ltspice を用いた アナログ回路 i...

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[ 背景 ] LinearTechnology 社は SPICE 回路シミュレータ LTspice を無料配布している。このソフトは、自社 のデバイスの動作を確認するためのものである。同様の目的で、海外の各デバイスメーカーも回路シミ ュレータを無料配布している。多くの無料配布シミュレータの中で、 LTspice の利点は、ファイルサイズ が小さく、回路規模に制限がなく、シンプルなインターフェイスで使いやすいことである。 また、 PC の性能の向上とインターネットの普及によりシミュレーションソフトの情報の入手しやすさ などの環境が整い個人での回路シミュレーションが身近になった。この事実は、検索サイトにおいて、 LTspice で検索することで実感できる。 [ 目的 ] 電気通信大学・先進理工学科で実施している工学実験のアナログ回路 I の第1回目の内容を LTspice を用いて PC 上で再現する。また、実験を PC で再現することで、自宅にて準備実験や確認実験すること ができる。これにより、実験の内容と考察の理解を深める助けになる。 [ 内容 ] 内容は、3 個の章、参考文献と Appendix から構成される。 1) DC 特性 2) AC 特性 3) 交流・直流負荷直線の表示について 参考文献 Appendix1 電流源を用いた hie,hfe のグラフ Appendix2 オシロスコープを用いた負荷線の表示実験の再現 Appendix3 動作点の変化によるコレクタ電流(Ic)の波形の確認 Appendix4 設計抵抗値と標準抵抗値による動作点の変化について 回路定数について、1)2)では、実験回路の回路定数は実験書の値と同じ値とした。実験の回路と実験 手順など詳細は、実験指導書を参照してください。また、計算結果に対する詳細な考察は、読者に任せ ます。((注意))測定回路と方法については、2014 年度の実験方法を参考にしてください。 注意事項として、LTspice のインストール・使用方法などな文献を参照してください。 特に、2sc1815 spice モデルの Download と追加方法、基本的な Spice 命令、error-log ファイルから のグラフ表示方法の詳細は、文献を参照してください。 最後に、LTspice を公開している linear technology 社には、このような有用なソフトを無料で公開し ていることに感謝いたします。また、Web 上で LTspice を用いた回路の情報を公開しているサイトの皆 様にも感謝いたします。有難うございました。 LTspice を用いたアナログ回路 I の再現 第1回目の内容 坂本 克好 2015.05.15 電通大・先進理工 アナログ回路 I 参考資料

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[ 背景 ]

LinearTechnology 社は SPICE 回路シミュレータ LTspice を無料配布している。このソフトは、自社

のデバイスの動作を確認するためのものである。同様の目的で、海外の各デバイスメーカーも回路シミ

ュレータを無料配布している。多くの無料配布シミュレータの中で、LTspiceの利点は、ファイルサイズ

が小さく、回路規模に制限がなく、シンプルなインターフェイスで使いやすいことである。

また、PCの性能の向上とインターネットの普及によりシミュレーションソフトの情報の入手しやすさ

などの環境が整い個人での回路シミュレーションが身近になった。この事実は、検索サイトにおいて、

LTspiceで検索することで実感できる。

[ 目的 ]

電気通信大学・先進理工学科で実施している工学実験のアナログ回路 I の第1回目の内容を LTspice

を用いて PC上で再現する。また、実験を PCで再現することで、自宅にて準備実験や確認実験すること

ができる。これにより、実験の内容と考察の理解を深める助けになる。

[ 内容 ]

内容は、3個の章、参考文献と Appendixから構成される。

1) DC特性

2) AC特性

3) 交流・直流負荷直線の表示について

参考文献

Appendix1 電流源を用いた hie,hfeのグラフ

Appendix2 オシロスコープを用いた負荷線の表示実験の再現

Appendix3 動作点の変化によるコレクタ電流(Ic)の波形の確認

Appendix4 設計抵抗値と標準抵抗値による動作点の変化について

回路定数について、1)、2)では、実験回路の回路定数は実験書の値と同じ値とした。実験の回路と実験

手順など詳細は、実験指導書を参照してください。また、計算結果に対する詳細な考察は、読者に任せ

ます。((注意))測定回路と方法については、2014年度の実験方法を参考にしてください。

注意事項として、LTspiceのインストール・使用方法などな文献を参照してください。

特に、2sc1815 の spice モデルの Download と追加方法、基本的な Spice 命令、error-log ファイルから

のグラフ表示方法の詳細は、文献を参照してください。

最後に、LTspiceを公開している linear technology社には、このような有用なソフトを無料で公開し

ていることに感謝いたします。また、Web 上で LTspice を用いた回路の情報を公開しているサイトの皆

様にも感謝いたします。有難うございました。

LTspiceを用いたアナログ回路 Iの再現

第1回目の内容

坂本 克好

2015.05.15版

電通大・先進理工

アナログ回路 I 参考資料

Page 2: LTspice を用いた アナログ回路 I の再現ktys-skmt.sakura.ne.jp/.../uploads/2016/10/analog1_2016/1stweekLTspice.pdf · [目的] トランジスタのDC 特性の実験を、LTspice

[目的]

トランジスタの DC特性の実験を、LTspiceを用いて再現する。実験と同様に、測定する電圧を取得し、

spice命令で計算する。

[準備]

初めに、2sc1815の

Spiceモデル(ライブラリ)の

パラメータを Downloadする。

今回は、CQ出版社が公開している

ライブラリを引用した。

注意:Downloadサイトは、

検索してください。

[結果]

回路図を示す。IV特性は直流解析で

得られるが、過渡解析を実行します。

電源 V1が直流電源であり、

値を可変するために

変数{}で定義しています。

この電圧 VPを spice命令の

step を用いて List変化させることで、

電源電圧を可変しています。

抵抗 rbと rcは、パラメータ宣言して

値を設定しています。

各点での電圧を、measure命令で求めている。

Ibは、抵抗 RBの電位差を計算して、

rbで割ることで電流を計算する。同様に、icも

電位差を求めて、rcで割ることで計算している。

Fig1 実験と同じ回路の図

DC特性

Fig2a SPICE命令

Fig2b SPICE命令

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回路作成が終了後に解析を実行する。

何も表示されないウインドが開く。

回路図に戻り、メニューの Viewの

SPICE Error Logを選択する。

SPICE Error Logファイルが開く。

このファイルにおいて、右クリックして

メニューを開く。このメニューの

“Plot .step’ed .meas data”を選択すると

グラフが表示される。

横軸が、ans2であり、縦軸が ibである。

つぎに、Ib – Ic特性のグラフを表示

する。横軸をクリックして、軸設定

ウインドを開く。

このウインドにおいて、

Quantity Plotted 欄を ans2から、

表示したい値の ibに変更する。

次に、縦軸の値を設定する。

Fig5 実験結果で得られるグラフ

VB [V]

IB [A]

Fig3 実験と同じ回路の図

Fig4a SPICE error Logファイル

Fig4b 右クリックメニュー

Fig6a 軸設定ウインド

Fig6b 表示する値を設定

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横軸の変更の同様に、

縦軸をクリックしても変更できる。

ここでは、右クリックして、Add Trace

を選択して、信号選択ウインドから

表示する信号を選択する。

表示する信号をクリックして、選択する。

Expression(s) to add 欄に選択信号が入力される。

OKボタンをクリックするとグラフが表示されます。

((注意))

LTSpiceなど SPICEにおいて、

Baseに電流源を接続すれば、

簡単に Vbe-Ibグラフは表示できます。

詳細は、Appendix.1を参照せよ。

IB [A]

IC [A]

Fig9 実験結果で得られるグラフ

Fig8 選択可能な信号

Fig7 右クリックメニュー

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[目的]

AC特性の実験内容を LTspiceを用いて再現する。

[実験]

初めに、2sc1815の Spiceパラメータを Download する。

今回は、CQ出版社が公開しているライブラリから引用した。

注意:Downloadサイトは、検索してください。

実験回路(2014年版)と同じ構成の回路を

LTspiceで作成する。

完成した回路図を示す。

直流電源 PSと信号源 FGを並行に

接続して、トランジスタのベースに

接続する。

直流電源は、3.5Vを設定して、

信号源には、Vpp=10mVで、

周波数1kHzを設定する。

計算方法は、過渡解析を用いる。

理由として、実験では、オシロスコープを使用して振幅変化から

hパラメータを求めている。

実験と同じように、計算においても時間軸の波形の振幅を求める。

振幅の取得は、Spice命令を用いて測定と同じ node部分の Vppを計算する。

また、計算において、抵抗値を使用するので、parameter宣言して代入する。

Fig.1実験と同じ回路の図

AC特性

Fig.2実験と同じ回路の図

2015.05.15版

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そのための回路図を次に示す。

変数として、抵抗値を

parameter宣言する

このとき、回路上では

{}で囲まれた変数にする。

先頭に*があるときは、

コメント文になります。

回路が完成後、

解析を実行する。

実験で測定する波形を表示させる。

空白のグラフ上で、右クリックして

メニューを開く。

観察する波形は、V(v1)-V(v2)を入力する。

さらに、別のグラフ軸上で V(v3)を表示する

ために、右クリックしてメニューを開く。

Add Plot Pane をクリックして、

新規グラフを追加する。

Fig.4 hie,hfeの計算を追加した回路 Fig.3 Spice命令

Fig.5 右クリックメニュー Fig.6 表示信号作成

Fig.7 新規グラフを追加

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DC電圧に、交流信号が印加

されていることがわかる。

下の波形は、V(v3)の変化を示す。

Spice命令を用いて計算した結果は、

Error-logファイルに記述されている。

Spice Error logファイルの計算結果から、

hie=1280Ω,hfe=172となります。

計算した値の hfeと 1815のパラメータ定義を比較する。

Npnトランジスタ・モデルの設定における hfeは BFで定義されている。

BF=170なので、波形計算から得られた値の 172と誤差は 1%程度になります。

次に、実験同様に、

PS(power supply)を変化させたときの hie,hfeを求める。

Spiceの step命令を用いて、

電圧変数を定義して、変数を List変化させる。

作成したいグラフは、

横軸xは、Ibであるので平均電流を計算する。

平均値の計算は、avg命令を使用する。

交流計算と同様に電圧差を計算して電流値を計算する。

Fig.9 Error-logファイルの内容

Fig.8 計算で必要な場所の波形

Fig.10 Error-logファイルの内容

Fig.11 Error-logファイルの内容

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完成した LTspiceの

回路図を示す。

回路完成後に、

解析を実行する。

何も表示されないグラフが

表示される。

回路図に戻り、メニュー中の

Viewの SPICE Error Log

を選択する。

すると、Error Logファイルが開く。

このファイル中で右クリックして、

メニューを開く。

このメニューの

Plot .step’ed .meas data

を選択する。

空のウインドが開く。

ウインド中で右クリック

してメニューを開く。

Add Traceを選択する。

実験で求めるグラフ

を作成するために、

信号を選択する。

Fig.12 PowerSupplyを可変する回路図 Fig.11

Fig.13 右クリックメニュー

Fig.14 Error logファイル

Fig.15 右クリックメニュー

Fig.16 信号選択

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信号をクリックして選択すると、

下の Expression(s) to add に入力される、

OKボタンをクリックすると

グラフが表示される。

実験結果において

1)IBが小さいとき、hieは大きくなる。

2)IBが大きくなると、hfeは減少する。

以上の特徴が確認できる。

以上から、

LTspiceの計算においても、

実験と同じ傾向のグラフが得られました。

計算値を確認するには、

SPICE Error logファイルの下の部分にあります。

最後に、増幅率におけるfの∞の極限値は hfe*Rc/hie

である。そこで、hfe/hieと IBのグラフを作成する。

このグラフから、Rc=1kohmのときで、

IB=26u[A]であるならば、fが∞の極限の増幅率は、

160倍になることが予想できる。

hie[ohm]

hfe

e

IB [uA]

IB [uA]

Fig.18 IB- hfeグラフ

Fig.17 IB- hieグラフ

Fig.19 hieと hfeの値

Fig.20 IBと hfe/hieのグラフ

IB [uA]

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[目的]

実験において、オシロスコープを用いることで、交流負荷直線の表示ができる。負荷直線を観察する

には、オシロスコープの熟練が必要である。 そこで、PC 上で LTspice を用いて Vce-Ic 特性と負荷線

を表示させる。次に、増幅回路設計において、必要となる Ibを設定したときの動作点 Qの値を求める。

[手順]

右に、交流負荷線を表示する

回路図を示す。独立な回路として

電圧制御電源 E1を用いる。

この電源 E1は、V1の電圧で制御

されます。また、最大振幅を 10V

に設計しているので、V2=10V が

接続されています。

右の回路において V1が 0Vで、

R1に 10Vが印加されます。

電流源:I1は、トランジスタの

Base電流値を設定している。

ここでは、計算したい値の 25uA にする。

交点を求めるために、SPICE 命令

のmeasureを用いる。命令内容は、

負荷直線の電流値 Icと Ic(Q1)の交点を計算する。

その値を vcqに代入する。次に、V1の電圧が

vcqになるときの Ic(Q1)を求める。

DC 解析を実行するので、V1の変化を指定する。

[結果]

この回路を実行する。交流負荷直線は、R1を流れる電流になります。横軸が、V1で縦軸が I(R1)の

グラフが表示されます。このグラフに、トランジスタの Ic(Q1)を表示すると、次のグラフが得られます。

交流・直流負荷線の表示について

Fig.1 計算回路

Fig.2 SPICE命令のmeasure

Fig.2a dcコマンドを記述

負荷線用の回路

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動作点 Qの値は、SPICE Error Log

ファイル中に出力されている。

SPICE で計算した値を確認するために、

menuの Viewの中の

SPICE Error Logを選択してファイルを開く。

ファイル中に、計算結果が示される。

交点 Qは、(4.77734V, 0.00435222A)である

ことがわかる。

Fig.3における交点の座標と一致している

ことがわかる。

次に、直流負荷線を表示させる。交流負荷線と同じ構成の回路を並列接続する。この回路において、

電源電圧を 12Vに変更する。また、抵抗 Reを直列接続する。実行する回路を Fig.6に示す。

また、図の回路では、I1の電流値を 10uAから 40uAで 10uAごとに変化させている。

DC 解析を実行する。V1 が横軸となり、I(R1)と I(Rcdc)を同時に表示させることで、交流負荷線と直

流負荷線を同時に表示できる。このグラフに、Ic(Q1)を表示させると、Base電流:Ibを変化させたとき

の交流負荷線との交点の移動の様子が予測できる。

V1 [V]

I [mA]

Fig.3 V1と電流 Iの関係

Fig.4 ファイルを開く

Fig.5 Error logファイルの中身

動作点: Q

交流負荷線

Ib=25uAの時の Vce-Ic特性

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Fig.6 直流・交流負荷線の回路図

I [mA]

Fig.7 V1と電流 Iの関係

交流負荷線 直流負荷線 Vce-Ic特性

Ib=10uA

Ib=20uA

Ib=30uA

Ib=40uA

V1 [V]

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参考文献

本について Data from Amazon.co.jp (2012.August)

B-1)神崎 康宏、“電子回路シミュレータ LTspice入門編―素子数無制限!動作を忠実に再現! (ツール

活用シリーズ)”、CQ出版 (2009/02)

B-2)遠坂 俊昭、“電子回路シミュレータ LTspice実践入門: 日本製定番デバイス・モデルで学ぶディ

スクリート回路 (ツール活用シリーズ)”、CQ出版 (2011/12/17)

B-3)渋谷 道雄、“回路シミュレータLTspiceで学ぶ電子回路”、オーム社 (2011/7/26)

解析方法や SPICの基本命令の使用方法については、

PSpiceに関する文献も参考になります。

Webサイトについて

ネット接続可能環境においては、検索サイトでキーワード検索する。

ネットの問題点としては、サイト移動や消失などがります。普遍的でない。

Data from google.co.jp (2015.May)

S-1) ベルが鳴っています

http://www7b.biglobe.ne.jp/~river_r/bell/

S-2) LTspiceによるシミュレーション例

http://homepage1.nifty.com/ntoshio/rakuen/spice/

Topタイトル:フリーソフトで楽々エンジニアリング

http://homepage1.nifty.com/ntoshio/rakuen/index.htm

S-3) LTspice

Topタイトル“ねがてぃぶろぐ“http://gomisai.blog75.fc2.com/

非常に多くの解説・説明サイトがあります。

エレキジャック(http://www.eleki-jack.com/)サイトでは、

B-1)の著者の神崎 康宏による多くの LTspiceページが掲載されています。

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Download サイトについて

D-1)LTspiceの Downloadサイトについて

Design Simulation and Device Models

http://www.linear-tech.co.jp/designtools/software/

2013年に、Mac OS X版がリリースされました。

ユザー登録なして、Download 可能になりました。

Linuxなど OSで実行するには、Windowsエミュレーターを用いることで実行できます。

D-2) Spiceモデル(ライブラリ)について

a)2002年 5月号 特集*初めての回路シミュレーション

http://www.cqpub.co.jp/toragi/download/2002/TR0205A/TR0205A.htm

その他のサイト

b)Spice Model

http://ltwiki.org/?title=SPICE_Model_Links

以下のサイトは、なくなりました。参考になるサイトでした残念です。

http://www.madlabo.com/mad/edat/spice/model/index.htm

ライブラリ(モデル)の追加方法について

LTSPICE入門(連載 18)

http://www.eleki-jack.com/KitsandKids2/2008/06/ltspice18spice1.html

OPアンプ・MOS-FETなどは、Subキット化されたモデルとして提供される。

しかし、トランジスタやダイオードなどは、ライブラリファイルの一部として

提供されることが多い。

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[目的]

SPICE モデルから直接

hfeと hieを求める。

[方法]

トランジスタのベースに

電流源 I1を接続する。

DC 解析において、電流源

I1を 0.1uから 1mAまで

変化させる。

[結果]

空白のグラフ上で右クリックメニュー

を開く。

Add Traceを選択

信号選択ウインドの下の

Expression(s) to add 欄に式を入力

する。

初めに、hie-Ibグラフ

を作成する。

この欄に、下記式を入力する。

d(V(vb))/d( Ib(Q1))

OKボタンをクリックする。

hie-Ibグラフが表示されます。

軸の調整が必要です。

Fig.1 解析回路

Fig.2 右クリックメニュー Fig.3 選択ウインド

Fig.4 hie-Ibグラフ

hie

Ib

Appendix1 電流源を用いた hie,hfeのグラフ

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つぎに、表示したグラフを消去して、

hfe-Ibグラフを作成する。

信号入力欄に下記式を入力する。

d( Ic(Q1))/d( Ib(Q1))

右のグラフが表示される。

最後に、hfeと hieの比である

hfe/hie – Ibグラフを作成する。

信号入力欄に下記式を代入する。

d(Ic(Q1))/d(Ib(Q1))/d(V(vb))/d(Ib(Q1))

右のグラフが表示される。

このグラフから、

Ibが増加すると、hfe/hieの比も

増加することが確認できる。

実験で得られたグラフと傾向が

一致する。

Fig.5 hfe-Ibグラフ

Fig.6 hfe/hie - Ib グラフ

Ib

Ib

hfe/hie

hfe

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Appendix2 オシロスコープを用いた負荷線の表示実験の再現(( 2011,2012 実施内容 ))

[目的]

LTspiceを用いて、実験と同じ方法で負荷線を表示させる。

[手順と方法]

実験指導書と同じ

回路を作成する。

2SC1815のモデルは、

CQ出版の

モデルを使用する。

回路全体の GNDは、Emitter接地である。

オシロスコープ測定の基準点を VGNDとする。

((注意))実際の実験では、オシロスコープの 100V電源は、

3端子(GND接続あり)コネクタでなく2端子コネクタで接続する。

電源 V1端子を V2とし、

端子 V1をトランジスタ:Q1のエミッタとする。

実験と同様に、信号源 V2に Offset電圧を印加

する。

これは、適当なベース電流を流すことに相当します。

ここでは、2Vに設定した。

はじめに、交流負荷線を表示させるために、

周波数を 2kHzにする。

また、立ち上がりの波形は歪んでいるので

除外するために、

解析時間は、15msec以降のデータを使用する。

Fig.1 解析回路図

Fig.2 電源 V2設定

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解析を実行する。

負荷線を表示させるために、

解析終了後に、軸を変更する。

時間軸をクリックして、設定

ウインドを開く。

このウインドに、次の式を入力

-( V(V1) – V(VGND) )

次に、Add Traceウインドを開く。

次の式を入力する。

V(V2) – V(VGND)

OKボタンをクリックで、

右のグラフが表示されます。

線でなく、四角形であることが

わかる。

直流(DC)負荷線を表示させる。

そのたに、電源 V2の周波数

を 5Hzに変更する。

計算時間も1周期以上の

時間にする。

そのため、計算時間が掛かります。

交流負荷線と直流負荷線を

同時に表示させることで、

交点が動作点に相当する。

Fig.3 交流負荷線

Fig.4 直流負荷線

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交流負荷線と直流負荷線を同時に

表示させる方法を考える。

周波数が異なる任意関数制御電源

B1を使用する。

ポイントは、時間変数 timeを

使用することで、同じ実行

時間で解析が実行できます。

端子 V2は、同じバイアスなので、

同じ名前でよい。

残りの端子名は、変更する。

任意関数電源:B1の設定ウインド

を開く。

Fig.5 同時表示解析

Fig.6 任意関数電源

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横軸が異なるので、

同時表示ができないことがわかりました。

そこで、

異なる横軸のグラフを縦に表示させる。

Add Plot Pane を選択して、

Sync. Horiz. Axes

の checkを取る。

上下のグラフで横軸が異なる

グラフの表示が可能になる。

上のグラフが、直流負荷線で、

下のグラフが、交流負荷線で

ある。

上下のグラフを比較して、

交点は、5Vから 6V辺りに

あることが予想できる。

LTspiceをもちいて、実験での

オシロースコープでの画面を再現できました。

(注)交点を求めるために、点線を後で追加しました。

Fig.7 右クリックメニュー

Fig.8 グラフ同時表示

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動作点の変化によるコレクタ電流(Ic)の波形の確認

[目的]

LTspiceを用いて、2015年度版の課題 a)に関連した解析を実行する。

[手順と結果]

計算を簡単にするために、以下の様に回路を設定した。

コレクタ抵抗:R1を 1kohm、電源電圧:Vcc’を 10Vに設定する。

この回路の設定で、トランジスタ動作時の飽和電圧:Vce=0と仮定すると

コレクタ電流:Icの最大値は、Icmax=10V/1k=10mAとなることがわかる。

つぎに、トランジスタの

直流電流増幅度:hFE=100

と設定するために、

SPICE命令を用いての

独自の NPNトランジスタを

定義する。ただし、

hFE=hfeと仮定する。

右の回路では、トランジスタ名

を QmyTrとしている。

さらに、hFEは、BFに相当

するので、BF=100のみ記述する。

((注意))

残りの設定していない値は、

SPICEの Default値になります。

気になる場合は、テキストにある

4個のトランジスタ静特性を

表示させて確認せよ。

さらに、

Base電流源の設定について

説明する。

上の回路では、I1で直流電流源を設定する。そして、交流電流源:I2を並列接続する。

これにより、Ib(DC)[uA]+10[uA]*sin(2*pi*1k*t)の信号が Baseに流れることになる。

さらに、下の回路は、同時に、Ib(Dc)[uA]をグラフ表示して振動の中心を明示するために追加する。

下の回路の信号源 B1は、任意関数電流源であり、ここでは、単純に上の回路の I1と同じ値を出力して

いる。

最後に、SPICEの step命令を用いて、Base電流をリスト変化させる。

これにより、Ib(DC)=0uA,50uA,100uAと変化させることができる。

Fig.1 解析回路図

Appendix3

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以上の回路設定において、過渡解析を実行する。

空グラフが表示されるので、

表示したい部分をクリックするとグラフが表示できる。

確認したい電流は、コレクタ電流なので、

上と下の回路のコレクタ電流(Ic)は、抵抗を流れる電流と同じである。

R1と R3に流れる電流のグラフを表示する。

以上により、以下のグラフが得られる。

このグラフの赤い線について、Ib=0uAでは、Ic=0であり、Ib=50uAでは、Icは、hFE倍の 5mAが

流れていることが確認できる。

しかし、Ib=100uAでは、hFE倍の 10mAより小さい値であることがわかる。

つぎに、波形(青い波形)について、Ib=0uAのときは、当然、±10uAの正弦波入力において、

Ibは負の電流値になるので、負の ICは出力されない。また、最大振幅は、10uAの hEF倍の 1mAであ

ることも確認できる。Ib=50uAのときは、Icは hFE倍された振幅の正弦波が観察できる。

Ib=100uAのときは、理想的には、Icは hEF倍されて、負荷線の電流接点の 10mAが流れる。

つまり、10mA以上の Icは流れない。従って、10mAを越える部分の波形は観察できない。

以上で、動作点が変化したときの電流波形の確認ができた。

Fig.2 Icの波形

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実験では、電圧を測定することになる。

Vceの変化のグラフをつぎに示す。

表示する波形に右回路の様に明確な名前を付ける。

過渡解析を再実行する。

空白グラフが開く、回路図に戻り、

Vdc,Vac端子をクリックする。

表示されたグラフの縦軸の範囲を変更すると、

以下のグラフがえられる。

このグラフから Icのグラフと反対の動作するのグラフが得られること確認できる。

当然 10V以上は、出力されない。また、最小値は、0Vにならないことも確認できる。

Fig.3 ノード名を追加

Fig.4 Vceの波形

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設計抵抗値と標準抵抗値による動作点の変化について

[目的]

設計抵抗値を標準抵抗値に変更した場合の、動作点の変化を確認する。

[手順と結果]

負荷線および動作点を解析するための回路図を以下に示す。

回路図の Pointについて説明をする。

1)電源 V1を変化させることで、負荷線を表示させる。

2)tableリストを用いて、リスト番号について、

設計値を1に割り当て、標準値を 2に割り当てる。

3)負荷線との交点となるトランジスタの動作電流:Icを表示させる回路を作成する。

DCsweep 解析を実行する。

Fig.1 解析回路図

Appendix 4

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回路図で、矢印アイコンのときに、

E1,E2とトランジスタのコレクタ端子をクリックする。

交点の部分を拡大する。

軸をクリックして、

軸設定ウインドを開き、

表示範囲を指定する。

グラフ上で右クリックして

メニューを開く。

“Add Plot Pane”を選択

して、グラフを追加する。

そして、

同じグラフを表示させる。

((注意))

よく見ると、交流負荷線の

交点は異なることが確認

できる。

Fig.2 負荷線と Icを表示

Fig.3 右クリックメニュー

Fig.4 軸設定ウインド

Fig.5 交点を拡大したグラフ

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別々のグラフ上において、

Select Step を選択して、

表示する Step番号を

選択する。

((注意点))Select stepウインドの下の

Apply to All Panesの checkを無くすこと!

グラフ表示で交点は確認できたので、

次に、LTspiceの特徴の計算機能を用いて、

meas命令で交点を計算する。

((注意))直流負荷線との交点求めています。

以上を Editの”SPICE Directive”で回路に追加して、

DC sweep解析を実行する。

メニュー中の Viewの SPICE Error LOGを

選択する。

Error logファイルが開く。

ファイル中の計算結果の部分を示す。

設計値での回路では、

(VCQ,ICQ)=(9.01,2.28mA)

標準値を用いた回路では、

(VCQ,ICQ)=(9.09,2.09mA)

であることが確認できる。

設計値と標準抵抗値の動作点の変化により、

Ibが変化したので、直流・交流特性から

hieと hfeの変化が予想できます。

その結果、標準抵抗値での増幅率が計算できます。

Fig.9 Error Logファイル

Fig.8 Viewメニューウインド

Fig.7 交点計算命令

Fig.6 Select stepウインド