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アニュアル・レポート2014 2014年3月期

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アニュアル・レポート20142014年3月期

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編集方針近年、中長期も視野に入れた総合的な企業価値評価において、

非財務情報に対する関心が高まっており、企業からの情報発信に対しても、財務情報と非財務情報の統合という観点でのニーズが高まっています。こうした背景をふまえ、当社は2013年より、財務・非財務情報を統合したアニュアル・レポートを発行しています。当社は、国際統合報告評議会(IIRC)、機関投資家、企業など関係

者との意見交換会への参加などをとおして、今後もステークホルダーのみなさまのご意見や国際的な動向を理解しながら、より分かりやすく有用な情報発信に努めていきます。

NECは、安全・安心・効率的・公平で豊かな社会の実現に向けて「社会価値創造型企業」へ変革します

報告対象期間2013年4月1日~2014年3月31日

(対象期間後の情報も含みます)

報告対象範囲日本電気株式会社および連結子会社

参考としたガイドライン• Global Reporting Initiative(GRI)の「サステナビリティ・レポーティング・ ガイドライン3.1」

• 国連グローバル・コンパクト• ISO26000

■ オープンイノベーション

■ パートナリング

■ コンサルティング

■ 運用サービス など

ICTアセットビッグデータ/SDN/クラウド基盤

など

社会・お客さまの本質的課題の追求

価値創造の手段

社会ソリューション事業

新たな価値・市場創造

01 NEC CorporationAnnual Report 2014

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Safety

Efficiency

Equality

Security

安 心目立たないところで地球や社会を支える

効 率持続可能な成長の実現

公 平多様な格差や不公平の解消

目次

社外からの評価

• Dow Jones Sustainability Asia Pacific Index

• FTSE4Good Global Index • Euronext Vigeo World 120 Index

• ETHIBEL PIONEER & EXCELLENCE

• MS-SRIモーニングスター • oekom 格付 Prime社会的責任投資株価指数

Ⅰ 経営方針

03 社長メッセージ07 「2015中期経営計画」の進捗

Ⅱ 事業活動をとおした価値創造

13 パフォーマンスハイライト15 主要事業一覧17 事業別レビュー25 ミャンマーの持続的成長に貢献する通信インフラ27 ICTの活用によるASEAN地域の災害対応力の向上28 香港におけるバスの安全・安心運行を実現29 蓄電システムで再生可能エネルギーの普及に貢献30 データセンターの省エネ化でCO2排出量を削減31 鉄道駅におけるお客さまサービスの向上に貢献

Ⅲ 価値創造を支える経営基盤

33 ステークホルダーエンゲージメント35 働きやすい職場づくりと人材育成37 お客さまとの信頼関係の構築38 気候変動への対応と環境保全39 研究開発と知的財産戦略41 コーポレート・ガバナンス43 リスクマネジメントとコンプライアンス44 社外取締役・社外監査役メッセージ45 取締役および監査役47 事業執行体制49 海外事業執行体制

Ⅳ コーポレート・データ

50 財務セクション58 非財務セクション59 会社概要

豊かな社会を実現するための4つの提供価値

安 全国家から個人まで幅広い安全に対応

NECは、国連グローバル・ コンパクトに署名しています。

• 環境アニュアルレポート• 情報セキュリティ報告書• 社会貢献活動

関連する他の情報発信• 決算短信/有価証券報告書• コーポレート・ガバナンス報告書• 企業の社会的責任(CSR)

02NEC CorporationAnnual Report 2014

経営方針

事業活動をとおした価値創造

価値創造を支える経営基盤

コーポレート・データ

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社長メッセージ

NECは、NECグループの経営活動の仕組みを体系化した「NEC Way」の実践をとおして社会とNECグループの持続可能な発展を追求しています。

企 業 理 念 に 基 づき、「NECグ ループビ ジョン2017」に掲げる「人と地球にやさしい情報社会」を実現するためには、企業は社会に生かされている存在であるという認識のもと、従業員一人ひとりが日々の業務の中でコンプライアンスを徹底し、「NECグループバリュー」を実践し、お客さま・社会の課題解決に貢献していくことが重要だと考えています。さらに、当社の取り組みの成果と課題を積極的にステークホルダーのみなさまに開示し、説明責任を果たしていくこと、およびステークホルダーのみなさまとのコミュニケーションをとおして企業活動を改善し、信頼関係を構築することも重要であると考えています。

グローバル企業としてこれらの考えを実践するため、当社は2005年に署名した国連グローバル・コンパクト(UNGC)の枠組みに基づき「人権」「労働」

「環境」「腐敗防止」に関わる10原則を遵守した企業活動を行っています。今後も、持続可能な社会の発展に向けて策定される国連などの取り組みに積極的に貢献し、グローバルな視点で社会課題の解決に努めていきます。

当社がこうした社会課題の解決に取り組むにあたっては、イノベーションが非常に重要な意味を持ちます。新たなイノベーションの創出には、多様な人材がその個性や特性の違いを最大限に活かし、多様なアイデア・意見を提案できる企業文化づくりが大切です。2014年3月期(当年度)はその一環として、女性活躍推進に関する厚生労働省の「ポジティブアクション宣言」に参画しました。今後もこうした取り組みをとおし、イノベーションの創出を促進し、社会価値の向上を担うことのできるグローバルリーダーの育成・輩出に努めていきます。

持続可能な発展に向けて

代表取締役 執行役員社長遠藤 信博

03 NEC CorporationAnnual Report 2014

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持続可能な発展に向けてNECが優先的に取り組むテーマ

市場環境の見通しと長期展望

今後2050年に向けて、世界の人口が現在の70億人から90億人に増加するとともに、都市に住む人口の比率が50%から70%へと高まり、一層の都市化が進むと予想されています。これに伴い、エネルギーや食糧、水などの需要は人口増を上回るペースで高まり、急速な経済成長が期待されます。しかし、こうした経済成長の一方で、都市化や人口増に伴う

社会課題の発生も懸念されており、持続可能な社会を構築するためには、安全・安心な暮らしや効率的な資源活用などを実現する新しい社会インフラ、つまり、都市部を中心とした人口増を支えることのできる効率的な社会インフラがますます重要になってくるものと考えています。

・お客さまや社会の関心・CSR活動への意見・SRI調査機関からの指摘・CSRの規格化

・NEC Way・企業価値の最大化・事業活動が社会や

環境に与える影響

ステークホルダー・社会の関心

事業活動を支えるための社内マネジメントの取り組み

社会の課題を解決しニーズに応える取り組み

NECの視点

リスクマネジメントの強化と コンプライアンスの徹底

信頼性の高い 情報通信インフラの構築

安全・安心な社会づくり

働きやすい職場づくりと グローバルな人材育成

すべての人が デジタル社会の恩恵を享受

お客さまとの信頼関係の構築

気候変動(地球温暖化)への 対応と環境保全

などなど

04NEC CorporationAnnual Report 2014

経営方針

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NECが手がける社会ソリューション事業

海 底

工 場

鉄 道

空 港

銀 行企 業

道 路

電 波 塔

放 送 局 病 院行 政

消 防 署

宇 宙

小 売 店

エ ネ ル ギ ー

通 信

ダ ム・水 道

重 要 施 設 郵 便 局物 流 基 地

社会ソリューション事業への注力

当社はこうした世の中の動きをふまえ、人が豊かに生きるための安全・安心・効率的・公平な社会の実現に向けて、ICT(情報通信技術)の力で新しい社会インフラを創る「社会ソリューション事業」へ注力しています。

当社は既に、交通管制や消防・防災システム、水資源管理システム、さらには海底地震計や電子カルテなど、ICTを活用した社会インフラの高度化について数多くの実績を有しています。これらのシステムは、海底から宇宙までカバーする当社の各種センシング技術や次世代ネットワーク技術、IT基盤技術のうえに成り立っており、それぞれ目には見えにくいですが、人々の日常生活になくてはならない、より豊かに生きるためのインフラとして、社会を支えています。

今後は、ビッグデータやクラウド、SDN(Software-Defined Networking)などの技術により、ICTを活用して当社が提供する社会価値は、ますます多様化・高度化していきます。こうした中で、提供した社会価値を定量的に把握して次のステップにつなげ、継続的に価値の最大化を目指していくという取り組みはますます重要性を持ってくると考えます。現状、当社は、お客さまや社会にITソリューションを提供することによって削減したCO2排出量を1つの定量的指標として掲げていますが、今後は、社会ソリューション事業の拡大に伴い、より広範な視点で社会への貢献をはかり、社会価値の最大化に努めていきます。

•光海底ケーブル•海底地震計

•航空管制•指紋認証

社会インフラを支えるNECのICT

•鉄道通信•港湾監視•水中監視

•生産管理•工場管理

•銀行ATM

•交通管制 •施設監視

•郵便区分機

•物流 •消防システム

•衛星通信・地球観測

•通信システム

•スマートエネルギー

•デジタルTV送信•TVスタジオ

•電子カルテ•電子政府 •水管理

•漏水検知•各種業務システム

•POS

担当ビジネスユニット: パブリック  エンタープライズ  テレコムキャリア  スマートエネルギー

各種センサ・ヒューマンインターフェース技術

高性能・高信頼IT基盤技術

次世代ネットワーク技術

05 NEC CorporationAnnual Report 2014

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当社は、2013年4月に発表した「2015中期経営計画」で、社会価値創造型企業への変革を宣言しました。社会価値と企業価値を両立し、社会課題の解決によって自らも成長できる企業へと変革することは、創業100年を超える歴史を有する当社にとって、次の100年の基礎を形づくることにつながります。

こうした考えのもと、中期経営計画の実現に向けて事業を遂行する中で、当社が手がける社会ソリューション事業を世界中のお客さまやパートナーにより深く理解いただくとともに、NECグループが一丸となって社会ソリューション事業を加速することを目的として、今般、当社は「Orchestrating a brighter world 世界の想いを、未来へつなげる。」を新たな事業ブランドメッセージとして策定しました。

これは、社会ソリューション事業による安全・安心・効率・公平という社会価値の提供をとおして、世界中の人々と互いに協奏しながら、より豊かで明るい希望に満ちた暮らし・社会・未来を創り上げていく、という当社の強い決意を表現したものです。NECグループが目指す中期的な事業の方向性、実現したい世界観をより具体化し、グループ一丸となって、中期経営計画の達成に向けて取り組んでいきます。

「2015中期経営計画」の初年度は、今後の成長の基盤を固める「準備の年」となりました。2年目となる2015年3月期(次年度)は、その基盤を使って「実績を残す年」となります。3ヵ年計画の最終年度となる2016年3月期に本格的な成長を示すためにも、次年度は非常に重要な1年となります。

中期経営計画の達成には、グローバル競争力の強化が必要不可欠です。当社は社会価値創造型企業として、安全・安心・効率・公平といった価値をグローバルに提供するとともに自らの成長へとつなげ、中期経営計画の達成とグループビジョンの実現、さらにはその先にある社会とNECグループの持続可能な発展に向け、新たな価値を創出し続けていきます。

引き続き、みなさまのご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。

2014年6月

代表取締役 執行役員社長

遠藤 信博

「2015中期経営計画」の実現に向けて

06NEC CorporationAnnual Report 2014

経営方針

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「2015中期経営計画」の進捗

当年度の業績について

2014年3月期(当年度)の売上高は、3兆431億円と前年度に比べ285億円(0.9%)減少しました。これは、パブリック事業、エンタープライズ事業およびシステムプラットフォーム事業が増収となったものの、携帯電話販売事業の非連結化や携帯電話の出荷台数の減少により、その他の事業が減収となったことなどによるものです。収益面では、営業利益は前年度に比べ85億円悪化

過去数年の振り返り

当社は過去数年にわたり、売上高3兆円規模であっても一定の利益水準を確保できる体質を目指し、構造改革、事業ポートフォリオの見直しに取り組んできました。その結果、売上規模は減少しましたが、前年度、当年度と、2期連続で期初の利益計画を達成することができました。また、現在注力している主要事業で比較した売上高は、2011年3月期から着実に増加しており、当年度も前年度比で約6%の増収となりました。営業利益についても、特許売却などの特殊要因があった前年度からは減益となりましたが、着実に改善しています。

し、1,062億円となりました。これは、携帯電話販売事業などの売上減少に加え、前年度に液晶ディスプレイ関連の特許売却があったことなどによるものです。当期純利益は、営業利益の減少に加え、営業外費用の増加があったものの、関係会社株式売却益を計上したことなどにより、前年度に比べ33億円改善し、337億円となりました。売上高、営業利益、当期純利益ともに期初計画を上回った結果、配当金についても、期初にお約束した1株につき4円を実現しました。

当社は「2015中期経営計画」の策定にあたり、社会ソリューション事業を中心とした事業構造へと舵を切ることを決意しました。当社がありたい姿に向けて事業ポートフォリオの見直しを加速するとともに、社会ソリューション事業への注力によって社会価値創造型企業へと変革することを経営方針の1つとして掲げました。そして、経営陣はこの1年間、「事業ポートフォリオの見直しを行う中で、売上規模が3兆円にまで減ったNECグループが何に注力すべきか」「100年先もNECグループが存続し、社会への貢献を続けるために、どのような文化を形成すべきか」「市場の変化に対応するために組織はどうあるべきか」「グローバルな競争力をどのように培っていくべきか」といったことを議論してきました。

(億円)2013年3月期 2014年3月期

実績 期初計画 実績

売上高 30,716 30,000 30,431 海外売上高 4,831 5,692  海外売上高比率 15.7% 18.7%営業利益 1,146 1,000 1,062  売上高営業利益率 3.7% 3.3% 3.5%当期純利益 304 200 337

自己資本利益率(ROE) 4.5% 4.8%

当社は、2013年4月に発表した「2015中期経営計画」に基づき、社会ソリューション事業の確立に向けて取り組んでいます。2014年3月期(当年度)は、その初年度として、注力領域への投資や事業買収、事業ポートフォリオの見直しなどを着実に進め、今後の成長に向けた種まきを行いました。

中期経営計画の2年目となる2015年3月期(次年度)は、これまでの1年間の取り組みをベースに、その成果を示す年であると考えています。ここでは、中計1年目の成果と、2年目の取り組みを紹介します。

07 NEC CorporationAnnual Report 2014

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2010 2011 2012 2013 2014 2016(中計)

2015(予想)

35,83135,831

32,00032,00030,00030,00030,43130,43130,71630,71630,36830,36831,15431,154

509509

1,5001,500

1,2001,2001,0621,062

1,1461,146

737737578578

26,000

30,00030,00028,90027,300

26,30025,500

業績の推移(2010年~2014年3月期実績、2015年3月期予想、2016年3月期目標)

中期経営方針

※ 予想値は、2014年4月28日現在

(億円)

(億円)

こうした議論をふまえ、当年度は、ここ数年の課題であった携帯電話端末事業の構造改革に踏み切りました。スマートフォンの新規開発を中止して事業を大幅に縮小したことで、当社は同事業の構造改革費用として約220億円の特別損失を計上しましたが、これにより、同事業の課題は解消しました。さらに、携帯電話販売を担っていたNECモバイリング(株)(現MXモバイリング(株))や、インターネット・サービスを提供するNECビッグローブ(株)(現ビッグローブ(株))の株式売却を行い、社会ソリューション事業への注力を、より明確なものとしました。

一方で、運用・保守サービスを手がけるNECフィール

ディング(株)の完全子会社化やスマートエネルギー事業における事業買収をとおして社会ソリューション事業の執行体制を強化しました。また、シンガポールに「グローバルセーフティ事業部(GSD)」「NECラボラトリーズシンガポール(NLS)」を設置したほか、流通関連の拠点としてマレーシアに「リージョナル・リテール・ビジネス・サポート・センター(RBSC)」を設置するなど、本格的な海外展開に向けた体制を強化しました。

当年度の業績は、これらの事業ポートフォリオ見直しの取り組みに負うところが大きいと考えています。今後は、より一層、成長を意識した取り組みに重点を置いて活動を展開していきます。

社会価値創造型企業への変革◦ICTによる社会インフラ高度化事業に経営資源を集中◦社会課題の解決を成長機会ととらえ、新たなビジネスモデルを確立

グローバルで戦える成長基盤を確立◦アジアを中心とした新興国、発展途上国に注力◦現地ニーズに対する感度を高め、事業スピードをアップ

◦コスト競争力の強化◦営業利益1,500億円、FCF*1,000億円を創出する収益構造の確立◦ハイブリッド・ファイナンスによる財務余力の確保

営業利益率

5%

海外売上高比率

25%の

早期実現を目指す

(1)社会ソリューション事業への注力

売上高

営業利益 注力事業ベース売上高

(2)アジアへの注力、現地主導型ビジネスの推進

(3)安定的な財務基盤の構築

* FCF:フリー・キャッシュ・フロー

08NEC CorporationAnnual Report 2014

経営方針

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社会ソリューション事業の主な取り組み

1年間の主な取り組みと成果

当年度は、「2015中期経営計画」の初年度として、「社会ソリューション事業への注力」「アジアへの注力、現

地主導型ビジネスの推進」「安定的な財務基盤の構築」という3つの経営方針に基づき、グローバルな競争力を有する社会ソリューション事業の確立を目指した取り組みを進めました。

一方で、成長戦略のさらなる具体化と、その実行スピードの加速を2年目の課題としてとらえています。グローバルな競争力を有する社会ソリューション事業を確立し、当社の持続的な売上成長を実現するためには、注力事業の本格的な立ち上げや海外での売上拡大を実現することが不可欠です。併せて、海外事業や低収益事業の収益改善活動、事業統合効果の着実な刈り取りなどをとおして、コスト競争力の強化を加速していかなければいけないと考えています。

(1)社会ソリューション事業への注力世界の人口増加や都市化の進展などに伴って生じる社

会課題の解決を目指し、ICTの活用によって社会インフラの高度化を実現するソリューションの創出に努めました。具体的には、当社が強みを有するSDN、ビッグデータ、クラウドなどの領域で成長に向けた投資を加速するとともに、受注の獲得や実証実験への参画などの成果を積み上げました。

社会インフラ領域では、交通、水、通信、都市開発・工業団地、サイバーセキュリティなどに注力し、結果を着実に積み上げました。例えば、航空管制レーダや防災システムなどは、日本だけでなくアジアでの納入実績も出てきています。また、新たな取り組みとなる下水道関連では、新事業の創出を目指して国内の自治体と共同で実証実験を行いました。加えて、2016年に予定されているマイナンバー制度の運用開始を控え、当年度に複数の関連システムを受注しており、今後の案件の本格化を見据えてさらに取り組みを強化していきます。

TOMS(Telecom Operations and Manage-ment Solutions:通信運用管理ソリューション)では、高い製品競争力とグローバルなサービス提供体制を強みとして、着実に事業を拡大しました。同事業を手がけ

● JAXAの惑星分光観測衛星 「ひさき」(SPRINT-A)の打ち上げ 宇宙

● 日本海溝海底地震津波観測網の敷設工事を開始 海底

● シンガポールとフランスを結ぶ大型海底ケーブルプロジェクト 「SEA-ME-WE-5」契約を締結 海底

● 大規模プラント向け故障予兆監視システムを開発 重要施設 ● ブラジルのスタジアムICTシステムを構築 重要施設

● アルゼンチン サンタフェ州政府の映像監視システム受注 重要施設

● 千葉県の消防救急デジタル無線と共同消防指令システムを構築 消防署

● マイナンバー関連システムの受注 行政

● 陸上自衛隊向け「野外通信システム」納入 行政

● JR東日本 東京駅でSDNを活用した駅構内共通ネットワークを構築 企業

● 東京電力(株)向けのスマートメーターの 通信ユニット受注 エネルギー

● 蓄電池レンタルによる 家庭向けサービス開始 エネルギー

● エネル社に大容量リチウムイオン 蓄電システムを納入 エネルギー

● A123社の蓄電システム事業の買収 エネルギー

工場鉄道

空港

銀行企業

道路

電波塔

放送局 病院行政

宇宙

消防署小売店

エネルギー

通信

海底

ダム・水道

重要施設郵便局

物流基地

■ 「サイバーセキュリティ戦略室」設置

■ 「番号事業推進室」設置

■ TOMS9.0発表 通信 企業

■ 「NEC SDN Solutions」発表 通信 企業

■ HP社と企業向けネットワーク分野 SDN領域で協業 企業

強 化

09 NEC CorporationAnnual Report 2014

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社会課題 新たなビジネスモデル例/実証実験安全・安心な都市の実現 • シンガポールで安全・安心な街づくりのための実証実験「Singapore Safe City Test Bed」に

参加• アルゼンチン サンタフェ州政府から映像監視システムを受注(都市の治安向上)• 公共空間や大型施設における事件・事故のリスクを軽減する群衆行動解析技術を開発

効率的なエネルギー利用 • 異種混合学習技術を活用したエネルギー需要予測システム(ビルのエネルギー需要の予測)• 再生可能エネルギー普及に向けたリチウムイオン蓄電システムによる配電網の電力最適化

高信頼なインフラの実現 • 地方共同法人 日本下水道事業団と共同で専用調査ロボットなどを用いる管路マネジメント システムのフィールドテストを千葉県船橋市で実施

• インバリアント分析*技術を用いた大規模施設の故障予兆監視システム新興国における 都市インフラ構築

• 住友商事(株)、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)とミャンマー向け通信インフラ構築を受注(無償ODAの活用)

• 住友商事(株)、(株)東芝、(株)モリタとミャンマー向け空港・航空保安インフラ構築を受注(無償ODAの活用)

• ネパール民間航空公社から国際空港近代化プロジェクトを受注(無償ODAの活用)災害対応の強化 • フィリピンの地震や津波の監視体制強化、および国民に向けたリアルタイムな情報提供を実現し、

災害対策に役立てる広域防災システムを受注(日本政府の防災・災害復興支援無償資金協力)• インドネシアにあるASEAN防災人道支援調整センターの災害情報通信システム構築

プロジェクトへの参画(ASEAN加盟国の災害関連情報のスムーズな伝達・共有)

るネットクラッカー・テクノロジー社は、2012年5月の米国コンバージス社のBSS(事業支援システム)事業の買収以降、新規顧客を着実に拡大しており、2008年に50社程度であった顧客数が、足もとでは世界58ヵ国・250社以上となっています。当年度には、ネットクラッカー・テクノロジー社のOSS(運用支援システム)とBSSを統合した新ソリューションを製品化し、より短期間・低コストでのシステム構築・機能追加を実現しました。当社は、次年度のテレコムキャリア事業の売上成長の牽引役として同事業に期待しています。

SDNは、大きく企業・官公庁向け、データセンター事業者向け、通信事業者向けに分類できますが、当社はそれぞれで取り組みを進めました。企業・官公庁やデータセンター事業者向けでは、複雑な既存ネットワークを簡素化し、利便性を高めることを目的にSDNを適用する動きが増えています。当年度は、企業や病院、交通機関などに納入し、これまでの納入実績は累計で100社以上となりました。また、SDNの今後の普及に向け、同領域におけるオープンなエコシステム構築のための取り組みの一環として、米国HP社との協業も開始しました。通信事業者向けでは、ネットワーク運用管理の高度化/自動化を実現するSDN導入への関心が高まっており、2016年3月期頃と予想されている本格的な市場の立ち上がりに向けて、当社はスペインのテレフォニカ社などのグローバルキャリアとの共同実証を推進しました。

スマートエネルギーの領域では、本格的に立ち上がり

つつある電力会社向け蓄電システム市場におけるプレゼンスを向上させ、事業展開を加速させるため、電力会社や企業向けに蓄電システムを提供するA123エナジーソリューションズ(現NECエナジーソリューションズ社)を買収しました。世界トップクラスの納入実績やシステム構築ノウハウなどの強みを活用し、グローバル市場への本格展開をはかるとともに、蓄電システムと当社のICTとの融合による次世代エネルギーサービスの創出にも取り組んでいきます。

さらに、社会ソリューション事業を支える基盤となるシステムプラットフォームの領域では、クラウド時代の市場環境の変化に対応できる最適なサービス提供体制の構築を目指して、NECフィールディング(株)の完全子会社化を決定し、株式の公開買付けを実施しました。

(2)アジアへの注力、現地主導型ビジネスの推進グローバルでの取り組みについては、インフラ領域で

の実績拡大に加え、現地主導型ビジネスの創出を推進するための体制強化に努めました。

セーフティ事業のグローバル戦略拠点として2013年4月にシンガポールに設置したグローバルセーフティ事業部に加え、同年9月には、現地の研究機関や大学、お客さまとのコラボレーションによってセーフティ領域をはじめとした先端ソリューションの開発や実証を行う研究拠点としてNECラボラトリーズシンガポールを開設しました。

* インバリアント分析:大量に収集したデータの中から不変的な関係性を抽出・モデル化し、モデルと一致しない「いつもと違う」挙動から障害などの予兆を検知する技術

10NEC CorporationAnnual Report 2014

経営方針

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GSDとNLSを擁するNECアジア・パシフィック社は、シンガポールの内務省とシンガポール経済開発庁によるパブリックセーフティ分野の実証実験「Singapore Safe City Test Bed」の参加企業にも選定されており、同実証実験への積極参加をとおして現地主導型の事業創出を加速していきます。

当社が国内で培った経験・技術のグローバル展開という点でも成果がありました。国内で自治体向けに多くの納入実績がある、災害に強い通信インフラを利用した防災システムを台湾やフィリピンで受注したほか、ASEAN

(東南アジア諸国連合)諸国から航空管制レーダを受注するなど、アジアを中心としたインフラ強化の需要をとらえ、今後のグローバル成長に向けた手ごたえを得ることができました。このほか、当年度には、施設監視、鉄道の通信セキュリティシステム、サイバーセキュリティ、顔認証などの領域での受注も獲得しました。

(3)安定的な財務基盤の構築安定的な財務基盤の構築に向けて、社会ソリューショ

ン事業への機動的・戦略的な先行投資の実施と、不測の事態に対応できる財務余力の確保を目的として2013年5月にハイブリッド・ファイナンス(劣後特約付ローン)に

よる1,300億円の資金調達を行ったことに加え、コスト競争力強化やキャッシュ・フロー創出のための収益構造改善に向けて、さまざまな取り組みを行いました。

コスト競争力の強化については、ハードウェアの開発・生産を行う子会社4社の統合による生産体制の強化・効率化や、スタフサービス子会社4社の再編による人事・総務などの間接業務の効率化に向けた取り組みを開始しました。また、グローバルSCM(サプライチェーン・マネジメント)体制の拡充のため、物流ネットワークのグローバル最適化や、海外の地域統括会社と国内拠点が一体となったSCM活動体制の構築などにも取り組みました。このほか、インドなどのオフショア活用の拡大や、さらに、受注前のリスク分析、プロジェクト・マネジメント教育の徹底などにも取り組み、コスト競争力の強化を進めていきます。

キャッシュ・フローについては、運転資金の効率化を追求するため、全社を挙げてキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)圧縮活動に取り組みました。入金管理や債権管理の徹底、事業形態に合わせた支払条件の最適化などの改善活動を進めた結果、当年度のフリー・キャッシュ・フローは、玉川ルネッサンスシティ内の土地建物に設定された信託受益権の取得のために約600億

グローバル事業の主な取り組み

行政 中国重慶市とスマートシティ・クラウド分野で戦略的パートナーシップを締結

企業 中国・北京のホテルニューオータニ長富宮に基幹業務システムを一括納入

行政 中国重慶市とスマートシティ・クラウド分野で 戦略的パートナーシップを締結

企業 中国・北京のホテルニューオータニ長富宮に基幹業務システムを一括納入

空港 ネパール民間航空公社から国際空港 近代化プロジェクトを受注

行政 フィリピンの広域防災システムを受注

海底 インドネシア国内の光海底ケーブル受注

行政 台湾で防災救急情報クラウドシステムを受注銀行 台湾で勘定系システムの共同バックアップ

システムを構築空港 台湾民用航空局飛航服務総台から

航空管制レーダを受注

通信 ミャンマー向け通信インフラを構築 空港 ミャンマー向け空港・航空保安

インフラ構築を受注

銀行 ベトナム中央銀行のITインフラ構築プロジェクト 受注

小売店 タイで約7,500店のセブン–イレブンを運営する CPオール社から次期POS端末を受注

小売店 マレーシアでコンビニの新規展開を行うハラリンク社に本部・店舗システムを提供

■ マレーシアにRBSC設置強 化 ● シンガポールで安全・安心な 街づくりのための実証実験に参加

■ グローバルセーフティ事業部設置■ NECラボラトリーズシンガポール設立

強 化

11 NEC CorporationAnnual Report 2014

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円の支出があったものの、合計では552億円の収入と前年度に比べて改善しました。

成長戦略の実現に向けて

次年度は、「2015中期経営計画」の2年目として、非常に重要な意味を持っています。中期経営計画の達成に向けて、SDN、クラウド、ビッグデータなどの注力領域で1年目に用意した成長の基盤を活かし、最終年度の伸長につながる実績を示すことが求められる年となります。いくつかの領域では既に実績が出始めていますが、当社はこうした成長の兆しをより強く、確かなものとするための取り組みを加速していきます。

SDNについては、企業向け、データセンター事業者向け、通信事業者向けのそれぞれで、普及に向けた機運が高まってきています。当社はこの機運を逃すことなく着実に実績を積み重ね、市場成長期における優位なポジションの確保を狙って、先行的な取り組みを継続していきます。特に、通信事業者向けSDNの領域では、いち早く商用ベースの実績を獲得することが非常に大きな意味を持っており、当社は引き続き、早期の受注獲得に向けて注力していきます。

クラウドについては、各種サービスのクラウド対応を進めるとともに、神奈川データセンターを活用したクラウド基盤サービスの拡販にも注力していきます。

ビッグデータ関連では、当社が有する世界トップクラスのビッグデータ分析技術を活かした故障予兆監視やエネルギー需要予測、顔認証などのソリューション強化に努め、幅広くお客さまに展開することで、事業の本格的な立ち上げを目指していきます。

このほか、スマートエネルギーの領域では、当年度に受注したスマートメーターの通信ユニットの着実な展開を進めるとともに、本格的な普及期に向けて家庭用蓄電システムの拡大をはかります。加えて、電力会社向け大型蓄電システム事業のグローバル展開を本格化し、新しい領域の事業拡大に努めます。

こうした注力領域における事業育成に加えて、次年度は、グローバルでの拡大をより強く意識して事業を遂行します。航空管制用レーダシステムや防災システムなど、既に実績が出始めていますが、引き続きアジア市場

に注力し、社会インフラの高度化に対する需要に応えていきます。

さらに、現地主導型ビジネスの創出に向けた取り組みも加速していきます。当社は既に、シンガポールなどに現地主導型ビジネス創出の拠点を設置しましたが、次年度は、こうした拠点での取り組みを本格化し、まずは小売業向けやセーフティなどの領域を中心として現地ニーズに根差したソリューションを創出し、スピード感を持ってグローバルへの展開をはかっていきます。

当社は次年度に、SDNやクラウド、ビッグデータなどの領域に対し、当年度比でほぼ倍増となる150億円の戦略投資を計画しています。海外の通信事業者向けSDN案件受注を最優先課題として注力するほか、クラウドやビッグデータに関する新たなソリューション開発やセーフティソリューションの創出など、成長事業の育成に注力します。

最後に、繰り返しとなりますが、これまでに重ねてきた議論の中で、「社会ソリューション事業への集中」という、当社が進むべき方向は明確になりました。加えて、社会ソリューション事業へと舵を切る中で、当社の強みを活かせる事業領域も具体化しつつあります。次年度は、こうした領域での進捗・成果を示すことで、「2015中期経営計画」の実現性を、より高めていく年となります。

当社は、今後も引き続き、社会ソリューション事業への取り組みをとおして社会課題の解決に貢献し、社会価値創造型企業としてより広範なステークホルダーのみなさまから愛される企業を目指して事業に取り組んでいきます。引き続き、みなさまのご理解とご支援をよろしくお願いいたします。

12NEC CorporationAnnual Report 2014

経営方針

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パフォーマンスハイライト日本電気株式会社および連結子会社2010年、2011年、2012年、2013年および2014年3月31日に終了した各事業年度

財務指標百万円 百万米ドル

増減率 2014/20132010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2014年

年度:売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥3,583,148 ¥3,115,424 ¥3,036,836 ¥3,071,609 ¥3,043,114 $29,545 –0.9%海外売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 712,886 479,349 481,492 483,118 569,172 5,526 17.8海外売上高比率(%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 19.9 15.4 15.9 15.7 18.7営業利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 50,905 57,820 73,742 114,647 106,193 1,031 –7.4経常利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 49,429 41 42,050 92,024 69,152 671 –24.9当期純損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11,428 (12,518) (110,267) 30,434 33,742 328 10.9

営業活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 134,816 33,660 83,857 143,748 94,124 914 –34.5投資活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . (41,241) (146,244) (49,706) (101,742) (38,893) (378) –フリー・キャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 93,575 (112,584) 34,151 42,006 55,231 536 31.5

研究開発費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 275,970 176,514 161,968 151,676 142,723 1,386 –5.9設備投資額(有形固定資産) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 83,098 52,850 41,980 45,614 98,708 958 116.4減価償却費(有形固定資産) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 111,167 62,097 53,306 51,167 45,167 439 –11.7

1株当たり金額(円および米ドル):当期純損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5.04 (4.82) (42.44) 11.71 12.99 0.13 10.9潜在株式調整後当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4.91 – – – – – –配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4.00 0.00 0.00 4.00 4.00 0.04 0.0

年度末:総資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2,937,644 2,628,931 2,557,570 2,580,966 2,505,329 24,324 –2.9自己資本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 790,904 757,054 656,956 710,666 695,949 6,757 –2.1自己資本利益率(%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1.6 – – 4.5 4.8自己資本比率(%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 26.9 28.8 25.7 27.5 27.8有利子負債残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 729,548 675,798 692,734 603,451 575,151 5,584 –4.7D/Eレシオ(倍) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 0.92 0.89 1.05 0.85 0.83

連結子会社数(社) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 310 283 265 270 258

非財務指標 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年増減率

2014/2013

従業員数(人) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 142,358 115,840 109,102 102,375 100,914社外取締役比率(%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 33.3 33.3 38.5 45.5 45.5従業員サーベイ回答率(%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 79 82 82 84 82ITソリューション提供によるCO2排出削減貢献量(千トン) . . . . . . 1,900 2,120 2,310 2,980 2,290 –23.2製品のエネルギー効率改善(%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 44 53 66 64 75温室効果ガス排出量(千トン) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1,148 527 492 – –温室効果ガス排出量(千トン)Scope 1 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . – – – 76 60 –21.1

Scope 2 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . – – – 389 295 –24.2Scope 3 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . – – – 7,670 7,206 –6.0

注記: 1. 米ドル金額は、便宜上、1ドル=103円で計算しています。 2. 1株当たり当期純損益は、期中平均株式数に基づいて計算しています。 3. 自己資本は、「純資産合計」から「新株予約権」および「少数株主持分」を控除したものです。 4. D/Eレシオは、「有利子負債残高」を「自己資本」で除して計算したものです。 5.社外取締役比率の対象範囲は、日本電気株式会社です。 6.従業員サーベイ回答率の対象範囲は、日本電気株式会社および国内連結子会社です。 7.製品のエネルギー効率改善は、2006年3月期時点との比較です。 8. 温室効果ガス排出量は、2012年3月期までは、GHGプロトコルイニシアチブのScope1とScope2を足し合わせた量を掲載し、2013年3月期からは、

Scope1、2、3(58ページ注記を参照)に分けて掲載しています。

13 NEC CorporationAnnual Report 2014

Page 15: NEC(Japan) - アニュアル・レポート2014NEC Cororation 04 Annual Reort 2014 Ⅰ 経 営 方 針 NECが手がける社会ソリューション事業 海底 港 工場 鉄道

20,000

10,000

40,000

30,000

2010

19.9%

15.4%

18.7%

15.9%

2011 2012 2013

35,831

31,154 30,368

15.7%

30,716 30,431

20140

1,500

500

1,000 3.7%

1.4%

1.9%

2.4%

1,146

509

737

578

0 2010 2011 2012 2013 2014

1,062

3.5%

1.0%0.3%

–0.4%

–3.6%

304

114

2010 2011 2012 2013 2014

337

1.1%

–1,200

–600

0

600

–125

–1,103

3,000

6,000

9,000

2010 2011 2012 2013 20140

27.5%26.9%

28.8%

25.7%

7,107

7,9097,571

6,57027.8%

6,959

500

250

750

1,000

2010 2011 2012 2013 2014

831

529

420

0

1,500

1,000

500

0

1,348

–412

337

–1,462–2,000

–1,126

839

–497

342

1,437

–1,017

420

936

2010 2011 2012 2013 2014

552

–389

40

20

60

2010

33.3 33.3

38.5

45.545.5

2011 2012 2013 20140

1,000

2,000

3,000

2010 2011 2012 2013 20140

1,900

2,1202,310

2,980

財務指標百万円 百万米ドル

増減率 2014/20132010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2014年

年度:売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . ¥3,583,148 ¥3,115,424 ¥3,036,836 ¥3,071,609 ¥3,043,114 $29,545 –0.9%海外売上高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 712,886 479,349 481,492 483,118 569,172 5,526 17.8海外売上高比率(%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 19.9 15.4 15.9 15.7 18.7営業利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 50,905 57,820 73,742 114,647 106,193 1,031 –7.4経常利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 49,429 41 42,050 92,024 69,152 671 –24.9当期純損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 11,428 (12,518) (110,267) 30,434 33,742 328 10.9

営業活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 134,816 33,660 83,857 143,748 94,124 914 –34.5投資活動によるキャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . (41,241) (146,244) (49,706) (101,742) (38,893) (378) –フリー・キャッシュ・フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 93,575 (112,584) 34,151 42,006 55,231 536 31.5

研究開発費 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 275,970 176,514 161,968 151,676 142,723 1,386 –5.9設備投資額(有形固定資産) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 83,098 52,850 41,980 45,614 98,708 958 116.4減価償却費(有形固定資産) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 111,167 62,097 53,306 51,167 45,167 439 –11.7

1株当たり金額(円および米ドル):当期純損益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 5.04 (4.82) (42.44) 11.71 12.99 0.13 10.9潜在株式調整後当期純利益 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4.91 – – – – – –配当金 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 4.00 0.00 0.00 4.00 4.00 0.04 0.0

年度末:総資産 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2,937,644 2,628,931 2,557,570 2,580,966 2,505,329 24,324 –2.9自己資本 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 790,904 757,054 656,956 710,666 695,949 6,757 –2.1自己資本利益率(%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1.6 – – 4.5 4.8自己資本比率(%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 26.9 28.8 25.7 27.5 27.8有利子負債残高 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 729,548 675,798 692,734 603,451 575,151 5,584 –4.7D/Eレシオ(倍) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 0.92 0.89 1.05 0.85 0.83

連結子会社数(社) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 310 283 265 270 258

非財務指標 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年増減率

2014/2013

従業員数(人) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 142,358 115,840 109,102 102,375 100,914社外取締役比率(%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 33.3 33.3 38.5 45.5 45.5従業員サーベイ回答率(%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 79 82 82 84 82ITソリューション提供によるCO2排出削減貢献量(千トン) . . . . . . 1,900 2,120 2,310 2,980 2,290 –23.2製品のエネルギー効率改善(%) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 44 53 66 64 75温室効果ガス排出量(千トン) . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1,148 527 492 – –温室効果ガス排出量(千トン)Scope 1 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . – – – 76 60 –21.1

Scope 2 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . – – – 389 295 –24.2Scope 3 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . – – – 7,670 7,206 –6.0

注記: 1. 米ドル金額は、便宜上、1ドル=103円で計算しています。 2. 1株当たり当期純損益は、期中平均株式数に基づいて計算しています。 3. 自己資本は、「純資産合計」から「新株予約権」および「少数株主持分」を控除したものです。 4. D/Eレシオは、「有利子負債残高」を「自己資本」で除して計算したものです。 5.社外取締役比率の対象範囲は、日本電気株式会社です。 6.従業員サーベイ回答率の対象範囲は、日本電気株式会社および国内連結子会社です。 7.製品のエネルギー効率改善は、2006年3月期時点との比較です。 8. 温室効果ガス排出量は、2012年3月期までは、GHGプロトコルイニシアチブのScope1とScope2を足し合わせた量を掲載し、2013年3月期からは、

Scope1、2、3(58ページ注記を参照)に分けて掲載しています。

設備投資額

(億円)

営業キャッシュ・フロー、投資キャッシュ・ フロー、フリー・キャッシュ・フロー

(億円)

社外取締役比率

(%)

ITソリューション提供によるCO2排出削減貢献量

(千トン)

営業キャッシュ・フロー  投資キャッシュ・フロー フリー・キャッシュ・フロー

売上高 海外売上高比率

当期純損益 売上高当期純利益率

自己資本、自己資本比率

(億円)

自己資本 自己資本比率

営業利益 売上高営業利益率

売上高、海外売上高比率

(億円)

営業利益、売上高営業利益率

(億円)

当期純損益、売上高当期純利益率

(億円)

(年度末)

14NEC CorporationAnnual Report 2014

事業活動をとおした価値創造

Page 16: NEC(Japan) - アニュアル・レポート2014NEC Cororation 04 Annual Reort 2014 Ⅰ 経 営 方 針 NECが手がける社会ソリューション事業 海底 港 工場 鉄道

パブリック事業

エンタープライズ事業

テレコムキャリア事業

システムプラットフォーム事業

その他

主要事業一覧日本電気株式会社および連結子会社売上高、営業損益および売上高構成比は、2014年3月31日に終了した事業年度の実績です。

主要製品・サービス システム・インテグレーション(システム構築、コンサルティング)、

サポート(保守)、アウトソーシング/クラウドサービス、 システム機器

業種/業態別ソリューション例 官公: 税・社会保障システム、指紋認証システム、

航空管制システム、衛星通信・地球観測、 野外通信システム

主要製品・サービス システム・インテグレーション(システム構築、コンサルティング)、

サポート(保守)、アウトソーシング/クラウドサービス

主要製品・サービス ネットワークインフラ

光伝送システム、海洋システム、ルータ/スイッチ、 携帯電話基地局、 モバイルバックホール(パソリンク)

主要製品・サービス ハードウェア

サーバ、メインフレーム、スーパーコンピュータ、 ストレージ、企業向けパソコン、タブレット端末、POS、ATM、 制御機器、無線LANルータ、ディスプレイ、プロジェクタ

ソフトウェア 統合運用管理、アプリケーションサーバ、 セキュリティ、データベース

主要製品・サービス スマートエネルギー (電極・蓄電システム、エネルギー・マネジメント・システム、

EV・PHV充電インフラ、ユーティリティ向けソリューション)

携帯電話機

照明器具

売上高構成比

売上高構成比

売上高構成比

売上高構成比

売上高構成比

売上高 7,384億円営業利益 586億円主要顧客

官公、公共、医療、金融、メディア

売上高 2,723億円営業利益 65億円主要顧客

製造、流通・サービス

売上高 7,258億円営業利益 603億円主要顧客

通信事業者

売上高 7,808億円営業利益 307億円

売上高 5,259億円営業損益 △14億円

24.3%

23.8%

25.7%

17.3%

8.9%

15 NEC CorporationAnnual Report 2014

Page 17: NEC(Japan) - アニュアル・レポート2014NEC Cororation 04 Annual Reort 2014 Ⅰ 経 営 方 針 NECが手がける社会ソリューション事業 海底 港 工場 鉄道

公共  : 自治体システム、学校教育システム、郵便追跡システム、消防指令システム、消防デジタル無線、 防災システム、交通管制システム、鉄道ネットワークシステム、施設監視・エネルギー管理

医療  : 電子カルテシステム、地域医療連携システム

金融  :銀行勘定系システム、営業店システム

メディア: TV番組制作・報道・送出システム、 デジタルTV送信機

業種/業態別ソリューション例 製造     : グローバルSCMシステム、設計管理システ

ム、生産管理システム、販売管理システム

流通・サービス:小売本部・店舗システム、物流管理システム

サービス&マネジメント 通信運用管理ソリューション(TOMS)、 サービスソリューション

企業ネットワーク IPテレフォニーシステム、 WAN/無線アクセス装置、LAN製品

サービス データセンター基盤、サポート(保守)

主要な連結子会社NECエンジニアリング(株)NECファシリティーズ(株)NECネットワーク・センサ(株)NEC東芝スペースシステム(株)日本アビオニクス(株)

主要な連結子会社アビームコンサルティング(株)

主要な連結子会社NECネットワークプロダクツ(株)日本電気通信システム(株)NECネッツエスアイ(株)ネットクラッカー・テクノロジー社

主要な連結子会社NECプラットフォームズ(株)NECディスプレイソリューションズ(株)NECエンベデッドプロダクツ(株)NECフィールディング(株)

主要な連結子会社NECエナジーデバイス(株)NECエナジーソリューションズ社NECカシオモバイルコミュニケーションズ(株)NECライティング(株)NECネクサソリューションズ(株)

16NEC CorporationAnnual Report 2014

事業活動をとおした価値創造

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2014年3月期の業績と主な成果

6,8076,8076,495

2012 2013 20140

2,000

4,000

6,000

8,000 7,384

2012 20130

200

400

600

6.7%7.2%

490490

2014

7.9%

433

営業利益 売上高営業利益率

売上高

(億円)

営業利益、売上高営業利益率

(億円)

事業別レビュー

当年度のパブリック事業の売上高は、官公向け、公共向けが堅調に推移したことなどにより、前年度比で8.5%増加し、7,384億円となりました。

営業利益は、売上が増加したことなどにより、前年度比で96億円改善し、586億円となりました。

当年度は、官公向けでは、ソフトウェア制御によって1台の無線機で複数の周波数への対応を可能にするソフトウェア無線技術を用いた「野外通信システム」を陸上自衛隊向けに納入しました。2016年から日本国内での利用が開始されるマイナンバー制度に関しては、複数の案件を受注したほか、今後の本格的な調達の開始を見据え、2013年12月に新設した番号事業推進室を軸として取り組みを加速していきます。また、台湾の航空交通管理センターやネパールの民間航空公社から航空管制レーダを受注しました。

公共向けでは、千葉県に国内初となる全県下統一の消防救急デジタル無線システムと国内最大規模の共同

消防指令システムを納入するなど、消防救急無線のデジタル化に伴う更新需要を着実にとらえ、事業規模を拡大しました。加えて、国内での豊富な実績をベースに、フィリピンの広域防災システムや台湾の防災救急情報クラウドシステムなど、海外での受注も獲得しました。このほか、東日本旅客鉄道(株)向けに東京駅でSDNを活用した駅構内共通ネットワークを構築するなどの成果をあげました。

医療向けでは、電子カルテの更新需要の継続的な獲得を狙い、MegaOak電子カルテシリーズのラインナップを拡充しました。金融向けでは、国内の金融機関に営業支援システムや基幹業務システムなどを納めたほか、タブレット端末やスマートフォンなどを活用し、お客さまの業務効率化・高度化に貢献するソリューションを提供しました。メディア向けでは、今後の4K放送*1の開始を見据え、世界に先駆けて4K/60P高精細映像に対応したリアルタイム圧縮装置の販売を開始しました。

*1 4K放送:現行のフルハイビジョン放送に対し、縦・横それぞれ2倍の画素数に高精細化した次世代放送サービス。「4K/60P」は4Kの画像(3,840×2,160ピクセル)を毎秒60フレーム使用した映像を表す

国内外の政府、官公庁、自治体、公共機関、金融機関などに向け、ネットワーク技術やセンサ技術、分析技術などとシステムインテグレーション力により、安全・安心で効率的な社会ソリューションを提供しています。

野外通信システムの主な構成品広帯域多目的無線機 アクセスノード装置<携帯用> <車両用>

執行役員常務西村 知典

パブリック事業

17 NEC CorporationAnnual Report 2014

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今後の成長に向けて

• • マイナンバー制度の導入や国際イベント開催を

控えた国内投資の活性化• 新興国を中心とした都市インフラへの投資拡大

• • センサ、ネットワーク、ITなどの独自アセットを

フル活用した国内のお客さまへの積極的な提案• 公共モバイル無線、サイバーセキュリティ、イン

フラ劣化診断など、競争力のあるソリューションによる海外市場への参入

• 開発プロセスの標準化、オフショア活用の拡大などによるリソースの有効活用

• • 案件が増加する中でのリソース不足による

機会損失

機 会 当 社 の 対 応

脅 威

国内のICT市場は回復基調にあり、今後もマイナンバー制度の導入に伴う政府・自治体の投資増や、東京オリンピック・パラリンピックなどの国際イベント開催に向けた社会インフラ整備による市場の拡大が予想されており、国内事業を中心とする当社のパブリック事業にとっても追い風となります。加えて、事業の継続的な発展を実現するためには、グローバルにおける拡大が必須となるため、当社は、社会インフラ領域、中でも交通、水、通信、都市開発、サイバーセキュリティなどに重点を置き、国内の安定的な事業運営で得た経験・ノウハウの海外展開や、当社の独自技術を活用したグローバルで通用するソリューションの創出に努めています。

一方で、案件が増加する中で、リソース不足による機会損失の可能性がありますが、これに対して当社は、SIにおける開発プロセスの標準化やオフショア活用の拡大などによってリソースの有効活用を進めています。

交通に関しては、競争力のある航空管制レーダの海外展開をとおして得た顧客基盤に対し、顔認証技術を活用したセキュリティやフライトインフォメーションシステムなどを拡販することで、ICTで人や物、航空機の流れを最適化した空港トータルソリューションを提供していきます。また、当社が長年手がけている宇宙事業についても、人工衛星向けバス*2の標準化によって短納期化・低コスト化および信頼性の向上を進め、アジアをは

じめとしたグローバル展開をはかっていきます。水資源のマネジメントに関しては、英国インペリアル

大学とのスマートウォーターマネジメントの共同研究、スイスのグーターマン社との協業などを通じて、水需要予測や漏水検知などのソリューション開発を進めています。このほか、地方共同法人 日本下水道事業団とともに千葉県船橋市で行った下水道管路マネジメントシステムの実証実験なども活用し、水インフラの効率的な運用を実現していきます。

災害に強い通信インフラという観点では、当社のソフトウェア無線技術やアドホックネットワーク技術などを活用した高信頼ネットワークの構築や、それらを活用した防災システムの提供に注力していきます。

都市開発については、当社独自のインバリアント分析技術を活用した大規模施設の故障予兆監視システムの展開を加速していきます。当社は既に同システムを2014年6月に中国電力(株)に納入しており、今後は国内外の発電所、工場などのプラントへの拡販をはかります。

最後に、サイバーセキュリティに関しては、当社がシンガポールに設置したグローバルセーフティ事業部を中心に、シンガポールでのパブリックセーフティ分野の実証実験への参加などをとおして、現地主導型SI事業の拡大に取り組んでいきます。

当社は今後のグローバル成長に向けて、プロダクト中心の事業からICT領域のオペレーションの請負も含めたサービス中心の事業へと転換をはかっていきます。

*2 バス:人工衛星は構成上、通信や地球観測などを実行する「ミッション」部分と、姿勢制御や電源など、どの衛星でも共通する機能である「バス」部分に分けられる

下水道管路マネジメントシステムの実証実験で使用した調査ロボット

18NEC CorporationAnnual Report 2014

事業活動をとおした価値創造

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2014年3月期の業績と主な成果

2,516

2,222

2012 2013 20140

1,000

2,000

3,000 2,723

2012 20130

20

40

80

60

0.2%

2.2%

55

2014

2.4%

65

5

営業利益 売上高営業利益率

売上高

(億円)

営業利益、売上高営業利益率

(億円)

当年度のエンタープライズ事業の売上高は、流通・サービス業向けが堅調に推移したことにより、前年度比で8.2%増加し、2,723億円となりました。

営業利益は、売上が増加したことなどにより、前年度比で11億円改善し、65億円となりました。

当年度は、製造業向けには、ダイキン工業(株)のグローバル基幹システム向けIT基盤をプライベートクラウドサービスとして提供を開始したほか、当社の子会社のアビームコンサルティング(株)とともに、旭化成(株)の業務データをリアルタイムに分析・把握する情報活用基盤を構築するなどの成果をあげました。

流通・サービス業向けには、マレーシアでコンビニの新規展開を行うハラリンク社向けに本部・店舗システムを提供しました。店舗拡大などのサポートを、当社がマレーシアに設置した小売業向けソリューションの地域戦略立案・セールスサポートなどを行う組織である「リー

ジョナル・リテール・ビジネス・サポート・センター(RBSC)」が進めていきます。また、当社が国内外で培っ

た、チェーンストア経営に必要なノウハウをパッケージ化した「D

ディーシーエムスターCMStar/C

チ ェ ー ン ス ト アhainStore」の新ソリューション

を販売開始し、アジア・パシフィックを中心とした小売業向けに拡販を進めました。さらに、地域ごとのニーズを反映した製品展開を進める中で、北米でも、現地チェーンストア向けに特化したソリューションパッケージを販売開始しました。

このほか、タブレット端末を活用した低価格POSシステムをクラウドサービスとして提供する「NECモバイルPOSソリューション」を販売開始したことに加え、予約管理システムや電子レシートシステムとの連携などO2O

(Online to Offline)機能を強化して国内外の小売・サービス業向けに提供を開始しました。

SDNについては、東洋製罐グループホールディングス(株)から、同グループ各社のネットワーク統合プロジェクトの一環として、SDNを活用したネットワークシステムの構築を受注しました。

製造業、流通・サービス業を中心とする民需向けにITソリューションを提供し、新サービス立ち上げなど、お客さまにとっての新たな価値創造に貢献します。特に製造・物流・流通とつながるトータルなSCM事業については、今後の成長領域として国内外での展開を加速していきます。

執行役員常務木下 学

エンタープライズ事業

19 NEC CorporationAnnual Report 2014

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今後の成長に向けて

• • 国内企業の業績回復に伴うIT投資回復• コンビニ、物流など日本のビジネスモデルの

海外展開が進展

• • コンビニ店舗システムなど、強み・実績のある

ソリューションの国内外での展開を加速• 原価管理の強化によるコスト削減• ソフト子会社の再編、海外活用の拡大などによ

るリソース強化• ビッグデータ活用などの領域で当社独自技術

を活用したソリューションの創出

• • 国内における競争激化による収益圧迫

機 会 当 社 の 対 応

脅 威

RBSC・地域戦略立案・セールス/技術サポート・人材育成

・地域戦略立案・セールス/技術サポート・人材育成

APAC

国内ノウハウの輸出・現地化

IT LCMSERVICE

システム企画

運用・保守

開発(SI・HW)

導入・展開

グローバル他地域へ拡大

RBSCを拠点として現地主導でグローバルに展開

国内企業の業績回復に伴い、IT投資は回復傾向にあります。しかし、国内の民需向けIT市場は競合が多く、価格競争に陥りやすいという特徴があるため、いかに利益を確保していくかが課題となります。これに対して当社は、原価管理の強化によるコスト削減への継続的な取り組みに加え、ソフトウェア子会社の再編による効率化や海外リソース活用の拡大に取り組むことで収益性の改善をはかっています。加えて、国内のシステム構築で培ったアセットを活用して海外市場での売上拡大をはかるほか、ビッグデータ、クラウド、SDNなど、お客さまの関心が高い領域にリソースを集中することで競争力強化に努めていきます。

既存アセットを活用した海外展開については、当社が国内コンビニエンスストア向け事業で培った、POSや店舗端末などを活用したシステム構築・運用・保守のノウハウを総合的に提供できることを強みとして、RBSCを軸にコンビニエンスストアやドラッグストアなど海外の多店舗展開型小売業に拡販していきます。

また、グローバル物流のリアルタイム管理や物流現場の各種ソリューション間の連携・一元管理を実現する物流可視化ソリューションや、製造業向けERPソリューションなど、当社が強みを持つ領域のパッケージソリューション化・クラウド対応を進め、日本国内のお客さまのグローバル進出の支援に加え、アジア・パシフィックを中心とした現地のお客さまへの拡販を進めていきます。

ビッグデータに関しては、当社の先端技術を積極的に活用して独自ソリューションの創出に注力していきます。大量のデータからさまざまな規則性を自動的に発見するビッグデータ分析技術「異種混合学習技術」を活用して(株)大林組と共同で実証に取り組んでいるビルのエネルギー需要予測システムや、大量のデータからいつもと違う挙動を発見して故障を未然に防ぐインバリアント分析技術を活用した大規模プラントの故障予兆感知などのソリューション開発を進めていきます。このほか、テキスト含意技術や画像解析技術などについても、お客さまとの実証を進めながら、ソリューション化に向けた検討を進めていきます。

SDNとクラウドに関しては、これまでの当社の納入実績をベースに、お客さまの業態・ニーズに応じた最適な提案ができる体制の構築を進めており、今後、拡大が予想されるこの市場の事業機会を着実にとらえていきます。

LCM : Life Cycle Management

20NEC CorporationAnnual Report 2014

事業活動をとおした価値創造

Page 22: NEC(Japan) - アニュアル・レポート2014NEC Cororation 04 Annual Reort 2014 Ⅰ 経 営 方 針 NECが手がける社会ソリューション事業 海底 港 工場 鉄道

2014年3月期の業績と主な成果

7,0937,0936,593

2012 2013 20140

2,000

4,000

6,000

8,000 7,258

2012 20130

200

400

800

600

8.3%

10.1%

716716

2014

8.3%

603546

営業利益 売上高営業利益率

売上高

(億円)

営業利益、売上高営業利益率

(億円)

当年度のテレコムキャリア事業の売上高は、海外でTOMSやモバイルバックホールが増加したことなどにより、前年度比で2.3%増加し、7,258億円となりました。

営業利益は、SDNやTOMS関連の投資費用の増加に加え、前年度に知財関連の一過性の利益計上があったことなどにより、前年度比で112億円悪化し、603億円となりました。

国内では、前年度に高い水準であった、スマートフォン普及に伴うデータ・トラフィック増への対応は減少したものの、通信事業者のLTEサービスエリア拡大を受けた、基地局を中心とするネットワークインフラの事業機会を着実にとらえました。

海外では、海洋システムについては「Asia Pacific Cable Network 2」の増設プロジェクトを受注したほか、新規プロジェクト「SEA-ME-WE-5」についても契

約を締結しました。また、モバイルバックホールについては、チェコ最大の通信事業者であるティーモバイル社や、ロシア最大の携帯電話事業者モバイル・テレシステムズ社など各国の通信事業者に製品を提供しました。加えて、住友商事(株)、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)と共同でミャンマーにおける通信インフラを構築したほか、ロシアのスカルテル社には、マイクロセル用LTE小型無線基地局を納入しました。

TOMSについては、当社の子会社であるネットクラッカー・テクノロジー社が、同社のOSS(運用支援システム)と、2012年5月に買収を完了した米国コンバージス社のBSS(事業支援システム)事業のプラットフォームを統合し、より短期間・低コストでシステム構築や機能追加を実現する新ソリューション「TOMS9.0」として販売を開始しました。また、当年度には、OSS、BSSの一貫提供体制を強みとして、フランスのハブテレコム社やロシアのメガフォン社、ドイツのドイツテレコム社、米国のスプリント・ネクステル社など、多くのお客さまから受注を獲得しました。

SDNについては、2013年10月に汎用IAサーバの仮想化基盤上にネットワーク機能を実現した「仮想化モバイルコアネットワークソリューション(vEPC)」を世界で初めて発売し、前述のミャンマー向け通信インフラに導入しました。このほか、ネットワーク上の通信データを高度に制御する「Traffic Management Solution

(TMS)」の機能を強化し、SDNと連携した最適なネットワーク運用を可能にしました。

通信事業者向けにネットワークを構築するために必要な機器や、ネットワーク制御のための基盤システム、運用サービスなどを提供しています。これまでに培った大規模ネットワーク構築をはじめとする豊富な実績と 高い技術力を強みとして、信頼性の高い通信基盤の実現に貢献します。

執行役員常務手島 俊一郎

テレコムキャリア事業

21 NEC CorporationAnnual Report 2014

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今後の成長に向けて

• • 新興国を中心としたグローバル通信インフラ市場の拡大• 通信インフラの複雑化に伴う、設備投資・運用コスト削減

ニーズの高まり

• • TOMS、SDNなど、お客さまの設備

投資・運用コスト削減に貢献する ソリューションを軸としたグローバル展開

• 先進技術への迅速な対応による、 国内での優位性維持

• • 国内市場の成熟化とグローバルベンダの参入による

競争激化

機 会 当 社 の 対 応

脅 威

経営支援(人材管理、資産管理、財務分析、ほか)

BSS

OSS

顧客管理 パートナー/チャネル管理

エンドユーザデバイス管理

ITサービス管理

ポリシー管理

商品管理

サービス導入&運用監視

設備管理

課金管理

ネットワーク管理/監視

TOMS9.0(11ドメイン)

NetCracker Framework(J2EE)

通信事業者向けの事業を取り巻く環境として、グローバルでは今後も新興国を中心とした市場成長が見込まれており、ネットワークインフラに対するニーズは着実に増加すると予想されています。一方、国内については、市場の成熟化によりネットワークインフラに対する大きな投資増は見込まれておらず、ボーダーレス化に伴う競争激化も予想されています。これに対して当社は、先進技術をいち早く取り入れて国内での優位なポジションを堅持するとともに、お客さまの設備投資や運用コストの削減に貢献するTOMSやSDNを重点領域と位置づけてグローバルで事業拡大を目指していきます。

TOMSは、お客さまの運用コスト削減に直結するソリューションとして、今後も市場の伸長が見込まれています。ネットクラッカー・テクノロジー社はOSS/BSSを総合的に提供できるTOMSトップベンダの1社として、世界58ヵ国・約250社以上への納入実績を有していますが、今後さらなる事業拡大に向けて当社のグローバル拠点を活用した拡販などのシナジーを追求し、通

信事業者だけでなく、電力・物流などの事業会社に対しても拡販を進め、グローバル市場でトップクラスのシェアを目指していきます。

SDNは現在、通信事業者各社の間でも導入機運が高まりつつありますが、当社は当年度に引き続き、早期の受注獲得を目指してスペインのテレフォニカ社やポルトガルテレコム社をはじめとする国内外の先進キャリアと共同実証を進めています。本格的な市場拡大に先立っていち早く実績を重ねることで、市場成長期における優位なポジショニングを狙っていきます。

このほか、引き続き需要が見込まれるLTEの事業機会 を 着 実 にとらえるとともに、その 進 化 版 のLTE-Advancedにもいち早く対応していきます。加えて、モバイルバックホールの新規顧客の開拓、海洋システムの着実な展開や、海外で市場の立ち上がりが見込まれるLTEスモールセルソリューションなどの展開加速により、事業拡大をはかっていきます。

LTE基地局 設置イメージ(ミャンマー マンダレー市のサッカー場)TOMS9.0のサービスラインナップOSS/BSSのプラットフォームを統一し、さまざまなサービスを短期間・低コストで提供可能に

22NEC CorporationAnnual Report 2014

事業活動をとおした価値創造

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2014年3月期の業績と主な成果

7,4447,4447,110

0

2,000

4,000

6,000

8,000

2012 2013 2014 0

200

100

300

400

3.9%

2012 2013

327327

2014

307

138

1.9%

4.4%

No.1

No.1

営業利益 売上高営業利益率

売上高

(億円)

営業利益、売上高営業利益率

(億円)

当年度のシステムプラットフォーム事業の売上高は、ハードウェアが増加したことなどにより、前年度比で4.9%増加し、7,808億円となりました。

営業利益は、プロジェクトミックスの悪化などにより、前年度比で20億円悪化し、307億円となりました。

当年度は、ハードウェアの領域では、仮想化やビッグデータ活用などを想定して処理性能を向上したモデルや、サーバ統合による導入コスト削減、省電力化による運用コスト削減に貢献するモデルなど、当社のPCサーバ「Express5800」のラインナップを拡充しました。これらの 製 品 が 堅 調 に 推 移したことにより、

「Express5800」は18年連続で国内トップシェア*1を獲得しました。また、Windows® XPのサポート終了に伴ってパソコンの買い替え需要が活発化したことにより、企業向けパソコンの出荷も好調でした。

ソフトウェアの領域では、システム障害の監視や障害発生時のシステム稼働の継続を担保する高可用性

ソフトウェア「Cク ラ ス タ ー プ ロLUSTERPRO」(海外での販売名称は

「Eエ ク ス プ レ ス ク ラ ス タ ーXPRESSCLUSTER」)が、日本を含むアジア・パシ

フィックで4年連続のトップシェア*2を獲得したほか、クラウド基盤ソフトウェアの中核である「W

ウ ェ ブ サ ムebSAM」、

クラウドシステムの耐障害性・信頼性を向上させる「W

ウェブオーティーエックスebOTX」など、クラウド対応の製品強化に努めま

した。企業ネットワークの領域では、海外事業を中心に構

造改革を進め、収益性の改善に取り組みました。また、SDNについては、OpenFlow技術を活用した

「Uユ ニ バ ー ジ ュNIVERGE PFシリーズ」のラインナップ拡充を進め、

日本事務器(株)、(株)テレビ朝日など、実績を着実に積み重ねました。

サービスの領域については、クラウド基盤サービスやハウジングサービスの提供強化に向け、新たに「NEC神奈川データセンター」を開設しました。

端末からネットワーク機器、コンピュータ機器、ソフトウェア製品、サービス基盤まで、ビジネス向け製品と、これらをベースにしたソリューション・サービスを一括提供しています。これらの製品群とソリューション・サービスを有機的に融合したソリューション型プラットフォームにより、お客さまの業務の省力化・効率化を実現するとともに、ICTを活用した新たな価値を創出していきます。

CLUSTERPROがアジア・パシフィックで4年連続のトップシェアを獲得

執行役員常務庄司 信一

システムプラットフォーム事業

アジア(日本を含む)

国内23.8%

32.1%

23 NEC CorporationAnnual Report 2014

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今後の成長に向けて

• • クラウドの普及・拡大• ビッグデータ活用の広がり

• • 特定業種・用途向けに最適なシステム要素を

垂直統合し、クラウドと連携して付加価値を高めたソリューション型プラットフォーム製品への注力

• 継続的な原価低減・開発費効率化による価格競争力の維持

• • 汎用品市場における価格競争の激化

機 会 当 社 の 対 応

脅 威

システムプラットフォーム事業を取り巻く環境として、クラウド化やビッグデータ活用などの領域で今後の市場拡大が予想される一方で、汎用ハードウェア市場では価格競争の激化が見込まれています。これに対して当社は、各種ハードウェアの部材共通化やオフショア開発の活用、開発・生産子会社の統合などによって継続的な原価低減・開発費効率化を進め、価格競争力の維持に努めています。加えて、お客さまの投資意欲が旺盛であり、今後の成長が見込まれるクラウド基盤、ビッグデータなどの領域を中心に、特定業種・用途向けに最適なシステム要素を垂直統合して付加価値を高めたソリューション型プラットフォーム製品群「NEC Solution Platforms」のラインナップ拡充などをとおして、汎用品市場での競争から付加価値競争へと、事業モデルの変革を目指しています。

クラウド基盤については、2014年4月に本格稼働を開始した神奈川データセンターを活用したサービス提供を強化していきます。同データセンターを活用したハウジングサービスや、サーバやストレージなどのICT資源をサービスとして提供する「NEC Cloud IaaS」を積極的に展開することで、新たな事業基盤を確立していきます。また、同データセンターでの運用ノウハウを取り込むとともに、省電力・高集積サーバや最先端の冷却技術などを採用したサービス基盤として、「NEC Solution Platforms」の拡販にも注力します。

新市場として今後の拡大が見込まれるSDNについては、当社のITとネットワーク双方の豊富な実績を強みとして、引き続き、国内外の先進ユーザーへの導入を進めていきます。さらに、企業向けSDNの本格的な普及

を推進するため、ハードウェアベンダやアプリケーションベンダなどとの幅広い協業をとおして、オープンなエコシステムの構築に努めていきます。

このほか、事業体制の強化という観点では、2014年上期中に計画しているNECフィールディング(株)の完全子会社化により、クラウドサービス提供機能を強化するとともに、保守部材の一元化、コールセンターなどの集約などによる費用効率化を進めていきます。また、サーバ、企業向けネットワーク製品などの開発・生産を担うNECアクセステクニカ(株)、NECインフロンティア

(株)、NECインフロンティア東北(株)、NECコンピュータテクノ(株)の4社を統合したNECプラットフォームズ

(株)が2014年7月に発足し、各拠点の生産技術の融合や相互活用を進めることで、グローバル競争力のある製品の創出に取り組んでいきます。

*1 1996~2013暦年国内x86サーバー(出荷台数、出荷金額) 出典:IDC Japan Server Quarterly Model Analysis 2014Q1 IDCではベンダ出荷実績の差が1%未満の場合、タイ(同位)として扱う*2 出典:IDC Japan White Paper「市場成長とベストプラクティスに見るHA

ソリューションの新たな可能性~事業継続、クラウド、新興国での加速~」Sponsored by NEC(2013年11月)

(左) クラウドサービスを支える統合型システム 「NEC Solution Platforms」製品(ホスティングサービス基盤)

(右)2Wayモジュラーサーバ「Express5800/E 120e-M」

24NEC CorporationAnnual Report 2014

事業活動をとおした価値創造

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10GbpsLTE

LTE

LTEヤンゴン

マンダレー

ネピドー

30Gbps(100G ready)

ミャンマーの持続的成長に貢献する通信インフラ

ミャンマーでは、民主化プロセスの進展に伴い、国民生活の向上や経済のさらなる活性化を求める機運が高まっています。日本政府は、2012年4月にミャンマーに対する経済協力方針を変更し、同国の幅広い分野での改革を後押しするために、積極的な支援を実施しています。そうした流れの中でNECは、日本政府や独立行政法人 国際協力機構(JICA)と協力し、現地のさまざまなニーズに応えるべく提案活動を行ってきました。「ミャンマー通信網緊急改善プロジェクト」は、そうした取り組みの中で具体化したものです。

ミャンマーの通信事情

ミャンマーでは、電話普及率が携帯電話、固定電話合わせて10%程度で、インターネットの普及率も1%程度にとどまっています。こうした通信事情の改善に向けて、ミャンマー政府は2015年に電話普及率50%、2016年には80%を達成するという目標を掲げています。当時、2013年12月に同国で開催予定であった東南アジア競技大会や、2014年のASEAN議長国就任を控えた状況のもと、通信インフラの整備拡充は同国の国際的なプレゼンスを高めるために欠かせない条件となっていました。

政府開発援助によるプロジェクト

当社は住友商事(株)およびエヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ(株)とコンソーシアムを組み、2013年5月にミャンマーの通信情報技術省と「通信網緊急改善計画」に関する契約を締結し、同国の通信インフラ構築のための設備据え付け工事およびインターネット接続環境の改善を行う同プロジェクトをスタートさせました。

これは、2012年の日本政府によるミャンマーへの経済協力の再開以降では初めてとなる、政府開発援助

(ODA)を活用したインフラ構築案件です。

高度な通信インフラの構築により、 国民生活の向上と経済の活性化に貢献

光通信網の敷設場所

 

25 NEC CorporationAnnual Report 2014

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コンソーシアムの役割は、ミャンマー国内の通信インフラ設備を先進国並みに改善することでした。当社は、インフラの基軸部分として、ヤンゴン、ネピドー、マンダレーの3都市間を結ぶ既設の光ファイバー網を活用して伝送容量30Gbpsの高速・大容量の基幹光通信網を構築し、各都市内でLTE通信、固定電話、インターネット通信をそれぞれ10Gbpsで実現する市内光通信網を新たに敷設しました。

加えて、LTE通信システムの基地局を、3都市合計で50ヵ所に設置しました。また、本ODAの「通信網緊急改善計画」とは別に、東南アジア競技大会の会場周辺での通信の利便性をいっそう高めるために、当社は30ヵ所の基地局を無償で設置しました。

このほか、通信局舎内の設備として、仮想化モバイルコアネットワークソリューション(vEPC)*1や、光伝送装置DW7000*2など、最先端の通信機器を導入しました。機器の導入後は、現地の技術者に対するトレーニングを実施し、現地スタッフの手で保守・運用を行える体制づくりにも協力しました。

通信インフラ構築で多くの実績を有する当社の経験を活かしたことで、同国の通信事情は大きく改善しています。対象となった3都市とその周辺では、LTE通信 約4万加入者、固定電話 約150万加入者、インターネット通信 約100万加入者の同時利用が可能になりました。*1 vEPC(Virtualized Evolved Packet Core):LTEモバイルコアネットワーク装

置の機能を、コンパクトな汎用IAサーバーの仮想化基盤上で実現した、仮想化モバイルコアネットワーク製品

*2 DW7000:100ギガビットイーサネットに対応した光伝送装置

このプロジェクトは、契約の締結から納期までが約半年間という厳しいスケジュールで実施しました。しかし、政府機関とのさまざまな折衝や手続きを一つひとつ克服しながら、計画どおりにプロジェクトを完遂することができました。2013年12月に開催された東南アジア競技大会では、同コンソーシアムが構築した通信インフラが活用され、また、2014年5月から行われているネピドーでのASEAN会議でも問題なく稼働しています。

当社が通信局舎内の設備として導入したDW7000は、100ギガビットイーサネットに対応した最新の光伝送装置であるため、通信回線のさらなる高速化・大容量化に対応可能です。つまり、未来を先取りした設計になっており、ミャンマーの国民生活の向上や経済のさらなる活性化など、今後の持続的な発展への第一歩となるものです。

当社はこのプロジェクトに対して、一般財団法人 日本ITU協会から、第42回 日本ITU協会賞の「国際協力賞」を贈られました。

このほかにも当社は、同国の空港の安全な運用のためのプロジェクトとして、空港インフラの整備にも携わりました。

今後も、ICTソリューションを用いたさまざまな社会ソリューションの提供をとおして、ミャンマーをはじめとする新興国の社会インフラ整備に貢献していきます。

高速・大容量の基幹光通信網とLTE基地局に加え、最先端の通信機器を設置

未来を先取りした設計で、 持続的な成長を支援

第42回 日本ITU協会賞の「国際協力賞」を受賞

26NEC CorporationAnnual Report 2014

事業活動をとおした価値創造

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ICTの活用によるASEAN地域の災害対応力の向上

AHAセンターの災害支援機能を強化

2012年にインドネシアのジャカルタに設立された「ASEAN防災人道支援調整センター」(AHAセンター)

は、その前年のASEAN外相会議で日本が提唱した「ASEAN防災ネットワーク構想」に基づいたものです。

地震や津波、サイクロンなど自然災害の多発するASEAN地域において、AHAセンターは加盟10ヵ国の防災拠点として災害関連情報の共有や災害時の人道支援をスムーズかつ迅速に行うことが期待されています。

今回の「災害情報通信システムプロジェクト」は、同構想の第2フェーズとしてAHAセンターの機能強化を目的としたもので、日本から外務省、総務省などが連携して参加しています。

信頼性の高いプラットフォームを構築

このプロジェクトでNECは、災害情報通信システムのプラットフォーム構築に必要なサーバ(Express5800シリーズ)、ストレージ(iStorageシリーズ)、ネットワーク機器などのICT製品を納入し、そのシステムの保守サポートも担当しています。

信頼性の高さで定評のあるハードウェアやソフトウェア、そして当社のインドネシア現地法人による24時間365日のシステムサポートにより、昼夜を問わずに災害関連情報を共有し、万一の場合には、ASEANで備蓄している緊急物資や専門医の派遣といった人道支援を速やかに実施できる体制を構築しました。

現地に根差した事業展開で貢献

当社は、1960年代からインドネシアに深く根を下ろし、現在では現地法人で200人規模の現地スタッフが働いています。このプロジェクトでも、現地スタッフによる技術サポートに対してお客さまから高い評価をいただいています。その結果として保守契約期間が延長されることになり、きめ細かなニーズの掘り起こしがAHAセンターのさらなる機能充実に向けた設備機器の受注につながりました。センター内では、各国からの情報を表示する複数の大型モニタやデジタルサイネージなどの当社製品が活用されています。

2014年4月には、インドネシア政府が主催する国際防災演習「Mentawai Megathrust DiREx 2014」で、AHAセンターはインドネシア政府とASEAN加盟国間の連絡および支援に関する調整を行いました。ICTの活用による地域の災害対応力の強化がもたらす社会的な価値を、あらためて認識する機会となりました。

当社は、現地ニーズに基づいたビジネスで社会に貢献していく取り組みとして、引き続きこのプロジェクトを支援していきます。

プロジェクトを担当したNECインドネシア社の社員

AHAセンターASEAN加盟国間の災害情報共有の拠点

・緊急物資や専門医の派遣・災害情報の共有

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香港におけるバスの安全・安心運行を実現

香港バスの公共交通網としての課題

近年、経済発展の著しい香港では、これまで以上に観光客やビジネスマンの増加が見込まれています。

人口密度の高い香港では、公共交通網としてバスが重要な役割を果たしてきました。しかし、これまで香港の路線バスには、運行管理の仕組みがなく、バスの運行データが集積されていなかったために、スケジュールどおりに運行されているかどうか、ドライバーがどのような運転をしていたかなどを把握することができませんでした。また、次の停留所を知らせるアナウンスや車内表示がないため、特に観光客にとっては非常に利用しにくいものとなっていました。

香港の大手バス運営会社にFMSを 導入することで安全・安心運行を確保

そこで、NECが香港の大手バス運営会社シティバス社とニューワールドファーストバス社に提案したのが、運行ログデータの収集と自動アナウンスを核とする「フ リート マ ネ ジ メ ント シ ス テ ム(FMS:Fleet Management System)」です。

FMSはGPSを利用してバスの位置情報を取得するため、バスの運転状況が把握でき、定時運行できているか、どの路線のどこで遅延が多いか、などのデータを蓄積することができます。それにより、今後の運行計画や路線計画などの改善に役立てることができ、ドライバーへの教育にも活用できるようになります。

香港は、路地が狭く高い建物が多いので、GPSの精度を確保するのが難しく、運行中のバス位置の把握が困難でした。しかし、FMSでは、GPS信号が届きにくい場所でも、バスの走行距離計から情報を得ることで正確な現在位置を割り出し、常時これを把握することに成功しました。この結果、位置情報から次の停留所を判断して、車内アナウンスや停留所表示を自動で流すことができるようになったので、ドライバーは運転に集中できるようになりました。

現在両社は、保有台数の1割強にあたる180台のエアポートバスに、リアルタイムの運行状況把握と到着時間予測機能を導入しており、乗客はスマートフォンなどで次のバスの到着時刻を知ることができるようになりました。

このFMSの導入が高く評価されて、両社は、「Hong Kong ICT Awards 2013」にお い て「Best Public Service Application Grand Award」を 受 賞 しました。

今後の展開

現在、リアルタイムの運転状況把握は、エアポートバスだけでなく全車両への導入が検討されています。それにより、さらなる交通事故の減少と、エコドライブの徹底によるCO2排出量の削減も期待されています。

当社は今後とも、現地主導型ビジネスを拡大し、すべての人が安全・安心に生活できる社会に貢献していきます。

スマートフォンのアプリから、運行ルートやバスの到着予想時刻の検索が可能に

香港を走るシティバス社の車両 次の停留所を知らせるバス車内の表示版

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事業活動をとおした価値創造

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再生可能エネルギーの大量普及

太陽光発電所

大型蓄電池で電力系統の安定化を実現

風力発電所

変電所

配電網

イタリア カラブリア州キアラバッレ変電所に設置された 蓄電システム

蓄電システムで再生可能エネルギーの普及に貢献

人口増加や都市化の進展を背景に、今後の電力需要は大幅な増加が見込まれています。一方で、気候変動への対応という観点では化石燃料の使用削減や森林保全が求められており、これらを両立する解決策として再生可能エネルギーに注目が集まっています。

しかし、太陽光や風力などを利用する再生可能エネルギーは、日照や風量など天候による変動が大きいため、電力網に占める割合を高めれば高めるほど電力網は不安定になります。電力網の中では、常に電力の需要と供給のバランスが取れた状態を保ち続ける必要がありますが、変動の大きな発電手段の割合が相対的に高まると、需要と供給のギャップが大きくなり、その差異を埋めるためにより大きな電力調整力が必要となります。また、電力の需給バランスが崩れると電圧や周波数が不安定になり、停電や電気機器の破損などが起きるため、再生可能エネルギーの本格普及に対する障壁となっています。

蓄電システムは、こうした課題を解決し、電力網を安定化する有効な手段として、現在、グローバルでニーズが拡大しています。

NECは、こうした動向をふまえて当社のリチウムイオン電池技術を活用した大型蓄電システムの開発に取り組んでいます。2014年2月には、イタリア最大手の配電

事業会社であるエネル・ディストリビュゾーネ社に対し、大型リチウムイオン蓄電システム(出力2MW、容量2MWh)を納入しました。

このシステムは、太陽光、風力発電が大量に普及する南イタリアのカラブリア州キアラバッレ変電所に設置され、変電所配下の配電網における電力安定化制御の実証実験に使用されます。既に再生可能エネルギーの導入が進んでいる南イタリアで、蓄電システムの技術・経済効果を検証することを狙いとしています。

さらに当社は、こうした取り組みを加速するため、2014年5月に中国万向集団グループ・A123システムズ社の蓄電システム事業部門であるA123エナジーソリューションズを買収し、新会社NECエナジーソリューションズ社(本社:米国マサチューセッツ州)を設立しました。A123エナジーソリューションズは電力会社向け蓄電システムで世界トップクラスの納入実績を有しており、NECエナジーソリューションズ社は、A123エナジーソリューションズの納入実績やシステム構築ノウハウを取り込むことで、世界の主要な電力事業者に向けた蓄電システム事業を本格展開していきます。

こうした蓄電システムは将来的に、家庭・オフィス・工場などでのスマートメーターの利用や、ICTによる電力需要情報の双方向・リアルタイム活用などを実現するスマートグリッドインフラとの統合が見込まれています。

当社は今後、蓄電システムとクラウド基盤、ビッグデータ活用技術などのICTとを融合した次世代エネルギーサービスの創出に注力し、グローバルでの事業拡大をはかるとともに、再生可能エネルギーの普及や安定的な電力インフラの構築への貢献を通じた、エネルギーに関わる社会課題の解決に取り組んでいきます。

29 NEC CorporationAnnual Report 2014

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冷却など消費電力

IT機器消費電力

一般的なデータセンター 神奈川データセンター

PUE=2.0~2.5

PUE=1.26(設計値)1.0~1.51.0~1.5

1.0

0.26

1.0

省電力・高集積サーバ

相変化冷却技術に基づく 冷却装置

PUE値の比較

NEC東京第三データセンター

NEC千葉データセンター

NEC茨城データセンター

NEC西日本データセンター

NEC宮崎データセンター NEC東日本データセンターNEC川崎データセンターNEC東京データセンター

NEC神奈川データセンター

NEC横浜データセンター

NEC関西第二データセンター

NEC関西データセンター

NEC広島データセンター

(金融機関向け)

(金融機関向け)

データセンターの省エネ化でCO2排出量を削減

NECは、全国に59ヵ所のデータセンターを保有しており、お客さまのITシステムの安定的な運用に貢献しています。

その中でも最大規模となるのが、2014年1月に開設した「NEC神奈川データセンター」(以下、神奈川DC)です。顔認証システムやSDNなど当社の最新技術を採用し、高効率かつ安全・安心なサービスの提供を実現した神奈川DCを、当社の社会ソリューション事業の基盤を担うフラグシップデータセンターと位置づけています。

一般に、データセンターには大量のサーバが置かれており、サーバ自体の消費電力のほか、サーバ冷却のための空調などで膨大な電力を消費します。そのため、データセンターの省エネ化は、電気代などのコスト削減による事業の競争力向上だけでなく、CO2排出量の削減にも貢献する、非常に重要な要素となります。

神奈川DCは、最先端の技術を採用したデータセンターとして極めて高い省エネ性能を有しています。当センターから提供する新クラウド基盤サービス(NEC Cloud IaaS)のスタンダードモデル用に、当社が新たに開発した省電力・高集積サーバを採用しました。このサーバは従来のサーバと比較して、消費電力を約75%削減しています。

さらに、当社中央研究所で開発した「相変化冷却技術*1」を活用した冷却装置を搭載した専用ラックも採用し、従来の水冷方式と比較して1ラックの冷却に必要な空調消費電力を約30%削減しています。また、マシンルーム全体で天井を二重構造にして上から冷気を吹き降ろす新しい空調方式を採用し、床下から冷気を吹き上げる従来の冷却方式に比べて、空調に関わる消費電力を約20%削減しています。

このようなさまざまな取り組みによって、神奈川DCは、データセンターのエネルギー効率を表す指標

「PUE*2」を、業界でも高水準となる1.26(設計値)にまで下げることに成功しました。

当社は今後、お客さまへの神奈川DCのサービス提供に加え、神奈川DCの構築で培ったノウハウを活かしたデータセンターの構築支援も行うことで、ICTシステムの利用に伴って排出されるCO2の削減に貢献していきます。

*1 相変化冷却技術:液体が気化する際に熱を奪う原理により動力を不要とする 冷却技術

*2 PUE(Power Usage Effectiveness):データセンターの電力効率を示す指標として、「データセンター全体の消費電力÷データセンター内のICT機器の消費電力」で計算

NECのデータセンター(全国59ヵ所)

30NEC CorporationAnnual Report 2014

事業活動をとおした価値創造

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SDNによる駅構内共通ネットワークによって、構想した新サービスを素早く具現化できるように

JR東日本によるSDN活用イメージ

駅構内共通ネットワーク

さまざまな新サービスの迅速な提供が可能

無線LAN スマホ向けJR東日本アプリ

Suicaロッカー

駅員向け情報配信

IPカメラによる混雑状況検知

可搬型ディスプレイ

NEC UNIVERGE PF シリーズ

鉄道駅におけるお客さまサービスの向上に貢献

これまでの課題

駅構内にはさまざまなシステムが導入されていますが、システムポリシーや導入時期の違いにより、個別に最適化された複数のネットワークが構築されていました。また、大規模駅では改良工事が頻繁に行われており、しかも駅構内の工事は終電から始発までの3時間程度しか確保できません。こうした状況では、新たなサービスを提供しようとしても、必然的に工期が長くなり、迅速なサービス提供の妨げとなっていました。

こうした課題の解決のため、東日本旅客鉄道(株)(以下、JR東日本)は、サービス拡充に向けた基盤整備として同社東京駅への「駅構内共通ネットワーク(JR-STnet)」導入を計画しました。これは、構内に張り巡らされた多様なネットワークを統合・管理し、必要に応じて即座に追加・変更が行える環境を目指したものです。

世界で初めて鉄道業界でSDNを導入

従来のネットワークでは、構成する機器を個別に設定してデータの流れを決定・実行していたため、新たなサービスを提供するためにネットワークの設定を変更するには、大変なコストと時間が必要でした。

そこで、NECが提案したのがSDN技術を活用する方法です。SDN技術を活用すると、データ転送処理を行う機器をソフトウェアで動的に制御できるので、通信を柔軟に、効率よく行えるようになります。

こうしたSDNソリューションの導入によってネットワークの追加や変更が容易になり、運用コストの大幅削減ができるため、無線LANによる快適なスマートデバイス利用環境の提供や東京駅構内のロッカーのタイムリーな空き状況の把握など、新しいサービスの企画・立案がしやすく、柔軟で迅速なサービスが可能になりました。

さらなるサービス向上へ

JR東日本 東京駅では、この「駅構内共通ネットワーク」を活用して、さらなるサービス向上を目指しています。例えば、列車遅延などの情報を、駅利用者のスマートフォンやタブレット端末のアプリから確認できるようになったり、これらの端末をうまく使えない方には、駅員が持つ端末に情報が配信され、それを駅員が説明したりするなど、すべての人にとって今まで以上に利便性の高い駅となることを目指しています。

当社は今後、東京駅と同じような課題を抱えるインフラ領域への展開も視野に入れて、すべての人がデジタル社会の恩恵を享受できる社会の実現に向けて取り組みを加速していきます。

31 NEC CorporationAnnual Report 2014

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価値創造を支える経営基盤

* NEC Way:グループ企業理念、グループビジョン2017、グループバリュー、グループ企業行動憲章、グループ行動規範を含むNECグループの経営活動の仕組みを体系化したもの

NECは、社会価値と企業価値の双方を長期にわたって創出し続けるために、 経営活動の仕組みを体系化した「NEC Way*」に基づき、ステークホルダ ー の み なさまとの関係の構築 、人材育成 、環 境 保 全 、コンプライアンスの 徹 底など 、企 業 の 信 頼 性・健全性を高める活動をとおした経営基盤の強化に努めています。

ステークホルダーお客さま/株主・投資家/お取引先/地域社会/従業員…

NECグループバリュー

(価値観・行動原理)

NECグループ行動規範

(企業倫理・

コンプライアンス)

積極的な情報開示とフィードバック

コミュニケーションによる信頼の構築

NECグループ企業理念NECグループ企業行動憲章

「NEC Way」の実践をとおした社会とNECグループの持続可能な発展

NECグループビジョン2017

中期経営計画

年度方針

日常業務

地球環境

人と地球にやさしい情報社会

32NEC CorporationAnnual Report 2014

Ⅲ価値創造を支える経営基盤

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NECグループは、これからの100年、そしてその先も継続的に社会に貢献できる「社会価値創造型企業」への変革を目指しています。そのためには社会の動きや期待を敏感に感じることが必要であると考えています。

NECグループにとって、さまざまなステークホルダーのみなさまとのコミュニケーションは、社会の動きを肌で感じるとともに、社会の課題をともに解決するために欠かせない大切な取り組みです。

ステークホルダーエンゲージメント

国連グローバル・コンパクトは、3年に1度開催される「リーダーズ・サミット」に合わせ、持続可能な社会の発

展のための企業の活動促進と国際社会への提言のための「CEOサーベイ」を行っています。

2013年6月、社長である遠藤は、この「CEOサーベイ」に対応して、持続可能な社会の発展に事業を通じて貢献することへの想いや、NECの社会ソリューションの事例などを説明し、国連のイニシアチブへの貢献を明言しました。サーベイの結果は、同年9月に発行された「CEO Study on Sustainability 2013」に掲載され、同月開催されたリーダーズ・サミットで紹介されました。

また、国連グローバル・コンパクトのWebサイトでは、企業の価値創造に向けた新たな経営のモデルとなる

2014年5月、NECは、NGO/NPO、消費者団体、労働関係者のアライアンスである「CSRレビューフォーラム」(CRF)と対話を行いました。

これは、社会的責任の国際ガイダンス規格であるISO26000に基づき、それぞれの中核主題について、CRFと当社の各主管部門が対話を通じてその活動をレビューするもので、2011年以降、継続的に実施しています。

4年目となる今回は、経営企画担当の副社長である新野が参加し、中期経営方針に示された社会価値創造型企業への変革について、その背景にある考え方、現在の進捗状況などについて対話を行いました。CRFからの主なコメントは次のとおりです。

⿎直接のお客さまの向こうにある社会課題を見出し、その解決への道筋を明示することが重要

「ESG Value Driver Framework」の事例として、当社の中期経営計画の「社会ソリューション事業の拡大による長期的な成長と収益性の向上」が掲載されています。

当社は、これからも国連グローバル・コンパクトでの活動を通じて国際社会にメッセージを発信し、持続可能な社会の発展に貢献していきます。

⿎事業の成果を、損益だけでなく、社会課題をどれだけ解決したかでも示す必要がある ⿎社会価値創造には、新規事業創造だけでなく、既存事業を社会課題解決の観点で点検し、バリューチェーンを見直すことも必要

また、この対話を受け、後日行われた経営企画部門、IR部門とのレビューでは、社会価値創造型企業としての評価指標のあり方について議論を行いました。

国際社会へのメッセージ 〜国連グローバル・コンパクトのインタビューを通じて〜

社会価値創造型企業への変革に向けたNPO「CSRレビューフォーラム」との対話〜中期経営計画2年目に向けて〜

33 NEC CorporationAnnual Report 2014

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NECは、北京で2013年6月に開催された「第8回 中国CSR国際フォーラム」と、同年7月の「国連グローバル・コンパクト 第5回 日中韓ラウンドテーブル」に参加しました。

中国CSR国際フォーラムは、中国WTO経済導刊と中国・ドイツCSRプロジェクトの共催で、政府、企業、学界、CSR専門機関、NGOなどがグローバルなCSRの課題、取り組みなどについて議論しました。当社は、日本の公益社団法人 企業市民協議会(CBCC)を代表して、日本企業のCSRと自社の事例を紹介しました。また、

2014年2月に、NECの法務部門とトランスペアレンシー・インターナショナルUKおよびトランスペアレンシー・ジャパンは、腐敗防止の取り組みに関する対話を行い、当社の取り組み改善についての期待などを議論しました。当社は、今後も社会の期待に応えるべく、NGOとの対話を継続していきます。

2014年5月、「NEC田んぼ作りプロジェクト」のプログラムパートナーであり、霞ヶ浦流域の自然再生に取り組む認定NPO法人 アサザ基金と、NECグループ社員との対話を開催しました。

この対話には、アサザ基金の代表者とNECグループの事業部やコーポレート部門から計16名が参加し、「ITによる環境保全への貢献の可能性」をテーマに、同プロジェクトのネットワークセンサで収集した過去のデータ活用や、農業機械のロボット製作の構想など、活発な意見交換が行われました。

NEC中国社は、「エネルギー効率と持続可能な都市開発」のセッションで、当社のスマートシティの取り組み事例を発表しました。

日本、中国、韓国のグローバル・コンパクト・ローカル・ネットワークが集い、東アジアのCSR推進について議論する日中韓ラウンドテーブルでは、NEC中国社がパネルディスカッション「気候変動における企業の役割」において、当社の環境経営の考え方や省エネソリューション事例を紹介するとともに、日本、中国、韓国の代表との議論に参加しました。

アサザ基金とともに実施してきた同プロジェクトも開始から10年が経ちました。当社は、今後ともより多くの従業員とその家族の参加によって、このプロジェクトの活性化に力を入れ、生物多様性保全を含む環境保全に貢献していきます。

中国での国際会議への参加

腐敗防止に関するトランスペアレンシー・インターナショナルとの対話

「NEC田んぼ作りプロジェクト」のパートナーNPOと 環境保全への貢献についての対話を開催

国連グローバル・コンパクト第5回 日中韓ラウンドテーブル第8回 中国CSR国際フォーラム

34NEC CorporationAnnual Report 2014

Ⅲ価値創造を支える経営基盤

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NECは、従業員のための多様性に配慮した働きやすい職場づくり、グローバルに活躍できる人材育成、健康・安全管理などを推進しています。また、地域貢献活動などを通じ、従業員が社会との関わりについて考え、社会への感度を高める取り組みも進めています。

働きやすい職場づくりと人材育成

NECは2013年9月、厚生労働省が女性活躍推進を支援するWebサイトに、社長の「ポジティブアクション宣言」を掲載しました。内容は次のとおりです。「NECは、ダイバーシティ推進を経営戦略ととらえ、多様な人材がグローバルな事業で活躍するための企業経営を進めています。女性をはじめとする多様な人材の活躍が企業の持続的成長には不可欠であるととらえており、一人ひとりが自らの能力を最大限に発揮できるような企業づくりに取り組んでいきます。」

また、その実現のため、具体的に次のことを宣言しています。

⿎トップコミットメント強化および経営戦略としての明確な位置づけと取り組み推進 ⿎社内からの役員輩出を視野に入れた部長級以上の女性管理職についての計画的登用 ⿎次世代を担う中堅、若手クラスを対象としたキャリア開発、人的ネットワーク構築支援 ⿎管理職向けマネジメント研修をとおした意識啓発・相互理解の推進

この宣言に基づき、今後は管理職の中でもより意思決定層に近いポジションで活躍する女性を増やすにはどう

NECは、若手社員の基礎固めならびに即戦力化に向けて、全員が入社3年目終了時までに「NECグループバリュー」を体現できる人材になることを目標とする3FP

(3Years Fundamental Program)を当年度から導入しました。

3FPでは、自身の経験を振り返る年次ごとの節目研修(キーワード:広げる⇒高める⇒究める)や、現場から学

ぶ工場体験学習や営業実習、そこでの学びを自分の職

すれば良いか、または結婚や育児を経て「働き続ける」ことはできていても、その過程で出くわす障壁に対して有効な支援は何か、などミクロな観点で取り組むとともに、従業員全員が意識改革する機会を提供していきたいと考えています。

なお、2014年4月時点における当社在籍の女性管理職は397人(女性管理職比率:5.1%)であり、うち、部長級以上の女性は105人です。

場の課題解決に活かす「チャレンジ!問題解決プログラム」など、さまざまなメニューを用意しています。

また、職場全体で若手社員を育成する風土を醸成していくために、OJD(On the Job Development)期間

(各人に対し管理職クラスの監督+主任クラスのコーチという体制で指導)を3年間に延長すると同時に、上司(監督・コーチ)向けセミナーの開催や、育成に役立つメールマガジンの発行なども行っています。

女性の活躍の推進

「NECグループバリュー」を体現できる若手の組織的育成強化

35 NEC CorporationAnnual Report 2014

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NECの中央研究所は、2012年3月期の「NEC社会起業塾」の塾生であるNPO法人 クロスフィールズが行っている「留職プログラム」(企業で働く人材を途上国・新興国のNPO/NGOなどに一定期間派遣し、本業で培ったスキルを活かして、現地の人々と社会課題解決に挑むプログラム)を導入しています。

当年度は2名がインドに派遣され、現地の社会起業家とともに農村部の流通サービスの改善や、若者や障がい者の就労支援に取り組みました。派遣者は両名とも、

「ICTの力で新興国の社会課題を解決する」ことに挑戦す

NECグループでは、毎年、グループ会社従業員を対象とした意識調査アンケート「One NECサーベイ」を実施しています。当年度は、従業員一人ひとりのバリューの発揮およびモチベーションの状況と、中期経営計画の共有状況を把握するために2013年7~8月にかけて調査を実施し、対象者の82%にあたる51,473人から回答を得ました。

る中で、必要な視野視点、考え方や行動を体感しています。当社は、今後とも従業員の社会的感度の醸成に資する人材開発の取り組みを続けていきます。

サーベ イ の 結 果 は、「NECグ ループビ ジョン・バリュー」に基づいたグループ経営を行ううえでの課題抽出とアクションプランの立案・評価に活用するほか、グループ会社各社において、会社・職場・仕事などについての従業員の意識を総合的に把握し、人事施策および組織活性化施策の必要性や方向性を検討するための資料としています。

従業員が新興国で社会課題の解決に挑む「R&D Frontier Program」

従業員と会社のコミュニケーションをつなぐ「One NECサーベイ」

芝公園で花壇の手入れをする新入社員

個人商店でヒアリングを行う留職者

「第49回 東京都公園協会賞 奨励賞」 を受賞

NECでは2012年3月期から、公益財団法人 東京都公園協会およびNPO法人 Green Worksと協働で、NEC本社ビル近隣にある東京都立芝公園において、生物多様性ガーデンづくり「NECネイチャークエスト」を実施しています。従業員は、平日の昼休みなどを利用して、選択的除草や球根植えなどの生物多様性保全活動に取り組んでいます。

当年度は、当社の新入社員約350名が、研修の一環として芝公園の清掃活動や生物多様性保全活動に取り組みました。新入社員研修に、フィールドでの社会貢献活動が組み入れられたのは、今回が初めてです。

参加した新入社員からは、「非常に強い興味を持って取り組むことができた。本社周辺の自然や歴史を知ることができ、 もっと周辺に気を配って勤務したい」といった感想がありました。

なお、2014年5月には、従業員に近隣の「生物多様性保全」への理解を深める機会をつくっている点および、従業員とその家族に対しボランティアに参加する仕組みづくりをしている点が評価され、「NECネイチャークエスト」は東京都公園協会主催の「第49回 東京都公園協会賞 奨励賞」を受賞しました。

当社は、今後も従業員の環境への意識啓発と地域への貢献を目指し、「NECネイチャークエスト」を推進していきます。

新入社員の地域貢献意識を育むグループ新入社員向け「NECネイチャークエスト」

タブレットを用いた手軽な POSシステムを提案

36NEC CorporationAnnual Report 2014

Ⅲ価値創造を支える経営基盤

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NECは、お客さまにとっての価値を社会的な視点で考え、お客さまとともに社会の課題解決に貢献していきます。そのためには、何よりお客さまとの信頼関係が不可欠です。

ワークショップでアイデアを出し合う様子

お客さまとの信頼関係の構築

NECでは、お客さまと社会価値をともに創る(共創する)ため、お客さま自身の将来のありたい姿を「ビジョン」として描くことを目的としたワークショップを行っています。当社は、アルゼンチンの首都ブエノスアイレス近郊のティグレ市で、「ティグレ市ビジョン2030」を同市と共創しました。このビジョンは、2030年に同市が市民に提供する価値である「自然環境保護」「公共サービスの拡充」

「ソーシャルキャピタルの醸成」の具体的なあり方を描いたものです。ソーシャルキャピタルとは、社会・地域・コミュニティにおける人々の信頼関係や結びつきの価値を示す概念であり、同市の大きな財産の1つです。

このプロジェクトで、当社は「バックキャスティング」という考え方を取り入れたワークショップを実施しました。ワークショップでは、同市からの参加者と当社のプロジェクトチームが一体となって、目標とする同市のビジョ

NECが「NECグループビジョン2017」で掲げている「グローバルリーディングカンパニー」となるためには、

世界中のNECグループ社員に「ベタープロダクツ・ベターサービス」の精神を浸透させることが重要です。

当年度は、前年度に続き、より内容を具体化した海外現地法人向け教育を実施しました。

プログラムは、一般従業員向けと、CS向上活動推進者向けの2つのコンテンツで構成されています。

前者では、前年度に学んだ「お客さま満足を実現するためのポイント(Universal CS Mind)」をより身近なものとしてとらえるために、ケーススタディを通じて「お客さま」「営業」「システムエンジニア」「保守担当」の気持ちを考えながら、5つのポイントを学習します。

ンを明確化し、そのビジョンから現在を振り返って、目標を達成するための「アクションプラン」を作成しました。このようにして共創したビジョンとアクションプランを、

「ティグレ市ビジョン2030」というコンセプト・ブックにまとめました。

後者では、「CS向上計画(方針、目標)立案」「CSの見える化と課題の明確化」「課題への対策」「改善の実行」という流れでPDCAサイクルを回すためのノウハウやFAQをまとめ、社内SNSを使って教育を実施しました。

受講者からは「現実にフィットする内容だった」「日常、経験しがちなケーススタディが良かった」などの感想がありました。次年度もこれらの意見をふまえて、全従業員への教育を継続していきます。

魅力的な町を目指して 〜アルゼンチンの「ティグレ市ビジョン2030」プロジェクト〜

グローバルでのNECグループ全従業員へのCS(顧客満足)教育の実施

グローバルCSマインド醸成教育の資料

37 NEC CorporationAnnual Report 2014

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756万トン(前年度814万トン)

気候変動への対応と環境保全

低炭素社会の実現に向けた目標の1つとして、「ITソリューションの提供を通じたお客さま・社会からのCO₂排出削減貢献:2018年3月期1,500万トン、2031年3月期5,000万トン」を掲げています。当年度には新たに229万トンのCO₂排出削減に貢献しました。これで2011年3月期からの4年間の累積が970万トンとなり、目標達成に向けて着実に進捗しています。

また、もう1つの目標である「製品使用段階におけるCO₂ 排出削減に向けた製品のエネルギー効率の改善:2004年3月期比で、2018年3月期80%削減、2031年3月期90%削減」については、 当年度は75%(目標67%)を達成することができました。これは、NECエコシンボルスター制度*が社内に定着し、エネルギー効率の高い製品をこれまで以上に積極的に開発してきたことなどによります。

生態系・生物多様性保全への貢献では、「従業員の社会貢献活動を通じた生態系・生物多様性保全活動:2018年3月期目標12,000人参加」において、NECグループ8,417人が参加しました。また、NECグループの先進技術や製品を活かした「生物多様性保全貢献ソリューション」に、鳥獣侵入監視、海洋モニタリング、森林違法伐採監視など、新たに3つのソリューションを加えました(累計6ソリューション)。

資源循環・省資源の目標である「NECのバイオプラス

チック“Nニ ュ ー サ イ ク ル

eCycle®”の製品適用拡大」については、ガソリンスタンド用給油システムの内部部品への新規適用のほか、非食用原料のセルロース系バイオプラスチックの製造エネルギーを約90%削減する技術を開発しました。

Scope3対応の強化サプライチェーン全体でのCO₂削減に向けて2013

年3月期に開始したScope3対応については、当年度に一部サプライヤーから直接データを収集し、統計の精度を向上させました。当年度のNECグループとしてのサプライチェーン全体でのCO₂排出量では、カテゴリ15において関連会社への出資比率が変更になった影響で、全体量は減っています。次年度も引き続き、割合の大きいカテゴリ11と1の排出削減のために、上記の「NECグループ環境経営行動計画2017/2030」の一環として製品の省エネ化と、サプライヤーへの省エネ協力依頼を推進していきます。

なお、Scope3の集計は、GHG(温室効果ガス)プロトコルイニシアチブの「Scope3スタンダード」に基づいて行い、みずほ情報総研(株)による第三者レビューによって、透明性と信頼性を確保しています。

* NECエコシンボルスター制度:環境配慮において、NECならびに業界のトップランナーとなりうる基準を満足した製品・サービスに「エコシンボルスター」マークを付与する制度。ISOで定められた環境ラベルのうち、自己宣言型(タイプII)環境ラベルにあたる

「NECグループ環境経営行動計画2017/2030」の進捗

■■■ カテゴリ11 71%■■■ カテゴリ1 11%■■■ カテゴリ10 5%■■■ そのほかのカテゴリ 8%

Scope 3のカテゴリ(抜粋)カテゴリ 1:購入した物品・サービスカテゴリ 2:資本財カテゴリ 3:エネルギー関連活動カテゴリ 4:上流の輸送・流通カテゴリ 5:事業から発生した廃棄物カテゴリ 6:出張カテゴリ 7:通勤カテゴリ 9:下流の輸送・流通カテゴリ10:販売した製品の加工カテゴリ11:販売した製品の使用カテゴリ12:販売した製品の廃棄カテゴリ15:投資

サプライチェーンの上流・下流からの排出

自社の直接排出

電力利用などによる自社の間接排出

Scope 3

95%

Scope 1

1%

Scope 2

4%

当年度のNECグループ全体のサプライチェーンまで含めたCO2排出量

NECは、中長期の環境経営目標として、2010年に「NECグループ環境経営行動計画2017/2030」を策定し、 「低炭素」「生態系・生物多様性」「資源循環・省資源」の3つの視点から具体的な目標を掲げて取り組んでいます。

38NEC CorporationAnnual Report 2014

Ⅲ価値創造を支える経営基盤

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社会インフラの高度化に向けて、7つの研究領域に注力

NECは、複雑な社会課題を解決し、お客さまや社会に新たな価値を提供する革新的技術を継続的に創出することを目的として、知的財産・標準化戦略と密接に連携した研究開発活動を推進しています。

研究開発と知的財産戦略

当社は、「2015中期経営計画」で掲げた社会ソリューション事業の推進により、安全・安心・効率的・公平な社会の実現を目指しています。当社の研究開発活動では、社会ソリューション事業の軸となる既存事業向けの技術成果を創出するとともに、社会に対して新たな価値を提供しうる将来事業向けの技術成果の創出にも取り組み、当社の持続的な発展を支えています。

研究領域については、社会ソリューション事業を展開するうえで重要となるビッグデータ分析、SDN、セーフティ、スマートエネルギーといった事業領域への貢献に重点を置いた研究開発活動を加速しています。インバリアント分析や異種混合学習、テキストマイニングなどのビッグデータ分析技術に加え、ネットワーク仮想化技術、海底から宇宙までをカバーするセンシング技術など、当社の研究開発活動をとおして得た独自性・競争優位性のある技術アセットの強化に取り組むとともに、従来技術の延長線上にはない新たな技術の創出にも取り組んでいます。

当社はこれらの重点領域を中心として、お客さまとより密接に連携し、お客さまとともに価値創造を行う活動

を推進しています。その結果、当年度は、インバリアント分析技術を活用した大規模施設の故障予兆監視や異種混合学習技術を活用したビルのエネルギー需要予測、相変化冷却技術を活用したデータセンターの省エネ冷却など、お客さまとの共同実証も含めた事業化に近い領域で、多くの成果をあげることができました。

加えて、当年度は、当社のグローバル事業を加速するため、シンガポールに新たなグローバルソリューション研究の拠点「NECラボラトリーズシンガポール(NLS)」を開設しました。NLSは現在、現地の研究機関やお客さまと共同研究体制を組み、シンガポールでパブリックセーフティに関する実証実験に参画しています。ここでも、お客さまとの密接な連携を意識しながら現地ニーズに基づいた新たなソリューションを創出し、その成果のグローバル展開を目標に活動を進めていきます。

当社は、これらの活動をとおして、「2015中期経営計画」における社会ソリューション事業の拡大に貢献するとともに、その先にある「NECグループビジョン2017」に掲げた「人と地球にやさしい情報社会」の実現に向けた新たな価値の創造に取り組んでいきます。

主要な研究領域と研究開発戦略

ビッグ データ

見える化の対象増大

予知・予測

リアルタイムデータ分析基盤

データアナリティクス

データ収集

制御・最適化

ネットワーキング 個別最適 全体最適

セキュリティ 漏洩リスク対策 未知攻撃への防御

サービス構築 カスタマイズ最小化 グローバル展開容易化

エネルギー エネルギー利用効率化 個人/社会の利便へ転換

現在のソリューションに 貢献している技術的強み

今後のソリューションに向けて 創造する価値

エネルギー・気象

防災・セキュリティ

農 業

医 療

流通・物流

製 造

交 通

39 NEC CorporationAnnual Report 2014

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研究機関/企業/大学とコラボレーション

社内外の技術

お客さまと目指す社会課題解決

社会課題解決へアプローチ

社会課題解決へアプローチ

都市集中人口増加

水需要増加

食糧需要増加

温暖化

エネルギー需要増加

コア技術の創出

必要な技術の組み合わせ

お客さまとの価値創造

No.1/Only1技術 R&Dエコシステム構築

社会ニーズ・課題

コア技術創出、必要な技術の組み合わせに加え、お客さまとの価値創造を通じ、社会課題を解決

大規模プラント向け故障予兆監視システムインバリアント分析技術を活用した予兆監視システムを開発し、中国電力(株)において実証実験を実施SDNにより柔軟な広域ネットワークを実現する基本技術を確立広域ネットワークインフラの総合的なSDN化を目指す5社共同の研究開発プロジェクト「Open Innovation over Network Platform」にて、複数の広域ネットワークインフラを統合管理するプラットフォームや、その上で動作する汎用ネットワーク制御アプリケーションなどの基本技術を確立ビッグデータ向けに世界最速レベルのリアルタイム処理を実現するソフトウェア技術を開発独自の並列化技術の応用により、汎用メニーコアサーバで映像や音声など計算量の多い情報の高速処理を可能にするソフトウェア技術群衆全体の動きの変化から混雑環境での異変を検知する群衆行動解析技術防犯カメラなどで撮影された群集映像から、異変につながる「群集全体の動きの変化」を正確にとらえ、事件・事故の早期検知を可能にする技術データセンターの空調電力を最大50%削減する省エネ冷却技術を開発冷媒が液体から気体に変化する際に熱エネルギーが移動する性質を利用した「相変化冷却技術」により、ICT機器の排熱を効率よく取り除く技術(NEC神奈川データセンターに適用)

2014年3月期の主な研究開発成果

NECグループは国内外合わせて約6万8千件(うち国内約2万5千件)の特許を保有しています(2014年3月時点)。当社は知的財産を「NECグループの事業競争力・事業安定性を支える重要な経営資源」と位置づけ、知的財産力の強化をはかっています。具体的には

「2015中期経営計画」で目指す「海外売上高比率25%の早期実現」を見据えてグローバル特許網の構築に注力しており、特に、SDNやスマートエネルギーなどの領域については、グループ横断的な戦略的特許プロジェクトをグローバルに展開し、強い特許・活用される特許の取得

を進めています。また、当社は、標準化活動への参画が市場の創出・拡

大や製品・サービスの安定的な提供に貢献すると考え、標準化を活用したビジネスモデルの実現を推進するとともに、国内外の標準化団体に積極的に参加するなど、戦略的な標準化活動を行っています。このほか、知的財産に関する渉外活動として、知的財産を活用したビジネスリスクの低減、ビジネスチャンスの拡大などを実現するライセンス活動も積極的に推進しています。

知的財産戦略

40NEC CorporationAnnual Report 2014

Ⅲ価値創造を支える経営基盤

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企業価値の最大化をはかるためには、コーポレート・ガバナンスの強化が重要であると認識しており、 ①経営の透明性と健全性の確保、②スピードある意思決定と事業遂行の実現、③アカウンタビリティ(説明責任)の明確化および④迅速かつ適切で公平な情報開示を基本方針としてその実現に努めています。

経営・監督

業務執行

選任・解任 選任・解任選任・解任

会計監査人

監査

連携

経営監査本部内部監査に関する専門知識を 有するスタフなど(約50名)

経営会議執行役員 約20名

事業執行会議執行役員、事業部長など

(執行役員)

事業部門・スタフ部門・子会社内部監査

審議・報告

連携

監査

連携 監督

監査役会監査役5名

(うち3名は社外監査役)

指名・報酬委員会社外取締役3名を含む5名

取締役会取締役11名

会長社長

チーフオフィサー(4名)社外取締役(5名)

株主総会

当社は、監査役設置会社形態を採用し、その体制は下図のとおりです。現在、当社のコーポレート・ガバナンスは十分に機能していると考えていますが、経営環境の変化をふまえて、

最適なコーポレート・ガバナンス体制を構築すべく、継続的な改善をはかっていきます。http://jpn.nec.com/profile/governance.html

コーポレート・ガバナンス(2014年6月23日現在)

組織形態 監査役設置会社

取締役会の議長 会長

取締役人数 11 名(うち社外5名)

任期 1 年

監査役*1人数 5 名(うち社外3名)

任期 4 年

独立役員 社外取締役4名、社外監査役3名

取締役へのインセンティブ付与に関する 施策の実施状況 業績連動型報酬制度の導入*2

報酬等の額(2014年3月期)

取締役定額報酬 14 名 総額348百万円(うち社外7名 総額60百万円)*3、4

賞与 6 名 総額 72百万円

監査役 定額報酬 6 名 総額 95百万円(うち社外3名 総額36百万円)*3、4

*1 うち常勤監査役2名は、子会社の常勤監査役と相互に連携をはかり、NECグループ全体のガバナンス体制の整備に努めています。*2 取締役賞与は、NECグループの業績に連動させ、成果主義に基づくインセンティブとしての性格を明確化しています。なお、社外取締役に対しては、独立性を確保する

観点から賞与は支払っていません。*3 2013年6月24日開催の第175期定時株主総会終結の時をもって退任した取締役3名および監査役1名を含んでいます。*4 個別報酬の開示は行っていません。報酬の基本方針や体系などについては、事業報告、有価証券報告書およびコーポレート・ガバナンス報告書をご参照ください。

コーポレート・ガバナンス体制

41 NEC CorporationAnnual Report 2014

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20

10

30

40

1999 2000 2010 2011 2012(年)

1

1

5

36

1610 8 6

55

0

当社は、41ページの基本方針のもと、これまでに次の施策を実施してきました。

社外取締役および社外監査役に対しては、取締役会の開催に際して、資料の事前配付を行うとともに、特に重要な取締役会付議案件について事前説明を行っています。また、社外取締役へは、当社および当社子会社の事業場や展示会の見学など、さまざまな側面から取締役会の審議の充実につながるサポートを行っています。

取締役会のスリム化取締役全体の員数を削減し、社外取締役の比率を

高めることで、経営の透明性と健全性の確保に努めてきました。また、取締役会付議基準の見直しや2000年4月からの執行役員制度導入により、取締役会から執行側への権限委譲を進め、業務執行と監督の分離をはかり、業務執行のスピードアップに取り組んでいます。

指名・報酬委員会の設置役員の人事と報酬に関する透明性、妥当性および

客観性の確保を目的として設置しています。委員会は、社外取締役3名を含む5名の委員で構成されており、委員長は社外取締役から選任しています。

http://jpn.nec.com/profile/executives/committee2.html

チーフオフィサーの導入(2011年7月)NEC グ ル ー プビ ジョン2017 の 実 現 に 向 け 、

全社横断的な戦略を立案し、ビジネスユニットをリードして事業を推進することを目的として導入しました。チーフオフィサー には、社内取締役が就任し、取締役会において、全社横断的な観点から各ビジネスユニットの事業執行を監督する機能を果たしています。

社外役員の選任理由および活動状況

地位 氏名 選任の主な理由となった経験等2014年3月期の出席状況(回)

取締役会 監査役会

取締役

國 部   毅 銀行経営者としての豊富な経験と深い見識 10/12 —荻 田   伍 製造業の経営者としての豊富な経験と深い見識 10/12 —佐々木 かをり マーケティングに関する広範な知見と生活者の視点 10/12 —岡   素 之 総合商社経営者としての海外法人経営を含めた豊富な経験と

深い見識 9/10 —

野 路 國 夫 製造業の経営者としての豊富な経験と深い見識 10/10 —

監査役

伊 東   敏 長年にわたる公認会計士としての豊富な監査経験と財務および会計に関する専門的な見識 11/12 16/16

山 田 英 夫 経営戦略の専門家としての大学等における財務・会計に関する指導および研究経験 12/12 16/16

奥 宮 京 子 弁護士としての豊富な経験と深い見識 2014年6月就任國部氏、荻田氏、岡氏の3氏は、指名・報酬委員会の委員を務めています。

NECコンピュータテクノ(株)(現NECプラットフォームズ(株))の甲府事業所を見学する社外取締役

社内 社外 ※ 定時株主総会終結時点

コーポレート・ガバナンス強化への主な取り組み

社外取締役・社外監査役のサポート体制

執行役員制度導入

(名)取締役の員数の推移

42NEC CorporationAnnual Report 2014

Ⅲ価値創造を支える経営基盤

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NECは、社会に対して常に健全な経営を行う企業であり続けるために、リスクマネジメントの強化とコンプライアンスの徹底を、NECグループのみならずサプライチェーンへも展開・強化しています。

診断員による工場巡回

Inno Community Development Organisationの指導の様子

リスクマネジメントとコンプライアンス

当社は、会社法に定める会社の業務の適正を確保するための体制の整備に関する基本方針に基づき、内部統制システムを整備し運用しています。

内部統制システムの中で大きな柱となるのが、「コンプライアンス(法令を含めた社会からの要請への対応)」と「リスクマネジメント(リスクの洗い出しと評価、対策)」です。当社は、企業が社会に存在し、ステークホルダーの期待に応えていくために、これらは欠くことのできないものと考えています。

当社および国内関係会社を対象として、コンプライアンスに関するWeb研修を継続的に実施するとともに、

NECグループはこれまで、取引先に対して一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)のガイドラインに準拠した書面調査を実施してきました。

前年度は、この書面調査で明らかになった弱点である「人権」や「労働安全衛生」の領域に焦点をあて、取引先

のマネジメントを改善するための実地診断プログラム(CSR-PMRアセスメント)を開始しました。

当年度は、その基盤づくりとして、NEC中国社の調達担当者(9名)を北京、上海、深圳から集め、(1)CSR- PMRアセスメント教育、(2)取引先インタビュー技術研修、

(3)工場巡回ポイント教育から構成される診断員教育を実施しました。「CSR-PMRアセスメント教育」では、“Co-Capacity Building”の原則を理解させるとともに、技法的要素について討議しました。「取引先インタビュー技術研修」では、社外専門家として NGO の Inno Community Development Organisationを招聘し、ロールプレイを含めた実践的なインタビュー技法を教育しました。また、中国の文化

競争法対応・贈収賄防止に係る教育コンテンツの多言語化(日本語、英語、中国語、スペイン語、ポルトガル語)を通じて海外関係会社における教育・啓発活動を支援するなど、積極的にコンプライアンス活動を推進しました。

また、社内の統括ユニット・ビジネスユニット、およびコーポレートの計31部門に対して内部統制システムに係る整備・運用状況等を調査したうえで、当社として重点的に対策を講じるべきリスクを選定し、改善活動を実行・評価することにより、リスクマネジメントシステムが適切に運用されていることを確認しました。

や慣習を考慮する重要性について討論しました。「工場巡回ポイント教育」では、現地工場の協力を得て、

ピア・アセスメントを実施しました。ピア・アセスメントとは、同じ仲間である当社従業員が診断員となって、当該工場のアセスメントを行うもので、当該工場の従業員が行う内部監査よりも、やや第三者的視点が強くなるのがその特徴です。ピア・アセスメントを行った中国現地法人2社では、安全衛生上の軽微な問題が発見されましたが、CSR上の大きな問題はないことが確認できました。

次年度には、実地診断プログラムを、中国、タイ、インドの現地法人や生産委託先へも展開すべく準備中です。

内部統制システムとコンプライアンス、リスクマネジメント

サプライチェーンにおけるCSR実地診断拡大のための診断員教育

43 NEC CorporationAnnual Report 2014

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社外取締役・社外監査役メッセージ

NECの社外監査役を拝命して6年が経ちました。この間NECグループは、電機業界を取り巻く目まぐるしい環境変化に対応すべく、数年にわたり事業再編・構造改革を実行し、事業の選択と集中の方向性を明確にした結果、業績向上に関し成果が上がりつつあると実感しております。このような大きな変革を勇断を持って実行してきた経営陣に敬意を表しますとともに、コーポレート・ガバナンス体制が有効に機能してきたことを評価したいと思います。取締役会は、従前に比べスリム化され、社内6名、社外5名の理想的な構成となり、活発な議論が行われ、意思決定のスピードが速くなり、効率化がはかられております。監査役会は、従前から社内2名、社外3名の構成ですが、取締役会の牽制機能をはじめ、経営陣や社内外の取締役との意思疎通、内部監査部門と会計監査人との有効な連携、リーガル・コンプライアンス上の課題チェックなど、客観的に見てガバナンス機能を如何なく発揮しております。

NECグループの持続的な発展および、株主・ステークホールダーのみなさまへの信頼できる情報伝達の維持向上ために、引き続き監査役として貢献すべく努力してまいります。

社外監査役(独立役員)

伊東 敏

「ダイバーシティ」という言葉を頻繁に耳にするようになりましたが、この本質をとらえている組織はまだまだ日本には少ないかもしれません。日本社会では多くの企業が、同じ年代の、ある一定の大学卒業の男性によってさまざまな議論、評価、決定、実行がされています。このようなことに問題があるとすれば、価値観や発想が似てしまうために新しい商品やサービスを生み出せない、記者会見を含む広報広告活動で多様な消費者の心にメッセージが届けられない、グローバル市場で受け入れられないなどが考えられます。ダイバーシティとは「多様性」という意味。特に私が重要視しているのは「思考のダイバーシティ」です。1つのことを多様な視点で考えてみる力を、一人ひとりの社員も自ら育てる、そして、組織としても育てていくことが大切です。NECは、世界有数の最新技術を数多く持っています。そして、世界レベルの社員たちが多く働いています。だからこそ、議論の場で、また、決定の場で、多様な視点・価値観がテーブルに乗り、新しい視点を受け入れ、未来に向けてのびのびとした発想で、グローバル市場で貢献していくことを期待しています。

社外取締役(独立役員)

佐々木 かをり

ガバナンスの強化を通じて、NECグループの持続的な発展と信頼できる情報伝達の維持向上に期待

ダイバーシティこそが成長のキーワード

44NEC CorporationAnnual Report 2014

Ⅲ価値創造を支える経営基盤

Page 46: NEC(Japan) - アニュアル・レポート2014NEC Cororation 04 Annual Reort 2014 Ⅰ 経 営 方 針 NECが手がける社会ソリューション事業 海底 港 工場 鉄道

1981年 当社入社2006年 執行役員2009年 執行役員常務同 年 取締役執行役員常務2010年 代表取締役執行役員社長

1981年 当社入社2010年 財務部長2013年 理事2014年 監査役

1966年 当社入社1995年 取締役1999年 常務取締役2002年 取締役専務2004年 代表取締役副社長2005年 代表取締役執行役員副社長2006年 代表取締役執行役員社長2010年 代表取締役会長2012年 取締役会長

1976年 当社入社2003年 法務部長2006年 執行役員2010年 執行役員常務2013年 顧問同   年 監査役

1977年 当社入社2008年 執行役員2010年 執行役員常務2011年 取締役執行役員常務2012年 代表取締役執行役員副社長

【独立役員】*3

1970年 公認会計士登録1978年 アーサー・アンダーセン・アンド・

カンパニー パートナー1993年 朝日監査法人

(現有限責任 あずさ監査法人)代表社員2002年 中央大学会計専門大学院

(現中央大学専門職大学院) 国際会計研究科教授

2008年 当社監査役

2003年 (株)三井住友銀行執行役員2006年 同行常務執行役員2007年 (株)三井住友フィナンシャルグループ取締役2009年 (株)三井住友銀行取締役 兼 専務執行役員2011年 同行頭取 兼 最高執行役員同 年 当社取締役

1997年 アサヒビール(株)(現アサヒグループ ホールディングス(株))取締役

2000年 同社常務執行役員2002年 同社専務執行役員同 年 アサヒ飲料(株)執行役員副社長2003年 同社代表取締役社長2006年 アサヒビール(株)代表取締役社長2010年 同社代表取締役会長2012年 当社取締役2014年 アサヒグループホールディングス(株)相談役

1987年 (株)ユニカルインターナショナル代表 取締役社長

2000年 (株)イー・ウーマン代表取締役社長2012年 当社取締役

取締役

監査役

矢野 薫取締役会長

岡田 不二郎監査役(常勤)

遠藤 信博代表取締役執行役員社長

藤岡 哲哉監査役(常勤)

新野 隆代表取締役執行役員副社長CSO(チーフストラテジーオフィサー)兼 CIO(チーフインフォメーションオフィサー)

伊東 敏*2

監査役公認会計士

國部 毅*1

取締役株式会社三井住友銀行頭取 兼 最高執行役員

荻田 伍*1

取締役アサヒグループホールディングス株式会社相談役

【独立役員】*3

佐々木 かをり*1

取締役株式会社イー・ウーマン代表取締役社長

【独立役員】*3

取締役および監査役(2014年6月23日現在)

45 NEC CorporationAnnual Report 2014

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*1 会社法に定める社外取締役*2 会社法に定める社外監査役*3 当社が株式を上場している東京証券取引所に

届出ている独立役員

当社の取締役および監査役に関する詳しい内容は、下記ホームページをご参照ください。

取締役 :http://jpn.nec.com/profile/executives/directors.html

監査役 :http://jpn.nec.com/profile/executives/auditors.html

1973年 当社入社2004年 執行役員2008年 執行役員常務同 年 取締役執行役員常務2010年 取締役執行役員専務2012年 代表取締役執行役員副社長

【独立役員】*3

1978年 (株)三越入社1981年 (株)三菱総合研究所入社1997年 早稲田大学システム科学研究所教授2007年 同大学大学院商学研究科教授2011年 当社監査役

1994年 住友商事(株)取締役1998年 同社代表取締役常務2001年 同社代表取締役専務同 年 同社代表取締役社長2007年 同社代表取締役会長2012年 同社相談役2013年 当社取締役

1981年 当社入社2009年 経理部長2011年 取締役同 年 取締役執行役員

1997年 (株)小松製作所取締役2001年 同社常務取締役2003年 同社取締役 兼 専務執行役員2007年 同社代表取締役社長 兼 CEO2013年 同社代表取締役会長同 年 当社取締役

1978年 当社入社2010年 執行役員2011年 執行役員常務2013年 取締役執行役員常務

【独立役員】*3

1984年 弁護士登録2014年 当社監査役

安井 潤司代表取締役執行役員副社長CSCO(チーフサプライチェーンオフィサー)

山田 英夫*2

監査役早稲田大学大学院商学研究科教授

岡 素之*1

取締役住友商事株式会社相談役

【独立役員】*3

川島 勇取締役執行役員CFO(チーフフィナンシャルオフィサー)

野路 國夫*1

取締役株式会社小松製作所代表取締役会長

【独立役員】*3

清水 隆明取締役執行役員常務CMO(チーフマーケティングオフィサー)

奥宮 京子*2

監査役弁護士

46NEC CorporationAnnual Report 2014

Ⅲ価値創造を支える経営基盤

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事業執行体制(2014年7月1日現在)

当社は、執行役員社長、チーフオフィサー、ビジネスユニット担当執行役員を中心とする以下のメンバー間での定期的な情報共有やオープンな議論を通じて、経営スピードの向上や全社横断的視点での事業の推進をはかっています。

CSO 兼 CIO 執行役員副社長 新野 隆

「2015中期経営計画」初年度の2014年3月期(当年度)は、その実現のための準備フェーズとして、全社共通の成長ドライバ(SDN、ビッグデータ、クラウド、サイバーセキュリティ)育成や、社会ソリューション事業を軸としたポートフォリオの強化を実施しました。2015年3月期(次年度)は具体的成果を出していく実行フェーズに入ります。グローバルビジネス拡大の施策実行による成長と、グループ業務改革によるコスト削減に着手し、新たなNECグループの文化創造と浸透にチャレンジします。

CSCO 執行役員副社長 安井 潤司

「2015中期経営計画」の2年目に入り、社会ソリューション事業へのフォーカスによって、当社は継続的に利益を出せる構造となってきました。これをさらに強固なものとしていくために、安定的な財務基盤の構築に向け、さらなる改善を進めていきます。また、次の成長を目指して、グローバルで社会ソリューション事業の拡大を支えるサプライチェーンの整備を進めていきます。NECグループの力を1つにし、グローバルリーディングカンパニーを目指します。

SI・サービス&エンジニアリング統括ユニット担当執行役員常務 山元 正人社会ソリューション事業を推進するためには、時代の流れに即し、お客さまに満足していただける新たなソリューションをどんどん創出していくことが重要です。このために、NECグループの力を結集し、次を見据えた行動をするだけでなく、絶え間なく改善を続けていくことで、お客さまの満足度をさらに向上させていきます。

パブリックビジネスユニット担当執行役員常務 西村 知典今、NECに必要なことは、収益力の向上と事業成長の実現です。これらの実現には顧客価値と社会価値の向上が必須となりますが、我々一人ひとりがもっと周りをよく見ることでより多くの気付きを得て、価値の向上を実現していきます。当社が保有する多くの優れたアセットを組み合わせれば、顧客価値・社会価値は間違いなく拡大します。常に見て考え、実行するサイクルを回すこと、そしてそれをより早く回すことを心がけて、当社が提供する価値の最大化に努めていきます。

営業統括ユニット、エンタープライズビジネスユニット担当執行役員常務 木下 学当年度は「2015中期経営計画」の1年目として、民需向け事業の体質強化に努めてきました。モノが造られ、物流で運ばれ、小売で生活者に届けられるサプライチェーンは、人々の暮らしの一番近くにある社会インフラです。我々がインテグレーターとなり、NEC全社のアセットを活用して新たな価値を創造し、グローバルなお客さまの事業拡大に貢献していくことで、「人が生きる、豊かに生きる」社会を実現していきます。また、販売店様との連携も強化し、全国のお客さまにNECの持つ価値をお届けしていくことでさらなるCS向上につなげ、国内事業の持続的成長も実現します。

執行役員副社長 岡田 秀一7月から新しくチームの一員になりました。NECグループが目指す経営目標を達成するためには、「グローバル事業の推進」が不可欠です。世界の人々が求める安全な生活や、新興国の発展になくてはならない社会インフラの整備を、NECの情報通信技術の力で実現し、お客さまに喜んでいただけるサービスをお届けする。これを、各国のトップリーダーの理解を得ながら、スピード感をもって進めるために、全力を尽くします。

47 NEC CorporationAnnual Report 2014

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スマートエネルギービジネスユニット担当執行役員 國尾 武光

「2015中期経営計画」の実現に向けた1年目は、国内では家庭用蓄電システムの出荷数拡大やAMI*事業の受注獲得、またグローバルでは大手電力会社への系統用大型蓄電システムの納入や、世界トップクラスの納入実績を誇る系統用蓄電システム事業の買収など、戦略的な成長を遂げてきました。2年目となる次年度は、1年目に培った環境をベースにグローバル化をさらに加速させ、世界のエネルギー課題の解決と事業拡大に積極的に取り組んでいきます。

* AMI:スマートメーター用の通信ユニット

システムプラットフォームビジネスユニット担当執行役員常務 庄司 信一システムプラットフォームビジネスユニットは、社会ソリューション事業を推進する営業/システムエンジニア、ビジネスユニットを下支えする基盤事業体として「強いICTアセット」を提供し続けていきます。

「強いICTアセット」とは、グローバルなコスト競争力と高品質、他社が真似をできない付加価値によって実現されます。各コンポーネントの進化にこだわり、さらに、それらを統合したソリューション型プラットフォームで、クラウド、ビッグデータ時代をリードしていきます。

サプライチェーン統括ユニット担当執行役員 大嶽 充弘サプライチェーン統括ユニットは、個々の製品・サービスに対するサプライチェーンをNECグループ全体で最適化することをミッションとし、活動しています。サプライチェーン・マネジメント(SCM)は商品企画に始まり、開発、生産、調達、物流といった事業の流れをOne NECの視点で管理・改善することにありますが、究極の起点はお客さまであり、終点もお客さまです。つまり、全体最適のSCM改善とは、CS向上につながるバリューチェーンの整備なのです。こうした意識を常に持ち、CS志向のサプライチェーンの実現を目指します。

CMO ビジネスイノベーション統括ユニット担当執行役員常務 清水 隆明すべてのNECグループ社員が「Orchestrating a brighter world」という新しい事業メッセージに込めた想いを共有しています。我々の持つ能力や経験が、社会や企業に貢献できると信じています。社会のメガトレンドを洞察し、みなさまのお役に立ち続けられる企業とは何なのかを追求し、これからも未来に向けてイノベーションを起こし続けます。

人事・総務担当執行役員 牧原 晋

「2015中期経営計画」に必要なリソースを確保するとともに、従業員一人ひとりが主体的に貢献していけるように人材育成・活用に取り組みます。さらに、社会ソリューション事業をグローバルに拡大するために、また、少子高齢化によって日本の生産年齢人口の減少が見込まれている中で持続的な発展を遂げていくために、当社は多様な人材がいきいきと働ける場であることが求められており、その実現を目指します。

テレコムキャリアビジネスユニット担当執行役員常務 手島 俊一郎

「2015中期経営計画」の初年度を終え、当ビジネスユニットはTOMS事業の拡大、SDNにおけるグローバルキャリアへの参入など、目指す姿に向けて第一歩を踏み出しました。次年度は、IT・ネットワーク技術の集結により、TOMS、SDNを柱としてさらなる顧客価値の拡大をはかり、最優先課題であるグローバルでの成長を実現していきます。

CFO執行役員 川島 勇2013年4月に策定した「2015中期経営計画」は、スタートとなる初年度を予定どおり終えることができました。この計画を支える財務基盤は、利益の拡大とキャッシュ・コンバージョン・サイクル改善活動によるキャッシュ・フローの増加により、改善傾向にあります。2年目となる次年度は、当年度に実施したコスト競争力強化策やグローバル事業拡大施策の効果実現に加えて、2016年3月期をにらんだ注力領域での投資拡大により、「2015中期経営計画」の実現に向けて進んでいきたいと思います。

海外ビジネスユニット担当執行役員常務 森田 隆之

「2015中期経営計画」1年目の当年度は、社会ソリューション事業のグローバル化の一環としてシンガポールにグローバルセーフティ事業部(GSD)を設立するとともに、現地R&D機能の強化を目的として研究所を立ち上げました。GSDでは、NECの世界No.1の顔認証技術をベースとしたソリューション「N

ネ オ フ ェ ー スeoFace W

ワ ッ チatch」をリリース

し、世界各地で営業活動を開始しました。次年度は重要施設監視などさらなるメニュー拡充を計画しています。重要性が増す省庁間連携では、シンガポール政府の実証実験を受託し、6月に行われたWorld Cities Summitでその成果を発表し評価を得ました。

中央研究所担当執行役員 江村 克己高度な社会インフラを実現し、グローバルな社会課題の解決に寄与するのがNECの使命です。中央研究所は、認知科学、機械学習、相関解析といった深いサイエンスに根差した研究開発を進めることで、顔認証やビッグデータ分析など、多くの領域で世界No.1/Only1の技術を創り出しています。これらを梃子にお客さまと価値共創を行い実現したのが、大規模インフラ監視など幅広い展開が期待されるソリューションです。今後もマーケットトレンドと技術動向から社会の次なる進展を読み、真にグローバル競争力のある社会ソリューションを創出して、NECのサステイナブルな成長を支えます。

当社の執行役員に関する詳しい内容は、下記ホームページをご参照ください。http://jpn.nec.com/profile/executives/svp.html

48NEC CorporationAnnual Report 2014

Ⅲ価値創造を支える経営基盤

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海外事業執行体制(2014年6月23日現在)

当社は、アジアを中心としたグローバルでの売上成長を、「2015中期経営計画」における重要なテーマの1つとして掲げています。北米、中南米、EMEA(欧州、中東、アフリカ)、中華圏、APAC(アジア太平洋地域)の各地域ごとに特有のニーズをスピーディーに吸い上げ、現地主導型ビジネスの創出に注力していきます。

NEC Corporation of AmericaPresident&CEO 高橋 信介北米市場のお客さまは、より良いライフスタイルの実現に向け、新しい技術・テクノロジーを取り入れることに積極的です。NEC Corporation of Americaは、こうしたライフスタイル革新への感度を高め、ソーシャルメディアを活用したマーケティングやビッグデータを活用した予測・管理など、お客さまが高い関心を持つ領域で新たなトレンドを先取りした事業の創出に努め、NECのグローバルビジネスの成長を牽引していきます。

NEC Latin AmericaPresident&CEO 黒田 厚

「2015中期経営計画」初年度の2014年3月期には、ブラジルのサッカースタジアム向けICTシステムやコロンビアのデジタルシネマシステム、アルゼンチンの映像監視ソリューションやネットブックなど、ラテンアメリカ地域として複数の大型案件を獲得しました。中計2年目の2015年3月期は、主力のキャリア向け事業に加えて、戦略製品であるSDN(vCPE)/TOMSをはじめ、セーフティソリューション、教育シンクライアント、防災インフラ、地上デジタル送信機など当社のICT技術の強みを活かせる事業に注力し、売上拡大をはかっていきます。

NEC Asia PacificCEO 松木 俊哉アジアパシフィックは「2015中期経営計画」における重点地域であり、NECグループの海外事業拡大の推進役として、ASEAN10ヵ国とインドおよびオセアニア地域において、事業を展開しています。成長著しい当地域では、スピーディな事業展開が最も重要です。パブリックセーフティ、スマートエネルギー、SDN/TOMSに加えて、新たに設立したNECラボラトリーズシンガポールでのソリューション開発などをとおして「現地主導型ビジネス」の創出を積極的に推進していきます。

NEC(China)President 日下 清文急速に変化・発展している中華圏は、当社の「グローバル事業の拡大」を支える中核的なエリアとして成長が期待されています。それをふまえて、NECの持つ先端の技術をマーケットに惜しみなく投入し、お客さまの期待に応えていきます。特に現地での関心が高い

「セキュリティ」「ヘルスケア」という新しい領域での事業拡大を目指します。

NEC EuropePresident&CEO 飯塚 直樹EMEAでは成熟した中にもSDNなどの新たな技術トレンドを牽引する欧州市場と、社会インフラを中心にビジネスの伸長が期待できる中東・アフリカ・CISという新興市場の中で事業拡大をはかっています。SDN、パブリックセーフティ、スマートエネルギーなど当社が保持する社会ソリューションのアセットを最大限に活用して現地ニーズに根差したソリューションを創出し、お客さまに新たな価値を提供する会社としての地位を確立してグローバル事業拡大の一翼を担っていきます。

49 NEC CorporationAnnual Report 2014

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51 連結貸借対照表

53 連結損益計算書

54 連結包括利益計算書

55 連結株主資本等変動計算書

57(要約)連結キャッシュ・フロー計算書

注記:米ドル金額は、便宜上、1ドル=103円で計算しています。

目 次

財務セクション

50NEC CorporationAnnual Report 2014

コーポレート・データ

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連結貸借対照表日本電気株式会社および連結子会社2013年および2014年3月31日現在

単位:百万円 単位:千米ドル

2013年 2014年 2014年

(資産の部)流動資産現金および預金�������������������������������������� ¥ 174,295 ¥   192,668 $  1,870,563受取手形および売掛金��������������������������������� 834,052 842,308 8,177,748有価証券������������������������������������������� 24,666 16,291 158,165商品および製品�������������������������������������� 93,776 76,235 740,146仕掛品��������������������������������������������� 86,032 83,922 814,777原材料および貯蔵品����������������������������������� 62,831 54,238 526,582繰延税金資産���������������������������������������� 78,761 74,431 722,631その他��������������������������������������������� 164,055 167,626 1,627,437貸倒引当金����������������������������������������� (4,662) (4,810) (46,699)流動資産合計���������������������������������������� 1,513,806 1,502,909 14,591,350

固定資産有形固定資産建物および構築物����������������������������������� 124,283 175,570 1,704,563機械および装置������������������������������������ 25,586 17,878 173,573工具、器具および備品�������������������������������� 62,695 63,075 612,379土地��������������������������������������������� 66,502 63,585 617,330建設仮勘定���������������������������������������� 15,701 26,078 253,184有形固定資産合計����������������������������������� 294,767 346,186 3,361,029

無形固定資産のれん������������������������������������������� 93,895 76,203 739,835ソフトウェア��������������������������������������� 114,088 98,285 954,223その他������������������������������������������� 25,803 24,293 235,855無形固定資産合計����������������������������������� 233,786 198,781 1,929,913

投資その他の資産投資有価証券�������������������������������������� 138,139 147,170 1,428,835関係会社株式�������������������������������������� 92,668 78,293 760,126長期貸付金���������������������������������������� 44,019 40,123 389,544繰延税金資産�������������������������������������� 97,570 108,398 1,052,408退職給付に係る資産��������������������������������� – 10,404 101,010その他������������������������������������������� 187,065 88,604 860,232貸倒引当金���������������������������������������� (20,854) (15,539) (150,864)投資その他の資産合計������������������������������� 538,607 457,453 4,441,291

固定資産合計���������������������������������������� 1,067,160 1,002,420 9,732,233

資産合計��������������������������������������������� ¥2,580,966 ¥2,505,329 $24,323,583

51 NEC CorporationAnnual Report 2014

Page 53: NEC(Japan) - アニュアル・レポート2014NEC Cororation 04 Annual Reort 2014 Ⅰ 経 営 方 針 NECが手がける社会ソリューション事業 海底 港 工場 鉄道

単位:百万円 単位:千米ドル

2013年 2014年 2014年

(負債の部)流動負債支払手形および買掛金��������������������������������� ¥ 458,724 ¥   446,494 $  4,334,893短期借入金����������������������������������������� 26,590 32,415 314,709コマーシャル・ペーパー�������������������������������� 29,997 – –1年内返済予定の長期借入金���������������������������� 73,486 44,284 429,9421年内償還予定の社債��������������������������������� 70,000 20,000 194,175未払費用������������������������������������������� 169,221 152,792 1,483,418前受金��������������������������������������������� 122,154 128,601 1,248,553製品保証引当金�������������������������������������� 18,370 16,687 162,010役員賞与引当金�������������������������������������� 335 318 3,087工事契約等損失引当金��������������������������������� 17,955 11,342 110,117事業構造改善引当金����������������������������������� 3,993 7,359 71,447偶発損失引当金�������������������������������������� 1,217 12,506 121,417その他��������������������������������������������� 131,614 112,787 1,095,019流動負債合計���������������������������������������� 1,123,656 985,585 9,568,787

固定負債社債 ���������������������������������������������� 160,000 140,000 1,359,223長期借入金����������������������������������������� 237,028 333,534 3,238,194繰延税金負債���������������������������������������� 2,231 2,213 21,485製品保証引当金�������������������������������������� 3,049 4,197 40,748電子計算機買戻損失引当金 ����������������������������� 5,326 6,909 67,078事業構造改善引当金����������������������������������� 750 6,859 66,592偶発損失引当金�������������������������������������� 6,641 5,915 57,427退職給付引当金�������������������������������������� 178,868 – –退職給付に係る負債����������������������������������� – 220,457 2,140,359その他��������������������������������������������� 27,270 31,997 310,651固定負債合計���������������������������������������� 621,163 752,081 7,301,757

負債合計��������������������������������������������� 1,744,819 1,737,666 16,870,544(純資産の部)株主資本資本金��������������������������������������������� 397,199 397,199 3,856,301資本剰余金����������������������������������������� 148,405 148,402 1,440,796利益剰余金����������������������������������������� 157,771 182,570 1,772,524自己株式������������������������������������������� (2,946) (2,976) (28,893)株主資本合計���������������������������������������� 700,429 725,195 7,040,728

その他の包括利益累計額その他有価証券評価差額金����������������������������� 18,333 34,292 332,932繰延ヘッジ損益�������������������������������������� (1,076) (1,359) (13,194)為替換算調整勘定������������������������������������ (7,020) (1,521) (14,767)退職給付に係る調整累計額������������������������������ – (60,658) (588,913)その他の包括利益累計額合計���������������������������� 10,237 (29,246) (283,942)

少数株主持分 ����������������������������������������� 125,481 71,714 696,253純資産合計������������������������������������������� 836,147 767,663 7,453,039負債純資産合計���������������������������������������� ¥2,580,966 ¥2,505,329 $24,323,583

52NEC CorporationAnnual Report 2014

コーポレート・データ

Page 54: NEC(Japan) - アニュアル・レポート2014NEC Cororation 04 Annual Reort 2014 Ⅰ 経 営 方 針 NECが手がける社会ソリューション事業 海底 港 工場 鉄道

連結損益計算書日本電気株式会社および連結子会社2013年および2014年3月31日に終了した連結会計年度

単位:百万円 単位:千米ドル

2013年 2014年 2014年

売上高 ���������������������������������������������� ¥3,071,609 ¥3,043,114 $29,544,796売上原価��������������������������������������������� 2,142,243 2,128,457 20,664,631売上総利益������������������������������������������� 929,366 914,657 8,880,165販売費および一般管理費��������������������������������� 814,719 808,464 7,849,165営業利益��������������������������������������������� 114,647 106,193 1,031,000営業外収益受取利息������������������������������������������� 1,407 1,707 16,573受取配当金����������������������������������������� 3,840 4,544 44,116持分法による投資利益��������������������������������� 409 2,719 26,398助成金収入����������������������������������������� 535 2,165 21,020為替差益������������������������������������������� 446 593 5,757その他��������������������������������������������� 8,940 6,507 63,175営業外収益合計�������������������������������������� 15,577 18,235 177,039

営業外費用支払利息������������������������������������������� 5,979 10,036 97,437退職給付費用���������������������������������������� 11,631 11,325 109,952偶発損失引当金繰入額��������������������������������� 1,327 11,452 111,184その他��������������������������������������������� 19,263 22,463 218,087営業外費用合計�������������������������������������� 38,200 55,276 536,660

経常利益��������������������������������������������� 92,024 69,152 671,379特別利益関係会社株式売却益����������������������������������� 1,728 53,923 523,524投資有価証券売却益����������������������������������� 9,057 2,698 26,194持分変動利益���������������������������������������� 2,657 607 5,893段階取得に係る差益����������������������������������� – 454 4,408固定資産売却益�������������������������������������� 1,569 368 3,573事業譲渡益����������������������������������������� 120 291 2,825保険差益������������������������������������������� 1,625 – –新株予約権戻入益������������������������������������ 24 – –特別利益合計���������������������������������������� 16,780 58,341 566,417

特別損失事業構造改善費用������������������������������������ 5,538 25,304 245,670減損損失������������������������������������������� 21,949 15,934 154,699投資有価証券評価損����������������������������������� 804 1,738 16,874持分変動損失���������������������������������������� – 242 2,350移転費用������������������������������������������� – 215 2,087関係会社株式売却損����������������������������������� 880 64 621投資有価証券売却損����������������������������������� 2 23 223固定資産売却損�������������������������������������� – 12 117退職給付信託設定損����������������������������������� 5,898 – –関係会社貸倒引当金繰入額 ����������������������������� 3,818 – –固定資産除却損�������������������������������������� 636 – –特別損失合計���������������������������������������� 39,525 43,532 422,641

税金等調整前当期純利益��������������������������������� 69,279 83,961 815,155法人税、住民税および事業税������������������������������ 30,724 33,558 325,806法人税等調整額���������������������������������������� (198) 8,808 85,514法人税等合計 ����������������������������������������� 30,526 42,366 411,320少数株主損益調整前当期純利益���������������������������� 38,753 41,595 403,835少数株主利益 ����������������������������������������� 8,319 7,853 76,243当期純利益������������������������������������������� ¥ 30,434 ¥     33,742 $     327,592

53 NEC CorporationAnnual Report 2014

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連結包括利益計算書日本電気株式会社および連結子会社2013年および2014年3月31日に終了した連結会計年度

単位:百万円 単位:千米ドル

2013年 2014年 2014年

少数株主損益調整前当期純利益���������������������������� ¥38,753 ¥41,595 $403,835その他の包括利益その他有価証券評価差額金����������������������������� 2,096 15,858 153,961繰延ヘッジ損益�������������������������������������� (845) (253) (2,456)為替換算調整勘定������������������������������������ 16,724 4,450 43,204持分法適用会社に対する持分相当額����������������������� 5,690 1,239 12,029その他の包括利益合計��������������������������������� 23,665 21,294 206,738

包括利益��������������������������������������������� ¥62,418 ¥62,889 $610,573(内訳)親会社株主に係る包括利益������������������������������ 53,468 54,917 533,175少数株主に係る包括利益 ������������������������������� 8,950 7,972 77,398

54NEC CorporationAnnual Report 2014

コーポレート・データ

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連結株主資本等変動計算書日本電気株式会社および連結子会社2013年および2014年3月31日に終了した連結会計年度

単位:百万円株主資本 その他の包括利益累計額

新株予約権 少数株主持分 純資産合計

2013年 資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計その他有価証券評価差額金 繰延ヘッジ損益 為替換算調整勘定

退職給付に係る調整累計額

その他の包括利益累計額合計

当期首残高������������������� ¥397,199 ¥192,834 ¥ 82,659 ¥(2,939) ¥669,753 ¥16,273 ¥ (142) ¥(28,928) ¥           – ¥(12,797) ¥24 ¥120,634 ¥777,614当期変動額欠損填補������������������� (44,426) 44,426 – –当期純利益����������������� 30,434 30,434 30,434自己株式の取得�������������� (11) (11) (11)自己株式の処分�������������� (3) 4 1 1持分法の適用範囲の変動������� 252 252 252株主資本以外の項目の当期変動額(純額)�������������������� 2,060 (934) 21,908 – 23,034 (24) 4,847 27,857当期変動額合計�������������� – (44,429) 75,112 (7) 30,676 2,060 (934) 21,908 – 23,034 (24) 4,847 58,533

当期末残高������������������� ¥397,199 ¥148,405 ¥157,771 ¥(2,946) ¥700,429 ¥18,333 ¥(1,076) ¥ (7,020) ¥           – ¥10,237 ¥ – ¥125,481 ¥836,147

2014年

当期首残高������������������� ¥397,199 ¥148,405 ¥157,771 ¥(2,946) ¥700,429 ¥18,333 ¥(1,076) ¥  (7,020) ¥           – ¥ 10,237 ¥  – ¥125,481 ¥836,147当期変動額剰余金の配当���������������� (10,394) (10,394) (10,394)当期純利益����������������� 33,742 33,742 33,742自己株式の取得�������������� (35) (35) (35)自己株式の処分�������������� (2) 5 3 3持分法の適用範囲の変動������� 1,451 1,451 1,451株主資本以外の項目の当期変動額(純額)�������������������� 15,959 (283) 5,499 (60,658) (39,483) – (53,767) (93,250)当期変動額合計�������������� – (2) 24,799 (30) 24,766 15,959 (283) 5,499 (60,658) (39,483) – (53,767) (68,483)

当期末残高������������������� ¥397,199 ¥148,402 ¥182,570 ¥(2,976) ¥725,195 ¥34,292 ¥(1,359) ¥  (1,521) ¥(60,658) ¥(29,246) ¥  – ¥  71,714 ¥767,663

単位:千米ドル株主資本 その他の包括利益累計額

新株予約権 少数株主持分 純資産合計

2014年 資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計その他有価証券評価差額金 繰延ヘッジ損益 為替換算調整勘定

退職給付に係る調整累計額

その他の包括利益累計額合計

当期首残高������������������� $3,856,301 $1,440,815 $1,531,758 $(28,602) $6,800,272 $177,990 $(10,447) $(68,155) $             – $   99,388 $  – $1,218,262 $8,117,922当期変動額剰余金の配当���������������� (100,913) (100,913) (100,913)当期純利益����������������� 327,592 327,592 327,592自己株式の取得�������������� (340) (340) (340)自己株式の処分�������������� (19) 49 30 30持分法の適用範囲の変動������� 14,087 14,087 14,087株主資本以外の項目の当期変動額(純額)�������������������� 154,942 (2,747) 53,388 (588,913) (383,330) – (522,009) (905,339)当期変動額合計�������������� – (19) 240,766 (291) 240,456 154,942 (2,747) 53,388 (588,913) (383,330) – (522,009) (664,883)

当期末残高������������������� $3,856,301 $1,440,796 $1,772,524 $(28,893) $7,040,728 $332,932 $(13,194) $(14,767) $(588,913) $(283,942) $  – $   696,253 $7,453,039

55 NEC CorporationAnnual Report 2014

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単位:百万円株主資本 その他の包括利益累計額

新株予約権 少数株主持分 純資産合計

2013年 資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計その他有価証券評価差額金 繰延ヘッジ損益 為替換算調整勘定

退職給付に係る調整累計額

その他の包括利益累計額合計

当期首残高������������������� ¥397,199 ¥192,834 ¥ 82,659 ¥(2,939) ¥669,753 ¥16,273 ¥ (142) ¥(28,928) ¥           – ¥(12,797) ¥24 ¥120,634 ¥777,614当期変動額欠損填補������������������� (44,426) 44,426 – –当期純利益����������������� 30,434 30,434 30,434自己株式の取得�������������� (11) (11) (11)自己株式の処分�������������� (3) 4 1 1持分法の適用範囲の変動������� 252 252 252株主資本以外の項目の当期変動額(純額)�������������������� 2,060 (934) 21,908 – 23,034 (24) 4,847 27,857当期変動額合計�������������� – (44,429) 75,112 (7) 30,676 2,060 (934) 21,908 – 23,034 (24) 4,847 58,533

当期末残高������������������� ¥397,199 ¥148,405 ¥157,771 ¥(2,946) ¥700,429 ¥18,333 ¥(1,076) ¥ (7,020) ¥           – ¥10,237 ¥ – ¥125,481 ¥836,147

2014年

当期首残高������������������� ¥397,199 ¥148,405 ¥157,771 ¥(2,946) ¥700,429 ¥18,333 ¥(1,076) ¥  (7,020) ¥           – ¥ 10,237 ¥  – ¥125,481 ¥836,147当期変動額剰余金の配当���������������� (10,394) (10,394) (10,394)当期純利益����������������� 33,742 33,742 33,742自己株式の取得�������������� (35) (35) (35)自己株式の処分�������������� (2) 5 3 3持分法の適用範囲の変動������� 1,451 1,451 1,451株主資本以外の項目の当期変動額(純額)�������������������� 15,959 (283) 5,499 (60,658) (39,483) – (53,767) (93,250)当期変動額合計�������������� – (2) 24,799 (30) 24,766 15,959 (283) 5,499 (60,658) (39,483) – (53,767) (68,483)

当期末残高������������������� ¥397,199 ¥148,402 ¥182,570 ¥(2,976) ¥725,195 ¥34,292 ¥(1,359) ¥  (1,521) ¥(60,658) ¥(29,246) ¥  – ¥  71,714 ¥767,663

単位:千米ドル株主資本 その他の包括利益累計額

新株予約権 少数株主持分 純資産合計

2014年 資本金 資本剰余金 利益剰余金 自己株式 株主資本合計その他有価証券評価差額金 繰延ヘッジ損益 為替換算調整勘定

退職給付に係る調整累計額

その他の包括利益累計額合計

当期首残高������������������� $3,856,301 $1,440,815 $1,531,758 $(28,602) $6,800,272 $177,990 $(10,447) $(68,155) $             – $   99,388 $  – $1,218,262 $8,117,922当期変動額剰余金の配当���������������� (100,913) (100,913) (100,913)当期純利益����������������� 327,592 327,592 327,592自己株式の取得�������������� (340) (340) (340)自己株式の処分�������������� (19) 49 30 30持分法の適用範囲の変動������� 14,087 14,087 14,087株主資本以外の項目の当期変動額(純額)�������������������� 154,942 (2,747) 53,388 (588,913) (383,330) – (522,009) (905,339)当期変動額合計�������������� – (19) 240,766 (291) 240,456 154,942 (2,747) 53,388 (588,913) (383,330) – (522,009) (664,883)

当期末残高������������������� $3,856,301 $1,440,796 $1,772,524 $(28,893) $7,040,728 $332,932 $(13,194) $(14,767) $(588,913) $(283,942) $  – $   696,253 $7,453,039

56NEC CorporationAnnual Report 2014

コーポレート・データ

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(要約)連結キャッシュ・フロー計算書日本電気株式会社および連結子会社2013年および2014年3月31日に終了した連結会計年度

単位:百万円 単位:千米ドル

2013年 2014年 2014年

営業活動によるキャッシュ・フロー税金等調整前当期純利益������������������������������� ¥ 69,279 ¥  83,961 $   815,155減価償却費����������������������������������������� 83,612 76,977 747,349持分法による投資損失(利益)���������������������������� (409) (2,719) (26,398)持分変動損失(利益)����������������������������������� (2,657) (365) (3,544)売上債権の減少(増加)額������������������������������� (9,600) (22,680) (220,194)たな卸資産の減少(増加)額 ����������������������������� 5,496 24,327 236,184仕入債務の増加(減少)額������������������������������� (8,548) (4,034) (39,165)法人税等の支払額������������������������������������ (28,653) (30,828) (299,301)その他��������������������������������������������� 35,228 (30,515) (296,261)営業活動によるキャッシュ・フロー������������������������� 143,748 94,124 913,825

投資活動によるキャッシュ・フロー有形固定資産の取得および売却�������������������������� (40,804) (84,018) (815,708)無形固定資産の取得による支出�������������������������� (14,556) (12,327) (119,680)投資有価証券等の取得および売却������������������������ (31,032) 54,548 529,592その他��������������������������������������������� (15,350) 2,904 28,194投資活動によるキャッシュ・フロー������������������������� (101,742) (38,893) (377,602)

財務活動によるキャッシュ・フロー社債および借入金の純増加(減少)額����������������������� (94,829) (34,354) (333,535)配当金の支払額�������������������������������������� (4) (10,378) (100,757)その他��������������������������������������������� (3,974) (5,251) (50,980)財務活動によるキャッシュ・フロー������������������������� (98,807) (49,983) (485,272)

現金および現金同等物に係る換算差額����������������������� 6,200 4,257 41,330現金および現金同等物の増加(減少)額 ���������������������� (50,601) 9,505 92,281現金および現金同等物の期首残高�������������������������� 251,843 197,132 1,913,903連結の範囲の変更に伴う現金および現金同等物の増加(減少)額���� (4,110) – –現金および現金同等物の期末残高�������������������������� ¥197,132 ¥206,637 $2,006,184

57 NEC CorporationAnnual Report 2014

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非財務セクション日本電気株式会社および連結子会社2013年および2014年3月31日に終了した連結会計年度

2013年 2014年 単位

地域別従業員数 合計����������������������������������� 102,375 100,914 人日本 ���������������������������������������������� 81,061 79,504 人中華圏��������������������������������������������� 6,023 5,706 人APAC��������������������������������������������� 6,789 7,025 人EMEA��������������������������������������������� 3,595 3,507 人北米 ���������������������������������������������� 2,835 3,144 人中南米��������������������������������������������� 2,072 2,028 人社外取締役比率(1)�������������������������������������� 45�5 45.5 %従業員サーベイ回答率(2)��������������������������������� 84 82 %従業員労働災害(3)

度数率��������������������������������������������� 0�14 0.09強度率��������������������������������������������� 0�00 0.00

ITソリューション提供によるCO2排出削減貢献量��������������� 2,980 2,290 千トン製品のエネルギー効率改善(4)������������������������������ 64 75 %温室効果ガス排出量(5)

Scope1������������������������������������������� 76 60 千トンScope2������������������������������������������� 389 295 千トンScope3������������������������������������������� 7,670 7,206 千トン

エネルギー使用量電気 ���������������������������������������������� 710 669 百万kWhガス����������������������������������������������� 22 21 百万m3

燃料(重油・灯油)������������������������������������� 5�6 3.0 千kl水使用量��������������������������������������������� 2,950 2,645 千m3

産業廃棄物排出量��������������������������������������������� 73 23 千トン再資源化率����������������������������������������� 86�2 76.0 %

注記(1)対象範囲は、日本電気株式会社です。(2)対象範囲は、日本電気株式会社および国内連結子会社です。(3)対象範囲は、日本電気株式会社および国内連結子会社です。

度数率=労働災害による死傷者数÷延実労働時間数×1,000,000。強度率=労働損失日数÷延実労働時間数×1,000(4)2006年3月期時点との比較です。(5)温室効果ガスとは、CO2(二酸化炭素)、CH4(メタン)、N2O(一酸化二窒素)、HFCs(ハイドロフルオロカーボン類)、PFCs(パーフルオロカーボン類)、SF6(六フッ化硫黄)、

NF3(三フッ化窒素)を指します。以下のGHGプロトコルイニシアチブの分類に沿って算出しています。 Scope1:事業者が所有または管理する排出源から発生する温室効果ガスの直接排出 Scope2:電気、蒸気、熱の使用に伴う温室効果ガスの間接排出 Scope3:Scope2を除く、企業の上流・下流工程を網羅したその他の間接排出

58NEC CorporationAnnual Report 2014

コーポレート・データ

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所有者別状況(持株比率)(2014年3月31日現在)

外国人32�07%

政府・地方公共団体0�00%

その他の法人3�40%

個人その他34�75%

金融機関27�64%

証券会社2�14%

社  長 取締役会

ビジネスイノベーション統括ユニット

SI・サービス&エンジニアリング統括ユニット

サプライチェーン統括ユニット

営業統括ユニット

支社・支店

海外ビジネスユニット

RHQ(地域統括会社)

パブリックビジネスユニット

エンタープライズビジネスユニット

テレコムキャリアビジネスユニット

スマートエネルギービジネスユニット

システムプラットフォームビジネスユニット

中央研究所

コーポレート

会社概要

大株主(上位10名)(2014年3月31日現在)株主名 所有株式数

(千株)持株比率(%)

日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 142,685 5�49

日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) 125,109 4�81

NEC従業員持株会 53,840 2�07

日本生命保険相互会社 41,977 1�62

住友生命保険相互会社 41,000 1�58

日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口4) 34,405 1�32

ステート ストリート バンク ウェスト クライアント トリーティー 28,991 1�12

日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口6) 28,665 1�10

日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口5) 28,626 1�10

日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口1) 28,483 1�10(注1)持株比率は、自己株式(5,708,009株)を控除して計算しています。(注2)ブラックロック・ジャパン(株)が提出した2014年4月7日付大量保有報告書の写しが当社に送付され、共同保有者分と合わせて、2014年3月31日現在、

138,205,900株(株式保有割合5�31%)の当社株式を保有している旨の報告がありましたが、当社として実質所有株式数の確認ができていません。

株主数: 228,266名

会社名 日本電気株式会社 NEC Corporation

本 社 東京都港区芝五丁目7番1号

創 立 1899年(明治32年)7月17日

従業員数 連結 100,914人(2014年3月31日現在)

発行済株式の総数 2,604,732,635株(2014年3月31日現在)

上場証券取引所 東京

株主名簿管理人 東京都千代田区丸の内一丁目4番1号三井住友信託銀行株式会社

組織図

59 NEC CorporationAnnual Report 2014

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株主・投資家情報(IR)http://jpn.nec.com/irIR説明会などの資料、財務・業績情報、 株式・債権情報などを掲載し、内容の充実に努めています。

担当部門 経営企画本部 IR室

CSR(企業の社会的責任)への取り組みhttp://jpn.nec.com/csr/jaNECのCSRの考え方や、優先的に取り組む7つのテーマに 沿った活動の詳細を掲載し、内容の充実に努めています。

担当部門 コーポレートコミュニケーション部 CSR・社会貢献室

本アニュアル・レポートの内容は、NECのホームページからもご覧いただけます。NECのホームページhttp://jpn.nec.com

商 標• NECは、日本電気株式会社の日本およびその他の国における登録商標です。• その他すべての名称は、それぞれ各社が商標として使用している場合があります。

<将来予想に関する注意> 本アニュアル・レポートには日本電気株式会社および連結子会社(以下NECと総称します。)の戦略、財務目標、技術、製品、サービス、業績等に関する将来予想に関する記述が含まれています。将来予想は、NECが金融商品取引所や関東財務局長等の規制当局に提出する他の資料および株主向けの報告書その他の通知に記載されている場合があります。NECは、そのような開示を行う場合、将来予想に関するセーフハーバー(safe-harbor)ルールに準拠しています。これらの記述は、現在入手可能な仮定やデータ、方法に基づいていますが、そうした仮定やデータ、方法は必ずしも正しいとは限らず、NECは予想された結果を実現できない場合があります。また、これら将来予想に関する記述は、あくまでNECの分析や予想を記述したものであって、将来の業績を保証するものではありません。このため、これらの記述を過度に信頼することは控えるようお願いします。また、これらの記述はリスクや不確定な要因を含んでおり、さまざまな要因により実際の結果とは大きく異なりうることをあらかじめご了承願います。実際の結果に影響を与える要因には、(1)NECの事業領域を取り巻く国際経済・経済全般の情勢、(2)市場におけるNECの製品、サービスに対する需要変動や競争激化による価格下落圧力、(3)激しい競争にさらされた市場においてNECが引き続き顧客に受け入れられる製品、サービスを提供し続けていくことができる能力、(4)NECが中国等の海外市場において事業を拡大していく能力、(5)NECの事業活動に関する規制の変更や不透明さ、潜在的な法的責任、(6)市場環境の変化に応じてNECが経営構造を改革し、事業経営を適応させていく能力、(7)為替レート(特に米ドルと円との為替レート)の変動、(8)NECが保有する上場株式の減損をもたらす株価下落など、株式市場における好ましくない状況や動向、(9)NECに対する規制当局による措置や法的手続きによる影響等があります。将来予想に関する記述は、あくまでも公表日現在における予想です。新たなリスクや不確定要因は随時生じるものであり、その発生や影響を予測することは不可能であります。また、新たな情報、将来の事象その他にかかわらず、NECがこれら将来予想に関する記述を見直すとは限りません。 本アニュアル・レポートに含まれる経営目標は、予測や将来の業績に関する経営陣の現在の推定を表すものではなく、NECが事業戦略を遂行することにより経営陣が達成しようと努める目標を表すものです。 本アニュアル・レポートに含まれる記述は、有価証券の募集を構成するものではありません。いかなる国・地域においても、法律上証券の登録が必要となる場合は、有価証券の登録を行う場合または登録の免除を受ける場合を除き、有価証券の募集または売出しを行うことはできません。

60NEC CorporationAnnual Report 2014

Page 62: NEC(Japan) - アニュアル・レポート2014NEC Cororation 04 Annual Reort 2014 Ⅰ 経 営 方 針 NECが手がける社会ソリューション事業 海底 港 工場 鉄道

ISSN 1345-8655©NEC Corporation 2014

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