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JEITA ETR-7011
目 次
ページ
序 文 ………………………………………………………………………………………………………… 1
1. 一般事項 ………………………………………………………………………………………………… 1
1.1 適用範囲 ……………………………………………………………………………………………… 1
1.2 引用文献及び参考文献 ……………………………………………………………………………… 2
2. 用語の定義 ……………………………………………………………………………………………… 2
2.1 容器包装 ……………………………………………………………………………………………… 2
2.2 リユース ……………………………………………………………………………………………… 2
2.3 リサイクル …………………………………………………………………………………………… 3
2.4 識別表示 ……………………………………………………………………………………………… 3
2.5 材質表示 ……………………………………………………………………………………………… 3
3. 識別表示及び表示方法 ………………………………………………………………………………… 3
3.1 表示の共通事項 ……………………………………………………………………………………… 3
3.2 リサイクル表示 ……………………………………………………………………………………… 3
3.3 リユース/リサイクル表示 …………………………………………………………………………… 4
4. 容器包装における識別表示場所 ……………………………………………………………………… 4
4.1 容器包装における識別表示場所の共通事項 ……………………………………………………… 4
4.2 代表的な容器包装の識別表示の例 ………………………………………………………………… 4
附属書1(参考) リユース/リサイクル表示に関する関係法令,規則及び規格 ……………………… 6
附属書2(参考) リユース/リサイクル表示に関する JEITA でのアンケート結果 ………………… 10
解 説 ……………………………………………………………………………………………………… 11
JEITA ETR-7011
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電子情報技術産業協会技術レポート
電子部品の容器包装のリユース/リサイクル表示ガイド
Guide for Reusable and/or Recyclable mark on containers and packaging for electronic components
序 文 日本では,資源の有効な利用の促進に関する法律が,2000 年 4 月 1 日に完全施行となった。
また,2001 年4月 1 日には,プラスチック製及び紙製容器包装識別表示の義務化がスタートした。
現在,機器メーカ又は実装メーカから部品メーカに対して環境負荷を軽減するため,容器包装の減量
化,再使用化(リユース)及び資源の再利用化(リサイクル)が求められている。このため,容器包装のリ
ユース及びリサイクル化を促進するための識別表示が必要となってきた。
電子情報技術産業協会(以下,JEITA という。)では,附属書1(参考)に記載の国内外の法令及び規則
並びに規格を調査し,容器包装が使用後に識別できる表示のガイドを作成した。
1. 一般事項
1.1 適用範囲 このガイドは,部品メーカから機器又は実装メーカへ納入するときに,容器包装をリ
ユース又はリサイクルを促進するため,電子部品の容器包装上に表示する識別表示について適用する。
これらの識別表示は,機器又は実装メーカが部品を装着後,残された容器包装のリユース可能性の有
無を判別する又は資源のリサイクル材料として活用する場合に,その材質を判別することを目的とし,
表1の電子部品容器包装を対象とする。
ただし,表示箇所が取れない容器包装では,本体への表示を省略してもよい。
表1 リユース/リサイクル表示の対象電子部品容器包装
材質 容器包装 リサイクル表示 リユース/リサイクル表示
リール ○*1 ○
スティックマガジン ○*1 ○
マトリックストレイ ○*1 ○
バルクケース ○*1 ○
ディスクパック ○*1 ○
袋 ○ -
プラスチック
緩衝材 ○ -
リール ○ -
トレイ ○ -
緩衝材 ○ - 紙*2
板紙タイプの個装及び内装 ○ -
注*1 使いきり(リユースが構造的に対応できないもの)は,リユース/リサイクルマークでなく,
リサイクルマークを表示する。
*2 材質紙の定義;紙材質(パルプモールドを含む。)だけで構成されたもの。
備考 〇印:該当欄の表示対象 -印:非対象
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1.2 引用文献及び参考文献
JIS K 6899-1:2000,プラスチック‐記号及び略号‐第 1 部:基本重合体(ポリマー)及びその特性
備考 ISO 1043-1:1997, Plastics-Symbols and abbreviated Terms-Part 1: Basic polymers
and their special characteristics が,この規格と一致している。
JIS K 6899-2:1996,プラスチック‐記号‐第 2 部:充てん材及び強化材
備考 ISO 1043-2:1988, Plastics-Symbols-Part 2: Fillers and reinforcing materials が,
この規格と一致している。
JIS K 6899-4:2000,プラスチック‐記号及び略号‐第 4 部:難燃材
備考 ISO 1043-4:1998, Plastics-Symbols and abbreviated terms-Part 4: Flame retardants
が,この規格と一致している。
JIS K 6999:1994,プラスチック‐プラスチック製品の識別と表示
備考 ISO 11469:1993, Plastics-Generic identification and marking of plastic products が,
この規格と一致している。
JIS Q 14021:2000,環境ラベル及び宣言‐自己宣言による環境主張(タイプⅡ環境ラベル表示)
備考 ISO 14021:1999, Environmental labels and declarations- Self-declared environmental
Claims (Type Ⅱenvironmental labeling)が,この規格と一致している。
ISO 7000:1989, Graphical symbols for use on equipment-index and synopsis
資源の有効な利用の促進に関する法律の識別表示
EUROPEAN PARLIAMENT AND COUNCIL DIRECTIVE 94/62/EC of 20 December 1994 on packaging and
packaging waste
Proposal for a European Parliament and Council Directive on marking of packaging and on the
establishment of a conformity assessment procedure for packaging (96/C 382/05) COM (96)
191 final-96/0123(COD)
DIN 6120 part 1:Marking of packing materials and packages for reclaiming respectively
recycling; plastics packaging materials and packages; graphical symbols
DIN 6120 part 2: Marking of packing materials and packaging for reclaiming respectively
recycling: plastics packaging materials and packages; supplementary marking
プラスチック製容器・包装材質表示方法マニュアル(JIS 準拠)‐容器包装リサイクル法対応 日本
プラスチック工業連盟 平成 12 年 8 月 1 日発行
米国 SPI(The Society of Plastics Industry, Inc.)自主全国容器材質コードシステム
2. 用語の定義
2.1 容器包装 製品が費消された又は製品と分離された場合に不要となる容器及び包装。
2.2 リユース 分別回収し,そのままの形態で同じ用途での再使用。使用によって材質の品質劣化が
あった場合には,リサイクルする必要があるため,材質表示もつける。
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参考 ISO 14021 での定義は,意図され,設計された製品または包装の特性の一つ。ライフサイクル
の中で意図どおりの目的のために何回かの使用が出来る特性。
2.3 リサイクル 分別回収し,別用途に対して資源としての再利用。材質表示を明示する。
参考 ISO 14021 での定義は,利用可能な工程と計画により廃棄物の流れから取り出すことが可能で
あって,さらに原材料又は製品の形で使用するために収集され,再生又は加工されることが可
能な製品,包装又はそれら構成要素の特性。
2.4 識別表示 利用者が紙製又はプラスチック製容器包装であることなどを容易に識別できるように
設ける表示。
2.5 材質表示 より高度のリサイクルを推進するために,プラスチック製容器包装などの材質(ポリエ
チレンなど)の表示。
3. 識別表示及び表示方法
3.1 表示の共通事項 識別表示は,印刷,刻印,浮出し(Emboss)など容易に表示が消えない方法で表
示する。また,材質表示は JIS K 6899,材質識別表示は JIS K 6999 の規定による。
なお,識別表示を記載する場所がない容器包装の場合には,受渡当事者間の協定によって省略しても
よい。ただし,リサイクル表示又はリユース/リサイクル表示は,外箱,納入仕様書などに記載するも
のとする。紙の場合の材質表示は,“PAPER”の文字を入れる。
3.2 リサイクル表示 リサイクル表示は,JIS Q 14021 に規定のメビウスマーク(リサイクルマーク)
と JIS K 6999 に規定の材質識別表示とによって構成する。その表示は図1のように表示することが望
ましい。リサイクルマーク高さは,印刷の場合には 6mm 以上,刻印又は浮出し加工の場合には 8mm 以上
とする。また,材質表示の高さは,3mm 以上とする。
メビウスマークは,白抜き又は黒塗りのいずれでもよいこととする。
a)プラスチックの例 b)紙の例
>PS< >PAPER<く
材質識別表示
図1 リサイクル表示の例
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>PS<
3.3 リユース/リサイクル表示 リユース/リサイクル表示は,リユースマーク(REUSABLE)とリサイク
ル表示(リサイクルマーク及び材質識別表示)とによって構成する。その表示は図2のように表示するこ
とが望ましい。リサイクル表示部分の大きさは,3.2 と同じ大きさとし,印刷の場合には 6mm 以上,刻
印又は浮出し加工の場合には 8mm 以上とする。リユースマーク(REUSABLE)の大きさは,高さ 3mm 以上と
する。
REUSABLE
図2 リユース/リサイクル表示
4. 容器包装における識別表示場所
4.1 容器包装における識別表示場所の共通事項 容器包装に識別表示する場所は,容器包装の表面と
し,外側から確認できる場所とする。
4.2 代表的な容器包装の識別表示の例
a) 包装容器を構成する材料が単一の部材で構成されている場合の表示例 リールの表示例を図
3に示す。
図3 包装容器を構成する材料が単一の部材で構成されている場合の表示例
REUSABLE ← リサイクルマーク表示
>PS< ← 材料表示
← メビウスマーク
マーク表示
マーク表示の拡大図
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b) 容器包装を構成する材料が二種類以上の部材で構成されている場合の表示例 リユースバル
クケースの表示例を図4に示す。
二種類以上の部材で容器包装が構成されていることを,二つのメビウスマークで示す。主要部
材を上部に表示し,その他の部材を下部に表示する。その他の部材には,それぞれの材料表示を
行う。
図4 容器包装を構成する材料が二種類以上の部材で構成されている場合の表示例
REUSABLE ← リユースリサイクル表示
>ABS< ← 主要構成材料
← メビウスマーク
← メビウスマーク
>OTHER< ← その他
マーク表示
マーク表示の拡大図 →
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附属書1(参考) リユース/リサイクル表示に関する関連法令,規則及び規格
1. リユース/リサイクル表示に関する関連法令,規則及び規格による識別表示の調査内容を附属書1
に参考として記載する。
2. 調査したリユース/リサイクル表示に関する関連法令,規則及び規格は,次による。
1) ISO 7000 :附属書1 表(1)
2) JIS Q 14021 及び ISO 14021 :附属書1 表(2)
3) DIN 6120 :附属書1 表(3)
4) EU「Reusable packaging」表示 :附属書1 表(4)
5) 資源の有効な利用の促進に関する法律の識別表示 :附属書1 表(5)
6) 日本プラスチック工業連盟,自主的容器類材質表示方式 :附属書1 表(6)
7) 米国プラスチック工業協会,SPI コード :附属書1 表(7)
8) 段ボールリサイクル協議会,リサイクル推進シンボル :附属書1 表(8)
9) JIS K 6899-1 及び ISO 1043-1 他(→材質記号) :附属書1 表(9)
10) JIS K 6999 及び ISO 11469(→識別表示) :附属書1 表(10)
3. 調査の要点を,次の各項に示す。
1) リサイクルに関する表示は,DIN 規格,ISO 規格及び JIS,資源の有効な利用の促進に関する法
律の識別表示,日本プラスチック工業連盟の自主的容器類材質表示方式などがある。資源の有
効な利用の促進に関する法律の識別表示の独自表示以外は,これまで ISO 7000 及び DIN 規格に
規定されたいわゆるスリーアローが一般的であるが,今後は JIS Q 14021(ISO 14021)のメビウ
スループが主となることが予想される。実際 JIS Q 14021 では,メビウスループのデザインは
ISO 7000 の図記号番号 1135 の要求事項に合致していなければならないとしており,これを溯る
と DIN 6120 Part 1 にたどり着く。
2) リユースに関する表示は,EUでは,解説に説明する指令 94/62/EC に「Reusable packing」と
して,提案された経緯があるが,実施には至っていない。
3) 材質表示は,米国プラスチック工業協会の SPI コードと JIS(ISO 規格)による表示が一般的であ
り浸透している。
4) 段ボールを除く,紙に関する材質表示は,日本の容器包装以外にない。
5) 段ボールのリサイクルに関しては,国際リサイクル・シンボルが策定され,2001 年 2 月に日本
版ガイドが段ボールリサイクル協議会から発行された。
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附属書1 表 法令/規制/規格での表示方法
法令/規制/規格 対象物 表 示 方 法
(1) ISO 7000
<リサイクル>
全般 図記号番号 1135
材料が回収/リサイクル過程の一部であることを示す一般
的な表示。
(2) JIS Q 14021
(ISO 14021)
<リサイクル>
全般 現時点では,メビウスループ(ISO 7000 の図記号 1135)だけ
が登録されている。この規格で規定されていない他のマー
ク(シンボル)は,適切な時期の導入が予測される。
メビウスループを使用し,リサイクル材料含有率に関して
主張する場合には,3 種類の表示を記載。数字及び%でマー
クに付けて表示する。
リサイクル可能な場合
リサイクル材料含有率を併記する場合
(3) DIN 6120
<リサイクル
(+材質)>
包装材 DIN 6120 Part 1:スリーアローマーク
一般的な図形表示 一般的な簡略図形表示
DIN 6120 Part 2:スリーアローマーク+材質追加表示
DIN 6120 Part 2 では,Part 1 記載の図形記号と関連させ
て出来る限り材料の特徴を表わす表示とすべき,とある。
備考 表中,法令/規制/規格欄の“< >”部は,その表示方法が表わす機能を述べている。
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附属書1 表 法令/規制/規格での表示方法(つづき)
法令/規制/規格 対象物 表 示 方 法
(4) EU
「Reusable
Packaging」表示
(96/C 382/05)
<リユース・
リサイクル>
包装材 提案されたが実施には至っていない。
再生使用可能パッケージング リサイクル可能パッケージ
ング
Reusable packaging Recyclable packaging
(5) 資源の有効
な利用の促進に
関する法律
<リサイクル・
材質>
紙/
プラス
チック
独自の識別表示(紙とプラスチックとで違う)の中に紙又は
プラの文字が入る。表示の下に材質名又は使用箇所を明記
する。識別表示と離して材質表示だけを表示してもよい。
紙製容器包装 プラスチック製容器包装
一括して表示する場合
識別表示に付帯して表示する場合
>PE<
識別表示と離して表示する場合
一括して表示する場合における識別表示と
材質又は素材表示との併記方法
備考 表中,法令/規制/規格欄の“< >”部は,その表示方法が表わす機能を述べている。
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附属書1 表 法令/規制/規格での表示方法(つづき)
法令/規制/規格 対象物 表 示 方 法
(6) 自主的容器
類材質表示方式
(日本プラスチッ
ク工業連盟)
<リサイクル・
材質>
プラス
チック
スリーアローマークの中に材質を表す数字及びマークの下
に英記号を追加する
(7) 米国プラス
チック工業協会
SPI コード
<リサイクル・
材質>
プラス
チック
スリーアローマークの中に材質を表す数字及びマークの下
に英記号を追加する。(前項と同じ)
(8) 段ボールリ
サイクル協議会
<リサイクル>
段ボー
ル
段ボールのリサイクル世界共通シンボル。
シンボル利用する場合は,その周辺に「ダンボールはリサ
イクル」等の表示をそれぞれの国での言葉で併記する。
(9)JIS K 6899
-1,2,4
(ISO 1043-1,2,4)
<材質記号>
プラス
チック
材質略語を表示する
材質記号例:ABS アクリルニトリル/ブタジエン/
スチレン
PA ポリアミド
PC ポリカーボネート
PE ポリエチレン
PET ポリエチレンテレフタレート
PP ポリプロピレン
PS ポリスチレン
(10) JIS K 6999
(ISO 11469)
<識別表示>
プラス
チック
適切な記号又は略語を区切りマーク“>”及び“<”に
挟んで表示する
材質表示方法例:>PE<
備考 表中,法令/規制/規格欄の“< >”部は,その表示方法が表わす機能を述べている。
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附属書2(参考) リユース及びリサイクルに関する JEITA でのアンケート結果
JEITA の会員各社へのリユース及びリサイクル表示に関するアンケート結果を下表に示す。
附属書2 表 JEITA でのアンケート結果
部品
メーカ
材料
メーカ
実装
メーカ その他 備 考 アンケート事業所
有効回答 60 49 6 3 2
対象包装材
リール 41 5 2 1
スティックマガジン 25 0 2 1
トレイ 20 1 3 1
バルクケース 4 1 3 1
その他 0 2 0 0 キャリアテープ 2
リユース表示について
済み 5 1 0 0
44 5 3 2
導入
未導
入 予定有 2 0 0 0 2001/4,2002/1
有り 4 0 0 0 客先要望の有無
無し 1 1 0 0
表示がある 4 1 0 0 I マーク,R マーク他
有り 2 0 0 0
客先 2 0 0 0
表示の
元有無
無し 0 0 0 0
公開可 0 0 0 0 有り
公開否 0 0 0 0
工業所
有権の
有無 無し 0 0 0 0
リサイクル表示について
済み 21 5 1 1
28 1 2 1
表示の
導入 未導
入 予定有 2 0 0 0 2001/4,2001/5
有り 6 3 0 0 客先要望の有無
無し 15 2 1 1
表示がある 18 4 1 1
有り 13 0 1 1
資料 13 0 1 1
材質表示,JIS,ISO規格,DIN規
格,オーストリア法令,日本プ
ラスチック連盟,SPI マーク
表示の
元の有
無 無し 0 4 0 0
公開可 0 3 0 0 有り
公開否 0 0 0 0
工業所
有権の
有無 無し 11 0 1 0
JEITA 規格化について
賛成 39 2 3 1
PG 参加 4 0 0 0
採用 35 2 2 1
JEITA 規
格化
反対 10 3 0 1