information systems engineering 情報通信を進化させる 生活...

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36 リポート Information Systems Engineering 情報通信を進化させる 半導体デバイス 研究分野 研究内容 LSI の基本デバイスの高機能化、高性能化、高密度化と新機能デバイス の研究によって LSI 技術のさらなる発展に寄与していきます。 半導体技術は、将来の情報通信技術を支える重要なものですが、微細化に伴う多くの課題 の解決や新たな機能を備えた新デバイスなどが求められています。当研究室では、半導体 デバイス、大規模集積回路(LSI)設計、シミュレーションを柱として研究を行っています。 具体的には、次のような研究に取り組んでいます。 (1) 微細MOSFET 特性の評価・解析技術 (2) システムLSI用高精度CMOSアナログ技術 (3) LSIと共存可能な発光デバイス (4) センサ用半導体デバイスのシミュレーション (5) ナノ領域半導体デバイスのシミュレーション LSI技術では、微細化とともに特性のバラツキや信頼性について多くの課題が生じています。とくに基本デバイスであるMOSFET の評価・解析のための新たな技術の開発を目指します。さらに、基準電圧回路など高精度CMOSアナログ技術を応用し、微細化 に対応したLSI回路技術の開発を進め、センサシステム等の分野への展開を図ります。また、新しい応用が期待できるLSIと共存可能 なシリコン系材料を用いた発光デバイスの研究を行っています。シミュレーションでは、新デバイス開発の物理現象の解明を目標と しています。とくに、量子力学的な効果が無視できないナノ領域半導体デバイスのシミュレーションは、重要な研究テーマです。 通信ネットワーク工学講座 教授  松田 敏弘 通信ネットワーク工学講座 准教授  岩田 栄之 VLSI 設計、発光デバイス、デバイス・シミュレーションに関する研究 高精度 CMOS アナログ回路の応用 ナノMOSFET簡易解析モデル の定式化 その他の研究 半導体材料におけるバンド構造 の高精度計算 LSI と共存可能な発光デバイス ナノ領域半導体デバイスの シミュレーション LSI に搭載可能な MOS 構造の発光 デバイス 希土類元素(Tb:テルビウム)を導入 した酸化膜に電圧を加えて発光 緑色の発光を確認 低コストで高精度な触覚センサ ロボットハンドやゲーム機のコントローラ などへの応用 私達の研究のポイント (*) (*) 圧力を 静電容量(C)の 変化として検出 静電容量(C)を 電圧(V)に変換 集積回路(LSI) 顕微鏡像 Tb 導入型発光デバイス 発光像 ダブルゲート MOSFET の構造 バンド構造効果を導入した場合の D - D 特性 I V 26

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Page 1: Information Systems Engineering 情報通信を進化させる 生活 …通信ネットワーク工学講座 教授 松田 敏弘 通信ネットワーク工学講座 准教授 岩田

37 Information Systems Engineering

生活支援にかかわるICT応用に関する研究

ユビキタスネットワーク

高速・モバイルネットワーク、GPS、携帯型情報処理端末や地理情報システム(GIS)などを駆使し、「誰もが」安心して快適な生活が送れるようにするための技術に関して研究開発を行います。

● ニーズオリエンテッド / サービスオリエンテッド な研究開発を重要視して進めます。

● まず高齢者や障害者の生活支援にかかわる分野での ICTの利活用を検討し、その後一般社会への展開を図ります。

● 産学連携によって、RFIDタグ の高度利活用やセンサーネットワークの活用による新サービス創出を目指します。

通信ネットワーク工学講座

教授 松本 三千人

リポート

研究分野

研究内容

私の研究のポイント

遠隔からの活動支援システム○位置に関する情報を持った空間データを統合的に管理・加工し、視覚的に表示し、高度な分析や迅速な判断を可能とする地理情報システム (GIS) の高度利活用を図ります。

○位置特定技術をベースに新しいサービスの創出を目指します。

 

 (*)

(*)

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情報システム工学科

38 Information Systems Engineering

シミュレーションを用いた電波応用システム開発

宇宙電波工学、コンピューターシミュレーション

本研究室では、コンピュータシミュレーションを用いて、電磁ノイズシールド法 の開発や宇宙電磁環境調査、電波観測装置の開発など、電波を利用した研究を行っています。

電磁波に関する様々な問題に対して、コンピュータシミュレーションを利用して現象を再現し、電磁波の挙動を目に見える形で検証して問題解決を図ります。電離圏や宇宙空間、地中、コンクリート内部など特殊な環境下における電波伝搬シミュレーションも行っており、人工衛星搭載用電子機器の電磁ノイズシールド法の研究やコンクリート内部探査システムの開発なども手掛けています。

通信ネットワーク工学講座

准教授 三宅 壮聡

リポート

研究分野

研究内容

私の研究のポイント

(*)

電子機器のノイズ対策

人工衛星搭載の電子機器から発生する電磁ノイズをシミュレーションで分析し、最適なシールドを実現しました。

シミュレーションモデル

太陽センサ ワイヤ

アンテナ

36

リポート

Information Systems Engineering

情報通信を進化させる半導体デバイス研究分野

研究内容

LSIの基本デバイスの高機能化、高性能化、高密度化と新機能デバイスの研究によってLSI 技術のさらなる発展に寄与していきます。

半導体技術は、将来の情報通信技術を支える重要なものですが、微細化に伴う多くの課題の解決や新たな機能を備えた新デバイスなどが求められています。当研究室では、半導体デバイス、大規模集積回路(LSI)設計、シミュレーションを柱として研究を行っています。具体的には、次のような研究に取り組んでいます。(1) 微細MOSFET 特性の評価・解析技術(2) システムLSI用高精度CMOSアナログ技術(3) LSIと共存可能な発光デバイス(4) センサ用半導体デバイスのシミュレーション(5) ナノ領域半導体デバイスのシミュレーション

LSI技術では、微細化とともに特性のバラツキや信頼性について多くの課題が生じています。とくに基本デバイスであるMOSFETの評価・解析のための新たな技術の開発を目指します。さらに、基準電圧回路など高精度CMOSアナログ技術を応用し、微細化に対応したLSI回路技術の開発を進め、センサシステム等の分野への展開を図ります。また、新しい応用が期待できるLSIと共存可能なシリコン系材料を用いた発光デバイスの研究を行っています。シミュレーションでは、新デバイス開発の物理現象の解明を目標としています。とくに、量子力学的な効果が無視できないナノ領域半導体デバイスのシミュレーションは、重要な研究テーマです。

通信ネットワーク工学講座

教授 松田 敏弘

通信ネットワーク工学講座

准教授 岩田 栄之

VLSI設計、発光デバイス、デバイス・シミュレーションに関する研究

高精度CMOSアナログ回路の応用

ナノMOSFET簡易解析モデルの定式化

その他の研究

   半導体材料におけるバンド構造の高精度計算  

LSI と共存可能な発光デバイス ナノ領域半導体デバイスのシミュレーション

LSIに搭載可能なMOS構造の発光   デバイス 希土類元素(Tb:テルビウム)を導入した酸化膜に電圧を加えて発光   緑色の発光を確認

低コストで高精度な触覚センサ ロボットハンドやゲーム機のコントローラ などへの応用

私達の研究のポイント

(*)

(*)

圧力を静電容量(C)の変化として検出

静電容量(C)を電圧(V)に変換集積回路(LSI)

顕微鏡像Tb導入型発光デバイス

発光像

ダブルゲート MOSFET の構造

バンド構造効果を導入した場合の D- D 特性 I V

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情報システム工学科

工 

学