ipv4アドレス在庫枯渇問題について 2008年9月26日 jaipa 「地 …
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第1回IPv4アドレス枯渇対応テクニカルセミナー
IPv4アドレス在庫枯渇状況とアドレスポリシー動向
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
IP事業部 サトウススム
第1回IPv4アドレス枯渇対応テクニカルセミナー
IPv4アドレス在庫枯渇状況とアドレスポリシー動向
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IPv4アドレス空間・現在の利用状況
(2008年9月24日現在 http://www.iana.org/assignments/ipv4-address-space から作成)
51
4129
26
28
16
16
2
1
6
1
39
VariousRegistry
CentralRegistryARIN
RIPENCC
APNIC
UNALLOCATED
LACNIC
AfriNICIANA Reserved
Class E
Multicast
Private Use
RFC3330
/8単位で単一組織への歴史的割り当て
複数レジストリで共有
現在の未割り振りIPv4アドレス空間
最後の5個は各RIRに均等に分配される
Historical
Resources
RIR’s
Pool
Address
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国別IPv4アドレス分布
25.2
2.1
3.9
4.1
4.4
4.7
5.1
7.2
8.9
10.0
86.0
0 20 40 60 80 100
/8ブロックの数
US
CN
JP
EU
GB(UK)
DE
CA
FR
KR
AU
others
2008年9月24日現在
http://nami.jp/ipv4bycc/total.php から
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IANAからRIRsへの/8ブロックの分配状況
0
2
4
6
8
10
12
14
1999
2000
2001
2002
2003
2004
2005
2006
2007
2008
AfriNIC
LACNIC
APNIC
RIPE NCC
ARIN
2
4
6
45
9
13
10
13
4
/8ブロック数
(2008年9月24日現在)
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IPv4アドレス在庫枯渇の現状
現在の残り
44 x /8
Geoff Huston ”IPv4 Address Report” より (http://www.potaroo.net/tools/ipv4/)
未分配IPv4アドレスの在庫は2010~2011年になくなると予測
IANA在庫は2010年後半に枯
渇(予想)
全RIRs在庫は2011年後半に枯渇(予想)
最後の5個の/8がいっぺんに分配さ
れる
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JPNICにおける
IPv4アドレス割り振り推移
0
20
40
60
80
100
120
140
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
2004年度
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
0
100
200
300
400
500
600
700
800
900
年間割り振り数 総割り振り数/16の個数 /16の個数
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JPNICにおける
IPv6アドレス割り振り・割り当て推移
0
1000
2000
3000
4000
5000
6000
7000
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
2004年度
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
割り当て件数 割り振り件数
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枯渇関連ポリシーの分類
A) IPv6の普及を目指すポリシー
基準を見直し、IPv6アドレスの分配を促進するためのポリシー提案
APNICでは検討は一段落し、施行済み
B) 未分配IPv4空間の最後の分配に関わるポリシー
主に、IPv4アドレス枯渇直前の分配に関するもの
ほぼ議論は決着し、コンセンサスを得て施行準備へ
C) 枯渇前後のIPv4アドレス効率利用に関わるポリシー
アドレス移転と回収・再分配の両面から議論中
移転に関する議論は2009年2月に向けて活発化
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A) IPv6の普及を目指すポリシー
IPv6 PIアドレスの割り当てIPv6でマルチホーム接続を行うための割り当てを可能にする
最小割り当てサイズは/48
IPv6アドレス初回割り振り基準の変更現在IPv6アドレスの割り振り条件として課せられている「200の顧客に割り当てる計画がある」という数的要件の撤廃
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B)最後のIPv4アドレスの適正な分配に関わるポリシー
IANAからRIRへの最後のIPv4アドレスの分配IANA在庫の最後の/8ブロック5個を予約し、そこまで分配した時点で5RIRsに1つずつ分配してIANA在庫の分配を完了する
グローバルポリシ提案とするため他の4RIRでもコンセンサス
APNIC在庫の最後の/8の分配方法上記のポリシーでAPNICに分配された/8をLIRに分配する際のポリシーとして、このブロックからの割り振りは1組織一律/22とする(利用用途などその他の要件は設けない)
予期せぬ事態に備えて当該/8空間から/16をリザーブする
IPv4割り振り承認期間の12ヶ月から6ヶ月への短縮現在最大12か月分の需要を満たすサイズを承認しているものを最大6ヶ月分に縮小する
IPv4アドレス在庫をより均等により多くの組織に分配する機会が出来るが申請者とレジストリ双方の手間が倍になる
このポリシーにより、現行ポリシーで分配出来るIANA在庫は残り34個となる
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C)枯渇前後のIPv4アドレス効率利用に関わるポリシー
歴史的経緯を持つPIアドレスの効率的な利用IPv4アドレスの割り振り時に歴史的PIアドレスを持っている場合はその利用状況についても確認して精査する
IPv4アドレスの移転を認める提案枯渇後もIPv4アドレスの需要に対応できるようにするため現在禁止されているIPv4アドレスの移転を認める
現行ポリシーのままではアドレスの闇取引などが発生する恐れがあり、その場合、データベースの登録情報が正確に維持できなくなる可能性が出てくる
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IPv4アドレス移転ポリシー議論について
提案ポリシーの前提についてIPv4アドレスの需要は継続する(少なくとも短期的には)
分配済み空間に余剰が存在する可能性がある(特に歴史的PIアドレス)
移転を認めない場合の懸念移転がレジストリに無断で行われ、DBに正しい情報が反映されない可能性がある
DBの正確性が損なわれ、アドレス/ネットワーク管理面で混乱を来たす可能性がある
移転を認めた場合の懸念金銭取引によるアドレスの資産化、課税?、国際取引ルールや法制度の整備?、独占、買い占めなどへの対応
しかし移転を認めたとしてもいわゆる旧classAアドレス /8ブロック40個あまりは、いずれも部分的に利用されており、返却などによる再活用には、アドレス空間の整理・付け替えが必要。
/8ブロック数個の返却しか見込めない
移転が認められても、供給される中古IPv4アドレスの量は今の需要ペースを満たすには程遠い見込み
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今後のアドレスポリシー議論の予定
2008年10月15日~17日 ARIN XXII (Los Angeles)
2008年10月26日~30日 RIPE 57 (Dubai)
2008年11月26日Internet Week 2008 BoFまたはHappy Hour (予定)
2008年11月27日JPNICオープンポリシーミーティング(東京・秋葉原コンベンションホール)
2009年2月18日~27日 APNIC27 (Manila)
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まとめ
アドレス需要の継続により、未分配空間のIPv4アドレスは2010~2011年頃には枯渇する
ポリシー面では、IPv6促進とIPv4未分配空間の最終分配方式についてはほぼ決着がついた
アドレスの移転、回収・再分配については今後半年から1年が検討・議論の正念場を迎える
但し、移転、回収・再分配により供給される中古IPv4アドレスの量は、現在の需要ペースを満たすには程遠い見込み
移転、回収・再分配をアテにするのは危険