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282 日本 ロボ ッ ト学 会誌Vol.21 No.3, pp.282~292, 2003

解説論文

ロボ ッ トの移動機構 に関する研究動向

山 下 淳*1淺 間 一*2新 井 民 夫*2

太 田 川頁*2金 子 透*1

A Survey on Trends of Mobile Robot Mechanisms

Atsushi Yamashita*1, Hajime Asama*2, Tamio Arai*2, Jun Ota*2 and Torn Kaneko*1

The wheeled robot's ability is one of the most important factors which is influential with efficiency of achieving tasks

by robots. Demands for mobile robots change where environment and purpose does, therefore various mechanisms

of mobile robots are proposed. However, there is no standard or general guideline of designing moving mechanisms.

In this paper, we classify and denote characteristics of moving mechanisms systematically, and indicate the guideline

when we design them. Especially we describe omnidirectional robots and irregular terrain robots.

Key Words: Mobile Robot, Wheeled Mechanism, Omnidirectional Robot, Offroad Robot

1.は じ め に

移動機 構 の性 能 は,そ の ロボ ッ トが行 う作 業の効 率 を決定 づ

ける最 も大 きな要因の一 つであ り,近 年注 目 を集め ている ヒュー

マ ノイ ド型 ロ ボ ッ ト(脚 型 移動 機構)を は じめ,様 々な種類 の

移 動機 構 が提 案 され てい る[1].移 動 機構 の 構造 に注 目す る と,

下 記の ように分類 す る こ とが で きる 図.

(1)車 輪 型 移動機 構:車 輪 の 回転 に よ り移動

(2)ク ロー ラ型 移動機 構:履 帯 の 回転 に よ り移動

(3)脚 型 移動 機構:脚 を用 い た歩行 によ り移動

(4)そ の他:特 殊機構 や,(1)~(3)の 組 み合 わせ

これ らの うち,移 動 効率 の 良 さ,機 構 ・制御 の簡便 さ,長 年

にわ たる技術 的 な蓄積 の 多 さな どか ら,(1)が 最 も広 く用 い ら

れて いる.(1)の 典 型 的な機 構で は,左 右 の車輪 の速 度差 を利

用 して姿 勢 を変化 させ る方法(Fig.1(a))や,ス テ ア リングが

付 い た車 輪 を駆動 させ る方法(Fig.1(b))に よ り移 動 を行 う.

しか し,こ れ ら典型 的 な車輪型 移動 機構 には以下 の制 限が存 在

す る.

(a)移 動方 向 の制 限

(b)移 動領 域 の制 限

(a)は 進行 可能 な方 向が特 定 の方向 のみ に制 限 され るこ とを

意味す る.例 えば,(1)の 典 型例 であ る 自動 車 は真横 に移 動 で

きないた め,目 的位 置 に到達 す るため に は時間 をか けて切 り返

Fig. 1 Examples of mobile robot mechanism

しを行 う必 要 があ る.狭 い場所 を通 り抜 ける際 や,複 数 ロボ ッ

トが 同一物 体 を協調 搬送 す る際 には,こ の ことが大 きな問題 と

な る.(b)は 床 面の高 低差 が ある領 域へ の移動 が制 限 され る こ

とを意 味 す る.屋 内外 を問 わず 凹凸 や段 差 は様 々 な場所 に存 在

して お り,今 後 多様 な環境 へ の ロボ ッ トの進 出 を 阻む大 きな問

題 とな る.

上記 の 問題 を解決 す る こ とによ り,(1)は さ らに活躍 の幅 を

広 げる こ とが で きる.そ こで,(a)の 克服 を目的 と した全方 向

移動 ロボ ッ トの研究や,(b)の 克服 を目指 した不整 地移動 ロボ ッ

トの研 究が盛 ん に行 わ れてい る.一 般 的 な(1)に 関 して は,移

動 ロボ ッ ト全般 のサ ーベ イ[3]や 設計 方法 の解説[4]な どがあ り,

機構学 ・運 動学 の解析 もす で にな されて いる[2][4]~[11].し か

し,全 方 向移動 機構 と不整地 移動 機構 に関 しては,多 種 多様 な

機構 が提 案 されて はい るが,そ の分類 お よび設 計指 針 に関す る

体系化 はほ とん どさなれてお らず,相 互評 価は難 しい.ま た,そ

れぞ れの ロボ ッ トが 目標 とす る作 業環 境 での要 求仕様 は各論 文

に述べ られ てい るが,全 般 的 に取 りまとめた記 述 は これ まで な

か った.

そ こで 本論文 で は,全 方 向移動 機構 と不 整地 移動 機構 に関 す

る研究 動 向の調査 を行 い,各 機 構 の解 説 お よび相互評 価 を行 う.

また,ロ ボ ッ トの 移動 機構 を設計 ・開発す る際 に参 考 となる よ

原 稿受 付2001年11月1日*1静 岡 大 学

*2東 京 大 学

*1Shizuoka University

*2The University of Tokyo

JRSJ Vol.21 No.3 58 Apr.,2003

ロボットの移動機構に関する研究動向 283

Fig.2 Classification of movable direction

Fig.3 Example of robot mechanism

う各 産業分 野 での ロボ ッ トに対す る要求仕様 を まとめ る.

ただ し本 論 文で は,最 も研 究 が盛 ん に行 わ れ てい る(1)や

(2)を ベー ス と した ロボ ッ トを中心 に取 り扱 う.(3)は 全方 向

移動 と不整 地 移動 が可能 で あ るが,多 くの解説 記事 が存在 す る

た め,文 献[12]~[15]な どを参 照 され たい.ま た,モ ノ レー ル

上 を移動 す る ロ ボ ッ トや,移 動 壁 面吸 着 型(あ るい は磁 気 型)

移動機 構[16][1?],配 管内 ロボ ッ ト[18]~[20],水 中遊泳 ロボ ッ

ト[21]~[23],浮 上 して 移動 す る ロボ ッ ト[24]な ど,床 面 上 を

移動 しない機構 に関 して も参 考文 献 を示す のみ とす る.

2.移 動 機 構 の 比 較 評 価 と要 求 仕 様

2.1全 方 向移 動性能

平坦 な床面 上 を移動す る ロボ ッ トの運 動の 自由度 は3で あ り,

代 表点 の位置P(x,y)と 姿 勢 θで表現で きる.移 動 可能 方向 に

つい て考 える と,移 動 機構 は,(a)非 ホ ロノ ミック移動方 向限

定,(b)非 ホ ロノ ミック全 方 向移動,(c)ホ ロ ノ ミック全方

向移動 の3種 類 に分 類 され る.そ れぞ れの例 をFig.2に 示 す.

(a)非 ホ ロノ ミック移 動方 向限定:非 ホ ロ ノ ミック移動方 向 限

定 機構 で は,3自 由度 が独 立 に制御 不可 能 であ り,任 意の 方 向

に移動 す る こ とがで きない.Fig.2(a)に 示 した機 構 で は,直

進,ま た はあ る点(任 意 の点 で はない)を 中心 とした円軌 道上

での移動 の みが可 能 であ り(Fig.3(a)),真 横 方向へ の移 動や

その場 で 姿勢 だ け を変化 させ る “そ の場旋 回” を行 うこ とがで

きない.現 状 の機構 の大 部 分が この分類 に属 す る.ま た,2自

由度 のみ 同時 に制 御可 能で あ るこの機 構 で3自 由度 を制御 し目

標 の移動 を行 う ことは,非 ホ ロ ノ ミックな拘 束 を有 した移動 機

構 の経路 生 成問題 と して知 られて い る[10].

(b)非 ホ ロ ノ ミッ ク全 方 向移動:非 ホ ロ ノ ミック全 方 向移 動

機 構で は,あ る瞬 間に任 意の方 向 に速度 を出す こ とはで きない

が,時 間 をか けれ ば全方 向 に移 動す るこ とが 可能 であ る.例 え

ば,Fig.2(b)に 示 す全 車輪 にス テ ア リング を付 け た機 構 では,

任 意方 向へ の移動 や その場 旋 回が可 能 であ る.た だ し,真 横 に

移 動す る場 合 には,各 車輪 の方 向 をすべ て横 方向 に揃 え た後移

動 す る必要 が ある(Fig.3(b)).

(c)ホ ロノ ミック全方 向移動:ホ ロノ ミック全 方向 移動機構 で

は,あ る瞬 間 に任意 の方向 に速 度 を出す ことが可能 であ る.例 え

ば,任 意方 向 に回転可 能 な球 をロボ ッ トの車輪 として用 いる こと

に よ り(Fig、2(c)),す べ ての瞬 間 において,全 方 向((x,y,θ)

の3自 由度)に 速度 を出す こ とが 可能 となる(Fig.3(c)).ま

た,姿 勢 を変化 させ なが ら移動 す る こ とがで きるな ど移動 方向

の 制限 が な く,非 常 にフ レキ シ ビリテ ィが 高 い.

2.2不 整地 移動性 能

不整 地の定 義 お よび表現 方法 は 多種多 様 であ り,か つ想定 す

るロボ ッ トの種類 によ って も状 況が 異 なる(例 えば,脚 型 移動

機構 に関す る分 類 は文 献[12]).し たが って一般 的か つ定量 的 な

記述 法 は存在 しないが,大 まか には[25]で 示 された不 整地 の分

類 で表現 可 能で あ る.

(a)岩 場,工 事現 場,そ して階段 な どの 「凹 凸型不 整地 」

(b)砂 地,沼 地,潅 木 繁茂 地 な どの 「脆弱 型不 整 地」

(c)岩 場 の 隙間,瓦 礫 内,配 管 内 な どの 「狭 隘型不 整地 」

(d)大 型 建築 物 の壁面,配 管系 の外 部 な どの 「立体 型不 整地 」

(c)や(d)に つい て は,床 面 以外 の移 動 も必要 となる ため,

前述 の通 り本論 文 で は取 り扱 わ ない.ま た,(b)に つ いて も文

献[25]に 解説 が あ るため,本 論文 で は特 に(a)の 不 整 地 につ

い て考 え る.(a)の 凹凸型 不整 地 では,以 下 の順番 で移 動が 困

難 とな る.

●平地(水 平で 平 らな床 面,あ るい は斜 面)

●段 差(高 さの異 なる二つ の平 らな平面 が交 わ った地点)・ 階

段(連 続 的 に続 く段 差)

●凹 凸面(任 意 の場 所 に高低差 が存 在す る地 形)

ただ し,高 低 差 が 同 じ段差 を乗 り越 える場合 で も,ロ ボ ッ ト

自身の大 き さが異 な る と難 易度 は異 なる.ま た,段 差 とロボ ッ

トの性 能 が 同 じ場 合で も,段 差へ の進 入角 度が 変化 す る と同様

に乗 り越 え の難易 度が異 なる.つ ま り,不 整地走 破性 能 は,ロ

ボ ッ トの性 能 や環境 の みで 決定 され る もので は な く,ロ ボ ッ ト

と環境 の 相対 関係 に よって も変化 す る.

さて,段 差乗 り越 え性 能 と不整 地移動 性 能 は非 常 に関連 が大

き く,段 差乗 り越 え能力 が高 い場 合 には凹 凸面 を移動 す る能力

も高 い こ とが多 い.一 般 には,以 下 の要素 が車輪 型移 動機 構 の

不 整 地移動 性能(段 差乗 り越 え性 能)に 影 響 を与 える.

(1)車 輪 の トル ク(駆 動 力):車 輪 の トルクが大 きい ほ ど,段

差 乗 り越 え能力が高 くなる.し たが って,駆 動 力の ない補 助輪 は

それ 自体 で は段 差乗 り越 え能 力が ほ とん どない.不 整 地走 破 を

目的 とす るのであ れば,全 車輪 を駆動輪 にす る こ とが望 ま しい.

(2)車 輪 と床面 間 の摩擦 係 数:摩 擦 係 数が小 さい と トル クが

大 き くて も床 面 に伝 わ らないた め段 差乗 り越 え能力 が低 くな る.

したが って,摩 擦 係数 が大 きい車輪 を用 い るこ とが重 要 であ る.

ただ し,一 般 に摩擦係 数 は最大1程 度で あ り,極 端 に大 きな摩

擦 係数 を持 つ車輪 はないため,(1),(2)の みで不整 地走破 能力

日本 ロボ ッ ト学 会誌21巻3号 59 2003年4月

284 山 下 淳 淺 間 一 新 井 民 夫 太 田 川頁 金 子 透

Table1 Demands for mobile robots in the industrial fields

を向上 させ る こ とは困難 であ る.

(3)車 輪 の直径:車 輪 の直 径の大 きさに応 じて乗 り越 え可 能 な

段 差 の高 さは大 き くな る.た だ し,駆 動 輪 を用 いた際 で も車輪

直径 の1/3以 上 の段差 乗 り越 えは基本 的 に不可 能 であ る.

(4)車 輪 が床 面(段 差面)か ら受 ける反 力:車 輪 が床面(段 差

面)に 押 さえつけ られ てい るほ ど,床 面 に伝 わる駆動 力が 大 き

くな り,段 差 乗 り越 え能 力が 向上す る.車 輪 が床 面 か ら離 れ る

方向 にあ る場 合 には,段 差 乗 り越 えが困難 となる.し たが って,

4輪 車 の場 合,前 輪 と比 較 して 後輪 の段差 乗 り越 え の方が 難 し

い.段 差乗 り越 え能 力 を向上 させ る ため には,す べ ての車 輪 が

段 差 乗 り越 え時 に受 ける反 力が 大 き くなる よ うなサ スペ ンシ ョ

ンの工夫 な どが必 要で あ る.

(5)車 輪 の 柔軟 性:あ る程 度 柔 らか い車輪 を用 い た方が 段差

乗 り越 え能力 が 向上す る.空 気 の入 った ゴム製 タイヤ の ように

柔軟 で あれ ば,小 さな凹凸 に は車輪が 変形 す る こ とに よ り対 応

で きる.ま た段 差 に対 して も,車 輪が 変形 して段 差 に引 っかか

るこ とに よって段 差 に適 応 した形状 の車輪 とな る,し か し,車

輪 が柔 らかす ぎる と高速 移 動が 困難 に なる.そ こで,高 速移 動

能 力 と段 差乗 り越 え能 力 を同時 に持 たせ た車輪 も提 案 され てい

る[26].

2.3移 動機構 に対 する要求 仕様

移動 ロボ ッ トの移動機 構は使 用環境 ・用途 に応 じて設計 されて

お り,作 業 の 目的 に応 じた機構 を用い るこ とが重要 であ る.そ こ

で,各 分 野 において移動 機構 に要求 され る仕様 をTable1に 示

す.な お詳細 につい ては,建 設(建 築 ・土木)分 野[27]~[29],農

業 分野[30]~[34],林 業分野[35][36],原 子力(保 全)分 野[37]~

[40],宇 宙 分野[41]~[44],福 祉(家 庭)分 野[45]~[47],そ の他

特 殊 な分野[48][49]そ れぞ れに 関す る文 献 を参照 された い.

Fig.4 Difficulty of control and mechanism

2.4移 動機 構 の比較 評価

ロボ ッ トの 移動機 構 の特性 は,以 下 の通 り分 類で きる.

(a)環 境適 応性:移 動 方向(旋 回性能 や全 方向移動 能力),不 整

地走破 能力(た だ し,特 に不整 地環境 を推 進す る移動 ロボ ッ

トの 特性 につ いて は,文 献[25]に 詳 しい)

(b)メ カニ ズム:機 構 と制御 の複 雑 さ

(c)作 業 効率:エ ネルギ ー効 率,移 動 速度,位 置決 め精 度,信

頼性[50],移 動 の滑 らか さ,姿 勢安 定性,積 載 能力,稼 動

時 間(電 源)な ど

車輪 型移動機 構 は,す べ ての 要素 をある程度満 た してお り,コ

ス ト面 におい て も優れ ているため,最 も広 く用い られてい る.こ

れ らの特 性 の うち,(c)は 移動機 構 を実 用化す る上 で最 も重 要

な要素 であ るが,長 年 にわた る実 用 化実績 に よって改善 される

こ とが 多い.し たが って,研 究 レベ ルで 新 しい機構 を提 案す る

際 に,(c)を すべ て満 た した設計 を行 う ことは困難 で あ る.そ

こで,移 動 機構 を設計 す る上で の参 考 とな る とい う本論 文 の主

旨 を考 え,従 来 の移動 機 構 につ い て,(a)と(b)の 特性 の比

較 ・検討 を行 う.

(a)の うち全方 向移動 能力 につ いて は,機 構 と制御 の複雑 さ

の関係 をFig.4(a)に 示す.こ こで は,全 方向移 動 が可能 であ

るか否か に加 え,ホ ロノ ミックか否か で分類 し評価 を行 った.同

様 に,不 整 地移動 能力 につい て も,Fig.4(b)に 関係 を示す.前

述 の通 り,ロ ボ ッ トの大 きさや状 況 などの違いが あるため,直 接

的 に乗 り越 え可 能最 大段 差 を比 較す るこ とは無意 味 であ る.そ

こで,段 差 や階段(比 較 的整備 された不 整地)や 凹 凸面(整 備

され てい ない不 整地)に 対応 可能 か どうかで 分類 し評 価 を行 っ

た.た だ し,制 御 や 機構 は軸 正 方 向 に向 か うほ ど良 い(簡 単)

と し,数 字 は参 考文 献番 号 を表 してい る.

ホロ ノ ミック全方 向移 動能力 を有す る ロボ ッ トで は,機 構 と

JRSJ Vol.21 No.3 60 Apr.,2003

ロボ ットの移動 機構に関す る研究動向 285

制御 の関係 は トレー ドオ フに なって お り,双 方 ともに優 れた 移

動 機構 は提 案 され てい ない.そ れに対 して,不 整 地移 動性 能 に

関 しては,機 構 ・制御 の複雑 さと性 能 の高 さは必 ず しも一 致 し

てい ない.こ れは,全 方 向移動 を実 現 す るため には ロボ ッ トの

運 動 の 自由度 をすべ て制御 す る必 要が あ るこ とに対 し,不 整地

走 破 を行 う場合 にはその必 要 が ない ためで あ る.

次章 以 降で は,具 体 的 に どの よ うな機 構 を用 いれ ば,全 方向

移 動 と不整 地移動 が可 能 となるか につ いて研 究動 向 を具体 的か

つ 詳細 に調査 し,移 動 機構 の現 状 お よび今後 の課題 につい て述

べ る.

3.全 方向移動機構

3.1全 方 向移動機 構 の構成 法

球型 ロ ボ ッ トの よう にロボ ッ ト自体 が 移動 機構 その もの であ

る場 合 や,床 面 か ら浮 い て移動 す る場 合 な ど を除 いて は,複 数

の駆 動力 発生 機構 をロボ ッ ト本 体 に配置 して,そ れぞ れの駆 動

力発 生機構 が床 面 に伝 え る力 の合 力 によ りロボ ッ トは移動す る.

また,床 面 に安定 に接 地 す るため には床面 との接触 点 が最 低3

必 要で あ る.現 在 実用 化 され てい る駆 動力 発 生機構 の大 部分 は

車輪 で あ るが,全 方 向移動 を実 現す るた め には,特 殊 な機構 を

用 い るこ とが 多 い.全 方向 移動 を実現 す るた めの駆動 力 発生 機

構 は,大 き く分 けて2種 類 が存在 す る.

一 つ は,1方 向(1自 由度方 向)に だけ駆動力 を発生 で きる よ

うな機構 で ある.フ リー ロー ラを有す る特 殊 な車輪(あ る いは

クロー ラ)は,あ る1方 向 にだ け駆 動力 を発 生可 能で あ り,駆

動力 が発 生す る方 向 と垂 直 な方 向 に力 を発 生 させ る ことはで き

な い.ロ ボ ッ ト本体 に,こ の機構 の駆 動力 伝達 方向 を変 化 させ

て複 数配 置す る こ とに よ り,全 方 向 に移動 す る ことが可 能 とな

る.も う一つ は,す べ ての 方向(2ま た は3自 由度 方向)に 駆

動 力 を発生 で きる ような機構 で ある.す べ て の方向 に回転 可 能

な球状 の車 輪 や,車 輪 の回転 軸 とス テア リング時 に中心 となる

点の 間 にオ フセ ッ トを付 け た特殊 な機構 な どは,す べ て の方 向

に駆動 力 を発生 で きる.

前 者 と後 者 を比 較す る と,後 者 は駆動 力 を発 生 させ るこ とが

で きる方 向が 多 い ため必 然 的 に ア クチ ュエ ー タ数が 多 くな る.

したが って,機 構 が複雑 とな る と同時 に,制 御 す べ きア クチ ュ

エ ー タ数が 多 いた め制御 も困 難 とな る.た だ し,前 者 の機 構 は

床 面 の凹 凸 に対 して極 めて弱 く,段 差乗 り越 え能 力が ほ とん ど

ない.

3.2全 方 向移動 ロボ ッ トの分 類

特徴 に応 じて全方 向移動 機構 の 分類 を行 い,そ の特 徴 につ い

て解説 す る.な お,こ こで述べ る機 構 は特 別 な記 述が な い限 り

す べ てホ ロ ノ ミック全方 向移動 が可 能 であ る.

(1)フ リー ロ ーラ付 き車輪 を用 い た機 構

フリー ロー ラを有 す る特 殊 な車輪(ま た は クロー ラ)を 用い,

全 方向 移動 を実現 す る.フ リーロー ラ付 き車輪 は,あ る1方 向

にのみ駆 動 力 を発 生す るこ とがで き,そ れ とは別 の方向(ほ と

ん どの場 合 は垂 直方 向)に は,フ リー ロー ラが 自由 に回転す る

こ とに よ り抵 抗 な く移 動可 能 であ る.

フリー ロー ラ付 き車 輪 を用 いた機構 で は,車 輪形 状 ・車輪 配

置 ・制御 法 それ ぞれ に関 して様 々な工夫 が な され てい る.

Fig.5 Wheel structure(i)

Fig.6 Wheel structure(ii)

車 輪形 状 は,(i)車 輪 円 周上 に フ リー ロー ラを取 り付 けた も

の(Fig.5(a)~(d)),(ii)ク ロー ラ上 に フ リー ロ ー ラを取 り

付 けた もの(Fig.6(a)~(b)),(iii)フ リー ロー ラ 自体 を回転

させ る もの(Fig.7)の3種 類 に分 類 で きる.

(i)に 関 しては,車 輪 円周 上 に曲率 の付 いた(中 心部 が太 く

両 端 が細 くなった)円 筒 状 フ リー ロー ラを取 り付 け,そ れ らを

2個 重 ね た機構[51][52](Fig.5(a))や,球 状 フ リー ロー ラを

取 り付 け た機構[53](Fig.5(b))が 提案 され てい るが,こ れ ら

は フ リー ロー ラ間 に隙間 があ るため移動 時 にがたつ きを生 じる.

また,車 輪 の軸 に対 して45[deg]傾 けて円筒 状 フ リー ロー ラを

取 り付 けた機構(メ カナムホ イール)[51][54](Fig.5(c))も 提

案 されて いるが,移 動効率 が悪 く制御 も容易 でない.そ こで,滑

らか な移動 を実現 す る ため に,車 輪 円周 上 に多 数 の リ ング状 ブ

リー ロー ラを取 り付 け た機構[55]や,大 きさの異 なる2種 類 の

円筒 状 フ リーロ ーラ を取 り付 けた機構[56](Fig.5(d))が 提 案

され てい る.

(ii)に 関 しては,円 筒状 フ リー ローラ をクロー ラ上 に取 り付

日本 ロボッ ト学会誌21巻3号 61 2003年4月

286 山 下 淳 淺 間 一 新 井 民 夫 太 田 順 金 子 透

Fig.8 Wheel arrangement with universal wheels

けた機構[57](Fig.6(a))や,車 輪状 フ リー ロー ラを用 いた機

構[58][59](Fig.6(b))が 提案 されてい る.特 に文献[57]で 提

案 され てい る機構 で は,床 面 との接 触面 積が 大 きい ため,座 布

団程度 の大 きさであ りなが ら大 荷重(1[t]程 度)に 耐 え る こと

が 可能 となっ てい る.ま た文献[58][59]で は,不 整地 移動 可能

な全方 向移 動機 構 も提 案 され てい る.

(iii)に 関 しては,あ る一方向 に対 して は駆 動力 を生 じ,そ れ

に対 して垂 直 な方向 に対 しては 自由 に回転 す る球 状 フ リー ロー

ラを用 い た特 殊車 輪(Fig.7(a))が 提 案 されてい る.こ の機構

で は,駆 動 軸 を回転 させ 続 ける と,フ リーワ ープが床 面 に接触

しない瞬 間が ある ため,方 向 を変化 させ た2個 以上 の特殊 車輪

を組 み合 せ る ことが必 要で あ り(Fig.7(b)),そ の組 み合 わせ

方 も1通 りで は ない[60][61].

フ リー ロー ラ付 き車輪 の ロボ ッ ト本 体へ の配 置方法 に関 して

も,様 々な方 法が存 在 す る.車 輪 円周 上 に フ リー ロー ラ を取 り

付 けた機構 を用 いた ロボ ッ トでは,3車 輪 を120[deg]ご とに配

置 した もの[51][53](Fig.8(a))や,4車 輪 を90[deg]ご とに

配置 した もの[52][55](Fig.8(b))が ほ とん どで ある.た だ し,

メ カナム ホ イー ル を用い た場 合 に は,Fig.8(c)の よ うに 自動

車 と同様 に配 置す るこ と もで きる.ま た,ク ローラ上 に フ リー

ロー ラを取 り付 けた機 構 を用い た場 合 には,Fig.8(b)の よ うに

4車 輪使 用す る こ とが多 い[57]~[59].原 理的 には方 向が一 致 し

ない よ うに3車 輪 を配置 す れば全 方向 移動 は実現 で きるが,上

記 の通 り実 際 に は4個 の車輪 を用い た機 構 も多 い.こ れ は,4

輪 接地 の方 が安 定性 が高 い こ と,車 輪 の方 向が直 交 して いる と

制 御が容 易 に な るこ とな どの利 点 があ るた めで ある.

車輪 の駆 動 ・制御 方式 に 関 して も,移 動 精度 が高 く,制 御 が

容 易 となる方式 が提案 され てい る.ほ とん どの機 構 では,車 輪

1個 につ き1個 の ア クチ ュエ ー タで駆動 を行 ってい るた め,ア

クチ ュエ ー タの微妙 な個 差 の影響 によ り直進 性 が悪 くなる こ と

が ある.ま た,車 輪 を4個 用 い た場 合,4車 輪 の回転 速度 に従

属 関係 が存在 す るため制御 も困難 となる.そ こで 文献[521で は,

平面 内運動3自 由度 を3個 のア クチ ュエ ー タで独立 に制御 す る

こ とに よ り,制 御 を簡単 とす る と同時 に高 い移 動精 度 を実現 し

Fig.9 Offset wheels

て い る.

一般 に,フ リー ロー ラ付 き車 輪 を利用 す る方法 で は,そ の形

状 の ため車 輪製作 が複 雑 であ る と同時 に,移 動 時 にが たつ きが

生 じる危 険 性があ り,段 差 に も弱 い[62].し か し,比 較 的ア ク

チ ュエ ー タ数 を押 さえて全 方向移動 が実 現で きるため,駆 動部 の

機 構が比 較 的簡単 であ り,そ の制御 も容 易 とす るこ とが で きる.

(2)車 輪 型機 構

全車 輪 にス テア リング を設 置 し,全 方向 移動 を実現 した機構

であ る[63].長 い リンクの先 に車輪 を設 置 し各車 輪 の方 向 を変

化 させ る機構 も存 在す るが[64],ア クチ ュエ ー タ数が 多 く制御

が複雑 とな る.そ こで,ス テア リングの 回転軸 に オ フセ ッ トを

付 ける(車 輪 の回転 軸 とステア リングの 回転軸 をず らす)こ と

に よっ て,ホ ロ ノ ミッ ク全方 向移 動 を実現 した機構 が提 案 され

てい る.Fig.9(a)の よ うにオフセ ッ トを付 けない場 合 には,非

ホ ロ ノ ミックな全方 向移動 のみ可能 となる.ま た,Fig.9(b)の

ように オ フセ ッ トを付 け た場 合[65][66]に も,同 様 に非 ホ ロ ノ

ミックな全方 向移 動 のみ可 能で あ る.こ れ らの方法 で全 方 向移

動 を行 う移動 ロボ ッ トは従 来か ら数 多 く提 案 され てい る.そ れ

に対 して,Fig.9(c)の よ うにオ フセ ッ トを付 ける こ とに よ り,

ホ ロ ノ ミック全 方 向移動 が可 能 とな る[67].こ れは,(a),(b)

の場 合 に は,ス テア リン グの回 転方 向 と駆動輪 の速 度 の向 きの

和 が任 意の 方向 に取 れ ない ことに対 して,(c)の 場 合 に は任意

方 向 に取 る ことが 可 能で あ るため であ る.

車輪 配置 に関 しては,全 方 向 移動 を実 現す る ため に は,2個

以 上の 車輪 を用 いれ ば よい.し か し,安 定 した移 動 を実現 す る

ため に実際 には4輪 を用 いる場合 が 多い.た だ し,各 車輪 の 回

転 速度 お よび ステ ア リン グ方 向 に従 属 関係が 存在 す るた め,与

え られた軌 道 に追従 し移動 す るた めの制 御 は簡単 で は ない.文

献[67]で は,Fig.9(c)で 構 成 され た4車 輪 型 ロボ ッ トにつ い

て,そ の制 御則 を構 築 してい る.ま た,自 由度 の数 に対 して ア

クチ ュエ ー タ数が 多い 過拘 束 を回避 す る ため,2駆 動 輪 を平行

に配置 し,2車 輪 の中点 か ら前方 に離 間 した 位置 に操 舵輪 を配

置 した機構[68]や,オ フセ ッ ト付 車輪 を4輪 用い,一 つ の アク

チ ュエ ー タで すべ ての 車輪 の方 向 を同 時 に変 化 させ る機構[69]

も提案 され てい る.

これ ら以外 に も,文 献[57]の 機能 を車 輪で実 現 した機 構 も提

案 され てい る[70].ま た,ロ ボ ッ ト本体 に対 す る車輪 の 角度 を

制御 可能 と し,床 面 と接 触 す る車 輪 の位置 を変 化 させ る こ とに

よ り全方 向移 動 を実現 す る機構 も提 案 されて いるが[71],可 般

重量 ・安 定性 な どで問 題が残 る.

一 般 に,車 輪 を用 いて全 方向 移動 を実現 す る場 合 には,ス テ

ア リン グ機構 が必 要 とな るため,ア クチ ュエ ー タ数が 多 くなる

JRSJ Vol.21 No.3 62 Apr.,2003

ロボットの移動機構に関する研究動向287

Fig.10 Ball wheel mechanism

と同時 に制御が 困難 となる.し か し,特 殊 な車輪 を製作す る必 要

は な く市 販の ゴム製 タイヤ を用 い るこ とが 可能 で ある ため,製

作 は比 較 的容易 で あ る.ま た,少 々の段 差 な らそ の まま乗 り越

え る ことが可 能で あ り移動 時の がたつ き も小 さい こ とか ら,移

動 時 の安定 性 は非常 に高 い.

(3)球 型機構

球型 の移 動機 構 を用 いて全 方 向移動 を実現 して いる.

ロボ ッ ト全 体 が球 型移 動 機構 で あ る もの[72]も 存 在 す るが ,

球 型車 輪 を ロボ ッ ト本体 に配 置 した機構 が 多い.球 は平面 並進

2方 向 に回転 す る必 要が あ るが,1方 向 の回転 のみ駆動 しも う1

方 向の 回転 は フ リーロ ーラ付 き車輪 と同様 に 自由 に力 を逃 して

回転 させ る機 構 と,2方 向 に駆動 させ る機 構が 存在 す る.

駆動 させ る回転方 向が1方 向 の場 合,1方 向か ら球 に回転 を与

える方式 で駆動 す る機構[73](Fig.10(a-1))や,ロ ー ラ リン

グ とベ ア リ ングで支持 された球 をロー ラ リ ングを回転 させ る こ

とに より駆動す る球 型移動機構(Fig.10(b-1))が 提案 されて い

る.こ れ らの機構 を,3個 ロボ ッ ト本体 に配置 した もの(Fig.10

(a-2))や,4個 配置 した もの(Fig.10(b-2))が あ る.い ずれ

の場 合 も,1個 の球 に関 しては,あ る方向 につ いて は駆 動 させ,

そ れ と直 交す る方 向 には 自由 に回転 で きる よ うな構 造 とな って

い る.そ れぞ れの球 が駆 動可 能 な方 向 を異 な った方 向 にす る こ

とに よ り,全 方 向移 動が 可能 とな る.球 を用 いた機 構 を車椅 子

に応 用 し,狭 い場所 で も自由 に移動 で きる よう に車輪 間隔 を変

化 させ るこ とが可 能 な機 構 も提案 されて いる[74][75].

駆動 させ る回転方 向が2方 向以上 の場 合,接 点(球 と接 触 し

駆 動力 を与 える アクチュエ ー タお よび球 と接 触 し支 える ロー ラ)

の数 と配置 に よ り,様 々な方式 が存 在す る.ア クチ ュエ ー タ数

が多 くなる と配 置 に よって は過拘 束が 生 じ,保 守や調 整 も困難

となるが,接 点 数 が少 ない場 合 には安定 性 が問題 とな る.

また,ク ロー ラを駆 動 す る こ とに よ る球 の 回転 方 向 と,ト

ラ ックを駆 動す る ことによる球の 回転方 向 を直交 させた機構[76]

(Fig.10(c))も 提 案 され てい る.こ の機 構で は,通 常 の ク ロー

ラ機構 と同様 ロボ ッ トの左右 に特殊 クロー ラが配置 され てい る.

球型 機構 で は,車 輪 型 移動機 構 と比較 して,機 構 と路 面 との

間の ス リ ップが大 き くなる こ とが多 い ため,移 動 精度 が悪 くな

る危 険性 が あ る.し か し,球 型 機構 は他 の機構 とは異 な りどの

方 向か ら見 て も均 等 な形状 を して いる こ とか ら,全 方 向移動 を

実現 す るの に適 した形 状 であ る とい え る.

4.不 整地移動機構

4.1不 整 地移 動 ロボ ッ トの構 成 法

不整 地移動 ロボ ッ トの構築方法 は,2通 りに分類 で きる.一 つ

は段差(凹 凸面)に 車輪 が接 触 した際 に,受 動 的 にそ れ を乗 り

越 える方 法で あ る.こ の方法 は,原 則 的 に段 差乗 り越 え用の ア

クチ ュエ ー タは必 要 とせず,段 差 に接触 した力 ・状態 を利 用 し

て段差 乗 り越 え を行 う.も う一つ は,段 差 に車輪 が接 触 した 際

に,能 動 的 にそれ を乗 り越 える方 法 であ る.こ の方法 は,段 差

乗 り越 え用の ア クチ ュエー タを用 意 してお き,段 差 に接触 した

際 にはア クチュエ ー タを用 い て段 差乗 り越 え を行 うものであ る.

前者 は,段 差乗 り越 え用の アクチュエー タを必 要 とせ ず,制 御

を行 う こ とな しに自動 的 に段 差乗 り越 え を実現 す る.し たが っ

て,段 差 乗 り越 えの ための段 差認識 を行 う必要が な く,ア クチ ュ

エ ー タ数が 必要 以上 に増加 す る こ ともない.ま た,そ の ため機

構 の軽 量化 を図 る こ とが可 能 であ る.し か し,こ れ らの機 構 を

考案 す る こ とは大 変 困難 であ り,様 々 な工 夫 が必 要 とな る.後

者 は,必 然 的 にア クチ ュエー タ数が 多 くな る と同時 に,段 差 認

識 用の セ ンサ を搭 載す る必 要が 生 じる こ とも考 え られ る.し た

が って,機 構 ・制 御 は複雑 になるが,不 整地適 応 能力 を向上 さ

せ るた め に何 を した ら良 いかが 明確 であ るた め,設 計指 針 は立

ちやす い.

4.2不 整 地移 動 ロボ ッ トの 分類

不 整地 移動 を目的 と した ロボ ッ トに関 す る分類 を行 う.本 論

文 で は,不 整地 環境 に加 え,段 差 や 階段 を走破 す る能力 につ い

て も議 論 を行 う.な お,惑 星 ロ ーバ を設計 す る上 で の機構 の分

類 に関 して は文 献[77]も 参 照 され たい.

(1)移 動機 構変 形型機 構

車輪 や クロー ラの形状 を変 形 させ る こ とによ り,段 差 の乗 り

越 えや不整 地走 行 を行 う機構 であ る.

車輪 型移 動機 構 を基本 と した もので は,車 輪形 状 に工夫 を加

え,段 差接 触時 に受動 的に乗 り越 えを行 う機構 が提 案 され ている.

文献[78][79]で は,複 数 の車輪 を組 み合 わせ て1個 の車 輪 を

構 成す る こ とに よって,段 差乗 り越 え能 力 を向上 させ た機 構が

提 案 され てい る.文 献[78]で は,大 車輪 の 円周 上 に小 車輪 を3

個 配置 した車輪(Fig.11(a))が 提案 され ている.こ の機 構 は,

平面 を走行 中は駆 動力 の あ る小 車輪 を用 い て移動 し,そ の小 車

輪 で は乗 り越 え不 可能 な段 差 に接 触 した場 合 には,大 車 輪 を回

転 させ て段 差 を乗 り越 え る とい う もので ある(Fig.11(b)).ま

た文 献[79]で は,階 段昇 降 のため のモ ー タのか わ りに遊 星歯 車

機構 を用 いる こ とに よ り,1個 のモ ー タを用い て,平 地 移動 時

に は小車 輪 を,段 差 に接 触 し車輪 ユ ニ ッ トに トル クが加 わ った

場合 に は大車 輪 を駆 動 させ る機構 を提 案 して いる.

段差 に引っかか る足 を車 輪 に取 り付 ける ことによ り人工環境 内

を 自由に移動 可能 な機構 も提案 されてい る(Fig.12).文 献[80]

日本 ロボ ット学 会誌21巻3号 63 2003年4月

288 山 下 淳 淺 間 一 新 井 民 夫 太 田 順 金 子 透

Fig.11 Clover wheel mechanism[78][79]

Fig.12 Wheel-feet mechanism[80]

Fig.13 Mechanism of rotatable crawler[82]

Fig.14 Mechanism of shape-changeable crawler[83]

Fig.15 Rocker-bogie system[84]

では,走 行 用の車 輪 と,そ の車輪 に オフセ ッ トを付 けた平 行 リ ン

クとで棒 を挟 み込 み,そ の棒 を段 差 に引掛 け る こ とに よ り,階

段 昇 降 を実 現 して いる.こ の機構 は,建 築 基準法 に定 め られ た

最大230[mm]の 段 差 を余裕 を もって踏破 で きる よう にな って

い る.

以 上の機 構 で は,段 差 ・凹凸面 に接 触 した場 合 に も,障 害物

検知 用の セ ンサ や段 差乗 り越 え用 ア クチ ュエ ー タを必 要 とせ ず,

自動 的 かつ容 易 に乗 り越 える こ とが可 能 であ る.ま た,通 常 の

車輪 機構 と同様,平 面 での 移動性 能 は非常 に高 い.

クロー ラ型移動 機構 は元 来不整地移動性 能が高 いため,ク ロー

ラ をベ ース と した機構 も数 多 く提 案 され てい る.

文献[81]で は,段 差乗 り越 え能 力 を更 に向上 させ るため,半

月型 ク ローラ を用 い る こ とに加 え,ロ ボ ッ ト本体 の左右 にそれ

ぞれ1個 ずつ設 置 され てい るク ロー ラをそれ ぞれ前 後2個 に分

割 し,計4個 の ク ロー ラを用 い た機構 を提 案 してい る.通 常 の

長 い ク ロー ラを用 いる と,階 段 で の安定 性が 向上 す るが,そ の

反面,旋 回性能が 低下す る.そ こで,ク ロー ラを分割す る ことに

よ り,こ れ らの問題 を解決 し,階 段 昇降 能力 も向上 させ てい る.

また,ク ロー ラを中心 周 りに 回転 させ て クロー ラの姿勢 を変

化 させ るこ とに よ り(Fig.13),段 差 乗 り越 え能力 を向 上 させ

た機 構 も提 案 されて い る[82】.こ の機構 で は,ア クチ ュエー タ

数が 増 える ものの,床 面 の状 態 に応 じて柔 軟 に各 クロー ラ を回

転 させ る こ とに よ り,不 整地 走行 能力 を更 に向上 させ て いる.

ク ロー ラの形状 その もの を変 化 させ て,段 差 乗 り越 え能力 を

向上 させ る機構 も提 案 され てい る[83].こ の機構 では,Fig.14

の ように段差 を乗 り越 え る際 に クロー ラに取 り付 け られて い る

アーム の回転 に よ りク ロー ラの形状 を変化 させ,段 差 に適 した

ク ロー ラの形 状 を形成 し,段 差 乗 り越 え を実現 してい る.

クロー ラ を基本 と した機 構 では,基 本 的 には通常 の ク ロー ラ

の性能 を受 け継 ぐため,移 動性(移 動速 度 ・旋回性 能)が 低 い こ

とが挙 げ られる.ま た,ク ロー ラ形状 の姿 勢変 化 や形状 変化 の

ため にア クチュエー タが必 要 となる.し か し,上 記 の通 り,工 夫

を加 え る こ とに よ りさ らに不整地 移動 能 力 を向上 させ つつ,そ

の他 の性 能 を向上 させ た機 構が 数多 く提 案 され てい る.

(2)本 体 変形型 機構

段 差 ・凹 凸面 に接触 す る と,ロ ボ ッ ト本体(サ スペ ンシ ョン)

の形状 を変化 させて乗 り越 えを実現 する機構で ある.こ れ らの機

構 では,主 に リンク機 構 を用 い て本 体 の形状 を変化 させ てい る.

惑 星探 査機 にお いて も,本 体 の形状 を変化 させ る こ とによ り,

不 整地 走破 性能 を向 上 させ てい る機 構 が存在 す る.火 星探 査機

に搭 載 された惑星探査 機 は,ロ ッカーボギ ーサ スペ ンシ ヨン[84]

(Fig.15(a))と 呼 ばれ る特殊 な リンク型 サスペ ンションを用 い

てい る.こ の機構 で は障害 物 に接触 した場合 に,ロ ッカー アーム

とボ ギー アー ム を接 続 して いる ジ ョイ ン トが 自動 的 に 回転す る

こ とに よ り,常 に床面 に駆動力 が伝 達 可能 な形状 に変形 し,非

常 に滑 らか な乗 り越 え動 作 を実 現 して いる(Fig.15(b)).ロ ッ

カ ーボ ギーサ スペ ンシ ョンを用 い る こ とに よ り,車 輪直径 の約

1.5倍 の高 さの障 害物 を乗 り越 え る ことが可 能で あ る.

また,よ り少 ない車輪 数 で,ロ ッカー ボギ ーサ スペ ンシ ョン

と同様 に車輪 を段 差 に押 さえつ け る力 を利 用 して,柔 軟 に 自動

的 に段差 を乗 り越 える機構 も開発 され てい る[85][86].

ホ ロノ ミック全 方向移動機構 に本体変 形機能 を持 たせ,不 整地

移動 性能 を向上 させ た機 構 も提 案 され てい る.文 献[58]で は ブ

リー ロー ラ付 き特 殊 クローラ車輪 を用 いて全方 向移動 を実現 し,

リ ンク機構 に よ り段差 に接 触 した ク ロー ラが持 ち上が る よ うに

して,:Fig.16に 示 す ような手順 で,段 差 乗 り越 え を実現 して

いる.そ の他,フ リー ロー ラ付 特殊 車輪 とロ ッカー ボギ ーサ ス

ペ ンシ ョンを組 み合 わせ るこ とに よ り,大 きな段 差 を乗 り越 え

可 能 なホ ロノ ミック全方 向移動 ロボ ッ トも開発 されてい る[87].

JRSJ Vol.21 No.3 64 Apr.,2003

ロボ ッ トの移動機構 に関す る研 究動 向 289

Fig.16 Goup the step with special crawler mechanism[58]

以上 の機構 で は,段 差乗 り越 えの ため の アクチ ュエ ー タを必

要 とせ ず,段 差 に接 触す る と自動 的 に ロボ ッ ト本体 の形状 が 変

化 し,段 差乗 り越 えを実現 す る.

また,文 献[88][89]で は,左 右 にそ れぞ れ3個 の車輪 を配 置

した6車 輪 型 移動機 構 を提 案 して い る.こ れ らの機 構 では,そ

れ ぞれ の車輪 を リンクで接続 し,リ ンクの角度 をア クチ ュエ ー

タで変化 させ るこ とに よ り,段 差 乗 り越 え を実現 してい る.特

に文 献[88]は,前 輪 お よび後輪 には低圧 タ イヤ を用い,中 輪 に

は高 圧 タ イヤ を用 い る ことに よ り,障 害物接 触 時 には低 圧 タ イ

ヤが 有効 に働 き,平 坦 な場所 で は高圧 タイヤが 有効 に働 く機構

とな ってい る.

(3)体 幹型機 構

節 型昆 虫の ように,移 動機 構が 付 いた節 が数 個連 な ってい る

機構 で ある.各 節 間 は リン クに よ り接 続 され てお り,路 面 形状

に応 じて節 間 の姿勢 を変 化 させ る ことに よ り不整 地走 破 を実現

してい る.蛟 龍1号 機(移 動 機構 は ク ロー ラ型)[90],2号 機

(移動 機構 は車輪 型)[91]や,林 業 用ベ ースマ シ ンの連 結軌 道車

両[35],火 星探 査 ローバ マ ーズ ホー ト[41]な ど,様 々な機 構が

提 案 され,実 際 に用 い られ ている.こ れ らの機構 で も,ア クチ ュ

エ ー タ数が 多 くなる もの の,不 整 地移動 能力 は向上す る.

(4)ハ イ ブ リッ ド型機 構

ハ イブ リッ ド型移動 機構 は,脚 型 移動 機構 の不 整地 移動 能力

の高 さを活 か しつ つ,そ の移動 速度 の遅 さを改善 した機構 であ

る.具 体的 には,脚 型移動 機構 に加 え,脚 以 外 の移動 機構(車

輪 型 や クロー ラ型)を 装 備 した機 構 とな る.文 献[92]で は,脚

以 外 の移動 機構 の位 置(脚 先 ・本体 な ど)や,脚 以外 の移動 機

構 が駆 動力 の有 無 か ら,分 類 が な され てい る.

脚先 に駆動 力 のあ る車 輪 が付 いた機構[93]で 階段 を昇降 で き

る ものや,ロ ボ ッ ト本 体 に駆動 力 のあ る車輪 や クロー ラの付 い

た もの[94][95],脚 先 に駆動力 の ない車 輪が付 いてお りロー ラー

スケ ー トの 要領 で移動 す る もの[92]な ど,様 々な機構 が提案 さ

れてい る.ま た,脚 先 に駆動 力の ない車輪 が付 い た もので も,よ

り歩行 に近 い移動 を行 う もの[96][97]な ど,目 的 に応 じて機構

が 設計 され てい る.こ れ らの機 構で は,ア クチ ュエー タ数が 非

常 に多 くな り,機 構 ・制 御 ともに非常 に複 雑 となるが,不 整 地

移 動能力 も高 く,高 速移 動 も可能 で ある とい う特 徴 を持 つ.

(5)協 調 型機構

単体 の 移 動 ロボ ッ トで は乗 り越 え不 可 能 な段 差 を,複 数 移

動 ロボ ッ トの協調 動作 に よっ て乗 り越 える手法 も提 案 され てい

る[56][98].文 献[56]で は,リ フ トア ップ機 構 を有 した ロ ボ ッ

トが協 調 して他 方の ロボ ッ トを段 の上 に持 ち上 げ るこ とに よ り,

段差乗 り越 えを実現 して いる.以 上 の ロボ ッ トには力 の強 いアー

ムが必要 となるが,ア ーム を他 の作業 に利 用す る こ とが 可能 で

あ る場合 には,効 率の 良い 方法 であ る.

5.お わ り に

移動 ロボ ッ トに作業 を行 わせ る場合,ど の ような使 用環境 ・用

途 であ るか に よって,移 動 機構 に対 す る要求 が定 まる.そ こで

本論 文で は,分 野 ご とに移動機 構 に要求 され る仕 様 を まとめた.

また,車 輪 型移動 機構 や脚 型移動 機 構 な どについ ての解 説記事

は多数存 在 して い るが,全 方向 移動 機構 と不整 地移 動機 構 に関

して体 系的 に論 じられて いなか っ た.そ こで,こ れ らの移動 機

構 の研究 動 向 を調 査 し,具 体例 を用 いて比 較 ・検討 を行 った.

全方向移動 と不整地移動 につ いてま とめる と以下の通 りとなる.

・各車 輪 に ステ ア リング をつ け る こ とによ り,特 殊 な部品 を

用 いず とも比 較的 簡単 にホ ロ ノ ミ ック全方 向移 動機 構 を設

計す る こ とがで きる[74].た だ し,制 御 が多 少困難 となる.

●フ リー ロー ラ付 き車輪 を用 い るこ とで,ホ ロノ ミック全 方

向移 動が 実現 で きる.た だ し,一 般 的 には床 面 が完 全 に平

坦 な場所 での 移動 に限 定 され る.

●各車 輪 に過拘 束が生 じない よ うに,ア クチ ュエー タ数3で

運動の 自由度3を 制御す るこ とによ り,ホ ロノ ミック全方 向

移動機構 の制御 を容 易 にす るこ とがで きる.た だ し,ギ アな

どを組み 合 わせ る必 要が あ り,機 構 は複雑 とな る[52][69].

●車輪単体 での不整地 移動能力 を向上 させ るだ けでは,ロ ボ ッ

ト全 体 と して の能力 は 劇的 に向上 しない.し たが って,ロ

ボ ッ ト本体 の形 状 を変形 させ る こ とが 重要 であ る.

●段 差 や床面 の 凹凸 に応 じて ロボ ッ ト本 体の形 状 を 自動 的 に

変形 させ る機構 で は,段 差乗 り越 え用 の ア クチ ュエ ー タ ・

セ ンサ を必 要 と しない ため,制 御 は簡 単で あ る と同 時 に機

構 も複 雑 では ない.よ って,リ ン ク機構 を利 用 して車 輪 の

回転 中心 を変 化 させ,回 転半 径 を大 き く見せ る ように して,

受 動 的 に段 差乗 り越 え を行 う機 構 が有効 で あ る[78][84].

●車 輪型機 構(文 献[79][80]な ど) ,ま たは不整 地走破性 能 に

優 れ た クローラ型機 構(文 献[82][83]な ど)を ベ ース と し,

リンク を組 み合 わせ た本体 を用 い る こ とが不 整地 走破 能力

を向上 させ る有効 なア プロー チで あ る.

以上 の よ うに,機 構 ・制御 のいず れ か を簡単 にす る アプ ロー

チで設計 す る こ とは非 常 に有効 であ るが,文 献[25]で も述べ ら

れて い るよ うに一般 的 な設計論 は存 在 しない.ま た,同 時 に万

能 な移 動機 構 も存 在 しない.よ って,下 記 に示す 通 りその 移動

機 構の 用途 を考 えて設 計 を行 うこ とが非 常 に重要 で ある.最 後

に,ロ ボ ッ トの移 動機 構 に関す る需 要 と今後 の課題 につい て述

べ る.

(1)高 性 能脚 型機 構:本 論文 で は,車 輪 型 移動 機構 を中心 に

解 説 を行 った.し か し,日 本や北 欧 の森 林 は非 常 に険 しい こ と

(林業 分野),家 庭内環 境 は人 間の生 活 に適 した環境 で あ るこ と

(福祉 分野),特 殊環境 で は 目的 を遂 行す る こ とが最 も重 要 とな

る こと(原 子 力施 設 内 ・災 害環境)な ど,特 定 の用 途 で は非 常

に高 い不 整 地走破 性能 と全 方 向移動 性能 が必 要で あ り,車 輪 型

で は対応 で きな い こ ともある.よ って,こ れ ら特定 の分 野 にお

い ては,脚 型 移動機構 をベ ー ス と した ヒューマ ノイ ド ・脚型 と

車輪 のハ イブ リ ッ ド型 な どが望 ましいで あ ろ う.

(2)パ ッシ ブな不 整地移 動機 構:特 定 の用途以 外 で は,機 構 ・

制御 が複雑 な脚型 移動機構 以外 で対応 す る ことが 現実 的であ る.

日本 ロボ ッ ト学会誌21巻3号 65 2003年4月

290 山 下 淳 淺 間 一 新 井 民 夫 太 田 順 金 子 透

建設現 場 や工場 内 ・農業 分野 で は,床 面 は完 全 な平地 で はな い

が険 しい不整 地 で もな く,数[mm]~ 数 十[mm]程 度 の段 差 を

乗 り越 え可 能 であ れば よい.た だ し,作 業効 率(移 動 速度)が

重要 であ る.し たが っ て,整 地環境 におい て,小 さな段差 を簡

単 に乗 り越 える必 要あ るた め,複 雑 なア クチ ュエ ー タ ・セ ンサ

を用 いず に,小 さな段 差 は時 間 をか けず に 自動 的 に乗 り越 え可

能 な機 構(パ ッシブなサ スペ ンシ ョン)が 求め られ る.こ の 要

求 を満 た す機構 は意 外 に少 ない ため,設 計 ・開発 を進 め るべ き

分野 であ る.

(3)不 整地移 動能 力 を有 す る簡 単 な全 方向 移動機構:屋 内の狭

い場所 で の作業 や畑 を耕 す ときの端で の方 向転換 な ど,ホ ロ ノ

ミ ック ・非 ホロ ノ ミッ クを問わず 全方 向移動 能 力 に よ り作 業効

率が 向上 す る.し たが って,多 少 の不 整地 走破 能力 を持 っ た全

方 向移動 機構 を用 い る ことは有効 で あ る.前 述 の 通 り,脚 型 移

動機構 は機構 ・制御 が非 常 に複雑 で ある.ま た,フ リー ローラ

付 き特 殊機 構 で は,フ リー ロー ラ に駆 動力 は ない こ とと,車 輪

直径 の1/10以 下 で あ る フ リー ロ ーラの 直径 が段 差乗 り越 え性

能 を決定 す る こ とに よ り,小 さな凹凸 で も乗 り越 え不可 能 とな

る.本 体 を変形 させ るこ とに よ り不整 地 に対応 可能 な機構 も提

案 され てい る[87]が,耐 え られ る荷重 ・最大 速度 ・段 差 乗 り越

え能 力 な どを考慮 す るな らば,車 輪型 機構 を用 い る こ とが有 効

で あ ろ う.よ って,移 動 ロボ ッ トでの作 業 の 自動 化 を進 め る上

で も,車 輪型 をベ ース と し簡単 な機構 で構 成 され た不整 地全 方

向移 動機構 の研 究 ・開発 が 盛 んに行 われ る こ とが期 待 され る.

以 上,コ ス トを無 視 で きる特殊 な用 途 を除 けば,車 輪 型移 動

機構 をベ ー ス と した新 た な移動 機構 に対 す る需 要 は決 して小 さ

い もので はない.今 後,移 動 機構 を設 計 ・開発す るに当た り,本

論文 で体 系化 した これ らの知識 が活 用 され るこ とが望 まれ る.

参 考 文 献

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日本 ロボ ッ ト学会誌21巻3号 67 2003年4月

292 山 下 淳 淺 間 一 新 井 民 夫 太 田 順 金 子 透

山 下 淳(Atsushi Yamashita)

1973年10月9日 生.2001年 東 京大 学 大学 院 工学

系研 究 科 精密 機械 工 学専 攻博 士課 程修 了.博 士(工

学).同 年静 岡大 学 工学 部 機 械 工 学科 助 手.ロ ボ ッ

トの動 作計 画 ・移動 機構,画 像 処理 ・ロボ ッ トビジ ョ

ン等 の研 究 に従事.IEEE,電 子情 報 通信 学 会,精

密 工 学 会の 会 員.(日 本 ロ ボ ッ ト学 会 正 会 員)

新 井 民 夫(Tamio Arai)

1947年8月4日 生.1970年 東 京大 学 工 学 部 精 密

機 械 工学 科 卒 業.1977年 同大 学 博 士 課程 修 了.工

学 博 士.1987年 東京 大 学工 学 部 精 密 機械 工 学 科教

授.2000年 東京 大学 人工 物工 学研 究 セ ン ター長(併

任).自 動 組立,複 数 移動 ロボ ッ ト等 の研 究 に従 事.

IEEE,CIRP等 の正 会 員.

(日 本 ロ ボ ッ ト学 会正 会 員)

金 子 透(Toru Kaneko)

1948年6月21日 生.1974年 東 京 大学 大 学 院工 学

系 研 究科 物理 工 学専 攻 修士 課 程修 了.同 年 日本電 信

電 話(株)入 社.1997年 静 岡 大学 工 学 部教 授.工

学 博 士(東 京 大 学).画 像 処 理,ロ ボ ッ トビジ ョン

等 の研 究 に従 事.IEEE,電 子 情 報通 信 学 会,情 報

処 理 学 会等 の会 員.(日 本 ロボ ッ ト学 会正 会 員)

淺 間 一(Hajime Asama)

1959年1月18日 生.1984年 東京大学大学院工学

系研究科精密機械工学専攻修士課程修了.1986年

理化学研究所化学工学研究室研究員補.同 研究所生

化学 システム研究室研究員,工 学基盤研究部技術開

発促進室長を経 て,2002年 分散適応 ロボテ ィクス

研究ユニ ットリー ダー.現 在,東 京大学人工物工学

研 究 セ ンター教 授.自 律 分散 型 ロボ ッ トシ ステ ム,創 発 ロボ ッ トシ ス

テ ム の研 究 や 複 数 自律 移 動 ロボ ッ トの協 調 技 術,知 的 デ ー タキ ャ リ

ア とそ の 応 用技 術 の 開発 等 に従事.1995年 日本 機 械学 会 ロ ボ メ ッ ク

賞,Robo Cup-98 Japan Open人 工 知 能学 会 賞(UTTORI United

Team),2001年 日本機 械 学 会 ロボ メカ部 門 学術 業 績 賞,日 本 産 業 デ

ザ イ ン振 興 会2002年 グ ッ ドデザ イ ン賞(新 領 域 デ ザ イ ン部 門)等 受

賞.IEEE,日 本 機械 学 会,計 測 自動制 御学 会等 の 会 員.工 学博 士(東

京大 学),(日 本 ロ ボ ッ ト学 会 正 会 員)

太 田 順(Jun Ota)

1965年2月19日 生.1989年 東 京 大学 大 学 院工

学 系 研 究 科 精 密 機 械 工 学 専 攻 修 士 課 程 修 了.同 年

新 日本 製鐵(株)入 社.1991年 東 京 大学 工 学 部助

手.1994年 同 講 師.1996年 東 京 大 学 大 学 院工 学

系 研 究科 精 密機 械 工 学専 攻 助教 授.1996-1997年

Stanford大 学CenterforDesign Research客 員

研 究 員.群 知 能 ロ ボ ッ ト,大 規模 搬 送 シス テ ム,ロ ボ ッ トの 環境 設 計

等 の研 究 に従事,博 士(工 学).(日 本 ロ ボ ッ ト学会 正 会 員)

JRSJ Vol.21 No.3 68 Apr.,2003