)学校図書館メディアの種類と特性 学校図書館メデイアの構成1...

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1 学校図書館司書教諭講習 学校図書館メデイアの構成 山口大学教育学部 阿濱 茂樹 講義について 1)学校図書館メディアの種類と特性 2)学校図書館メディアの選択と構成 3)学校図書館メディアの組織化 分類の意義と機能 件名標目表の解説 目録の意義と機能 目録の機械化 4)多様な学習環境と学校図書館メディアの配置 講義について 働かせるのは頭だけじゃない!? 附属図書館見学 ワークショップ 連想ゲーム 課題 講義の中の演習で,実際に書籍を分類する作 業を行います。 その際,実物の書籍をお一人3冊用意していた だく予定ですので,準備をお願いします。 講義について 附属図書館・・・2日目見学 サポートページ http://web.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~techedu/shisyo/index.html ブログ http://sisyokyoyu.seesaa.net/ 附属図書館の位置 学校図書館の役割 図書、視覚聴覚教育の資料その他学校教育に 必要な資料 (以下「図書館資料」という。)を収集 し、整理し、及び保存し、これを児童又 は生徒及 び教員の利用に供することによって、学校の教 育過程の展開に寄与する とともに、児童又は生 徒の健全な教養を育成することを目的として設 けられる学校の設備をいう。 学校図書館法第2条 1-1

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  • 1

    学校図書館司書教諭講習

    学校図書館メデイアの構成

    山口大学教育学部

    阿濱 茂樹

    講義について

    1)学校図書館メディアの種類と特性

    2)学校図書館メディアの選択と構成

    3)学校図書館メディアの組織化 分類の意義と機能

    件名標目表の解説

    目録の意義と機能

    目録の機械化

    4)多様な学習環境と学校図書館メディアの配置

    講義について

    働かせるのは頭だけじゃない!? 附属図書館見学

    ワークショップ

    連想ゲーム

    課題

    講義の中の演習で,実際に書籍を分類する作業を行います。

    その際,実物の書籍をお一人3冊用意していただく予定ですので,準備をお願いします。

    講義について

    附属図書館・・・2日目見学

    サポートページ http://web.cc.yamaguchi-u.ac.jp/~techedu/shisyo/index.html

    ブログ

    http://sisyokyoyu.seesaa.net/

    附属図書館の位置 学校図書館の役割

    図書、視覚聴覚教育の資料その他学校教育に必要な資料 (以下「図書館資料」という。)を収集し、整理し、及び保存し、これを児童又 は生徒及び教員の利用に供することによって、学校の教育過程の展開に寄与する とともに、児童又は生

    徒の健全な教養を育成することを目的として設けられる学校の設備をいう。

    学校図書館法第2条

    1-1

  • 2

    学校図書館の役割

    学校図書館は,学校教育の一環としての施設・組織であり,学校教育課程と関連がある

    学校図書館で扱う資料(メディア)について,学校教育に提供する

    1-1

    学校図書館の役割

    情報・メディアを活用する学び

    「資料・情報を活用する学び方の指導」

    「情報・メディアを活用する学び方の指導」

    全国学校図書館協議会

    1-1

    学校図書館司書教諭の役割

    学校図書館のメディアの意義,種別,特性についての理解

    学校図書館のメディアの選択,収集

    学校図書館のメディアの組織化

    1-1

    学校図書館で扱う資料(メディア)

    情報活用能力

    メディアコンテンツ

    基礎技術

    1-1

    ←情報技術についての理解

    ←メディアコンテンツについての理解

    ←情報リテラシーについての理解

    学校教育と学校図書館

    学習・教材センターとしての学校図書館

    教材(情報)の収集・組織化

    読書センターとしての学校図書館

    1-2

    情報メディアの系譜

    紀元前・・・粘土,パピルス,

    動物の皮や骨

    中世・・・宗教書

    近代・・・活版印刷(グーテンベルク)

    19世紀~・・・写真,映画,ラジオ,テレビ etc・・・

    1990年代・・・インターネット

    1-3

  • 3

    学校図書館メディアの種類と特性

    印刷メディア 視聴覚メディア

    ネットワーク系メディア

    パッケージ系電子メディア 実物

    1-3

    学校図書館メディアの種類と特性

    印刷メディア 図書(40ページ以上の非定期刊行物) 逐次刊行物

    雑誌,新聞,年鑑,年報etc・・・

    パンフレット リーフレット

    1-3

    学校図書館メディアの種類と特性

    印刷メディアの特性 管理が容易 場所や時間を問わず情報をみることができる 収納効率が悪い

    1-3

    学校図書館メディアの種類と特性

    視聴覚メディア カセットテープ ビデオテープ スライド OHPシート

    1-3

    学校図書館メディアの種類と特性

    視聴覚メディアの特性 音声や動画を扱うことができる 収納効率が高い 再生装置が必要 規格が複雑

    1-3

    学校図書館メディアの種類と特性

    パッケージ系電子メディア CD-ROM CD-R DVD

    例)ebook@小学館

    1-3

  • 4

    学校図書館メディアの種類と特性

    パッケージ系電子メディアの特性 音声や動画を扱うことができる 収納効率が高い 再生装置が必要 規格が複雑

    1-3

    学校図書館メディアの種類と特性

    CD-ROM,CD-R,CD-RWの違い CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)

    コンピュータ用の記憶媒体

    直径12cm、650~700MBの記憶容量

    ユーザによるデータの書き換えが不可能

    記録層、保護層とポリカーボネート基板から構成

    1-3

    学校図書館メディアの種類と特性

    CD-ROM,CD-R,CD-RWの違い CD-R (Compact Disc-Recordable)

    書き込み可能なCD

    基本的な仕組みはCD-ROMと同じ

    記録面は、シアニンなどの有色色素で構成

    レーザ光で有色色素を変色させてデータを記録

    CD-RW (Compact Disc-ReWritable)

    書き込んだデータを消去し書き込み可能

    銀などで構成される記録面をレーザ光の熱で結晶化したり非結晶化する現象を利用

    結晶化することでデータを記録

    非結晶化することでデータを消去

    1-3

    学校図書館メディアの種類と特性

    DVD (Digital Versatile Disk) 記憶容量

    片面4.8GB、両面8.5GB

    2枚のディスクを張り合わせることで17GB

    規格

    DVD-RAM、DVD-R/RW、DVD+R/RW

    書き込み可能である

    1-3

    学校図書館メディアの種類と特性

    ネットワーク系メディア ホームページ データベース リンク集

    例) Yahoo! Japan 検索デスク 青空文庫 情報機器と情報社会のしくみ

    1-3

    学校図書館メディアの種類と特性

    ネットワーク系メディアの特性 音声や動画を扱うことができる 再生に情報機器が必要 リアルタイムな情報を得ることができる 情報社会に影響を受ける

    1-3

  • 5

    学校図書館メディアの種類と特性

    実物 模型 レプリカ 標本

    1-3

    学校図書館メディアの種類と特性

    実物の特性 実態として情報が得られる 管理が困難 収納効率が悪い

    1-3

    学校図書館メディアの種類と特性

    新しいスタイルのメディア

    例)SONY Style

    (視聴覚メディア+ネットワーク系メディア)

    1-3

    学校図書館におけるメディアの配置

    蔵書の組織化

    紙メディア

    図書・・・主題別

    雑誌・・・雑誌架

    新聞・・・新聞コーナー

    電子メディア 視聴覚メディア・パッケージ系電子メディア

    ・・・視聴覚コーナー

    ネットワーク系メディア・・・パソコンコーナー

    1-3

    情報活用能力(情報リテラシー)

    情報活用能力?

    情報リテラシー?

    コンピュータリテラシー?

    メディアリテラシー?

    1-4

    情報活用能力(情報リテラシー)

    情報社会を生き抜いていくための能力の自己実現を児童・生徒に強要するのではなく,個々が情報社会の一員として社会と向き合い,より深く社会を理解するために必要な情報の取得,評価と取捨選択,咀嚼,再利用と発信を通じたコミュニケーション能力

    1-4

  • 6

    情報活用能力(情報リテラシー)

    1)情報活用の実践力

    2)情報の科学的な理解

    3)情報社会に参画する態度

    1-4

    情報活用能力(情報リテラシー)

    1)情報活用の実践力

    課題や目的に応じて情報手段を適切に活用することを含めて,必要な情報を主体的に収集・判断・表現・処理・創造し,受け手の状況などを踏まえて発信・伝達できる能力

    1-4

    情報活用能力(情報リテラシー)

    2)情報の科学的な理解

    情報活用の基礎となる情報手段の特性の理解と,情報を適切に扱ったり,自らの情報活用の評価・改善するための基礎的な理論や方法の理解

    1-4

    情報活用能力(情報リテラシー)

    3)情報社会に参画する態度

    社会生活の中で情報や情報技術が果たしている役割や及ぼしている影響を理解し,情報モラルの必要性や情報に対する責任について考え,望ましい情報社会の創造に参画しようとする態度

    1-4

    情報活用能力育成のポイント

    1. 多様な記号と道具の操作能力

    2. 必要な情報を検索し,選択をおこなう

    3. メディアの特質の理解と情報の批判的な咀嚼

    4. 理解,整理したことをまとめて表現する

    1-4

    学校図書館メディアの収集・選択

    メディアの選択

    学校図書館におけるメディアは

    教科学習

    総合的な学習

    特別活動 に必要な情報を提供するものだけでなく,児童・生徒の教養のために資料構成されるべきである

    2-1

  • 7

    学校図書館メディアの収集・選択

    選定作業の流れ

    選択のための情報源を収集する

    資料を評価する

    評価に基づいて購入を検討する

    購入した資料を配架する

    2-1

    学校図書館メディアの収集・選択

    メディア収集の方針

    学校の目的に基づいた学校図書館の目標

    収集対象となるメディアの範囲

    選択手順

    選択基準

    資料構成の方針

    教師用のメディア

    2-2

    学校図書館メディアの収集・選択

    メディア収集の方針

    利用者要求←メディアの選択→資料価値

    司書教諭等

    2-2

    学校図書館メディアの収集・選択

    メディアの評価

    図書標準(教科書p33) 全国学校図書館協議会図書選定基準 (全国学校図書館協議会 )

    学校図書館メディア基準 (全国学校図書館協議会 )

    学校図書館図書廃棄規準(全国学校図書館協議会 )

    2-3

    学校図書館メディアの収集・選択

    メディアの評価

    印刷メディア

    内容

    表現

    構成

    造本・印刷

    2-3

    学校図書館メディアの収集・選択

    メディアの評価

    視聴覚メディア

    操作性(アクセシビリティ)

    機能

    映像効果・音響効果

    2-3

  • 8

    学校図書館メディアの収集・選択

    メディア収集のための情報源

    印刷メディアの情報収集 全国書誌

    選定図書目録

    書評誌・紙

    取次店の情報

    日販図書館サービス

    e-hon (㈱トーハン )

    Amazon.co.jp

    2-4

    学校図書館メディアの収集・選択

    メディア収集のための情報源

    視聴覚メディアの情報収集

    財団法人コンピュータ教育開発センター

    その他

    2-4

    学校図書館メディアの収集・選択

    メディア収集の手段

    購入

    寄贈

    配布

    2-5

    学校図書館メディアの収集・選択

    メディアの管理

    図書に影響を与える要因

    温度

    湿度

    化学物質

    生物

    学校図書館メディアの収集・選択

    メディアの管理

    資料の優先順位

    金銭価値

    代替可能性

    学術的価値

    包括性

    学校図書館メディアの収集・選択

    メディアの管理 本の修復

    紙資料修復工房

    日本ブッカー

    製本について(国立国会図書館)

    蔵書印について(国立国会図書館)

    メディアの更新(移動・除籍・廃棄)

    2-6

  • 9

    平成20年度学校図書館司書教諭講習

    学校図書館メデイアの構成 ②

    山口大学教育学部

    阿濱 茂樹

    資料の組織化,目録

    書籍を特定するには?

    タイトル

    著者

    版次

    巻数

    出版者

    出版年

    ISBN

    3-1

    資料の組織化,目録

    4大情報源 タイトル,著者,版次,巻数,出版者,出版,ISBNなど

    表題紙

    奥付

    表紙

    教科書p49

    3-1

    書籍を特定するには?

    ISBN

    [International Standard Book Number]

    国際標準図書番号

    10桁の英数字で表現

    国番号-出版社番号-書籍固有番号-チェックデジット

    ISSN [ International Standard Serial Number ]

    国際標準逐次刊行物番号

    3-1

    資料の組織化,目録

    資料の組織化

    利用者の分析とニーズ

    組織化への標準化・システム化

    組織化の一貫性と迅速化

    組織化とネットワーク化

    3-1

    資料の組織化,目録

    資料の組織化

    資料の収集

    資料の登録

    分類・目録 ← 利用者

    装備← 利用者

    排架← 利用者

    3-1

  • 10

    資料の組織化,目録

    主題別排架方式と所在記号

    主題別排架方式

    主題別(日本十進分類法などに従って分類)

    それ以外(教科別,著者別,シリーズ別など)

    所在記号 資料が排架してある場所をあらわす記号

    3-1

    資料の組織化,目録

    利用者からみた図書館組織 資料・情報を自分で探す

    書架をブラウジング

    目録検索

    データベースで検索

    資料・情報を人に聞いて探す 司書教諭

    学校司書

    教師

    友人

    3-1

    資料の組織化,目録

    学校図書館の組織化 メディアセンター

    メディアの所蔵

    メディアの提供

    情報センター 情報システムの提供

    学習センター 調べ学習の支援

    読書センター 読書指導を行う場

    3-1

    資料の組織化,目録

    目録の種類(編成別)

    冊子目録

    カード目録

    コンピュータ目録

    目録の種類(形態別)

    著者目録

    タイトル目録

    主題目録

    3-2

    資料の組織化,目録

    目録の種類別長所

    冊子目録 カード目録 コンピュータ目録

    一覧性

    省スペース

    携帯性

    追加が容易

    削除・訂正が容易

    導入が容易

    カードが安価

    一覧性

    削除・訂正が容易

    外部からの検索が可能

    外部の目録とリンクが可能

    キーワード検索が可能

    3-2

    資料の組織化,目録

    目録の種類別短所

    冊子目録 カード目録 コンピュータ目

    削除・訂正が困難

    複数の冊子に分散

    更新間隔が長い

    一覧性に欠ける

    設置場所に制約

    配列に手間

    導入にコストがかかる

    維持・管理にコストがかかる

    3-2

  • 11

    資料の組織化,目録

    目録の機能

    標題+記述+所在情報

    標題:検索の手掛かり

    記述:ほかの資料との識別

    所在情報:書架への案内

    3-2

    資料の組織化,目録

    目録の機能

    特定の資料の検索

    特定の資料のタイトルや著者が分かっている場合

    不特定の資料の検索 ある主題に対して入手可能な資料の検索

    コンピュータ目録では,キーワード検索も可能

    3-2

    資料の組織化,目録

    学校図書館メディアへのアクセス

    学校,地域ごとの工夫

    例:市川市,小野市,金沢市

    3-3

    資料の組織化,目録

    排架の工夫 配架すべき資料・メディア

    リファレンスツール

    展示資料

    大型本

    文庫・新書

    マンガ

    絵本

    紙芝居

    ファイル資料

    視聴覚資料

    電子資料

    新聞

    雑誌

    3-3

    資料の組織化,目録

    排架の工夫 館内レイアウトの工夫

    書架の設置と排架

    サイン

    館内案内図

    広報・お知らせ

    図書館ガイダンス

    読書相談

    レファレンス

    3-3

    資料の組織化,目録

    貸出,予約

    手続き方法,貸出冊数,貸出期間などの明記

    年数回の蔵書確認(図書台帳との照合)

    3-3

  • 12

    資料の組織化,目録

    リクエスト

    貸出中の資料の予約

    図書館に所蔵されていない資料の購入希望

    他の図書館からの取り寄せ希望

    社団法人 日本書籍出版協会

    金沢市図書館

    3-3

    メディア資料と著作権

    図書館は著作権法第38条4項により,映画以外の資料を貸出できる

    著作権法第38条4項

    公表された著作物(映画の著作物を除く。)は、営利を目的とせず、かつ、その複製物の貸与を受ける者から料金を受けない場合には、その複製物(映画の著作物において複製されている著作物にあつては、当該映画の著作物の複製物を除く。)の貸与により公衆に提供することができる。

    メディア資料と著作権

    CDやカセットテープなど音情報について

    館内利用可

    BGM可

    CDの解説書は著作権者の要許諾

    本などの付録のCDは可

    メディア資料と著作権

    ビデオやDVDなど映像情報について

    館内視聴は可

    館外貸出は条件付可 著作権者から許諾を得たもの

    日本図書協会を通じて購入したもの

    著作権フリーとなっているもの

    テレビ番組の録画は,授業に用いる時のみ可

    リファレンス

    所蔵調査…資料を当館で所蔵しているかどうかの調査。

    所蔵機関調査…当館以外の機関での所蔵の有無の調査。

    書誌的事項調査…ある文献についての書(誌)名、著者名、出版地、出版者、出版年、巻号、収載ページなどの調査。

    文献紹介…ある主題を調べる時に参考となる文献の紹介。

    リファレンス

    図書館に所蔵されている膨大な資料の中から目的の資料を探し出すには?

    従来では,開架書籍を一冊づつ探していくか,図書目録カードで検索する方法が一般的だった。

    情報化が進み,コンピュータによる資料管理が行われるようになり,情報検索の効率が飛躍的に向上した。

  • 13

    平成20年度学校図書館司書教諭講習

    学校図書館メデイアの構成 ③

    山口大学教育学部

    阿濱 茂樹

    目録規則,記述,配列,解説

    目録の歴史

    古代アレキサンドリア王立研究所(ムセイオン)の「ピケナス」が最古

    ムセイオンは70万巻の書物を所蔵

    所蔵する書物を著者の職業や専門分野で分類

    4-1

    目録規則,記述,配列,解説

    目録の歴史

    1839 大英博物館刊本部で91カ条目録規則

    1876 ボストンアセニアム図書館で辞書体目録規則

    1942 日本目録規則初版

    1987 日本目録規則1987年版 コンピュータ対応化

    4-1

    資料の組織化,目録

    コンピュータ目録

    MARCとOPAC MARC(Machine Readable Catalog )

    書籍の情報を一定の形式に記録し,コンピュータで扱えるようにしたもの

    JAPAN/MARC (国立国会図書館 )

    OPAC (Online Public Access Catalog )

    コンピュータで検索する図書館の所蔵目録データベース

    NDL-OPAC (国立国会図書館 )

    金沢大学附属図書館OPAC

    4-1

    目録規則,記述,配列,解説

    記述と標目

    記述とは

    目録の書誌事項に記録する内容で,資料を特定するためのもの

    主な情報源は,標題紙,奥付,背,表紙

    4-2

    目録規則,記述,配列,解説

    記述の転記

    内容

    本のタイトル

    責任表示(著作にかかわる著者等)

    出版地

    出版社

    出版年

    4-2

  • 14

    目録規則,記述,配列,解説

    記述の転記

    ルール

    字体,サイズは再現しない

    記号はそのまま記録

    タイトル,責任表示,出版者,シリーズ名などに漢数字が含まれる場合,そのまま記録

    数量,順序を示す数字はアラビア数字に改める

    4-2

    目録規則,記述,配列,解説

    記述の転記

    ルール

    責任表示(著作情報)

    同じ役割で共著の場合(2人以下)・・・ ,(コンマ)で区切る

    同じ役割で共著の場合(3人以上)・・・ 筆頭著者 [ ほか ]

    異なる役割の場合・・・ ; (セミコロン)で区切る

    4-2

    目録規則,記述,配列,解説

    記述の転記の例

    4-2

    目録規則,記述,配列,解説

    記述と標目

    標目とは

    書誌的記録を検索する手がかりとなるもの

    標目となるもの

    タイトル

    著者

    件名

    分類記号

    標目を含めて目録の中で,検索に用いられる手がかりのことをアクセスポイントと呼ぶ

    4-2

    図書記号

    分類記号を補完する記号

    記号法

    受入順

    著者別

    年代別

    913.6

    2004

    コンピュータ目録

    コンピュータ目録の特徴

    検索機能が豊富

    ネットワーク利用が可能

    貸出,返却,予約などの業務と連携可能

    公共図書館と連携可能

    5-2

  • 15

    コンピュータ目録

    コンピュータ目録の機能 キーワード検索

    簡易検索と詳細検索

    検索項目の複合

    トランケーション機能(前方一致,中間一致,後方一致)

    絞込み検索

    典拠検索(複数のデータベースをリンク)

    全文検索

    5-2

    コンピュータ目録

    コンピュータ目録の機能

    ネットワークアクセス機能

    コンピュータ目録同士のネットワーク化により,複数の図書館の蔵書検索が可能

    図書流通システムなどとの連携機能

    5-2

    コンピュータ目録

    管理面の特徴

    コピーカタロギングによって目録作成が容易

    目録の修正・削除が容易

    データベース化され,管理が容易

    5-3

    利用者情報の保護

    コンピュータ目録を活用すると,利用者の情報管理も効果的に行える

    反面,利用記録や個人情報の管理も容易になり,関連付けも比較的容易に行える

    「読書の秘密は守る」

    図書分類

    分類の種類

    中世後期ヨーロッパの大学

    神学,法学,医学,自由七科(文法,論理学,修辞学,算術,幾何,天文,音楽)の学問体系で分類

    6-1

    図書分類

    分類の種類 十進分類法 decimal classification

    分類記号に十進記号法(10個の数字を用いる)を使う分類法 知識の総和を9区分して1-9の数字で表し,さらに階層的に9

    区分する

    0はどこにも属さないもの,あるいは全体を表す

    長所 順序性が明快でわかりやすい

    実用的

    短所 9区分することに限界がある

    詳細に区分する場合,記号が長くなる

    6-1

  • 16

    図書分類

    分類の種類

    デューイ十進分類法 Dewey Decimal Classification (DDC) デューイが1876年に発表。

    英語圏を中心に世界中で広く使用された。

    カッターの展開分類法 Expansive Classification (EC) カッターが1880年ごろ発表。

    LCC,NDCに影響を与える。

    6-1

    図書分類

    分類の種類

    国際十進分類法 Universal Decimal Classification (UDC) デューイ十進分類法第5版(1894)を国際的視野にたって拡

    張したもの。

    1905年国際第1版,1953年日本語版簡略第1版。

    言語別,詳細度別等を刊行。

    6-1

    図書分類

    分類の種類

    日本十進分類法 Nippon Decimal Classification (NDC) 森清が1928年に「和洋図書共用十進分類法案」を発表。

    翌1929年に「日本十進分類法」と解題して刊行。

    1948年に日本図書館協会が維持管理を引き継ぐ。

    日本のほとんどの図書館が採用。

    現在,最新版は新訂9版。本表編と一般補助表・相関索引編の2冊セット。

    6-1

    図書分類

    分類の種類

    一館分類法 議会図書館分類法 Library of Congress Classification

    (LCC)

    アメリカ議会図書館(LC)のための一館分類法

    国立国会図書館分類表 National Diet Library Classification (NDLC)

    国立国会図書館のための一館分類法

    6-1

    日本十進分類法

    あらゆる主題を3桁で数字であらわす

    例)学校図書館 → 017

    意味 000 総記

    010 図書館 図書館学

    017 学校図書館

    6-1

    図書分類

    主題の把握 1)タイトル

    2)著者

    3)目次

    4)まえがき・あとがき

    5)参考資料

    図書目録「日本全国書誌」「出版年鑑」「出版ニュース」「選定図書総目録」「選定図書速報」

    人名辞典

    書評

    6-1

  • 17

    図書分類

    分類記号の与え方

    1)利用者の利便性を考慮する

    2)一貫性をもたせる

    3)適用範囲内で詳しい記号を与える

    6-1

    図書分類

    分類規定 1.資料は主題にしたがって分類し,叙述によって細分類する

    2.複数主題(同位主題の並列)

    1)上位の主題へ分類する

    2)最初の主題へ分類する

    3. 複数主題(順序主題の並列)

    1)影響関係 影響を与えた方の主題

    2)因果関係 結果

    3)概念の上下 上位へ

    4)比較対照 著者の重点へ

    6-1

    図書分類

    配置

    別置

    教職員用図書

    貴重図書

    参考図書

    逐次刊行物

    大型本

    メディア資料

    6-1

    図書分類

    件名

    資料の主題をあらわす統制された言葉

    件名目録

    資料の主題を件名で表した目録

    6-2

    図書分類

    統制語

    複数の表現をもつ言葉を一定の基準で統制した言葉

    例)母,母親,ママ,母さん,母ちゃん,母上

    「母」

    6-2

    図書分類

    件名標目表

    件名となりうる統制された言葉を収録したもの

    例)基本件名標目表 (BSH)

    6-2

  • 18

    図書分類

    基本件名標目表

    内容

    序説

    音順標目表

    分類記号順標目表

    階層構造標目表

    6-3

    図書分類

    基本件名標目表 常用語優先の原則

    例) 電子計算機→コンピュータ

    複合語・熟語はできるだけそのままの形にする 例)川→河川

    ふたつの主題の比較や影響関係は「と」で結ぶ 例)宗教と科学

    複数の主題が一緒に取り上げられるのが常態の場合は複合語にする

    例) 官公庁,電気機器,折紙・切紙

    6-3

    図書分類

    基本件名標目表

    例示件名標目

    固有名詞件名標目

    固有名詞などはすべて標目として採用すると膨大な数になるため,例示件名標目,固有名詞件名標目を示すことにより,収録数を抑える工夫がなされている

    6-3

    図書分類

    基本件名標目表

    参照 直接参照(を見よ参照)

    例) 欧州統合→ヨーロッパ統合

    ヨーロッパ統合 UF:欧州統合

    *UFはUsed For の略号で、「を見よ参照あり」

    6-3

    図書分類

    基本件名標目表 参照

    連結参照(をも見よ参照) 最上位標目(TT),上位標目(BT),下位標目(NT),関連参照

    (RT)

    TTはTop Term, BTはBroader Term, NTはNarrower Term, RTはRelated Term

    例) 人工衛星 TT:宇宙工学 11 BT:宇宙工学 NT:科学衛星,気象衛星,軍事衛星,通信衛星

    参照注記 例) 作家 SA:個々の作家名

    SAはSee Alsoで「~をも見よ」。この後の語も件名標目となる。

    6-3

    データベース

    データベースとは?

    データを検索しやすいように整理したもの

    情報管理,情報検索に関するコンピュータ化の代表格

    例)OPAC,特許電子図書館(IPDL),住所録など

  • 19

    平成20年度学校図書館司書教諭講習

    学校図書館メデイアの構成 ④

    山口大学教育学部

    阿濱 茂樹

    データベース

    なぜデータベース?

    一目で分かるデータであれば表計算ソフトなどで情報管理が可能

    データの量や質が大規模になった場合に表計算ソフトなどで情報管理を行うことは限界

    情報の共有や一元管理が容易

    アクセス管理が容易

    7-1

    データベース

    データベースを利用する際の注意点

    どのような組織が作成したデータベースか?

    収録されているデータはどのようなものか?

    どのような情報が得られるのか?

    7-1

    データベース

    リレーショナルデータベース

    Edgar Frank Codd 提案(1970)

    データを関連付けた複数のリレーションを基本型にする

    各リレーションは連結・分解が可能

    集合演算を行って結果を導く

    データベース

    SQL(Structured Query Language )

    リレーショナルデータベースでデータの操作を行うための言語

    例)INSERT,UPDATE,DELETE,SELECTなど

    学術情報検索システム

    国立情報学研究所 (NII)

    http://www.nii.ac.jp

    目録所在情報サービス,情報検索サービス,電子図書館サービスなどの提供

    7-2

  • 20

    学術情報検索システム

    図書情報

    (総合目録データベースWWW検索サービス)

    (NII図書情報ナビゲータ)

    文献情報

    GeNii(NII学術コンテンツ・ポー

    タル)

    7-2

    国立国会図書館 NDL-OPAC

    国立国会図書館 1948年設立

    組織 東京本館

    関西館

    国際子ども図書館

    利用 郵送複写サービス

    取り寄せサービス

    閲覧予約

    7-3

    シソーラス検索

    シソーラスとは?

    シソーラス 【thesaurus】 《もと宝庫の意》

    1 同義語・類義語などを分類・整理した語彙集。

    2 コンピューターなどの情報検索に使われる索引。

    シソーラス検索

    シソーラスの特徴 同じ分野に属する言葉を階層的に整理したもの

    その分野に詳しくなくてもキーワード 同士の関連があれば検索することができる

    シソーラス検索

    シソーラスの使い方 上位語・・・より広い概念を意味するキーワード

    例)パソコン-コンピュータ

    下位語・・・より狭い概念を意味するキーワード 例)パソコン-ノートパソコン

    同義語・・・同じ概念を意味するキーワード

    例) 電子計算機-コンピュータ

    関連語・・・ 関係する概念を意味するキーワード

    例)コンピュータ-プログラミング

    学校図書館の施設,利用案内,PR

    学校図書館の施設

    学習・読書・視聴スペース

    ブラウジングスペース

    配架スペース

    受付・スタッフスペース

    保存・収納スペース

    検索スペース

    8-1

    http://ge.nii.ac.jp/genii/jsp/index.jsp

  • 21

    学校図書館の施設,利用案内,PR

    学校図書館の施設 ユニバーサルデザイン

    ユニバーサルデザイン( universal design )とは,年齢、性別、国

    籍(言語)や能力などに関係なく,だれもが利用しやすい製品,建物,環境を計画的にデザインすること

    図書館などの施設では

    建物全体をだれもが普通に利用できる

    使い方の自由度が高い

    設備機器等の使い方が簡単ですぐわかる

    必要な情報がすぐ理解できる

    8-1

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    学校図書館の施設

    ユニバーサルデザインの基本

    みんなが同じ動線

    人の動作を考える

    安全で快適に

    サインに頼らない配置

    8-1

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    利用案内

    例)金沢大学附属図書館

    オリエンテーション

    利用規則

    全国学校図書館協議会

    8-2

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    利用指導

    学校図書館のきまり

    図書の取り扱い方

    辞書・百科事典の活用方法

    資料の検索方法

    8-2

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    サイン

    内容

    開館時間

    貸出・返却方法

    予約・リクエスト・リファレンスなどのサービスについて

    資料の位置

    設備の案内

    8-2

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    サイン

    ユニバーサルデザイン

    必要な情報がすぐ理解できる

    サイン計画のポイント

    明解で美しいデザイン

    体系化し連続して設置

    複数手法での情報提供

    8-2

  • 22

    学校図書館の施設,利用案内,PR

    PR 図書館だより

    新着図書案内

    書評

    イベント

    読書会

    鑑賞会

    文学イベント

    アニマシオン

    8-3

    ファイル資料,逐次刊行物の整理

    ファイル資料

    パンフレット

    リーフレット

    クリッピング資料

    ポスター

    児童・生徒の作品

    9-1

    ファイル資料,逐次刊行物の整理

    ファイル資料の特徴

    最新の知識や情報を得られる

    一般の図書からは得られない情報が得られる

    特定の主題について様々な情報が得られる

    視覚的に分かりやすい情報が豊富

    資料の加除が容易

    9-1

    ファイル資料,逐次刊行物の整理

    ファイル資料の整理

    綴じ込み

    スクラップ

    バインダー

    キャビネット・オープンファイル

    ファイルボックス

    専用架

    9-2

    ファイル資料,逐次刊行物の整理

    逐次刊行物

    新聞

    雑誌

    半永久的に保存する雑誌は合冊製本

    9-3

    山口大学教育学部 Yamaguchi University,Faculty of Education

    阿濱 茂樹 AHAMA Shigeki

    〒753-8513 山口市吉田1677-1

    TEL/FAX 083-933-5392

    [email protected]