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フランス留学時代 1 -3 (左)第 1 回文部省貸費留学生(1875 年撮影『古市公威』所収)前列右より小村寿太郎,松井直吉,原口要,菊地武夫,齋 藤修一郎,後列右より平井晴二郎,長谷川芳之助,古市公威,安東清人,南部球吾,鳩山和夫 -4 (右)同じ配列で撮られた 1906 年の写真(『大学々生溯源』所収)この時,安東清人はすでに死去している。 フランス ,まずパリ エコール・ モンジュ( ,リセ・カルノ) 。ここを 1 した ,エコール・サントラルに する。 するこ ランス シヴィルエンジニア ,つまり されず, 学, あらゆ じる いう を学 られる 学に し, 7 41 2 いう する。 ここ 3 して 学さらに 学を学んだパリ大学 1 が, える 1 演に している。 -5 古市の描いたエコール・モンジュ新校舎(東京大学社会基盤工学専攻図書室『古市文庫』所蔵) -6 留学時代のノート(東京大学社会基盤工学専攻図書室 『古市文庫』所蔵) -7 エコール・サントラル

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furu_nen_f : 2004/10/21(11:14)

フランス留学時代 1

�-3 (左)第 1 回文部省貸費留学生(1875 年撮影『古市公威』所収)前列右より小村寿太郎,松井直吉,原口要,菊地武夫,齋藤修一郎,後列右より平井晴二郎,長谷川芳之助,古市公威,安東清人,南部球吾,鳩山和夫�-4 (右)同じ配列で撮られた 1906 年の写真(『大学々生溯源』所収)この時,安東清人はすでに死去している。

古市はフランス到着後,まずパリのエコール・モンジュ(現,リセ・カルノ)で学ぶ。ここを 1年で卒業した彼は,エコール・サントラルに入学する。民間技術者を養成するこの学校で,彼はフランス流シヴィルエンジニア精神,つまり土木に限定されず,機械,科学,冶金など工学のあらゆる分野に通じるという技術者の精神を学ぶ。

学校では厳格な規則に縛られる日々のもと,勉学に邁進し,全体で 7 番(土木専攻 41 人中では2番)という優秀な成績で卒業する。ここでの 3年間の経験と,工学の基礎として高

等数学さらに政治経済学を学んだパリ大学での 1年の経験が,工学の総合性を訴える彼の土木学会第 1回会長講演に結実している。

�-5 古市の描いたエコール・モンジュ新校舎(東京大学社会基盤工学専攻図書室『古市文庫』所蔵)

�-6 留学時代のノート(東京大学社会基盤工学専攻図書室『古市文庫』所蔵)

�-7 エコール・サントラル

furu_nen_f : 2004/10/21(11:14)

フランス留学時代 2

�-8 エコール・サントラル学位記

�-9 パリ大学学位記 �-10 1862 年当時のヨーロッパ鉄道旅客の流れ(出典:ENPC)

�-11 エコール・サントラル時代の同級生(出典:ECP)(前列左から 2 人目が古市,右から 3 人目が山口半六,中列右端が沖野忠雄。古市の背後,あごひげを蓄えているのが鉄筋コンクリートで有名なコワニエ,山口の左上が古市と西洋公共事業調査を共にするカンタグレルである。)

 卒業後,彼は友人らを連れだって,全体で約 20日間に渡る英国,フランス,ベルギー,オランダの公共事業調査旅行に出る。この旅行で,彼は西欧諸国において公共事業に多額の投資がなされていることを痛感し,民間活力を軸とした英国を引き合いに出し,日本の産業界に公共投資を期待している。

 また,列強に囲まれつつヨーロッパ大陸で最初に産業革命に成功したベルギーに,当時まだ小国だった日本の未来を重ね合わせている。 さらに各国の港湾を実査した上で,技術者の手によるわが国で最初の東京築港論を展開する。西欧の大港湾がほとんど河口に位置していることから,横浜ではなく隅田川の河口に日本の中心的港湾を建設する必要性に思いを強くする。

 

�-12 西欧公共事業調査旅行経路(北河作成)