応用情報・午後・ストラテジ系を解く(h21春)

17
応用情報技術者試験 午後 ストラテジ系を解く 平成21年度 春期 マーケティング戦略の立案 Ver.1.0.120150103日) higher tomorrow

Upload: highertomorrow

Post on 22-Jul-2015

395 views

Category:

Business


1 download

TRANSCRIPT

応用情報技術者試験午後ストラテジ系を解く

平成21年度春期

マーケティング戦略の立案

Ver.1.0.1(2015年01月03日)

higher tomorrow

平成21年度春期午後の問題と解答

•問題• https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2009h21_1/20

09h21h_ap_pm_qs.pdf

•解答(+出題趣旨)• https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2009h21_1/20

09h21h_ap_pm_ans.pdf

•講評• https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/mondai_kaitou_2009h21_1/20

09h21h_ap_pm_cmnt.pdf

目次

•解説編• 設問0. ざっと設問を見る

• 設問1. (1) セグメンテーション

• 設問1. (2) ターゲティング

• 設問2. ターゲティング

• 設問3. ポジショニング

• 設問4. 品揃えを拡充する施策

•要点カード編• No.001経営戦略

• No.002 競争優位性とシナジー

• No.003 ファイブフォース分析 / 競争戦略

• No.004 マーケティングのSTP

• No.005 プロダクトミックス

• No.006 リレーションシップマーケティング

解説編

設問0. ざっと設問をみる

•設問1:分析対象が、どの細分化の基準に該当するかを選択

•設問1:経営資源の観点から、1グループに絞った理由(30字)

•設問2:[ a ] ~ [ d ] に入れる字句を選択

•設問3:[ e ] に入れる字句を選択

•設問4:新たな施策を採用しなかった理由(30字)

X

要点カード No.XXX

要点カード No.XXX

B

A

C

・・・確実に正解したい

・・・できれば正解したい

・・・正解できなくても仕方ない

参照すべき要点カードをココに挙げます

問題の難易度をココに書きます

応用情報技術者試験の午後試験は、時間がタイトです。そこで、事前に設問文に目を通し、以下程度の内容を把握しておくとよいでしょう。

設問1. (1) セグメンテーション

•細分化の基準→ 「要点カードNo.004」• 可処分所得(自由に使えるお金)・・・人口統計的変数← 年齢、性別、所得、職業など

• 調理と食事の楽しみ方・・・心理的変数 ← ライフスタイル、価値観など

• 来店の頻度・・・行動的変数 ← ベネフィット(得られる価値)、ロイヤルティ(愛顧)

など

A

要点カード No.004

設問1. (2) ターゲティング

• [B社の概要] から、B社は中小企業(資本金3,000万円、C市内に3店舗など)• “企業体力”は、大手に比べると貧弱

• “経営資源”の観点経営資源→ ヒト、モノ、カネ、情報→ 「要点カードNo.001」

解答は、「最も有望な1グループに、経営資源を集中して投下するため」など

IPAの解答例は、「経営資源を集中的に投下することを可能にする。」

A

要点カード No.001

市場の細分化によって選定した四つの候補の中から、B社の企業体力を考慮して、最も有望な1グループに絞り込んで新たなターゲット市場を選定することにした。

設問2. ターゲティング

• いずれも、基本的な用語であるため、確実に得点したいところ• 市場規模は適正で成長性があるか

• まずは、マーケットとして成り立つかどうかが重要→ 「要点カードNo.004」• 高級食材は価格弾力性が低い

• 正確には、“需要の価格弾力性”。価格が変化した場合に、どれくらい需要が変化するかを表わしている。高級食材である場合は、需要が少し動いたくらいでは、価格は大きく変わらないと考えられる。

• 参入障壁の高さはあるか• 新たに事業に参入する際の参入しやすさを表わしている。参入障壁が低いと、容易に事業に参入されてしまうため、競争が激化する。

• 現在の主要顧客とのシナジー効果は期待できるか• 顧客の重複が大きいほど、相乗効果が期待できる→ 「要点カードNo.002」

• その他の選択肢• コアコンピタンス→ 「要点カードNo.002」• サンクコスト(埋没費用)→ すでに投下しており、取り戻すことのできないお金や時間のこと• ライフタイムバリュー→ 「要点カードNo.006」

A

要点カード No.004

要点カード No.006

要点カード No.002

設問3. ポジショニング

◆その他の選択肢 “同質化”

• 差別化戦略を模倣することで、差別化を無効にすること。同質化戦略は一般に、業界内のリーダーがとる戦略

“チャネルパワー”• チャネルをコントロールする力?→ 今一よくわかっていません。ごめんなさい

“ブランドエクイティ”• 経営資源としてのブランドのこと。ブランドは収益の源泉となるため、ブランドを経営資源のひとつと考え、マネジメントすることで、収益や企業価値を高めることができる

この店舗コンセプトに合致する店づくりを、B社の企業体力から、価格ではなく品揃えとサービスの

両面から実現する。具体的には、調理の楽しみと豊かな食の実現に必要な食材や惣菜をアピールした品揃えに特化することによって、[ e ] 店舗コンセプトを強調する。また、他店では仕入れが

困難な生鮮野菜や鮮魚の品揃えと調理の提供、対面販売の再開によって競合他社では模倣しにくい優位性を実現する。

A

総合スーパーコンビニエンスストア

要点カード No.002

要点カード No.003

→ 差別化集中戦略→ 「要点カードNo.003」

→ 「ウ. 競合他店との違いが訴求できる」店舗コンセプト、が正解。店舗コンセプトをとがらせたい

→ 競争優位性→ 「要点カードNo.002」競争優位性

コストリーダーシップ

設問4. 品揃えを拡充する施策

• B社のマーケティング戦略→ 差別化集中戦略• ターゲット市場:自分で調理して楽しみたい世帯、手間をかけずに食事を充実させたい世帯• 店舗コンセプト:豊かな食の提供

• マーケティングミックス:品揃え(店舗コンセプトに合致するものに特化)とサービス(対面販売)の充実→ 店舗コンセプトの強調

• “品揃えを拡充するための健康補助食品、医薬部外品の取り扱い”は採用しなかった→ 商品ライン拡大のデメリット(「要点カードNo.005」を参照)

• 理由は、「店舗コンセプトに合致せず、店舗コンセプトが希薄化するから」である

• IPAの解答例は、「店舗コンセプトに合致する品揃えができなくなるから」

B

要点カード No.005

要点カード編

経営戦略大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 1.経営戦略手法 > (1) 経営戦略

要点カードNo.001

●経営戦略の全体像

経営理念

ビジョン

経営戦略

戦術どのようにするか

何をすべきか

どうなりたいか

なんのために存在するか 企業戦略(成長戦略)

事業戦略(競争戦略)

機能別戦略

人事戦略 財務戦略 営業戦略 開発戦略

事業領域(ドメイン)を規定

→ 競争優位性とシナジーの追求→ 「要点カードNo.002」

アンゾフの成長ベクトル

・市場浸透・新市場開拓・新製品開発・多角化→ PPM

・5フォース分析・競争の3つの基本戦略

●経営資源

<事業の展開>

経営資源が不可欠

ヒト、モノ、カネ、情報技術、ノウハウ、マーケット情報、ブランドなど

資金

→ 「要点カードNo.003」

競争優位性とシナジー大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 1. 経営戦略手法 > (1) 経営戦略

要点カードNo.002

●競争優位性・・・マネのできない強み(競争者に対して築く独自性)

企業の持続的な競争優位性の源泉→ コアコンピタンス(中核能力)

→ 競争優位性を維持するには、容易に模倣できないことが必要である。

コアコンピタンスの3つの要件(1) さまざまな市場へアクセスする可能性を生み出す(2) 最終製品が特定の顧客の利益に重要な貢献をする(3) 競合他社が模倣することが困難である

長期間かけて蓄積されてきた技術、スキル、知的財産などである

●シナジー・・・相乗効果(1) 販売シナジー→ 販売経路、販売組織、販売促進手法などの利用により生じる(2) 生産シナジー→ 生産設備、技術ノウハウなどの利用により生じる(3) マネジメントシナジー→ 経営管理能力により生じる

範囲の経済・・・複数の事業を展開することによって、それぞれの事業を独立で営むときよりも、より経済的な事業運営が可能になること(販売チャネル、設備、ブランド、知識、ノウハウなどが得られる)

規模の経済・・・生産量が大きいほど、製品の単位当たりのコストが低下する効果のこと(固定費が分散される)

経営戦略→ 規定したドメインの中で、競争優位性とシナジーを追究していくこと。

似ている

対比

ファイブフォース分析 / 競争戦略大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 1.経営戦略手法 > (3) 事業戦略

要点カードNo.003

●ファイブフォース分析(5つの競争要因)

※この図は、次のWebサイトのものであるhttp://www.biz-hacks.com/work/081106.html

広い

コストリーダーシップ

戦略差別化戦略

狭い

集中戦略(コスト集中) (差別化集中)

他者より低いコスト 差別化

競争優位

戦略ターゲットの幅

●競争の基本戦略(競争優位の3つの源泉)

(マイケル・E・ポーター) (マイケル・E・ポーター)

◆コストリーダーシップ戦略→ 規模の経済の追及→ 固定費の分散→ 低コスト

◆差別化戦略→ 他社にない特異性を創造

◆集中戦略→ 業界の特定のセグメントに集中※新規参入の脅威・・・参入障壁が低ければ、競合が容易に事業に参加することで、

競争が激化する。

B社の戦略

マーケティングのSTP大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 2.マーケティング > (1) マーケティング理論

要点カードNo.004

●STP(セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニング)

マーケティング戦略

環境分析

セグメンテーション

ターゲティング

ポジショニング

マーケティングミックス

市場を細分化する

狙いとするセグメントを選択する

消費者の中における位置づけを決める

◆マーケットとして成り立つ要件→ 測定可能、到達可能、維持可能、実行可能

◆細分化の基準・ジオグラフィック(地理的変数)・・・地域の特性(気候、人口密度など)・デモグラフィック(人口統計的変数)・・・年齢、性別、所得、職業など・サイコグラフィック(心理的変数)・・・ライフスタイル、価値観など・ビヘイビアル(行動的変数)・・・ベネフィット(得られる価値)、ロイヤルティなど

4P(製品:Product、価格:Price、チャネル・物流:Place、プロモーション:Promotion)

◆コトラー・無差別型・差別型・集中型

◆エイベル・全市場浸透型・単一セグメント集中型・製品専門型・市場専門型・選択的専門型

◆競合製品との対比◆自社の製品ラインでの位置づけ

→ カニバリゼーション(共食い)を起こさないように注意する。

知覚マップ

2軸を選び、知覚マップを作成する

プロダクトミックス大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 2.マーケティング > (1) マーケティング理論

要点カードNo.005

●プロダクトミックス・・・どのような商品ラインや商品アイテムを選択するか

商品ライン(幅)・・・関連が強い商品群衣料品店であれば、スーツ、ネクタイ、カバン、靴など

商品アイテム(深さ)・・・特定の商品ラインの充実度合靴であれば、素材、サイズ、色、形、スタイルなどの充実度合

◆商品ライン拡大のメリットとデメリット

メリット

デメリット

・幅広い顧客ニーズに対応できる・ワンストップショッピングを提供できる。“ワンストップショッピング”とは、様々な商品を1か所で買い求めること・需要の変動を平準化できる

・“ストアコンセプト”が不明確になる・自社のライン内で“カニバリゼーション(共喰い)”が発生しやすくなる・在庫リスクが高まる(在庫量が多くなる、在庫管理が複雑になるなど)

リレーションシップマーケティング大分類8:経営戦略 > 中分類19:経営戦略マネジメント > 2.マーケティング

要点カードNo.006

●リレーションシップマーケティング(関係マーケティング)・企業とステークホルダーとの関係性に注目するマーケティングの概念・企業と顧客の、継続的な相互利益と成長を目指す・顧客を資産として考える(顧客資産価値:カスタマーエクイティ)→ 顧客という資産は、かかわるほど進化する→ 「顧客満足(CS)」から「顧客進化」へ

●CRM(顧客関係性管理)・・・顧客の行動を分析したうえで、ロイヤルティ(愛顧)向上に有効な施策を計画し、実行するマーケティング手法。これにより、個々の顧客のロイヤルティ(愛顧)を長期的に高めていく

・層別対応→ FSP(フリークエントショッパーズプログラム)など高頻度で来店する優良顧客に注目し、その階層に応じてプロモーションを展開する、顧客識別マーケティング

→ 顧客識別マーケティングでは、RFM分析などが用いられるR(Recency:最終購買日)、F(Frequency:購買頻度)、M(Monetary:購買金額)に着目し、顧客を複数の層に分ける

・個別対応→ ワントゥワンマーケティング→ 既存顧客の維持と顧客シェアの拡大、顧客生涯価値の最大化→「マスマーケティング(マーケットシェアを重視)」から「ワントゥワンマーケティング(顧客シェアを重視)」へ

◆その他の重要ワードの意味・顧客ロイヤルティ・・・企業、あるいは企業の製品・サービスといったブランドに対する、顧客の信頼度、愛着度のこと・顧客生涯価値(LTV:ライフタイムバリュー)・・・顧客のライフサイクルまたは一定年数を通じて、その企業にもたらす総利益・顧客シェア・・・ある1人の顧客が特定の分野において支出する送金額のうち、自社に支払った金額が占める比率

[背景]・80対20の法則(20%の顧客で80%の売上高を占める)・製品ライフサイクルの短期化→ 顧客を自社製品・サービスにとどめる方策・製品の高度化→メンテナンスやアフターサービスの重要性が増加