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2017 Vol.18
今回のフォーラムは、2017年1月24日にホテルオークラ神戸にて、33カ国から政府高官や実務家、専門家、政策決定者、学生など140名の参加者を得て、「災害復興におけるBuild Back Betterと健康で強じんなコミュニティを目指して」をテーマに開催しました。
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主催者からの開会挨拶でフォーラムは幕開けし、IRP運営委員会議長、ステファン・コーラー氏は、持続可能な開発目標(SDGs)の目標3「あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する」に言及しながら、このフォーラムで取り上げるトピックスの重要性を強調しました。
健康は、仙台防災枠組2015-2030や持続可能な開発のための2030アジェンダ、その他の重要なフレームワークや合意文書において言及されるとともに、その分野に内在する複雑化した課題やギャップに緊急に取り組む必要性が指摘されています。
「国際復興フォーラム2017」
トピックス
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国際復興支援プラットフォーム(IRP)
Latest News from International Recovery Platform
「国際復興フォーラム2017」
2017年1月 24 日(火)、神戸市~災害復興におけるBuild Back Betterと健康で強じんなコミュニティを目指して~
特別講演:最近発生した災害における取組の報告
背景
今回のフォーラムは、特別講演、パネルディスカッション、
また、復興の観点から健康で強じんなコミュニティを促進するのに何が必要かを理解するために、「災害に強いコミュニティ構築へ向けたBuild Back Better の取組」と「災害復興過程における保健・医療対策の整備」と題した二つのパネルディスカッションが行われました。
さらに、フォーラムの機会を捉えて、IRP事務局から、現在改訂作業中の、健康に関する「復興ガイダンスノート」の改訂作業中の暫定版の報告があり、さらなる意見やフィードバックの提供を募りました。
概要
画の策定の3つについて重点的に報告しました。これらの課題に対処するための施策には、土地利用の再調整、タイ国王による洪水予防策のガイドラインの厳格な執行(例:「モンキーチーク」とあだ名のついた暫定の調整と洪水吐け)、「Build Back Better」を中心にした防災対策への予算配分が含まれています。
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国際復興プラットフォーム(IRP)は、仙台防災枠組の中で「Build Back Better(より良い復興)」に関する経験や教訓を共有するための国際的なメカニズムとして活動することが求められている中で、「国際復興フォーラム2017」の全体テーマとして、「健康で強じんなコミュニティに向けたBuild Back Better」を採択しました。
目的このフォーラムの主な目的は次のとおりです。
持続可能な開発のための2030アジェンダの中で、災害復興過程における「Build Back Better」がどのように位置づけられるのかを探ること
二つ目の特別講演では、人と防災未来センター長の河田惠昭教授が、熊本地震の特徴として、震度1以上の余震が4,000回以上も観測されている、一連の継続的な余震活動からもたらされた特有の復興課
また、内閣府審議官、羽深成樹氏から日本における震災復興の取組が紹介され、兵庫県知事、井戸敏三氏からは、復興過程から得られた教訓と知識を次世代に引き継ぐことの重要性を強調しつつ、兵庫県が1995年の阪神・淡路大震災から「創造的復興」を目標に取り組んできた事例を紹介しました。
IRPのナレッジ・プロダクトに関する報告から構成されていてます。特別講演では、最近発生した二つの災害として、2017年1月のタイ南部の洪水被害の事例や2016年4月の熊本地震の事例から、復興に向けた取組に焦点を絞った発表が行われました。
特別講演の中で、タイ王国内務省副大臣のナダピット・スニボング警察中将(内務大臣を代理して報告)は、洪水被害後の重要な課題、① 生活の復旧、② インフラ設備の再建、③ 総合的な復旧・復興計
題を指摘しました。生活の復旧と迅速なロジスティクスの支援を促進することは、被災コミュニティが直面する課題です。これらの課題に対処するための施策として、これまでの支援の検証や今後役に立つ教訓を得るための「熊本地震を踏まえた応急対策・生活支援策検討ワーキンググループ」の設置が含まれます。
各国の災害復興の経験を通じた災害復興過程における「Build Back Better」の理解や知識を詳しく調べること
災害復興過程で健康分野の課題に対処してきた経験を共有することによって、「Build Back Better」の観点から健康分野の戦略と実践について詳細に検討すること
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また、そこから得たの教訓の一つとして、「プッシュ型支援」の実施があり、中央政府は、地方自治体からの正式な要請を待たずに、即座に被災コミュニティへの緊急支援を送ることが求められています。
パネル1「災害に強いコミュニティ構築に向けた
このパネルディスカッションでは、仙台防災枠組や持続可能な開発のための2030アジェンダなどの重要な合意文書で言及されている災害復興過程におけるBuild Back Betterに向けた事前の対策に焦点を当てて議論されました。パネリストは、河田惠昭教授(人と防災未来センター(DRI)、日本)、ジャック・ラディッシュ氏(経済協力開発機構(OECD)、フランス)、ジェルリー・ベネット氏(連邦緊急事態管理庁(FEMA)、米国)の3名で、ステファン・コーラー氏(国連プロジェクト・サービス機関(UNOPS))がモデレーターを務めました。
総括及び閉会
このセッションから次の知見が得られました。
ロジスティクスの細かい点に気を配る: 「Build Back Better」に向けて、物資・資材の輸送、日常業務、仮設住宅の管理・運営、衛生管理等のロジスティクスを詳細に検討することが提言されました。
社会的包摂政策の適用:聴衆から、「Build Back Better」の実現を目指した復興の取組の中で社会的包摂性(「誰も置き去りにしない」ことを確保する。)の重要性が提起されました。
「善き統治(グッド・ガバナンス)」が「良い復興」と復興プロジェクト執行過程の透明性の確保を促進する鍵となる: 腐敗行為や特定の政治的・営業上の利益は、「Build Back Better」を失墜させることにつながります。OECDからは、復興過程と資金を定期的に監視する必要性が強調されました。そのためには、資金の流れを追跡するメカニズムを通して透明性を確保することが役立ちます。復興過程における「善き統治」と透明性の確保は、持続可能な開発目標(SDGs)の目標16にとっても重要です。
社会文化的ダイナミクスの理解と状況への適応: 既存の政策や法的枠組によって地域レベルの意思決定が促進される一方で、社会的動態や文化的諸条件が復興過程の妨げになることもあります。FEMAは、洪水被害を受けたコミュニティがコミュニティ・エンパワメントの手法によって復興していった状況を、コミュニティの包括性や事前復興計画の重要性に焦点を当てながら、米国におけるコミュニティを基盤とした災害復興について報告しました。
民間セクターを巻き込んだ実行可能な資金調達手段の検討: 資金調達は復興課題のなかでもよく取り上げられる問題です。
パネル2「災害復興過程における保健・医療対策の整備」
このパネルディスカッションでは、保健・医療対策の様々な検討事項を復興過程の中で考慮していくべきかどうか、また、どのように考慮していくのかに焦点が当てられました。パネリストは、ジェームス・ニューマン氏(防災グローバル・ファシリティ(GFDRR)、世界銀行)、ハリ・パラジュリ氏(ネパール政府復興庁、ネパール)、笠井秀一氏(日本薬剤師会)、茅野龍馬(WHO健康開発総合研究センター)の4名で、佐谷説子氏(内閣府、日本政府)がモデレーターを務めました。冒頭でモデレーターから「なぜ、保健・医療セクターの復興には困難が伴うのか?」、「保健・医療セクターは復興全体の業績にどのように寄与できるのか」という二つの問いかけがパネリストに投げかけられました。
このセッションから次の知見が得られました。
Build Back Betterの取組」
聴衆から民間セクターを巻き込んで復興プログラムのメカニズムを検討することが提案されました。
各国の災害復興プログラムにおける保健・医療対策の整備:世界銀行からは、災害後ニーズ調査(PDNA)のようなツールの活用が提案されつつ、災害復興プログラムにおける保健・医療対策の整備が強調されました。
復興過程における民間セクターの公的な関与: 1995年の阪神・淡路大震災からの復興の中で、神戸市が構想した「神戸医療産業都市」への評価が高まり、その先端医療産業は、日本国政府も率先して取り組んできた関西地域の経済再建にも貢献しました。官民協働の促進を含めて、復興における民間セクターの投資を活用することの重要性が強調されました。
専門家による支援を積極的に取り入れる: 日本薬剤師会からは、災害後の薬剤師の役割と「お薬手帳」(服用薬剤を記録した手帳)の活用、「モバイルファーマシー」(災害対策医薬品供給車両)について報告されました。「モバイルファーマシー」は多くの個人、団体、グループが保健・医療セクターの復興を進んで支援出来ることを示しました。災害前の専門家ボランティア・イニシアティブへの準備を含めて、保健・医療セクターの復興に向けたボランティア活動の促進と運営が提案されました。
通信システムの強化: 災害によってインフラ設備に被害が及ぶことによって、デジタル・コミュニケーション・システムが機能不全に陥ることがあります。高齢者や障害者など、デジタルデバイドの影響を受ける人たちの利用拡大やアクセスの確保も考慮に入れた災害後の代替的コミョニケーション.システムをすすめるべきとの提言があります。広いコミュニティ参加と協働の促進: 災害復興における緊急性と迅速な進展が求められることによって、いくつかのグループ、とりわけ、社会的弱者のグループが取り残されることが起こり得ます。広いコミュニティ参加と包摂的な復興計画と実行は、その問題への対処に役立ちます。
「Build Back Better」への備えとその達成度の評価: 災害時前の諸々の行動(民間セクター間を含めた災害時前の協定や契約)によって、多くの復興課題への対応が可能となります。「我々はいかにして『Build Back Better』が達成しつつあるか分かるのか」という疑問が提起されました。仙台防災枠組の指標と用語に関する政府間専門家会議の成果を参考して活用することが提言されました。
長期的な復興段階におけるさらなる調査の必要性: WHOからは、被災者への心理社会的影響を含めて、長期的な観点から復興に対するさらなる調査を進めることの必要性が提案されました。
有効な場を提供していることが確認されました。最後に、フォーラムに参加した方の多くは、中級から上級の「実務家」であり、復興の取組の中で重要な役割を果たしていること、また、大臣や知事などのハイレベルのスピーカーから、政策や政治力学について学ぶ機会を持つ人々でもあることが指摘されました。佐谷氏は、次回のフォーラムへさらに多くの参加者が集まることへの期待を表明し、フォーラムを閉会しました。
フォーラムの締めくくりとして、佐谷説子氏から、フォーラムの印象が述べられました。第一に、同氏からIRPのコミュニティが独特なものであり、そこには様々なバックグラウンドを持った人々や専門家が、復興に対する知識を議論し、検討するために集まってきていることへの認識が示されました。第二に、このフォーラムは、復興に関する専門知識が示され、共有され、適用される、