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1 にやや会 Copyright © にやや会 All Rights Reserved. ハーバード流交渉術 niyaniya negotiation 2010/10/24

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にやや会

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ハーバード流交渉術 ー  niyaniya negotiation

2010/10/24

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0. 導入

他人への要求をなるべく通すための基本的手段

共通する利害と対立する利害があるときに、合意に達するために行う相互コミュニケーション

上司に賃上げを要求する家の価格をめぐって売り手と合意を図る交通事故の訴訟に関して弁護士同士が話し合う石油会社数社が共同出資して石油の沖合採掘の会社設立の準備をする交通スト回避のため市当局と組合幹部が会談する核兵器制限をめぐって米国務長官とソ連政府高官が会談する夕飯をどこで食べるか夫と妻が話し合う母が子供と寝る時間について話し合う

全部交渉。

交渉とは

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0. 導入

よくある交渉:立場駆引型交渉

交渉方法の適否  ・賢明な合意をもたらす  ・効果的である  ・当事者間の関係を改善し、少なくともそれを損なわない

この真鍮のお皿はいくら?すてきな骨董品でしょう。 75ドルでお譲りしましょう。そんなにふっかけたってだめよ。これ凹んでるわ。 15ドルってとこね。はぁ、傷がありますか。本気でお買いになりたいというなら勉強いたしますが、 15ドルというのはひどすぎます。じゃあ 20ドル出してもいいわ。とにかく 75ドルなんてとんでもないわ。お若いのにおっしゃることがなかなか厳しい。では即金できっかり 60ドル。25ドル。それじゃお話になりませんよ。仕入れにもっともっとかかっているんですから。37ドル 50セント。そこまでね。お客さん、この皿の彫刻をよく見てください。こういう品は来年になれば間違いなく値が倍になりますよ。

客:主人:客:主人:客:主人:客:主人:客:主人:

よくある交渉の例

双方とも夫々の立場にたって正当性を主張し、状況により多少の譲歩をして妥結する

⇒立場駆引型交渉

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0. 導入

駆引型は理想の交渉方法とはいえない⇒原則立脚型交渉

駆引型 ハード(強硬タイプ)

ソフト(譲歩タイプ)

ハードとソフト、どっちをとるか?⇒どっちもとりません。

”ハーバード流“原則立脚型交渉

自分の表明した主張を譲らず強硬に相手に譲歩を迫る

友好的に合意することを目的に不利な条件でも譲歩する

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0. 導入

Win-winを目指す原則立脚型交渉

原則立脚型交渉

相手にも満足を与えるwin-win型交渉

1. 人と問題を分離せよ2. 立場でなく利害に焦点を合わせよ3. 行動について決定する前に多くの可能性を見出せ4. 結果はあくまでも客観的基準によるべきことを強調せよ

1. 相手が認識していることを分析する2. その選択肢を変更させ、お互い納得のいく合意に持っていく

ポイント

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1.人  人と問題を分離せよ

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1.人  人と問題を分離せよ

互いに相手を攻めるのでなく、一緒に問題を攻めるのだ

利害 人

問題

心理的

論理的

分離してそれぞれ対策を検討

これが一番ベースとなる考え方である。

※話し手は問題のことを言及していても、   受け手は人のことを責めていると   受け取ることがよくあるので注意

    ex)「部屋、汚いね」

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2.利害  立場でなく利害に焦点を合わせよ

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2.利害  立場でなく利害に焦点を合わせよ

対立する利害(立場)の背後に共通する利益が眠っている

■1978年エジプト・イスラエル和平協定

1986年 イスラエルがエジプト領シナイ半島を占領

イスラエル:シナイ半島の一部を維持エジプト:シナイ半島全域返還 和平協定平行線

表面に出た主張の背後にある利害は何?

イスラエル:国家の安全           国境線にエジプトの戦車が進撃できるよう待機しているのを好まなかったエジプト:土地の主権             シナイ半島は古代エジプトの頃からエジプト領。何世紀にも渡るギリシア、ローマ帝国、             トルコ、フランス、イギリスの支配からやっと主権を取り戻した今、領地を譲る気はなかった

シナイ半島の主権はエジプトに戻すが、広範囲の非武装化によりイスラエルの安全を確保する

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2.利害  立場でなく利害に焦点を合わせよ

真の利害が何なのか探れ

まずは相手の関心を探り、同意を阻害する部分を探る

満足 結果

プロセス※両方満たす必要がある

■真の利害は人間の基本的ニーズに収斂することが多い

•安全•経済的福利•帰属意識•認められること•自分の生き方を自分で決定すること

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2.利害  立場でなく利害に焦点を合わせよ

”交渉相手に対する“信頼度も重要

アメリカはメキシコとの交渉で、メキシコの天然ガスを安く手に入れたかった。これは、金銭をめぐる交渉だと思ったアメリカのエネルギー庁長官は、アメリカの石油会社グループがメキシコと交渉した価格の引き上げを承認することを拒否した。当時他に買い手がなかったので、アメリカのエネルギー庁長官は、メキシコはもっと価格を下げるだろうと思った。しかし、メキシコは天然ガスを高く買ってもらうだけでなく、丁重かつ対等に扱われることに強い関心を持っていた。従ってアメリカの行動は相変わらずに威圧的なものに映り、メキシコの激しい怒りを買った。天然ガスを売る代わりに、メキシコ政府はそれを燃やし始めたのだ。こうして、低価格での合意は政治的に不可能になってしまったのである。

交渉のプロセスにおける満足も重要な要素

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2.利害  立場でなく利害に焦点を合わせよ

利害を探る方法:直接聞く or 分析する

■潜在する利害を明らかにするための自問•双方とも両者の関係を維持することに関心を持っているだろうか•協力したり互いの利益を図っていく上で今後どのような機会があるだろうか•もし交渉が決裂したらどのような損害があるだろうか•公正な価格といった、双方が尊重できる基準があるだろうか

■合意した場合の立場に対するインパクト

本人の立場•政治的支持を得るか?•同僚は批判するか?

代表する団体の立場•当面の影響は?長期的にみた影響は?•経済的(政治的、法的、心理的、軍事的)影響は?•外部の支持者への影響は?世論は?•よい先例になるのか?悪い先例になるのか?•この決定を下すと、もっともよい案の妨げになるのか?•その行動は自分たちの主義に合致しているのか?•今結論を出す必要があるのか?

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このようにして相手の認識を分析する。その後は相手の選択を変更させ、合意に持っていく。

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3.選択肢  行動について決定する前に多くの可能性を見出せ

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3.選択肢  行動について決定する前に多くの可能性を見出せ

最初の主張が選択肢の全て、ではない!

一個のオレンジをめぐって姉妹が喧嘩した。オレンジを半分にすることでやっと折り合いがついたが、姉はその半分の中身だけを食べて皮を捨てた。一方妹は中身を捨て、ケーキを作るために皮だけを使った。

皮 中身

…真の利害がわかっていれば、お互いもっと満足できたのに

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3.選択肢  行動について決定する前に多くの可能性を見出せ

前提となっている選択肢を疑おう

■選択肢を増やすことを妨げる 4つの原因

1. 早まった判断をすること2. 単一の答えを出そうとすること3. 分け合うパイの大きさを一定と決めてかかること4. 相手の問題は相手が解決すればいいと思っていること

win-win!

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3.選択肢  行動について決定する前に多くの可能性を見出せ

選択肢の増加で、双方の満足度の上昇可能性が高まる

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3.選択肢  行動について決定する前に多くの可能性を見出せ

相手が決定しやすい方法を見つける

■ 要求度の異なる合意“ ”同意できない部分は何かについて同意する

•内容的と手続き的•永続的と暫定的•総合的と部分的•最終的と原則的•絶対的と条件付•拘束的と非拘束的•最優先的と次善的

同意可能 /不可能部分を分ける tips

■当事者間の相違を利用した合意

•利害・・・・・・・・・・・・・・・・・・•信念・・・選挙•時間・・・割賦払い•予想・・・出来高払い

•Aと Bの主要関心事•形式と実質•経済的側面と政治的側面•対内的側面と対外的側面•象徴的側面と実際的側面•近い将来と遠い将来•その場の結果と当事者間の関係•有形物とイデオロギー•進歩と伝統の尊重•先例と本件•威信、評判と結果•政治的要素と集団の利益

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4.基準  結果はあくまでも客観的基準によるべきことを強調せよ

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4.基準  結果はあくまでも客観的基準によるべきことを強調せよ

圧力に屈するのではなく、一定の原則に基づいた解決へ

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プラスアルファの事前準備

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5.プラスアルファの事前準備

不調時対策案が自分の決断の基準となる

■ギリギリの線を決めておく  メリット     ・圧力に抵抗し、その場の衝動を抑えるのに役立つ     ・複数人で交渉に臨むときの基準が作れる  デメリット     ・交渉過程で出た情報を活用することを妨げることがある     ・更なる調整をしようという意欲が薄れる     ・ギリギリの線は往々にして高く設定される

■不調時対策案を用意する(BATNA:Best Alternative To a Negotiated Agreement)   ・不安により判断が狂うことを防ぐ   ・「決裂してもかまわない」が強さの秘訣

「合意が成立しない場合の最良の案」の存在が・あまりにも不都合な案を受け入れることを防ぎ・有利な条件を拒否してしまうことを防ぐ

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編纂:にやや会http://niyayakai.blog108.fc2.com/

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参考文献:ハーバード流交渉術 イエスを言わせる方法 - フィッシャー&ユーリー /金山宣夫 浅井和子 訳

論理と心理で攻める 人を動かす交渉術 荘司雅彦