hp social media marketing
DESCRIPTION
ソーシャルメディアマーケティングを活用したHPのケーススタディTRANSCRIPT
Case Study of HP Social Media Marketing
メディア広告(予算)からソーシャルメディアマーケティング(予算)へメディア広告(予算)からソーシャルメディアマーケティング(予算)へ
MarketingProfs (http://www.marketingprofs.com)の有料コンテンツから抜粋
「31 Days of The Dragon」コンテスト
31のBlogサイトに独自のコンテスト企画を依頼。コンテスト告知、運営、優勝者選出、賞品(HDX)贈呈などすべてをBlogサイトの責任で実行。(HPから広告・PRは一切なし)
HP HDX PC
HP WebサイトDragonというニックネームを持つHPのHDX PCの販売促進を広告なしの
ソーシャルメディアマーケティングで実行。
HP Webサイトへのトラフィック10%増加
コンテスト主催サイトのトラフィックは合計で5,000万以上。
世界123カ国、40言語
のユーザがコンテスト主催サイトへアクセス。
5月から6月にかけての31日間でHP HDXの販売は84%増加。
HPのPC全体の販売も10%増加。
コンテストに関する自作ビデオは1万本以上がYouTubeなどの共有サ
イトにアップロードされて露出を拡散した。
この結果に満足したHPは、12月から今度は50のBlogを利用した同じ
ようなキャンペーンを開始。
Summary
• HPパーソナルシステムグループのVP兼GM、Scott Ballantyneは31人のBlogger達それぞれに5,000㌦+コンピュータ賞品パッケージを手渡し、彼らのBlog読者達に最も適した方法・形で独自の懸賞コンテスト、キャンペーンを企画、実施するよう依頼した。
• これは、 HPのHDX Dragon Entertainment Notebookの販売を促進するためのプロモーションだったが、Bloggerに依頼したコンテスト・キャンペーンに関するHPからの広告は一切なし、HP本体から新しいマーケティングメッセージを1本たりとも出していない。選抜されたBlogger達が独自に自身の読者コミュニティに対してコンテスト・キャンペーンを企画し、実施してもらうというソーシャルメディアを活用する戦略を具体化したものだ。そしてこの戦略は大成功を収めた。
• 31日間のプロモーション期間中に合計5,000万impression以上が記録され、HDX Dragonの販売は84%増加し、HPの消費者向けPCの全体的な販売は10%増加、そしてHP.comへのWebトラフィックは14%(プロモーション期間前5週間と、その後の5週間の比較)も増加した。
• 「結果は抜群だった」、「販売は想定をはるかに超えた」とBallantyneは語っている。
Web 2.0Social Media Marketing
Web 2.0スペースでの露出拡大Online WOM
HDX Dragon販売急増
Challenge
• 2007年半ば、HPはHDX Entertainment Notebook PCをリリースした。「Dragon」というニックネームを冠したシステムは、HPが初めて採用した20.1インチの広角ディスプレイ、HDTVチューナー、サブウーファ、4個のAltec Lansingスピーカー、Webカメラ、ATI HD2600 XTグラフィックカード、
そして指紋認証システムを装備している。
• モンスターのようなマシーンのため3,000㌦からというように非常に高額な製品となっている。そのため、高額の可処分所得を持つ25-34歳をター
ゲットとするニッチ製品となっている。
• その標準仕様から、リリース直後からハイテク・コミュニティからは高く評価されてはいたが、販売は期待されたほどではなかった。
• 販売責任者であるScott Ballantyne、HPパーソナルシステムのVP兼GMは、このニッチなターゲットに効果的に訴求し、販売てこ入れを早急に行う必要があった。
Campaign -1
• BallantyneはBlog社会にその解を求めた。ソーシャルメディアおよびWOMマーケティングを行うBuzz Corpsとともに、「31 Days of the Dragon」というプロモーションを選抜したBlogコミュニティで実施する決定を下した。
• HDX Dragonの想定ターゲットマーケット内におけるBloggerの影響力を特定し、31人のBloggerを選抜した。Blogger達には、彼らが独自にコンテストを企画、実施すること、そしてそのコンテストの優勝者には5,000㌦以上(ソフトウェアなどを含む)のHDX賞品パッケージを提供することを依頼した。
• 2008年5月2日から6月1日までの31日間、毎日、何件かのコンテストが選抜された31人のBlogger達から発表、実施された。彼らBlogger達は、コンテストの内容、方法、発表、そしてWeb 2.0ツールを駆使した企画開発、実施の責任を負った。
• HPからの要求は、1)コンテスト賞品はBlog読者に与えられること、2)選抜されたBlogger達は31日間を通して、他のBlogger達のコンテストと同時に自分のコンテストもプロモートすること、この2点だけ。
• 実施されたコンテストのいくつかは、コンテスト参加者の声、例えばHDXを使うことによる生産性向上やモバイルゲームの利便性などのBlog書き込み、YouTubeなどへのビデオ投稿を実施した。また、HDXを活用した自作CMには割増ポイントを参加者に与えるコンテストもあった。
「31 Days of the Dragon」コンテストを企画、実施したBlogサイト
Campaign -2
コンテスト参加Blogのプロモーション例
• 隠し物探しコンテスト参加者は、Blog内の書き込みからHDX Dragon、Intel CPUなどの画像、仕様、そしてHP Pavilion Entertainment PCがBlogで最初に引用された日時などを探し出してコンテストに参加。
• 割増ポイント制Blog書き込みに対してコメントを書く、あるいはフォーラムに参加するコンテスト参加者に割増ポイントを与える。
• コンテスト参加条件1)HDX Dragonが必要な理由をフォーラムに書き込むこと、2)その書き込みに少なくとも5人の友人からコメントをもらうこと、3)コンテストに関係のない5つ以上のフォーラムスレッドを起こすこと、4)他のフォーラムスレッドに10個以上のコメントを書き込むこと。
コンテスト実施全般
• 31人のBlogger達は独自の企画、実施、プロモーションマーケティング、参加Blogger間のクロスレファレンスを実施。(HPからいかなる要求も、強制もなし)
• HPは、賞品キャンペーン用に合計25万㌦を支出したのみ。広告・媒体費は一切支出なし。また、キャンペーン
プロモーション用のマーケティング手段・ツールなどの実施、提供はなし。
Results
• 「31 Days of the Dragon」プロモーション期間中のトラフィックは世界中から、
– 40以上の言語、123カ国から
– 31のBlogサイトへ合計5,000万impression(Alexaによる)に達した。
– Google検索によれば、HDXコンテストに関するリンクは38万件以上、
– 1万本以上のビデオが共有サイトなどにアップロードされ、
– コンテスト参加者自身のWeb/BlogなどのPVは合計500万以上
• HPおよびBuzz Corpsは、「HP、あるいはコンテストに関するネガティブなコメントはまったくなかった」、逆に「HP、その製品および企業全体として賞賛する声が圧倒的だった」としている。
• 31日間のコンテストを通して、31のBlogサイトへは25,000以上の書き込みがあり、結果としてキャンペーン開始前と比べ、トラフィックは平均すると150%増加(5,000%増に達したBlogもあった)。キャンペーン終了後も、以前と比べて50%もトラフィックが増加しているBlogサイトもある。
• HPが獲得した結果
– HP.comへのトラフィックはキャンペーン期間中14%も増加
– HDX Dragonの販売は84%増加
– HPのPC販売全体として10%増加
– キャンペーン終了後も販売増は数ヶ月も継続中 200年、WOMMA (The Word of Mouth Marketing Association)からWOMMIE(WOM界のアカデミー)賞を受賞
Lessons Learned
• 「31 Days of the Dragon」キャンペーンは、コミュニティによるコミュニティに対するマーケティングの力を如実に
示している。
• HPとしてはキャンペーン自体をコントロールすることを止め、選抜した31のBlogger達に独自にコンテストの詳細、マーケティングメッセージやツール作成を委託することで、HPは第三者的な信頼性を勝ち取り、キャンペー
ンのリーチからも、製品自体の販売促進といった面からも大成功を収めた。
• 今回のキャンペーンのもうひとつのメリットは、キャンペーンコストの削減がある。通常の広告+PR活動により、
今回同様の効果を達成することは不可能。
• それに加えて、法的リスクも削減できている。選抜された31人のBlogger達が、自分の時間とリソースを活用して個々のコンテストを企画、実施するという全責任を負っているからだ。また、HPとしても賞品パッケージを提
供するだけで、通常、必要となる社内承認プロセスを省略できている。
• しかし、「(キャンペーン企画・実施から)手を離した」という側面から今回のキャンペーンが簡単に実施できたと見なすことはできない。「これはPRの派生物でも、結果論的なPRでもない」、「この種キャンペーンを単純に市場進出戦略と捉えるならば、いつかそれを見透かされる」とBallantyneは語る。
• 「信頼できるパートナーを作り、コミュニティとの関係に耳を貸す必要がある。もし、営業マンとしてコミュニティに顔を出す、あるいは足を踏み入れるなら、信頼を勝ち取ることはできない」と語っている。
• HPは、キャンペーン実施前に十分な時間をかけ、Blog社会とオープンで公正、公平な関係を構築することによ
り、今回の大成功を収めることができた。
Implication of Social Media Marketing
• 絶大なマーケティング効果
– ソーシャルメディアマーケティング(SMM)・キャンペーン
• 期間:31日間、31人の影響力のあるBloggerを選抜、ソーシャルメディアキャンペーンを委託
• 効果:5,000万impression、HDX販売84%増、全体PC販売10%増、Webトラフィック14%増
• コスト:たった25万㌦(HPからこのキャンペーンに関する広告、プロモーションは一切なし)
• 波及:英語Blogによるキャンペーンにもかかわらず、世界123カ国へ波及
– 通常広告(TV、印刷、OOH、他)+PR活動との比較
• 米国内だけではなく、全世界123カ国に普及・浸透、40言語で露出
• 通常広告+PR活動効果を大きく超える大反響、大成功を収める
• 通常広告+PR活動に25万㌦を支出したとしても、今回と同様効果を達成するのはまったく不可能!!!• 影 響 (メディア広告の比率低下)
– Web 2.0スペースのユーザパワーが増大し、企業マーケティング活動へ影響
– マーケティング活動におけるソーシャルメディアマーケティングの比重上昇
– 予算配分へ影響
• 効果、効率の低い既成マスメディアからオンラインマーケティングへ
• オンラインメディア広告からソーシャルメディアマーケティング予算へ
• ソーシャルメディアマーケティング(SMM)の必要性
– SMMを積極的に活用してくる欧米企業・ブランドに対応する必要あり
– 世界へ波及するSMMをブランディングおよび販売促進に活用する必要あり
追加キャンペーン追加キャンペーン :: HP Giveaway ContestHP Giveaway Contest
1. メディア予算不要、製品提供のみ2. 広告代理店の仲介不要3. (バイラル)マーケティング会社に委託4. Blogサイト選抜5. Blogサイトがコンテストを主催(企画・
運営・実施・優勝者選抜、他)、全責任を負う
6. コンテスト紹介Webサイトから販促も7. Blog、SNSなどでコンテストが露出8. 新聞・TVなどへも露出が波及
① メディア予算不要のため広告代理店は積極的に情報提供しない
② HPのケースのように広告を上回
る効果を上げた場合、企業はソーシャルメディアマーケティングを強化する
③ 既成マスメディア予算獲得をビジネスモデルとする代理店からの協力は困難
Blogサイト : Digital Media Phileの場合「恵まれない人々、福祉団体、グループホーム、介護施設などにHP製品(PC、Printer、Soft など5,000㌦相当)を寄付する」コンテストを主催。応募期間:2008年12月8日~12日
コンテスト参加希望者はHP製品を寄付したい人・場所の写真、ビデオをYouTube、Flickr にアップする。アップしたURLと寄付したい人とその理由を150文字以内に書いてメールを送付する。
優勝者には地元の新聞・TV局が取材をし、記事
にすることもある。
このHP Magic Giveaway Contest には50のBlogサイトが参加している。(他Blogサイトはそれ
ぞれ別期間で実施)
HP Giveaway Contest 紹介Webコンテスト主催Blogサイトを紹介
HP Giveaway Contest 製品パッ
ケージの紹介オンラインショッピングも可能