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データベース 登録 2010.9 シーズ名 テレビ映像資料のアーカイブ構築とネットワーク化についての研究 氏名・所属 等 石田 佐恵子、文学研究科、教授 <概要> 学会における最新の潮流では、「テレビ研究にはテレビ番組分析が不可欠」との認識が広く共有され、 テレビ研究の意義が再評価されつつあります。 しかし、日本においては、メディア研究に不可欠な分析対象、テレビ番組・テレビCM・映画作品・ ラジオ番組など、資料そのものに研究者がアプローチすることが極めて困難な状態が長く続いてきま した。近年、フランス・イギリス・アメリカ・韓国・中国などにおいては、テレビ番組や映像資料を 公的に保存・管理し公開する施設整備が飛躍的に進んでいるのに対して、日本における公的映像アー カイブはいまだに十分に整備されておらず、その方策も定まっていないのです。日本におけるメディ ア文化研究が、諸外国に肩を並べる水準を確保するためには、体系的に収集・蓄積され系統的に分類・ 整理された、検索と広範な利用が可能な映像アーカイブの整備がなによりも急務なのです。 当研究では、より体系的で網羅的な映像アーカイブ構築を目標として、それに必要な諸条件の検討、 基礎的研究を継続的に行います。さらに、期間と分野を限定して、網羅的に映像資料のデータ収集を 行います。収集された映像データは、随時分析資料としても活用しつつ、より効率的で研究・教育目 的に特化した映像アーカイブのあり方を模索していきます。最終的には、公的映像アーカイブ施設の 設置を目標とした研究者・研究機関ネットワークを拡大し、望ましい映像アーカイブのデザインの提 言を目指すことを目標としています。 <アピールポイント> 当研究は、公的映像アーカイブ、研究機関における映像資料アーカイブ、民間・インデペンデント機 関のアーカイブ、私的映像アーカイブを結ぶネットワークを構築することを目指すものです。近年、 インターネットにおけるデータ検索の充実は、人文科学・社会科学系の学問の基礎的データ共有に大 きく貢献し、研究のあり方そのものを変えるような影響を及ぼしています。世界規模で押し進められ ている映像資料アーカイブの公開と共有は、残念なことに、日本発信のデータを欠いたまま展開され ています。当研究において収集され公開されるデータは、その欠落を埋めるためにもきわめて重要な のです。 映像を撮影する/見る/保存する/公開する、といった映像経験がもたらす社会的影響はますます注 目されてきており、映像研究全般に対する社会的ニーズはますます高まっています。それらの状況を 受けて、英米圏の社会学会においては「映像社会学」という新しい研究分野が確立されつつあります。 当研究は、日本における映像社会学の展開と発展のための第一歩となるでしょう。 <利用・用途・応用分野> 映像制作者、市民による情報発信、映像・テレビ文化研究、メディア・リテラシー教育 アーカイブスの公共性、公的映像ライブラリ構築 <関連する知的財産権> 著作権、クリエイティブ・コモンズ <関連するURL> UCRCエスノグラフィック映像コレクション http://ucrc.lit.osaka-cu.ac.jp/movie/ 持続可能な文化アーカイブ研究会 http://ucrc.lit.osaka-cu.ac.jp/movie/samc/ 萬年社コレクション調査研究プロジェクト http://ucrc.lit.osaka-cu.ac.jp/mannensha/index.php 石田佐恵子HP http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/user/ishita/ キーワード テレビ文化研究、公的映像アーカイブ、メディア社会学

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Page 1: index [] · 学会における最新の潮流では、「テレビ研究にはテレビ番組分析が不可欠」との認識が広く共有され、 テレビ研究の意義が再評価されつつあります。

データベース

登録

2010.9

シーズ名 テレビ映像資料のアーカイブ構築とネットワーク化についての研究

氏名・所属 等 石田 佐恵子、文学研究科、教授

<概要>

学会における最新の潮流では、「テレビ研究にはテレビ番組分析が不可欠」との認識が広く共有され、

テレビ研究の意義が再評価されつつあります。

しかし、日本においては、メディア研究に不可欠な分析対象、テレビ番組・テレビCM・映画作品・

ラジオ番組など、資料そのものに研究者がアプローチすることが極めて困難な状態が長く続いてきま

した。近年、フランス・イギリス・アメリカ・韓国・中国などにおいては、テレビ番組や映像資料を

公的に保存・管理し公開する施設整備が飛躍的に進んでいるのに対して、日本における公的映像アー

カイブはいまだに十分に整備されておらず、その方策も定まっていないのです。日本におけるメディ

ア文化研究が、諸外国に肩を並べる水準を確保するためには、体系的に収集・蓄積され系統的に分類・

整理された、検索と広範な利用が可能な映像アーカイブの整備がなによりも急務なのです。

当研究では、より体系的で網羅的な映像アーカイブ構築を目標として、それに必要な諸条件の検討、

基礎的研究を継続的に行います。さらに、期間と分野を限定して、網羅的に映像資料のデータ収集を

行います。収集された映像データは、随時分析資料としても活用しつつ、より効率的で研究・教育目

的に特化した映像アーカイブのあり方を模索していきます。最終的には、公的映像アーカイブ施設の

設置を目標とした研究者・研究機関ネットワークを拡大し、望ましい映像アーカイブのデザインの提

言を目指すことを目標としています。

<アピールポイント>

当研究は、公的映像アーカイブ、研究機関における映像資料アーカイブ、民間・インデペンデント機

関のアーカイブ、私的映像アーカイブを結ぶネットワークを構築することを目指すものです。近年、

インターネットにおけるデータ検索の充実は、人文科学・社会科学系の学問の基礎的データ共有に大

きく貢献し、研究のあり方そのものを変えるような影響を及ぼしています。世界規模で押し進められ

ている映像資料アーカイブの公開と共有は、残念なことに、日本発信のデータを欠いたまま展開され

ています。当研究において収集され公開されるデータは、その欠落を埋めるためにもきわめて重要な

のです。

映像を撮影する/見る/保存する/公開する、といった映像経験がもたらす社会的影響はますます注

目されてきており、映像研究全般に対する社会的ニーズはますます高まっています。それらの状況を

受けて、英米圏の社会学会においては「映像社会学」という新しい研究分野が確立されつつあります。

当研究は、日本における映像社会学の展開と発展のための第一歩となるでしょう。

<利用・用途・応用分野>

映像制作者、市民による情報発信、映像・テレビ文化研究、メディア・リテラシー教育

アーカイブスの公共性、公的映像ライブラリ構築

<関連する知的財産権>

著作権、クリエイティブ・コモンズ

<関連するURL>

UCRCエスノグラフィック映像コレクション http://ucrc.lit.osaka-cu.ac.jp/movie/ 持続可能な文化アーカイブ研究会 http://ucrc.lit.osaka-cu.ac.jp/movie/samc/ 萬年社コレクション調査研究プロジェクト http://ucrc.lit.osaka-cu.ac.jp/mannensha/index.php 石田佐恵子HP http://www.lit.osaka-cu.ac.jp/user/ishita/

キーワード テレビ文化研究、公的映像アーカイブ、メディア社会学

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2010.9

シーズ名 文化財分野へのデジタル技術の利用

氏名・所属 等 岸本 直文、文学研究科・日本史専修、准教授

<概要>

測量機器の進歩により、3 次元レーザースキャンが簡易に行えるようになり、従来のステレオ写真に

よるアナログ的な立体把握と異なり、対象物の 3 次元データを緻密なピッチで大量に取得することが

可能となった。こうしたスキャニングは、遺跡の現状や発掘調査の状況を記録する上で、きわめて有

用なものであり、今後、文化財分野への導入が進むと予想される。

文化財への応用は幅広く

可能であるが、そのひとつ

として、古墳時代の横穴式

石室を取り上げた(奈良県

広陵町・牧野古墳)。1日

の計測で、恒久的な全デー

タを取得でき、さまざまな

加工が可能である。ここで

は、基本的な展開図に加工

した画像を示す。石のひと

つひとつの微妙な起伏も

含めて、石材特徴をつかむ

ことができる。

<アピールポイント>

以前までの手測りによる 2 次元図に比べて、簡易かつ正確で、加工が自由であることを考えると、

経費的にも割高なものではなく、文化財の記録方法としてきわめて有効である。

<利用・用途・応用分野>

今後、容易に近づけない高石垣や磨崖仏、記録保存の発掘調査における掘り上がり状態の記録化など、

文化財分野における幅広い適用が可能である。

キーワード 文化財、遺跡、3 次元計測、デジタル技術

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2010.9

シーズ名 Google 検索による英語語法学習・研究法

氏名・所属 等 衣笠 忠司、文学研究科・言語応用学専修、教授

<概要>

1) Google 検索・Yahoo 検索の効率的な利用法

2) BNC などの英語コーパスを用いた文書作成への利用法

3) 対訳本をもちいた日英比較研究

4) 英和辞典などの辞書の編纂

<アピールポイント>

Google 検索や Yahoo 検索および英語コーパス検索のきちんとした利用法がわかると、英語の文書作

成に大いに役立つ。

<利用・用途・応用分野>

日英比較研究や語法研究は英和辞典などに成果を利用できる。

Google 検索や英語コーパス検索は、その表現が適切かということを知るのに役立つので、

上手な利用法は企業の文書作成に大いに参考になる。

<関連する知的財産権>

特になし

<関連するURL>

特になし

キーワード Google、Yahoo、文書作成、英和辞典

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2010.9

シーズ名 GISおよびWeb-GISによる3次元地質モデルの構築

氏名・所属 等 升本 眞二、理学研究科・生物地球系専攻、教授

<概要>

地質情報は我々の生活の基盤を支える空間情報の重要な要

素の1つです.環境や防災などの問題解決,あるいは地下利用

などには,地質情報は不可欠であり,その必要性は高まってい

ます.このような社会の要求に答えるために,地質学に基礎を

おいた地質情報の処理・活用に関する理論構築,およびシステ

ム開発等を行っています.高精度で信頼性の高い地質情報を,

各種の問題解決に有効に利用できる情報として発信すること

が研究の目的です.

地質学的な各種情報(ボーリングデータ,野外調査データな

ど)をデータベース化し,GIS(地理情報システム)を用い

て3次元空間の地質分布を表す3次元地質モデルを構築する

研究,Web-GISを用いてこれらの地質情報を発信する研

究などを行っています.

空間情報

3次元地質 モデル

データベース化

地 質 情 報

Web技術 可視化技術

GIS技術

地質解析技術 DB技術

モデリング技術

問題解決

情報発信

3次元地質モデルの表示例 (各種断面図,サーフェース,ソリッド,ボクセルモデルなど)

<アピールポイント>

研究開発に用いるシステム・ソフトウェアは基本的にフリーオープンソースソフトウェア(FOSS)

を用いていますので,誰でも利用,活用,および,さらなる開発が可能です.また,それらの普及の

ための研究も行っています.例えば,世界的に利用されているGISであるGRASSの国際化・日

本語化には私たちの研究が生かされています.

<利用・用途・応用分野>

知的基盤,防災,環境,地下空間,空間情報,3次元可視化など

<関連するURL>

http://www.sci.osaka-cu.ac.jp/~masumoto/vuniv2000/

キーワード 地質情報、3次元地質モデル、GIS、Web-GIS、FOSS

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2010.9

シーズ名 秘匿性と柔軟性のある変調方式の開発

氏名・所属 等 岡 育生、工学研究科・電子情報系専攻、教授

<概要>

一般化直交変調

変調方式は,振幅変調,位相変調,周波数変調などに分類され,異なった変調方式として扱われてき

たため,秘匿性の高い新たな変調方式の開発や,変調方式変更による通信路に対する適応化が容易で

はなかった.このため,これらの変調方式をパラメータ変更で表現することが可能な一般化直交変調

を開発し,これまでに,以下の結果を得ている.

・ 直交位相変調(QPSK),直交振幅変調(QAM),直交符号分割多元接続(CDMA)方式,

直交周波数多重変調(OFDM)方式の変調パラメータを回転平面と回転角で表現した.

・ OFDMからQPSKへの連続回転による新変調方式に対して,ビット誤り率,ピーク電力の関係

を明らかにした.

・ 多元接続におけるマルチユーザ干渉を受けない変調方式の条件を明らかにし,この条件の下での変

調方式の最適化の例を示した.

・ 変調方式の秘匿性の程度を,識別誤り率を用いて評価した.

変調方式識別技術

変調方式を付加情報として受信機に伝えるのではなく,受信機で変調方式を識別する方法について研

究を行っている.受信信号の位相モーメントによる識別法,振幅モーメントによる識別法,余弦モー

メントによる識別法,ならびに,これらを効果的に組み合わせた識別法を開発し,理論解析と計算機

シミュレーションを用いて PSK,QAM などに対する識別能力を明らかにしている.

さらに,一般化直交変調モデルを用いた種々のブロック直交変調方式の識別方式,ならびに,標本点

のクラスタリング方式ならびにラベリング方式を開発している.

<アピールポイント>

一般化直交変調は,従来の直交変調方式に加え,パラメータを変更することによりすべての直交変調

方式まで定義できる変調方式である.これは,変調信号をブロック化して多次元空間で表現し,多次

元空間の回転により変調方式を表すもので,その回転平面と回転角が変調パラメータとなる.これに

より,実用化されている変調方式のほとんどすべてを一般化直交変調方式として再度,命名できると

共に,パラメータを連続的に変更すれば,未知の変調方式を表現できる.

本研究は,一般化直交変調の特徴を生かした高いセキュリティ機能をもつ変調方式の開発や,コグニ

ティブ無線,および,ソフト無線への応用に有用である.

<利用・用途・応用分野>

コグニティブ無線,適応変調

キーワード コグニティブ無線,変調方式識別,一般化直交変調,ソフト無線

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2010.9

シーズ名 3次元画像入出力システム

氏名・所属 等 髙橋 秀也、工学研究科・電子情報系専攻、准教授

<概要>

3次元ディスプレイと3次元カメラを組み合わせた、3次元画像入出力システムを研究・開発してい

ます。3次元カメラとは、実写の3次元像を表示するために、3次元の物体の立体情報を取得できる

カメラアレイ・システムです。物体の全周から撮影することにより、360°の立体情報を取得できます。

3次元ディスプレイは、複数の人が3次元表示された物体を同時に様々な方向から観察でき、さらに

表示像に触れることが可能であることが特長です。

<アピールポイント>

開発している3次元ディスプレイは、眼鏡などの特殊な装置を必要とせず、ホログラフィと同等の生

理的に疲れない高品位の自然な3次元像を表示可能な方式を発展させ、ディスプレイの全周にわたっ

て観察者が見ている方向に合わせた3次元像を表示することができます。本システムで表示された3

次元像は、正面から観察すると正面の3次元像が、裏面から観察すると後ろ側から見た3次元像が見

えるというものであり、ディスプレイ上にあたかも実物の物体が浮かんでいるように観察することが

できます。また、3次元カメラは、普通のカメラをアレイ状に並べた簡単な構成で、レーザレンジフ

ァインダー等の距離計測を行う装置より、安価で構成が簡単です。

<利用・用途・応用分野>

表示された3次元像を複数の人が取り囲んで協調作業を行うことが可能となり、デザイン・設計、医

学などの分野において、これまでにない画期的な協調作業環境を提供できます。また、3次元カメラ

によって実在する物体の立体情報を取得することにより、実写画像の全周3次元表示が可能となりま

す。さらに、3次元画像データを伝送することにより、遠距離に離れている人同士の協調作業にも応

用できることはもちろん、ロボットなど機械の遠隔制御やインターネットを利用した遠隔地手術など

への応用も可能です。

・遠隔地にある機械や医療用ロボットなどの制御インタフェース

・新しいヒューマンインタフェースへの応用

・テレイグジスタンス・システム(遠隔存在感)

・セキュリティ、監視システム(広視域3次元情報取得)

・3次元ファクシミリ、3次元TVシステム

<関連するURL>

http://www.ec.elec.eng.osaka-cu.ac.jp/

キーワード 3次元ディスプレイ、3次元カメラ、ホログラフィ、ヒューマンイ

ンタフェース、テレイグジスタンス

図1 3次元画像入出力シス

テムのシステム構成 図2 3次元カメラ

システム 図3 3次元ディスプレ

イによる実写表示

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2010.9

シーズ名 圧電素子を利用した粒子測定技術に関する研究

氏名・所属 等 武智 誠次、工学研究科・電子情報系専攻、講師

<概要>

圧電性材料は、外から加えられた力による変形や歪みから電気を発生させる物質です。例えば、図

1のように、圧電性材料の(a)上下方向の伸びや縮み、(b)左右方向の伸びや縮み、(c)左右方向のずれ

等から、その上下面に付着した電極間に電圧信号が発生します。

図 1 圧電素子の概略図

この特性から、使用できる電力が限られた環境下で、感応素子としての応用が期待できます。

<アピールポイント>

チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)は圧電セラミックスであり、以下のような特徴を持っています。

(1) 加工がしやすく任意の形状を容易に作成できる。

(2) 質量が比較的軽い。

(3) キュリー点が高く(約 250°C)、その温度以下においては温度変化による材料特性の変化が少な

い。(ちなみにキュリー点より高い温度では、圧電性は消失する)

この PZT 圧電素子をリモートセンサーとした高速微粒子や高エネルギー粒子測定に取り組んでいま

す。

<利用・用途・応用分野>

人工衛星搭載用スペースダスト・デブリ観測

放射線計測

キーワード PZT 圧電センサー、スペースダスト・デブリ、放射線

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2010.9

シーズ名 高速演算向き並列計算機とそのアルゴリズム

氏名・所属 等 辰巳 昭治、工学研究科・電子情報系専攻、教授

<概要>

研究内容

高速演算化を目指し、多数個の演算素子を構造的に

構築するため、相似構造を議論するフラクタル幾何

学をベースに、並列計算機モデルを検討し、その性

能を評価する。さらに、シリコンウェハーへの埋め

込み面積を効率的に行う仕組みを考える必要がある。

このため、右図にあるように、リンク結合と共有メ

モリを持つアーキテクチャを考え、演算素子間の高

速伝送を可能としている。提案しているアーキテク

チャをグラフで表現すると、演算素子 27 個からな

る並列計算モデルは、下図(B)となる。さらに、

平面的に埋め込むためには、下図(C)のようなタ

イルを規則的に並べていくことにより、機械的に大

規模化することが容易となる。

(A)結合網FIN-1のシステム・ブロック図

<アピールポイント>

多数の演算素子を、自己相似的に構成することが可能であること。また、タイルを張って大きくする

ことができる。また、計算アルゴリズムの高速実行が可能であり、ソーティングなどの基本アルゴリズ

ム、遺伝的アルゴリズムを用いた組み合わせ最適解の発見などのアルゴリズムの高速演算ができる。

<利用・用途・応用分野>

多数のデータから意味ある情報を発見するデータ・マイニング分野への応用。

ソーティングを組み込んだ処理、たとえば、情報検索、情報圧縮への利用が考えられる。

キーワード マルチプロセッサ、ソーティング、相互結合網、ウェハー埋め込み、

高速演算

1

5

3

4 7

8

02

6

0

5

3

4 7

8

2 1

6

(C)二つの基本タイル埋め込みパターン

PE0

PE1 PE2

PE3 PE4

PE5

PE6

PE7

PE8

PE9 PE10

PE11

PE12

PE13

PE14

PE15

PE19

PE18

PE17 PE16

PE20

PE21

PE22 PE23

PE24PE25

PE26

(B)レベル3のFIN

Interconnection network with bus links

P

LN

Interconnection network with common memory modules

P

LN

P

LM

P:Processor LM:Local memory

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2010.9

シーズ名 画像処理を用いた柔軟で堅牢な認識システムの構築

-高度道路交通システム、画像検索、見守り・監視システム-

氏名・所属 等 ティティ ズイン、工学研究科・電子情報系専攻、特任助教

<概要>

画像処理をベースとして、3つの大きなテーマがある。まず、ITS(高度道路交通システム)における

応用として、交通標識認識、ビジョンベースのカーナビゲーションシステム、歩行者検知、追跡等に

取組み、いつでも(昼夜、気象条件等)、どこでも(高速道路、繁華街等)、歩行者を含む対象物を検

知できるシステムの開発を行った。図1に、従来は難しいと言われてきた歩行者検知に成功した例を

示す。

次に、大規模画像データベースからユーザーが本当に欲しい情報を素早く検索し、入手できるシステ

ムの開発を行った。従来の検索エンジンで使われてきた文字キーワードに代わり、画像そのものを用

いて、関連する画像や情報の検索を可能にするような、柔軟で精度の高い画像類似度の開発に取組み、

情報融合による新しい検索・ランキング手法の開発を行った。図2は、ディジカメで撮影したプーさ

んをクエリーとして画像データベースから検索した結果である。

さらに、安全・安心を守るために 24 時間自動監視・見守りシステムの構築に必要な要素技術の開発

を行った。駅構内や空港などの公共交通空間を主な対象として異常事態をリアルタイムで検知するた

め、画像ベースでの人物行動把握及び持ち

主不在の荷物を発見できるロバストなアル

ゴリズムを開発した。そのため、(1)基本的

な要素技術の確立、すなわち姿勢・動作の

認識アルゴリズムの開発、(2) 認識結果を

集めて正常/異常を判断するための知識

ベースの行動解析・理解、(3)さらに、複数

台カメラシステムを用いて、状況認識の精

度を高める工夫をした。

今後、事前の知識と画像ベースでの認識

結果を照合する新しい手法の開発により、

知的な自動監視・見守りシステムの実現を

目指す。 <アピールポイント>

基本的な取り組みの姿勢としては、よい

条件下でよい結果をあげるのではなく、現実に起こり得る種々の悪い撮影条件下での堅牢な検知・認

識システムの枠組みを構築することに焦点を当ててきた。そのために、単一手法ではなく複数手法を

相補的に用いることにより検知率を上げている。 <利用・用途・応用分野>

ITS(高度道路交通システム)における歩行者検知システム、画像ベースのナビゲーションシステム、

コンテンツベースのマルチメディア検索エンジン、登録意匠検索

安全・安心のための 24 時間見守り・監視システム、不審者・不審物発見 <関連する知的財産権>

[特許]他2件

[1] 『支配的特徴を用いたマルチメディア認識・検索システム』、濱裕光、ティティズイン、パイティン、

濱萬一、特願 2010-86983、平成 22 年 4 月

[2] 『昼夜を問わずに利用可能な頑健性の高い歩行者検出法』、濱裕光、パイティン、ティティズイン、

渋谷喜一郎、特願 2009-38332、平成 21 年 2 月

[3] 『グラフにおけるリンク構造を利用したノードの自動クラスタリング』、濱裕光、パイティン、

ティティズイン、渋谷喜一郎、特願 2009-38325、平成 21 年 2 月 <関連するURL>

http://network.nature.com/profile/UEC911F2B

キーワード 交通標識認識、歩行者検知・追跡、マルチメディア検索、

画像類似度、人物行動把握・姿勢認識

図1 近赤外線を用いた歩行者検知の例

図2 ディジカメで撮影した写真を用いて検索した結果

DatabaseQuery

Output resultsDatabaseQuery

Output results

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2010.9

シーズ名 階層的注意集中モデルと携帯ディスプレイの表示方法

氏名・所属 等 鳥生 隆、工学研究科・電子情報系専攻、教授

<概要>

人は広大な景色を観察するとき、注意を向

ける領域を次々と動かしながら観察してい

る。そのとき、注意の領域の広さも変化させ

ている。例えば、右図のように、最初は広い

領域に注意を向け、次に、中くらいの広さの

領域に注意を移動し、最後に狭い領域に注意

を集中する。

心理学的な実験によって、注意の領域が広

いときは解像度が低く、注意の領域が狭くな

ると解像度が高くなるという事実が確かめら

れている。このことは、注意を向けた領域の

解像度が解像度と領域の面積の積が一定にな

るように定められていることを示唆している

のかも知れない。言葉を変えれば、視覚処理

を行う脳の高次領域へ送るデータ量を一定に

するように解像度が調整されているのかも知

れない。

限られた大きさの携帯端末のディスプレ

イに大きな画像を表示しなければならない状況を考えてみよう。この状況は上記のような視覚的注意

に課せられている状況と似ている。

このような基本的な考え方に基づいて、今回、人の視覚的注意が階層的に集中していくメカニズムを

モデル化し、それを利用して携帯端末の小画面に大きな画像を見やすく表示する方式を開発した。具体

的には、最初に画像の広い領域を縮小してディスプレイに表示する。次に注意を集中するべき小領域を

視覚的注意のモデルに従って計算する。その領域をディスプレイの大きさにズームして表示する。その

後、注意を向けるべき領域を再び計算して、この処理を次々と繰り返す。

<アピールポイント>

携帯の小画面に画像や映像を表示する機会が増えつつあり、提案するような小画面に見やすく表示

する技術の有用性はますます高くなると予想される。

<利用・用途・応用分野>

携帯ディスプレイの小画面に画像や映像を表示する方法として応用できる。例えば、例えば、携帯

ディスプレイで大きな画像を表示するとき、自動ズームに機能をONにすれば提案する方法に従って

画像を表示させる。手動のパン、チルド、ズームの機能も付加しても良い。

<関連する知的財産権>

特になし。

<関連するURL>

特になし。

キーワード 携帯端末、携帯ディスプレイ、小画面表示、視覚的注意

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2010.9

シーズ名 光機能性材料・デバイスの光学的評価

氏名・所属 等 中山 正昭、工学研究科・電子情報系専攻、教授

<概要>

光通信などの光エレクトロニクスに代表される光関連技術分野において、光機能性材料・デバイスは

その基盤を支えるものである。より高度な光機能性材料・デバイスを開発するためには、それらの物

性と性能の評価が必須である。光による物質・材料・デバイス評価の最大のメリットは、高感度で、

かつ、非破壊・非接触ということであり、極めてパワフルなものと言える。「光物性工学研究室」では、

多様な分光法を駆使した光物性の基礎研究において、世界的にも最高レベルの研究実績を有しており、

その研究成果をベースとして、多元的に光機能性材料・デバイスの評価を行うことができる。

(これまでに産学連携の実績がある評価テーマの具体例)

(1) 無機半導体、有機半導体、絶縁体、蛍光材料、シンチレータ材料の光学特性。

(2) 半導体デバイスの光学的評価。

(3) エピタキシャル成長半導体薄膜、ナノ構造半導体(量子井戸、超格子、量子ドット)の光学的評価。

<アピールポイント>

下記の充実した装置群を備えており、最先端の光学的評価が遂行できる。

1. 波長可変フェムト秒/ピコ秒パスルレーザーシステム(波長領域 720-950nm &(第2高調波:

370-450nm)

2. 波長可変ナノ秒パルスレーザーシステム(パルス幅 5ns, 波長領域 720-950nm &(第2高調波:

360-470nm)

3. 高出力ナノ秒パルス YAG レーザー(パルス幅 5ns, 10Hz, 発振波長 1063nm, 532nm, 355nm, 266nm)

4. 低出力高繰り返しナノ秒パルス紫外レーザー(パルス幅 5ns, 10kHz, 発振波長 355nm)

5. cw レーザー[紫外 He-Cd レーザー(1台、325 nm),Ar+レーザー(2台:488 & 514nm)]

6. ピコ秒時間分解発光スペクトル測定システム(時間分解能 20ps, 波長領域 200-850nm)

7. 超高感度(光子計数)発光分光システム (波長領域 200-1400nm)

8. 光・電場変調反射分光システム (波長領域 200-1500nm)

9. ダブルビーム吸収分光光度計 (波長領域 200-900nm)

10. テラヘルツ電磁波発生システム

11. 温度可変光学測定用クライオスタット(4台: 温度制御範囲:4K-室温)

12. 構造解析システム:X線回折装置,原子間力顕微鏡

<利用・用途・応用分野>

発光材料、LED、半導体レーザー、太陽電池、有機 EL、光エレクトロニクス、光通信

<関連する知的財産権>

特になし。

<関連するURL>

http://www.a-phys.eng.osaka-cu.ac.jp/hikari-g/cover.html

キーワード 光機能性材料、光デバイス、光エレクトロニクス、光通信

光吸収、光反射、発光、発光励起スペクトル

(電子状態、不純物・欠陥、発光効率の評価)

超高感度分光: 光変調反射分光、電場変調反射分光

(ヘテロ構造半導体デバイス、ナノ構造半導体の電子状態・光機能性評価)

パルスレーザー励起時間分解発光特性(発光寿命、光励起エネルギー伝達)

(数 10 ピコ秒~マイクロ秒の時間領域における発光ダイナミクスの観点からの光

機能性評価)

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データベース

登録

2010.9

シーズ名 高速な 3 次元計測と体積走査型 3 次元ディスプレイ

氏名・所属 等 宮崎 大介、工学研究科・電子情報系専攻、准教授

<概要>

背景

■3次元情報の利用の増加

■直感的なヒューマンインターフェイスの要望

目的

◇自然な立体感を持つ3次元表示

◇全周囲から多人数で観察可能な 3次元表示

◇高速で高精度な 3次元計測

内容

1.体積走査法に基づく3次元立体ディスプレイ技術

・結像光学系を用いて2次元の空中像を形成し、ミラースキャナによりその像を高速に移動させ、3

次元物体の断面形状を高速に切り替えて表示すると、目の残像作用により3次元像が形成される。

2.全周から観察可能な空中3次元ディスプレイ技術

・半球凹面鏡と回転ミラースキャナを用いて、スクリーンや表示パネルが存在しない空中に3次元像

を形成し,眼鏡等の装着物を必要とせず,周囲360度から多人数で観察可能な立体表示を実現する。

3.傾斜共焦点法による高精度・高速な3次元形状計測技術

・傾斜ピンホールアレイを通過した光を測定対象に照射し、その反射光を再びピンホールを介して検

出することにより、3次元形状を計測。

共焦点法による3次元形状計測 体積走査型3次元ディスプレイ 全周囲観察可能な3次元ディスプレイ

<アピールポイント>

・ 実際に 3次元的な光の分布を形成することにより、スクリーン等が何もない空間中に、特殊な眼鏡

等なしに矛盾のない自然な 3次元像を形成できる。

・ 全周囲から多人数で観察可能な3次元像を形成できる。

・ 従来の共焦点法に基づく 3次元計測法では、測定物体を光軸方向に移動させる必要があるが、提案

手法は、そのような移動が不要となり、高速な3次元計測が行える。

<利用・用途・応用分野>

・実時間3次元映像の伝送を利用した、顕微鏡や内視鏡を用いた診断や手術、バイオ技術における微小

生物の操作など。

・X線 CT や磁気共鳴による 3次元画像を高精度・高解像度で目の疲れにくい 3次元立体像

・製品設計時に立体表示して 3次元形状直感的に把握。

・製品検査、生物額、医学などの分野における高速な3次元計測。

<関連する知的財産権>

登録番号3798212, 宮崎大介,“ 三次元形状計測装置, ”登録日2006年4 月28 日

<関連するURL>

http://picasso.elec.eng.osaka-cu.ac.jp/miyazaki/

キーワード 3 次元計測、3次元ディスプレイ、3次元画像、顕微鏡、ヒューマン

インターフェイス

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登録

2010.9

シーズ名 半導体光増幅器とこれを用いた高効率非線形動作

氏名・所属 等 向井 孝彰、工学研究科・電子情報系専攻、教授

<概要>

半導体レーザをしきい値以下で動作させた共振形光増幅器とその両端面に高精度の反射防止膜を形

成した進行波形光増幅器は、光波のコヒーレントな直接増幅が可能であり光通信や光信号処理におけ

る要素技術、キーデバイスとして位置付けられています。これらの線形光増幅器の基本性能(小信号

利得、帯域幅、利得飽和、雑音指数)の評価を実験・解析を通して行なうと共に、半導体増幅媒質が

高効率な光非線形媒質であることに着目し、増幅形単一モード光導波路に波長の異なる2光波を入射

し、第 3 の新たな光波を発生する光波長変換(近縮退四光波混合)の実験や、広ストライプ活性層に同

一波長の3光波を空間的に配置して入射する縮退四光波混合の実験で、位相共役光を発生する研究を

行っています。

図1 共振形と進行波形の半導体光増幅器

図2 光増幅器における非線形動作:光波長変換と位相共役鏡 図3 近縮退四光波混合(波長変換)

<アピールポイント>

半導体光増幅器の研究分野は、光伝送系への光増幅器の応用(1982)や 1.5μm 帯進行波形光増幅器の

実現(1987)など当該担当者が先導的・主導的に開拓してきた領域である。 <利用・用途・応用分野>

WDM(波長分割多重)光通信用のコヒーレント波長変換器としての応用が期待される。また、半導

体増幅媒質中でセルフポンプで位相共役鏡を形成し発振させることができれば、長期安定性に優れた

半導体光源となることが期待される。 <関連する知的財産権>

向井、井上、齊藤:「半導体レーザ波長変換方法及び変換装置」特願昭 62-167091、特許第 1910345 号

キーワード 光増幅、半導体光増幅器、光波長変換、光位相共役波、光非線形

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登録

2010.9

シーズ名 三次元CT動画像グラフィクスとユーザインターフェース

氏名・所属 等 柳原 圭雄、工学研究科・電子情報系専攻、准教授

<概要>

従来主たる医用放射線画像は2次元画像であり、二次元面で

の解析・計測が行われてきました。近年センサーの発達により

三次元での撮影が容易にできるようになり、さらに時系列での

撮影も可能となりました。結果、時間変化のある3次元画像が

診断の主流になりつつあります。3次元の画像のデータ量は2

次元のものより二桁多く、時間変化を捉えるとさらに2桁多く、

診断を支援するシステムが必要とされてきています。

解決すべき多くの課題があります。

・3次元では個別の臓器や隠れた臓器を人が観察しやすいよう

に表現する必要があります。そのための認識技術が必要であり、

認識結果を適切に表現するCG技術も必要です。

・観察時には、人体の臓器と同じ時間変化で表示でき、また、

観察場所の選択が人間の直感に合わせて自在に変化できること

が必要となります。最近のPCでは高度なCGハードが備わっ

ていることからどのようにソフトで実装をするかが重要です。

・処理の即時性が求められます。動画像を表示しながら認識な

どの処理を追加しても高速に処理できる技術が必要とされま

す。処理時間短縮にはGPUの利用が有望です。

現在、システムを洗練させ、以下の開発を続けています。

・断層像の積み重ね表示からボクセル表示へとシステムを変更

した場合の時間性能を検討しています。通常CGでは外面を中

心にモデルを技術していきますが、医用画像の場合は、通常の

CGのように境界面を用いた表現も有用ですが、境界面だけで

なく内容物も用いた表現も重要です(時間がかかります)。

・観察方向の直感的な指定に種々のセンサーを利用します。す

でに開発した磁器センサーのインタフェースを汎用化して、ほ

かのセンサーの接続を目指します。

・HMDやPDAを利用して身近に撮影像やほかの情報を表示

し、実外界との親和性の高いサブシステムを開発しています。

・これらを実現するための最新のソフトウェア工学技術による

システムの開発を行っています

<アピールポイント>

小型で処理が高速な表示システムを目指しています。

<利用・用途・応用分野>

直感的観察装置、高速処理

<関連する知的財産権>

なし

<関連するURL>

なし

キーワード 時系列表示システム、ユーザインターフェース、GPU

表示例

表示例

観 察 シ ス テ ム

CG応用 GPGPU CUDA OpenCL

画像処理 CT 処理 動画処理 GUI

ソフトウェア工学 パターン応用 リファクタリング

AR 技術

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2010.9

シーズ名 情報教育および教育用システム・教育用ツールに関する研究開発

氏名・所属 等

松浦 敏雄、創造都市研究科・都市情報学専攻、教授 石橋 勇人、創造都市研究科・都市情報学専攻、教授 安倍 広多、創造都市研究科・都市情報学専攻、准教授

<概要>

■ 教育用システムの構築・運用技術に関する研究

運用コストの低減を踏まえた教育用システムの設計等。

[1] 安倍広多,石橋勇人,藤川和利,松浦敏雄: 仮想計算機を用いた Windows/Linux を同時

に利用できる教育用計算機システムとその管理コストの削減,情報処理学会論文誌,

Vol.43, No.11, pp.3468-3477 (2002-11). ■ 教育用ツールの開発

コンピュータを利用した教材の開発等。下図は初学者向けプログラミング環境。

[2] 西田知博, 原田章, 中村亮太, 宮本友介, 松浦敏雄: 初学者用プログラミング学習環

境 PEN の実装と評価'', 情報処理学会論文誌, Vol.48, No.8, pp.2736-2747 (2007-08).

[3] Tomohiro Nishida, Junichi Yahara, Toshimitsu Masuzawa, and Toshio Matsuura:

ECAS: A Computer Simulator that has the adjustable degree of abstraction of the

observation according to the educational objectives, and its evaluation, Proc. of

ED-Media 2003, World Conference on Educational Multimedia, Hypermedia and

Telecommunications, pp.906-907 (2003-06). ■ 情報教育に関する研究

情報教育に関する研究、実践等。

[4] 松浦 敏雄, 武井 惠雄, 大岩 元: 新教科『情報』の指導法の提案, 情報処理学会, 情

報教育シンポジウム論文集(SSS'99), Vol. 99, No.10, pp.23-30 (1999-07).

[5] 中西通雄, 松浦敏雄: 情報処理教育の 2006 年問題への対応, サイバーメディアフォ

ーラム, 大阪大学サイバーメディアセンター, No. 6, pp. 23-28 (2005-09).

<関連 URL> http://www.media.osaka-cu.ac.jp/PEN/

キーワード 情報教育、教育用ツール、教育用システム、システム運用・管理

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2010.9

シーズ名 情報技術を活かした中堅中小企業の企業経営

氏名・所属 等 湯浅 忠、創造都市研究科・都市ビジネス専攻、特任准教授

<概要>

企業活動は、情報化社会のスピード化と変化によって厳しい局面にある。企業の情報技術(IT)の

利活用は、経営戦略が展開されて、経営システムの業務処理が企業情報システムによって情報処理が

行われる。ITの進歩は、企業経営の①生産性の向上(業務改善やイノベーション)、②マネジメント

レベルの向上(情報の共有化や迅速な意思決定)そして③情報技術を使った新しいビジネスモデルの

創出(インターネットによる商品・サービスのイノベーションやビジネスイノベーション)に寄与し

ている。

関西IT戦略会議は、関西地区の中堅中小企業をITの利活用によって再生と活性化させるために

2001 年、関西経済連合会(通称関経連)を中心にして「関西IT戦略会議」を発足させた。主な役割

と機能は、ITを利活用して企業業績を向上させた応募企業を募って評価を行い、関西IT百撰企業

として顕彰すると同時に広く関西の中堅中小企業の経営者に成功物語を伝道するものである。筆者は

当初から当会議のアドバイザーとして参加し、今年で 10 年を迎えている。この過程における優秀企

業のシステム化の目的や成功要因を体系化して企業経営の参考にしていただきたい。

<アピールポイント>

1)中堅中小企業の経営戦略と情報技術の活用

2)情報化投資の考え方と投資マネジメント

3)成功事例 特に新しいビジネスモデル

<利用・用途・応用分野>

1)企業の情報システム診断 経営戦略とIT戦略の整合性と活用レベルの診断

2)企業経営(経営戦略)と企業情報システム化の企画手法

3)経営を活かす情報利活用の人材育成

<関連する知的財産権>

特になし

<関連するURL>

関西IT百撰 http://www.it100sen.com/index.html

キーワード 創造的経営、情報技術、イノベーション、組織能力

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2010.9

シーズ名 オープンソース空間情報システムの開発と活用

氏名・所属 等 ベンカテッシュ ラガワン、創造都市研究科・都市情報学専攻、教授

<概要>

大阪市立大学は空間情報に関するフリーオープンソースソフトウェア(Free and Open Source Software for Geoinformatics: FOSS4G)の拠点として,国内外で活発な活動を続けています.フリー

オープンソースでは,下記のような様々なソフトウェア開発環境が充実し,市販のソフトウェアをし

のぐ,様々なニーズにこたえる事ができるようになってきました.これらをもとにして,次のような

研究開発やサポートを行っています. ・FOSS4G ツールの関連情報を普及させるためのオープン組織としてのインフラ提供. ・産官学による共同研究開発,および,FOSS4G ソリューションの実施促進. ・FOSS4G に関する研修,シンポジウム,ワークショップおよびセミナーを通じたサポート. ・出版やトレーニングマテリアルおよび e ラーニングツールの開発.

空間情報に関連したオープンソース

OSGeo 財団日本支部サイト

プロジェクト サービス

GRASS, QGIS, OpenEv, gvSIG ネットワーク GIS

GDAL データ変換

Postgresql/PostGIS 空間情報 DBMS

pgRouting 経路検索エンジン

PROJ4 投影法変換

MapServer, MapGuideOpenSource ウェブマップサーバー

OpenLayers ウェブマップクライアント

goGPS Project GPS高精度補正システム

ZOO Project 空間情報クリアリングハウス

<アピールポイント>

現在,様々な分野において地図情報のニーズが高まってきています.地図をベースにした情報は,多

様なサービスを生み出す可能性があります.近年,国の政策により,自治体などでも情報基盤の整備

や各種サービスにオープンソースが導入されつつあります.地理情報サービスに関しても,昨年から

オープンソースへの取組が本格化し,今後,市場は大きく発展するものと考えられます.大阪市立大

学では特に「osgeo4w」「ZOO Project」「goGPS」「pgRouting」「GRASS-GIS」の研究開発に力を入

れており,国内外から関心を集めています.

<利用・用途・応用分野>

センサーネットワークを用いた環境モニタリングシステム,空間情報基盤システム, 各種野外調査サポートシステム,位置情報サービスなど.

<関連するURL>

ttp://www.osgeo.jp/ http://www.zoo-project.org http://www.gogps-project.org http://trac.osgeo.org/osgeo4w/wiki/OSGeo4W_jp

キーワード オープンソース,Web-GIS,空間情報科学,センサーネットワーク