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LSOシンチレータを用いたGE検出器 IN-BEAMキャリブレーションとE03 への適用評価 京都大学 原子核ハドロン研究室 修士課程2回生 林勇治 2008/10/30 特定領域研究会2008 加賀 1

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LSOシンチレータを用いたGE検出器のIN-BEAMキャリブレーションとE03への適用評価京都大学 原子核ハドロン研究室修士課程2回生林勇治

2008/10/30

特定領域研究会2008 加賀 1

Outline

2008/10/30特定領域研究会2008 加賀

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1. E03実験と要求するエネルギー精度に対する障害

2. LSOシンチレータを使ったキャリブレーションシステム

3. テスト実験とE03への適用評価

1. 核理研での高レート陽電子入射テスト

2. エネルギーの入射位置依存性テスト

4. LEPSを用いた176Lu γ線エネルギーの決定

E03 experiment @ J-PARC

2008/10/30特定領域研究会2008 加賀

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X線をエネルギー分解能に優れたGe検出器で検出

X線のenergy shift, width, yieldなどからΞN相互作用についての情報を得る。

求める精度は50eV。

(FeΞ‐ X-ray : 285keV)

K-

K+

Ξ-

X-ray

Fe target

p(K-,K+)Ξ-

エネルギー精度50eVに対する障害

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1. キャリブレーションの非線形性⇒数eV 無視できる

2. バックグラウンドの変化によるピークのずれ⇒ 10eV程度 無視できる

3. γ線入射位置による、見かけのエネルギーの違い⇒最大100eV程度

4. 高レートbeam時のピークシフト⇒最大1keV程度

γ線の入射位置による見かけのエネルギーピーク位置の違い

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線源の置く位置でピークの見かけの位置が大きく変わる。(>50eV)⇒ 133Ba, 152Euソースを使って位置依存性をチェック

Ge

distance

(variable)

EuBa(fixed)

位置によるピーク位置の変動

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40eV

高レートbeam時のピークシフト

2008/10/30特定領域研究会2008 加賀

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Ge結晶に高レートで荷電粒子が入射すると、ピーク位置が最大で1keVほどシフトしてしまう。

高レートbeam時のピークシフトpeak position shift (20kHz beam) (test exp. @ LNS)

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beam off

beam on(x4)

peak position shift

~2ch = ~500eV

高レートbeam時のピークシフト

2008/10/30特定領域研究会2008 加賀

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Ge結晶に高レートで荷電粒子が入射すると、ピーク位置が最大で1keVほどシフトしてしまう。

キャリブレーション用γ線の条件• in beam下でも効率よく計測できる• Ge検出器のDead Timeを増やさない

LSOシンチレータ 176Lu

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LSOシンチレータ(Lu2SiO5)のLuには176LuというRIが含まれている。

176Luはβ-崩壊後202keV,307keVのγ線を放出する。

Ge検出器PMT

LSOシンチレーターγ

β

問題点4(in beam での効率的なキャリブレーション)の解決!

実際のセットアップ

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ターゲット位置に線源を置いて176Luのeffective energyを求め、その値を使ってX-ray energyを出す。(位置依存性を知らなくてもよい。問題点3の解決)

Ge

LSOsource

Target

テスト実験@核理研

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ハイレートのpositron入射時に、LSOトリガーシステムが正常に働くかチェック

positron

Ge

PMT with LSO

source(133Ba or 152Eu)

テスト実験@核理研

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Beam

(kHz)

Ge rate

(kHz)

Dead Time(Ge)(%)

20 100 60%

10 60 30%

5 40 25%

(E03) 50 30%

全ビームタイム ~24h

152Eu, 133Ba線源を使い、ビームレートを変えてチェック

LSO trigger

20kHz beam w/ Eu

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Calibration (306.78keV peak)

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w/ Eu 244keV, 344keVでlinearを仮定beam

intensity

beam off

(keV)

beam on

(keV)

difference(eV)

20 kHz 306.635±0.017 306.684±0.061 49±63

5 kHz 306.734±0.038 306.725±0.052 -9±64

beam

intensity

beam off

(keV)

beam on

(keV)

difference(eV)

10 kHz 306.795±0.027 306.776±0.053 -19±59

5 kHz 306.817±0.036 306.734±0.046 -83±58

統計エラー内で一致。in beam キャリブレーションは成功

w/ Ba 303keV, 356keVでlinearを仮定

Hyperball-J と target

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GecrystalPWO suppressor

Gecoolingsystem

K- beam

target

Ge

target

15cm

ターゲットの大きさ内での位置依存性の効果

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GeBa(fixed)

Distance

0~5cm

Eu

15cm

ターゲットの大きさ内での位置依存性の効果

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ターゲット内での位置依存性は、せいぜい数eVなので気にする必要は無い!

176Luのγ線エネルギー

2008/10/30特定領域研究会2008 加賀

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Table of isotopeによると、176Luの202keV,307keVのγ線のエネルギーは、各30eV,40eVの精度でしか無い。

実験ではeffective energyを使うので問題無いが、より精度よく出しておきたい。

LEPS(プレナ型Ge)を用いて

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coaxial type planar type

LEPSの位置依存性

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位置依存性はほとんどない!

10eV

176Luのγ線エネルギー

201.83 ± 0.03 keV

306.78 ± 0.04 keV

201.842 ± 0.010 keV

306.781 ± 0.010 keV

2008/10/30

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特定領域研究会2008 加賀

Table of isotopeLEPSを使った実験で今回得られた値

まとめ

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E03でのキャリブレーションシステム: LSOシンチレータを用いて効率よくキャリブレーション用γ線を捉える。

適用評価

高レート陽電子入射時テスト → O.K.

位置依存性による効果 → O.K.

176Luのγ線エネルギーを精度10eVで求めた