応用情報・午後・ストラテジ系を解く(h26春)
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平成26年度春期午後の問題と解答
•問題• https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2014h26_1/20
14h26h_ap_pm_qs.pdf
•解答(+出題趣旨)• https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2014h26_1/20
14h26h_ap_pm_ans.pdf
•講評• https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2014h26_1/20
14h26h_ap_pm_cmnt.pdf
目次
•解説編• 設問0. ざっと設問を見る
• 設問1. RFM分析
• 設問1. プロモーションの利点
• 設問1. プロモーションの施策
• 設問2. 有効回答数などの算定
• 設問2. 仮説の修正
• 設問2. SNSの活用
• 設問2. 価格感度測定による分析
•要点カード編• No.001マーケティングの全体像
• No.002マーケティングのSTP
• No.003 リレーションシップマーケティング
• No.004 価格感度測定法
設問0. ざっと設問をみる
• 設問1. (1) Rの重みを2倍にした理由(30字)• 設問1. (2) ランクごとのプロモーションの利点(30字)• 設問1. (3) [ a ] と [ b ] に入れる語句(10字)• 設問2. (1) [ c ] に入れる語句(5字)• 設問2. (2) [ d ] ~ [ g ] に入れる数値、字句• 設問2. (3) SNSの活用で期待できる効果(30字)• 設問2. (4) [ h ] に入れる字句を選択
X
要点カード No.XXX
要点カード No.XXX
B
A
C
・・・確実に正解したい
・・・できれば正解したい
・・・正解できなくても仕方ない
参照すべき要点カードをココに挙げます
問題の難易度をココに書きます
応用情報技術者試験の午後試験は、時間がタイトです。そこで、事前に設問文に目を通し、以下程度の内容を把握しておくとよいでしょう。
設問1. RFM分析
• R(Recency:最終購買日)を2倍の重み付けにした理由• もちろん、「Rが重要だから」。では、なぜRが重要なのか?
• Rが重要であることがわかる記述が、2段落目に2箇所もある
• 解答は「1年以内に商品を購入した顧客は、商品の購入額が多いから」など• 「最終購買日」または「最新購買日」という言葉を入れたいところだが、字数がきびしい
• こういう、当たり前ともとれるようなことを書かせる出題もある→ 確実に正解したい
1年以内に商品を購入している顧客は、他の顧客と比べ、来店回数と商品の購入額が多い傾向
A
要点カード No.003
直近の時期が1年以内の顧客への売上額が70%
設問1. プロモーションの利点
• プロモーションの総費用を変えずに期待できる利点• これまでのプロモーションの費用対効果が低いことがわかる1文がある
• 何の工夫もない販売促進• 誰に:住所・氏名を入手できた全ての顧客
• 何を:通常のカタログ→ “通常の”とあるので、通常でないカタログもあるはず
• いつ:四半期ごと
• 解答は「高ランクの顧客に、手厚いプロモーションを行うことができる点」など• これも、確実に正解したい
A
住所・氏名を入手できた全ての顧客へ、通常のカタログを四半期ごとに送付するプロモーション
設問1. プロモーションの施策
• プロモーション施策の文中の穴埋め [ a ] [ b ]
• 解答例の「費用を削減」するため以外に出てこない• 確実に正解したい
• 解答例は「離反した」• 「L社の商品に飽きた」など、具体的な内容までは突っ込まない方がよいだろう
A
プロモーションの [ a ] するために、カタログの送付をやめる
輸入雑貨を購入するニーズが無いか、顧客が [ b ] 確率が高い
A
a
b
設問2. 有効回答数などの算定
• アンケート調査の有効回答数を算定する [ c ]• “信頼度95%”のケースはよく使われ、次の式で出てくることが多い(問題文中の式と同じ意味)
• 統計の知識で、知らなければ解答できない。できなくても、合否に影響はないと思われる
𝑟 = 2𝑝(1 − 𝑝)
𝑞
𝑟 :誤差率、 𝑝 :質問に対する回答率(購入意向率)、 𝑞 :サンプル数(有効回答数)
• 被調査者数を算定する [ d ]• 75%が回収でき、そのうち80%が有効回答。有効回答数が600になるので、次の式が成り立つ• これにより、𝑥 = 1000 となる
• 上記と違い、とても易しい。確実に得点したい
𝑥 × 75% × 80% = 600
C
A
c
d
設問2. 仮説の修正
• デザイン [ e ]• 市場調査結果(c)により、イタリア風にすべきとわかる
•顧客が受容できる価格帯 [ f ] [ g ]• 「要点カードNo.004」を参照
• 15万円~30万円が受容可• なんとなくカンでできるのでは
A
B
B
要点カード No.004
この点であれば、ほとんどの人は、安すぎるので(品質が心配で)買わない。つまり、受容できる金額ではない
e
f
g
設問2. SNSの活用B
•下線③(ターゲット顧客への訴求方法)について、SNSを活用すると、L社の商品を広く認知してもらえるに加え、L社にとってどのような効果が期待できるか• 「認知してもらえる」に加え→ 「実際にモノが売れる」くらいしか思いつかない
• SNSの活用→ “口コミ”が問われていることに気がつきたい• 「200字以内で述べよ」であれば、次のような解答になるか
• SNSを活用することによって、過大な広告宣伝費を用いずとも、ユーザ間の口コミによって商品の販売量が増えると期待できる。口コミは、①友人や知人からの実例に基づく情報であるため、情報の信頼度が高く、さらに、②広告と異なり、送り手が無意図であるため、その情報を受け入れやすい。これらにより、買い手の購入のハードルを下げ、購買につながると考えられるからである。
• 30字だと「ユーザ間の口コミによって、商品の販売量が増えると期待できる。」くらい
設問2. 価格感度測定による分析
→ [ h ] は、右図の赤い点を表わしている
• アとイ→「最も低い価格」(×)• すぐに外せる
• ウとエ→「適正価格」がいくらか• 適正価格が20万円か25万円か?• 知らなければ、解答は難しい
→ 「要点カードNo.004」を参照• 適正価格は20万円→ エが正解
C
要点カード No.004
新たに市場投入する輸入家具は原価20万円で、人気の高いデザインの商品であり、[ h ] である25万円を販売価格とすることが妥当と考えた。
マーケティングの全体像大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 2.マーケティング > (1) マーケティング理論
要点カードNo.001
●マーケティングとは(色々な定義があるが)「顧客が求める商品・サービスをつくり、顧客にこれらを円滑に届け、顧客がこれらの価値を効果的に得られるようにするための活動」
中核、特徴、品質、ブランド、パッケージング、保証、アフターサービスなど
プロモーション(Promotion)
マーケティング戦略
環境分析
セグメンテーション
ターゲティング
ポジショニング
マーケティングミックス
チャネル・物流(Place)
価格(Price)
製品(Product)
価格設定(PSM分析、参照価格など)価格管理(割引、リベートなど)
チャネルの長さと幅在庫管理、流通業者、流通経路
広告、パブリシティ → プル戦略
人的販売、販売促進 → プッシュ戦略
自社の経営資源(ヒト、モノ、カネなど)
競合分析(Competitor)
顧客分析(Customer)
自社分析(Company)
顧客や消費者
競合他社の動向、経営資源
例. 3C分析
市場を細分化する
狙いとするセグメントを選択する
消費者の中における位置づけを決める
“STP”と呼ばれる→ 「要点カード No.002」
“4P”と呼ばれる
マーケティングのSTP大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 2.マーケティング > (1) マーケティング理論
要点カードNo.002
●STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)
マーケティング戦略
環境分析
セグメンテーション
ターゲティング
ポジショニング
マーケティングミックス
市場を細分化する
狙いとするセグメントを選択する
消費者の中における位置づけを決める
◆マーケットとして成り立つ要件→ 測定可能、到達可能、維持可能、実行可能
◆細分化の基準・ジオグラフィック(地理的変数)・・・地域の特性(気候、人口密度など)・デモグラフィック(人口統計的変数)・・・年齢、性別、所得、職業など・サイコグラフィック(心理的変数)・・・ライフスタイル、価値観など・ビヘイビアル(行動的変数)・・・ベネフィット(得られる価値)、ロイヤルティなど
4P(製品:Product、価格:Price、チャネル・物流:Place、プロモーション:Promotion)
◆コトラー・無差別型・差別型・集中型
◆エイベル・全市場浸透型・単一セグメント集中型・製品専門型・市場専門型・選択的専門型
◆競合製品との対比◆自社の製品ラインでの位置づけ
→ カニバリゼーション(共食い)を起こさないように注意する。
知覚マップ
2軸を選び、知覚マップを作成する
リレーションシップマーケティング大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 2.マーケティング
要点カードNo.003
●リレーションシップマーケティング(関係マーケティング)・企業とステークホルダーとの関係性に注目するマーケティングの概念・企業と顧客の、継続的な相互利益と成長を目指す・顧客を資産として考える(顧客資産価値:カスタマーエクイティ)→ 顧客という資産は、かかわるほど進化する→ 「顧客満足(CS)」から「顧客進化」へ
●CRM(顧客関係性管理)・・・顧客の行動を分析したうえで、ロイヤルティ(愛顧)向上に有効な施策を計画し、実行するマーケティング手法。これにより、個々の顧客のロイヤルティ(愛顧)を長期的に高めていく
・層別対応→ FSP(フリークエントショッパーズプログラム)など高頻度で来店する優良顧客に注目し、その階層に応じてプロモーションを展開する、顧客識別マーケティング
→ 顧客識別マーケティングでは、RFM分析などが用いられるR(Recency:最終購買日)、F(Frequency:購買頻度)、M(Monetary:購買金額)に着目し、顧客を複数の層に分ける
・個別対応→ ワントゥワンマーケティング→ 既存顧客の維持と顧客シェアの拡大、顧客生涯価値の最大化→「マスマーケティング(マーケットシェアを重視)」から「ワントゥワンマーケティング(顧客シェアを重視)」へ
◆重要ワードの意味・顧客ロイヤルティ・・・企業、あるいは企業の製品・サービスといったブランドに対する、顧客の信頼度、愛着度のこと・顧客生涯価値(LTV:ライフタイムバリュー)・・・顧客のライフサイクルまたは一定年数を通じて、その企業にもたらす総利益・顧客シェア・・・ある1人の顧客が特定の分野において支出する送金額のうち、自社に支払った金額が占める比率
[背景]・80対20の法則(20%の顧客で80%の売上高を占める)・製品ライフサイクルの短期化→ 顧客を自社製品・サービスにとどめる方策・製品の高度化→メンテナンスやアフターサービスの重要性が増加
価格感度測定法(PSM分析:Price Sensitivity Measurement)大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 2. マーケティング > (1) マーケティング理論
要点カードNo.004
●商品の価格を決める(価格戦略)→ どの価格帯が消費者に受け入れられるかを調査・分析する方法
※左の図表は、いずれも次のWebサイトのものである。
http://www.stat.go.jp/koukou/trivia/careers/career5.htm
◆まずは消費者に商品の提示、商品の説明などを行い、次の質問をする。
問1. 商品が高いと感じ始める価格は?問2. 商品が安いと感じ始める価格は?問3. 商品が高すぎて買わないと感じる価格は?問4. 商品が安すぎて品質に不安を感じ始める価格は?
◆これらの回答を集計し、左のグラフを作成する。→ 最適価格(理想価格)や需要価格帯が把握できる。
最適価格(理想価格)「高すぎると思う人」と「安すぎると思う人」が同数で、その合計人数が最少になる。高すぎず、安すぎず、消費者が「こうあってほしい」という価格である。
妥協価格「高く感じる人」と「安く感じる人」が同数で、その合計人数が最少になる。高くはないが、安くもない、消費者が「このくらいは仕方がない」という価格である。