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1-82 4.乾しいたけ (1)市場実態 1)生産量・輸出入量の動向 (対象国の輸出入量の動向) 香港は、国際貿易の拠点として、乾しいたけを輸入し、その一部を国内で消費するとと もに、残りは輸出してきた。香港国内では、ほとんど乾しいたけの生産が行われていない ことから、輸入量から輸出量をひいた量が国内消費量と概ね一致していると考えられる。 実際の輸入量についてみると、1995 年に 10,643t に達した後は減少傾向を示しており、 2006 年は 6,223t となっている。輸出については、1995 年に 5,358t に達した後、減少して おり、2006 年は 1,010t となっている。輸出、輸入とも減少していることから、乾しいたけ については貿易拠点としての香港の位置づけが弱まっていることが窺われる。 また、輸出から輸入分を差し引いた国内消費分については、 1990 年は約 3,100t であった が、1995 年以降は、2000 年を除いて概ね 5,0005,500t で一定している。このことから、 香港の乾しいたけの国内市場は約 5,0005,500t であると推察される。 なお、この間、香港の人口は、1996 年の 567 万人から、1999 621 万人、2001 670 万人、2005 693 万人と一貫して増加している。人口増ほどは消費量が増えていないこと から、人口当たりの消費量については減少している可能性がある。 図表 香港における乾しいたけの輸入量の推移 (単位:t) 1990 1995 2000 2002 2003 2004 2005 2006 輸入 7,443 10,643 7,749 7,606 7,300 6,676 6,264 6,223 輸出 4,295 5,358 3,554 2,030 1,721 1,480 1,171 1,010 輸入-輸出 3,148 5,285 4,195 5,576 5,579 5,196 5,093 5,213 出所)香港輸入業者ヒアリング時入手資料 輸入国についてみると、現在では中国からの輸入量が圧倒的に多く、2006 年では 6,062t 97%)を占めている。1990 年は日本が 1,208t16.2%)、韓国 458t6.5%)を占めてい たが、その後、中国からの輸入が急増し、 2006 年の日本産の輸入は 59t にとどまっている。 また、輸出先についてみると、最近は、カナダ、アメリカが多く、それぞれ 300t 程度を 輸出している。 輸出量が多かった 1995 年と比べると、日本、シンガポール、マレーシア、米国等への輸 出量が軒並み大きく減少していることが分かる。シンガポールが貿易拠点としての性格を

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1-82

4.乾しいたけ

(1)市場実態

1)生産量・輸出入量の動向

(対象国の輸出入量の動向)

香港は、国際貿易の拠点として、乾しいたけを輸入し、その一部を国内で消費するとと

もに、残りは輸出してきた。香港国内では、ほとんど乾しいたけの生産が行われていない

ことから、輸入量から輸出量をひいた量が国内消費量と概ね一致していると考えられる。

実際の輸入量についてみると、1995 年に 10,643t に達した後は減少傾向を示しており、

2006 年は 6,223t となっている。輸出については、1995 年に 5,358t に達した後、減少して

おり、2006 年は 1,010t となっている。輸出、輸入とも減少していることから、乾しいたけ

については貿易拠点としての香港の位置づけが弱まっていることが窺われる。

また、輸出から輸入分を差し引いた国内消費分については、1990 年は約 3,100t であった

が、1995 年以降は、2000 年を除いて概ね 5,000~5,500t で一定している。このことから、

香港の乾しいたけの国内市場は約 5,000~5,500t であると推察される。

なお、この間、香港の人口は、1996 年の 567 万人から、1999 年 621 万人、2001 年 670

万人、2005 年 693 万人と一貫して増加している。人口増ほどは消費量が増えていないこと

から、人口当たりの消費量については減少している可能性がある。

図表 香港における乾しいたけの輸入量の推移

(単位:t)

年 1990 1995 2000 2002 2003 2004 2005 2006

輸入 7,443 10,643 7,749 7,606 7,300 6,676 6,264 6,223

輸出 4,295 5,358 3,554 2,030 1,721 1,480 1,171 1,010

輸入-輸出 3,148 5,285 4,195 5,576 5,579 5,196 5,093 5,213

出所)香港輸入業者ヒアリング時入手資料

輸入国についてみると、現在では中国からの輸入量が圧倒的に多く、2006 年では 6,062t

(97%)を占めている。1990 年は日本が 1,208t(16.2%)、韓国 458t(6.5%)を占めてい

たが、その後、中国からの輸入が急増し、2006 年の日本産の輸入は 59t にとどまっている。

また、輸出先についてみると、 近は、カナダ、アメリカが多く、それぞれ 300t 程度を

輸出している。

輸出量が多かった 1995 年と比べると、日本、シンガポール、マレーシア、米国等への輸

出量が軒並み大きく減少していることが分かる。シンガポールが貿易拠点としての性格を

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強めていることに加え、それぞれの国における中国等からの直接の輸入量が増えているこ

とが要因になっていると推察される。

図表 香港における乾しいたけの輸入量の推移

(単位:t)

1990 1995 2000 2002 2003 2004 2005 2006

中 国 5,743 9,725 7,431 7,318 7,068 6,457 6,118 6,062

日 本 1,208 464 89 103 88 120 40 59

韓 国 458 291 120 75 90 82 79 43

その他 34 163 109 110 54 17 27 59

合計 7,443 10,643 7,749 7,606 7,300 6,676 6,264 6,223

出所)香港輸入業者ヒアリング時入手資料

図表 香港における乾しいたけの輸出量の推移

(単位:t)

1990 1995 2000 2002 2003 2004 2005 2006

日 本 1,468 726 354

シンガポール 695 885 639 221 228 110 95 74

マレーシア 272 673 297 172 153 157 101 77

カナダ 124 311 249 476 381 304 323 309

アメリカ 517 758 978 674 541 430 264 250

その他 1,219 2,005 1,037 487 418 479 388 300

合計 4,295 5,358 3,554 2,030 1,721 1,480 1,171 1,010

出所)香港輸入業者ヒアリング時入手資料

(日本からの輸出の動向)

わが国における乾しいたけの生産量は、1984(昭和 59)年に 16,685t でピークを迎えた

後、継続的に減少しており、2005 年には 4 分の 1 の水準である 4,091t となっている。

こうした中で、中国等海外からの輸入量が増加する一方で、香港等への輸出量について

は減少を続けている。2006(平成 18)年の輸出先国別数量を見ると、香港への輸出量は 55t

と も多く、全輸出量の 71.8%を占めている(ちなみに、2 位はアメリカの 9t、3 位はシ

ンガポールの 7t である)。この規模は、1990(平成 2)年の対香港輸出規模 1208tの 4.5%

の水準に相当する。

また、単価をみると、わが国乾しいたけの生産単価 3,296 円/kg(2005 年)に対して、輸

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入産品の単価は 773 円/kg(2005 年)と圧倒的に安くなっている。しかも、輸入産品の単

価は低下傾向にあり、価格差が拡大している。輸出品の単価は生産単価とほぼ同様であり、

海外市場で競合する海外産品との価格差は極めて大きいことが分かる。生産者の高齢化、

後継者難に加え、中国等の安価な輸入産品が増えたことが、国内生産量の減少に拍車をか

けているものと推察される。

図表 わが国乾しいたけの生産・輸出入の状況

生 産 輸 入 輸 出 輸出先

年度 数 量

(トン)

単 価

円/キロ

金 額

(億円)

数 量

(トン)

単 価

円/キロ

数 量

(トン)

単 価

円/キロ

香港向

輸出量

(トン)

1975 11,356 3,381 384 93 1,142 2,696 3,492 1,644

1980 13,579 4,484 609 78 1,571 3,104 5,451 1,946

1984 16.685 - - - - - - -

1985 12,065 4,237 511 140 2,044 3,330 4,737 1,910

1987 11,803 3,602 425 893 1,672 2,634 3,975 1,732

1988 11,888 3,488 415 1,866 1,512 1,865 3,664 1,364

1989 11,066 3,926 434 2,201 1,488 1,439 4,202 1,060

1990 11,238 3,792 426 2,403 1,703 1,568 4,891 1,201

1991 10,168 3,845 391 2,813 1,586 1,042 5,175 812

1992 10,036 4,254 427 4,799 1,444 790 5,062 601

1993 9,299 4,221 393 7,208 1,115 696 3,548 557

1994 8,276 3,525 293 7,804 1,029 959 3,316 756

1995 8,070 3,052 246 7,539 908 544 3,162 423

1996 6,886 3,229 222 7,206 1,044 519 3,731 411

1997 5,786 3,498 202 9,400 1,219 280 4,032 207

1998 5,552 2,842 158 9,048 1,071 214 4,364 172

1999 5,582 2,050 114 9,146 1,009 156 4,010 121

2000 5,236 2,503 131 9,144 870 115 3,082 92

2001 4,964 2,589 129 9,253 887 151 2,540 103

2002 4,449 3,101 138 8,633 971 118 3,215 97

2003 4,108 3,611 148 9,137 886 79 3,489 50

2004 4,088 3,608 149 8,844 805 73 3,696 47

2005 4,091 3,296 135 8,375 773 85 3,222 49

2006 3,861 - - 7,949 - 76 - 55

出所)林野庁統計をもとに作成

注)2006 年の輸出先は、香港 55t、アメリカ 9t、シンガポール 7t と続いている。

2)主要小売店における小売価格の動向

また、乾しいたけの市場価格は一斤(600g)当たりで、日本産 200-300 香港ドル(2,836

-4,254 円)に対して中国産は 50-100 香港ドル(709-1,418 円)程度であり 6 倍近い差

がある。韓国産は、花系大型であり、価格は高い(日本並み)。

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図表 香港価格調査結果(店頭調査、2007 年 11 月)

(単位:香港$)

場所 品目 産地 価格 数量 単位 単位当たり価格乾ししいたけ 日本 205 1.8 kg 113.89乾ししいたけ 日本 328 1.8 kg 182.22乾ししいたけ 中国 488 5 kg 97.60乾ししいたけ 中国 138 0.6 kg 230.00乾ししいたけ(花厚) 日本 280 0.6 kg 466.67乾ししいたけ(日本どんこ) 日本 180 0.6 kg 300.00乾ししいたけ(日本どんこ大) 日本 320 0.6 kg 533.33乾ししいたけ(茶花中玉) 中国 68 0.6 kg 113.33乾ししいたけ(茶花どんこ) 中国 88 0.6 kg 146.67乾ししいたけ 中国 108 0.6 kg 180.00乾ししいたけ(花系) 中国 168 0.6 kg 280.00乾ししいたけ(小) 中国 28 0.6 kg 46.67スライスどんこ 中国 13 0.06 kg 216.67生しいたけ 中国 5.2 8 個 0.65生しいたけ 中国 6.9 0.2 kg 34.50乾ししいたけ(肉厚どんこ) 中国 59.9 0.4 kg 149.75乾ししいたけ(どんこ) 中国 43.8 0.35 kg 125.14

PARKnSHOP(沙田)

生しいたけ 中国 6.9 200 g 0.03

生しいたけ(鮮花菇) 中国 7.8 15 個 0.52生しいたけ 日本 32.8 4 個 8.20乾ししいたけ フランス 28 0.028 kg 1000.00生しいたけ 中国 8 10 個 0.80生しいたけ 日本 34 4 個 8.50まいたけ 日本 31 1 パック 31.00生しいたけ 日本 34 4 個 8.50まいたけ 日本 32 1 パック 32.00しめじ 日本 14 1 パック 14.00まいたけ 日本 18 1 パック 18.00えのき 日本 13 1 袋 13.00乾ししいたけ 中国 80 300 g 0.27乾ししいたけ 中国 85 226 g 0.38

乾物街

Wellcome

PARKnSHOP

そごう

City Super

ヤオハン(マカオ)

City Super(沙田)

西友(沙田)有限公司 出所)現地調査に基づき作成

3)消費者の嗜好

(消費者の乾しいたけ購買行動の特徴(嗜好、買い物、料理法))

①普段購入する乾しいたけの生産地とその理由

○普段購入する乾しいたけの産地

普段購入する乾しいたけの産地を聞いた所、「購入したことが無い」という人が 20.8%を

占めている。「日本産」と回答した人が 66.4%を占めている(購入したことが無いという人

を除いた場合 84.0%となる。これは本アンケートの対象者設定の条件によるものである)。

その他の国としては、「中国産」が も多く 51.8%を占めており(購入したことが無いとい

う人を除いた場合 65.4%)、「台湾産」の 14.7%、「香港産」の 12.7%を大きく上回ってい

る。

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図表 普段購入する乾しいたけの産地

12.7%

14.7%

51.8%

66.4%

1.6%

1.3%

0.0%

1.0%

20.8%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70%

香港産

台湾産

中国産

日本産

韓国産

欧米産

その他

産地を意識しない

乾しいたけを買ったことがない N=307

○最もよく購入する乾しいたけの産地

次いで、「 もよく買うのは、どこで生産された乾しいたけですか」という点を聞くと、

「中国産」と「日本産」がそれぞれ 42.9%から指摘されている。

図表 最もよく購入する乾しいたけの産地

中国産

42.9%

日本産, 42.9%

台湾産

6.7%

香港産6.7%

韓国産

0.8%

N=240

世帯年収別にこれを見ると、日本産を購入すると言う 103 名は年収の高い層が多く、3

万香港ドル以上(42.5 万円以上)が全体の 44.7%を占めている。これに対して、中国産を

購入すると言う回答者 103 名の内 3 万香港ドル以上(42.5 万円以上)の回答者は 33.9%で

あり、2 万ドル台(28.4-42.5 万円)が 37.9%、2 万ドル未満(28.4 万円未満)が 25.3%

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を占めている。日本産を購入すると言う回答者は、2 万ドル台(28.4-42.5 万円)は 27.2%

と中国産を購入するという回答者よりも 10%下回っている。

図表 世帯年収別に見た最もよく購入する乾しいたけの産地

(日本と中国の比較)

世帯年収計 103 100.0% 103 100.0%$10,000未満 4 3.9% 8 7.8%$10,000~20,000未満 21 20.4% 18 17.5%$20,000~30,000未満 28 27.2% 39 37.9%$30,000~40,000未満 24 23.3% 16 15.5%$40,000以上 22 21.4% 19 18.4%わからない 1 1.0% 1 1.0%無回答 3 2.9% 2 1.9%

日本産を購入 中国産を購入

次いで、回答者の年齢別に見ると、年齢が高くなるに従い日本産を もよく購入すると言

う回答者の比率が高まっている。特に 60 歳以上の回答者の場合、日本産を購入すと言う回

答者が 75.0%を占めているのに対して、中国産を購入すると言う回答者は 12.5%にとどま

っている。他方、20 歳代で日本産を購入すると言う回答者は 25.0%、30 歳代では 36.5%に

とどまっている。これらの若い年代層では半数近くが中国産を もよく購入すると回答し

ている。

図表 年齢別に見た最もよく購入する乾しいたけの産地

(日本と中国の比較)

計計 240 103 42.9% 103 42.9%20歳代 40 18 45.0% 10 25.0%30歳代 63 30 47.6% 23 36.5%40歳代 76 38 50.0% 33 43.4%50歳代 45 15 33.3% 25 55.6%60歳以上 16 2 12.5% 12 75.0%

中国産を購入 日本産を購入

○生産地選択の理由

その産地選択の理由は、「おいしいから」という回答が も多く 44.2%を占め、「価格が

手ごろだから」という回答が 37.5%となっている。そして、「香り・風味が良いから」とい

う回答が 22.1%を占めている。

これを年齢別に見ると、年齢が高くなりにしたがって「おいしいから」という回答比率が

高まり 40 歳代以上では も重視する理由となっている。また、「香り・風味が良いから」

という回答者も年齢が高まるに連れて比率が高まっている。60 歳以上の 3 分の 1 の人は、

「大きいから」という点を指摘している。

これに対して、20・30 歳代では「価格が手ごろだから」を指摘する回答者の比率が高ま

って 40%を上回り、「おいしいから」を指摘する人の比率を上回っている。

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図表 産地選択の理由

44.2%

22.1%

11.3%

9.6%

6.7%

9.2%

5.4%

37.5%

1.7%

2.1%

1.7%

2.5%

3.3%

6.7%

0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35% 40% 45% 50%

おいしいから

香り・風味が良いから

大きいから

形、色合いなど見た目が良いから

健康によいから

安全で安心だから

昔から買っているから

価格が手頃だから

他国産には同じようなものがないから

知名度やブランドイメージがあるから

広告でよく見るから

フェアで試食したことがあるから

友人、知人の口コミで勧められたから

その他 N=240

図表 年齢別に見た産地選択の理由

計 240 106 44.2% 90 37.5% 53 22.1% 27 11.3%20歳代 40 14 35.0% 16 40.0% 7 17.5% 3 7.5%30歳代 63 21 33.3% 27 42.9% 10 15.9% 6 9.5%40歳代 76 37 48.7% 27 35.5% 18 23.7% 9 11.8%50歳代 45 24 53.3% 18 40.0% 12 26.7% 4 8.9%60歳以上 16 10 62.5% 2 12.5% 6 37.5% 5 31.3%

香り・風味が良いから

大きいからおいしいから価格が手ごろ

だから

「 もよく買うのは、どこで生産された乾しいたけですか。」という問いに対して「中国

産」と答えた消費者は、その理由として 67.0%と圧倒的に多くの人が「価格が手ごろだから」

を指摘している。他方、「日本産」と回答した消費者は、その理由として「おいしいから」

(67.0%)を指摘しており、これに次いでは、「香り・風味が良いから」(29.1%)、「大きい

から」(19.4%)、「形・色合いなど見た目が良いから」、「安心で安全だから」(いずれも 15.5%)

を指摘しており、選択の基準が大きく異なっている。このような日本産品選択の基準は、

中国産品を選択する人にとってはそれぞれ指摘する人は少ないという点で大きな差異があ

る。

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図表 最もよく購入する乾しいたけの産地別に見た購入理由(N=日本・中国とも 103)

23.3%

15.5%

5.8%

3.9%

2.9%

4.9%

6.8%

67.0%

2.9%

0.0%

1.0%

3.9%

1.9%

10.7%

67.0%

29.1%

19.4%

15.5%

12.6%

15.5%

1.9%

6.8%

1.0%

3.9%

1.0%

1.9%

4.9%

1.9%

0.0% 10.0% 20.0% 30.0% 40.0% 50.0% 60.0% 70.0% 80.0%

おいしいから

香り・風味が良いから

大きいから

形、色合いなど見た目が良いから

健康に良いから

安全で安心だから

昔から買っているから

価格が手頃だから

他国産には同じようなものがないから

知名度やブランドイメージがあるから

広告でよく見るから

フェアで試食したことがあるから

友人、知人の口コミで勧められたから

その他

中国 日本

②乾しいたけの購入頻度

乾しいたけの購入頻度を見ると、「半年に一度」という人が も多く 50.6%を占めている。

これに次いでは、「月に一回程度」という人が 30.5%を占めている。

図表 乾しいたけの購入頻度

めったに購入

しない4.9%

週に一回程度

3.7%

月に一回程度

30.5%

1年に一度, 10.3%

半年に一度

50.6%

N=243 ③購入に際して重視する点

乾しいたけの購入に際して も重視する点では、「味」が も多く 36.2%を占めている。

これに次いでは、「形、色合い・つや」が 23.5%であり、「価格(高価、低価)」、「健康への

良さ」がいずれも 10%強を占めている。

Page 9: 出所)香港輸入業者ヒアリング時入手資料 - maff.go.jp...香港の乾しいたけの国内市場は約5,000~5,500t であると推察される。 なお、この間、香港の人口は、1996

1-90

図表 乾しいたけの購入に際して最も重視する点

形、色合い・つや

23.5%

衛生・安全面7%

価格(高価、低価),11.4%

大きさ・重量

6.5%

36.2%めったに購入

しない4.9%

健康への良さ

10.1%

わからない

3.9%

N=307

④購入に際して参考にする情報媒体

「普段購入する乾しいたけの情報をどのような媒体で入手」するかという問いに対して

は、回答者一人当たり 1.4 件の媒体を選択しており、「知人・友人・身内からの紹介・口コ

ミ・評判」が も多く 31.3%を占めている。これに次いでは「店頭表示、店頭での店員に

よる推薦」(22.5%)、「新聞・雑誌記事」(21.8%)がいずれも 20%以上を占めている。他

方で、「テレビ CM」、「テレビ番組(特集番組、料理番組など)」、「新聞・雑誌広告」などの

マス媒体の比率は相対的に低くなっている。その他の媒体の比率は 5%に満たない状況にあ

る。

図表 乾しいたけの情報入手媒体

16.0%

13.0%

21.8%

15.6%

2.6%

3.9%

3.6%

22.5%

31.3%

0.7%

8.8%

0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35%

テレビCM

テレビ番組(特集番組、料理番組など)

新聞・雑誌記事

新聞・雑誌広告

インターネット

チラシ・ポスター・DM

物産展などのフェア、イベント

店頭表示や店頭での店員による推薦

知人・友人・身内からの紹介・口コミ・評判

その他

わからない N=307

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(消費者の日本産乾しいたけに対する認知、利用経験、評価)

①日本産乾しいたけを見かける頻度

日本産の乾しいたけをスーパーや店舗などで見ることがあるかどうかについてみると、

「よく見かける」50.8%、「たまに見かける」26.1%と、全体の 4 分の 3 の回答者は店頭で

の日本産乾しいたけに対する認知は行われている。しかし、日本産乾しいたけの香港への

輸出が激減し、南北街の限られた輸入業者のみが日本産品を扱っているという現況では、

この回答は産地偽装品を日本産と誤認していることを示している。

図表 日本産乾しいたけを店頭で見かけるかどうか

あまり見かけない

16.6%

ほとんど見たこと

がない, 4.6%

たまに見かける

26.1%

よく見かける

50.8%

めったに購入

しない

4.9%

N=307

②日本産乾しいたけの食体験

○食体験

日本産乾しいたけの食体験を聞いた所、83.1%が「食べたことがある」と回答している。

この高比率は、本アンケートの対象者に絞り込み条件によるものであると考えられる。

図表 日本産乾しいたけの食体験

食べたことがある

83.1%

食べたことはない

16.9%

N=307

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○日本産乾しいたけを食した場所

日本産乾しいたけの食体験を有する 255 名がどこで食したかを聞くと、「自分の家」が

も多く 81.2%に達している。この他では、「日本料理レストラン」が 43.5%、「親戚・友人・

知人の家」(13.3%)となっている。その他の回答は 10%に満たない状況にある。

図表 日本産乾しいたけを食した所

43.5%

0.0%

1.2%

7.8%

81.2%

13.3%

7.1%

0.4%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90%

日本料理屋・レストラン

日本以外の外国料理レストラン

現地のレストラン(香港料理)、屋台

店舗の試食

自宅

親戚・友人・知人の家

日本(旅行中など)

その他N=255

○日本産乾しいたけの調理法

日本産乾しいたけの調理法を見ると、回答者 1 人当たり 1.4 件の回答をしているが、「ス

ープ」が も多く 29.8%を占めている。そのほか、「煮物」(23.9%)、「炒め物」(19.6%)、

「だし」(19.6%)が指摘されている。なお、乾しいたけの料理法は多様であり、「その他」

という回答が 141 名、55.3%に達している。

図表 日本産乾しいたけの調理法

29.8%

19.6%

23.9%

11.4%

0.4%

19.6%

2.7%

1.6%

55.3%

2.7%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60%

スープ

炒め物

煮物

鍋料理

生食

だし

薬膳料理、漢方などの健康食品、薬剤として

蒸し物

その他

わからない N=255

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4)日本産品の潜在需要

○日本産乾しいたけの今後の購入意向

今後の日本産乾しいたけを購入したいと考えるかを聞くと、「そう思う」、「まあそう思う」

を合わせると 87.0%に達している。そして、「あまりそう思わない」は 35 名、11.4%、「全

くそう思わない」は 5 名、1.6%に過ぎず、先に見た「日本産乾しいたけを購入しない」と

いう人 103 名、33.6%と比較して大幅に少なくなっている。多くの人が日本産乾しいたけ

に関心を持っていることが窺える。

図表 日本産乾しいたけの購入意向

そう思う68.4%

まあそう思う18.6%

全くそう思わない,

1.6%

あまりそう

思わない11.4%

N=307

これを年齢別に見ると、60 歳以上の 75.0%、40・50 歳代の 8 割以上など、年齢の高い層

ほど「そう思う」という強い購入意向を示す人の比率が高まっている。

図表 年齢別に見た日本産乾しいたけの購入意向

計 307 210 68.4% 57 18.6% 35 11.4% 5 1.6%20歳代 79 34 43.0% 27 34.2% 15 19.0% 3 3.8%30歳代 85 56 65.9% 13 15.3% 14 16.5% 2 2.4%40歳代 81 68 84.0% 11 13.6% 2 2.5% 0 0.0%50歳代 46 40 87.0% 4 8.7% 2 4.3% 0 0.0%60歳以上 16 12 75.0% 2 12.5% 2 12.5% 0 0.0%

そう思う まあそう思うあまりそう思わ

ない全くそう思わな

○購入したい理由

日本産乾しいたけを購入しようとしている理由を見ると(回答者は購入意向を有する 267

名)、「おいしいから」という理由が 72.3%と圧倒的な比率を占め、「健康に良いから」

(37.1%)、「安全で安心だから」(21.3%)がこれに次いでいる。その他の理由はいずれも

10%を下回る指摘しか受けていない。そしてこのような傾向は、日本産果実の場合と同様

であり、日本農産品一般のイメージが反映していることによると考えられる。

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図表 日本産乾しいたけの購入理由

72.3%

37.1%

0.7%

9.0%

21.3%

6.7%

0.7%

2.6%

3.0%

4.9%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80%

おいしいから

健康に良いから

他国産には同じようなものがないから

知名度やブランドイメージがあるから

安全で安心だから

価格が手頃だから

広告でよく見るから

フェアで試食したことがあるから

友人・知人の口コミで勧められたから

その他 N=267