(5)写真地図データ作成 航空レーザ計測と時に 撮影した地表 ... · 2019....

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115 (5)写真地図データ作成 航空レーザ計測と同時に撮影した地表面画像データならびに外部標定要素を基に、 カメラの傾き・土地の比高による歪みを補正したデジタルオルソフォトデータを作成す る。 図 Ⅱ-5-(5)-1 デジタルオルソフォト作成 図 Ⅱ-5-(5)-2 デジタルオルソフォト

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  • 115

    (5)写真地図データ作成

    航空レーザ計測と同時に撮影した地表面画像データならびに外部標定要素を基に、

    カメラの傾き・土地の比高による歪みを補正したデジタルオルソフォトデータを作成す

    る。

    図 Ⅱ-5-(5)-1 デジタルオルソフォト作成

    図 Ⅱ-5-(5)-2 デジタルオルソフォト

  • 116

    (6)オリジナルデータ作成

    (4)にて実施した調整用基準点とのデータ検証により問題が認められなかったため、

    ノイズ等のエラーデータを除去したオリジナルデータを作成した。なお、これらは建物、

    樹木等の地物データを含む全てのデータとした。

    図 Ⅱ-5-(6)-1 ノイズ除去前・後のイメージ

    図 Ⅱ-5-(6)-2 オリジナルデータ(09GC8122)

    ノイズデータ

    (空中浮遊物等による乱反射)

  • 117

    (7)グラウンドデータ作成

    1)グラウンドデータ作成

    グラウンドデータは、前項で作成されたオリジナルデータに対してフィルタリング

    処理を行い作成したデータである。

    なお、フィルタリング処理は地形、地物(家屋・樹木等)の全てを含んだオリジナ

    ルデータから地物(家屋・樹木等)を除去して地形のみを抽出する処理である。

    図 Ⅱ-5-(7)-1 グラウンドデータ作成概念図

    フィルタリング処理

    レーザ計測点

    オリジナルデータ

    グラウンドデータ

  • 118

    2)フィルタリング項目

    オリジナルデータから建物、樹木等の地表を遮蔽するデータを除去(フィルタリン

    グ処理)して地表面の計測データを作成した。対象項目は、下表を基本として作業を

    行った。

    表 Ⅱ-5-(7)-1 フィルタリング項目

    交通施設

    道路施設等 道路橋(長さ 5m 以上)、高架橋、横断歩道橋、道路情報

    板等、照明灯、信号灯

    鉄道施設

    鉄道橋(長さ 5m 以上)、高架橋(モノレールの高架橋含む)、

    跨線橋、プラットフォーム、プラットフォーム上屋、架線

    支柱、信号灯支柱

    移動体 駐車車両、鉄道車両、船舶

    建物等 建物及び

    付属施設等

    一般住宅、工場、倉庫、公共施設、駅舎、無壁舎(温室、

    ビニールハウス)、競技場のスタンド、門、プール(土台

    部分含む)、へい

    小物体

    記念碑、鳥居、貯水槽、肥料槽、給水塔、起重機、煙突、

    高塔、電波塔、灯台、灯標、輸送管(地上、空間)、送電

    水部等 水部に関する構造物 浮き桟橋、水位観測施設、河川表示板

    植生 樹木※1、竹林※1、生垣※1

    その他 その他 大規模な改変工事中の地域※2、地下鉄工事等の開削部、資

    材置場等の材料・資材

    備考 ※1 地表面として、判断できる部分は可能な限り採用する。

    ※2 地表面として、ほぼ恒久的であると判断できるものは採用する。

  • 119

    3)フィルタリング手順

    フィルタリング処理は、自動フィルタリングと手動フィルタリングの二つの工程か

    らなり、それぞれの処理に特化したソフトウェアを使い分け作業を実施した。

    フィルタリング処理のフローを下記に示す。

    図 Ⅱ-5-(7)-2 フィルタリング処理フロー

    ・自動フィルタリング

    地形特性に応じた数種類のパラメータを与えることにより、オリジナルデータから

    地物・地形データを自動判別する。本業務では Terrasolid 社の「TerraScan」を使用

    して自動処理を行った。このソフトウェアは航空機レーザのデータ処理に特化したプ

    ログラムが開発されており、航空機レーザデータの自動処理の計算アルゴリズムに優

    れている。

    ・手動フィルタリング

    様々な地形要素が入り組む日本の地形では、自動処理のみでの正確な地表、地物の

    判別は不可能である。

    例えば、急勾配地形では、斜度が周りと比較して極端に違うため地物と誤認識をす

    る場合もある。また、山間部の森林地帯では植生の多様性により樹木の高さが同様の

    場合に地表と誤認識をする場合もある。

    このような自動処理の誤認識は、手動処理により適宜修正した。手動処理には ESRI

    社の ARCGIS を弊社が独自にカスタマイズした処理システムを用いて点検・修正を

    行った。ARCGIS はレイヤ構造という特徴的機能をもっているため、マニュアル点検

    に必要な様々なデータ(写真地図データ・等高線・微地形強調図・陰影など)を一括

    で扱えるため作業効率・点検精度面を考慮した場合に適している。

    点検修正には TIN の 3 次元モデル・等高線を作成して確認作業を行った。TIN、

    等高線でも確認が困難な部分に関してはさらに断面図を作成して確認作業を行った。

    2-初期グラウンドデータ抽出

    5-確認処理

    7-グラウンド

    データ

    1-処理データの準備

    3-近傍点探索

    4-反復探索

    6-フィルタリング

    手動処理

    NG OK 自動処理

    手動処理

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    図 Ⅱ-5-(7)-3 尾根の消失事例

    地表と誤認識

    図 Ⅲ-3-(4)-21 樹木の誤判断事例

    自動処理

    手動処理