応用情報・午後・ストラテジ系を解く(h26春)

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応用情報技術者試験 午後 ストラテジ系を解く 平成26年度 春期 販売戦略 Ver.1.0.120150113日) higher tomorrow

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応用情報技術者試験午後ストラテジ系を解く

平成26年度春期

販売戦略

Ver.1.0.1(2015年01月13日)

higher tomorrow

平成26年度春期午後の問題と解答

•問題• https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2014h26_1/20

14h26h_ap_pm_qs.pdf

•解答(+出題趣旨)• https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2014h26_1/20

14h26h_ap_pm_ans.pdf

•講評• https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2014h26_1/20

14h26h_ap_pm_cmnt.pdf

目次

•解説編• 設問0. ざっと設問を見る

• 設問1. RFM分析

• 設問1. プロモーションの利点

• 設問1. プロモーションの施策

• 設問2. 有効回答数などの算定

• 設問2. 仮説の修正

• 設問2. SNSの活用

• 設問2. 価格感度測定による分析

•要点カード編• No.001マーケティングの全体像

• No.002マーケティングのSTP

• No.003 リレーションシップマーケティング

• No.004 価格感度測定法

解説編

設問0. ざっと設問をみる

• 設問1. (1) Rの重みを2倍にした理由(30字)• 設問1. (2) ランクごとのプロモーションの利点(30字)• 設問1. (3) [ a ] と [ b ] に入れる語句(10字)• 設問2. (1) [ c ] に入れる語句(5字)• 設問2. (2) [ d ] ~ [ g ] に入れる数値、字句• 設問2. (3) SNSの活用で期待できる効果(30字)• 設問2. (4) [ h ] に入れる字句を選択

X

要点カード No.XXX

要点カード No.XXX

B

A

C

・・・確実に正解したい

・・・できれば正解したい

・・・正解できなくても仕方ない

参照すべき要点カードをココに挙げます

問題の難易度をココに書きます

応用情報技術者試験の午後試験は、時間がタイトです。そこで、事前に設問文に目を通し、以下程度の内容を把握しておくとよいでしょう。

設問1. RFM分析

• R(Recency:最終購買日)を2倍の重み付けにした理由• もちろん、「Rが重要だから」。では、なぜRが重要なのか?

• Rが重要であることがわかる記述が、2段落目に2箇所もある

• 解答は「1年以内に商品を購入した顧客は、商品の購入額が多いから」など• 「最終購買日」または「最新購買日」という言葉を入れたいところだが、字数がきびしい

• こういう、当たり前ともとれるようなことを書かせる出題もある→ 確実に正解したい

1年以内に商品を購入している顧客は、他の顧客と比べ、来店回数と商品の購入額が多い傾向

A

要点カード No.003

直近の時期が1年以内の顧客への売上額が70%

設問1. プロモーションの利点

• プロモーションの総費用を変えずに期待できる利点• これまでのプロモーションの費用対効果が低いことがわかる1文がある

• 何の工夫もない販売促進• 誰に:住所・氏名を入手できた全ての顧客

• 何を:通常のカタログ→ “通常の”とあるので、通常でないカタログもあるはず

• いつ:四半期ごと

• 解答は「高ランクの顧客に、手厚いプロモーションを行うことができる点」など• これも、確実に正解したい

A

住所・氏名を入手できた全ての顧客へ、通常のカタログを四半期ごとに送付するプロモーション

設問1. プロモーションの施策

• プロモーション施策の文中の穴埋め [ a ] [ b ]

• 解答例の「費用を削減」するため以外に出てこない• 確実に正解したい

• 解答例は「離反した」• 「L社の商品に飽きた」など、具体的な内容までは突っ込まない方がよいだろう

A

プロモーションの [ a ] するために、カタログの送付をやめる

輸入雑貨を購入するニーズが無いか、顧客が [ b ] 確率が高い

A

a

b

設問2. 有効回答数などの算定

• アンケート調査の有効回答数を算定する [ c ]• “信頼度95%”のケースはよく使われ、次の式で出てくることが多い(問題文中の式と同じ意味)

• 統計の知識で、知らなければ解答できない。できなくても、合否に影響はないと思われる

𝑟 = 2𝑝(1 − 𝑝)

𝑞

𝑟 :誤差率、 𝑝 :質問に対する回答率(購入意向率)、 𝑞 :サンプル数(有効回答数)

• 被調査者数を算定する [ d ]• 75%が回収でき、そのうち80%が有効回答。有効回答数が600になるので、次の式が成り立つ• これにより、𝑥 = 1000 となる

• 上記と違い、とても易しい。確実に得点したい

𝑥 × 75% × 80% = 600

C

A

c

d

設問2. 仮説の修正

• デザイン [ e ]• 市場調査結果(c)により、イタリア風にすべきとわかる

•顧客が受容できる価格帯 [ f ] [ g ]• 「要点カードNo.004」を参照

• 15万円~30万円が受容可• なんとなくカンでできるのでは

A

B

B

要点カード No.004

この点であれば、ほとんどの人は、安すぎるので(品質が心配で)買わない。つまり、受容できる金額ではない

e

f

g

設問2. SNSの活用B

•下線③(ターゲット顧客への訴求方法)について、SNSを活用すると、L社の商品を広く認知してもらえるに加え、L社にとってどのような効果が期待できるか• 「認知してもらえる」に加え→ 「実際にモノが売れる」くらいしか思いつかない

• SNSの活用→ “口コミ”が問われていることに気がつきたい• 「200字以内で述べよ」であれば、次のような解答になるか

• SNSを活用することによって、過大な広告宣伝費を用いずとも、ユーザ間の口コミによって商品の販売量が増えると期待できる。口コミは、①友人や知人からの実例に基づく情報であるため、情報の信頼度が高く、さらに、②広告と異なり、送り手が無意図であるため、その情報を受け入れやすい。これらにより、買い手の購入のハードルを下げ、購買につながると考えられるからである。

• 30字だと「ユーザ間の口コミによって、商品の販売量が増えると期待できる。」くらい

設問2. 価格感度測定による分析

→ [ h ] は、右図の赤い点を表わしている

• アとイ→「最も低い価格」(×)• すぐに外せる

• ウとエ→「適正価格」がいくらか• 適正価格が20万円か25万円か?• 知らなければ、解答は難しい

→ 「要点カードNo.004」を参照• 適正価格は20万円→ エが正解

C

要点カード No.004

新たに市場投入する輸入家具は原価20万円で、人気の高いデザインの商品であり、[ h ] である25万円を販売価格とすることが妥当と考えた。

要点カード編

マーケティングの全体像大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 2.マーケティング > (1) マーケティング理論

要点カードNo.001

●マーケティングとは(色々な定義があるが)「顧客が求める商品・サービスをつくり、顧客にこれらを円滑に届け、顧客がこれらの価値を効果的に得られるようにするための活動」

中核、特徴、品質、ブランド、パッケージング、保証、アフターサービスなど

プロモーション(Promotion)

マーケティング戦略

環境分析

セグメンテーション

ターゲティング

ポジショニング

マーケティングミックス

チャネル・物流(Place)

価格(Price)

製品(Product)

価格設定(PSM分析、参照価格など)価格管理(割引、リベートなど)

チャネルの長さと幅在庫管理、流通業者、流通経路

広告、パブリシティ → プル戦略

人的販売、販売促進 → プッシュ戦略

自社の経営資源(ヒト、モノ、カネなど)

競合分析(Competitor)

顧客分析(Customer)

自社分析(Company)

顧客や消費者

競合他社の動向、経営資源

例. 3C分析

市場を細分化する

狙いとするセグメントを選択する

消費者の中における位置づけを決める

“STP”と呼ばれる→ 「要点カード No.002」

“4P”と呼ばれる

マーケティングのSTP大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 2.マーケティング > (1) マーケティング理論

要点カードNo.002

●STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)

マーケティング戦略

環境分析

セグメンテーション

ターゲティング

ポジショニング

マーケティングミックス

市場を細分化する

狙いとするセグメントを選択する

消費者の中における位置づけを決める

◆マーケットとして成り立つ要件→ 測定可能、到達可能、維持可能、実行可能

◆細分化の基準・ジオグラフィック(地理的変数)・・・地域の特性(気候、人口密度など)・デモグラフィック(人口統計的変数)・・・年齢、性別、所得、職業など・サイコグラフィック(心理的変数)・・・ライフスタイル、価値観など・ビヘイビアル(行動的変数)・・・ベネフィット(得られる価値)、ロイヤルティなど

4P(製品:Product、価格:Price、チャネル・物流:Place、プロモーション:Promotion)

◆コトラー・無差別型・差別型・集中型

◆エイベル・全市場浸透型・単一セグメント集中型・製品専門型・市場専門型・選択的専門型

◆競合製品との対比◆自社の製品ラインでの位置づけ

→ カニバリゼーション(共食い)を起こさないように注意する。

知覚マップ

2軸を選び、知覚マップを作成する

リレーションシップマーケティング大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 2.マーケティング

要点カードNo.003

●リレーションシップマーケティング(関係マーケティング)・企業とステークホルダーとの関係性に注目するマーケティングの概念・企業と顧客の、継続的な相互利益と成長を目指す・顧客を資産として考える(顧客資産価値:カスタマーエクイティ)→ 顧客という資産は、かかわるほど進化する→ 「顧客満足(CS)」から「顧客進化」へ

●CRM(顧客関係性管理)・・・顧客の行動を分析したうえで、ロイヤルティ(愛顧)向上に有効な施策を計画し、実行するマーケティング手法。これにより、個々の顧客のロイヤルティ(愛顧)を長期的に高めていく

・層別対応→ FSP(フリークエントショッパーズプログラム)など高頻度で来店する優良顧客に注目し、その階層に応じてプロモーションを展開する、顧客識別マーケティング

→ 顧客識別マーケティングでは、RFM分析などが用いられるR(Recency:最終購買日)、F(Frequency:購買頻度)、M(Monetary:購買金額)に着目し、顧客を複数の層に分ける

・個別対応→ ワントゥワンマーケティング→ 既存顧客の維持と顧客シェアの拡大、顧客生涯価値の最大化→「マスマーケティング(マーケットシェアを重視)」から「ワントゥワンマーケティング(顧客シェアを重視)」へ

◆重要ワードの意味・顧客ロイヤルティ・・・企業、あるいは企業の製品・サービスといったブランドに対する、顧客の信頼度、愛着度のこと・顧客生涯価値(LTV:ライフタイムバリュー)・・・顧客のライフサイクルまたは一定年数を通じて、その企業にもたらす総利益・顧客シェア・・・ある1人の顧客が特定の分野において支出する送金額のうち、自社に支払った金額が占める比率

[背景]・80対20の法則(20%の顧客で80%の売上高を占める)・製品ライフサイクルの短期化→ 顧客を自社製品・サービスにとどめる方策・製品の高度化→メンテナンスやアフターサービスの重要性が増加

価格感度測定法(PSM分析:Price Sensitivity Measurement)大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 2. マーケティング > (1) マーケティング理論

要点カードNo.004

●商品の価格を決める(価格戦略)→ どの価格帯が消費者に受け入れられるかを調査・分析する方法

※左の図表は、いずれも次のWebサイトのものである。

http://www.stat.go.jp/koukou/trivia/careers/career5.htm

◆まずは消費者に商品の提示、商品の説明などを行い、次の質問をする。

問1. 商品が高いと感じ始める価格は?問2. 商品が安いと感じ始める価格は?問3. 商品が高すぎて買わないと感じる価格は?問4. 商品が安すぎて品質に不安を感じ始める価格は?

◆これらの回答を集計し、左のグラフを作成する。→ 最適価格(理想価格)や需要価格帯が把握できる。

最適価格(理想価格)「高すぎると思う人」と「安すぎると思う人」が同数で、その合計人数が最少になる。高すぎず、安すぎず、消費者が「こうあってほしい」という価格である。

妥協価格「高く感じる人」と「安く感じる人」が同数で、その合計人数が最少になる。高くはないが、安くもない、消費者が「このくらいは仕方がない」という価格である。