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ボーングローバル企業のパフォーマンス に影響を与える要因分析 南山大学金綱ゼミナールC1

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ボーングローバル企業のパフォーマンスに影響を与える要因分析

南山大学金綱ゼミナールC班

1

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目次

1.はじめに

2.BGCの概要

3.実証研究

4.分析結果

5.考察

6.おわりに

2

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はじめに

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概要

1.BGCの定義

2.BGCの出現背景・歴史

3.BGCと北欧諸国

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グローバル企業ボーン

グローバル企業

ベンチャー中小企業ハイテク・

スタートアップ

• 「創業と同時あるいはその後2,3年以内に国際事業を展開するベンチャービジネスまたは中小企業」

定義

ボーングローバルの位置づけ

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歴史・背景

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北欧諸国

• BGCは北欧諸国に多い→高い技術力(IT,バイオ、医薬品、健康産業...etc)

• 研究開発の支援、支援機関の充実→例)フィンランドの”フィンプロ”

• 日本には支援機関などは見られない

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BGCの競争優位の源泉

【先行研究】

・資源ベース論

・ネットワーク・アプローチ

・国際的企業家精神論

中村(2008,2013)「ボーングローバル企業(BGC)の早期国際化プロセスと持続的競争優位性」

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資源ベース論

経済的価値

希少性

模倣困難性

それらの経営資源を活用できる組織能力(VRIO)

これらを持つことを企業の競争優位性の源泉であるとする

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ネットワーク・アプローチ

他社との関係性を構築しながら、他社との関係性や紐帯を形成する中で知識フローを行い、競争力を高めることに注目する研究

他社との強い結びつき

暗黙知の移転が容易となる

また、弱い紐帯を形成することで異質な社会圏に属するパートナーとの結合が可能となり、異なる種類の情報を獲得できる可能性が高まる

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国際的企業家精神論

高い企業家精神を持つ創業者の存在が、BGCの成功の要因と考える研究

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仮説構築

•仮説1:親会社を持つBGCほど、高いパフォーマンスをあげることができる

•仮説2:研究開発志向のBGCであるほど、高いパフォーマンスをあげることができる

•仮説3:ニッチ市場で事業をしているBGCほど、高いパフォーマンスをあげることができる

•仮説4:現地企業とのネットワークを形成しているBGCほど、高いパフォーマンスをあげることができる

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測定尺度

従属変数:売上高営業利益率

独立変数:

仮説1では… 「親会社との関係がある」を1とするダミー変数

仮説2では… 売上高研究開発費比率

仮説3では… 各業界のハーフィンダール指数

仮説4では… 全海外子会社数に占める現地企業との合弁会社の割合

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データ収集①企業

➡『2017 海外進出企業総覧(会社別編)』から条件に合う企業を無作為に124社抽出

条件:設立後3年以内に海外に進出した日本の企業

②売上高、営業利益率

➡各社の有価証券報告書、アニュアルレポート、『会社四季報』

③親会社との関係性

➡企業のホームページなどの沿革から判断

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④研究開発費

➡研究ネットの「企業R&Dデータベース」

⑤ニッチ市場の判断

➡『会社四季報業界地図2018』のデータを用い、ハーフィンダール指数を算出

⑥BGCの現地でのネットワーク形成

➡現地企業との合弁企業の割合が各BGCの全海外子会社数に占める割合で判断

データ収集

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記述統計BGC50社の平均

平均

売上高(百万円) 397,162.8

営業利益(百万円) 28,441.08

営業利益率(%) 10.1

研究開発費(百万円) 7095.9

研究開発費比率(%) 2.4

出所:筆者作成

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各業界のハーフィンダール指数

0.029

0.436

0.0520.001

0.259

0.020

0.096

0.228

0.421

0.572

0.667

0.2510.230

0.1100.153

0.048

0.115

0.225

0.000

0.100

0.200

0.300

0.400

0.500

0.600

0.700

飲食・外食

海運

貸物運送

情報・システム・ソフト

証券

食料品

人材派遣・業務請負

精密機器

生命保険

専門店

他サービス

鉄鋼・金属卸売

電気機器

電力・ガス

不動産

ホテル

リース

旅行

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1)親会社との関係性

・親会社を持つ企業には、親会社の持つ経営資源を利用できる。

・親会社からの技術的、金銭的な支援によって、創業時の困難を克服することができる。

・海外進出のノウハウを共有することができる。

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1)親会社との関係

親会社との関係を持つ企業の成功事例

<ファナック株式会社>

・富士通の計算制御部から独立、1972年に分社独立

・主力商品は、工作機械用CNC装置で世界シェア1位獲得

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仮説1親会社を持つBGCほど、高いパフォーマンスを上げることができる

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仮説1:親会社を持つBGCほど、高いパフォーマンスをあげることができる

回帰分析

回帰係数 -2.5071

重相関R 0.0695

重決定R2 0.0048

補正R2 -0.0159

標準誤差 17.1391

有意な正の関係なし

決定係数↓

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仮説1:親会社を持つBGCほど、高いパフォーマンスを上げることができる

BGCのパフォーマンスに影響

親会社との関係

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考察(仮説1)

親会社から独立したBGC

不足する経営資源を親会社から獲得できるルート確保

しかし...

ルートが確保されることは、BGCが海外展開する際に経営資源が獲得できることを意味していない

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考えられる要因

•親会社がそもそも海外展開に必要なノウハウを保持していない

•親会社との関係を持たない方が自律的に業務を行うことができ、変動の激しい市場にスピーディーに対応できる適応能力を持つことが可能

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つまり、

親会社との関係を持たない独立したBGCが、リスクを

恐れずに海外展開することの方が、親会社からの資

源の獲得よりもパフォーマンスに影響を与える

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2)研究開発志向性

研究開発費が大きいほど、パフォーマンスが高いのではないか

競争優位の源泉となる経営資源を市場で獲得するのは困難

BGCであっても、持続的な研究開発により経営資源を自社内で蓄積することは可能

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研究開発が活発なBGCの成功事例①

<ルネサスエレクトロニクス>

•研究開発費が大きい上位300社

•車載半導体シェアで2014年まで世界首位

2)研究開発志向性

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研究開発が活発なBGCの成功事例②

<日本電産>

•研究開発費が大きい企業にリストアップ

• ブラシレスDCモーターで世界シェア1位

2)研究開発志向性

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•経営資源が不足するBGCは研究開発を活発に行うことで、経営資源を蓄積することができる

•事例のように、研究開発志向であるBGCは世界市場で成功する可能性が高くなる

2)研究開発志向性

仮説2:研究開発志向のBGCであるほど、高いパフォーマンスをあげることができる

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回帰分析

回帰係数 0.1433

重相関R 0.0244

重決定R2 0.0006

補正R2 -0.0202

標準誤差 17.1755

仮説2:研究開発志向のBGCであるほど、高いパフォーマンスをあげることができる

決定係数↓

有意な正の関係あり

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考察(仮説2)

SPSSによる分析結果より

高い研究開発費比率がパフォーマンスに影響するとは言えない

高い研究開発費比率≠

事業の成功

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考察(仮説2)

企業が研究開発から収益を生み出す「能力」や

「効率性」は、企業によって異なる

日本企業の研究開発の「効率性」は最低水準(デトロイトトーマツコンサルティング,2017)

➡BGCのパフォーマンスに与える影響についても、研究開発の「効率性」を考慮する必要があるのではないか?

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ニッチ市場

採算ベースで満たすための条件を欠いているため市場への参入が行われていないケース

ニーズそのものに気が付いていないため市場への参入が行われていないケース

豊富な経営資源を所有する伝統的企業との競争を避けることが可能

3)ニッチ市場へのフォーカス

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3)ニッチ市場へのフォーカス

ニッチ市場においてBGCの成功事例

〈テラモーターズ〉

•売上高30億円

•国内シェア2位

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回帰分析

回帰係数 2.1129

重相関R 0.0270

重決定R2 0.0007

補正R2 -0.0201

標準誤差 17.174

仮説3:ニッチ市場で事業をしているBGCであるほど、高いパフォーマンスをあげることができる

有意な正の関係なし

決定係数↓

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ニッチ市場で事業をしているBGCであるほど、高いパフォーマンスをあげることができる

仮説3

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結果:激しい競争の中でも高い収益を上げているBGCが存在する

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考察(仮説3)企業の収益性がどのような要因に影響されるのか

経済全体の影響が約1割、業界の構造が約1割、個別企業の経営資源の優位性が4割の説明力を持つ

•①業界の構造(Porter,1998)

•②企業の持つ経営資源の優位性(Barney,2002)

•③経済全体の好不況の影響

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企業の収益性に与える影響に関する業界構造の説明力の低さを示す実証研究と整合的

仮説3から言えること

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4)現地企業とのネットワーク構築

• 現地企業とのネットワーク獲得・構築

→海外受注獲得が優位に

• 合弁形態で海外子会社を設立

→現地でのネットワーク構築が容易に

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4)現地とネットワークを築いたことによる成功事例

<オム二コム社>

・衛星による位置情報システムの提供がメイン

・ヨーロッパやアジアで事業を拡大

→海外でのマーケティング活動

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現地企業とのネットワークを形成しているBGCであるほど、高いパフォーマンスをあげることができる

仮説4

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回帰分析

回帰係数 0.263*

重相関R 0.6210

重決定R2 0.3859

補正R2 0.3347

標準誤差 13.0120

仮説4:現地企業とのネットワークを形成しているBGCであるほど、高いパフォーマンスをあげることができる

決定係数↑

有意な正の関係あり

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考察(仮説4)

現地ネットワーク形成が、BGCのパフォーマンス

⇒ BGCの国際戦略上重要な要素である

知識ノウハウ

現地のサプライヤー

大学

流通業者研究機関

顧客

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分析結果(従属変数:BGCのパフォーマンス、n=50)

データ 回帰係数1t値 回帰係数2t値 回帰係数3t値 回帰係数4 t値

親会社ダミー -2.507 -0.482

売上高研究開発費比較

0.143 0.169

ニッチ市場 2.113 0.187

現地企業との合弁割合

0.263 2.746*

R2乗 0.005 0.001 0.001 0.386

調整済みR2乗 -0.016 -0.020 -0.020 0.335

F値 0.233 0.029 0.035 7.541*

* p < 0.05, ** p < 0.01, ***p < 0.001

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BGCの成功要因として、現地でのネットワーク形成を通じた経営資源の獲得の重要性を見つけ出すことができた

おわりに

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• BGCの創業者あるいは経営者がどのような企業家精神論を持っていたのか、それがどの程度BGCのパフォーマンスに影響を与えるかについて今後見ていく必要がある。

•研究開発の実施時期と回収時期のタイムスパンを考慮した研究も必要となる。

• BGCが現地でどのようなネットワークを形成しているのか、それがどのような成果として現れているのか、定性的な研究を行いながら、個々の事例について詳細に調査していく必要がある。

今後の課題

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ご清聴ありがとうございました