初対面であったが同じ所から巣立った

者同士、不思議なものであった。雑談に花

の咲きかけた頃、話題を本論に戻し意見

続出する中に一応規約らしいものを作り、

初代支部長に大阪本科二期と云う何処へ

出しても恥ずかしくない牧野氏(四国放

送)、副支部長に宮崎氏(一別四国警)を

陣頭に立てたものの、これに続く者僅か十

一名、これじゃあ戦場へ辿り着くのさえお

ぼつかない。ひとつ他支部のやらない事

を・・・

と云う訳で密かに腕を磨き人馬を

集め此処ぞという時に鬨の声をあげんと

思いし所、何んとしても隠せぬもので本部

に情報が流れたと云う次第で、こゝに遅り

ばせ乍ら御挨拶旁々御報告と云う事に

相成った。三十六年三月現在、支部長十

亀氏(一別3四国放送)、副支部長黒木

氏(本5国警)、会計欠員、以下牧野(大

本2四国放送)、宮崎(一別4国警)、上

原(本5国警)、白川(本7国警)、岡田

(本8NHK)、大山(本8建設省)、中村

(本9NHK)、梶田(別11四国放送)、桝

谷(本5NHK)の合計十一名で、ほんのヨ

チヨチ歩きをして居ります。次第に軌道に

乗り、その内に支部代表者大会とでも名

打って名誉会長始め会長各支部代表の

方々に阿波の徳島に御出で頂いて改めて

徳島支部を名乗り度いと思って居ります

ので、何時になるか解りませんが、その日

の一日も早い様、皆の御指導を御願い致し

ます。

人数が少ないだけに全員参集を期して

行き度いと望む事が反って支障をきたし、

仲々こじんまりと云う所迄参りませんが、

毎年五月の定例会以外にも度々計画され

実現の有無は別として親睦を計りつゝ前

進して居ります。

最後に諸兄の御健康と御発展を御祈り

致しつゝ徳島便りを終ります。

桝谷記

尾道支部発足

三月三十日尾道市翠宝寮にて別紙の通

りさゝやか乍ら発足致しましたので改めて

報告致しますと共に今後ともよろしくお

願い致します。

懇談会としてスキヤキパーティを開き子

の親も独身者も平素のことを忘れ、共に

紅顔の日に帰り、校歌・無線小唄等思い出

のメロディーを合唱し、会と母校の発展を

祝し盃を挙げました。

前列左から、阿川、藤井、三木、吉田

後列左から、桑田、針間、片岡、吉岡

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昭和 36 年 5 月 20 日 詫間電波高等学校同窓会会報 第 10 号

3

出席者

藤井達二(本4)

尾道海上保安部

阿川淳躬(本4)

尾道海上保安部

三木秀明(二別)

仝右

桑田 茂(本6)

NHK尾道放送局

吉岡照夫(本11)

仝右

片岡精一(本7)

福山電波工業高校

針間章郎(一別7) 福山市福岳電気

吉田良夫(一別4) 広島市宇品

(第六管区海上保安本部出張中出席)

尚少人数の為、会長一名で運用し発展

の状況に応じ規則等作る予定。会員は(会

に出席出来るもので)と云うことで、出張

や附近へ入渠中等で会開催日出席出来る

者。

会名

詫間電波高等学校同窓会尾道支部

連絡先

広島県尾道市東御所町

尾道海上保安部気付

藤井

達二

会長

本科四期

藤井

達二

会の経過

発起人桑田茂(本六期)、片岡精一(本

七期)、藤井達二が集まり同窓生名簿に

より尾道附近在住者へ案内状発送すると

共に、附近造船所へ入渠中船舶を尋ね勧

誘し、三月三十日、尾道市翠宝寮にて出

席者八名で開催す。

なお設立に当り岡、有本両先生にお世

話になり、ありがとうございました。

まずは略儀乍ら様子まで。

五月七日

詫間電波高等学校同窓会

尾道支部長

藤井

達二

祝電をいただき

卒業式に際し各地支部(高松・岡山・長

崎・尾鷲・松山・宇和島・神戸)より祝電を

いただき卒業生は先輩諸兄の御心遣いに

感激と心強さを感じて巣立った事でしょ

う。卒業生一同に代わって御礼申し上げ

ます。

(本部)

東京で見た物 本

科三期

隆二郎

私はひょんな事から数年の間をおいて二

度程上京する機会を持った。勿論仕事の

為です。仕事と云ってもFM技術とかVH

F空中線とか云ってしぼられる職場の再教

育の勉強で、その合間を見つけ、いやその

機会を大いに作り、自由時間を最大限以

上に活用しまして、あちこちへ見たり聞い

たりする為に行きました。

「どうせ貴様の事だから先ず最初は、浅

草かミュージックホールだろう」と思われま

すが、その方向も幾分有りましたが、行っ

て是非見度いものが一つ程あった。それは

上野の国立博物館で、その中に陳列され

ている一つの小さな黄金のかたまりである。

それは古代日本の生成のポイントを握す

「漢倭奴国王」の印です。即ち約二千年程

前当時の世界で最大最強の帝国たる中国

の国王が東南方洋上の一小国の君主にお

前を倭奴国の国王に任命するからと言っ

て授けた印璽なのです。この印の事は中国

の皇室の二千年程前の史書にはっきりと

書かれていたのですが、今から約百七十年

前現在の福岡県の玄海灘に面した志賀島

の一百姓が自分の田の中で偶然にも発見

した物なのです。この一寸角の黄金は約二

千年前の歴史書の有る部分を事実として

物語って呉れたのです。小国とは現在の日

本で有り国王とは現大和朝廷の祖先に関

係が有る人なのである。私は其の様な事を

本で読みましたが、その事実を自分の目で

見たかったのです。それはケースの中にひっ

そりと置かれ、又大きな建物の中は人影

もまばらでした。

二度目の目的物は純粋な単一方向性

結晶体で、前に行った時にもすでに大きな

話題となっておりましたが、その生のまゝの

姿を見る事は出来ませんでした。尤も製

品化されたダイオードやトランジスタ等は、

ざくざく有りましたが、ゲルマニウムやシリ

コンの単一結晶体の固まりをごろごろ見る

事は出来ませんでした。それは各メーカー

のトップシークレットでした。しかしその量

産化は自らの手でベールを脱ぎ、俗に言う

テンナインの代物です。よく表現される言

い方を用いますと、東京都の人口が一日

食べる米粒の内ただ一つの異物のみしか混

入物が無いと云う位異物を省かれた高度

精錬された金属で有る。人類が歴史を

作ってから、約四~六千年の歩みを続けた

後、その頭脳によって初めて作られた完全

な物体と言える物が有るならば、私はこ

れら一連の物質はその一つであると言える

と思う。現代の物理学が物質の構造につい

ての神秘性を解いたればこそ天文学的な

気の遠くなる様な事を電気科学者共々作

り上げたからである。

私は前記の金印がどの様にして作られ、

どの様な人々の手を経て中国から日本へ

来たかを考えると大変興味深い物がある

と思うが、その前后は一切不明である。そ

れと関連する日本誕生も現在は分らない。

全べて神秘のベールに包まれている。今日

以後現代の自然科学、人文科学が如何程

進んでも私はこのベールは外せまいと思

う。

南米を廻って

前略

深まり行く秋もスポーツに行楽に

読書に食欲と、好シーズンを迎えている今

日この頃如何お過しですか。日頃のお世

話感謝にたえません。

不況のシワ寄せは本船にも及び皇太子

成婚の日に尾道ドックを出てバンクーバー

に向いこれよりチリーカンパニーのチャー

ターとしてマゼラン経由リオ迄の折返し一

往復を了えシスコ迄帰った処で約半年経ち、

こゝにて同窓会名簿会誌「詫電」を落手な

つかしみました。

来年の事を云えば、鬼が笑うとか申し

ますが、本船明年五月末から六月中旬頃

迄に帰国の予定です。丗五年の同窓会総

会に出席できれば幸と思っています。一年

チャーターの航路間、バンクーバーを振り

出しに南アメリカマゼラン経由リオ迄の見

てある記を才なき才で綴ってみます。

四千七百余総トンの本船は丗四年四月

十日、ちょうど皇太子と美智子嬢が結ば

れようとする頃、午前十時尾道ドックを

出帆、雑用に追われ、その様子はラジオに

耳を傾ける間もなく一日終り、日本の内

情にうとくなる第一歩を踏み込んだ訳。

航海速力十二ノットの本船では十数日か

かり、やっとバンクーバーに到着。

いつものことながらこの岸壁で蟹つりを

している処、訳の判らぬヤンキーとは似て

も似つかぬ外人が大きな荷物と共に乗り

込んだ。この人が後で判った本船チャー

ター先のチリー国会社のスーパーカーゴー

である。これより一年間メキシコを最初に

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昭和 36 年 5 月 20 日 詫間電波高等学校同窓会会報 第 10 号

4

殆んどスペイン語のみしか通じない国をさ

まようとあり我々仲間も俄然スペイン語

熱が横行し、スーパーカーゴーのドミンゴ

(日曜日)ブランコ(白)氏の講師により毎

日夕食後一時間ないし二時間の会話訓練

が始まった次第です。英語と違い発音が日

本語に似ている為、親しみ易く又上達も

早い訳です。

U・S・Aサイドは、ヤンキー相手で人種

差別も可なりひどく遊ぶにも面白い所は

なく諸兄が写真や絵で見るオークランド・

ベイ・ブリッヂやゴールデン・ブリッヂ、あり

ふれたものを物珍しさもなく五月下旬を

迎えメキシコのファースト・ポート・マンサニ

ヨに到着、ここからは一切スペイン語であ

る。 た

またま日本より求めていた会話の本

をポケットにねじこみ、いそいそと上陸二、

三歩歩いた処で早くも声がかかり〝ヨ・ア

ミーゴー〟(私の友達よ!)と云われたが、

何と返事を返してよいのやら見当がたゝず

日本人特有の微笑で返事をして歩いている

と又声がかゝる。〝今日は・・・

etc〟少し

鼻を長くして行き交う女性に微笑を与え

た処充分感度があり気を良くして、見る

もの見るものめずらしく田舎から見物に

出た様にキョロキョロ見廻りながら歩いてい

ると、広場(プラーサ)があり、この中央に

はジュース・コカコーラ等飲料水を売ってい

るので何を注文しようかとポケットから

引っぱり出し本を見ていると、横へ来た女

給さんがニッタリ笑うので、見る間もなく

簡単な〝コカコーラ〟と注文。見るものゝ

めずらしさで写真を撮っていると、ポーズ

を作りシャッターを押すと、再び近寄り、

訳の判らぬ手まね足まねにより判ったこと

が、〝その写真を出来次第送ってくれ〟と、

住所と、名前を書いてくれ、まだまだ使え

ないスペイン語では一向に話も進まぬ為、

早く切りあげもっと船内で練習すること

を決心。

再びスペイン語の勉強が約一カ月続き、

本社所在地バルパライソ入港に相成ったの

だが、街が大きく川崎郵船の船も時々入

港するので支那人と間違われる心配はな

いのですが、期待も裏切られた形で南下を

始めた。

バルパライソ以南は日本船は殆んど行っ

てないとみえ、上陸すれば近所の子供達

が次々に寄ってくる。末には大人まで窓の

ガラスに額をつけて一心に見入る婦人も

あり、やがては我に幼かりし敗戦当時ヤン

キーに〝チューインガム!〟と云ったと同

様〝チークレ、チークレ〟とつきまとう。

正直な処我には持っていないので与えるこ

ともできず、そんなものだからいつ迄もつ

いてくる。いゝ加減なところでプラーサを

見つけベンチに腰かけムチャーチョ(子供)

を相手に会話の練習が始まる。子供の集

りがハイティーンも集り、いつの間にか度胸

も据わり下手なスペイン語ですまして話す

ことになる。

あまり話が進めば、〝バーモス・ミ・カー

サ〟(我が家に行こう)という事に話は決

まり、どんな生活をしているかという好奇

心から乗り込み、一家と団らん、写真を

撮ったりで歓待の末、お別れと云う事にな

るのですが、やはり年頃になると異性を求

めるらしく、今日本男性と文通したいと

云うチリヤン・セニョリーターの申し込みが

五人あります。諸兄の中で御希望の方は

早速連絡下さい。但しスペイン語による文

通。小生も二、三人の女性とやっています

が少なからず損はしていない様です。

諸港めぐりも終り待望のマゼラン海峡

に入るわけですが、丁度冬場に当り、切り

立つ岩も雪化粧でほとんど木のないそびえ

る岩の間縫ってる航海が非常に印象的でし

た。釜石附近の岩中を走っている感じです。

我々の俗にいうマゼランそのものは瀬戸内

海の様な感じの所で、小さい時から瀬戸内

を見て育った小生には感じる何物もあり

ませんでした。

ブラジルは日本人も多く、めずらしい事

も沢山ありましたが又の機会にします。

尚日本で女性にモテない小生がチリーでモ

テる原因に、女数人に男一人と云う非常

に女の多い国の為かと思います。

末筆乍ら諸先生方によろしく。御健勝

をお祈り致します。

十月二十三日

シスコにて

小佐古

余村ただし

椰子の町

英兵去りし

兵舎見ゆ

バナナ売り

口笛高く

呼びかける

椰子の町

ナセルの画像

あちこちに

赤道の

鏡をなせる

潮畳

甲板に

日覆張られて

かしましく

船旅に

順れて涼みの

女客

迫り来る

別れ車窓を

霧流る

姑娘の

日本語いとし

バナナ買う

息白く

船に立ち寄る

ミルク売り

ロンドンの

濃霧車掌の

親切に

北海の

霧に灯船

ただよえる

鉄をうつ ひびきエルベは

明け易き

明け易き 水上バスの

通る音

機関止る

うねりて暑き

印度洋

別れ

本科六期

K・K生

荒れ去きや野分のあとに

さわやかに空は碧める

独りある秋のうれいの

侘しさにこころは急かれ

静けさに想いはみだる

ゆうされば恋しき人の

にし陽さす家路いそぎて

薄けむり四方の景色の

山脈はるか雲のよどみに

片雲の急ぎて帰る

流れゆく水と岸辺と

うたかたの淀みの如く

独りのみ想いめぐれば

美しき夢の世界の

儚なきに悲しみわびぬ

離るべき故郷の土に

なごりてぞ俤さらず

いつの日かまためぐり逢う

春秋を海に生く吾

行き行けば地球のはての

遠ざかるかの海路より

君がすむ瀬戸の磯辺に

片瀬波よよに返えさん

Page 5: 昭和 36 年5 月20 日 詫間電波高等学校同窓会会報 第10 号昭和36 年5 月20 日 詫間電波高等学校同窓会会報 第10 号 2 【 第 一 別 科 三 期 】

昭和 36 年 5 月 20 日 詫間電波高等学校同窓会会報 第 10 号

5

昭和36年度同窓会総会御案内通知

第9回総会を下記により開催致したいと思いますので、万障

お繰り合わせの上御出席下さる様ご案内申し上げます。

1.日時 昭和 36 年 6 月 25 日 午前 10 時

2.場所 詫間電波高等学校

3.議題 (A) 35 年度会計報告

(B) 役員改選

(C) 36 年度予算審議行事計画

(D) その他

引続き懇親会に移ります。(会費一人 300 円)

あの人

本科六期

K・K生

南にしろい雲が

この町を北へ帆く

ひぐれの頃

となりの街から

あの人は

この町に

帰ってくる

そんな時偶然にあった

その時から

何もなかったぼくの心を

夕雲の拡がるように

あなたの像は

やがて一杯になりそうだ

行く雲の縁のほどに思えば

胸は塞ぎ言葉もいでず

愁しく思いつつ

今日もめぐり去く

また

明日も

いつまでも

海の旅から帰る

ふるさとは

本科六期

K・K生

海の旅から帰る

ふるさとは

小みちの石も懐しく

一ひらの草も

呼吸をはずませ

そっと手にとって眺め入る

ほのかな暖みが

まるで命あるもののように

じーんと心に沁みわたる

あゝ

この石に想いは幾月

船の哀愁

本科六期

K・K生

夕暮れの陽光に

雲が紫色に溶けだす頃

このデッキに働く人達はみんな

遠くに灯る街あかりを見詰めては

遙かに遙かに陸を恋う

この船の哀しみを

あなたはどうわかってくれるだろう

冬の海の北国の港は

船も凍りつく程きびしく

骨を刺す寒さに心も鈍り

海に生きる人達はみんな

暖かい暖かい住家を想う

この船の愁しさを

あなたはどうわかってくれるだろう

各支部住所案内

関東支部

東京都世田谷区三宿町二五三

佐藤方

宇田

光男

大阪支部

大阪市東住吉区喜連町一一一〇

近畿電波監理局監視部 前

俊夫

尾鷲支部

三重県尾鷲市海岸通り

尾鷲漁業海岸局

日高

神戸支部

神戸市垂水区岩岡町赤坂

近畿電波監理局監視部 小

智久

広島支部

広島市観音新町

ラジオ中国送信所

石原

岡山支部

岡山市内山下八一

中国管区警察局岡山県通信出張所

芦田

芳男

高松支部

高松市寿町一の五の一

四国管区警察局無線通信課 芥

繁美

松山支部

松山市堀之内町

四国管区警察局愛媛県通信出張所

真鍋

高知支部

高知市東町

ラジオ高知KK

森本

光行

徳島支部

徳島市南前川町

NHK徳島放送局技術部

桝谷

長崎支部

長崎市勝山町五七

時事通信社長崎支社

早川

尾道支部

尾道市東御所町

尾道海上保安部通信所気付 藤

達二

編集後記

「目に青葉、山ほととぎす・・・

」と早くも

五月の声を聞くにいたりましたが同窓生

の皆様いかがお過しでしょうか。

本年度も新会員百五十余名を加え、七

宝会は、正会員二千余名を持つ会へと発

展いたしました。

ここに同窓会会報第十号をもって各地

での会員諸氏の活躍をお知らせいたしま

す。 編

集部としては本号を編集するにあた

り、原稿が非常に少なく、そのため発行の

期日が遅れたわけでありますので、もっと

会員諸氏の御投稿を願いたく思います。

日常生活、職場でのこと、その他ほんの

ちょっとしたことでも御投稿下されば、会

報を通じての相互の親睦を一段と増すと

ともに、新会員を勇気づけ、あるいは憩い

となる、明るい会報となることと思いま

す。 最

後に編集についての御感想なり、本部

まで戴ければ、今後の参考ともなり、幸い

に思います。